JP5052359B2 - 非磁性一成分現像用正帯電性トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる非磁性一成分現像用正帯電性トナー及び該正帯電性トナーを用いた非磁性一成分現像方法に関する。
従来、トナーの流動性や帯電性を向上する目的で、外添剤についての検討が多く行われている。一般的に、外添剤は、無機微粒子と樹脂微粒子に大別されるが、カブリや画像ムラの抑制を目的に、無機微粒子と樹脂微粒子との併用が検討されている(特許文献1、2参照)。
特開2004−109201号公報 特開2004−240158号公報
しかしながら、シリカを含有したトナー、なかでも、平均粒子径が小さいシリカを含有したトナーを感光体が新品である現像機に実装した場合、使用初期にカブリが発生し、その後、使用を継続するとカブリが解消する場合があることが判明した。この原因の詳細は不明であるが、新品の感光体の表面は平均粒子径の小さいシリカが付着し易く、シリカの付着によりカブリが生じたと推定される。
また、連続使用時(耐刷時)には小粒径シリカのトナー母粒子への埋まり込みが起こり、トナーの流動性が低下しベタ追従性が悪化する傾向がある。このシリカの埋まり込みによるトナーの帯電不良が印刷画像の品質の悪化を引き起こしていると考えられる。特に、高温/高湿下の環境にて、トナーの帯電量の低下によるカブリの悪化が発生し易い。しかしながら、外添剤として平均粒径の大きいシリカを併用するだけでは、小粒径シリカの埋まり込み抑制は十分ではない。
本発明の課題は、感光体使用初期のカブリが抑制され、耐刷時にも良好なベタ追従性を維持することができ、さらに高温/高湿下でのカブリ抑制(環境性)にも優れる非磁性一成分現像用正帯電性トナー及び該正帯電性を用いた非磁性一成分現像方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決する為に検討を重ねた結果、それぞれ特定の平均粒子径を有するシリカとポリテトラフルオロエチレンに加えて、特定の平均粒子径及び電気抵抗率を有する負帯電性樹脂微粒子を外添剤として併用することにより、感光体使用初期のカブリが抑制され、耐刷時にも良好なベタ追従性を維持することができ、さらに高温/高湿下でのカブリ抑制にも優れるトナーが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
〔1〕 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子に外添剤を外添してなる非磁性一成分現像用正帯電性トナーであって、前記結着樹脂がポリエステル系樹脂を含有してなり、前記外添剤が、平均粒子径が200〜1000nmであり、電気抵抗率が1×1015Ωcm以下の負帯電性樹脂微粒子、平均粒子径が50〜300nmのシリカ、平均粒子径が5nm以上、50nm未満のシリカ、及び平均粒子径が100〜1000nmのポリテトラフルオロエチレン微粒子を含有してなる、非磁性一成分現像用正帯電性トナー、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の正帯電性トナーを用いる、非磁性一成分現像方法
に関する。
本発明の非磁性一成分現像用正帯電性トナーは、感光体使用初期のカブリが抑制され、耐刷時にも良好なベタ追従性を維持することができ、さらに高温/高湿下でのカブリ抑制にも優れるという優れた効果を奏するものである。
本発明の非磁性一成分現像用正帯電性トナーは、結着樹脂及び着色剤を含有したトナー母粒子に外添剤を外添したトナーであって、外添剤が、特定の平均粒子径を有する大小2種のシリカとポリテトラフルオロエチレン微粒子に加えて、平均粒子径が200〜1000nmであり、電気抵抗率が1×1015Ωcm以下の負帯電性樹脂微粒子を含有している点に1つの特徴を有する。カブリは、トナーから遊離したシリカ等の微粒子が感光体表面に付着し、感光体の帯電性を低下させることにより発生するものと推定される。しかしながら、本発明では、初期カブリの原因の一つと考えられる感光体表面へのシリカ等の微粒子付着を防止することができる。これは、電気抵抗率が制御された負帯電性樹脂微粒子を用いることで、かかる負帯電性樹脂微粒子と大小の粒径のシリカとの摩擦帯電により、シリカの帯電が向上し、小粒径シリカの遊離を抑制することができるためと考えられる。さらに、正帯電性のトナー母粒子に対して逆極性のポリテトラフルオロエチレン微粒子及び負帯電性樹脂微粒子を添加することによりトナー母粒子からの大粒径のシリカの遊離を抑制することができ、大粒径のシリカ、負帯電性樹脂微粒子及びポリテトラフルオロエチレン微粒子がスペーサーの役目をして、長期使用時の小シリカのトナー母粒子への埋まり込みが抑制され、トナーの安定した流動性及び帯電性が得られるものと考えられる。さらに、トナー母粒子と前記ポリテトラフルオロエチレン微粒子の間で、トナーの帯電ブレード通過時や帯電ブレード通過前に摩擦帯電が発生し、電気抵抗率が小さい負帯電性樹脂微粒子によりトナー母粒子との摩擦帯電が均一的かつ有効的に発生し、長期使用時でも帯電均一性が安定して発揮され、耐久性や高温/高湿下でのカブリ抑制に優れるものと推定される。
