JP2004230729A - 金属薄膜転写用フィルム - Google Patents

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欣彦 西尾
Takanobu Suzuki
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Abstract

【課題】転写時の皺入りや、転写前後に生じる金属薄膜層の汚染などを無くすことができる金属薄膜転写用フィルムを提供せんとする。
【解決手段】厚さ約5μm〜200μmの基材2表面上に、フッ素樹脂、オレフィン樹脂或いはポリビニルアルコール樹脂からなる離型層3及び金属薄膜層4を順次積層して金属薄膜転写用フィルム1を構成した。離型性を備えた樹脂の中でも特に優れた離型性を備えたフッ素樹脂、オレフィン樹脂或いはポリビニルアルコール樹脂から離型層3を形成することにより、金属薄膜層4を剥離する際に金属薄膜側に離型樹脂や溶剤などが残って金属薄膜層4が汚染されるのを防ぐことができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材表面に金属薄膜層を形成するための金属薄膜転写用フィルム、詳しくはフレキシブルプリント配線板等の電気導体回路層を転写加工するのに適した金属薄膜転写用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気導体回路の形成方法として、金属箔層を積層してなる金属薄膜積層転写フィルムの該金属箔層をエッチングするなどして回路パターンを形成し、この回路パターンを絶縁基板に転写することにより電気導体回路を形成する方法が知られており、この種の用途に用いる金属薄膜積層転写フィルムとして様々なものが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、プラスチック製のキャリヤーフィルム上に、ポリビニルホルマールとシリコーンの混合物、或いはエポキシ樹脂とシリコーンの混合物等からなる離型剤層を介して金属箔を加熱圧着した後、エッチングにより導電性回路を形成し、該導電性回路を被覆するように前記導電性回路側面全面にエポキシ樹脂またはフェノール樹脂による接着剤層を形成してなる導電性回路転写用シートを開示している。
【0004】
特許文献2は、厚さ1〜600μmのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等からなるプラスチックシートの表面をシリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アクリル系剥離剤、硫化モリブデン等で表面処理してなる易剥離性シートの上に、中間層を介して金属膜を転写可能に形成してなる転写シートを開示している。
【0005】
特許文献3は、基材フィルム上に電子線硬化樹脂又は紫外線硬化樹脂からなる剥離樹脂層及び金属蒸着層を順次積層してなる蒸着転写フィルムを開示している。
また、特許文献4は、配線層の転写工程においても配線間の寸法誤差のない寸法精度に優れた配線層を形成するため、樹脂フィルムの表面にアクリル系、ゴム系、シリコン系、エポキシ系等公知の接着剤接着層を介して金属層を形成し、該金属層を絶縁基板表面に転写して導体回路を形成するための転写シートにおいて、前記金属層の厚みを1〜100μmとし、前記樹脂フィルムの厚みを10〜500μmとすることにより100℃で1時間加熱後の収縮が0.05%以下であり、且つ前記樹脂フィルムへの金属層の粘着力が50〜700g/20mmである転写フィルムを開示している。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−90740号
【特許文献2】
特開平5−185800号
【特許文献3】
特開平7−195855号
【特許文献4】
特開平10−51108号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような金属薄膜積層転写フィルムを利用した回路形成は、絶縁基板が各種薬品と接触しない点や、導体回路を圧力印加して絶縁基板に転写させるために導体回路が絶縁基板中に埋め込まれ、導体回路と絶縁基板との密着性に優れる点などにおいて高く評価される反面、回路の精密化・高密度化が進むにつれ、転写時の皺入りや汚染などが問題視されるようになって来ている。例えば、転写した金属薄膜に皺が入り、この皺が原因で配線間に寸法誤差が生じたり、基材上に離型層等を積層させるために使用する溶剤が金属薄膜層に回り込んで該金属薄膜層を汚染したり、金属薄膜層を剥離する際に金属薄膜側に離型樹脂が残って金属薄膜層を汚染したりすることがあり、これらの問題は回路が精密化するつれて益々回路動作への影響が心配される。
