JP5068760B2 - オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

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Description

連邦の援助による研究または開発に関する陳述
この研究は、部分的には、米国エネルギー省契約no.DE−FC02−00CH11062の下で資金を提供された。
本開示は、オーステナイト系ステンレス鋼に関する。特に、本開示は、高温環境にさらされた時に改良された耐クリープ性及び/または改良された耐食性を有するオーステナイト系ステンレス鋼に関する。
高温の空気は、特に腐食性の環境を与える。かなりの水蒸気が存在する場合、さらに攻撃的な腐食条件が生じ得る。
高温の空気及びかなりの水蒸気の組合せは、エネルギー発生装置の例えばガスタービン、蒸気タービン、及び燃料電池において、及びこのようなエネルギー発生装置によって使用されるかまたは発生するガス流れを取り扱う熱交換器及び回収熱交換器において、並びに化学薬品または鉱物を高温で処理するか、加工するか、または抽出するための装置において一般的である。従って、こうした条件にさらされるこのような装置の部品は、様々なオーステナイト系ステンレス鋼から製造されてきた。
耐食性を向上するために、オーステナイト系ステンレス鋼は、クロム、ニッケル、マンガン、及び他の合金添加物の様々な組合せを含む。それにもかかわらず、ステンレス鋼及び特定の他のクロムを含む耐熱合金(chromium-bearing heat-resistant alloy)は、高温の空気中で及び水蒸気を含む高温の空気中で攻撃を受けやすい。この攻撃は、2つの異なる形態を取る。低合金含量ステンレス鋼の例えばAISIタイプ304(名目上、18重量%のクロム及び8重量%のニッケル、残りは鉄)は、水蒸気の存在下での加速酸化という欠点を有する。ゆっくり成長する酸化クロム膜は、素早く成長する混合鉄及び酸化クロムで構成される厚いスケールによって置き換えられる。結果は、酸化物への転換による急速な金属消費である。高合金含量材料の例えば超フェライト系鉄−クロムステンレス鋼(superferritic iron-chromium stainless steel)及びニッケル−クロム超合金は、この形態の攻撃に影響を受けないようであるが、水蒸気にさらされている最中の重量損失という欠点を有することが観察されている。高合金含量材料のうちの幾つかの表面に形成される酸化物は非常に純粋な酸化クロムであり、揮発性のクロムオキシヒドロキシドの形成によって蒸発を受けやすい。雰囲気へのクロムのこの蒸発による損失の結果は、金属基体における異常に高いレベルのクロム消耗であり、これは、高温耐酸化性の損失を生じ得る。前述の腐食状態の間の遷移は比較的に複雑であり、両方の状態の様相が幾つかの合金において認められる。
腐食に加えて、高温環境における物品及び部品は、クリープという欠点を有することがある。クリープは、通常の降伏強さよりも低い応力で長時間保持された合金の望ましくない塑性変形である。従って、クリープは、例えば、エネルギー発生装置及び関連装置において、並びに化学薬品若しは鉱物を高温加工するか、処理するか、若しくは抽出するための、または合金を高温処理するか若しくは加工するための装置及び部品において、高い応力及び高温を被る特定の構造部品及び他の部品に影響することがある。このような用途においては、部品を、高温環境における腐食に対する実質的な耐性を有し、また実質的な耐クリープ性を有する材料から形成することがしばしば望ましい。
合金元素であるマンガンは、酸化クロム蒸発の影響を軽減する際に役割を果たすことが示された。多くのステンレス鋼規格は、2重量%以下に限定されたレベルでマンガンを含み、必要な最低レベルはない。こうした鋼中のマンガンは、意図的な合金添加物ではなく、むしろ、スクラップ出発原料に由来する偶発的な成分として鋼中に含まれる。偶発的なマンガンのためのかなりの許容量を含む、高温高水蒸気含量環境における使用のために適合された1つのオーステナイト系ステンレス鋼は、NF709合金である。NF709合金は、ニッポン・スチール・コーポレーション(Nippon Steel Corporation)から、ボイラー用途のためのシームレス管類を含む形態で入手可能である。ニッポン・スチールの刊行物である"Quality and Properties of NF709 Austenitic Stainless Steel for Boiler Tubing Applications"において提供されるNF709合金の組成を、表1に示す。発表された組成は、マンガン限度1.5重量%を指定し、指定された最小はない。この合金に関する研究の様々な発表された報告によれば、典型的な工業的なマンガン含量は約1重量%である。特定の他のオーステナイト系ステンレス鋼も表1に示す。本説明全体にわたる元素濃度は、特に断らない限り、総合金重量を基準として重量%である。表1における“NS”は、特定のUNS規格は、元素のための濃度を指定していないことを示す。
Figure 0005068760