本発明における外添剤は、平均粒子径が50〜1000nmであり、電気抵抗率が1×1015Ωcm以下の負帯電性樹脂微粒子、平均粒子径が50〜300nmのシリカ(以下、大シリカともいう)、平均粒子径が5nm以上、50nm未満のシリカ(以下、小シリカともいう)、及び平均粒子径が100〜1000nmのポリテトラフルオロエチレン微粒子(以下、PTFE微粒子ともいう)を含有するものである。
〔負帯電性樹脂微粒子〕
負帯電性樹脂微粒子としては、スチレン・アクリル共重合体、ポリエステル等からなる樹脂微粒子が挙げられるが、本発明においては、トナーの初期カブリ抑制の観点から、スチレン・アクリル共重合体からなる樹脂微粒子が好ましい。
スチレン・アクリル共重合体としては、少なくとも、スチレンと、アクリル酸、アクリル酸のアルキル(炭素数1〜36)エステル、メタクリル酸、メタクリル酸のアルキル(炭素数1〜36)エステル、エチレングリコールジメタクリレート、パーフルオロアクリレート等の(メタ)アクリル系モノマーとを共重合させて得られる共重合体が好ましい。スチレンの含有量は、原料モノマーの総量中、5〜95重量%が好ましく、10〜90重量%がより好ましい。また、スチレンとアクリル系モノマーの重量比(スチレン/アクリル系モノマー)は、95/5〜5/95が好ましく、90/10〜10/90がより好ましい。
負帯電性樹脂微粒子は、例えば、重合開始剤の存在下、スチレンと前記(メタ)アクリル系モノマーを共重合させることにより得ることができる。
負帯電性樹脂微粒子の軟化点は、感光体などへの融着防止の観点から、150℃以上が好ましい。また、ガラス転移点は、凝集防止の観点から、60℃以上が好ましい。
負帯電性樹脂微粒子は、電気抵抗制御の観点から、パラトルエンスルホン酸又はその塩で処理された樹脂微粒子であることが好ましい。パラトルエンスルホン酸の塩としては、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パラトルエンスルホン酸カリウム等のアルカリ金属塩、パラトルエンスルホン酸テトラメチルアンモニウム等のアンモニウム塩、パラトルエンスルホン酸ヘキサデシルビリジニウム等のピリジニウム塩、パラトルエンスルホン酸1,1-ジメチル-2-ヘキサデシルイミダゾリニウム等のイミダゾリニウム塩等が挙げられ、これらのなかでは、樹脂微粒子への親和性の観点から、パラトルエンスルホン酸のアルカリ金属塩が好ましく、パラトルエンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。
パラトルエンスルホン酸又はその塩による処理量は、処理に供される負帯電性樹脂微粒子100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.5〜3重量部がより好ましい。
パラトルエンスルホン酸又はその塩による具体的な処理方法としては、樹脂微粒子と、パラトルエンスルホン酸又はその塩の水溶液とを混合し、乾燥させて、樹脂微粒子表面にパラトルエンスルホン酸又はその塩を付着させる方法等がある。
負帯電性樹脂微粒子の平均粒子径は、トナーの耐久性向上の観点から、200nm以上であり、適度な帯電性を安定的に得る観点から、1000nm以下である。これらの観点から、前記平均粒子径は、200〜1000nmであり、300〜800nmが好ましく、300〜700nmがより好ましく、400〜600nmがさらに好ましい。ここで、負帯電性樹脂微粒子の平均粒子径は、後述の実施例に記載の方法で求めたものである。
負帯電性樹脂微粒子の電気抵抗率は、トナーの帯電均一性の観点から、1×1015Ωcm以下であり、1×105〜1×1014Ωcmが好ましく、1×107〜1×1012Ωcmがより好ましい。
負帯電性樹脂微粒子の外添量は、トナー母粒子100重量部に対して、0.1〜1.0重量部が好ましく、0.3〜0.7重量部がより好ましい。
〔シリカ〕
本発明では、シリカとして平均粒子径が異なる大シリカと小シリカを用いる。
大シリカの平均粒子径は、トナーの耐久性向上及び流動性付与の観点から、50〜300nmであり、好ましくは50〜200nm、より好ましくは50〜100nmである。
小シリカの平均粒子径は、トナーの帯電性と流動性付与の観点から、5nm以上、50nm未満であり、好ましくは5〜30nm、より好ましくは5〜20nmである。ここで、シリカの平均粒子径は、後述の実施例に記載の方法で求めたものである。
本発明においては、小シリカとして、平均粒子径が5〜20nm、好ましくは5〜12nmのシリカ(以下、小シリカAともいう)と平均粒子径が13nm以上、50nm未満、好ましくは13〜20nmのシリカ(以下、小シリカBともいう)とを併用してもよい。小シリカAと小シリカBとを併用するとトナーの耐久性がさらに向上する傾向がある。