【0008】
そこで本発明は、転写時の皺入りや、転写前後に生じる金属薄膜層の汚染などを無くすことができる金属薄膜転写用フィルムを提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の金属薄膜転写用フィルムは、厚さ約5μm〜200μmの基材表面上に、フッ素樹脂、オレフィン樹脂或いはポリビニルアルコール樹脂からなる離型層及び金属薄膜層を順次積層してなる構成を備えた金属薄膜転写用フィルムである。
離型性を備えた樹脂の中でも特に優れた離型性を備えたフッ素樹脂、オレフィン樹脂或いはポリビニルアルコール樹脂から離型層を形成することにより、金属薄膜層を剥離する際に金属薄膜側に離型樹脂や溶剤などが残って金属薄膜層が汚染されるのを防ぐことができ、より精密な電気導体回路を形成することができる。
【0010】
より好ましくは、例えば厚さ約5μm〜200μmで、JIS K 7113による曲げ弾性率が約1000〜4000Mpaである基材の表面上に、厚さ約1〜50μmのエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体からなるフィルムを貼り合せ、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体面に加熱蒸着又はスパッタリングにより金属薄膜層を積層してなる構成を備えた金属薄膜転写用フィルムである。
【0011】
また、厚さ約5μm〜200μmで、JIS K 7113による曲げ弾性率が約1000〜4000Mpaである基材の表面上に、厚さ約1〜50μmのポリ4−メチルペンテンー1からなるフィルムを貼り合せた後エージングし、ポリ4−メチルペンテンー1面に加熱蒸着又はスパッタリングにより金属薄膜層を積層してなる構成を備えた金属薄膜転写用フィルムである。
【0012】
上記の如き構成を備えた金属薄膜転写用フィルムは、その金属薄膜層を接着剤を介して被着体に重ねて加熱圧着し、該金属薄膜層から基材及び離型層を剥がすことによって、皺入りなく、しかも金属薄膜の汚染もなく金属薄膜を被着体に転写することができるから、例えばフレキシブルプリント配線板等の電気導体回路を形成するのに特に適した金属薄膜転写用フィルムを形成することができる。
【0013】
なお、特許請求の範囲において、請求項1における「フッ素樹脂、オレフィン樹脂或いはポリビニルアルコール樹脂からなる離型層」など、「Aからなる」という表現が用いられているが、これはAのみからなるという意ではなく、Aを主材料として含んでいれば(少なくとも50%以上含有)、本発明の趣旨を阻害しない範囲でA以外の他の物質を含んでいても包含する意である。
また、請求項1における「離型層」とは、離型性を備えた樹脂からなり、転写する際には基材側に残り、かつ金属薄膜層を容易に剥離させる役割を果たす層の意である。また、金属薄膜層は転写される金属膜の意であり、その厚さを厳密に問題とする意図はない。
請求項2における「エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体からなるフィルム」とは、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体のみを樹脂成分とするフィルムは勿論、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体が主材であれば、その他の樹脂を含むフィルムも包含する意である。
請求項3における「ポリ4−メチルペンテンー1からなるフィルム」とは、ポリ4−メチルペンテンー1のみを樹脂成分とするフィルムは勿論、ポリ4−メチルペンテンー1が主材であれば、その他の樹脂を含むフィルムを包含する意である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
金属薄膜転写用フィルム1は、図1に示すように、基材2の表面上に離型層3及び金属薄膜層4を順次積層して構成することができる。
【0016】