表1に関連して、基本的なAISIタイプ201ステンレス鋼は、標準的な18クロム−8ニッケルステンレス鋼と同様であるが、合金コストを下げるために少量のニッケルをマンガンで置き換えてある。一般に、タイプ201合金は、高温で使用するための十分な耐クリープ及び耐酸化性を有しない。より高い合金化材料の例えば合金のニトロニック(登録商標)(NITRONIC(登録商標))群、エッシェテ1250(Esshete 1250)合金、及び21−6−9合金(UNS S21900)は、低いニッケルレベル(約11重量%最大)及びかなりのマンガンレベル(5〜10重量%)を含み、典型的に、高いクリープ強さ及び適度の環境上の耐性のために設計されている。市販の耐熱ステンレス鋼の例えばAISIタイプ309S及び310Sは一般に、最高約2重量%までのレベルでマンガンを含む。こうした合金は、冶金学的安定性の点で幾分不十分であり、これは、こうした2つの等級の場合のニッケル対クロムの比が典型的な使用温度でかなりの量の脆い相の形成をもたらす限りは、基本的な組成に関連付けてよい。
高温の空気中で及び/またはかなりのレベルの水蒸気を含む高温の空気中で改良された高温耐クリープ性及び/または腐食性攻撃に対する耐性を有するオーステナイト系ステンレス鋼を提供することは有利であると思われる。例えば、水蒸気を含む高温の空気中で実質的な耐食性を示すステンレス鋼は、非常に腐食性の高温高水蒸気含量環境にさらされる、例えば、ガスタービン、蒸気タービン、及び燃料電池を含む、例えば、エネルギー発生装置の部品において有利に用いられる可能性がある。このような部品は、熱交換器、回収熱交換器、管類、パイプ、及び特定の構造部品を含む。高温の空気中で実質的な耐食性を示す合金をまた、化学薬品若しくは鉱物の高温加工、処理、若しくは抽出のための、または合金の高温加工若しくは処理のための特定の装置において有利に適用してよい。実質的な高温耐クリープ性並びにかなりの耐食性の両方を示すステンレス鋼は、高い応力にさらされる前述の装置の部品における使用のために有利に適合される可能性がある。
本開示によれば、高温の空気の環境にさらされた時に改良された高温耐クリープ性及び/または腐食に対する改良された耐性を有するオーステナイト系ステンレス鋼が提供される。本明細書において使用する“高温”は、約100°F(約37.8℃)を超える温度を指す。本開示の1態様によれば、0.05〜0.2の炭素;0.08〜0.2の窒素;20〜23のクロム;25〜27のニッケル;1〜2のモリブデン;1.5を超える〜4.0のマンガン;0.20〜0.75のニオブ;最高0.1までのチタン;鉄;及び偶発的な不純物を含むオーステナイト系ステンレス鋼が提供される。特定の非限定具体例においては、鋼のマンガン含量は、少なくとも1.6〜最高4.0重量%までである。また、特定の非限定具体例においては、オーステナイト系ステンレス鋼は、以下の元素のうちの1つ以上をさらに含む:0を超える〜0.50のケイ素;0を超える〜0.30のアルミニウム;0を超える〜0.02の硫黄;0を超える〜0.05のリン;0を超える〜0.1のジルコニウム;及び0を超える〜0.1のバナジウム。特定の非限定具体例によれば、鋼のチタン及び/またはアルミニウム含量は、0.1重量%以下である。
本明細書において使用する、下限に関係なく、“最高〜までの”の使用は、参照した元素の欠如を含む。また、チタン及びアルミニウム含量に関連して本明細書において使用する“以下”は、こうした元素の欠如を含む。
本開示の別の態様によれば、0.05〜0.2の炭素;0.08〜0.2の窒素;20〜23のクロム;25〜27のニッケル;1〜2のモリブデン;1.5を超える〜4.0のマンガン;0.20〜0.75のニオブ;最高0.1までのチタン;最高0.50までのケイ素;最高0.30までのアルミニウム;最高0.02までの硫黄;最高0.05までのリン;最高0.1までのジルコニウム;最高0.1までのバナジウム;鉄;及び偶発的な不純物を含むオーステナイト系ステンレス鋼が提供される。特定の非限定具体例においては、鋼のマンガン含量は、少なくとも1.6〜最高4.0重量%までである。また、特定の非限定具体例によれば、鋼のチタン及び/またはアルミニウム含量は0.1重量%以下である。
本開示のさらに別の態様によれば、以下のものから本質的になるオーステナイト系ステンレス鋼が提供される:0.05〜0.2の炭素;0.08〜0.2の窒素;20〜23のクロム;25〜27のニッケル;1〜2のモリブデン;1.5を超える〜4.0のマンガン;0.20〜0.75のニオブ;最高0.1までのチタン;最高0.50までのケイ素;最高0.30までのアルミニウム;最高0.02までの硫黄;最高0.05までのリン;最高0.1までのジルコニウム;最高0.1までのバナジウム;鉄;及び偶発的な不純物。特定の非限定具体例によれば、鋼のマンガン含量は、少なくとも1.6〜最高4.0重量%までである。
本開示のなおさらなる態様によれば、0.05〜0.2の炭素;0.08〜0.2の窒素;20〜23のクロム;25〜27のニッケル;1〜2のモリブデン;1.5を超える〜4.0のマンガン;0.20〜0.75のニオブ;最高0.1までのチタン;最高0.50までのケイ素;最高0.30までのアルミニウム;最高0.02までの硫黄;最高0.05までのリン;最高0.1までのジルコニウム;最高0.1までのバナジウム;鉄;及び偶発的な不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼が提供される。鋼の特定の非限定具体例においては、鋼のマンガン含量は、少なくとも1.6〜最高4.0重量%までである。
