JP6145932B2 - 樹脂含浸シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維シートに樹脂が含浸されてなる樹脂含浸シートの製造方法に関する。
プリント配線板の絶縁層として、繊維シートに樹脂が含浸されてなる樹脂含浸シートが検討されており、その製造方法として、例えば、特許文献1及び2には、樹脂と溶媒とを含む液状組成物に繊維シートを浸漬して、前記液状組成物を繊維シートに含浸した後、溶媒を除去する方法が記載されている。また、特許文献3には、前記液状組成物を減圧手段により繊維シートに含浸した後、溶媒を除去する方法が記載されている。また、特許文献4には、樹脂を溶融させて繊維シートに含浸する方法が記載されている。
特開2004−244621号公報 特開2007−146139号公報 特開2004−188652号公報 特開2012−116906号公報
前記従来の方法では、樹脂含浸シート中に樹脂未含浸のボイド(隙間)が発生し易いため、樹脂含浸シートのはんだ耐熱性が不十分になり易い。そこで、本発明の目的は、ボイドが少なくて、はんだ耐熱性に優れる樹脂含浸シートを製造しうる方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、繊維シートの両側に、それぞれ、支持体と樹脂及び溶媒を含む組成物の層とを有する積層体(1)を、前記層が前記繊維シートに接触するように配置し、加熱及び加圧して、前記組成物が前記繊維シートに含浸されてなる樹脂含浸シート前駆体と前記支持体とを有する積層体(2)を得る工程(1)と、前記積層体(2)から前記樹脂含浸シート前駆体を分離する工程(2)と、前記樹脂含浸シート前駆体から前記溶媒を除去して、樹脂含浸シートを得る工程(3)とを有する樹脂含浸シートの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記製造方法により樹脂含浸シートを得、この樹脂含浸シート又はその積層シートの少なくとも一方の面上に、金属層を形成する金属張積層板の製造方法を提供する。
本発明によれば、ボイドが少なくて、はんだ耐熱性に優れる樹脂含浸シートを製造することができる。
積層体(1)は、支持体と樹脂及び溶媒を含む組成物の層とを有する。
支持体としては、例えば、ガラス板、樹脂フィルム及び金属箔が挙げられる。中でも、積層体(2)を製造する際の加熱及び加圧が行い易く、かつ、積層体(2)から剥離により容易に除去できることから、樹脂フィルムが好ましく用いられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム及びポリメチルペンテンフィルムが挙げられ、それらの2種以上をラミネートして用いてもよい。また、樹脂フィルムは、シリコーン樹脂等で表面処理したものであってもよい。
組成物に含まれる樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂;及びフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、それらの2種以上を用いてもよい。中でも、耐熱性が高く、誘電損失が小さい樹脂含浸シートを与えることから、液晶ポリエステルが好ましい。
液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示すポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。なお、液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
液晶ポリエステルの典型的な例としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合(重縮合)させてなるもの、複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合させてなるもの、及びポリエチレンテレフタレート等のポリエステルと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを重合させてなるものが挙げられる。ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、その一部又は全部に代えて、その重合可能な誘導体が用いられてもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸のようなカルボキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、カルボキシル基をアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基に変換してなるもの(エステル)、カルボキシル基をハロホルミル基に変換してなるもの(酸ハロゲン化物)、及びカルボキシル基をアシルオキシカルボニル基に変換してなるもの(酸無水物)が挙げられる。芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシル基をアシル化してアシルオキシル基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
