JP5369666B2 - 金属張積層板の製造方法 - Google Patents

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Description


本発明は、金属張積層板の製造方法に関する。

多層プリント配線板のコア基板等に使用される金属張積層板は、プリプレグを1枚又は複数枚重ね、それを銅箔で挟み込み、真空ホットプレス機を用いて、減圧下、加圧・加熱して積層することにより製造されるのが一般的である。

多層プリント配線板の製造においては、該コア基板の両面に層間絶縁層と層間導体層が交互に形成される。層間導体層の形成においては、銅箔を使用したサブトラクティブ法による導体層形成に代えて、微細配線化により有利な、メッキで導体層を形成するセミアディティブ法が一般的に用いられている。

メッキで導体層を形成する場合、通常、絶縁層表面を酸化剤等で粗化し、無電解メッキでメッキシード層を形成した後、電解メッキで導体層を形成する手段が一般的である。この方法では絶縁層表面の凹凸によるアンカー効果により強い剥離強度を有する導体層が形成される。しかし、絶縁層表面の粗度が大きいと、剥離強度は大きくなるものの、より高度な微細配線化には不利となるため、低粗度でかつ高いメッキ剥離強度を達成する手段が求められていた。

低粗度で高いメッキ剥離強度を達成する手段の一つとして、金属膜付きフィルムによりメッキシード層となる薄い金属膜層を基材上に転写する方法が試みられている。例えば、特許文献1には、支持体層上に離型層を介して金属膜層が形成された金属膜付きフィルムにより、金属膜層を絶縁層表面に転写し、転写された金属膜層上にメッキにより導体層を形成する方法が開示されている。

国際公開第2008/105480号パンフレット

本発明者らは、金属張積層板においても微細配線化が達成できるよう、金属膜付きフィルムにより、金属膜をプリプレグに転写して、金属張積層板を製造することを試みた。しかし、通常の方法に従って、金属膜付きフィルムとプリプレグを枚葉状とし、真空ホットプレス機により金属張積層板を製造したところ、金属膜にシワが入り、均一な金属膜層を有する金属張積層板の製造が困難となることが見出された。従って、本発明は、シワのない平滑な金属膜層を有する、微細配線化に有利な金属張積層板を製造する方法を提供することを目的とする。

本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、金属膜付フィルムとプリプレグを貼り合わせた金属膜付き絶縁シートを事前に形成し、該金属膜付き絶縁シートのプリプレグ面どうしを相対させ、あるいは、該プリプレグ面の間に1枚又は複数枚の他のプリプレグを配置して、減圧下で積層することにより、金属膜がシワにならずに、平滑な金属膜層を有する金属張積層板を製造できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の内容を含む。

[1] 支持体層上に金属膜層を有し、該金属膜層上にプリプレグ層を有する金属膜付きプリプレグ2枚を、プリプレグ層面を相対させて重ねるか又は該金属膜付きプリプレグ2枚のプリプレグ層間に別のプリプレグを1枚以上を配置して重ねた後、減圧下で加熱及び加圧することを特徴とする、金属張積層板の製造方法。

[2] 支持体層と金属膜層間に離型層が存在する、上記[1]に記載の方法。

[3] 離型層が水溶性セルロース樹脂、水溶性ポリエステル樹脂及び水溶性アクリル樹脂から選択される1種以上の水溶性高分子から形成されている、上記[2]に記載の方法。

[4] 金属膜付きプリプレグの金属膜層が、蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法から選ばれる1種以上の方法により形成されたものである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。

[5] 金属膜層の金属が銅である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。

[6] 支持体層がプラスチックフィルムである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。

[7] 金属膜層の層厚が50nm〜5000nmである、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。

[8] 離型層の層厚が0.01μm〜20μmである、上記[2]〜[7]のいずれかに記載の方法。

[9] 支持体層の層厚が10μm〜50μmである、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。

[10] プリプレグの厚みが20〜250μmである、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の方法。

本発明の製造方法によれば、シワのない、平滑な金属膜層を有し、微細配線化に有利な金属張積層板を製造することができる。

本発明の金属張積層板の製造方法においては、支持体層上に金属膜層を有し、該金属膜層上にプリプレグ層を有する金属膜付きプリプレグを使用する。

<支持体層>
支持体層に使用する支持体は自己支持性を有するフィルム乃至シート状物であり、プラスチックフィルムが好適に用いられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられ、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムが好ましく、中でも、安価なポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。支持体層表面には、シリコーン系離型剤、アルキッド系離型剤、フッ素系離型剤等の離型剤による離型処理、コロナ処理等の表面処理が施してあってもよい。

また、支持体層の層厚は、通常10μm〜50μm(10μm以上50μm以下)、好ましくは12μm〜40μmである。層厚が小さすぎると、取り扱い性に劣り、また支持体層の剥離性や金属膜層の平滑性が低下する傾向にある。層厚が大きすぎると、コスト的に不利となり実用的でない。

また、金属膜層又は離型層が形成される側の支持体層表面は、金属膜付きシートを製造する際のクラック防止の観点から、算術平均粗さ(Ra)を50nm以下(0以上50nm以下)、さらには40nm以下、さらには35nm以下、さらには30nm以下とするのが好ましい。算術平均粗さ(Ra値)の測定は、公知の方法を用いることができ、例えば、非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製WYKO NT3300)等の装置を用いて測定することができる。また支持体がプラスチックフィルムの場合は、製造後の巻き取りを容易にするため、一般にRa値を5nm以上とするのが好ましく、10nm以上とするのがより好ましい。支持体は市販のものを用いることもでき、例えば、T60(東レ株)製、ポリエチレンテレフタレートフィルム、Ra=22nm)、A4100(東洋紡(株)製、ポリエチレンテレフタレートフィルム、平滑面側Ra=12nm)、Q83(帝人デュポンフィルム(株)製、ポリエチレンナフタレートフィルム、平滑面側Ra=32nm)、リンテック(株)製、アルキッド型離型剤(AL-5)付きポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。

