JP5044279B2 - 電子素子のためのシリコーン樹脂被覆 - Google Patents
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Description
− 第一工程において1つの反応器において、完全脱塩水と、少なくとも1種の芳香族溶剤及び少なくとも1種のアルキルエステルを有する溶剤混合物とを装入し、その際、
− 第二工程において前記装入物に撹拌しながらクロロシラン混合物を添加し、その際、温度は50℃を超過せず、そして
− 第三工程において1成分のH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂を含有する反応混合物の水相を分離し、そして
− 第四工程において1成分のH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂を含有する相を1ないし複数の洗浄工程で洗浄して、残留HCl含量を減らし、その際、1成分のH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂の最後の洗浄工程に、pH値7.00〜8.50にある塩基の0.01〜1.0%水溶液を添加し、かつ洗浄を温度20〜50℃で実施することを特徴とする製造方法である。
そのために、第一工程において1つの反応器で、完全脱塩水と好適な溶剤の混合物とを装入する。第二工程において、撹拌された装入物に、相応のクロロシラン混合物をゆっくりと添加する。それは、有利には、少なくとも1つのT単位(R=アルキル又はアリール)、少なくとも3つの異なるD単位(R=H、アルキル、アルケニル及びアリール)及び少なくとも1つのM単位(R=アルキル)を有する組成物である。有利には、T単位(R=アリール)、少なくとも3つの異なるD単位(R=H、アルキル、アルケニル及びアルキル/アリール)並びに少なくとも1つのM単位(R=C1〜C3−アルキル)からなる組成物である。特に有利には、T単位(R=C6−アリール)、少なくとも3つの異なるD単位(R=ビニル−メチル、H−メチル及びフェニル−メチル)及びM単位(R=C1−アルキル)からなる組成物である。
1成分のH−シロキサン含有のシリコーン樹脂:99部以下
効果的な触媒:1部以上
がもたらされる。
60リットルのガラスフラスコであって、撹拌機、加熱手段、冷却器付の蒸留手段並びに滴下漏斗を備えたフラスコ中に、19360gの完全脱塩水、6537gの酢酸エステル及び14763gのトルエンを装入する。前記装入物に、3807gのフェニル−シラン、3440gのフェニル−メチル−シラン、1502gのH−メチル−シラン、1457gのビニル−メチル−シラン及び60gのM3−シランからなるクロロシラン混合物を、好適な装入容器、例えば滴下漏斗を用いて、撹拌された装入物に対して1.5〜2時間以内で添加する。その際に、反応混合物の温度を、配量開始時の18〜20℃から配量終了時の40〜50℃に高める。反応実施後に、HCl含有の水相から、生成物を含有する溶剤混合物を分離する。その都度18000gの完全脱塩水での二回の洗浄後に、第三の洗浄過程と最後の洗浄過程で、こうして製造されたH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂を、18000gの完全脱塩水と、180g、又は18.0g、又は9.0g、又は3.6g、又は1.8gの炭酸水素ナトリウムとからなる水性塩基であって、該水溶液のpH値が7.50〜8.5の塩基で洗浄した、するとその際、水素は発生しない。この場合に、溶剤混合物中に溶解されたH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂の残留HCl含量は、それぞれ1ppm未満に低減される。
60リットルのガラスフラスコであって、撹拌機、加熱手段、冷却器付の蒸留手段並びに滴下漏斗を備えたフラスコ中に、19360gの完全脱塩水、6537gの酢酸エステル及び14763gのトルエンを装入する。前記装入物に、3807gのフェニル−シラン、1903gのフェニル−メチル−シラン、1502gのH−メチル−シラン、1457gのビニル−メチル−シラン及び60gのM3−シランからなるクロロシラン混合物を、好適な装入容器、例えば滴下漏斗を用いて、撹拌された装入物に対して1.5〜2時間以内で添加する。その際に、反応混合物の温度を、配量開始時の18〜20℃から配量終了時の40〜50℃に高める。反応実施後に、HCl含有の水相から、生成物を含有する溶剤混合物を分離する。その都度18000gの完全脱塩水での二回の洗浄後に、第三の洗浄過程と最後の洗浄過程で、こうして製造されたH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂を、18000gの完全脱塩水と、180.0g、又は18.0g、又は9.0g、又は3.6g、又は1.8gの炭酸水素ナトリウムとからなる水性塩基であって、該水溶液のpH値が7.0〜8.5の塩基で洗浄した、するとその際、水素は発生しない。この場合に、溶剤混合物中に溶解されたH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂の残留HCl含量は、それぞれ1ppm未満に低減される。
Silres H62A;Wacker Chemie AG社製の標準的な製品は、今までの従来技術に相当する(特許JP2004−140220号Aも参照のこと)。
