JP3689009B2 - 高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼とその製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なオーステナイト系ステンレス鋼に係わり、腐食環境、高応力負荷環境下で使用するに好適な構造用のオーステナイト系ステンレス鋼とその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼材料の中でオーステナイト系ステンレス鋼は、優れた耐食性、加工性から構造材料として広く用いられている。しかし、他の構造用鋼と比較すれば強度が低い。また、一般には耐食性は優れているものの、孔食や応力腐食割れが発生するような特殊な腐食環境ではむしろ劣っている。
【0003】
近年、高効率化や軽量化が進められ高強度の構造材料が求められており、この要望に対してはレアメタルなどの合金添加元素による高強度化が図られているが、リサイクル性の観点で好ましくない。合金組成を変えずに、強度と耐食性を向上させる方法として、結晶粒の微細化がある。
【0004】
金属材料の変形の主な要因は、結晶内に存在する転位と呼ばれる格子欠陥の、移動により生じるすべり変形にあり、結晶粒界は転位との相互作用により、転位が粒界を通過する際に大きな抵抗を生む。
【0005】
結晶粒の微細化は、結晶粒界の密度を高くすることを意味し、この結晶粒界による変形抵抗の増加は、降伏応力が結晶粒径の−1/2乗に比例して増加するホール・ペッチの法則としてよく知られている。
【0006】
Crなど保護性皮膜を生成する元素を含む合金は、結晶粒が微細な程、粒界拡散が促進され、保護性被膜が生成し易くなる。また、粒界に偏析した不純物元素が粒界腐食の原因の一つとされているが、結晶粒微細化により粒界を多量に導入すれば不純物元素濃度が希釈され、耐食性が向上する。鉄鋼材料の結晶粒径を微細化する一般的なプロセスとしては、圧延や据え込みなどの加工とその後の熱処理を組み合せた加工熱処理法がある。
【0007】
オーステナイト系ステンレス鋼に対して、加工誘起マルテンサイト変態、および、高温での逆変態を利用した加工熱処理によって、サブミクロンサイズまで結晶粒を微細化させた研究が進められており、例えば、鉄と鋼,日本鉄鋼協会,第80巻、1994年,529〜535頁、および、日本金属学会会報,第27巻,第5号,1988年,400〜402頁に報告されている。
【0008】
しかし、一般的な傾向として、溶体化材が大きな圧下率で圧延される工程では、結晶粒径は強い加工性の影響、即ち、圧延方向および厚さ方向の加工度に強く依存し、不均一な分布となり易く、肉厚の部材を得るには不向きである。さらに、冷間圧延で、割れなしに大きな加工度を得ることは極めて容易でない。
【0009】
ボールミル装置などにより金属粉末を強加工する機械的ミリング法(機械的アロイング法、あるいは、機械的グラインディング法)は、圧延等の従来の方法に比べて、加工の際に蓄積される歪みエネルギーが飛躍的に大きいことから、結晶粒径がナノメートルサイズの結晶組織を有する粉末を作製できる。機械的ミリング処理された粉末(以下、機械的加工粉末と称す)を固化成形するためには、高温で高い圧力を加えて焼結する必要がある。通常、その高温加熱の際に歪みエネルギーが開放されて結晶粒の粗大化が生じるため、ナノ結晶状態を維持したまま粉末を固化成形することは難しい。
【0010】
オーステナイト系ステンレス鋼の機械的加工粉末を固化成形し、サブミクロンサイズまで結晶粒を微細化したバルク材を得る研究が進められており、例えば、特開平8−337853号公報(1)、特開平10−195502号公報(2)、鉄と鋼,日本鉄鋼協会,第84巻、1998年,357〜362頁(3)に報告されている。
【0011】
上記の(2)および(3)に記載された材料ではシグマ相が分散し、オーステナイト結晶粒の成長を抑制している。しかし、オーステナイト系ステンレス鋼に主として現われるM23C6型炭化物やシグマ相は、Crを主成分とするため周囲のCr濃度を下げ、腐食を助長する。微細化によりその影響を小さくすることは可能であるが、微細化のための分散粒子として適しているとは云えない。
【0012】
上記(1)に記載された材料では、Ti,Zr並びにNbを主成分とする炭化物ないし酸化物の析出が想定されるものの、粒成長抑制のために最適な組成やプロセス条件について言及されていない。
【0013】
フェライト鋼に対して、粒径数十ナノメートルの微細Y2O3を添加し分散させることによって、1000℃以上の高温まで粒径がナノメートルサイズの微細結晶組織を安定化できることが、日本鉄鋼協会1998年大会概要集,第11巻563頁に報告されている。しかし、材料の再利用を考慮すると、鉄鋼材料としては特殊なイットリウム等の合金元素の添加は、精錬プロセスを煩雑化し、コスト上昇につながることが懸念され好ましくない。
【0014】