<金属膜層>

金属膜層に使用する金属としては、金、白金、銀、銅、コバルト、クロム、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ、インジウム等の金属単体のほか、適宜2種類以上の金属の固溶体(アロイ)などのあらゆる種類の金属を使用することができるが、中でも、コスト、蒸着法やスパッタリング法を適用できる汎用性、電気伝導性等の点から、クロム、ニッケル、チタン、ニッケル・クロムアロイ、銅・ニッケルアロイ、銅・チタンアロイ、金、銀及び銅が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、ニッケル・クロムアロイ、金、銀及び銅がより好ましく、銅が特に好ましい。また、金属膜層は単層であっても2層以上の積層で構成されていてもよい。例えば、プリプレグ層を熱硬化する際に、銅層のプリプレグ層への拡散によってプリプレグに含浸された樹脂の熱劣化(分解)等が懸念される系では、必要により、銅層上にクロム層、ニッケル・クロムアロイ層又はチタン層を設けることができる。すなわち、銅層を形成した後、クロム層、ニッケル・クロム層又はチタン層を更に形成することができる。

金属膜層の層厚は特に制限はないが、通常50nm〜5000nm、好ましくは100nm〜3000nm、より好ましくは100nm〜1500nmである。層厚が小さすぎる場合、回路基板製造において、電解メッキ操作中の傷等により、金属膜層にムラが生じ、導体層形成に不具合が生じるおそれがある。一方、層厚が大きすぎる場合、蒸着法等による金属膜の形成に長時間を要し、コスト的観点から好ましくない。なお、上記のような銅層/クロム層、ニッケル・クロムアロイ層又はチタン層の2層構造とする場合の全体の層厚は上記と同じであり、またクロム層、ニッケル・クロム層又はチタン層の厚さは通常5nm〜100nm、好ましくは5nm〜50nm、より好ましくは5nm〜30nm、最も好ましくは5nm〜20nmである。なお金属層の層厚の測定法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、蛍光X線膜厚計(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、SFT9455シリーズ等)を用いて測定することができる。また金属層、離型層等の各層の層厚は、例えば層断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真によっても測定することができる。

金属膜層の形成は、蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法から選ばれる1種以上の方法により形成されるのが好ましく、特に蒸着法及び/又はスパッタリング法により形成されるのが好ましい。これらの方法は組合せて用いることもできるが、通常はいずれかの方法が単独で用いられる。スパッタリング法は、公知の方法を用いることができ、例えば、離型層を有する支持体を真空容器内に入れ、アルゴン等の不活性ガスを導入し、直流電圧を印加して、イオン化した不活性ガスをターゲット金属に衝突させ、叩き出された金属により離型層上に膜形成を行うことができる。蒸着法(真空蒸着法)も、公知の方法を用いることができ、例えば、離型層を有する支持体を真空容器内に入れ、金属を加熱蒸発させることにより離型層上に膜形成を行うことができる。イオンプレーティング法も、公知の方法を用いることができ、例えば、離型層を有する支持体を真空容器内に入れ、グロー放電雰囲気下で、金属を加熱蒸発させ、イオン化した蒸発金属により離型層上に膜形成を行うことができる。

[離型層]

本発明における金属膜付きプリプレグにおいては、支持体層とプリプレグ層の剥離を容易にするため、支持体層とプリプレグ層間に離型層を有するのが好ましい。離型層としては、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、セルロース等を用いて形成することができるが、均一な金属膜層を形成する観点から、水溶性セルロース樹脂、水溶性アクリル樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂から選択される1種以上から形成するのが好ましい。これらの水溶性高分子を離型層として採用した場合、プリプレグ硬化後に支持体層-離型層間で支持体層の剥離が可能となり、その後、金属膜層上に残る離型層は水溶液で簡便に除去されるため、硬化したプリプレグ上に均一性に優れる金属膜を形成することが可能となる。これらの中でも、水溶性セルロース樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂がより好ましく、特に水溶性セルロース樹脂が好ましい。通常、水溶性高分子離型層には、いずれかの水溶性高分子が単独で用いられるが、2種以上の水溶性高分子を混合して用いることもできる。また、通常、水溶性高分子離型層は単層で形成されるが、使用される水溶性高分子が異なる2以上の層から形成される多層構造を有していてもよい。また水溶性高分子離型層と支持体層間での剥離性を向上させるため、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂等の他の離型層が支持体層上に存在していてもよい。すなわち、離型層に水溶性高分子を適用する場合、離型層の少なくとも金属膜と接着する面が水溶性高分子で形成されていればよく、例えば、離型層を水溶性高分子離型層のみで形成するか、またはその金属膜と接着する面が水溶性高分子で形成されるように、水溶性高分子離型層と他の離型層との2層構造等にすることができる。なお支持体層-離型層間での支持体の剥離は、離型層が上記水溶性高分子からのみ形成される場合、支持体と離型層の界面で行われ、離型層がアルキッド樹脂等の他の離型層と上記水溶性高分子離型層の2層からなる場合は、該他の離型層と該水溶性高分子離型層の界面で行われる。

