JP5055951B2 - 樹脂含浸基材およびその製造方法 - Google Patents

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    • D06M15/507Polyesters

Description

本発明は、プリント配線板やパッケージ基板などの用途に利用される樹脂含浸基材、該樹脂含浸基材の製造方法及び該樹脂含浸基材を有する導電層付樹脂含浸基材に関する。
プリント配線板やパッケージ基板などの電子機器分野において、導電層を表面に付して用いられるような絶縁樹脂基材が用いられ、かかる基材には、耐熱性、電気的特性、低吸湿性、寸法安定性などの特性が求められている。
従来、絶縁樹脂基材としては、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させた基材が広範に使用されてきたが、近年の電子機器のデジタル信号伝播速度の高速化(数百MHz以上)に伴い、デジタル信号周波数の高周波化が進展しており、より高度の電気的特性(低誘電率・低誘電正接)を有する絶縁樹脂基材が求められており、前記のエポキシ樹脂を含浸した基材では対応できない状況である。このような電気特性の改良として、例えば、特許文献1には、シアン酸エステル樹脂とエポキシ樹脂に対し、ガラスパウダーからなる無機フィラーを添加してなる組成物を基材に含浸してなる含浸基材が開示されているが、その誘電正接としては必ずしも十分ではなく、高周波用途に耐え得るには更なる改善が求められていた。
ところで、絶縁樹脂基材には、LSIなどのICをフリップチップなどの方法により実装する用途にも適用されている。かかる実装に用いられるハンダとしては、近年環境的な見地から鉛フリーのハンダへの移行が進められている。この鉛フリーハンダは、そのリフロー温度が比較的高温(260℃以上)を要するため、この用途に適用される絶縁樹脂基材には、前記リフロー温度に耐え得る耐熱性が必要とされている。加えて、絶縁樹脂基材の寸法安定性が悪い(線膨張率が大きい)とIC実装時に基材に反りや変形などが生じる場合もあり、絶縁樹脂基材には寸法安定性も求められている。
本発明者らは、既に特許文献2において、芳香族液晶ポリエステルを絶縁樹脂として用い、それをハロゲン置換フェノールからなる溶媒に溶解させてなる芳香族液晶ポリエステル溶液組成物をシート状繊維強化材に含浸せしめ、溶媒を除去して得られる樹脂含浸基板が提案し、該樹脂含浸基板が鉛フリーハンダのリフロー温度に対する耐熱性と、高周波に対する電気特性とを高水準で達成することを開示している。
特開2002−194121号公報(特許請求の範囲) 特開2004−244621号公報(特許請求の範囲)
特許文献2に記載される樹脂含浸基板は、電気的特性(低誘電正接)に優れ、実用的なハンダ耐熱性を有しているが、前記シート状繊維強化材に前記芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を含浸した後、その溶液組成物に含まれる溶媒を乾燥除去して、樹脂含浸基板を製造すると、得られる基板に芳香族液晶ポリエステル樹脂の付着ムラや塗布ムラが生じる場合があった。また、前記芳香族液晶ポリエステル溶液組成物にはハロゲン置換フェノールを溶媒として用いているため、乾燥によって生じる溶媒蒸気を環境に揮散させないために、煩雑な除去装置を必要とするといった問題もあった。
本発明の目的は、高度の電気特性とハンダ耐熱性を維持しつつ、付着ムラや溶媒蒸気に係る問題を解決し得る樹脂含浸基材を提供することにある。
本発明者らは、特許文献2の芳香族液晶ポリエステル溶液組成物に関し、ハロゲン置換フェノールに代替し得る溶媒と、当該溶媒に高度の溶解性を有する液晶ポリエステルの組合わせに関して鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
[1]ハロゲン原子を含まない非プロトン性溶媒と、全構造単位の合計に対して下記一般式(a1)で表される構造単位を30.0〜45.0モル%、下記一般式(a2)で表される構造単位を27.5〜35.0モル%、下記一般式(a3)で表される構造単位を27.5〜35.0モル%有する芳香族液晶ポリエステルとを含し、前記芳香族液晶ポリエステルの含有量が前記非プロトン性溶媒100重量部に対して20〜50重量部である芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を、無機繊維または炭素繊維からなるシートに含浸せしめ、溶媒を除去ることを特徴とする樹脂含浸基材の製造方法
−O−Ar1−CO− (a1)
−CO−Ar2−CO− (a2)
−NH−Ar3−X− (a3)
(ここで、Ar1は、1,4−フェニレン、2,6−ナフタレン、または4,4’−ビフェニレンを表わす。Ar2は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、または2,6−ナフタレンを表わす。Ar3は、1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンを表わす。Xは、−O−または−NH−を表わす。)
を提供するものである。
さらに、本発明は前記<1>に係る好適な実施態様として、[2]〜[5]を提供する。
[2]前記芳香族液晶ポリエステルの流動開始温度が260℃以上である[1]の樹脂含浸基材の製造方法
[3]前記シートが、ガラス繊維からなるシートである[1]または[2]の樹脂含浸基材の製造方法
[4]前記非プロトン性溶媒が、その双極子モーメントが3以上5以下であり、且つ1気圧における沸点が180℃以下である[1]〜[3]いずれかの樹脂含浸基材の製造方法
[5]前記樹脂含浸基材の温度50〜100℃における平面方向の線膨張率が13ppm/℃以下である[1]〜[4]いずれかの樹脂含浸基材の製造方法