本発明において、シリカは公知の方法で製造されたものを用いることできるが、シリカの分散性の観点から、乾式法、高温加水分解法により製造されたものが好ましい。また、無水シリカのほか、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛などを含有するものであってもよいが、SiO2を80重量%以上含むものが好ましく、85重量%以上含むものがより好ましい。
また、大シリカ及び小シリカは、ポリテトラフルオロエチレン微粒子との帯電による相互作用の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。疎水化の方法は特に限定されず、疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、アミノシラン、オクチルシラン、シリコーンオイル等が挙げられる。これらの処理剤のなかでは、大シリカについては、トナーの適正な帯電性、及び流動性の観点から、アミノシランとオクチルシランを併用することが好ましく、前記処理剤により疎水化処理されたシリカは正帯電性を呈し、負帯電性のポリテトラフルオロエチレン微粒子と併用することにより、より安定したトナーの帯電性向上効果を奏する。疎水化処理剤の処理量は、シリカの表面積当たり1〜7mg/m2が好ましい。
疎水化処理に用いる機器としては、特に限定されるものではないが、攪拌羽根を具備する混合機が好ましい。具体例としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等が挙げられるが、分散性の観点から、ヘンシェルミキサーが好ましい。
混合機の作動条件としては、機種によって適宜設定し得るが、主軸攪拌周速度は31.9〜45.6m/sが好ましく、混合時間は1〜5分間が好ましい。
大シリカの外添量は、トナー母粒子100重量部に対して、0.1〜3.0重量部が好ましく、0.2〜1.5重量部がより好ましい。
また、小シリカの外添量は、トナー母粒子100重量部に対して、0.1〜3.0重量部が好ましく、0.2〜2.0重量部がより好ましい。
〔ポリテトラフルオロエチレン微粒子〕
PTFE微粒子の平均粒子径は、100〜1000nmであり、好ましくは100〜800nmであり、より好ましくは150〜600nmである。平均粒子径が100nm以上であると、連続印字時にトナー母粒子に外添された該微粒子がトナー中に埋め込まれ難いと考えられ、効果の発現が持続しやすく、1000nm以下であると、トナーから遊離した粒子が適度に存在し、本発明の効果を発現し易い。ここで、PTFE微粒子の平均粒子径は、後述の実施例に記載の方法で求めたものである。
このようなPTFE微粒子としては、より具体的には乳化重合により製造された球形に近い形状のもの等が挙げられる。これらは市販されており、例えば「KTL-500F」(喜多村社製、平均粒子径500nm)、「ルブロン L2」(ダイキン工業社製、平均粒子径300nm)、「ルブロン L5」(ダイキン工業社製、平均粒子径200nm)、「フルオン ルブリカント L170J」(旭アイシーアイフロロポリマーズ社製、平均粒子径100nm)、「フルオン ルブリカント L172J」(旭アイシーアイフロロポリマーズ社製、平均粒子径100nm)、「MP-1100」(三井・デュポンフロロケミカル社製、平均粒子径200nm)、「MP-1200」(三井・デュポンフロロケミカル社製、平均粒子径300nm)、「TLP-10F-1」(三井・デュポンフロロケミカル社製、平均粒子径200nm)等が挙げられる。
PTFE微粒子の外添量は、トナー母粒子100重量部に対して、0.01〜1.5重量部が好ましく、0.05〜1.0重量部がより好ましい。
なお、PTFE微粒子の電気抵抗率は、一般に、1×1016Ωcm以上であり、前記の電気抵抗率が1×1015Ωcm以下の負帯電性樹脂微粒子には含まれない。
負帯電性樹脂微粒子とPTFE微粒子との重量比(負帯電性樹脂微粒子/PTFE微粒子)は、トナーの初期カブリの抑制の観点から、0.1〜5が好ましく、0.5〜1がより好ましい。
負帯電性樹脂微粒子とシリカの総量との重量比(負帯電性樹脂微粒子/シリカ)は、トナーの初期カブリ抑制の観点から、0.05〜5が好ましく、0.1〜2がより好ましい。
なお、本発明のトナーには、本発明の効果を損なわない範囲で、前記の負帯電性樹脂微粒子、大シリカ、小シリカ及びPTFE微粒子以外の外添剤が外添されていてもよい。前記の負帯電性樹脂微粒子、大シリカ、小シリカ及びPTFE微粒子の外添剤中の総含有量は、50重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましく、実質的に100重量%であることがさらに好ましい。
本発明におけるトナー母粒子は結着樹脂及び着色剤を含有し、低温定着性の観点から、本発明は、前記結着樹脂がポリエステル系樹脂を含有することにも1つの特徴を有する。