このように、従来公表されている手法では、製品の寸法および形状に制約を受けた条件下でしか、ナノスケールの超微細結晶組織を維持したバルク材の製造には至っていない。また、高強度並びに高耐食性を有するために最適な組成やプロセス条件について言及されていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来材と比較して高強度並びに高耐食性を有する超微細結晶組織のオーステナイト系ステンレス鋼とその製法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する本発明の要旨は以下のとおりである。
【0017】
〔1〕 機械的ミリング処理された機械的加工粉末を固化成形して製造されたステンレス鋼であって、重量でSi:1.0%以下,Mn:2.0%以下,O:0.5%以下,Ni:7〜30%,Cr:14〜26%,CとNを合せて:0.1〜0.3%、および、Ti:1.0%以下,Zr:2.0%以下,Nb:2.0%以下の少なくとも1種を含み、前記C,N,Ti,Zr,Nbの量 ( 重量 ) から式〔1〕により求めたf値が0.4〜2.0であり、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有し、粒径が100nm以下のM(C、N)炭窒化物(但し、MはTi,Zr,Nb)が分散されており、平均結晶粒径が1μm以下で、90体積%以上のオーステナイト相を有することを特徴とする高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼にある。
〔数2〕
f=〔8.33(C)+7.14(N)〕/〔1.10(Zr)+2.09(Ti)
+1.08(Nb)〕 …〔1〕
【0018】
〔2〕 機械的ミリング処理された機械的加工粉末を固化成形して製造されたステンレス鋼であって、重量でSi:1.0%以下,Mn:2.0%以下,O:0.5%以下,Ni:7〜30%,Cr:14〜26%,Mo:3%以下,CとNを合せて:0.1〜0.3%、および、Ti:1.0%以下,Zr:2.0%以下,Nb:2.0%以下の少なくとも1種を含み、前記C,N,Ti,Zr,Nbの量 ( 重量 ) から前記式〔1〕により求めたf値が0.4〜2.0であり、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有し、粒径が100nm以下のM(C、N)炭窒化物(但し、MはTi,Zr,Nb)が分散されており、平均結晶粒径が1μm以下で、90体積%以上のオーステナイト相を有することを特徴とする高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼にある。
【0019】
〔3〕 重量でSi:1.0%以下,Mn:2.0%以下,O:0.5%以下,Ni:7〜30%,Cr:14〜26%,CとNを合せて:0.1〜0.3%、および、Ti:1.0%以下,Zr:2.0%以下,Nb:2.0%以下の少なくとも1種を含み、前記C,N,Ti,Zr,Nbの量 ( 重量 ) から前記式〔1〕により求めたf値が0.4〜2.0であり、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有する平均結晶粒径200nm以下の機械的ミリング処理された機械的加工粉末を700〜900℃で固化成形、または、固化成形とそれに続く固化成形材の加工熱処理を行うことを特徴とする高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼の製法にある。
【0020】
〔4〕 重量でSi:1.0%以下,Mn:2.0%以下,O:0.5%以下,Ni:7〜30%,Cr:14〜26%,Mo:3%以下,CとNを合せて:0.1〜0.3%、および、Ti:1.0%以下,Zr:2.0%以下,Nb:2.0%以下の少なくとも1種を含み、前記C,N,Ti,Zr,Nbの量 ( 重量 ) から前記式〔1〕により求めたf値が0.4〜2.0であり、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有する平均結晶粒径200nm以下の機械的ミリング処理された機械的加工粉末を700〜900℃で固化成形、または、固化成形とそれに続く固化成形材の加工熱処理を行うことを特徴とする高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼の製法にある。
【0021】
なお、前記〔1〕〜〔4〕において、Ti,ZrまたはNbを2種以上用いる場合は、その合計量は2.0%以下が望ましい。
【0023】
前記の機械的加工粉末は、プレアロイ粉末もしくは総体として該組成を満たす粉末を、100℃以下で30時間以上アトリッションミルまたはボールミルを用いて、機械的にグラインディングまたは合金化処理を実施して、平均結晶粒径200nm以下としたものを用いる。
【0024】
また、前記アトリッションミルまたはボールミルを用いた機械的グラインディングまたは合金化処理は、CとNを合せて0.3%以下、さらに好ましくは100℃における熱伝導率が16.7W/m・K以上のFe系合金で作製された鋼球を用いる。
【0025】