また、本発明は前記いずれかの樹脂含浸基材の製造方法により樹脂含浸基材を製造し、その片面または両面に導電層を積層させる導電層付樹脂含浸基材の製造方法を提供する。
本発明によれば、樹脂の付着ムラや塗布ムラがなく外観特性に優れた樹脂含浸基材を得ることができる。加えて、樹脂含浸基材の製造において、煩雑な溶媒蒸気の除去設備を必要としないことから低コストで樹脂含浸基材を得ることができるため、工業的に有用である。
本発明が提供する樹脂含浸基材は、高度の電気特性と耐熱性を備えているので、プリント配線板やモジュール基板等の電子機器に好適に使用することができる。
本発明者らは、芳香族液晶ポリエステル溶液組成物に適用した溶媒に対して、芳香族液晶ポリエステルの溶解度が低いと、前記シートに芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を含浸させて、溶媒を除去する際に樹脂の含浸基材での不均一に析出し、さらに前記シートを形成する繊維に対して樹脂の密着性が低いと、析出した樹脂が凝集して、付着ムラが生じるという考えを得、この考えに基づいて、溶媒に対して高度の溶解性と、シートを形成する繊維に対して高度の密着性を有する芳香族液晶ポリエステルに関して、種々の諸元の異なる構造単位の組合わせについて検討した。
また、溶媒としては煩雑な溶媒蒸気の除去設備を必要としない、ハロゲン原子を有さない非プロトン溶媒を用いるものである。
かかる樹脂含浸基材において、芳香族液晶ポリエステル溶液組成物の必須成分である芳香族液晶ポリエステルおよび溶媒、さらにシートに関して、それぞれ説明する。
<芳香族液晶ポリエステル>
芳香族液晶ポリエステルとは、溶融時に光学異方性を示し、450℃以下の温度で異方性溶融体を形成するものであり、本発明に適用される芳香族液晶ポリエステルは、下記一般式(a1)〜(a3)で表される構造単位それぞれ有し、全構造単位の合計に対して(a1)で表される構造単位を30.0〜45.0モル%、(a2)で表される構造単位を27.5〜35.0モル%、(a3)で表される構造単位を27.5〜35.0モル%からなる芳香族液晶ポリエステルである。
−O−Ar1−CO− (a1)
−CO−Ar2−CO− (a2)
―NH−Ar3−X− (a3)
ここで、Ar1は、1,4−フェニレン、2,6−ナフタレン、または4,4’−ビフェニレンを表わす。Ar2は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、または2,6−ナフタレンを表わす。Ar3は、1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンを表わす。Xは、−O−または−NH−を表わす。
式(a1)で表される構造単位は、芳香族ヒドロキシカルボン酸由来の構造単位であり、式(a2)で表される構造単位は、芳香族ジカルボン酸由来の構造単位であり、式(a3)で表される構造単位は、芳香族ジアミンまたはフェノール性水酸基を有する芳香族アミンに由来の構造単位であり、このような構造単位を誘導する化合物をモノマーとして用い、それらのモノマーを重合して得られるものである。また、芳香族液晶ポリエステルを得る重合反応の進行を容易にする観点からは、これらモノマーの代わりに、それらのエステル形成性誘導体やアミド形成性誘導体を用いてもよい。
ここで、前記エステル形成性・アミド形成性誘導体について説明する。
カルボン酸のエステル形成性・アミド形成性誘導体としては、例えば、カルボキシル基が、ポリエステルやポリアミドを生成する反応を促進するような、酸塩化物、酸無水物などの反応活性が高い誘導体となっているもの、カルボキシル基が、エステル交換・アミド交換反応によりポリエステルやポリアミドを生成するようなアルコール類やエチレングリコールなどとエステルを形成しているもの等が挙げられる。
フェノール性水酸基のエステル形成性・アミド形成性誘導体としては、例えば、エステル交換反応によりポリエステルやポリアミドを生成するように、フェノール性水酸基がカルボン酸類とエステルを形成しているもの等が挙げられる。
アミノ基のアミド形成性誘導体としては、例えば、アミド交換反応によりポリアミドを生成するように、アミノ基がカルボン酸類とエステルを形成しているもの等が挙げられる。
本発明に使用される芳香族液晶ポリエステルの構造単位としては、下記のものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
式(a1)で表される構造単位としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸および4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸から選ばれる芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来の構造単位等が挙げられ、これらの構造単位のうち、2種以上の構造単位が含まれていてもよい。特に、p−ヒドロキシ安息香酸由来の構造単位または2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位を有する芳香族液晶性ポリエステルが好適である。
全構造単位の合計に対して、式(a1)で表される構造単位は30.0〜45.0モル%であり、より好ましくは35.0〜40.0モル%の範囲である。
式(a1)で表される構造単位が45.0モル%を超えると、後述する非プロトン性溶媒に対する溶解性が低下し、30.0モル%未満では、ポリエステルの液晶性を示さない傾向があるため、いずれも好ましくない。
式(a2)で示される構造単位としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸から選ばれる芳香族ジカルボン酸に由来の構造単位等が挙げられ、これらの構造単位のうち、2種以上の構造単位が含まれていてもよい。とりわけ、後述する非プロトン性溶媒に対する溶解性の観点からは、イソフタル酸由来の構造単位を有する液晶性ポリエステルが好ましい。