離型層の層厚は0.1〜5μmが好ましい。より好ましくは、0.1〜3μm、さらに好ましくは0.1〜2μm、さらに好ましくは0.1〜1以下、さらに好ましくは0.2〜1μmとする。ここでいう「層厚」とは離型層が単層の場合はその厚みであり、多層の場合は、多層の総厚みである。例えば離型層が上述したように、水溶性高分子離型層と、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂等の他の離型層とから構成される場合は、これらの離型層の合計の層厚を上記範囲に設定する。層厚が厚すぎると、硬化性樹脂組成物層を熱硬化する場合に、金属膜層と離型層との熱膨張率の相違によって金属膜層にクラックが入り易くなる傾向にある。また層厚が薄すぎると、支持体層の剥離性が低下するおそれがある。

離型層の形成方法は特に限定されず、熱プレス、熱ロールラミネート、押出しラミネート、塗工液の塗布・乾燥等の公知の積層方法を採用できるが、簡便で、性状均一性の高い層を形成し易い等の点から、離型層に使用する材料を含む塗工液を塗布・乾燥する方法が好ましい。

水溶性セルロース樹脂は、セルロースに水溶性を付与するための処理を施したセルロース誘導体を使用することができ、好適には、セルロースエーテル、セルロースエーテルエステル等が挙げられる。

セルロースエーテルは、セルロースポリマーに1以上のエーテル連結基を与えるために、セルロースポリマーの1以上の無水グルコース繰り返し単位に存在する1以上のヒドロキシル基の変換により形成されるエーテルのことであり、エーテル連結基には、通常、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基(炭素数1〜4)及びヒドロキシアルコキシ基(炭素数1〜4)から選択される1種以上の置換基により置換されていてもよいアルキル基(炭素数1〜4)が挙げられる。具体的には、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシアルキル基(炭素数1〜4);2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、2−メトキシプロピル、2−エトキシエチルなどのアルコキシ(炭素数1〜4)アルキル基(炭素数1〜4);2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルまたは2−(2−ヒドロキシプロポキシ)プロピルなどのヒドロキシアルコキシ(炭素数1〜4)アルキル基(炭素数1〜4)、カルボキシメチルなどのカルボキシアルキル基(炭素数1〜4)等が挙げられる。ポリマー分子中のエーテル連結基は単一種でも複数種でもよい。すなわち、単一種のエーテル連結基を有するセルロースエーテルであっても、複数種のエーテル連結基を有するセルロースエーテルであってもよい。

セルロースエーテルの具体例としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの水溶性塩(例えば、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩)が挙げられる。

なお、セルロースエーテルにおける単位グルコース環当りに置換されたエーテル基の平均モル数は特に限定されないが、1〜6程度が好ましい。また、セルロースエーテルの分子量は重量均分子量が20000〜60000程度が好適である。

一方、セルロースエーテルエステルは、セルロース中に存在する1以上のヒドロキシル基および1以上の好適な有機酸またはその反応性誘導体との間で形成され、それによりセルロースエーテルにおいてエステル連結基を形成するエステルのことである。なお、ここでいう「セルロースエーテル」は上述の通りであり、「有機酸」は脂肪族または芳香族カルボン酸(炭素数2〜8)を含み、脂肪族カルボン酸は、非環状(分枝状または非分枝状)または環状であってもよく、飽和または不飽和であってもよい。具体的には、脂肪族カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、マレイン酸等の置換又は非置換の非環状脂肪族ジカルボン酸;グリコール酸または乳酸などの非環状脂肪族ヒドロキシ置換モノカルボン酸;リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などの非環状脂肪族ヒドロキシ置換ジ−またはトリ−カルボン酸等が挙げられる。また、芳香族カルボン酸としては、炭素数が14以下のアリールカルボン酸が好ましく、1以上のカルボキシル基(例えば、1、2または3のカルボキシル基)を有するフェニルまたはナフチル基などのアリール基を含むアリールカルボン酸が特に好ましい。なお、アリール基は、ヒドロキシ、炭素数が1−4のアルコキシ(例えば、メトキシ)およびスルホニルから選択される、同一または異なってもよい1以上の(例えば、1、2または3)の基により置換されていてもよい。アリールカルボン酸の好適な例には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸またはトリメリット酸(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸)等が挙げられる。

有機酸が1以上のカルボキシル基を有する場合、好適には、酸のただ1つのカルボキシル基が、セルロースエーテルに対してエステル連結を形成する。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースサクシネートの場合、各サクシネート基の1つのカルボキシル基がセルロースとエステル連結を形成し、他のカルボキシ基が遊離の酸として存在する。「エステル連結基」は、セルロースまたはセルロースエーテルと、既述の好適な有機酸またはその反応性誘導体による反応により形成される。好適な反応性誘導体には、例えば、無水フタル酸などの酸無水物が含まれる。

ポリマー分子中のエステル連結基は単一種でも複数種でもよい。すなわち、単一種のエステル連結基を有するセルロースエーテルエステルであっても、複数種のエステル連結基を有するセルロースエーテルエステルであってもよい。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートは、サクシネート基とアセテート基の両方を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合エステルである。

好適なセルロースエーテルエステルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースのエステルであり、具体的には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースブチレートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレートサクシネートおよびヒドロキシプロピルセルロースアセテートトリメリテートサクシネート等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を使用できる。

これらの中でも、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレートが好ましい。

なお、セルロースエーテルエステルにおける単位グルコース環あたりに置換されたエステル基の平均モル数は特に限定されないが、例えば0.5〜2モル程度が好ましい。また、セルロースエーテルエステルの分子量は特に限定されないが、例えば重量平均分子量が20000〜60000程度が好適である。