また、前記固化成形は、機械的加工粉末を400〜650℃の温度域に0.5〜6時間保持後、もしくは、昇温過程において400〜650℃の温度域を0.5〜6時間かけて昇温後、700〜900℃で行うものである。
【0026】
また、前記の固化成形とそれに続く固化成形材の加工熱処理は、700〜900℃で熱間加圧、熱間圧延、熱間等方圧加圧、または、熱間押出により機械的加工粉末を固化する工程、あるいは、該工程に続いて固化成形材に対し700〜900℃での熱処理あるいは熱間鍛造し、さらにこれらの工程中に所望の形状付与を行うものである。
【0027】
なお、上記の高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼は、700〜900℃でプレス成形して、所望の形状に加工する。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼は、粒径数nm〜100nmの炭窒化物が分散し、平均結晶粒径が1μm以下であり、90体積%以上のオーステナイト相を有す組織である。
【0029】
本発明材の製法は、オーステナイト系ステンレス鋼主成分に加え、所定量のTi、Zr、Nbの炭窒化物形成元素と、CおよびNを含む機械的加工粉末を、金属製容器に真空封入後、700〜900℃で固化成形することにある。
【0030】
上記において、プレアロイ粉末もしくは総体として、該組成を満たす粉末を100℃以下で30時間以上アトリッションミル、または、ボールミルを用いて機械的にグラインディングまたは合金化処理を施し、平均結晶粒径200nm以下、好ましくは、平均結晶粒径100nm以下とした機械的加工粉末を用いるのがよい。この際の結晶粒径評価は、電子顕微鏡観察で実施するのが好ましい。
【0031】
機械的にグラインディングまたは合金化処理を実施した際、雰囲気、容器、鋼球、攪拌棒等からC、N、O、Hの他にFeやCrなどが混入するため、本発明の高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼における化学成分組成は、機械的加工粉末ないし固化成形材に対して規定する。
【0032】
本発明において、特に、CとNは制御しなければならない元素であり、主な混入源である鋼球の材料としては、CとNを合せて0.3%以下、好ましくは0.1〜0.3%の機械的加工粉末と同等のCとNを含むFe系合金であることが望ましい。
【0033】
さらに、機械的にグラインディングまたは合金化処理を多量の粉末に実施する際、発生した熱が蓄積し、異常に過熱するのを抑えるため、100℃における熱伝導率が16.7W/m・K以上のFe系合金で作製された鋼球を用いることが望ましい。
【0034】
本発明材の超微細結晶組織を得るためには、平均結晶粒径200nm以下、好ましくは平均結晶粒径100nm以下とした機械的加工粉末を固化成形する際に、粒成長を抑制することが重要である。
【0035】
炭窒化物を析出させて有効に粒界移動をピニングして粒成長を抑制するには、機械的加工粉末を400〜650℃の温度域に0.5〜6時間保持後、もしくは昇温過程において、400〜650℃の温度域を0.5〜6時間かけて昇温した後、固化成形を実施することが望ましい。
【0036】
基材を例えばSUS304相当の準安定オーステナイト系ステンレス鋼の組成とした場合、機械的にグラインディング、または、合金化処理によって加工誘起マルテンサイト組織となり、これを逆変態させるには、700℃以上に昇温させる必要がある。
【0037】
また、焼結の効率は高温であるほど高いが、高温では粒成長が促されるので、結晶粒径1μm以下の微細組織を得るには900℃より高温に昇温すべきではない。従って、固化成形は、700〜900℃で実施することが望ましい。
【0038】
なお、本発明では、基材としてオーステナイト組織を有するステンレス鋼を扱っており、機械的にグラインディング、または、合金化処理により平均結晶粒径200nm以下、好ましくは平均結晶粒径100nm以下とすることを不可欠条件としており、必ずしも加工誘起マルテンサイト組織等の加工誘起変態組織となる必要はない。
【0039】
しかし、加工誘起変態組織を有する機械的加工粉末は、固化成形の昇温過程において、その逆変態により一時的に変態前組織よりも微細となり、粒成長を遅延させる効果が期待できるため、微細化に有利である。従って、機械的にグラインディングまたは合金化処理によって加工誘起変態する化学成分組成が好ましい。
【0040】
700〜900℃で熱間加圧、熱間圧延、熱間等方圧加圧、または、熱間押出により機械的加工粉末を固化成形されることにより、溶製材とほぼ同等の密度に緻密化できる。さらに、固化成形材の延靭性向上には、前記工程に続いて固化成形材に対し、700〜900℃での熱処理あるいは熱間鍛造を実施することが望ましい。
【0041】
これらの工程中、同時に板、棒あるいは複雑な形状に形状付与を行うことは、プロセス省略によるコスト低減に対して望ましい。また、比較的低応力で形状付与を行うために、微細組織による超塑性機構が働く700〜900℃で加工することが望ましい。
【0042】