全構造単位の合計に対して、式(a2)で表される構造単位は27.5〜35.0モル%であり、より好ましくは30.0〜32.5モル%の範囲である。
式(a2)で表される構造単位が35.0モル%を超えると、液晶性が低下する傾向があり、27.5モル%未満では前記非プロトン性溶媒に対する溶解性が低下する傾向があるため、いずれも好ましくない。
式(a3)で表される構造単位としては、例えば、3−アミノフェノールまたは4−アミノフェノールに例示されるフェノール性水酸基を有する芳香族アミン由来構造単位であるか、1,4−フェニレンジアミンまたは1,3−フェニレンジアミンに例示される芳香族ジアミン由来の構造単位であり、これらの構造単位のうち、2種以上の構造単位が含まれていてもよい。中でも、液晶ポリエステル製造に係る重合反応性の観点から4−アミノフェノール由来の構造単位を有する液晶性ポリエステルが好ましい。
全構造単位の合計に対して、式(a3)で表される構造単位は、27.5〜35.0モル%であり、より好ましくは30.0〜32.5モル%の範囲である。
式(a3)で表される構造単位が35.0モル%を超えると、液晶性が低下する傾向があり、27.5モル%未満では前記非プロトン性溶媒に対する溶解性が低下する傾向があり、いずれも好ましくない。
なお、式(a3)で表される構造単位と、式(a2)で表される構造単位とは、実質的に等量であることが好ましいが、式(a3)で表される構造単位を式(a2)で表される構造単位に対して、−10モル%〜+10モル%とすることにより、芳香族液晶ポリエステルの重合度を制御することもできる。
前記芳香族液晶ポリエステルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、式(a1)で表される構造単位に対応する芳香族ヒドロキシカルボン酸、式(a3)で表される構造単位に対応する水酸基を有する芳香族アミン、芳香族ジアミンのフェノール性水酸基やアミノ基を過剰量の脂肪酸無水物によりアシル化してアシル化物(エステル形成性誘導体やアミド形成性誘導体)を得、得られたアシル化物と、式(a2)で表される構造単位に対応する芳香族ジカルボン酸とをエステル交換(重縮合)して溶融重合する方法などが挙げられる。アシル化物としては、予めアシル化して得た脂肪酸エステルを用いてもよい(特開2002−220444、特開2002−146003参照)。
アシル化反応においては、脂肪酸無水物の添加量は、フェノール性水酸基とアミノ基の合計に対して、1.0〜1.2倍当量であることが好ましく、より好ましくは1.05〜1.1倍当量である。脂肪酸無水物の添加量が1.0倍当量未満では、エステル交換(重縮合)時にアシル化物や原料モノマーなどが昇華し、反応系が閉塞し易い傾向があり、また、1.2倍当量を超える場合には、得られる芳香族液晶ポリエステルの着色が著しくなる傾向がある。
アシル化反応は、130〜180℃で5分〜10時間反応させることが好ましく、140〜160℃で10分〜3時間反応させることがより好ましい。
アシル化反応に使用される脂肪酸無水物は,特に限定されないが、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバル酸、無水2エチルヘキサン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モノブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水トリブロモ酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水β−ブロモプロピオン酸などが挙げられ、これらは2種類以上を混合して用いてもよい。価格と取り扱い性の観点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸が好ましく、より好ましくは、無水酢酸である。
エステル交換・アミド交換においては、アシル化物のアシル基がカルボキシル基の0.8〜1.2倍当量であることが好ましい。
エステル交換・アミド交換は、130〜400℃で0.1〜50℃/分の割合で昇温しながら行うことが好ましく、150〜350℃で0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら行うことがより好ましい。
アシル化して得た脂肪酸エステルと、カルボン酸やアミンとをエステル交換・アミド交換させる際、平衡を移動させるため、副生する脂肪酸と未反応の脂肪酸無水物は、蒸発させるなどして系外へ留去することが好ましい。
なお、アシル化反応、エステル交換・アミド交換は、触媒の存在下に行ってもよい。該触媒としては、従来からポリエステルの重合用触媒として公知のものを使用することができ、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属塩触媒、N,N-ジメチルアミノピリジン、N―メチルイミダゾールなどの有機化合物触媒などを挙げることができる。
これらの触媒の中で、N,N-ジメチルアミノピリジン、N―メチルイミダゾールなどの窒素原子を2個以上含む複素環状化合物が好ましく使用される(特開2002−146003参照)
該触媒は、通常、モノマー類の投入時に投入され、アシル化後も除去することは必ずしも必要ではなく、該触媒を除去しない場合にはそのままエステル交換を行うことができる。
エステル交換・アミド交換による重合は、通常、溶融重合により行なわれるが、溶融重合と固相重合とを併用してもよい。固相重合は、溶融重合工程からポリマーを抜き出し、その後、粉砕してパウダー状もしくはフレーク状にした後、公知の固相重合方法により行うことができる。具体的には、例えば、窒素等の不活性雰囲気下、20〜350℃で、1〜30時間固相状態で熱処理する方法が挙げられる。固相重合は、攪拌しながらでも、攪拌することなく静置した状態で行ってもよい。なお適当な攪拌機構を備えることにより溶融重合槽と固相重合槽とを同一の反応槽とすることもできる。固相重合後、得られた芳香族液晶ポリエステルは、公知の方法によりペレット化し、成形してもよい。