ポリエステル系樹脂は、2価以上のアルコールからなるアルコール成分と、2価以上のカルボン酸化合物からなるカルボン酸成分を縮重合させて得られる。
2価以上のアルコールとしては、式(I):
Figure 0005052359
(式中、R1Oはオキシアルキレン基であり、R1はエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が含有されていることが好ましい。かかるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、50モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物以外のアルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等、その他の二価のアルコールが挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、その他の三価以上のアルコールを挙げることができる。
また、2価以上のカルボン酸化合物としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸等が挙げられ、更にn-ブチルコハク酸、n-ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n-オクチルコハク酸、n-オクテニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸が挙げられる。上記のような酸、これらの酸の無水物、及び酸のアルキルエステルを、本明細書では総称してカルボン酸化合物と呼ぶ。
3価以上のカルボン酸化合物としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、その他の三価以上のカルボン酸化合物を挙げることができる。
アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、さらには減圧下、180〜250℃の温度で行うことができるが、本発明の効果がより顕著に奏される観点から、エステル化触媒の存在下で行うことが好ましい。エステル化触媒としては、ジブチル錫オキシド、チタン化合物、Sn-C結合を有していない錫(II)化合物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は両者を併用して用いられる。
かくして得られるポリエステル系樹脂のうち、芳香族カルボン酸化合物以外のカルボン酸化合物と、多価アルコールの縮重合により得られたポリエステル系樹脂が、芳香族カルボン酸化合物を用いて得られたポリエステル系樹脂と比較して酸強度が低く、解離定数(pKa)が小さいため、本発明の結着樹脂として好ましく用いられる。
かかる芳香族ポリカルボン酸化合物以外のカルボン酸化合物としては、上記で例示したカルボン酸化合物のうち、マレイン酸、フマル酸、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等のジカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸等のトリカルボン酸、並びに1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂の軟化点は、トナーの定着性、保存性及び耐久性の観点から、120〜160℃が好ましく、120〜150℃がより好ましい。本明細書において、軟化点は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
ポリエステル系樹脂のガラス転移点は、トナーの定着性、保存性及び耐久性の観点から、45〜75℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。また、トナーの帯電性の観点から、酸価は、5〜80mgKOH/gが好ましく、5〜60mgKOH/gがより好ましく、5〜50mgKOH/gがさらに好ましい。本明細書において、ガラス転移点及び酸価は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
なお、本発明において、ポリエステル系樹脂とは、ポリエステルユニットを有する樹脂をいう。ポリエステルユニットとはポリエステル構造を有する部位を指し、ポリエステル系樹脂には、ポリエステルのみならず、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルも含まれるが、本発明においては、ポリエステル系樹脂はポリエステルであることが好ましい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルや、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂が挙げられる。