基材2は、所望の剛性(例えば曲げ弾性)を備えたフィルム乃至シート状体であれば、その材質については特に制限なく用いることができる。例えば、鉄箔、銅箔、アルミ箔等の金属箔乃至シート、セルロース、トリアセチルセルロース、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリカーボネート等の高分子フィルム乃至シート等を挙げることができる。中でも、基材2の成形性、平滑性、柔軟性、離型層との接着性、同接着加工性、金属薄膜加工性及び金属薄膜転写加工性等の観点からPETフィルムを用いるのが特に好ましい。
【0017】
基材2の剛性は、JIS K 7113による曲げ弾性率が約1000〜4000Mpaであるのが好ましい。
上記下限値未満の樹脂では、転写時に皺入りが発生したり、伸びてしまったり、破断したりするおそれがある。他方、剛性率が上記上限値より大きいとフィルムを巻いた場合にブロッキングを起こし、又、フィルムを巻き出す際にタック性が強いために安定して巻き出せないおそれがある。
【0018】
基材2の厚さは、約5〜200μmとするのが好ましい。
厚さが5μm未満では、金属薄膜転写時に皺入りやカールなどが生じる可能性があり生産効率が低下するおそれがある。他方、200μmを越えると、柔軟性が低下し過ぎて金属薄膜転写加工時に被着体への密着濡れが弱まる可能性があるほか、加工作業性(ハンドリング性)が悪化し、さらに他の材料との積層時加熱温度の接着面への伝達が悪くなったり、押圧力を圧着部分に加えることが困難になる等の問題が生じる可能性がある。
【0019】
基材2は、さらに20℃における引張弾性率と上記厚さの積が約1×10 〜1×10(N/m)であるのが好ましい。
1×10 (N/m)未満では、基材の剛性が低く、巻物として保管時に皺たるみや変形が発生し易く、1×10を越えると基材の剛性が強過ぎるために他の材料との積層加工が困難になる可能性がある。
【0020】
また、基材2と離型層3との接着強度は約10〜1000gf/100mm幅の範囲内にあることが好ましい。
接着強度が10gf/100mm幅未満であると離型層3との剥離が生じる可能性がある。その一方、1000gf/100mm幅を越えると、他の材料と貼合せた後、基材2を剥離して離型層3表面を形成させる際に離型層3が変形したり、貼合せた他の材料との接着が剥がれて浮きが生じる等のトラブルが発生し易い。特に離型層3の厚さが10μm以下、さらには5μm以下の極薄フィルムではその影響が大きい。
【0021】
なお、上記物性のうち引張弾性率と厚さの積については材料の選択と厚さにより、接着強度については材料の選択、積層条件、表面処理の方法や条件等によって制御できる。
【0022】
基材2は単層のものでも、2層以上の多層からなるものでもよい。
【0023】
離型層3は、フッ素樹脂、オレフィン樹脂、或いはポリビニルアルコール樹脂から形成するのが好ましく、中でもフッ素樹脂はその成分がより転写し難くなるので特に好ましい。形態としてはフィルムを採用するのが好ましい。
【0024】
離型層3を構成するフッ素樹脂としては、モノマー成分としてフッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、クロロトリフルオロエチレン等の含フッ素モノマー成分を含む単独重合体、前記含フッ素モノマー成分のうちの二種類以上の組合わせからなる共重合体、ブレンド体或いは積層体、又は、前記含フッ素モノマー成分のうちのいずれか一種或いは二種類以上の組合わせに、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどの非フッ素系モノマー成分を併用してなる共重合体、ブレンド体或いは積層体を用いることができる。
具体的には、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド等が挙げられる。
なお、非フッ素系モノマー成分を併用してなるブレンド体或いは積層体の場合は、離型層3の金属薄膜形成面にフッ素樹脂が含まれる構成とする必要がある。
【0025】