上記と同様の理由で、本発明材を700〜900℃でプレス成形し、所望の形状付与を行うことは、金型の長寿命化や生産性向上の観点で好ましい。
【0043】
強度および耐食性を高めるための望ましい組織形態は、合金がFe−Cr−NiもしくはFe−Cr−Ni−Moを主成分とするオーステナイト相をマトリックスとし、マトリックスを形成する結晶の平均粒径が30〜1000nmの範囲にあることである。他相の存在は耐食性を劣化させるため、少なくとも90体積%以上のオーステナイト相を有することが望ましい。
【0044】
多量の粒界の導入は、変形抵抗を増加させ強度を向上させる。また、粒界はPやSと云った不純物が偏析して腐食サイトになるが、高密度に導入されることによって、不純物を分散させ局部的に大きく腐食されにくくなる他に、粒界を通じたCrなどの保護皮膜生成元素の表面への拡散が促進され、迅速な保護皮膜生成により腐食を抑制する。
【0045】
固化成形プロセス中の粒成長を抑制する微細析出物として、オーステナイト系ステンレス鋼では、M23(C、N)6、M(C、N)等の炭窒化物、または、シグマ相等が生成し得る。M(C、N)炭窒化物(MはTi,Zr,Nb)は、機械的加工粉末のような多量に欠陥が導入された組織では、比較的低温でも析出可能で、微細に析出すると共に炭窒化物自体の粗大化速度は小さい。
【0046】
M23(C、N)6炭窒化物およびシグマ相は、M(C、N)と比較して粗大でありCrを主成分とするので、周囲のCr濃度を低下させるため、耐食性に悪影響を与える。従って、粒成長抑制析出物として、M(C、N)炭窒化物が好適であり、その粒径は数nm〜100nmが望ましい。
【0047】
耐食性を劣化させないためには、M23(C、N)6炭窒化物およびシグマ相の生成を、極力抑制することが必要である。そのためには、シグマ相生成を助長するTi,ZrおよびNbは、シグマ相生成前にM(C、N)炭窒化物として析出させること、また、逆にM23(C、N)6炭窒化物を形成するC、NをM23(C、N)6炭窒化物析出前に、M(C、N)炭窒化物として析出させることが重要である。
【0048】
Ti、ZrおよびNbは、C,Nと親和力が大きいので、M(C、N)炭窒化物はM23(C、N)6炭窒化物よりも安定であり、機械的加工粉末のような多量に欠陥が導入された組織では、比較的低温でも優先的に析出することが可能である。
【0049】
しかし、M(C、N)炭窒化物析出後、C、Nのマトリックス固溶量が依然として高ければ多量のM23(C、N)6炭窒化物が、またTi,Zr,Nbのマトリックス固溶量が依然として高ければ、シグマ相が生成することになる。従って、Ti,Zr,NbあるいはC,Nの成分量は、前記式〔1〕で示される範囲にあることが必要である。また、同様にシグマ相生成を助長するSiおよびMnを極力低減し、Siは酸化物として固定することも必要である。
【0050】
Crは、耐食性を向上させるためには14%以上必要である。しかし、高Cr量だとオーステナイト相を不安定化し、また、シグマ相生成が顕著となり材料を脆化させるので、26%が上限、好ましくは14〜26%がよい。
【0051】
Moは、耐食性および固溶強化型添加元素である。しかし、3%を超えて添加するとシグマ相生成が顕著となり材料を脆化させるので、良好な耐食性および強度を付与するには3%以下が好ましい。
【0052】
Niは、オーステナイト相を安定にし、耐食性を向上させる作用を持つ。微細化には加工誘起マルテンサイト変態が起こる準安定組成が有利であり、低Ni量が好ましいが、7%が下限である。
【0053】
他方、材料の耐食性を高めるのに通常9%以上含有させる。高Ni量は耐食性を向上させるが、他の部材と同一腐食環境下で使用する場合には、接触部で電気化学反応を生じ、他の部材の腐食を促進させるので、上限は30%が好ましい。
【0054】
Ti,ZrおよびNbは、鉄鋼材料へ添加した場合、通常M(C、N)炭窒化物として析出し材料を強化する他、結晶粒成長を抑制する作用を持ち、さらに他のM23(C、N)6炭窒化物を微細化する。粉末を原料とする本合金においては、酸素不純物のゲッター材として作用して、マトリックスを高純度化する作用を有する。
【0055】
一方過度の合金への添加は材料の脆化を引き起こす。Tiを添加する際の好ましい範囲は1.0%以下とすることが望ましい。ZrおよびNbを添加する際の好ましい範囲は2.0%以下とすることが望ましい。
【0056】
さらにTi,ZrおよびNbの内、2元素以上を同時に添加物する場合は、炭化物の過剰な析出を抑制する目的から、その添加量の総量を2%以下とすることが好ましい。総量が2%を超えると炭化物の析出量が増大し、材料の脆化を引き起こすことから好ましくない。
【0057】
C,Nは固溶強化、炭窒化物析出強化の観点から、少なくとも0.02%以上含まれることが好ましい。しかし、過度の添加はクロム炭窒化物の過剰な析出を生じさせ、マトリックスの固溶クロム量の減少による耐食性の低下を引き起こす懸念がある。その上限は0.3%以下とすることが好ましい。
【0058】
