JP6264307B2 - 付加硬化型シリコーン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、特定構造を有するオルガノポリシロキサン化合物を活用することで、速硬化性を発現する付加硬化型シリコーン組成物に関する。
付加硬化型シリコーン組成物は硬化して、電気特性や耐寒性、耐熱性や化学的安定性に優れたシリコーンゲルやシリコーンゴム、ハードコート膜等を形成するので、電気・電子部品、半導体素子の封止剤、充填剤あるいはコーティング剤、光半導体絶縁被覆保護剤等として広範に利用される。また各種無機充填剤を配合することで、組成物の強度を高めたり、耐熱性を付与することが可能である。更に、半導体素子やLED基板等の電子部品の放熱材料や導電材料としても活用される。
付加硬化型シリコーン組成物において付加硬化反応を進行させるためには、多くの場合加熱工程が必要となる。生産性の向上、更には近年叫ばれている環境負荷の低減という観点から、加熱工程に要する時間は短く、熱量は少なくて済むことが好ましい。即ち、速硬化性の付加硬化型シリコーン組成物への期待が高まっている。
通常、付加硬化型シリコーン組成物には保存性を確保する目的でアセチレンアルコールなどを反応抑制剤として配合する場合が多い(特許文献1:特開平4−46962号公報等)。反応制御剤を活用することで良好な保存性が確保できる一方、反応制御剤の存在は硬化性を低下させるという問題もある。
付加硬化型シリコーン組成物の保存性を確保したまま、硬化性を低下させる反応制御剤を使用しない手法としては、例えば、付加反応を進行させるヒドロシリル化触媒を特定の融点を有する熱可塑性樹脂やシリコーン樹脂などに包埋してカプセル化して組成物中に配合し、加熱によるこれら樹脂の溶融や溶剤による溶解によりヒドロシリル化触媒をシリコーン組成物中に放出させる方法が提案されている(特許文献2〜7:特開昭58−37053号公報、特開昭64−51140号公報、特開平2−9448号公報、特開平2−14244号公報、特開平5−202193号公報、特開平7−196921号公報等)。しかしながら、このマイクロカプセル化による方法は、組成物中に高濃度の白金族金属触媒が偏在して存在するため、部分的な硬化を起こし易いという問題がある。
特開平4−46962号公報 特開昭58−37053号公報 特開昭64−51140号公報 特開平2−9448号公報 特開平2−14244号公報 特開平5−202193号公報 特開平7−196921号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、特定構造を有するオルガノポリシロキサン化合物を活用することで、速硬化性を発現する付加硬化型シリコーン組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、後述する一般式(1)で示されるα,α−二置換末端ビニル基含有オルガノポリシロキサン化合物、1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子(即ちSiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物、ヒドロシリル化触媒、更に必要によりアセチレン化合物、窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物及び有機クロロ化合物からなる群より選択される1種以上の制御剤を含有する付加硬化型シリコーン組成物が、優れた速硬化性を発現することを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示す付加硬化型シリコーン組成物を提供する。
〔1〕
(A)下記一般式(1)で示されるα,α−二置換末端ビニル基含有オルガノポリシロキサン化合物
Figure 0006264307
〔式中、R1は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R2は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基、又は下記一般式(a)
Figure 0006264307
で示される基を表し、それぞれのR2は同一であっても異なっていてもよい。xは0〜1,998の整数を示す。R3は上記式(a)で示される基を表し、それぞれのR3は同一であっても異なっていてもよい。 4 はメチル基、エチル基、フェニル基のいずれかを表し、それぞれのR 4 は同一であっても異なっていてもよい。aは1〜2,000の整数を示し、bは0〜1,999の整数を示し、かつa,b及びxの合計は1〜2,000の整数を示す。〕:100質量部、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子(即ちSiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物:(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(B)成分中のSiH基の個数が1〜5となる量、
(C)ヒドロシリル化触媒:有効量
を必須成分とすることを特徴とする付加硬化型シリコーン組成物。
〔2〕
(D)アセチレン化合物、窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物及び有機クロロ化合物からなる群より選択される1種以上の制御剤を有効量含有する〔1〕に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
〔3〕
(E)金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素の同素体からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機充填剤:(A)成分100質量部に対して1〜5,000質量部
を更に含む〔1〕又は〔2〕に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
〔4〕
(F)下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノポリシロキサン化合物
Figure 0006264307
〔式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。cは5〜100の整数を示す。〕:(A)成分100質量部に対して1〜200質量部、
(G)下記一般式(3)で示される加水分解性オルガノシラン化合物
Figure 0006264307
〔式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R5は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表す。〕:(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部
のいずれか又は両方を更に含む〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の付加硬化型シリコーン組成物。
本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、特定構造を有するオルガノポリシロキサン化合物を活用することで、優れた速硬化性を発現するものである。