また、芳香族液晶ポリエステルの製造は、例えば、回分装置、連続装置等を用いて行うことができる。
また、前記芳香族液晶ポリエステルとしては、下記の方法で求められる流動開始温度が260℃以上であると、得られる芳香族液晶ポリエステルフィルムを含浸してなる含浸基材と金属箔等の導電層となり得る基材との間により高度の密着性が得られるため好ましい。
ここでの流動開始温度とは、フローテスターによる溶融粘度の評価において、かかる芳香族ポリエステルの溶融粘度が9.8MPaの圧力下で4800Pa・s以下になる温度をいう。
なお、1987年発行の書籍「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」(小出直之編、95〜105頁、シーエムシー、1987年6月5日発行)によれば、1970年代に液晶ポリエステル樹脂が開発されて以降、液晶ポリエステル樹脂の分子量の目安として、フロー温度(本発明における流動開始温度と同等の定義)が用いられている。
ここで流動開始温度は260℃以上300℃以下であることが更に好ましい。このように流動開始温度が260℃以上であれば、基材が金属箔である場合、該金属箔と芳香族液晶ポリエステルフィルムとの密着性がより向上する傾向があり、逆に、流動開始温度が300℃以下であれば、後述する芳香族液晶ポリエステル溶液組成物において溶媒への溶解性がより向上する傾向が見られる。より好ましくは流動開始温度が270℃以上290℃以下の範囲である。
ここで、芳香族液晶ポリエステルの流動開始温度を制御する方法としては、例えば、溶融重合工程からポリマーを抜き出し、その後粉砕してパウダー状もしくはフレーク状にした後、公知の固相重合方法により流動開始温度を調整することで容易に実施できる。
より具体的には、例えば、溶融重合工程の後、窒素等の不活性雰囲気下、255℃を越える温度で、より好ましくは255℃〜350℃の温度で、1〜10時間固相状態で熱処理する方法によって得られる。固相重合は、攪拌しながらでも、攪拌することなく静置した状態で行ってもよい。例えば、窒素の不活性雰囲気下で攪拌することなく静置した状態温度223℃3時間の固相重合を行う方法が挙げられる。
次に、ハロゲン原子を含まない非プロトン性溶媒について説明する。
ここでハロゲン原子を含まない非プロトン性溶媒とは、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒、トリエチルアミン、ピリジンなどのアミン系溶媒、アセトニトリル、サクシノニトリルなどのニトリル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホランなどのスルフィド系溶媒、ヘキサメチルリン酸アミド、トリn−ブチルリン酸などのリン酸系溶媒などが挙げられる。
これらの中で、双極子モーメントが3以上5以下の溶媒を用いると、前記の芳香族液晶ポリエステルの溶解性の観点から好ましく、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶媒が好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンがより好ましい。更には、前記溶媒が、1気圧における沸点が180℃以下の揮発性の高い溶媒であると、前記シートに芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を含浸させた後、除去しやすいという利点もある。この観点からはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)が特に好ましい。
前記に例示した好ましい非プロトン性溶媒は、前記の好ましい芳香族液晶ポリエステルに対する高度の溶解性を有するので、これらを組合わせてなる芳香族液晶ポリエステル溶液組成物によれば、樹脂含浸基材の製造時に付着ムラや厚みムラ等の外観不良が生じないという効果を発現する
本発明に用いられる芳香族液晶ポリエステル溶液組成物は、芳香族液晶ポリエステルが、前述の非プロトン性溶媒100重量部に対して20〜50重量部、好ましくは25〜40重量部含有される。
芳香族液晶ポリエステルが20重量部未満であると、本発明の樹脂含浸基材を得る上で前記シートに多数回の含浸手段を行う必要があることから低効率であり、また、溶媒分が多いとその乾燥除去時に液垂れによる外観不良が起きやすい。芳香族液晶ポリエステルが50重量部を超えると芳香族液晶ポリエステル溶液組成物が高粘度化する傾向があり、樹脂含浸時に、含浸するシートが縒れる傾向がある。前記溶液組成物における芳香族液晶ポリエステル含有量は、その溶液粘度のバランスから前記の範囲で適宜最適化できるが、非プロトン性溶媒100重量部に対して、芳香族液晶ポリエステルが25〜40重量部であることがより好ましい。
液晶ポリエステル溶液組成物は、樹脂含浸基材の作製時には一般的に樹脂の濃度が高いものが求められているが、液晶ポリエステル樹脂は溶媒に溶け難いため、高濃度化することが難しかった。本発明に用いられる芳香族液晶ポリエステル溶液組成物は、特定の溶媒に特定の構造単位からなる液晶ポリエステルを溶解することで、高い樹脂濃度である芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を実現したものである。また、当該溶液組成物を用いることにより、液垂れや付着ムラを生じにくい外観に優れた樹脂含浸基材を得ることが可能となる。
また、本発明に適用される芳香族液晶ポリエステル溶液組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルエーテル及びその変性物、ポリエーテルイミドなどの熱可塑性樹脂、グリシジルメタクリレートとポリエチレンの共重合体などのエラストマー等、芳香族液晶ポリエステル以外の樹脂を一種または二種以上を添加してもよい。