離型層3を構成するオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン及びその他のオレフィン単独重合体、エチレン・プロピレン共重合体(EPM)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・酢ビ共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)及びその他のオレフィン系共重合体、ポリプロピレンをハードセグメントとしEPDMをソフトセグメントとしたもの、高密度ポリエチレンをハードセグメントとし非結晶ポリエチレンをソフトセグメントとしたもの、その他オレフィン系樹脂をハードセグメントとしゴム成分若しくは非結晶オレフィン系樹脂をソフトセグメントとしてなるオレフィン系熱可塑性エラストマ(TPO)からなる単独体、ブレンド体或いは積層体を用いることができる。なお、ブレンド体或いは積層体の場合は、離型層3の金属薄膜形成面にオレフィン樹脂が含まれる構成とする必要がある。
【0026】
上記フッ素樹脂、オレフィン樹脂及びポリビニルアルコール樹脂の中でも好ましいのは、厚さ約1〜50μm、好ましくは約1〜5μmのエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体或いはポリ4−メチルペンテンー1である。
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体フィルムやポリ4−メチルペンテンー1フィルムは、特に金属薄膜の成形性、同成形時耐熱性、被着体への転写性、同接着加工性、更には、例えばフレキシブルプリント配線板等の電気導体回路層を転写加工するために金属薄膜形成後転写前に行う配線加工時の密着性などにおいて優れている。
また、厚さ1μm未満の場合は、離型層3の成形性や基材2との接着加工性が損なわれる可能性があるほか、溶液系のコーティング剤を用いた場合に、低分子量成分が離型層3に残存し、被着体への転写加工時に低分子量成分が移行して金属薄膜層表面を汚染するおそれがある。
【0027】
離型層3を基材2上に積層する方法としては、接着層を介してのラミネート加工、熱プレス加工、熱ロールラミネート、押出ラミネート、共押出加工、エマルジョンコーティングなど現在公知の積層方法を採用することができる。例えば、フッ素樹脂フィルム、オレフィン樹脂フィルム、ポリビニルアルコール樹脂フィルムを、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤などを接着剤として貼り合せて積層することができる。
この際、密着性を高めるために、基材2或いは離型層3の片面若しくは両面に予めプライマー処理や放電処理、化学処理などの表面処理を施してもよい。
【0028】
金属薄膜層4は、金、白金、銀、銅、コバルト、クロム、ニッケル、アルミニウム、ニッケル、タングステン、鉄、スズ、インジウム等の金属単体のほか、適宜二種類以上の金属の固溶体などのあらゆる種類の金属、その他導電体物質を使用することができる。特に電気導体として応用する場合には、その抵抗値や配線加工性、耐酸化性などの点で銅により金属薄膜層4を構成するのが好ましい。
【0029】
金属薄膜層4の形成手段は特に限定するものではなく、予め形成した金属フィルム乃至シートを離型層3上にラミネートすることも可能ではあるが、蒸着・スパッタリング等によるPVD法が膜性能の点で好ましい。具体的には、真空蒸着加工法、スパッタリング加工法、イオンプレーティング加工法、反応性真空蒸着加工法、反応性スパッタリング加工法、反応性イオンプレーティング加工法などの物理的薄膜加工法を採用することができる。この際、加熱蒸着を採用すれば生産性が向上し、スパッタリングを採用すれば室温に近い状態での加工で密着性を得ることができる
なお、離型層3としてポリ4−メチルペンテンー1を用いた場合は、フィルムを貼り合せ、エージングした後、加熱蒸着或いはスパッタリングを行うのが好ましい。
金属薄膜層4の厚さは特に制約するものではなく、用途により8nm〜2000nmの範囲内の適宜厚さに設定するのが好ましい。
【0030】
(金属薄膜転写用フィルムの利用)
上記構成を備えた金属薄膜転写用フィルム1を被着体(例えばポリイミドフィルム)に転写するには、金属薄膜転写用フィルム1の金属薄膜層4を被着体面に重ねて、熱ロールや熱プレス圧着、接着剤を介してのラミネート加工などを行えば、転写する薄膜金属に皺を入らせることなく効率的に転写加工することができ、フレキシブルプリント配線板等に用いる電気導体回路の形成(例えば配線加工など)に好適に供することができる。
【0031】
なお、配線加工等の処理は、基板転写後のほか、転写前の金属薄膜転写用フィルム1のフィルム面においても行うことができる。