セルロースエーテル、セルロースエーテルエステルの製法は公知であり、天然由来のセルロース(パルプ)を原料とし、定法に従って、エーテル化剤、エステル化剤を反応させることによって得ることができるが、本発明では市販品を使用してもよい。例えば、信越化学工業(株)製「HP−55」、「HP−50」(ともにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)等が挙げられる。

水溶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と多価アルコールまたはそのエステル形成性誘導体を主たる原料とする通常の重縮合反応によって合成されるような、実質的に線状のポリマーからなるポリエステル樹脂であって、分子中または分子末端に親水基が導入されたものを用いることができる。ここで、親水基としては、スルホ基、カルボキシル基、燐酸基等の有機酸基またはその塩等が挙げられ、好ましくはスルホ基またはその塩、カルボキシル基またはその塩である。水溶性ポリエステル樹脂としては、特にスルホ基もしくはその塩及び/又はカルボキシル基もしくはその塩を有するものが好ましい。

当該ポリエステル樹脂の多価カルボン酸成分の代表例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸などであり、これらは、単独使用でも2種以上の併用でもよい。また、上記の種々の化合物と共に、p−ヒドロキシ安息香酸などのようなヒドロキシカルボン酸、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸などのような不飽和カルボン酸も少量であれば併用してもよい。

当該ポリエステル樹脂の多価アルコール成分の代表例としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンメタノール、キシリレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパンまたはポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール等であり、これらは、単独使用でも2種以上の併用でもよい。

当該ポリエステル樹脂の分子中または分子末端への親水基の導入は公知慣用の方法で行えばよいが、親水基を含有するエステル形成性化合物(例えば、芳香族カルボン酸化合物、ヒドロキシ化合物等)を共重合する態様が好ましい。

例えば、スルホン酸塩基を導入する場合、5−スルホン酸ナトリウムイソフタル酸、5−スルホン酸アンモニウムイソフタル酸、4−スルホン酸ナトリウムイソフタル酸、4−メチルスルホン酸アンモニウムイソフタル酸、2−スルホン酸ナトリウムテレフタル酸、5−スルホン酸カリウムイソフタル酸、4−スルホン酸カリウムイソフタル酸および2−スルホン酸カリウムテレフタル酸等から選ばれる1または2種以上を共重合するのが好適である。

また、カルボキシル基を導入する場合、たとえば、無水トリメリット酸、トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、ジメチロールプロピオン酸等から選ばれる1または2種以上を共重合するのが好適であり、当業共重合反応の後、アミノ化合物、アンモニアまたはアルカリ金属塩などで中和せしめることによって、カルボン酸塩基を分子中に導入することが出来る。

水溶性ポリエステル樹脂の分子量は特に制限はないが、重量平均分子量が10000〜40000程度が好ましい。重量平均分子量が10000未満では、層形成性が低下する傾向となり、40000を超えると、溶解性が低下する傾向となる。

本発明において、水溶性ポリエステル樹脂は、市販品を使用することができ、例えば、互応化学工業(株)製の「プラスコート Z−561」(重量平均分子量:約27000)、「プラスコート Z−565」(重量平均分子量:約25000)等が挙げられる。

水溶性アクリル樹脂は、カルボキシル基含有単量体を必須成分として含有することで、水に分散乃至溶解するアクリル樹脂を用いることができる。

当該アクリル樹脂は、より好ましくは、カルボキシル基含有単量体及び(メタ)アクリル酸エステルが必須の単量体成分であり、必要に応じてその他の不飽和単量体を単量体成分として含有するアクリル系重合体である。

上記単量体成分において、カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好適である。

また、(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等のアルキルの炭素数が1〜18であるメタアクリル酸アルキルエステルが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。

また、その他の不飽和単量体としては、例えば、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、水酸基含有単量体等をあげることができる。芳香族アルケニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等を挙げることができる。シアン化ビニル化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることができる。共役ジエン系化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン等をあげることができる。ハロゲン含有不飽和化合物としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等をあげることができる。水酸基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート等をあげることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。

後述するように、本発明において、水溶性高分子離型層は、好適には、水溶性高分子を含む塗工液を支持体に塗布・乾燥する方法によって形成される。水溶性アクリル樹脂を使用する場合、その塗工液はエマルジョン形態でも、水溶液形態でも使用可能である。

水溶性アクリル樹脂をエマルジョン形態で使用する場合、コアシェル型エマルジョンが好適であり、コアシェル型エマルジョンでは、コアシェル粒子のシェルにカルボキシル基が存在することが重要であり、従って、シェルはカルボキシル基含有単量体及び(メタ)アクリル酸エステルを含むアクリル樹脂で構成される。

このようなコアシェル粒子の分散品(エマルジョン)は市販品を使用することができ、例えば、ジョンクリル7600(Tg:約35℃)、7630A(Tg:約53℃)、538J(Tg:約66℃)、352D(Tg:約56℃)(いずれもBASFジャパン社(株)製)等が挙げられる。

水溶性アクリル樹脂を水溶液形態で使用する場合、当該アクリル樹脂は、カルボキシル基含有単量体及び(メタ)アクリル酸エステルを含むアクリル樹脂であり、比較的低分子量であることが重要である。よって、重量平均分子量が1000〜50000であるのが好ましく、重量平均分子量が1000未満では、層形成性が低下する傾向となり、重量平均分子量が50000を超えると、支持体との密着性が高くなり、硬化後の支持体の剥離性が低下する傾向となる。