液晶ポリエステルは、下記式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」ということがある。)を有することが好ましく、繰返し単位(1)と、下記式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」ということがある。)と、下記式(3)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(3)」ということがある。)とを有することがより好ましい。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(−NH−)を表す。Ar1、Ar2又はAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5
(Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基及びn−デシル基が挙げられ、その炭素数は、通常1〜10である。前記アリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられ、その炭素数は、通常6〜20である。前記水素原子がこれらの基で置換されている場合、その数は、Ar1、Ar2又はAr3で表される前記基毎に、それぞれ独立に、通常2個以下であり、好ましくは1個以下である。
前記アルキリデン基の例としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、n−ブチリデン基及び2−エチルヘキシリデン基が挙げられ、その炭素数は通常1〜10である。
繰返し単位(1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(1)としては、Ar1がp−フェニレン基であるもの(p−ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)、及びAr1が2,6−ナフチレン基であるもの(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(2)としては、Ar2がp−フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Ar2がm−フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、Ar2が2,6−ナフチレン基であるもの(2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)、及びAr2がジフェニルエ−テル−4,4’−ジイル基であるもの(ジフェニルエ−テル−4,4’−ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(3)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミン又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。繰返し単位(3)としては、Ar3がp−フェニレン基であるもの(ヒドロキノン、p−アミノフェノール又はp−フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)、及びAr3が4,4’−ビフェニリレン基であるもの(4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル又は4,4’−ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(1)の含有量は、全繰返し単位の合計量(液晶ポリエステルを構成する各繰返し単位の質量をその各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量(モル)を求め、それらを合計した値)に対して、通常30モル%以上、好ましくは30〜80モル%、より好ましくは30〜60モル%、さらに好ましくは30〜40モル%である。繰返し単位(2)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、通常35モル%以下、好ましくは10〜35モル%、より好ましくは20〜35モル%、さらに好ましくは30〜35モル%である。繰返し単位(3)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、通常35モル%以下、好ましくは10〜35モル%、より好ましくは20〜35モル%、さらに好ましくは30〜35モル%である。繰返し単位(1)の含有量が多いほど、耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、あまり多いと、溶媒に対する溶解性が低くなり易い。
繰返し単位(2)の含有量と繰返し単位(3)の含有量との割合は、[繰返し単位(2)の含有量]/[繰返し単位(3)の含有量](モル/モル)で表して、通常0.9/1〜1/0.9、好ましくは0.95/1〜1/0.95、より好ましくは0.98/1〜1/0.98である。
なお、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)を、それぞれ独立に、2種以上有してもよい。また、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