酸素(O)は、粉末製造時にすでに不純物として含まれている他、機械的ミリング処理の工程で雰囲気から混入する。酸化物を生成し材料を強化するが、粉末表面の酸化皮膜は焼結を阻害し、過剰な酸化物生成は材料の脆化を引き起こすので、0.5%を上限とする。シグマ相を生成するSiを酸化物として固定する役割を持つので、Si量に応じ含有させるのが望ましい。
【0059】
Si,Mnは素材粉末製造時の脱酸材として添加され、さらにMnは脱硫剤として添加される。また、Siは素材粉末製造時の溶解るつぼから溶出し混入する。Si,Mnは、シグマ相生成を促進するため極力低減されるのが好ましい。オーステナイト系ステンレス鋼のJIS規格に準じてSiは1.0%以下、Mnは2.0%以下、好ましくは、Siは0.6%以下、Mnは0.2%以下とする。
【0060】
P,Sは素材粉末の製造時に含有され、耐食性を減ずる作用を有する。オーステナイト系ステンレス鋼のJIS規格に準じてPは0.045%以下、Sは0.030%以下とすることが好ましい。
【0061】
〔実施例 1〕
まず、本発明に係るナノ結晶鉄鋼材料の作製方法ついて説明する。本実施例では、機械的グラインディング並びに合金化処理に図1に示す遊星型ボールミル装置を使用した。
【0062】
容積470mlのステンレス製のボールミル容器1内は、ステンレス製の蓋2によりアルゴンガスで密閉され、ボールミル容器1内の重量160gの原料粉末3と直径9.5mmのステンレス鋼球4が充填される。そして、充填されたボールミル容器1は、ボールミル装置の回転盤5上の容器ホルダー6に締付治具7によって固定される。外部駆動系から回転が回転盤5に伝えられ、その上に十文字に配置された4基のボールミル容器1には、遠心力が生じると共に、各ボールミル容器1自身も自転させており、鋼球4間同士、鋼球4とボールミル容器1の内壁間で衝突が生じる。このため、原料粉末3が強加工され、多量の欠陥と平均結晶粒50〜100nm程度の微細結晶粒を有する機械的加工粉末が得られた。この際、回転盤5の回転速度は200rpmとした。
【0063】
原料粉末3は、プレアロイ粉末もしくは総体としての所定組成を満たす混合粉末であり、いずれの場合も前記機械的加工粉末が得られた。ボールミル容器1は、容器に設けた冷却フィン8、さらに回転中の送風により冷却されており、ミリング直後の測温によりミリング中50℃以下に保たれたことを確認した。
【0064】
本発明に係る各種結晶粒微細化オーステナイト系ステンレス鋼の主要化学成分(重量%)を表1に示す。
【0065】
【表1】
機械的加工粉末を軟鋼製カプセルに真空封止した後、800〜900℃、かつ196MPaのアルゴンガス中で1時間以上熱間等方圧加圧を施した結果、同組成の溶製材とほぼ同じ密度に緻密化された固化成形材を得た。
【0066】
図2に熱間等方圧加圧直後の固化成形材の強度について、添加炭化物形成元素Zr,Ti,Nb、VおよびMoによる差異を示す。
【0067】
0.12%C添加材〔表1のNo.5〕と比較して、Zr、TiおよびNb添加材(それぞれ表1のNo.6,7および8)は明らかに強度が向上している。
【0068】
表2にX線回折法により同定した炭窒化物を示すが、0.12%C添加材(表1のNo.5)、並びに、VおよびMo添加材(それぞれ表1のNo.9および10)はM23(C、N)6炭窒化物のみであるのに対して、Zr、TiおよびNb添加材(それぞれ表1のNo.6、7および8)はM23(C、N)6炭窒化物に加えてM(C、N)炭窒化物が現れている。即ち、M(C、N)炭窒化物の存在が強度向上に貢献したといえる。
【0069】
代表例としてZr添加材(表1のNo.6)の組織を図3に示すが、無添加材(表1のNo.1)と比較して、明らかに結晶粒9が微細化している。
【0070】
【表2】
図4に示す強度と結晶粒径との関係では、ほぼHall−Petchの関係に従っており、結晶粒微細化による強化が主な強化因子と云える。
【0071】
さらに詳細に組織をみると、図5のように結晶粒界10と結晶粒内11に微細なZr(C,N)およびM23(C,N)6炭窒化物12が分散していた。粒内の炭窒化物は粒径数nm〜数10nm、粒界上の炭窒化物は粒径数10nm〜100nmであった。
【0072】
他方、無添加材(表1のNo.1)の微視組織では、図6のように結晶粒界10と結晶粒内11にM23(C,N)6炭窒化物13が分散しており、粒内の炭窒化物は粒径数10nm〜100nm、粒界上の炭窒化物は粒径100nm〜200nmであった。
【0073】
このように、Zr、TiまたはNbを添加することにより、図5のような微細なM(C,N)およびM23(C,N)6炭窒化物10が析出分散して粒界移動をピニングするため、固化成形プロセス中の粒成長を抑制し、より微細な組織が得られた。
【0074】
固化成形時の加熱プロセスにおいて、炭窒化物の析出開始温度は粒成長が促進する温度より低温である。400〜650℃は粒成長を促進しないが、炭窒化物が析出する温度域であり、この温度域に保持して炭窒化物を十分析出させることにより、その後の高温過程での粒成長が抑えられ高強度化できる。
【0075】