本発明で使用される芳香族液晶ポリエステル溶液組成物は、前記芳香族液晶ポリエステルを前記溶媒に溶解させることにより得ることができるが、該溶液組成物は、必要に応じて、フィルターなどによってろ過して溶液中に含まれる微細な異物を除去することが好ましい。
また、該芳香族液晶ポリエステル溶液組成物には、寸法安定性、熱電導性、電気特性の改善等を目的として、本発明の効果を損なわない範囲で、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラー、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリルポリマーなどの有機フィラー、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルエーテル及びその変性物、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤が、一種または二種以上添加されていてもよい。
次に、前記シートについて説明する。
前記シートは無機繊維または炭素繊維からなるものであり、ここで、無機繊維としては、ガラス質に代表されるセラミック繊維であり、ガラス繊維、アルミナ系繊維、ケイ素系繊維が挙げられる。なお、前記ガラス繊維としては、含アルカリガラス繊維、無アルカリガラス繊維、低誘電ガラス繊維が挙げられる。また炭素繊維としては、例えばポリアクリロニトリル系炭素繊維、ビッチ系炭素繊維等が挙げられる。また、シートを形成する繊維はアミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等のカップリング処理剤で表面処理されていてもよい。
これらの繊維からなるシートを製造するには、当該シートを形成する繊維を水中に分散し、必要に応じてアクリル樹脂等の糊剤を添加して、抄紙機にて抄造後、乾燥させることで不織布を得る方法や、公知の織成機を用いて前記繊維から織物状のシートを得ることもできる。
繊維の織り方としては、平織り、朱子織り、綾織り、ななこ織りなどが利用できる。織り密度としては、10〜100本/25mmであり、シートの単位面積当たりの質量としては10〜300g/m2のものが好んで使用される。シートの厚みとしては、通常、5〜500μm程度であり、20〜200μmの厚みのものが好んで使用される。さらに好ましくは30〜100μmの厚みのものである。
また、市場から容易に入手できるシートを用いることも可能であり、例えば、炭素繊維からなるシートはコンクリート補強用として公知のものを適用することもでき、このような炭素繊維からなるシートとしては、新日本石油(株)製TUクロス等が挙げられる。また、ガラス繊維からなるシートとしては、電子部品の絶縁含浸基材として種々のものが市販されており、旭シュエーベル(株)、日東紡績(株)、有沢製作所(株)から入手することができる。
このように前記シートとしては、無機繊維または炭素繊維からなる織物、編物、不織布であり、これらはいずれも、あるいは組合わせて使用することができるが、前記のとおり、電子部品用塗の市販品が容易に入手できる観点からガラス繊維から得られるシート(以下、「ガラスクロス」と呼ぶ場合もある)が好ましい。
本発明の製造方法により得られる樹脂含浸基材は、前記芳香族液晶ポリエステル溶液組成物をシートに含浸させ溶媒を乾燥除去させることで得られるが、溶媒を除去後の芳香族液晶ポリエステルの樹脂付着量としては、得られた樹脂含浸基材の重量を基にして、前記樹脂付着量が30〜80重量%であることが好ましく、40〜60重量%であることがより好ましい。
シートに芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を含浸させるには、典型的には前記芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を仕込んだ浸漬槽を準備し、前記浸漬層に、前記シートを浸漬することで実施することができる。ここで、用いた芳香族液晶ポリエステル溶液組成物の芳香族液晶ポリエステル含有量、浸漬槽に浸漬する時間、浸漬槽から芳香族液晶ポリエステル溶液組成物が含浸されたシートを引き上げる速度を、適宜最適化すれば、前記樹脂付着量は容易に制御することができる。
前記のようにして、芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を含浸させたシートは溶媒を除去することで、本発明の樹脂含浸基材を製造できる。溶媒を除去の方法は特に限定されないが溶媒の蒸発により行うことが好ましい。溶媒を蒸発させる方法としては、加熱、減圧、通風などの方法が挙げられる。得られた樹脂含浸基材には、必要に応じて、熱処理を行ってもよい。
また、本発明により得られる樹脂含浸基材は、前記の好適な芳香族液晶ポリエステルと、無機繊維または炭素繊維からなるシートとの相乗的な効果で、高度の寸法安定性を有する。該寸法安定性としては、温度50〜100℃における平面方向の線膨張率で表して、13ppm/℃以下の含浸基材が好ましい。
得られた樹脂含浸基材は、単独で使用してもよいが、他のシートや膜などを積層して用いてもよい。積層の方法は、特に限定されないが、得られた樹脂含浸基材に他のシートやフィルム(膜)などを接着剤により接着させる方法、熱プレスにより熱融着させる方法などが挙げられる。ここで、積層される他のシートやフィルム(膜)としては、例えば、金属膜、樹脂製フィルムなどが挙げられる。
本発明により得られた樹脂含浸基材は、該樹脂含浸基材の片面または両面に導電層を積層させることで得られる導電層付樹脂含浸基材として、電子部品用途に好ましく用いられる。また、このような導電層付含浸基材を用途に応じて更に積層させて用いてもよい。