液晶ポリエステルは、繰返し単位(3)として、X及び/又はYがイミノ基であるものを有すること、すなわち、所定の芳香族ヒドロキシルアミンに由来する繰返し単位及び/又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位を有することが、溶媒に対する溶解性が優れるので、好ましく、繰返し単位(3)として、X及び/又はYがイミノ基であるもののみを有することが、より好ましい。
液晶ポリエステルは、それを構成する繰返し単位に対応する原料モノマーを溶融重合させ、得られた重合物(プレポリマー)を固相重合させることにより、製造することが好ましい。これにより、耐熱性や強度・剛性が高い高分子量の液晶ポリエステルを操作性良く製造することができる。溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよく、この触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属化合物や、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1−メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
液晶ポリエステルは、その流動開始温度が、通常250℃以上、好ましくは250℃〜350℃、より好ましくは260℃〜330℃である。流動開始温度が高いほど、耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、あまり高いと、溶媒に対する溶解性が低くなり易かったり、液状組成物の粘度が高くなり易かったりする。
なお、流動開始温度は、フロー温度又は流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、内径1mm及び長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリエステルの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
組成物に含まれる溶媒としては、用いる樹脂が溶解可能なもの、具体的には50℃にて1質量%以上の濃度([樹脂]/[樹脂+溶媒])で溶解可能なものが、適宜選択して用いられる。
溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;p−クロロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノール等のハロゲン化フェノール;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル;アセトン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート;トリエチルアミン等のアミン;ピリジン等の含窒素複素環芳香族化合物;アセトニトリル、スクシノニトリル等のニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド、テトラメチル尿素等の尿素化合物;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物;及びヘキサメチルリン酸アミド、トリn−ブチルリン酸等のリン化合物が挙げられ、それらの2種以上を用いてもよい。
溶媒としては、腐食性が低く、取り扱い易いことから、非プロトン性化合物、特にハロゲン原子を有しない非プロトン性化合物を主成分とする溶媒が好ましく、溶媒全体に占める非プロトン性化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。また、前記非プロトン性化合物としては、樹脂を溶解し易いことから、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミドを用いることが好ましい。
また、溶媒としては、樹脂を溶解し易いことから、双極子モーメントが3〜5である化合物を主成分とする溶媒が好ましく、溶媒全体に占める双極子モーメントが3〜5である化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%であり、前記非プロトン性化合物として、双極子モーメントが3〜5である化合物を用いることが好ましい。
また、溶媒としては、除去し易いことから、1気圧における沸点が220℃以下である化合物を主成分とするとする溶媒が好ましく、溶媒全体に占める1気圧における沸点が220℃以下である化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%であり、前記非プロトン性化合物として、1気圧における沸点が220℃以下である化合物を用いることが好ましい。
組成物中の溶媒の含有量は、組成物全体に対して、通常5〜20質量%、好ましくは8〜14質量%である。組成物中の溶媒の含有量があまり少ないと、組成物が繊維シートに含浸され難く、高温高圧を要し、あまり多いと、組成物を繊維シートに含浸する際、組成物中の溶媒が蒸発し易く、その蒸気により樹脂含浸シート前駆体が膨らみ易い。