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス[1−(トリメチルシリル)エテニル]ジシロキサンの1H−NMRスペクトルである。 1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス[1−(トリメチルシリル)エテニル]ジシロキサンの13C−NMRスペクトルである。
以下に本発明を詳細に記述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、
(A)下記一般式(1)で示されるα,α−二置換末端ビニル基含有オルガノポリシロキサン化合物
Figure 0006264307
〔式中、R1は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R2は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基、又は下記一般式(a)
Figure 0006264307
で示される基を表し、それぞれのR2は同一であっても異なっていてもよい。xは0〜1,998の整数を示す。R3は上記式(a)で示される基を表し、それぞれのR3は同一であっても異なっていてもよい。R4は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR4は同一であっても異なっていてもよい。aは1〜2,000の整数を示し、bは0〜1,999の整数を示し、かつa,b及びxの合計は1〜2,000の整数を示す。〕:100質量部、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子(即ちSiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物:(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(B)成分中のSiH基の個数が1〜5となる量、
(C)ヒドロシリル化触媒:有効量
を必須成分とし、必要により
(D)アセチレン化合物、窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物及び有機クロロ化合物からなる群より選択される1種以上の制御剤:有効量
を配合するものである。
(A)成分は本組成物のベースポリマーであり、下記一般式(1)で示されるα,α−二置換末端ビニル基含有オルガノポリシロキサン化合物である。
Figure 0006264307
〔式中、R1は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R2は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基、又は下記一般式(a)
Figure 0006264307
で示される基を表し、それぞれのR2は同一であっても異なっていてもよい。xは0〜1,998の整数を示す。R3は上記式(a)で示される基を表し、それぞれのR3は同一であっても異なっていてもよい。R4は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR4は同一であっても異なっていてもよい。aは1〜2,000の整数を示し、bは0〜1,999の整数を示し、かつa,b及びxの合計は1〜2,000の整数を示す。〕
このオルガノポリシロキサン化合物は、α位にトリオルガノシリル基が置換されたビニル基を末端ケイ素原子上に有することを特徴とするものである。このようなオルガノポリシロキサン化合物であれば、付加硬化型シリコーン組成物のベースポリマーとして適用した場合、ビニル基上のα位に置換されたトリオルガノシリル基の置換基効果により優れた速硬化性が発現する。
上記式(1)中のR1は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基であり、好ましくは置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい1価不飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい1価芳香族炭化水素基(芳香族ヘテロ環を含む)が挙げられ、より好ましくは置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい1価芳香族炭化水素基、特に好ましくは置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基である。
置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等の分岐鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ブロモプロピル基等のハロゲン置換アルキル基などの、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜6のものである。
置換基を有してもよい1価不飽和脂肪族炭化水素基として、具体的には、エテニル基、1−メチルエテニル基、2−プロペニル基等のアルケニル基、エチニル基、2−プロピニル基等のアルキニル基などの、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜6のものである。
置換基を有してもよい1価芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、α,α,α−トリフルオロトリル基、クロロベンジル基等のハロゲン置換アリール基などの、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6のものである。
1としては、これらの中でも、メチル基、エチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、フェニル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、フェニル基であり、特に好ましくはメチル基である。
上記式(1)中のR2は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基、又は下記一般式(a)
Figure 0006264307
(式中、R1,R4は上記と同じである。xは0〜1,998の整数、好ましくは0〜1,800の整数、より好ましくは0〜1,500の整数を示す。)
で示される基であり、好ましくは置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい1価不飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい1価芳香族炭化水素基(芳香族ヘテロ環を含む)、式(a)で示される基が挙げられ、より好ましくは置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい1価芳香族炭化水素基、式(a)で示される基、特に好ましくは置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基、式(a)で示される基である。
置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等の分岐鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ブロモプロピル基等のハロゲン置換アルキル基などの、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜6のものである。
