JP5045078B2 - ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、熱処理中に発生したポリマー粉には、量と熱履歴に分布を持つことから、熱処理後にポリマー粉の除去を行った場合、確率的に熱履歴を受けたポリマー粉が製品側に多く残る可能性があり、ロット間のばらつきから、次工程の製品欠点増加や生産性低下を効果的に抑えることが困難であった。また、除去工程をさらに追加する必要があることから、エネルギー面と設備費用面でも問題となる。
斯かる方法は、熱処理中に発生するポリマー粉を除去しながら加熱され、熱履歴を受けたポリマー粉を有効に減じせしめる方法であるが、やはり、固有粘度が上昇する為、フィルム成形のための溶融時の剪断発熱によりポリマー温度の上昇を伴い、オリゴマーが再生し、色調が悪化するなどの問題を生じた。
すなわち、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするジオールとをエステル化反応もしくはエステル交換反応し、次いで重縮合反応させることにより、固有粘度(C)が0.52dl/g以上、0.68dl/g以下として得られたポリエステル樹脂(A)をペレット化し、下記(a)、(b)を満足する処理を行うことにより、固有粘度(D)が0.50dl/g以上、0.70dl/g以下、オリゴマーの含有量が0.4重量%以下、であるポリエステル樹脂(B)を得ることを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法である。
(a)撹拌機を有する流動式竪型の加熱装置において、装置内のペレット充填体積が静置時の1.03〜1.18倍となるよう循環気体を循環させ、ポリエステル樹脂(A)と同一成分のポリマー粉のみを循環気体から除去しながら加熱気体を循環させ、ペレットの加熱処理温度が205℃〜235℃となる範囲で実施する。
(b)ポリエステル樹脂(A)の固有粘度(C)、処理後のポリエステル樹脂(B)の固有粘度(D)の関係が、−0.05dl/g≦{(D)−(C)}≦0.05dl/gを満足する。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお実施例中で「部」とは全て重量部を表す。
(1)ポリエステル組成物のオリゴマー量:ポリマー又はフィルム 100mgをオルトクロロフェノール5mlに溶解し、液体クロマトグラフィー(モデル8500 Varian社製)で測定し、ポリマーに対する割合(重量%)で示した。
(2)ポリエステル組成物の固有粘度[η]:o−クロロフェノールを用いて100℃、30分溶解後、オストワルド型粘度計を用いて流下秒数測定を25℃で行った。
(3)ポリエステル組成物のカルボキシル末端基量:ポリマー又はフィルム0.5gをo-クレゾールに溶解し、水酸化カリウムで滴定した。単位は当量/106gで表した。
(4)ポリエステル組成物のアンチモン元素含有量:蛍光X線法[TFK3064型(ガイガーフレックス社製)] により測定した。
(5)ペレットの融着
加熱処理終了後の装置より取り出したペレット100g中のペレット同士が2連以上の接合したペレットの重量を測定し、全体量で除して重量%を求め、
○ 1%未満、△ 1%以上5%未満、× 1%以上
として判定した。
(6)ポリマー粉量:ペレット100gを200ml大のビーカーに取り、純水100mlを加え10分間撹拌する。上段に10メッシュ(線経0.5mm)金網、下段に400メッシュ金網を10mm以上離して設置し、ペレットごと流し込み、上段にペレット、下段にポリマー粉をろ過する。さらに、ビーカーとペレットを100mlの純水で濯ぎ、下段に用いた400メッシュ金網にポリマー粉を採集する。採集した濾上物は、減圧下150℃で3時間乾燥させ、濾過前の金網の質量との差分をペレット量の100gで除して、ポリマー粉量としてppmで表した。
(7)オリゴマー析出特性:フィルムを5cm×5cmの大きさに切り出し、無塵紙で挟み込んだものを熱風乾燥機中で150℃×30分処理する。加熱後の各サンプル両面の表面をSEM(走査型電子顕微鏡)で1,000〜5,000倍にて観察し、各面2カ所を任意に選び撮影した環状三量体よりなる結晶の個数を数え、合計値を下記の基準で判断した。
(8)粗大異物:フイルム表面にアルミニウム蒸着を行い、位相差顕微鏡(250倍)で観察して、そこに見られる粗大突起の数を、以下の基準で写真判定した。
△ 粗大突起が5個/10cm2以上 10個/10cm2未満、
× 粗大突起が10個/10cm2以上
なお、粗大突起としては、最大直径(長さ)が1μm以上のオリゴマーや傷等の表面欠点の他、ゲル化物や金属凝集物もカウントした。
(9)フィルムのスリ傷:ロール上でフィルムが滑ると、フィルム表面に傷が発生する。これをスリ傷と表現する。ハロゲンライトを光源とし、厚物ポリエステルフィルムを透過光で観察し、原反フィルムの傷の目立ち易さを次の基準で評価した。
△:殆ど傷がわからないもの
×:キラリと傷が光り目立つもの
実施例1