組成物は、無機充填材を含んでもよい。無機充填材の例としては、酸化マグネシウム、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン、酸化亜鉛の如き酸化物、窒化ホウ素、窒化アルミニウムの如き窒化物、水酸化アルミニウムの如き水酸化物、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウムの如きオキソ酸塩が挙げられ、それらの2種以上を用いてもよい。中でも酸化物及び窒化物が好ましい。また、無機充填材としては、熱伝導率が30W/mK以上である無機充填材が好ましい。
組成物中の無機充填材の含有量は、固形分(溶媒以外の全成分)の合計量に対して、通常0〜90体積%であり、樹脂含浸シートの熱伝導性の観点から、好ましくは50体積%以上であり、樹脂含浸シートと金属層との密着性の観点から、好ましくは70体積%以下である。
無機充填材としては、樹脂含浸シートと金属層との密着性の観点から、体積平均粒径0.1μm以上3μm未満の無機充填材(1)を用いることが好ましく、樹脂含浸シートの熱伝導性の観点から、体積平均粒径3μm以上10μm以下の無機充填材(2)を用いることが好ましく、両者を併用することが好ましい。無機充填材(1)の体積平均粒径は、好ましくは0.5〜2μmであり、無機充填材(2)の体積平均粒径は、好ましくは3〜8μmである。
組成物中の無機充填材(1)の含有量は、固形分の合計量に対して、好ましくは20〜70体積%、より好ましくは30〜60体積%であり、組成物中の無機充填材(2)の含有量は、固形分の合計量に対して、好ましくは5〜40体積%、より好ましくは10〜30体積%である。
無機充填材(1)としては、酸化物が好ましく、無機充填材(2)としては、窒化物が好ましい。
なお、組成物は、樹脂、溶媒及び無機充填材以外の成分、例えば有機充填材や添加剤を含んでもよいが、その含有量は、固形分の合計量に対して、複数種含まれる場合は合計で、通常0〜10体積%である。有機充填材の例としては、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂及び架橋アクリル樹脂が挙げられる。添加剤の例としては、レべリング剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤及び着色剤が挙げられる。
積層体(1)は、支持体上に樹脂、溶媒及び必要に応じて用いられる他の成分を含む液状組成物を塗工し、必要により塗膜(支持体上に塗工された液状組成物)から溶媒を部分的に除去することにより、好適に製造することができる。
液状組成物中の樹脂の含有量は、樹脂及び溶媒の合計量に対して、通常5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜45質量%であり、所望の粘度の液状組成物が得られるように、適宜調整される。
液状組成物は、樹脂、溶媒及び必要に応じて用いられる他の成分を、一括で又は適当な順序で混合することにより調製することができる。他の成分として充填材を用いる場合は、樹脂を溶媒に溶解させて、樹脂溶液を得、この樹脂溶液に充填材を分散させることにより調製することが好ましい。
支持体上への液状組成物の塗工法としては、例えば、ロールコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、ダイスコート法及びコンマコート法が挙げられ、連続式で行ってもよいし、単板式で行ってもよい。
こうして支持体上に塗膜を形成し、この塗膜から必要により溶媒を部分的に除去することにより、支持体と樹脂及び溶媒を含む組成物の層とを有する積層体(1)を得ることができる。
溶媒の除去は、溶媒を蒸発させることにより行うことが好ましく、その方法としては、例えば、加熱、減圧及び通風が挙げられ、これらを組み合わせてもよい。また、溶媒の除去は、連続式で行ってもよいし、単板式で行ってもよい。溶媒の除去温度は、通常40〜200℃であり、適当な時間で組成物中の溶媒含有量が好ましくは8〜14質量%となるように、適宜調整される。溶媒の除去は多段階で行ってもよく、例えば、50〜150℃、好ましくは80〜120℃で第1段階を行った後、80〜180℃、好ましくは100〜150℃で第2段階を行ってもよい。
こうして得られる積層体(1)を、繊維シートの両側に、それぞれ、樹脂及び溶媒を含む組成物の層が繊維シートに接触するように配置し、すなわち、繊維シートを一対の積層体(1)の前記層間に挟み、加熱及び加圧することにより、前記組成物が繊維シートに含浸されてなる樹脂含浸シート前駆体と、その両面上にそれぞれ積層された支持体とを有する積層体(2)を得る(工程(1))。
繊維シートは、繊維から構成されるシート状のものであり、織物(織布)であってもよいし、編物であってもよいし、不織布であってもよいが、樹脂含浸シートの寸法安定性が向上し易いことから、織物であることが好ましい。
繊維シートを構成する繊維としては、ガラス繊維、アルミナ系繊維、炭素繊維、ケイ素含有セラミック繊維その他のセラミック繊維等の無機繊維;及び液晶ポリエステル繊維その他のポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリベンザゾール繊維等の有機繊維が挙げられ、それらの2種以上を用いてもよい。中でも、ガラス繊維が好ましく、繊維シートとしては、ガラス繊維の織物であるガラスクロスが好ましい。
ガラス繊維シートを構成するガラス繊維としては、含アルカリガラス繊維、無アルカリガラス繊維及び低誘電ガラス繊維が好ましい。また、ガラス繊維シートを構成する繊維として、その一部にガラス繊維以外の繊維、例えばセラミック繊維や炭素繊維が含まれていてもよい。また、ガラス繊維シートを構成する繊維は、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等のカップリング剤で表面処理されていてもよい。