本開示の別の態様は、鋼の総重量を基準として重量%で:0.05〜0.2の炭素;0.08〜0.2の窒素;20〜23のクロム;25〜27のニッケル;1〜2のモリブデン;最高4.0のマンガン;0.20〜0.75のニオブ;0.1以下のチタン及び0.1以下のアルミニウムのうちの少なくとも1つ;鉄;並びに偶発的な不純物を含むオーステナイト系ステンレス鋼に関する。
本開示のさらなる態様は、鋼の総重量を基準として重量%で:0.05〜0.2の炭素;0.08〜0.2の窒素;20〜23のクロム;25〜27のニッケル;1〜2のモリブデン;最高4.0までのマンガン;0.20〜0.75のニオブ;0.1以下のチタン及び0.1以下のアルミニウムのうちの少なくとも1つ;最高0.50までのケイ素;最高0.02までの硫黄;最高0.05までのリン;最高0.1までのジルコニウム;最高0.1までのバナジウム;鉄;並びに偶発的な不純物から本質的になるオーステナイト系ステンレス鋼に関する。特定の非限定具体例においては、鋼は少なくとも1.5〜最高4.0重量%までのマンガンを含み、一方、他の具体例においては、鋼は1.6〜最高4.0重量%までのマンガンを含む。
本開示のなおさらなる態様は、鋼の総重量を基準として重量%で:0.05〜0.2の炭素;0.08〜0.2の窒素;20〜23のクロム;25〜27のニッケル;1〜2のモリブデン;最高4.0までのマンガン;0.20〜0.75のニオブ;0.1以下のチタン及び0.1以下のアルミニウムのうちの少なくとも1つ;最高0.50までのケイ素;最高0.02までの硫黄;最高0.05までのリン;最高0.1までのジルコニウム;最高0.1までのバナジウム;鉄;並びに偶発的な不純物からなるオーステナイト系ステンレスに関する。特定の非限定具体例においては、鋼は少なくとも1.5〜最高4.0重量%までのマンガンを含み、一方、他の具体例においては、鋼は1.6〜最高4.0重量%までのマンガンを含む。
本発明のさらに別の態様によれば、本開示に従う組成物を有するオーステナイト系ステンレス鋼を含む製造物品が提供される。製造物品の非限定具体例は、例えば、エネルギー発生装置及びこのような装置の部品を含む。例えば、製造物品を、ガスタービン、蒸気タービン、燃料電池、熱交換器、回収熱交換器、管、パイプ、構造部品、及びそれらの装置のいずれでものための他の部品から選択してよい。製造物品の他の例は、化学薬品及び鉱物の高温加工、処理、若しくは抽出のための、または合金の高温加工若しくは処理のための装置或いは装置のための配管、管類、及び他の部品を含む。
読者は、本開示の範囲内の特定の非限定具体例の以下の詳細な説明を検討することによって、前述の詳細並びに他のものを了解できよう。また、読者は、本開示の範囲内の合金及び製造物品を評価するかまたは使用することによって、追加の利点及び詳細を理解できよう。
本明細書において説明する合金及び物品の特徴及び利点は、添付図を参照することによってより良く理解できよう。
作動例における以外に、または他に示す場合、本説明及び請求の範囲において使用する成分の量、加工条件及びその他同様なものを表す全ての数は、全ての場合に“約”という用語によって修正されることは理解できるはずである。従って、特に断らない限り、以下の説明及び添付の請求の範囲において述べる任意の数値パラメータは、本開示に従う合金及び物品において得ようと試みる所望の特性に依存して変化することがある近似である。少なくとも、また、請求の範囲に対する均等論の適用を限定しようとしてではなく、各数値パラメータは少なくとも、報告された有効数字の数を考慮し、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。
本開示の広い範囲を述べる数値の範囲及びパラメータは近似であるにもかかわらず、任意の具体的な例において述べる数値をできる限り正確に報告する。しかしながら、いかなる数値も、本質的に、それらのそれぞれの試験測定において見い出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差、例えば、装置及び/または操作員誤差を含む。また、本明細書において記載する任意の数値の範囲は、その中に包含される範囲の境界及び全ての下位範囲を含むことを意図されていることは理解できるはずである。例えば、“1〜10”の範囲は、記載された最小値1及び記載された最大値10の間の(及び含む)全ての下位範囲を含むことを意図されている、すなわち、1以上の最小値及び10以下の最大値を有する。
本明細書において参考のために引用すると述べられている任意の特許、刊行物、または他の開示材料は、全部または部分的に、引用した材料が本開示において述べる既存の定義、陳述、または他の開示材料と矛盾しない程度に本明細書において引用するのみである。従って、及び必要な程度に、本明細書において述べる本開示は、本明細書において参考のために引用する任意の矛盾する材料にとって代わる。本明細書において参考のために引用すると述べられているが本明細書において述べる既存の定義、陳述、または他の開示材料と矛盾する任意の材料、またはこの一部分は、引用した材料と既存の開示材料との間に矛盾が生じない程度に引用するのみである。