例えば、Zr添加材(表1のNo.11)およびTi添加材(表1のNo.15)について、熱間等方圧加圧プロセスでの昇温過程において500〜650℃で一旦保持した場合、図7のように強度のピークが見られる。なお、本検討材は熱間等方圧加圧処理前の真空封止過程で400℃まで昇温保持しており、熱間等方圧加圧プロセスでの昇温過程で保持しなかったものに対しては、図7中で400℃にプロットした。
【0076】
熱間等方圧加圧プロセスに続いて、さらに850℃で熱間鍛造を施した固化成形材の機械的特性を表3に示す。
【0077】
【表3】
熱間鍛造により延性を大幅向上させることができた。さらに、靭性と引張強さについて従来材と比較した図面を図8に示す。靭性はVノッヂシャルピー衝撃試験片より求めた吸収エネルギーで評価した。
【0078】
従来材1(図8中の黒菱形で示すもの)は組成がCr:18%、Ni:8%付近のオーステナイト系ステンレス鋼(表1中のNo.22〜26の組成)の溶体化処理材で、従来材2(図8中の白菱形で示すもの)はオーステナイト系ステンレス鋼(表1中のNo.22の組成)の冷間加工材であり、従来材3(図8中の黒三角形で示すもの)はセミオーステナイト系析出硬化型ステンレス鋼(表1中のNo.27の組成)である。
【0079】
従来材では高強度であれば靭性が低下する傾向にあるのに対して、本発明材は高強度、かつ、高靭性である。なお、従来材で本発明材と同範囲の組成のものもあるが、その製法の違いにより組織が粗大であるため、強度が低い。No.1の従来材(比較材)は冷間加工により高強度を得ているが、靭性が低下する。
【0080】
本発明材ついて、硫酸溶液(1N、30℃)中でのアノード分極曲線を測定することで、耐食性を評価した結果を図9に示す。
【0081】
本発明材(例として、表1のNo.7)は、従来材と比較して臨界不動態化電流密度と不動態維持電流密度が低い。このことから、不動態領域の電位以下では、従来材よりも高い耐食性を示すと云える。
【0082】
本発明材について、CBB試験により応力腐食割れ性を評価した。図10に試験装置の斜視図に示す。
【0083】
まず、板状試験片14を、隙間をつけるためのグラスファイバーウール15と共にアールをつけたホルダー16間に挟み、ボルト孔17にボルトを挿入し締付けた後、オートクレーブ内に浸漬した。該オートクレーブ内は288℃、85kg/cm2の高温高圧純水(溶存酸素量8ppm)とし、浸漬時間500時間とした。試験後、光学顕微鏡による試験片断面観察から、割れ発生の有無を調べた結果、本発明材は全てにおいて割れは認められなかった。
【0084】
〔実施例 2〕
本実施例では、機械的グラインディング処理に図11のアトリッションミルを用いた。この装置の構成は、容積25リットルのステンレス製の粉砕タンク18、該タンク18の冷却水入口19、冷却水出口20、アルゴンまたは窒素ガスの置換ガスをシールするガスシール21、重量5kgの原料粉末22、粉砕タンク内の直径10mmの粉砕用鉄鋼球23、アジテータアーム24で構成されている。
【0085】
原料粉末22は、表1のNo.11に相当するプレアロイ粉末を用いた。外部駆動系からの回転がアーム軸25に伝えられ、アジテータアーム24が回転運動する。該アジテータアーム24によって鋼球23が撹拌され、鋼球23同士と鋼球23とタンク18の内壁間で衝突が生じ、混合粉末22が強加工され、微細結晶粒を有する合金粉末が得られた。
【0086】
アーム軸25の回転速度は150rpmとし、処理時間は50時間とした。
【0087】
実施例1で用いた遊星型ボールミルまたは本実施例のアトリッションミルで機械的グラインディング処理を行った粉末について、鋼球の種類による炭素濃度増加量を表4に示す。
【0088】
【表4】
炭素濃度が1.05wt%と高い鋼球Bを用いた場合、処理粉末に含まれる炭素濃度が大きく増加する。本発明材は炭素濃度を厳しく制御する必要があり、機械的グラインディング処理で過度の炭素濃度増加は好ましくない。
【0089】
原料粉末とほぼ同成分の鋼球Aを用いた場合、遊星型ボールミルで少量の粉末を処理する際は問題ないが、アトリッションミルで多量の粉末を処理するとミル内の温度が過熱し処理の継続ができなくなる。
【0090】
そこで、炭素濃度が発明材程度で、熱伝導率の高い鋼球Cを用いることにより、炭素濃度増加抑制とミル内の過熱防止と云う課題を解決することができた。
【0091】
アトリッションミルで、機械的グラインディング処理を行った機械的加工粉末20kgを軟鋼製カプセルに真空封止後、熱間等方圧加圧により固化成形を行った。熱間等方圧加圧プロセスでは、昇温過程において600℃付近で一旦1時間保持した後、850℃で、かつ、196MPaのアルゴンガス中で3時間保持した。その結果、図12に示すように、20kgの固化成形材を得ることができた。
【0092】
この固化成形材各部から切り出した試験片を用いて、引張試験を行い均質性を評価したところ、各部とも耐力がほぼ同等で、かつ、引張延性を有すること、即ち、良好に焼結されていることを確認した。
【0093】
次に熱間等方圧加圧により作製した20kgの固化成形材を、850℃に昇温した後、据え込み比約3まで鍛造を実施した。その結果、図13に示すように、問題なく変形させることができた。
【0094】