繊維シートの製造方法としては、例えば、繊維を水中に分散させ、必要に応じてアクリル樹脂等の糊剤を添加して、抄紙機にて抄造後、乾燥させることで不織布を得る方法や、織成機を用いて織物を得る方法が挙げられる。繊維の織り方としては、例えば、平織り、朱子織り、綾織り及びななこ織りが挙げられる。
繊維シートの単位面積当たりの質量は、樹脂含浸シートの熱伝導性が向上し易いことから、好ましくは40g/m2以下、より好ましくは35g/m2以下であり、樹脂含浸シートが熱膨張し難いことから、好ましくは15g/m2以上、より好ましくは20g/m2以上である。
繊維シートの厚さは、樹脂含浸シートの熱伝導性が向上し易いことから、好ましくは40μm以下、より好ましくは35μm以下であり、樹脂含浸シートが熱膨張し難いことから、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上である。
繊維シートの織り密度は、樹脂含浸シートの熱伝導性が向上し易いことから、好ましくは60本/25mm以上、より好ましくは65本/25mm以上であり、樹脂含浸シートが熱膨張し難いことから、好ましくは80本/25mm以下、より好ましくは75本/25mm以下である。
繊維シートの市販品は、ユニチカ(株)、旭化成イーマテリアルズ(株)、日東紡績(株)及び有沢製作所(株)から入手できる。
工程(1)における加熱温度は、好ましくは100〜180℃、より好ましくは130〜160℃である。加熱温度があまり低いと、組成物が繊維シートに含浸され難く、あまり高いと、組成物を繊維シートに含浸する際、組成物中の溶媒が蒸発し易く、その蒸気により樹脂含浸シート前駆体が膨らみ易い。また、工程(1)における加圧圧力は、好ましくは0.1〜1MPa、より好ましくは0.3〜0.7MPaである。工程(1)は、ロールラミネーターを用いて、一対の積層体(1)で繊維シートを挟んだものを、一対の熱ロール間に通過させて、加熱及び加圧することにより行うことが好ましい。
こうして得られる積層体(2)から樹脂含浸シート前駆体を分離する(工程(2))。この分離は、積層体(2)から支持体を剥がすことにより行うのがよく、支持体が樹脂フィルムであると、剥がし易い。積層体(2)が有する支持体が金属箔である場合、積層体(2)からエッチングにより金属箔を除去してもよい。
次いで、樹脂含浸シート前駆体から溶媒を除去することにより、樹脂が繊維シートに含浸されてなる樹脂含浸シートを得る(工程(3))。溶媒の除去は、加熱により溶媒を蒸発させることにより行うことが好ましく、加熱により、樹脂を高分子量化でき、耐熱性をより向上させることもできる。加熱温度は、好ましくは250〜330℃、より好ましくは270〜320℃であり、加熱時間は、好ましくは1〜30時間、より好ましくは1〜10時間である。加熱は、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気の下で行うことが好ましい。
こうして得られる樹脂含浸シートは、ボイドが少なくて、はんだ耐熱性に優れるので、この樹脂含浸シートを必要により複数枚重ねて積層シートとし、その少なくとも一方の面上に金属層を形成することにより、ボイドが少なくて、はんだ耐熱性に優れる絶縁層を有する金属張積層板を得ることができる。樹脂含浸シートを複数枚重ねて積層シートとする場合、複数枚の樹脂含浸シートは、全て同じものであってもよいし、一部のみ同じものであってもよいし、全て異なっていてもよい。積層シートは、複数枚の樹脂含浸シートを加熱プレス等により互いに融着させたものであってもよい。
金属層の材料としては、例えば、銅、アルミ及び銀が挙げられ、それらの2種以上を用いてもよい。中でも、導電性の点から、銅及び銅合金が好ましい。樹脂含浸シート又はその積層シートの両面上に金属層を形成する場合、両金属層の材料は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
金属層の形成は、樹脂含浸シート又はその積層シートを、加熱プレス等により金属箔に融着させることにより行ってもよいし、接着剤により金属箔と接着させることにより行ってもよいし、めっき法やスパッタリング法により金属で被覆することにより行ってもよいし、スクリーン印刷法等の印刷法により金属粒子で被覆することにより行ってもよい。樹脂含浸シートを複数枚重ねて積層シートとし、金属箔に融着させる場合、加熱プレス等により、樹脂含浸シート同士を融着させると同時に、樹脂含浸シートを金属箔に融着させてもよい。めっき法は、無電解めっき法であってもよいし、電解めっき法であってもよいし、両者を併用してもよい。めっき法で形成された金属層は、加熱処理して、その導電性等の特性を高めてもよい。
金属層の厚さは、好ましくは1〜70μm、より好ましくは3〜35μm、さらに好ましくは5〜18μmである。
こうして得られる金属張積層板は、その金属層をエッチング等によりパターン化し、必要に応じて複数枚積層することにより、プリント配線板として用いることができる。
〔液晶ポリエステルの流動開始温度の測定〕