導電層を積層させる方法としては、通常、樹脂含浸基材に金属箔を積層させる方法、金属粉または粒子を樹脂含浸基材上にコートして導電層を形成させる方法等が挙げられる。 かかる金属としては、銅、アルミ、銀等が挙げられるが、導電性やコストの観点から、銅が好ましく使用される。
金属膜(箔)の積層方法としては、例えば接着剤を用いて金属膜(箔)と樹脂含浸基材とを接着する方法、熱プレスにより熱融着させる方法が挙げられる。また、金属粉または粒子のコート方法としては、めっき法、スクリーン印刷法、スパッタリング法などが利用できる。
かくして得られた導電層を付与した樹脂含浸基材に所定の配線パターンを形成させた配線板は必要に応じた枚数を積層させてプリント配線基板やモジュール基板として好適に利用することができる。基板上には導電層を保護する目的などで更にカバーフィルムなどの樹脂フィルムを積層してもよい。
近年の情報通信機器の分野においては周波数の高周波化が進みつつあるところ、本発明で得られる樹脂含浸基材は高周波域においても誘電正接が小さい絶縁樹脂基板として好適である。また、本発明で得られる樹脂含浸基材の少なくとも片面に導電層を有する導電層付樹脂含浸基材は、耐熱性が高いという特徴の他に、線膨張率が小さいことから、プリント配線板やモジュール基板などに好適に使用することができる。
以下、実施例を用いて説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
(1)芳香族液晶ポリエステルの調製
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシー6−ナフトエ酸376g(2モル)、p−ヒドロキシ安息香酸1934g(14モル)、4−ヒドロキシアセトアニリド1814g(12モル)、イソフタル酸1994g(12モル)及び無水酢酸3267g(32モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて300℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。取り出した内容物を室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た(樹脂Aとする)。得られた芳香族液晶ポリエステル粉末を島津製作所フローテスターCFT−500により評価したところ、ポリエステルの流動開始温度は265℃であった
(2)芳香族液晶ポリエステル溶液の調製
上記工程により得られた芳香族液晶ポリエステル粉末2500gをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)7500gに加え、100℃に加熱して芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を得た。溶液粘度は170cP(23℃)であった。
(3)樹脂含浸基材の調製
ガラスクロス(有沢製作所製;厚み50μm)に、上記(2)で得た芳香族ポリエステル溶液組成物を含浸させ、熱風式乾燥機により設定温度160℃の条件で溶媒を蒸発させて樹脂含浸基材を得た。得られた樹脂含浸基材において、ガラスクロスに対する樹脂付着量は約60重量%で、厚みは87±2μm(基材の幅方向の厚み分布)、厚みバラツキは2%であった。得られた樹脂含浸基材には液垂れによる外観不良や樹脂付着ムラもほとんど見られなかった。
(4)樹脂含浸基材の評価
その後、熱風式乾燥機により窒素雰囲気下300℃1時間熱処理を行った。熱処理後の当該シートについてHP製インピーダンスアナライザーを用いて誘電率と誘電正接を測定したところ、誘電率は3.8(1GHz)、誘電正接は0.006(1GHz)であった。
得られた芳香族液晶ポリエステル樹脂含浸基材を、ハンダ温度280℃のハンダ浴に1分間浸漬させ表面状態を観察した。該樹脂含浸基板は変形や膨れも見られなかった。
また得られた樹脂含浸基板について、TMA装置(理学(株)製)により平面方向および厚み方向の線膨張率を評価したところ、平面方向の線膨張率は11ppm/℃(温度範囲50〜100℃)であった。
(5)樹脂含浸基材への導電層の付与
前述のようにして得られた樹脂含浸基材を2枚重ね、その両側に銅箔(三井金属社製;3EC‐VLP(18μm))を積層させた。得られた積層体を高温真空プレス機(北川精機社製)により340℃20分6MPaの条件にて熱プレスし一体化させ、導電層付樹脂含浸基材を得た。
(6)銅箔密着性の評価
得られた両面銅箔付芳香族液晶ポリエステルフィルムの銅箔密着性を島津製作所製オートグラフAG−ISによりを評価した(90度方向引張、引張速度50mm/分)。
[実施例2]
(1)芳香族液晶ポリエステルの調製
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシー6−ナフトエ酸1976g(10.5モル)、4−ヒドロキシアセトアニリド1474g(9.75モル)、イソフタル酸1620g(9.75モル)及び無水酢酸2374g(23.25モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて300℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。取り出した内容物を室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た(樹脂Bとする)。得られた芳香族液晶ポリエステル粉末を島津製作所フローテスターCFT−500により評価したところ、ポリエステルの流動開始温度は235℃であった。
(2)芳香族液晶ポリエステル溶液の調製
上記工程により得られた芳香族液晶ポリエステル粉末2500gをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)7500gに加え、100℃に加熱して芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を得た。溶液粘度は130cP(23℃)であった。