ポリエステル系樹脂以外の結着樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の他の樹脂が併用されていてもよいが、ポリエステル系樹脂の含有量は、結着樹脂中、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、実質的に100重量%であることがさらに好ましい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等を使用することができ、カーボンブラック;鉄黒等の無機顔料;C.I.ピグメント・イエロー1、同3、同74、同97、同98等のアセト酢酸アリールアミド系モノアゾ黄色顔料;C.I.ピグメント・イエロー12、同13、同14、同17等のアセト酢酸アリールアミド系ジスアゾ黄色顔料;C.I.ソルベント・イエロー19、同77、同79、C.I.ディスパース・イエロー164等の黄色染料;C.I.ピグメント・レッド48、同49:1、同53:1、同57、同57:1、同81、同122、同5等の赤色もしくは紅色顔料;C.I.ソルベント・レッド49、同52、同58、同8等の赤色系染料;C.I.ピグメント・ブルー15:3等の銅フタロシアニン及びその誘導体の青色系染顔料;C.I.ピグメント・グリーン7、同36(フタロシアニン・グリーン)等の緑色顔料等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
本発明においては、結着樹脂及び着色剤以外に、荷電制御剤、離型剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、磁性体等の添加剤をトナー母粒子に配合してもよい。
荷電制御剤としては、少なくとも、従来電子写真用に用いられることが知られている全ての正帯電性の荷電制御剤から、1種又は2種類以上が用いられる。具体的には、ニグロシン系染料、例えば「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-04」(以上、オリエント化学社製)等、アミンを側鎖に含有するトリフェニルメタン系染料、例えば「COPY BLUE PR」(ヘキスト社製)、四級アンモニウム塩、例えば「TP-415」(保土谷化学社製)、「COPY CHARGE PSY 」(ヘキスト社製)、「ボントロンP-51」(オリエント化学社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド等、ポリアミン樹脂、例えば「ボントロンP-52」(オリエント化学社製)等が挙げられる。荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜8.0重量部が好ましく、0.2〜5.0重量部がより好ましい。
離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス等のエステル系ワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられる。これらのなかでは、トナーの離型性及び安定性の観点から、脂肪族炭化水素系ワックス及びエステル系ワックスが好ましく、これらは単独で又は2種以上を混合して含有されていても良い。離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
本発明の非磁性一成分現像用正帯電性トナーは、特に限定されることはなく、従来公知の方法を用いて製造することができ、例えば混練・粉砕し、分級する方法、並びに重合性単量体、重合開始剤、着色剤及び荷電制御剤等を成分とする重合性組成物を水性分散媒中に懸濁して重合することにより直接的にトナー母粒子を製造する方法等により製造することができる。得られたトナー母粒子に、外添剤として、少なくとも前記の負帯電性樹脂微粒子、大シリカ、小シリカ及びPTFE微粒子を添加することにより本発明のトナーが得られる。
本発明では、前記の負帯電性樹脂微粒子、大シリカ、小シリカ及びPTFE微粒子を同時にトナー母粒子に添加してもよい。
トナー母粒子と外添剤を混合する際に用いられる混合機としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機、V型ブレンダー等の乾式混合に用いる攪拌装置が好ましい。また、攪拌装置を用いる際には、外添剤を十分にトナー母粒子に付着させるために、攪拌具の周速を上げたり、攪拌時間を長くしたりすることが好ましい。
かくして外添剤が添加されるが、さらに必要に応じて、流動性向上剤、クリーニング性向上剤などを添加することができる。
なお、遊離外添剤等の除去のため、トナー母粒子に外添剤を表面処理した後は、篩工程を施してもよい。
流動性向上剤としては、例えば、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