切り出した試験片に対して実施した引張試験結果は、実施例1の表3と同様に熱間鍛造による引張延性の向上が確認できた。また、実施例1の図6と同様にシャルピー吸収エネルギーの低減なしに高強度を示すことを確認した。
【0095】
〔実施例 3〕
実施例2で作製した機械的加工粉末2.8kgを軟鋼製カプセルに真空封止後、熱間直接粉末押出により固化成形を行った。押出プロセスでは、昇温過程において600℃付近で一旦2時間保持した後、750,800および850℃で1時間保持した後、押出比5.7のダイスを用いて押出を実施した。
【0096】
その結果、図14に示すように外観上健全な棒材を得ることができた。切り出した試験片に対して引張試験を実施し、1000MPa以上の引張強さと30%以上の引張延性が得られることを確認した。
【0097】
固化成形温度に対する固化成形材の密度を図15に示す。196MPaの圧力で熱間等方圧加圧により固化成形したものは、溶製材とほぼ同等の密度に緻密化するためには固化成形温度を800℃以上にする必要があるのに対し、熱間押出により固化成形したものは、固化成形温度が750℃でも溶製材とほぼ同等の密度を得ることができた。
【0098】
〔実施例 4〕
実施例3で作成した固化成形材を円盤状に切り出し、750℃に昇温後、予め加熱した金型に挟みプレス機で圧縮した。その結果、図16に示すような複雑形状の部品を、溶製材より低圧縮力で作製することができることを確認した。
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、機械的グライディング処理により組織を超微細化した粉末を結晶粒成長を抑制して固化成形して得られたバルク材は、ナノスケールの微細結晶粒組織が均一に分布しており、従来の強化法よりも靭性を低減することなく、高強度,高耐食性を有し、その特性が材料全体に均一とすることができる。
【0100】
さらに、従来材よりも低応力の熱間鍛造により、複雑な形状を付与することができる。
【0101】
通常の鉄鋼材料に添加されている合金元素からなる組成でナノスケールの微細結晶粒組織を達成しているので、リサイクル性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊星型ボールミルの構造を説明する模式である。
【図2】熱間等方圧加圧材の強度に及ぼす添加炭化物形成元素の影響を示すグラフである。
【図3】Zr添加材と無添加材の金属組織を示す顕微鏡写真である。
【図4】強度と結晶粒径との関係を示すグラフである。
【図5】本発明材の材料組織と炭窒化物の分布状況を示す顕微鏡写真とその模式図である。
【図6】無添加材の材料組織と炭窒化物の分布状況を示す顕微鏡写真とその模式図である。
【図7】熱間等方圧加圧材の強度に及ぼす昇温プロセスの影響を示すグラフである。
【図8】本発明材の強度−靭性バランスを示すグラフである。
【図9】硫酸溶液中のアノード分極曲線のグラフである。
【図10】応力腐食割れ試験の方法を示す斜視図である。
【図11】アトリッションミルの説明図である。
【図12】熱間等方圧加圧により作製した大型固化成形材の外観を示す写真である。
【図13】熱間等方圧加圧材を熱間鍛造した大型固化成形材の外観を示す写真である。
【図14】熱間直接粉末押出で作製した固化成形材の外観を示す写真である。
【図15】固化成形材の密度に及ぼす固化成形温度との関係を示すグラフである。
【図16】熱間プレス成形により形状付与した部品の外観を示す写真である。
【符号の説明】
1…ボールミル容器、2…蓋、3…原料粉末、4…鋼球、5…回転盤、6…容器ホルダー、7…締付治具、8…冷却フィン、9…結晶粒、10…結晶粒界、11…結晶粒内、12…Zr(C,N)およびM23(C,N)6炭窒化物、13…M23(C,N)6炭窒化物、14…板状試験片、15…グラスファイバーウール、16…ホルダー、17…ボルト孔、18…粉砕タンク、19…冷却水入口、20…冷却水出口、21…ガスシール、22…原料粉末、23…粉砕用鉄鋼球、24…アジテータアーム、25…アーム軸。
Claims (9)
- 機械的ミリング処理された機械的加工粉末を固化成形して製造されたステンレス鋼であって、重量でSi:1.0%以下,Mn:2.0%以下,O:0.5%以下,Ni:7〜30%,Cr:14〜26%,CとNを合せて:0.1〜0.3%、および、Ti:1.0%以下,Zr:2.0%以下,Nb:2.0%以下の少なくとも1種を含み、前記C,N,Ti,Zr,Nbの量 ( 重量 ) から式〔1〕
〔数1〕
f=〔8.33(C)+7.14(N)〕/〔1.10(Zr)+2.09(Ti)
+1.08(Nb)〕 …〔1〕
により求めたf値が0.4〜2.0であり、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有し、粒径が100nm以下のM(C、N)炭窒化物(但し、MはTi,Zr,Nb)が分散されており、平均結晶粒径が1μm以下で、90体積%以上のオーステナイト相を有することを特徴とする高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼。 - 機械的ミリング処理された機械的加工粉末を固化成形して製造されたステンレス鋼であって、重量でSi:1.0%以下,Mn:2.0%以下,O:0.5%以下,Ni:7〜30%,Cr:14〜26%,Mo:3%以下,CとNを合せて:0.1〜0.3%、および、Ti:1.0%以下,Zr:2.0%以下,Nb:2.0%以下の少なくとも1種を含み、前記C,N,Ti,Zr,Nbの量 ( 重量 ) から式〔1〕