例えば、金属薄膜層4上にフォトレジスト、スクリーン印刷等の方法で導体回路状にレジストを形成した後、不要な部分をエッチング除去することで所望の導体回路を得る。次に、導体回路が形成されてなる金属薄膜転写用フィルム1を絶縁基板に積層して圧力を印加する。この時、絶縁基板として、絶縁基板を構成する有機樹脂を含む絶縁スラリーをドクターブレード法等によりシート状に成形した半硬化状態のシートを用いることにより、機械的圧力によってレジストおよび導体回路を絶縁基板内に埋め込むことができる。そして、基材2を離型層3とともに剥がして絶縁基板に導体回路を転写させることにより、導体回路が絶縁基板の埋め込まれた単層の回路基板を作製することができる。その後、絶縁基板を熱処理して完全硬化することによって配線基板を作製することができる。
【0032】
なお、離型層3としてポリビニルアルコールを用いた場合、金属薄膜層4を汚染するおそれがあるため、転写後に水で洗浄するのが好ましい。
【0033】
(実施例1)
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を押出機で口金温度340℃にて押出して厚さ20μmのフィルムを得、同フィルムの片面にプラズマエッチング加工による表面処理を施した。
厚さ100μmのPETフィルム(JIS K 7113による曲げ弾性率1000Mpa)に溶液系アクリル系接着剤を3μm塗布し、150℃の加熱ニップロールにて表面処理面と接着剤加工面とを貼り合せて積層フィルムを形成した。
該積層フィルムのテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体面に銅を厚さ300μmとなるように加熱蒸着して金属薄膜転写フィルムを得た。
被着体とした厚さ50μmのポリイミドフィルムにエポキシ系接着剤10μm塗布した後、ニップロールにて金属薄膜転写フィルムとラミネートし、積層フィルムを剥離した。すると、皺入りもなく、銅の薄膜を被着体のポリイミドフィルムに転写することができた。
【0034】
(実施例2)
ポリ4−メチルペンテン−1を押出機で口金温度290℃にて押出して厚さ20μmのフィルムを得、同フィルムの片面にコロナ処理加工による表面処理を施した。
厚さ250μmのPETフィルム(JIS K 7113による曲げ弾性率1000Mpa)にウレタン系接着剤を3μm塗布し、ニップロールにて表面処理面と接着剤加工面とを貼り合せて、40℃で一日エージングして積層フィルムを得た。
実施例1と同様に銅を加熱蒸着し、同様にポリイミドフィルムに転写を行ったところ、僅かに皺入りが見られたが、銅の薄膜を被着体に転写することができた。
【0035】
(実施例3)
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体を押出機で口金温度300℃にて押出して厚さ5μmのフィルムを得、同フィルムの片面にコロナ処理加工による表面処理を施した。
厚さ50μmのPETフィルム(JIS K 7113による曲げ弾性率1000Mpa)にウレタン系接着剤を3μm塗布し、ニップロールにて表面処理面と接着剤加工面とを貼り合せて、40℃で一日エージングして積層フィルムを得た。
実施例1と同様に銅を加熱蒸着し、同様にポリイミドフィルムに転写を行ったところ、皺入りもなく銅の薄膜を被着体に転写することができた。
【0036】
(実施例4)
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体を押出機で口金温度300℃にて押出して厚さ5μmのフィルムを得、同フィルムの片面にコロナ処理加工による表面処理を施した。
厚さ15μmのPETフィルム(JIS K 7113による曲げ弾性率1000Mpa)にウレタン系接着剤を3μm塗布し、ニップロールにて表面処理面と接着剤加工面とを貼り合せて、40℃で一日エージングして積層フィルムを得た。
実施例1と同様に銅を加熱蒸着し、同様にポリイミドフィルムに転写を行ったところ、僅かに皺入りが見られたが銅の薄膜を被着体に転写することができた。
【0037】
(実施例5)
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体を押出機で口金温度300℃にて押出して厚さ5μmのフィルムを得、同フィルムの片面にコロナ処理加工による表面処理を施した。
厚さ350μmのPETフィルム(JIS K 7113による曲げ弾性率1000Mpa)にウレタン系接着剤を3μm塗布し、ニップロールにて表面処理面と接着剤加工面とを貼り合せて、40℃で一日エージングして積層フィルムを得た。