上記に説明したように、特定のオーステナイト系ステンレス鋼は、高温の空気にまたはかなりの水蒸気を含む高温の空気にさらされる物品及び部品において使用されてきた。このような条件にさらされる部品は、例えば、エネルギー発生装置、例えばガスタービン、蒸気タービン、及び燃料電池、並びに熱交換器及び回収熱交換器の、並びに化学薬品若しくは鉱物の高温加工、処理、若しくは抽出、または合金の高温加工若しくは処理のための装置及び部品における影響される部品を含む。こうした鋼は、しかしながら、ある時間にわたってこうした条件にさらされた際に、依然として、あるレベルの腐食性攻撃という欠点を有する。従って、本願発明者らは、特定の修正されたオーステナイト系ステンレス鋼の化学が、高温環境における耐食性をさらに改良するかどうか決定しようと試みた。下記にさらに説明するように、本願発明者らは、1.5重量%以下のマンガンを含む合金は、酸化物スケール蒸発及びそれに続く水蒸気を含む空気中での劣化を被ることを決定した。本願発明者らの研究は、部分的には、1.5重量%を超えるマンガンをかなりのレベルのクロム及びニッケルと共に含む特定の新規なオーステナイト系ステンレス鋼の化学に焦点を合わせている。その研究の結果として、本願発明者らは、表2に列記する広い組成、より好ましくは名目組成を有するオーステナイト系ステンレス鋼は、高温の空気の環境において及び水蒸気を含む高温の空気の環境において酸化クロムスケール蒸発に対する実質的な耐性を有するだろうと結論した。提案される合金のマンガン含量を最小のレベルで制御し、これは、高温腐食性攻撃に対する耐性をかなり改良することが見い出された。
Figure 0005068760
表3は、試験の最中に評価した幾つかの合金に関する情報を提供する。全てのヒートを溶解し、それに続いて圧延して、はくゲージにした。ヒート1及び3は実験室ヒートであり、ヒート2をパイロットコイルとして作製し、ヒート4は、製造コイルとして作製したプラントヒートだった。ヒート1、3、及び4を、1.0重量%のマンガンを目標として作製し、ヒート2を、1.6重量%のマンガンを目標として作製した。
Figure 0005068760
それぞれヒート2及び4として表3に列記する1.6及び1.0重量%のマンガン(名目)変種の比較は、より低いマンガン版は、増湿した空気中で、特により高い温度で、酸化物スケール蒸発をかなりより受けやすいことを示した。これは、時間が経つにつれてかなりの環境上の攻撃をもたらす可能性がある。試験を次の通り行った。
試料を、1300〜1500°F(704〜815℃)の温度範囲において、湿った空気中にさらした。図1に示すように、高マンガン試料(約1.6重量%のマンガン、ヒート2)及び低マンガン試料(約1.0重量%のマンガン、ヒート3)の両方が、1300°F(704℃)で10%の水蒸気を含む空気中にさらされた際に、時間が経つにつれての重量変化(mg/cm)の点で同様の酸化速度論を示した。低マンガン試料は一般にわずかにより低い重量増加を示し、幾分不規則な挙動を有した。
図2は、試料が1400°F(760℃)で7%の水蒸気を含む空気中にさらされた際の、高マンガン(ヒート2)及び低マンガン(ヒート4)合金の試料の場合の、時間が経つにつれての重量変化を示す。試料は、こうした条件下でかなり異なる酸化速度論を示した。高マンガン試料は、試験の初めの部分の最中に急速に重量を得たが、次に重量増加はかなり減速した。5,000時間の試験の完了の後に、2つの試料は本質的に同一の重量増加を示した。
図3は、試料が1500°F(815℃)で7%の水蒸気を含む空気中にさらされた際の、高マンガン(ヒート2)及び低マンガン(ヒート4)合金の試料の場合の、時間が経つにつれての重量変化を示す。曲線は、より低いマンガン試料は、試験時間の最中にかなりの酸化物スケール蒸発を示したことを示す。より高いマンガン合金は、限定された試験暴露にわたって同じ重量変化を示さなかった。
上記の1300°F(704°)及び1400°F(760℃)の条件下で5,000時間の総暴露にさらされた試料を、取り付け、研磨し、調べた。高マンガン試料表面に形成された酸化物スケールは、薄く、緻密であり、本質的に特徴がないようだった。低マンガン変種は、1300°F(704°)で湿度の高い空気中にさらされた後に、スケールの下のボイド形成を示した。図4aに示すこうしたボイドの上の酸化物スケールは、他の場所のスケールよりもわずかに厚かった。散乱した酸化物ノジュールが、1400°F(760℃)で湿度の高い空気中にさらされた低マンガン試料表面に存在した。ノジュールの例を図4bに示す。多数の小さな“現れた”ノジュールは、酸化物スケールを分裂させる過程中にあるようだった。
試料をまた、水蒸気を含む1500°F(815℃)の空気にさらした後に、拡大下で調べた。約3,000時間の後に、低マンガン(約1.0重量%のマンガン、ヒート4)試料の表面の酸化物スケール中に混合酸化物の小さなノジュールが形成されることが観察された。低マンガン試料を再度、約8,000時間の暴露の後に拡大下で調べ、酸化物ノジュールは、サイズがかなり成長したことが見い出された。高マンガン(約1.6重量%のマンガン、ヒート2)試料を約3,500時間で調べ、ノジュールは酸化物スケール中に観察されなかった。