(3)樹脂含浸基材の調製
ガラスクロス(有沢製作所製;厚み50マイクロ)に、上記(2)で得た芳香族ポリエステル溶液組成物を含浸させ、熱風式乾燥機により設定温度160℃の条件で溶媒を蒸発させて樹脂含浸基材を得た。得られた樹脂含浸基材において、ガラスクロスに対する樹脂付着量は約60重量%であり、厚みは90±3μm(基材の幅方向の厚み分布)、厚みバラツキは3%であった。得られた樹脂含浸基材には液垂れによる外観不良や樹脂付着ムラもほとんど見られなかった。
(4)樹脂含浸基材の評価
その後、熱風式乾燥機により窒素雰囲気下300℃1時間熱処理を行った。熱処理後の当該シートについてインピーダンスアナライザー(HP製)を用いて誘電率と誘電正接を測定したところ、誘電率は3.9(1GHz)、誘電正接は0.004(1GHz)であった。
得られた芳香族液晶ポリエステル樹脂含浸基材を、ハンダ温度280℃のハンダ浴に1分間浸漬させ表面状態を観察した。該樹脂含浸基板は変形や膨れも見られなかった。
また得られた樹脂含浸基板について、TMA装置(理学(株)製)により平面方向および厚み方向の線膨張率を評価したところ、平面方向の線膨張率は12ppm/℃(温度範囲50〜100℃)であった。
(5)樹脂含浸基材への導電層の付与
前述のようにして得られた樹脂含浸基材を2枚重ね、その両側に銅箔(3EC‐VLP三井金属社製(18μm))を積層させた。得られた積層体を高温真空プレス機(北川精機製)により340℃20分6MPaの条件にて熱プレスし一体化させ、導電層付樹脂含浸基材を得た。
(6)銅箔密着性の評価
得られた両面銅箔付芳香族液晶ポリエステルフィルムの銅箔密着性を島津製作所製オートグラフAG−ISによりを評価した(90度方向引張、引張速度50mm/分)。
[実施例3]
(1)芳香族液晶ポリエステルの調製
実施例2と同様にして芳香族液晶ポリエステル粉末(樹脂B)を得た。更に得られた芳香族液晶ポリエステル粉末を用いて、窒素雰囲気において223℃3時間で固相重合反応を進め、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。固相重合後の芳香族液晶ポリエステル粉末を島津製作所フローテスターCFT−500により評価したところ、ポリエステルの流動開始温度は270℃であった。
(2)芳香族液晶ポリエステル溶液の調製
上記工程により得られた芳香族液晶ポリエステル粉末2500gをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)7500gに加え、100℃に加熱して芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を得た。溶液粘度は440cP(23℃)であった。
(3)樹脂含浸基材の調製
ガラスクロス(有沢製作所製;厚み50マイクロ)に、上記(2)で得た芳香族ポリエステル溶液組成物を含浸させ、熱風式乾燥機により設定温度160℃の条件で溶媒を蒸発させて樹脂含浸基材を得た。得られた樹脂含浸基材において、ガラスクロスに対する樹脂付着量は約60重量%であり、厚みは87±1μm(基材の幅方向の厚み分布)、厚みバラツキは1%であった。得られた樹脂含浸基材には液垂れによる外観不良や樹脂付着ムラもほとんど見られなかった。
(4)樹脂含浸基材の評価
その後、熱風式乾燥機により窒素雰囲気下300℃1時間熱処理を行った。熱処理後の当該シートについてインピーダンスアナライザー(HP製)を用いて誘電率と誘電正接を測定したところ、誘電率は3.9(1GHz)、誘電正接は0.005(1GHz)であった。
得られた芳香族液晶ポリエステル樹脂含浸基材を、ハンダ温度280℃のハンダ浴に1分間浸漬させ表面状態を観察した。該樹脂含浸基板は変形や膨れも見られなかった。
また得られた樹脂含浸基板について、TMA装置(理学(株)製)により平面方向および厚み方向の線膨張率を評価したところ、平面方向の線膨張率は13ppm/℃(温度範囲50〜100℃)であった。
(5)樹脂含浸基材への導電層の付与
前述のようにして得られた樹脂含浸基材を2枚重ね、その両側に銅箔(3EC‐VLP三井金属社製(18μm))を積層させた。得られた積層体を高温真空プレス機(北川精機製)により340℃20分6MPaの条件にて熱プレスし一体化させ、導電層付樹脂含浸基材を得た。
(6)銅箔密着性の評価
得られた両面銅箔付芳香族液晶ポリエステルフィルムの銅箔密着性を島津製作所製オートグラフAG−ISによりを評価した(90度方向引張、引張速度50mm/分)。
[比較例1]
(1)芳香族液晶ポリエステルの調製
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、 2−ヒドロキシー6−ナフトエ酸1035.0g(5.5モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル512.1g(2.75モル)、イソフタル酸 456.9g(2.75モル)及び無水酢酸 1235.3g(12.1モル)、を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気において250℃3時間で固相重合反応を進め、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た(樹脂Cとする)。得られた固相重合後の芳香族液晶ポリエステル粉末を島津製作所フローテスターCFT−500により評価したところ、ポリエステルの流動開始温度は300℃であった。
上記工程により得られた芳香族液晶ポリエステル粉末800gをp―クロロフェノール(PCP)9200gに加え、120℃に加熱した結果、完全に溶解した溶液が得られることを確認した。溶液粘度は3000cP(50℃)であった。
(3)樹脂含浸基材の調製