テレフタル酸とエチレングリコールの反応物であるビスヒドロキシエチルテレフタレート100部を予め255℃の溶融状態で貯留させ、さらに、テレフタル酸100部とエチレングリコール45部からなるスラリーを別に設けた混合槽に用意し、反応槽の温度を保ちながら定量供給し、水を溜出させ、エステル化反応させる。エステル化反応が終了した時点で重縮合反応が可能な別の容器に移送せしめ、酢酸マグネシウム0.05部、リン酸0.0065部および三酸化アンチモン0.0078部を添加し、引き続いて系内を徐々に減圧にし、60分で133Pa以下とし、それと同時に徐々に昇温して290℃とし、重縮合反応を目標固有粘度到達まで実施した。その後、吐出ノズルより水中に押し出しカッターによって直径約3mm長さ約4mmの円柱状のペレットとし、ポリエステル組成物(A)を得た。得られたポリエステル組成物(A)の固有粘度(C)は0.63dl/g、アンチモン含有量は0.0065重量%、カルボキシル末端基量は32当量/106g、またオリゴマーの量は1.2重量%であった。
ポリエステル組成物(A)に関しては、実施例1を表1記載の条件及び方法で実施した。また、加熱処理に関しては、実施例1を表1記載の条件及び方法で実施した。各ポリエステル組成物(B)及びフィルムの物性は表1記載の通り良好であった。
ポリエステル組成物(A)に関しては、実施例1を表1記載の条件及び方法で実施した。また、加熱処理に関しては、加熱処理装置として図2に示した円錐型回転式の装置を用いて、133Pa以下に減圧しながらペレット温度が225℃となるよう加熱し、オリゴマー0.4重量%以下となるよう所定時間加熱処理を実施した。この時の、ポリエステル組成物(B)の固有粘度は0.79dl/gまで上昇し、オリゴマー含有量は0.36重量%であった。また、ペレットに含まれるポリマー粉量は800ppmとなった。これを実施例1と同様にフィルムにして評価を行った結果、ペレットの融着は比較的良好であったが、その他の物性は表1の通り不良であった。
ポリエステル組成物(A)に関しては、実施例1を表1記載の条件及び方法で実施した。また、加熱処理に関しては、比較例1記載の加熱処理装置を用いて、ペレット温度が150℃となるまで133Pa以下の減圧下で昇温を行い、その後、窒素によって大気圧とし、さらにペレット温度が225℃となるよう加熱し、オリゴマー0.4重量%以下となるよう所定時間加熱処理を実施した。しかし、評価は表1の通り不良であった。
ポリエステル組成物(A)に関しては、実施例1を表1記載の条件及び方法で実施した。また、加熱処理に関しては、実施例1を表1記載の条件及び方法で実施した。しかし、処理途中でペレット及び装置内への融着が生じたため処理の継続が出来ず評価すべきポリエステル組成物(B)を得ることが出来なかった。
ポリエステル組成物(A)に関しては、実施例1を表1記載の条件及び方法で実施した。また、加熱処理に関しては、実施例1を表1記載の条件及び方法で実施した。しかし、得られたポリエステル組成物(B)中のペレットの融着が不良であったため、以後のフィルム評価は実施できなかった。
ポリエステル組成物(A)に関しては、実施例1を表1記載の条件及び方法で実施した。また、加熱処理に関しては、循環ガス中の濾布式集塵装置6をバイパスさせた以外は実施例1記載の方法に従って実施した。しかし、評価は表1の通り不良であった。
ポリエステル組成物(A)に関しては、実施例1を表1記載の条件及び方法で実施した。また、加熱処理に関しては、冷却塔8を通じて水分等のポリマーからの蒸発成分を除去しながら実施した以外は実施例1記載の方法に従って実施した。しかし、評価は表1の通り不良であった。
2:加熱処理塔
3:攪拌翼
4:攪拌軸
5:ペレット排出口
6:集塵装置
7:熱交換機
8:冷却塔
9:バイパス
10:循環ブロワー
11:加熱ヒーター
12:循環不活性ガス供給口
13:排気口
Claims (3)
- テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするジオールとをエステル化反応もしくはエステル交換反応し、次いで重縮合反応させることにより、固有粘度(C)が0.52dl/g以上、0.68dl/g以下として得られたポリエステル樹脂(A)をペレット化し、下記(a)、(b)を満足する処理を行うことにより、固有粘度(D)が0.50dl/g以上0.70dl/g以下、オリゴマーの含有量が0.4重量%以下、であるポリエステル樹脂(B)を得ることを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
(a)撹拌機を有する流動式竪型の加熱装置において、装置内のペレット充填体積が静置時の1.03〜1.18倍となるよう循環気体を循環させ、ポリエステル樹脂(A)と同一成分のポリマー粉のみを循環気体から除去しながら加熱気体を循環させ、ペレットの加熱処理温度が205℃以上235℃以下となる範囲で実施する。
(b)ポリエステル樹脂(A)の固有粘度(C)、処理後のポリエステル樹脂(B)の固有粘度(D)の関係が−0.05dl/g≦{(D)−(C)}≦0.05dl/gを満足する。 - 加熱処理前のポリエステル樹脂(A)のアンチモン元素含有量が、0.005重量%以上、0.020重量%以下であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル樹脂の製造方法。
- 処理後のポリエステル樹脂(B)中のポリマー粉量が700ppm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のポリエステル樹脂の製造方法。
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