走査型電子顕微鏡(SEM)における微量分析を使用して、酸化物スケールの一般的な組成構成を研究した。スケールは比較的に薄く(2〜3ミクロン)、これは、詳細な組成プロファイルを得るのを困難にした。測定は一般に、スケール/合金界面の近く及びスケール/気体界面の近くの部位に限定された。高マンガン合金(ヒート2)は、合金からスケールへのかなりより大きなマンガン偏析を示すことが観察された。図5を参照されたく、これは、幾つかの試料に関してスケール/合金界面及びスケール/気体界面でSEMにおけるX線エネルギー分散型分光法(XEDS)(半定量)を使用して決定した、MnO対Crのモル比として測定した酸化物組成をプロットする。低マンガン材料は、スケール/気体界面で1300°F(704℃)でマンガン飽和(すなわち、MnO/Cr比1.0)を示さず、1400°F(760℃)で境界線上で飽和した(borderline saturated)。スピネルにおいてマンガン飽和を実現することは、蒸発に対する耐性を提供する際に重要であると考えられている。
同じ技術(SEMにおけるXEDS、標準のない及び標準に基づく方法を使用して定量化した)を使用して、水蒸気を含む高温の空気にさらされた後の、下にある金属におけるクロム消耗のレベル及び程度を決定した。図6は、5,000時間、1300°F(704℃)で10%の水蒸気を含む空気中にさらされたそれぞれヒート2及び4からの高マンガン及び低マンガン試料の場合の、試料表面中への深さの関数としてのクロム濃度をプロットする。低マンガン試料の場合に観察された消耗は、スケール/金属界面に直接に隣接するクロム濃度の点でかなりより大きい。試料の間の消耗の深さは著しく異なるようではない。各試料から得たクロムプロファイルは極めて鋭いようであり、クロムは試料の内部からスケール/合金界面に素早く拡散できないことを示す。
図7は、5,000時間、1400°F(760℃)で7%の水蒸気を含む空気中にさらされた高マンガン及び低マンガン試料、それぞれヒート2及び4の場合の、試料表面中への深さの関数としてのクロム濃度のプロットである。図6と同様に、低マンガン試料の場合のクロム消耗は、スケール/金属界面で高マンガン試料の場合よりもかなりより大きかった。1400°F(760℃)でのクロム消耗の影響は、スケール/合金界面での末端クロム含量の点で、図6に示すものと比較して実質的に大きくないが、図7に示す勾配は基板中にはるかに深く進むことが観察された。これは、金属におけるクロムの拡散は、酸化が理由となるクロム消耗の影響を非局在化するのに1400°F(760℃)で十分素早いので、生じたかもしれない。
図8は、7%の水蒸気を含む高温の空気にさらされたそれぞれヒート2及び4から得た高マンガン及び低マンガン試料の場合にSEMにおけるXEDS(半定量)を使用して、MnO対Crのモル比として測定した酸化物組成を示すグラフである。スケール/合金界面及びスケール/気体界面で測定した。1300°F(704℃)及び1400°F(760℃)の空気にさらした後に行った評価を、約5,000時間の暴露時間の後に行った。1500°F(815℃)で暴露した後に行ったものを、約3,000時間の暴露時間の後に実行した。低マンガン材料は、スケール/気体界面で1300°F(704℃)で及び1500°F(815℃)でマンガン飽和(すなわち、MnO/Cr比1.0)を示さず、1400°F(760℃)で境界線上で飽和した。
より高いマンガン合金のヒートの組を作製して、耐酸化性が、さらに増大したマンガンレベルにいかに応答するかを評価した。表4は、ヒート5及び6として参照する追加のヒートの化学組成を示す。
Figure 0005068760
図9は、1400°F(760℃)で7%の水蒸気を含む空気中にさらされた、ヒート2(1.61重量%のマンガン)、ヒート5(2.04重量%のマンガン)、及びヒート6(3.82重量%のマンガン)の合金の試料の場合の、時間が経つにつれての試料の重量変化のプロットである。結果は、より高いマンガンレベルは、酸化物スケール形成によってより高い初めの重量増加を生じることを示す。図9に示す重量増加は問題のあるようではなかったが、約4重量%を超えるより高いマンガンレベルは、さらなるスケール形成及び重量増加、並びに材料の破砕という結果として生じる望ましくない結果をもたらすと思われると考えられている。
表5における追加のヒート7〜11を作製した。ヒートは、0.1重量%未満のチタンを含んだ。ヒート7、8及び11はまた、0.1重量%未満のアルミニウムを含んだ。
Figure 0005068760
上記に検討したように、高温で長時間応力にさらされたオーステナイト系ステンレス鋼はクリープを被り得る。大部分のオーステナイト系ステンレス鋼は、比較的に少ないレベルのチタン及びアルミニウムを含んで、溶解及び鋳造の最中の溶融金属の脱酸素反応を促進する。こうした元素はまた、窒化物及び、多分、固体状態の金属間相として析出する。こうした析出した相は、加工の最中に溶解するのが非常に困難であるまたは実行不可能である。過度の窒化物形成は、固溶体における窒素のレベルを低減する効果を有しようし、これは、合金のクリープ強さを低減しよう。特に、鋼を折曲げるかまたは打抜きして部品形状にすることによって形成する場合、窒化物及び金属間相はまた加工をより困難にし得る。