ガラスクロス(有沢製作所製;厚み50マイクロ)に、上記(2)で得た芳香族ポリエステル溶液組成物を含浸させ、熱風式乾燥機により設定温度160℃の条件で溶媒を蒸発させて樹脂含浸基材を得た。得られた樹脂含浸基材において、ガラスクロスに対する樹脂付着量は約60重量%であり、厚みは91±8μm(基材の幅方向の厚み分布)、厚みバラツキは9%であった。得られた樹脂含浸基材には液垂れによる外観不良や樹脂付着ムラが観測された。また、溶媒乾燥除去時の臭気が酷かった。
その後、熱風式乾燥機により窒素雰囲気下300℃で1時間熱処理を行った。芳香族液晶ポリエステル樹脂含浸基材を得た。当該シートについて、インピーダンスアナライザー(HP製)を用いて誘電率と誘電正接を測定したところ誘電率は3.9(1GHz)、誘電正接は0.001(1GHz)であった。
得られた芳香族液晶ポリエステル樹脂含浸基材を、はんだ温度280℃のはんだ浴に1分間浸漬させ表面状態を観察した。該樹脂含浸基板は変形や膨れも見られなかった。
更に得られた樹脂含浸基板について、TMA装置(理学(株)製)により平面方向および厚み方向の線膨張率を評価したところ、平面方向の線膨張率は24ppm/℃(温度範囲50〜100℃)であった。
[比較例2]
実施例1より得られた芳香族液晶ポリエステル粉末(樹脂A)1500gをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)8500gに加え、100℃に加熱して芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を得た。溶液粘度は20cP(23℃)であった。
実施例と同様にガラスクロス(有沢製作所製;厚み50μm)に、上記芳香族ポリエステル溶液組成物を含浸させ、熱風式乾燥機により設定温度160℃の条件で溶媒を蒸発させて樹脂含浸基材を得た。得られた樹脂含浸基材において、ガラスクロスに対する樹脂付着量は約20重量%と低く、基材に樹脂を適量付着することができなかった。樹脂含浸基材の厚みは64±9μm(基材の幅方向の厚み分布)、厚みバラツキは13%であり、液垂れによる外観不良や樹脂付着ムラが見られた。
[参考例1]
(1)芳香族液晶ポリエステルの調製
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシー6−ナフトエ酸941g(5.0モル)、4−アミノフェノール273g(2.5モル)、イソフタル酸415.3g(2.5モル)及び無水酢酸1123g(11モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら150分かけて300℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた芳香族液晶ポリエステル粉末(樹脂Dとする)を島津製作所フローテスターCFT−500により評価したところ、ポリエステルの流動開始温度は180℃であった。
(2)芳香族液晶ポリエステル溶液の調製
上記工程により得られた芳香族液晶ポリエステル粉末2500gをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)7500gに加え、100℃に加熱して芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を得ようとしたが芳香族液晶ポリエステル粉末は溶媒DMAcに不溶であり芳香族液晶ポリエステル溶液を得ることができなかった。
Figure 0005055951


Claims (6)

  1. ハロゲン原子を含まない非プロトン性溶媒と、全構造単位の合計に対して下記一般式(a1)で表される構造単位を30.0〜45.0モル%、下記一般式(a2)で表される構造単位を27.5〜35.0モル%、下記一般式(a3)で表される構造単位を27.5〜35.0モル%有する芳香族液晶ポリエステルとを含し、前記芳香族液晶ポリエステルの含有量が前記非プロトン性溶媒100重量部に対して20〜50重量部である芳香族液晶ポリエステル溶液組成物を、無機繊維または炭素繊維からなるシートに含浸せしめ、溶媒を除去ることを特徴とする樹脂含浸基材の製造方法
    −O−Ar1−CO− (a1)
    −CO−Ar2−CO− (a2)
    −NH−Ar3−X− (a3)
    (式中、Ar1は、1,4−フェニレン、2,6−ナフタレン、または4,4’−ビフェニレンを表わす。Ar2は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、または2,6−ナフタレンを表わす。Ar3は、1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンを表わす。Xは、−O−または−NH−を表わす。)
  2. 前記芳香族液晶ポリエステルの流動開始温度が260℃以上である請求項1に記載樹脂含浸基材の製造方法
  3. 前記シートが、ガラス繊維からなるシートである請求項1または2に記載の樹脂含浸基材の製造方法
  4. 前記非プロトン性溶媒が、その双極子モーメントが3以上5以下であり、且つ1気圧における沸点が180℃以下である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂含浸基材の製造方法
  5. 前記樹脂含浸基材の温度50〜100℃における平面方向の線膨張率が13ppm/℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂含浸基材の製造方法
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載樹脂含浸基材の製造方法により樹脂含浸基材を製造し、その片面または両面に導電層を積層させる導電層付樹脂含浸基材の製造方法
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