このような水溶性アクリル樹脂の水溶液は、市販品を使用することができ、例えば、ジョンクリル354J(BASFジャパン社(株)製)等を挙げることができる。

なお、水溶性アクリル樹脂のエマルジョンと水溶液では、エマルジョンの方が、分子量が高いために薄膜化しやすい。従って、水溶性アクリル樹脂のエマルジョンが好適である。

<プリプレグ>

プリプレグ層に使用するプリプレグは、シート状繊維基材に硬化性樹脂組成物を含浸させ、加熱乾燥させて得ることができる。硬化性樹脂組成物は、その硬化物が、十分な硬度と絶縁性を有するものであれば、特に限定なく使用でき、例えば、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ビニルベンジル樹脂等の硬化性樹脂にその硬化剤を少なくとも配合した組成物が使用される。硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含有する組成物が好ましく、例えば(a)エポキシ樹脂、(b)熱可塑性樹脂及び(c)硬化剤を少なくとも含有する組成物が好ましい。

(a)エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物、及びアルコール類のジグリシジルエーテル化物、並びにこれらのエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物及び水素添加物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂はいずれか1種を使用するか2種以上を混合して用いてもよい。

エポキシ樹脂は、これらの中でも、耐熱性、絶縁信頼性、金属膜との密着性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましい。具体的には、例えば、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート828EL」)、ナフタレン型2官能エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP4032」、「HP4032D])、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP4700」)、ナフトール型エポキシ樹脂(東都化成(株)製「ESN−475V」)、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製「PB−3600」)、ビフェニル構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、「NC3000L」、ジャパンエポキシレジン(株)製「YX4000」)などが挙げられる。

(b)熱可塑性樹脂は、硬化後の組成物に適度な可撓性を付与する等の目的で配合されるものであり、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。当該熱可塑性樹脂は硬化性樹脂組成物の不揮発成分を100質量%としたとき、0.5〜60質量%の割合で配合するのが好ましく、より好ましくは3〜50質量%である。熱可塑性樹脂の配合割合が0.5質量%未満の場合、樹脂組成物粘度が低いために、均一な硬化性樹脂組成物層を形成することが難しくなる傾向となり、60質量%を超える場合、樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて、基板上の配線パターンへの埋め込みが困難になる傾向となる。

フェノキシ樹脂の具体例としては、例えば、東都化成(株)製FX280、FX293、ジャパンエポキシレジン(株)製YX8100、YX6954、YL6974、YL7482、YL7553、YL7213等が挙げられる。

ポリビニルアセタール樹脂はポリビニルブチラール樹脂が好ましく、ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業(株)製、電化ブチラール4000−2、5000−A、6000−C、6000−EP、積水化学工業(株)製エスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。

ポリイミドの具体例としては、新日本理化(株)製のポリイミド「リカコートSN20」および「リカコートPN20」が挙げられる。また、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報記載のもの)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報、特開2000−319386号公報等に記載のもの)等の変性ポリイミドが挙げられる。

ポリアミドイミドの具体例としては、東洋紡績(株)製のポリアミドイミド「バイロマックスHR11NN」および「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。また、日立化成工業(株)製のポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド「KS9100」、「KS9300」等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。

ポリエーテルスルホンの具体例としては、住友化学(株)社製のポリエーテルスルホン「PES5003P」等が挙げられる。

ポリスルホンの具体例としては、ソルベンアドバンストポリマーズ(株)社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。

(c)硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はこれらのエポキシアダクトやマイクロカプセル化したもの、シアネートエステル樹脂等を挙げることができる。中でも、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤が好ましい。なお、本発明において、硬化剤は1種であっても2種以上を併用してもよい。

フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、MEH−7700、MEH−7810、MEH−7851(明和化成(株)製)、NHN、CBN、GPH(日本化薬(株)製)、SN170、SN180、SN190、SN475、SN485、SN495、SN375、SN395(東都化成(株)製)、LA7052、LA7054、LA3018、LA1356(大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。

(a)エポキシ樹脂と(c)硬化剤の配合比率は、フェノール系硬化剤またはナフトール系硬化剤の場合、エポキシ樹脂のエポキシ当量1に対してこれら硬化剤のフェノール性水酸基当量が0.4〜2.0の範囲となる比率が好ましく、0.5〜1.0の範囲となる比率がより好ましい。反応基当量比がこの範囲外であると、硬化物の機械強度や耐水性が低下する傾向にある。

なお、当該硬化性樹脂組成物には、(c)硬化剤に加え、(d)硬化促進剤をさらに配合することができる。このような硬化促進剤としては、イミダゾール系化合物、有機ホスフィン系、有機ホスホニウム塩化合物等が挙げられ、具体例としては、例えば、2−メチルイミダゾール、トリフェニルホスフィンなどを挙げることができる。(d)硬化促進剤を用いる場合、エポキシ樹脂に対して0.1〜3.0質量%の範囲で用いるのが好ましい。

また、当該硬化性樹脂組成物には、硬化後の組成物の低熱膨張化のために(e)無機充填剤を含有させることができる。無機充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、雲母、マイカ、珪酸塩、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられ、シリカ、アルミナが好ましく、特にシリカが好ましい。なお、無機充填剤は絶縁信頼性の観点から、平均粒径が3μm以下であるのが好ましく、平均粒径が1.5μm以下であるのがより好ましい。硬化性樹脂組成物中の無機充填剤の含有量は、硬化性樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした時、好ましくは20〜80質量%であり、より好ましくは20〜70質量%である。無機充填剤の含有量が20重量%未満の場合、熱膨張率の低下効果が十分に発揮されない傾向にあり、無機充填剤の含有量が80重量%を超えると、プリプレグ作製時の含浸性が悪化するなどの傾向となる。