フローテスター((株)島津製作所の「CFT−500型」)を用いて、液晶ポリエステル約2gを、内径1mm及び長さ10mmのノズルを有するダイを取り付けたシリンダーに充填し、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、ノズルから押し出し、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度を測定した。
〔液晶ポリエステル溶液の粘度の測定〕
B型粘度計(東機産業(株)の「TVL−20型」)を用いて、No.21のローターにより、回転速度20rpmで測定した。
〔無機充填材の体積平均粒径の測定〕
無機充填材100mgを水に分散させ、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置((株)堀場製作所の「LA−950」)により測定した。
〔積層体(1)の組成物層中の溶媒含有量の測定〕
積層体(1)から支持フィルムを剥離して、組成物層を分離し、質量を測定した後、熱風式乾燥器を用いて、200℃で2時間乾燥させることにより、溶媒を完全に除去し、質量を測定した。乾燥前後の質量から、次の式により求めた。
溶媒含有量(質量%)=(乾燥前質量−乾燥後質量)/乾燥前質量×100
〔液晶ポリエステルの製造〕
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1976g(10.5モル)、4−ヒドロキシアセトアニリド1474g(9.75モル)、イソフタル酸1620g(9.75モル)及び無水酢酸2374g(23.25モル)を入れ、反応器内のガスを窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下、攪拌しながら、室温から150℃まで15分かけて昇温し、150℃で3時間還流させた。次いで、副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から300℃まで2時間50分かけて昇温し、300℃で1時間保持した後、反応器から内容物を取り出し、室温まで冷却した。得られた固形物を、粉砕機で粉砕して、粉末状のプレポリマーを得た。このプレポリマーの流動開始温度は、235℃であった。次いで、このプレポリマーを、窒素ガス雰囲気下、室温から223℃まで6時間かけて昇温し、223℃で3時間保持することにより、固相重合させた後、冷却して、粉末状の液晶ポリエステルを得た。この液晶ポリエステルの流動開始温度は、270℃であった。
〔液晶ポリエステル溶液の調製〕
液晶ポリエステル2200gを、N−メチル−2−ピロリドン(溶媒)7800gに加え、窒素ガス雰囲気下、100℃で2時間撹拌して、液晶ポリエステル溶液を得た。この液晶ポリエステル溶液の粘度は、400cPであった。
〔積層体(1)の製造〕
液晶ポリエステル溶液を厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの上に、バーコーターを用いて、乾燥後の厚さが約50μmとなるように塗工した後、熱風式乾燥器を用いて、40℃で15時間乾燥させて、PETフィルム上に液晶ポリエステル及び溶媒を含む組成物の層が形成されてなる積層体(1)を得た。積層体(1)の組成物層中の溶媒含有量を測定し、表1に示した。
〔積層体(2)の製造〕
IPC呼称1037のガラスクロス(ユニチカ(株)、単位面積当たりの質量24g/m2、厚さ27μm、織り密度(縦)69本/mm、織り密度(横)72本/mm)の両側に、それぞれ積層体(1)を、その組成物層がガラスクロスに接触するように配置し、ロールラミネーターを用いて、一対の熱ロール間に通過させることにより加熱及び加圧して、積層体(2)を得た。その際、熱ロールの温度は160℃、圧力は0.5MPaとした。
〔樹脂含浸シートの製造〕
積層体(2)の両面のPETフィルムを剥離して、樹脂含浸シート前駆体を分離し、熱風式乾燥器を用いて、窒素ガス雰囲気下、290℃で9時間熱処理することにより、溶媒を除去すると共に液晶ポリエステルを高分子量化して、樹脂含浸シートを得た。
〔銅張積層板の製造〕
樹脂含浸シートの両側に、それぞれ厚さ18μmの電解銅箔(三井金属(株)の「3EC−VLP」)を配置し、高温真空プレス機(北川精機(株))を用いて、温度350℃、圧力15MPaの条件で熱プレスして、銅張積層板を得た。
実施例2
ガラスクロスとして、IPC呼称1015のガラスクロス(ユニチカ(株)、単位面積当たりの質量17g/m2、厚さ15μm、織り密度(縦)95本/mm、織り密度(横)95本/mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様に銅張積層板を製造した。
実施例3
液晶ポリエステル溶液に、無機充填材(1)として酸化アルミニウム(住友化学(株)の「AA−03」、体積平均粒径0.3μm)と、無機充填材(2)として窒化ホウ素(Changsung(株)の「KBN−5」、体積平均粒径5μm)とを添加して、分散液を得た。その際、酸化アルミニウム及び窒化ホウ素の添加量は、液晶ポリエステル、酸化アルミニウム及び窒化ホウ素の合計量に対して、それぞれ、43体積%及び15体積%となるようにした。この分散液を、遠心式攪拌脱泡機を用いて、10分攪拌して脱泡した後、厚さ100μmのPETフィルムの上に、バーコーターを用いて、乾燥後の厚さが約50μmとなるように塗工した後、連続式熱風乾燥器を用いて、第1乾燥路にて90℃、次いで第2乾燥路にて120℃で計5分乾燥させて、積層体(1)を得た。この積層体(1)を用いて、実施例1と同様に銅張積層板を製造した。
実施例4