従って、折曲げ、打抜き、及び同様の機械的加工工程の最中の合金のクリープ強さ及び成形性を改良するために、本開示のオーステナイト系ステンレス鋼のための好ましい化学は、0.1重量%以下のチタン及び0.1重量%以下のアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む。より好ましくは、耐クリープ性及び成形性をより良好に向上するために、本開示のオーステナイト系ステンレス鋼は、0.1重量%以下のチタン及び0.1重量%以下のアルミニウムを含む。
上記に基づいて、調べられた化学を有し、1.5重量%を超え、最高約4重量%までのレベルでマンガンを含むオーステナイト系ステンレスは、過度のスケール形成及び破砕という欠点を有することなく、かなりの水蒸気を含むことがある空気中の高温攻撃に対する有利な耐性を示すはずである。特に、表2に示す広い及び名目合金組成を、高温の空気中で及び水蒸気を含む高温の空気中で腐食性攻撃に対する実質的な耐性を有するオーステナイト系ステンレス鋼として提案する。好ましいマンガンレベルは少なくとも1.6〜最高約4重量%までであり、より好ましいマンガンレベルは少なくとも1.6〜最高約2.0重量%までのマンガンである。
改良された耐クリープ性及び改良された成形性を有する追加の提案される合金化学は、表2に示す一般的な化学を有するが、0.1重量%以下のチタン及び/または0.1重量%以下のアルミニウムを含む。チタン及び/またはアルミニウム含量に関する限定から生じる耐クリープ性の予想される改良は、必ずしも、マンガン含量を1.5重量%を超える〜最高約4重量%までの範囲に制御することによって提供される改良された高温耐食性に関連付けられない。むしろ、改良された耐クリープ性及び成形性を有する本明細書において提案される合金のマンガン含量は、最高約4.0重量%までの任意のレベルとしてよい。従って、以下の表6における合金は、有利な耐クリープ性及び成形性特性を示すはずであり、好ましい化学は、0.1重量%以下のチタン及び0.1重量%以下のアルミニウムを含む。
Figure 0005068760
有利な高温耐クリープ性、改良された成形性、及び水蒸気を含む高温の空気中での腐食性攻撃に対する有利な耐性を示す合金は、表6に示す組成を有すると思われ、ここで、マンガン含量は、1.5を超える〜最高約4.0重量%までであり、好ましくは少なくとも1.6〜最高約4.0重量%までであり、より好ましくは少なくとも1.6〜最高約2.0重量%までであるように、組成をさらに制御する。このような合金は、例えば、先に言及したエネルギー発生装置の構造部品及び他の部品並びに応力にさらされる及び水蒸気を含む高温の空気にさらされるの両方である加工、処理、または抽出装置を製造する際に有利に適用される可能性がある。
クリープに対する実質的な耐性をより良好に確実にするために確立された、本明細書において提案されるオーステナイト系ステンレス鋼の化学に関する任意の限定は、合金におけるニオブ対炭素の比は、以下の式:
0.7<(ニオブ/炭素)≦1.0、
[式中、式中のニオブ及び炭素含量は原子パーセントで表される。]
を満足するというものである。
本明細書において開示する新規な耐食性オーステナイト系ステンレス鋼のヒートを、従来の手段によって、例えばスクラップ及び他の供給材料を真空溶解する従来の技術によって製造してよい。得られたヒートを、従来の技術によってビレット、スラブ、プレート、コイル、シート、及び他の中間物品に加工してよく、次に最終製造物品にさらに加工する。0.1重量%以下のチタン及び/または0.1重量%以下のアルミニウムを含む本開示の範囲内の合金の具体例の向上した成形性は、比較的に複雑な形状を有する物品にさらに加工されるべき、合金から形成されたフラットミル生成物(例えば条片、シート、プレート、コイル、及びその他同様なもの)を可能にする。合金のこの特性は、より制限された成形性を有し、一般にシームレスパイプへの押出しによって加工されるのみであるNF709合金と比較して利点である。
本開示に従う新規なオーステナイト系ステンレス鋼は、任意の適切な用途及び環境において使用してよいが、合金は、高温に、または、高温及びかなりの水蒸気の両方に長時間さらされる装置及び部品における使用に特に適している。例えば、本明細書において開示する合金の耐クリープ性及び/または高温耐食性は、これを:化学薬品若しくは鉱物の高温加工、処理、若しくは抽出、または合金の高温加工若しくは処理のために適合された装置の管類、配管、構造部品、及び他の部品;エネルギー発生装置の例えばガスタービン、蒸気タービン、及び燃料電池の管類、配管、構造部品、及び他の部品;並びにエネルギー発生装置によって使用されるかまたは発生するガス流れを取り扱う熱交換器、回収熱交換器、及び他の装置の部品における使用に特に適したものにする。本明細書において開示する合金のための他の用途は、合金の本説明を検討することによって、当業者には明瞭であろう。