クリーニング性向上剤としては、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩等を併用してもよい。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、現像ローラーへの付着性改善の観点から、3〜10μmが好ましく、3〜9μmがより好ましく、4〜9μmがさらに好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明の非磁性一成分現像用正帯電性トナーは、規制ブレード等と現像ローラーとの間隙を通過させることによって、トナーの帯電を行う、非磁性一成分現像方法に好適に用いられ、なかでも正帯電型有機感光体を使用した非磁性一成分現像方式に用いることにより、本発明の効果がより顕著になる。
〔結着樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出する温度を軟化点とする。
〔結着樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔結着樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
本明細書において、トナーの体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になるトナーの粒径を意味する。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5重量%電解液
分散条件:分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個のトナー粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔負帯電性樹脂微粒子の電気抵抗率〕
タケダ理研社製のTR-8601 HIGH MEGIHM METERを用いる。サンプルは、負帯電性樹脂微粒子約1gを10tの圧力で加圧成型してペレット(直径20mm、厚み2〜3mm)を作製した後、温度22℃、湿度55%で2時間シーズニングして調製する。測定は、電圧を100V、250V、500V及び1000Vで、それぞれの抵抗値(Ω)を読み取る。ペレットの厚さ(cm)と電圧(V)から電場(V/cm)と、その電場における体積抵抗(π×抵抗値/ペレットの厚さ(Ωcm))を計算する。そして、これらの関係を対数グラフにプロットし、グラフから1000V/cmでの抵抗率(Ωcm)を読み取り、この値を負帯電性樹脂微粒子の電気抵抗率とする。
〔負帯電性樹脂微粒子の平均粒子径〕
負帯電性樹脂微粒子の平均粒子径とは、負帯電性樹脂微粒子の一次粒子の個数平均粒径のことであり、下記方法に従って求める。
個数平均粒径は、走査型電子顕微鏡にて撮影倍率5000〜50000倍の適切な倍率で、粒径(長径と短径の平均値)を100個の一次粒子について測定し、それらの平均値を負帯電性樹脂微粒子の平均粒子径とする。
〔負帯電性樹脂微粒子の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出する温度を軟化点とする。
〔負帯電性樹脂微粒子のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔シリカの平均粒子径〕
本明細書において、シリカの平均粒子径とは一次粒子の個数平均粒径を意味し、下記式より求める。
個数平均粒径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000
式中、ρはシリカの比重(2.2)であり、比表面積は疎水化処理前の原体の、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。
なお、上記式は、粒径Rの球と仮定して、
BET比表面積=S×(1/m)
m(粒子の重さ)=4/3×π×(R/2)3×比重
S(表面積)=4π(R/2)2
から得られる式である。
〔ポリテトラフルオロエチレン微粒子の平均粒子径〕
ポリテトラフルオロエチレン微粒子の平均粒子径とは、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の一次粒子の個数平均粒径のことであり、下記方法に従って求める。
個数平均粒径は、走査型電子顕微鏡にて撮影倍率5000〜50000倍の適切な倍率で、粒径(長径と短径の平均値)を100個の一次粒子について測定し、それらの平均値をポリテトラフルオロエチレン微粒子の平均粒子径とする。
樹脂製造例1
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン3500g、イソドデセニル無水コハク酸50g、フマル酸1110g、ハイドロキノン2.5g及び、ジブチル錫オキシド5gを、四つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付けマントルヒーター中で210℃の温度で攪拌した。重合度は、ASTM E28-67に準拠した軟化点測定より追跡を行い、軟化点が115℃に達したときに反応を終了した。得られたポリエステルを結着樹脂Aとする。結着樹脂Aの軟化点は120℃、ガラス転移点(Tg)はピーク1本で60℃であり、酸価は6mgKOH/gであった。これを樹脂aとする。