硬化性樹脂組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等の難燃剤、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー等の充填剤、オルベン、ベントン等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シラン系カップリング剤等の密着性付与剤、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、カーボンブラック等の着色剤等を挙げることができる。

プリプレグに用いるシート状繊維基材は特に限定されず、例えばガラスクロス、アラミド不織布、液晶ポリマー不織布等のプリプレグ用基材として常用されているものを用いることができる。絶縁基材に用いる場合には、厚さが10〜150μmのものが好適に用いられ、特に10〜100μmのものが好ましい。シート状繊維基材の具体的な例としては、ガラスクロス基材として、例えば、旭シュエーベル社(株)製スタイル1027MS(経糸密度75本/25mm、緯糸密度75本/25mm、布重量20g/m2、厚さ19μm)、旭シュエーベル社(株)製スタイル1037MS(経糸密度70本/25mm、緯糸密度73本/25mm、布重量24g/m2、厚さ28μm)、(株)有沢製作所製1078(経糸密度54本/25mm、緯糸密度54本/25mm、布重量48g/m2、厚さ43μm)、(株)有沢製作所製2116(経糸密度50本/25mm、緯糸密度58本/25mm、布重量103.8g/m2、厚さ94μm)、などが挙げられる。また液晶ポリマー不織布として、(株)クラレ製の芳香族ポリエステル不織布のメルトブロー法によるベクルス(目付け量6〜15g/m2)やベクトランなどが挙げられる。

シート状繊維基材としては、ガラスクロスが汎用されている。多層プリント配線板に使用するガラスクロスは、一般に、ガラスフィラメントを数十〜数百本束ねたヤーンを自動織機等により織り込むことにより製造され、通常、ヤーンを束ねる際にヤーンのほつれ・ケバを防止するために撚りがかけられる。そのため、プリプレグにおいて、一部のガラスファイバーが均等に配列せず、重なる場所が局所的に存在するようになる。このガラスファイバーが重なった場所は、それ以外の場所に比較して、ガラスクロスの厚みが大きい。また、プリプレグ製造工程において、ガラスクロスのたるみ等により、ガラスクロスがプリプレグの中心ではなく、表面近傍に存在することがある。一般に、絶縁樹脂シートにおけるシート状繊維基材の露出は、このようにシート状繊維基材の厚さが局所的に大きい部分や、シート状繊維基材の一部が表面近傍にある箇所で特に顕著に現れやすい。

プリプレグは、公知のホットメルト法、ソルベント法などにより製造することができる。ホットメルト法は、樹脂組成物を有機溶剤に溶解することなく、樹脂組成物と剥離性の良い離型紙に一旦コーティングし、それをシート状繊維基材にラミネートする、あるいはダイコータにより直接塗工するなどして、プリプレグを製造する方法である。またソルベント法は、樹脂組成物を有機溶剤に溶解した樹脂組成物ワニスにシート状繊維基材を浸漬することにより、樹脂組成物ワニスをシート状繊維基材に含浸させ、その後乾燥させる方法である。また、支持体上に積層された熱硬化性樹脂組成物からなる接着フィルムをシート状補強基材の両面から加熱、加圧条件下、連続的に熱ラミネートすることで調製することもできる。

ワニスを調製する場合の有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。有機溶剤は2種以上を組み合わせて用いてもよい。

乾燥条件は特に限定されないが、プレス工程における温度で熱硬化性樹脂組成物が流動性(フロー性)及び接着性を有する必要がある。従って、乾燥時には熱硬化性樹脂組成物の硬化をできる限り進行させないことが重要となる。一方、プリプレグ内に有機溶剤が多く残留すると、硬化後に膨れが発生する原因となるため、通常、熱硬化性樹脂組成物中への有機溶剤の含有割合が通常5重量%以下、好ましくは2重量%以下となるように乾燥させる。具体的な乾燥条件は、熱硬化性樹脂組成物の硬化性やワニス中の有機溶媒量によっても異なるが、例えば30〜60重量%の有機溶剤を含むワニスにおいては、通常80〜180℃で3〜13分程度乾燥させることができる。当業者は、簡単な実験により適宜、好適な乾燥条件を設定することができる。

プリプレグ又はプリプレグ層の厚さは、通常20〜250μmの範囲であり、ガラスクロスのコスト及び絶縁基材として所望される剛性の観点から、20〜180μmであることがより好ましく、さらには20〜150μmであることがより好ましい。なお、プリプレグ又はプリプレグ層の厚さは、熱硬化性樹脂組成物の含浸量を調整することにより、容易にコントロールすることが出来る。また、プリプレグはプレスでボイドなく積層可能な流動性を持つことが必要であり、最低溶融粘度が200〜30000poiseの範囲であることが好ましく、1000〜20000poiseの範囲であることが特に好ましい。

支持体層及び金属膜層、又は支持体層、離型層及び金属膜層からなる金属膜付きシートを、プリプレグと貼り合わせることにより、本発明における金属膜付きプリプレグを得ることができる。金属膜付きシートとプリプレグの貼り合わせは、金属膜付きシートの金属膜層とプリプレグが接するように、熱プレス、バッチラミネータ、ロールラミネータ等で加熱圧着して行うことができる。加熱温度は、金属膜付きシートとプリプレグの接着性の観点から通常60℃以上が好ましい。また温度が高すぎると、支持体の伸びに起因するシワが金属膜付きプリプレグに生じる傾向にあるため、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムを支持体として使用する場合は60〜140℃未満が好ましく、80〜130℃がより好ましい。圧着の圧力は、バッチ式ラミネータの場合、1〜11kgf/cm(9.8×10〜107.9×10N/m)の範囲が好ましく、2〜7kgf/cm(19.6×10〜68.6×10N/m)の範囲が特に好ましい。圧着時間は、5秒〜3分の範囲が好ましい。ロール式ラミネータの場合、線圧が1〜15Kgf/cm、好ましくは1〜10kgf/cmである。圧力が小さすぎると、樹脂組成物の流動性が不十分となり金属膜層との密着性が低下する傾向にあり、大きすぎると、樹脂のしみだしにより、所定の膜厚を維持が困難となる傾向となる。