本発明による1成分のH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂並びに工業的に得られる付加架橋可能なシリコーン樹脂Silres H62A(参考例2)を、それぞれ効果的な触媒成分、すなわち白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体と、比率99:1で混合し、そして150℃で2時間硬化させる。
ショアD 曲げ強さ(N/mm2)
実施例1 73 40
実施例2 65 45
参考例2 60 20
ここでは、架橋直後の破壊傾向あるいは熱衝撃試験(TST)の相応のサイクルの終了後の破壊傾向を、0〜5のスケールで表す。この際、0〜2は、試験体中に亀裂なしもしくは僅かな微視亀裂ありを意味し、かつ3〜5は、試験体中に多くの微視亀裂ありもしくは僅かなないし多くの巨視亀裂ありを意味する。更に、0〜2の結果は、低い破壊傾向を意味し、3〜5の結果は、明らかないし激しい破壊傾向を意味する。
破壊傾向 10サイクル後 55サイクル後
実施例1 0 2
実施例2 2 2
参考例2 5 5
理解されるように、本発明による1成分のH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂は、付加架橋されたシリコーン樹脂として、高い表面硬さ(60より大きいショアD)と同時に、高い可撓性(曲げ強さN/mm2)並びに低い破壊傾向に優れている。
従って、本発明により製造された1成分のH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂は、100%の樹脂として、電子素子あるいは電子工学素子の被覆のために極めて広い意味で使用することができる。特に、これらの1成分のH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂は、それらの特別な特性に応じて、発光ダイオード、つまりLEDの製造のために、又は電気モータ、例えば主電動機又はハイブリッドモータの被覆のために使用することができる。
Claims (10)
- 一般式1
− 第一工程において1つの反応器において、完全脱塩水と、少なくとも1種の芳香族溶剤及び少なくとも1種のアルキルエステルを有する溶剤混合物とを装入し、その際、
− 第二工程において前記装入物に撹拌しながらクロロシラン混合物を添加し、反応させ、その際、温度は50℃を超過せず、そして
− 第三工程において1成分のH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂を含有する反応混合物の水相を分離し、そして
− 第四工程において1成分のH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂を含有する相を1ないし複数の洗浄工程で洗浄して、残留HCl含量を減らし、その際、1成分のH−シロキサン含有の付加架橋可能なシリコーン樹脂の最後の洗浄工程に、pH値7.00〜8.50にある塩基の0.01〜1.00%水溶液を添加し、かつ洗浄を温度20〜50℃で実施することを特徴とする製造方法。 - 請求項2記載の1成分の付加架橋可能なシリコーン樹脂であって、Rがメチルを意味し、R′2がビニル、メチル、H及びフェニルを意味し、かつR′′がフェニルを意味することを特徴とする1成分の付加架橋可能なシリコーン樹脂。
- 請求項2又は3記載の1成分の付加架橋可能なシリコーン樹脂であって、mが0.01〜0.60質量%を意味し、dが57.00〜63.00質量%を意味し、かつtが35.00〜40.00質量%を意味することを特徴とする1成分の付加架橋可能なシリコーン樹脂。
- 請求項2又は3記載の1成分の付加架橋可能なシリコーン樹脂であって、mが0.01〜0.58質量%を意味し、dが60.00〜62.50質量%を意味し、かつtが36.00〜37.50質量%を意味することを特徴とする1成分の付加架橋可能なシリコーン樹脂。
- 請求項2から5までのいずれか1項記載の1成分の付加架橋可能なシリコーン樹脂であって、D中のR′2が、R′a(C 2 〜C3を有する一不飽和の炭化水素)、R′b(H−Si基)、R′c(C1〜C3を有する炭化水素)及びR′d(芳香族炭化水素)から構成され、その際、a:b:c:d=1:1.03:3.7〜4.4:1.66〜2.4を意味することを特徴とする1成分の付加架橋可能なシリコーン樹脂。
- 請求項2から5までのいずれか1項記載の1成分の付加架橋可能なシリコーン樹脂であって、D中のR′2が、R′a(C 2 〜C3を有する一不飽和の炭化水素)、R′b(H−Si基)、R′c(C1〜C3を有する炭化水素)及びR′d(芳香族炭化水素)から構成され、その際、a:b:c:d=1:1.03:4.2〜4.4:2〜2.4を意味することを特徴とする1成分の付加架橋可能なシリコーン樹脂。
- 架橋されたシリコーン樹脂であって、請求項2から7までのいずれか1項記載の又は請求項1に記載の方法により製造される1成分の付加架橋可能なシリコーン樹脂が架橋され、かつ該付加架橋されたシリコーン樹脂が60より大きいショアDの表面硬さ(室温25℃で)、35N/mm2より大きい曲げ強さを有し、かつ破壊傾向が少なくとも50サイクルのTST後に0〜2であることを特徴とする架橋されたシリコーン樹脂。
- 成形体であって、それが請求項8記載のシリコーン樹脂であることを特徴とする成形体。
- 請求項9記載の成形体であって、該成形体が被覆であることを特徴とする成形体。
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