負帯電性樹脂微粒子の製造例1
窒素導入管、還流管及び滴下ロートを装着した2リットル容の三つ口フラスコに、イオン交換水1200重量部を入れ、80℃に昇温した。スチレン25.5重量部、2-エチルヘキシルアクリレート3重量部、メタクリル酸1.5重量部及びイオン交換水15重量部に溶解させた過硫酸アンモニウム3重量部を添加し、10分間保持した。スチレン229.5重量部、メチルメタクリレート27重量部、及びエチレングリコールジメタクリレート13.5重量部を90分間かけて滴下した。さらに、スチレン27重量部及びメタクリル酸メチル3重量部を10分間かけて滴下した後、80℃で60分間保持し、反応を終了した。
得られた樹脂微粒子を限外ろ過器で洗浄後、樹脂微粒子100重量部に対してイオン交換水15重量部に溶解させたパラトルエンスルホン酸ナトリウム3重量部を添加し、攪拌した。
得られた樹脂微粒子分散液を、スプレードライヤーにより乾燥した後、ジェットミルで凝集物を解砕し、スチレン・アクリル共重合体からなる負帯電性の樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子をスチレン・アクリル共重合体Aとする。
スチレン・アクリル共重合体Aの軟化点は204℃、ガラス転移点は97℃、平均粒子径は500nmであった。
負帯電性樹脂微粒子の製造例2
パラトルエンスルホン酸ナトリウムの使用量を1.5重量部に変更した以外は、製造例1と同様にして、スチレン・アクリル共重合体Bを得た。
スチレン・アクリル共重合体Bの軟化点は202℃、ガラス転移点は95℃、平均粒子径は500nmであった。
負帯電性樹脂微粒子の製造例3
パラトルエンスルホン酸ナトリウムを使用せず、反応終了後、得られた反応溶液を、スプレードライヤーにより乾燥した以外は、製造例1と同様にして、スチレン・アクリル共重合体Cを得た。
スチレン・アクリル共重合体Cの軟化点は203℃、ガラス転移点は96℃、平均粒子径は500nmであった。
正帯電性樹脂微粒子の製造例1
窒素導入管、還流管及び滴下ロートを装着した2リットル容の三つ口フラスコに、セチルピリジニウムクロライド4重量部及びイオン交換水1230重量部を入れ、70℃に昇温した後、イオン交換水15重量部に溶解させた2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩1.5重量部、スチレン30重量部、及びメタクリル酸メチル270重量部を90分間かけて滴下した後、70℃で60分間保持し、反応を終了した。限外ろ過器で洗浄後、スプレードライヤーにより乾燥した後、ジェットミルで凝集物を解砕し、スチレン・アクリル共重合体からなる正帯電性の樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子をスチレン・アクリル共重合体Dとする。
スチレン・アクリル共重合体Dの軟化点は207℃、ガラス転移点は107℃、平均粒子径は60nmであった。
正帯電性樹脂微粒子の製造例2
窒素導入管、還流管及び滴下ロートを装着した2リットル容の三つ口フラスコに、塩化ステアリルベンジルジメチルアンモニウム1.5重量部及びイオン交換水1230重量部を入れ、70℃に昇温した後、イオン交換水15重量部に溶解させた2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩1.5重量部、スチレン30重量部、及びメタクリル酸メチル270重量部を90分間かけて滴下した後、70℃で60分間保持し、反応を終了した。
限外ろ過器で洗浄後、スプレードライヤーにより乾燥した後、ジェットミルで凝集物を解砕し、スチレン・アクリル共重合体からなる正帯電性の樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子をスチレン・アクリル共重合体Eとする。
スチレン・アクリル共重合体Eの軟化点は203℃、ガラス転移点は112℃、平均粒子径は120nmであった。
正帯電性樹脂微粒子の製造例3
窒素導入管、還流管及び滴下ロートを装着した2リットル容の三つ口フラスコに、イオン交換水1350重量部を入れ、70℃に昇温した。スチレン1.5重量部、メタクリル酸メチル13.5重量部及びイオン交換水15重量部に溶解させた2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩1.5重量部を添加し、10分間保持した。スチレン13.5重量部及びメタクリル酸メチル121.5重量部を90分間かけて滴下した後、70℃で60分間保持し、反応を終了した。
限外ろ過器で洗浄後、スプレードライヤーにより乾燥した後、ジェットミルで凝集物を解砕し、スチレン・アクリル共重合体からなる正帯電性の樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子をスチレン・アクリル共重合体Fとする。