上記のようにして得られる金属膜付きプリプレグ2枚を、プリプレグ層面を相対させて重ねるか又は該金属膜付きプリプレグ2枚のプリプレグ層間に別のプリプレグを1枚以上を配置して重ねた後、減圧下で加熱及び加圧して、金属張積層板を製造する。すなわち、2枚の金属膜付きプリプレグのみを用いる場合は、各金属膜付きプリプレグのプリプレグ層面が接するように、相対させて重ねた後、減圧下で加熱及び加圧して積層することができる。さらに別のプリプレグ層を導入する場合は、2枚の金属膜付きプリプレグのプリプレグ層を相対させ、該プリプレグ層間に、別のプリプレグ1枚以上を、金属膜付きプリプレグのプリプレグ層が該別のプリプレグ表面と接するように配置して重ねた後、減圧下で加熱及び加圧して積層することができる。挿入するプリプレグは金属膜付きプリプレグのプリプレグ層に使用したプリプレグと同種のものを用いてもよく、または異なるものを用いてもよい。例えば、プリプレグを構成する、硬化性樹脂組成物の組成や、シート状繊維基材の材料や厚みなどの一部又は全部が異なるものを用いてもよく、全く同じものを用いてもよい。

減圧下、加熱及び加圧を行う積層工程は、一般の真空ホットプレス機を用いて行うことができる。例えば、加熱されたSUS板等の金属板を支持体層側両面からプレスすることにより行うことができる。また、プリプレグよりしみだした樹脂による金属板への貼り付きを防ぐため、例えば、離型フィルムを金属膜付きプリプレグの支持体層と金属板の間に配置するのが好ましい。また、さらにプレスムラを防止するために、例えば、クッション紙/金属板/離型フィルム/金属膜付きプリプレグの順となるよう金属板上にクッション紙を配置し、これらを介してプレスを行うのが好ましい。

プレス条件は、減圧度を通常1X10−2MPa以下、好ましくは1X10−3MPa以下の減圧下とする。加熱及び加圧は、1段階で行うことも出来るが、樹脂のしみだしを制御する観点から2段階以上に条件を分けて行うのが好ましい。2段階以上に条件を分けて行うのが好ましい。例えば、1段階目のプレスを、温度が70〜150℃、圧力が1〜15kgf/cmの範囲、2段階目のプレスを、温度が150〜200℃、圧力が1〜40kgf/cmの範囲で行うのが好ましい。

市販されている真空ホットプレス機としては、例えば、MNPC−V−750−5−200(株)名機製作所製)、VH1−1603(北川精機(株)製)等が挙げられる。

積層後に得られた金属張積層板からの支持体層の剥離は機械的に行ってよく、手動で剥離してもよい。なお、水溶性セルロース樹脂、水溶性アクリル樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂から選択される1種以上からなる水溶性高分子を離型層として採用した場合、プラスチックフィルムとの剥離性が良好であるため、支持体層-離型層間で支持体層の剥離が可能となり、その後、金属膜層上に残る離型層は水溶液で簡便に除去することで、金属膜を傷つけることなく均一性に優れる金属膜を形成することができる。該離型層を溶解除去するための水溶液としては、好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を0.5〜10重量%の濃度で水に溶解させたアルカリ性水溶液等が挙げられる。溶解除去の方法は特に限定されず、例えば支持体層を剥離した後、水溶液中に金属張積層板を浸水させて溶解除去する方法、水溶液をスプレー状や霧状に吹き付けて溶解除去する方法等が挙げられる。水溶液の温度は通常、室温〜80℃程度であり、浸水、吹き付け等の水溶液により処理時間は通常10秒〜10分で行うことができる。アルカリ性水溶液としては、回路基板製造に使用される、アルカリ現像機のアルカリ型現液(例えば、0.5〜2重量%の炭酸ナトリウム水溶液、25℃〜40℃)、ドライフィルム剥離機の剥離液(例えば、1〜5重量%の水酸化ナトリウム水溶液、40〜60℃)、デスミア工程で使用する膨潤液(例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等を含むアルカリ水溶液、60〜80℃)等を使用することもできる。

支持体層が剥離された金属張積層板の金属膜層は、通常の方法に従って、回路形成を行い回路基板とすることができる。例えば、必要によりスルーホール形成、ホール内のデスミア処理を行い、金属膜層を、そのまま導体層とするか、或いは、金属膜層上にメッキ(無電解メッキ及び/又は電解メッキ)によりさらに金属膜層を成長させて導体層を形成し、配線パターンを形成することにより回路基板を製造することができる。また、得られた回路基板をコア基板として使用し、通常の方法に従って多層プリント配線板を製造することができる。

以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明する。なお、以下の記載において「部」は「質量部」を意味する。

<金属膜付きシートの作製>
厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略称することがある)フィルム上に、メチルエチルケトン(以下「MEK」と略称する。)とシクロヘキサノンとを1:1の割合で混合した溶媒に、60℃で、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(信越化学工業(株)製「HP−55」)を固形分10%になるように溶解させ、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート溶液を得た。その後上記溶液をバーコータにより塗布し、熱風乾燥炉を用いて室温から140℃まで昇温速度3℃/秒で昇温することで溶剤を除去し、PETフィルム上に約1μmの水溶性樹脂層(離型層)を形成させた。次いで、水溶性樹脂層上に蒸着により、銅層約1000nmを形成して、金属膜付きシートを作製した。