〔数1〕
f=〔8.33(C)+7.14(N)〕/〔1.10(Zr)+2.09(Ti)
+1.08(Nb)〕 …〔1〕
により求めたf値が0.4〜2.0であり、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有し、粒径が100nm以下のM(C、N)炭窒化物(但し、MはTi,Zr,Nb)が分散されており、平均結晶粒径が1μm以下で、90体積%以上のオーステナイト相を有することを特徴とする高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼。 - 重量でSi:1.0%以下,Mn:2.0%以下,O:0.5%以下,Ni:7〜30%,Cr:14〜26%,CとNを合せて:0.1〜0.3%、および、Ti:1.0%以下,Zr:2.0%以下,Nb:2.0%以下の少なくとも1種を含み、前記C,N,Ti,Zr,Nbの量 ( 重量 ) から式〔1〕
〔数1〕
f=〔8.33(C)+7.14(N)〕/〔1.10(Zr)+2.09(Ti)
+1.08(Nb)〕 …〔1〕
により求めたf値が0.4〜2.0であり、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有する平均結晶粒径200nm以下の機械的ミリング処理された機械的加工粉末を700〜900℃で固化成形、または固化成形とそれに続く固化成形材の加工熱処理を行うことを特徴とする高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼の製法。 - 重量でSi:1.0%以下,Mn:2.0%以下,O:0.5%以下,Ni:7〜30%,Cr:14〜26%,Mo:3%以下,CとNを合せて:0.1〜0.3%、および、Ti:1.0%以下,Zr:2.0%以下,Nb:2.0%以下の少なくとも1種を含み、前記C,N,Ti,Zr,Nbの量 ( 重量 ) から式〔1〕
〔数1〕
f=〔8.33(C)+7.14(N)〕/〔1.10(Zr)+2.09(Ti)
+1.08(Nb)〕 …〔1〕
により求めたf値が0.4〜2.0であり、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有する平均結晶粒径200nm以下の機械的ミリング処理された機械的加工粉末を700〜900℃で固化成形、または固化成形とそれに続く固化成形材の加工熱処理を行うこ とを特徴とする高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼の製法。 - 前記機械的加工粉末は、プレアロイ粉末または総体としての粉末を、100℃以下で30時間以上アトリッションミルもしくはボールミルを用いて機械的にグラインディングまたは合金化処理を施して平均結晶粒径200nm以下としたものを用いる請求項3または4に記載の高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼の製法。
- 前記グラインディングまたは合金化処理は、重量でCとNとを合わせて0.3%以下、100℃における熱伝導率が16.7W/m・K以上のFe系合金で形成された鋼球を用いる請求項5記載の高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼の製法。
- 前記固化成形は、機械的加工粉末を400〜650℃の温度域に0.5〜6時間保持後、または、昇温過程で400〜650℃の温度域を0.5〜6時間かけて昇温後に700〜900℃で成形する請求項3または4に記載の高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼の製法。
- 前記固化成形、または、固化成形とそれに続く固化成形材の加工熱処理は、700〜900℃で熱間加圧,熱間圧延,熱間等方圧加圧または熱間押出により機械的加工粉末を固化する工程、あるいは、前記工程に続いて700〜900℃での熱処理工程または熱間鍛造工程と、該工程中に所望の形状付与を行う請求項3または4に記載の高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼の製法。
- 請求項1または2に記載の高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼を、700〜900℃の温度でプレス成形し、所望の形状付与を行うことを特徴とする高耐食性高強度オーステナイト系ステンレス鋼の製法。
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