ガラスクロスとして、IPC呼称1015のガラスクロス(同上)を用いたこと以外は、実施例3と同様に銅張積層板を製造した。
比較例1
IPC呼称1037のガラスクロス(同上)を液晶ポリエステル溶液に約80℃で1分浸漬した後、引き上げ、次いで、表面に過剰に付着した液晶ポリエステル溶液を落とすために、一対のロール間を通過させた後、熱風式乾燥機(エスペック(株))を用いて、80℃で15分乾燥させて、積層体(2)を得た。この積層体(2)を用いて、実施例1と同様に銅張積層板を製造した。
比較例2
ガラスクロスとして、IPC呼称1015のガラスクロス(同上)を用いたこと以外は、比較例1と同様に銅張積層板を製造した。
比較例3
液晶ポリエステル溶液に替えて、実施例3で得られた脱泡後の分散液を用いたこと以外は、比較例1と同様に銅張積層板を製造した。
比較例4
ガラスクロスとして、IPC呼称1015のガラスクロス(同上)を用いたこと以外は、比較例3と同様に銅張積層板を製造した。
比較例5
液晶ポリエステル溶液を厚さ18μmの電解銅箔(三井金属(株)の「3EC−VLP」)の上に、バーコーターを用いて、乾燥後の厚さが約50μmとなるように塗工した後、熱風式乾燥炉を用いて、100℃で20分乾燥させ、次いで、熱風式乾燥器を用いて、窒素ガス雰囲気下、290℃で3時間熱処理して、銅箔上に液晶ポリエステル層が形成されてなる積層体を得た。
IPC呼称1037のガラスクロス(同上)の両側に、それぞれ前記積層体を、その液晶ポリエステル層がガラスクロスに接触するように配置し、高温真空プレス機(北川精機(株))を用いて、温度350℃、圧力15MPaの条件で熱プレスして、銅張積層板を得た。
比較例6
液晶ポリエステル溶液に替えて、実施例3で得られた脱泡後の分散液を用いたこと以外は、比較例5と同様に銅張積層板を製造した。
〔評価用樹脂含浸シートの調製〕
以上の実施例1〜4及び比較例1〜6で得られた銅張積層板を、40°ボーメの塩化第二鉄水溶液(木田(株))に浸漬して、銅箔をエッチングにより除去した後、水洗して、評価用樹脂含浸シートを得、次の評価を行った。
〔ボイド〕
評価用樹脂含浸シートの断面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察し、取得した撮像データから、画像解析プログラム((株)ニレコの「LUZEX」)を用いて、ボイド部分とそれ以外の部分とを2値化し、総面積に占めるボイド部分の面積の割合(%)を算出した。
〔はんだ耐熱性〕
評価用樹脂含浸シートを120℃、100%RHで2時間湿熱処理した後、温度260℃のはんだ浴に1分間浸漬し、銅箔の膨れや剥がれ等の外観不良の有無を、目視で観察した。
〔外観〕
評価用樹脂含浸シートの表面におけるクラックやすじ等の外観不良の有無を、目視で観察した。
Figure 0006145932

Claims (6)

  1. 繊維シートの両側に、それぞれ、支持体と樹脂及び溶媒を含む組成物の層とを有する積層体(1)を、前記層が前記繊維シートに接触するように配置し、加熱及び加圧して、前記組成物が前記繊維シートに含浸されてなる樹脂含浸シート前駆体と前記支持体とを有する積層体(2)を得る工程(1)と、前記積層体(2)から前記樹脂含浸シート前駆体を分離する工程(2)と、前記樹脂含浸シート前駆体から前記溶媒を除去して、樹脂含浸シートを得る工程(3)とを有し、
    前記樹脂が液晶ポリエステルであり、
    前記樹脂含浸シートを得る工程(3)においては、前記樹脂含浸シート前駆体を加熱して前記溶媒を除去し、
    前記樹脂含浸シートを得る工程(3)における加熱温度は250〜330℃、加熱時間は1〜30時間である樹脂含浸シートの製造方法。
  2. 前記液晶ポリエステルが、下記式(1)で表される繰返し単位と、下記式(2)で表される繰返し単位と、下記式(3)で示される繰返し単位とを有する液晶ポリエステルである請求項に記載の樹脂含浸シートの製造方法。
    (1)−O−Ar1−CO−
    (2)−CO−Ar2−CO−
    (3)−X−Ar3−Y−
    (Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2又はAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
    (4)−Ar4−Z−Ar5
    (Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
  3. 前記繊維シートがガラス繊維シートである請求項1または2に記載の樹脂含浸シートの製造方法。
  4. 前記組成物が無機充填材を含む組成物である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂含浸シートの製造方法。
  5. 前記組成物中の前記溶媒の含有量が8〜14質量%である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂含浸シートの製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂含浸シートの製造方法により樹脂含浸シートを得、この樹脂含浸シート又はその積層シートの少なくとも一方の面上に、金属層を形成する金属張積層板の製造方法。
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