実施例1と同様に銅を加熱蒸着し、同様にポリイミドフィルムに転写を行ったところ、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体フィルムとPETフィルムとのラミネート加工直後の巻き取り時に周長差による皺入りが見られたが、銅の薄膜を被着体に転写することができた。
【0038】
(比較例1)
厚さ100μmのウレタン表面処理PETフィルム(JIS K 7113による曲げ弾性率1000Mpa)のフィルム面上に、溶液型シリコーン系離型剤を厚さ0.1μm塗布し、150℃1分で乾燥硬化させて積層フィルムを得た。実施例1と同様に銅を加熱蒸着し、同様にポリイミドフィルムに転写を行ったところ、皺入りもなく銅の薄膜を被着体に転写することができたが、銅表面にシリコーン低分子量物の汚染が確認された。
【0039】
(比較例2)
厚さ100μmのPETフィルム(JIS K 7113による曲げ弾性率1000Mpa)のフィルム面上に、銅を厚さ300nmとなるように直接加熱蒸着し、実施例1と同様に銅を加熱蒸着し、同様にポリイミドフィルムに転写を行ったところ、銅の薄膜がPETフィルムから剥離しなかった。
【0040】
(比較例3)
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体を、押出機で口金温度300℃にて押出して厚さ50μmのフィルムを得た。
このフィルムに厚さ300nmとなるように銅を直接加熱蒸着し、実施例1と同様に銅を加熱蒸着し、同様にポリイミドフィルムに転写を行ったところ、銅の薄膜を被着体のポリイミドフィルムに転写することはできたが、転写加工時にニップロールの間でエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体のフィルムに皺が入り、その影響で銅の薄膜にも折れや皺、傷が入り、更に一部に転写しないところも見られた。
【0041】
(比較例4)
厚さ100μmのウレタン表面処理PETフィルム(JIS K 7113による曲げ弾性率1000Mpa)のフィルム面上に、溶液型フッ素系コーティング剤を厚さ3μm塗布し、150℃1分で乾燥硬化させて積層フィルムを得た。実施例1と同様に銅を加熱蒸着し、同様にポリイミドフィルムに転写を行ったところ、皺入りもなく銅の薄膜を被着体に転写することができたが、銅表面にフッ素系の低分子量物の汚染が確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る金属薄膜転写用フィルムの一例を示した断面図である。
【符号の説明】
1 金属薄膜転写用フィルム
2 基材
3 離型層
4 金属薄膜層

Claims (5)

  1. 厚さ約5μm〜200μmの基材表面上に、フッ素樹脂、オレフィン樹脂或いはポリビニルアルコール樹脂からなる離型層及び金属薄膜層を順次積層してなる構成を備えた金属薄膜転写用フィルム。
  2. 厚さ約5μm〜200μmで、JIS K 7113による曲げ弾性率が約1000〜4000Mpaである基材の表面上に、厚さ約1〜50μmのエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体からなるフィルムを貼り合せ、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体面に加熱蒸着又はスパッタリングにより金属薄膜層を積層してなる構成を備えた金属薄膜転写用フィルム。
  3. 厚さ約5μm〜200μmで、JIS K 7113による曲げ弾性率が約1000〜4000Mpaである基材の表面上に、厚さ約1〜50μmのポリ4−メチルペンテンー1からなるフィルムを貼り合せてエージングし、ポリ4−メチルペンテンー1面に加熱蒸着又はスパッタリングにより金属薄膜層を積層してなる構成を備えた金属薄膜転写用フィルム。
  4. 基材として、厚さ約20〜200μmのPETフィルムを用いてなる請求項1〜3のいずれかに記載の金属薄膜転写用フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の金属薄膜転写フィルムの金属薄膜層を、接着剤を介して被着体に重ねて加熱圧着し、該金属薄膜層から基材及び離型層を剥がしてなる構成を備えた電気導体回路層積層基板。
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