前述の説明は、やむを得ず限定された数の本発明の具体例を提出したが、当業者であれば、本発明の性質を説明するために本明細書において説明し、示した実施例の組成物及び他の詳細の様々な変更を当業者によって行うことができ、本明細書において及び添付の請求の範囲において表すように全てのこのような修正は本発明の原理及び範囲内にあるままであることは、了解できよう。また、当業者であれば、変更を、その広い本発明の概念から逸脱することなく、上記の具体例に対して行うことができる可能性があることは了解できよう。従って、本発明は、開示する特定の具体例に限定されるのではなく、請求の範囲によって定義される本発明の原理及び範囲内の修正を包含することを意図されていることは理解される。
1300°F(704℃)で10%の水蒸気を含む空気中にさらされた合金試料の場合の、時間が経つにつれての重量変化のプロットである。 1400°F(760℃)で7%の水蒸気を含む空気中にさらされた合金試料の場合の、時間が経つにつれての重量変化のプロットである。 1500°F(815℃)で7%の水蒸気を含む空気中にさらされた合金試料の場合の、時間が経つにつれての重量変化のプロットである。 図4(a)は、水蒸気を含む高温環境にさらされた合金試料表面に形成された酸化物スケールの顕微鏡写真である。
図4(b)は、水蒸気を含む高温環境にさらされた合金試料表面に形成された酸化物スケールの顕微鏡写真である。
水蒸気を含む高温環境にさらされた幾つかの合金の場合に、MnO対Crのモル比として測定した酸化物組成のグラフである。 試料中への深さの関数としての2つの合金試料のクロム含量のプロットである。 試料中への深さの関数としての2つの合金試料のクロム含量のプロットである。 7%の水蒸気を含む高温環境にさらされた高マンガン及び低マンガン試料の場合に、MnO対Crのモル比として測定した酸化物組成のグラフである。 1400°F(760℃)で10%の水蒸気を含む空気中にさらされた合金試料の場合の、時間が経つにつれての重量変化のプロットである。

Claims (25)

  1. オーステナイト系ステンレス鋼であって、該鋼の総重量を基準として重量%で:0.05〜0.2の炭素;0.08〜0.2の窒素;20〜23のクロム;25〜27のニッケル;1〜2のモリブデン;1.5を超える〜4.0のマンガン;0.20〜0.75のニオブ;最高0.1までのチタン;最高0.50までのケイ素;最高0.30までのアルミニウム;最高0.02までの硫黄;最高0.05までのリン;最高0.1までのジルコニウム;最高0.1までのバナジウム;残部の鉄;及び不可避的不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼。
  2. 前記鋼は、前記鋼の総重量を基準として、1.6〜4.0重量%のマンガンからなる、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
  3. 前記鋼の総重量を基準として重量%で、以下のもののうちの少なくとも1つからなる、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼:
    0を超える〜0.50のケイ素;0を超える〜0.30のアルミニウム;0を超える〜0.02の硫黄;0を超える〜0.05のリン;0を超える〜0.1のジルコニウム;及び0を超える〜0.1のバナジウム。
  4. ルミニウムは、前記鋼の総重量を基準として、0.1重量%以下である、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
  5. 前記鋼におけるニオブ対炭素の比は、式:
    0.7<(ニオブ/炭素)≦1.0、
    [式中、前記式中のニオブ及び炭素含量は原子パーセントで表される。]
    を満足する、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
  6. 前記鋼の総重量を基準として重量%で:0.05〜0.2の炭素;0.08〜0.2の窒素;20〜23のクロム;25〜27のニッケル;1〜2のモリブデン;1.〜4.0のマンガン;0.20〜0.75のニオブ;最高0.1までのチタン;最高0.50までのケイ素;最高0.0までのアルミニウム;最高0.02までの硫黄;最高0.05までのリン;最高0.1までのジルコニウム;最高0.1までのバナジウム;残部の鉄;及び不可避的不純物からなる、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
  7. オーステナイト系ステンレス鋼からなる部品を構成要素として含む製品であって、該鋼の総重量を基準として重量%で:0.05〜0.2の炭素;0.08〜0.2の窒素;20〜23のクロム;25〜27のニッケル;1〜2のモリブデン;1.5を超える〜4.0のマンガン;0.20〜0.75のニオブ;最高0.1までのチタン;最高0.50までのケイ素;最高0.30までのアルミニウム;最高0.02までの硫黄;最高0.05までのリン;最高0.1までのジルコニウム;最高0.1までのバナジウム;残部の鉄;及び不可避的不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼からなる部品構成要素として含む製品
  8. オーステナイト系ステンレスは、前記鋼の総重量を基準として、1.6〜4.0重量%のマンガンからなる、請求項に記載の製品