スチレン・アクリル共重合体Fの軟化点は202℃、ガラス転移点は100℃、平均粒子径は300nmであった。
実施例1〜16及び比較例1〜17
結着樹脂A 100重量部
カーボンブラック(REGAL-330R、キャボット社製) 4重量部
ニグロシン染料(ボントロンN-04、オリエント化学社製) 4重量部
低分子量ポリプロピレンワックス(ハイワックスNP-055、三井石油化学社製) 2重量部
上記組成を予備混合し、100℃に加熱した2軸押出機で混練した後冷却し、冷却物を機械式粉砕機で2mmのメッシュをパスする程度まで粗粉砕し、次いで風力式粉砕・分級機にて粉砕分級して、体積中位粒径(D50)で8μmになる様にトナー母粒子を調製した。
得られたトナー母粒子100重量部に、表1〜3に示す種類及び量の外添剤を添加しヘンシェルミキサーで混合して、正帯電性トナーを得た。トナーの体積中位粒径(D50)は8μmであった。
試験例1〔初期カブリ〕
未使用の感光体が搭載された非磁性一成分現像方式の東芝製普通紙ファクシミリ「TF-5500」に各実施例及び各比較例のトナーを実装して、印字部のない白ベタ画像を印字し、その途中で電源を切った。感光体表面のトナーをメンディングテープに付着させ、画像濃度測定器「SPM-50」(Gretag社製)にて着色濃度を測定し、トナーを付着させる前のテープの着色濃度との差を求め、以下の評価基準に従って初期カブリを評価した。結果を表1〜3に示す。着色濃度の差が小さいほど、初期カブリが良好である。
〔初期カブリの評価基準〕
A:着色濃度の差が0.01以下
B:着色濃度の差が0.01以上0.02未満
C:着色濃度の差が0.02以上0.05未満
D:着色濃度の差が0.05以上
試験例2〔ベタ追従性〕
非磁性一成分現像方式の東芝製普通紙ファクシミリ「TF-5500」に各実施例及び各比較例のトナーを実装し、印字率5%の画像を10000枚連続印刷した。その際、1000枚印刷毎にベタ画像を印刷し、得られた画像を目視で観察し、カスレが初めて生じた枚数を調べることにより、以下の評価基準に従って、ベタ追従性を評価した。結果を表1〜3に示す。カスレが生じた枚数が多いほど、ベタ追従性が良好である。
〔ベタ追従性の評価基準〕
A:10000枚でもカスレなし
B:9000枚又は10000枚でカスレ発生
C:7000枚又は8000枚でカスレ発生
D:6000枚以下でカスレ発生
試験例3〔環境性〕
35℃、湿度85%の環境下で、試験例2と同様の評価を行った。評価基準は試験例2と同じである。結果を表1〜3に示す。カスレが生じた枚数が多いほど、環境性が良好である。
Figure 0005052359
Figure 0005052359
Figure 0005052359
実施例1〜16のトナーは、初期カブリが抑制されており、ベタ追従性及び環境性についても良好であることが分かる。これに対し、電気抵抗率が所定の範囲外である負帯電性樹脂微粒子を使用した比較例1〜3、負帯電性樹脂微粒子を使用していない比較例4のトナーではいずれの特性にも欠けており、正帯電性樹脂微粒子を使用した比較例5〜11のトナー、また負帯電性樹脂微粒子の代わりにアルミナ等の無機微粒子を使用した比較例11〜17のトナーについても同様の結果となっている。
本発明の非磁性一成分現像用正帯電性トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子に外添剤を外添してなる非磁性一成分現像用正帯電性トナーであって、前記結着樹脂がポリエステル系樹脂を含有してなり、前記外添剤が、平均粒子径が200〜1000nmであり、電気抵抗率が1×1015Ωcm以下の負帯電性樹脂微粒子、平均粒子径が50〜300nmのシリカ、平均粒子径が5nm以上、50nm未満のシリカ、及び平均粒子径が100〜1000nmのポリテトラフルオロエチレン微粒子を含有してなる、非磁性一成分現像用正帯電性トナー。
  2. 負帯電性樹脂微粒子が、スチレン・アクリル共重合体からなる樹脂微粒子である請求項1記載の非磁性一成分現像用正帯電性トナー。
  3. 負帯電性樹脂微粒子が、パラトルエンスルホン酸又はその塩で処理された樹脂微粒子である請求項1又は2記載の非磁性一成分現像用正帯電性トナー。
  4. 負帯電性樹脂微粒子とポリテトラフルオロエチレン微粒子との重量比(負帯電性樹脂微粒子/ポリテトラフルオロエチレン微粒子)が、0.1〜5である請求項1〜3いずれか記載の非磁性一成分現像用正帯電性トナー。
  5. 負帯電性樹脂微粒子とシリカの総量との重量比(負帯電性樹脂微粒子/シリカ)が、0.05〜5である請求項1〜4いずれか記載の非磁性一成分現像用正帯電性トナー。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の正帯電性トナーを用いる、非磁性一成分現像方法。
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