<プリプレグの作製>
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート828EL」)28部と、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(エポキシ当量163、大日本インキ化学工業(株)製「HP4700」)28部、フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製「YX6954BH30」)20部とをMEK15部、シクロヘキサノン15部に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、トリアジン含有フェノールノボラック樹脂(水酸基当量125、DIC(株)製「LA7054」)27部、ナフトール系硬化剤(水酸基当量215、東都化成(株)製「SN−485」)の固形分50%のMEK溶液27部、硬化触媒(四国化成工業(株)製、「2E4MZ」)0.1部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」)70部、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業(株)製「KS−1」)の固形分15%のエタノールとトルエンの1:1溶液30部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、硬化性樹脂組成物のワニスを作製した。該ワニスを、(株)有沢製作所製2116ガラスクロス(厚み94μm)に含浸し、縦型乾燥炉にて140℃で5分間乾燥させ、続いてプリプレグの一方の面を、厚さ15μmのポリプロピレンフィルム、もう一方の面を厚み12μmのポリエチレンフィルムで連続的にラミネートし、ロール状に巻き取った(プリプレグ層の残留溶剤量はガラスクロスを含まない硬化性樹脂組成物中1〜0.1wt%、プリプレグ層の厚みは120μm)。

<金属膜付きプリプレグの作製>
ロール式ラミネータを用い、上記ロール状プリプレグのポリエチレンフィルムを剥がしながら、金属膜付きシートの金属膜面がプリプレグに接触するように、ロール温度100℃、線圧5kg/cm、ラミネートスピード6m/分で貼り合わせ、得られた金属膜付きプリプレグをロール状に巻取った。

<金属張積層板の作製>
ロール状の金属膜付きプリプレグを340mm×500mmの大きさに裁断機で裁断した。金属膜付きプリプレグにシワや反りは見られなかった。前記裁断した金属膜付きプリプレグ2枚のポリプロピレンフィルムを剥がし、プリプレグ層面を相対させて重ねた後、(株)名機製作所製真空プレス機(MNPC−V−750−750−5−200)によて、減圧度を1X10−3MPa、圧力が10kgf/cm、昇温速度3℃/分で室温から130℃迄上昇させ30分保持した後、圧力を30kgf/cmとし、昇温速度3℃/分で190℃まで昇温させて90分保持することで、金属張積層板を作製した。

プリプレグと金属膜付きシートの貼り合わせ温度を120℃とする以外は、実施例1と同様に金属膜付きプリプレグを作成した。金属膜付きプリプレグにシワや反りは見られなかった。該金属膜付きプリプレグを使用し、実施例1と同様にして、金属張積層板を作製した。

旭シュエーベル(株)製1078ガラスクロス(厚み45μm)を使用し、プリプレグの厚みを70μmとした以外は実施例1と同様に金属膜付きプリプレグを作成した。金属膜付きプリプレグにシワや反りは見られなかった。該金属膜付きプリプレグを使用し、実施例1と同様にして、金属張積層板を作製した。

<比較例1>

事前に金属膜付きシートとプリプレグを貼り合わせずに金属張積層板の製造を行った。実施例1と同じ金属膜付きシートとプリプレグを340mm×500mmの大きさに裁断機で裁断し、2枚の金属膜付きシートの金属膜層の間にプリプレグが配置されるよう重ねた後、(株)名機製作所製真空プレス機(MNPC−V−750−750−5−200)により、実施例1と同じ条件でプレスし、金属張積層板を作製した。

(金属張積層板の評価)

得られた金属張積層板表面のシワの有無を目視で評価した。結果を表1に示す。実施例1〜3で得られた金属張積層板の金属層にシワは観察されず、平滑な金属膜層を有する金属張積層板が得られた。一方、金属膜付き接着フィルムとプリプレグの事前貼り合わせを行わなかった比較例1では、金属張積層板の金属膜面、特に積層板の周辺部に多くのシワが観察され、実用に適する金属張積層板が得られなかった。
Figure 0005369666

Claims (10)

  1. 支持体層上に金属膜層を有し、該支持体層と該金属膜層間に離型層が存在し、該離型層が水溶性セルロース樹脂、水溶性ポリエステル樹脂及び水溶性アクリル樹脂から選択される1種以上の水溶性高分子から形成され、該支持体層がプラスチックフィルムであり、該金属膜層上にプリプレグ層を有する金属膜付きプリプレグ2枚を、プリプレグ層面を相対させて重ねるか又は該金属膜付きプリプレグ2枚のプリプレグ層間に別のプリプレグを1枚以上配置して重ねた後、減圧下で加熱及び加圧することを特徴とする、金属張積層板の製造方法。
  2. 離型層が形成される側の支持体層表面の算術平均粗さ(Ra)が50nm以下である、請求項1に記載の方法。
  3. プラスチックフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム又はポリカーボネートフィルムである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 金属膜付きプリプレグの金属膜層が、蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法から選ばれる1種以上の方法により形成されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 金属膜層の金属が銅である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記金属膜付きプリプレグを減圧下、加熱及び加圧する積層工程の後、支持体層-離型層間で支持体層を剥離し、金属膜層上に残る離型層を水溶液で除去する工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 金属膜層の層厚が50nm〜5000nmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 離型層の層厚が0.01μm〜20μmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 支持体層の層厚が10μm〜50μmである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. プリプレグの厚みが20〜250μmである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
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