  9. 前記オーステナイト系ステンレスは、前記鋼の総重量を基準として重量%で、以下のもののうちの少なくとも1つからなる、請求項に記載の製品
    0を超える〜0.50のケイ素;0を超える〜0.30のアルミニウム;0を超える〜0.02の硫黄;0を超える〜0.05のリン;0を超える〜0.1のジルコニウム;及び0を超える〜0.1のバナジウム。
  10. ーステナイト系ステンレス鋼におけるアルミニウムは、前記鋼の総重量を基準として、0.1重量%以下である、請求項7に記載の製品
  11. 前記製品は、エネルギー発生装置及び化学薬品、鉱物、若しくは合金のうちの少なくとも1つを加工するかまたは処理するための装置のうちの1つである、請求項に記載の製品
  12. 前記製品は、ガスタービン、蒸気タービン、燃料電池、及びそれらの物品のいずれかのための部品からなる群から選択される、請求項に記載の製品
  13. 前記製品は、エネルギー発生装置によって使用されるかまたは発生するガスを受け入れる装置または部品である、請求項に記載の製品
  14. 前記製品は、熱交換器、熱交換器部品、回収熱交換器、及び回収熱交換器部品のうちの1つである、請求項に記載の製品
  15. 前記製品は:
    高温で化学薬品、鉱物、及び合金のうちの少なくとも1つを加工すること;
    高温で化学薬品、鉱物、及び合金のうちの少なくとも1つを処理すること;または
    高温で化学薬品及び鉱物のうちの少なくとも1つを抽出すること;のうちの少なくとも1つのために適合された装置の部品である、請求項に記載の製品
  16. オーステナイト系ステンレス鋼であって、該鋼の総重量を基準として重量%で:0.05〜0.2の炭素;0.08〜0.2の窒素;20〜23のクロム;25〜27のニッケル;1〜2のモリブデン;1.6〜4.0のマンガン;0.20〜0.75のニオブ;0.1以下のチタン及び0.1以下のアルミニウムのうちの少なくとも1つ;最高0.50までのケイ素;最高0.02までの硫黄;最高0.05までのリン;最高0.1までのジルコニウム;最高0.1までのバナジウム;残部の鉄;並びに不可避的不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼。
  17. 前記鋼の総重量を基準として重量%で、以下のもののうちの少なくとも1つからなる、請求項16に記載のオーステナイト系ステンレス鋼:
    0を超える〜0.50のケイ素;0を超える〜0.02の硫黄;0を超える〜0.05のリン;0を超える〜0.1のジルコニウム;及び0を超える〜0.1のバナジウム。
  18. 前記鋼におけるニオブ対炭素の比は、式:
    0.7<(ニオブ/炭素)≦1.0、
    [式中、前記式中のニオブ及び炭素含量は原子パーセントで表される。]
    を満足する、請求項16に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
  19. オーステナイト系ステンレス鋼からなる部品を構成要素として含む製品であって、該鋼の総重量を基準として重量%で:0.05〜0.2の炭素;0.08〜0.2の窒素;20〜23のクロム;25〜27のニッケル;1〜2のモリブデン;1.6〜4.0のマンガン;0.20〜0.75のニオブ;0.1以下のチタン及び0.1以下のアルミニウムのうちの少なくとも1つ;;最高0.50までのケイ素;最高0.02までの硫黄;最高0.05までのリン;最高0.1までのジルコニウム;最高0.1までのバナジウム;残部の鉄;並びに不可避的不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼からなる部品を構成要素として含む製品
  20. 前記オーステナイト系ステンレスは、前記鋼の総重量を基準として重量%で、以下のもののうちの少なくとも1つからなる、請求項19に記載の製品
    0を超える〜0.50のケイ素;0を超える〜0.02の硫黄;0を超える〜0.05のリン;0を超える〜0.1のジルコニウム;及び0を超える〜0.1のバナジウム。
  21. 前記製品は、エネルギー発生装置及び化学薬品、鉱物、若しくは合金のうちの少なくとも1つを加工するかまたは処理するための装置のうちの1つである、請求項19に記載の製品
  22. 前記製品は、ガスタービン、蒸気タービン、燃料電池、及びそれらの物品のいずれかのための部品からなる群から選択される、請求項19に記載の製品
  23. 前記製品は、エネルギー発生装置によって使用されるかまたは発生するガス流れを受け入れる装置または部品である、請求項19に記載の製品
  24. 前記製品は、熱交換器、熱交換器部品、回収熱交換器、及び回収熱交換器部品のうちの1つである、請求項23に記載の製品
  25. 前記製品は:
    高温で化学薬品、鉱物、及び合金のうちの少なくとも1つを加工すること;
    高温で化学薬品、鉱物、及び合金のうちの少なくとも1つを処理すること;または
    高温で化学薬品及び鉱物のうちの少なくとも1つを抽出すること;のうちの少なくとも1つのために適合された装置または装置の部品である、請求項19に記載の製品
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