置換基を有してもよい1価不飽和脂肪族炭化水素基として、具体的には、エテニル基、1−メチルエテニル基、2−プロペニル基等のアルケニル基、エチニル基、2−プロピニル基等のアルキニル基などの、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜6のものである。
置換基を有してもよい1価芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、α,α,α−トリフルオロトリル基、クロロベンジル基等のハロゲン置換アリール基などの、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6のものである。
2としては、これらの中でも、メチル基、エチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、フェニル基、又は上記式(a)で示される基のうち、R4がメチル基であるものが好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、フェニル基、又は上記式(a)で示される基のうち、R4がメチル基であり、特に好ましくはメチル基、又は上記式(a)で示される基のうち、R4がメチル基であるものである。
上記式(1)中のR3は上記式(a)で示される基である。R3としては、これらの中でも、上記式(a)で示される基のうち、R4がメチル基であるものが好ましい。
上記式(1)中のR4は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基であり、好ましくは置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい1価不飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい1価芳香族炭化水素基(芳香族ヘテロ環を含む)が挙げられ、より好ましくは置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい1価芳香族炭化水素基、特に好ましくは置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基である。
置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等の分岐鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ブロモプロピル基等のハロゲン置換アルキル基などの、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜6のものである。
置換基を有してもよい1価不飽和脂肪族炭化水素基として、具体的には、エテニル基、1−メチルエテニル基、2−プロペニル基等のアルケニル基、エチニル基、2−プロピニル基等のアルキニル基などの、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜6のものである。
置換基を有してもよい1価芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、α,α,α−トリフルオロトリル基、クロロベンジル基等のハロゲン置換アリール基などの、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6のものである。
4としては、これらの中でも、メチル基、エチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、フェニル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、フェニル基であり、特に好ましくはメチル基である。
上記式(1)中、aは1〜2,000の整数、好ましくは10〜1,800の整数、より好ましくは20〜1,500の整数である。aが2,000を超えると高粘度となり、取り扱い性が困難となる。bは0〜1,999の整数、好ましくは0〜1,000の整数、より好ましくは0〜100の整数である。bが1,999を超えると高粘度となり、取り扱い性が困難となる。a,b及びR2あるいはR3として含まれる式(a)中のxの合計は1〜2,000の整数、好ましくは10〜1,800の整数、より好ましくは20〜1,500の整数である。また、a,b及びR2あるいはR3として含まれる式(a)中のxの合計は1〜2,000の整数、好ましくは10〜1,800の整数、より好ましくは20〜1,500の整数である。a,b及びxの合計が2,000を超えると高粘度となり、取り扱い性が困難となる。なお、各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。
式(1)で示されるα,α−二置換末端ビニル基含有オルガノポリシロキサン化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006264307
本発明に係わるα,α−二置換末端ビニル基含有オルガノポリシロキサン化合物(1)は、酸性又は塩基性触媒の存在下、下記一般式(i)で示される化合物と、下記一般式(ii)で示される化合物又は下記一般式(iii)で示される化合物との平衡化反応により製造することができる。
Figure 0006264307
(式中、R1〜R4は上記と同じである。R20、R30については後述する。mは3〜20の整数を示し、yは3又は4を示す。)
なお、上記式(ii)の化合物は下記式(iia)と式(iib)とのヒドロシリル化反応によって製造することができる。
Figure 0006264307
(式中、R1,R4は上記と同じである。)
この場合、上記ヒドロシリル化反応には、ペンタメチルシクロペンタジエニルトリス(アセトニトリル)ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスファート、シクロペンタジエニルトリス(アセトニトリル)ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスファート等のルテニウム系触媒を使用することにより、高選択的に上記式(ii)の化合物を得ることができる。
本発明の式(1)で示される化合物の末端及び分岐鎖を構成する原料としては、上記式(iii)で示されるオルガノシロキサン化合物が挙げられる。
上記式(iii)中のR20は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基、又は下記一般式(a0)
Figure 0006264307
(式中、R1,R4は上記と同じである。)
で示される基を表し、それぞれのR20は同一であっても異なっていてもよい。
上記式(iii)中のR30は上記式(a0)であり、そのうち、R4がメチル基であるものが好ましい。
上記式(iii)の化合物は、上記式(ii)の化合物と下記式(iv)の化合物との反応によって得ることができる。
Figure 0006264307
(式中、R20は上述の通りである。yは3又は4であり、OR’は炭素数1〜4のアルコキシ基である。)
この場合、反応はメタノール等のアルコールの存在下、0〜25℃程度の温度下に濃硫酸を加え、式(ii)の化合物から下記式(v)
Figure 0006264307
(式中、R1,R4は上記と同じである。)
を生成する反応と、式(iv)のアルコキシシランの加水分解反応、式(v)との脱水、脱アルコールを伴う縮合反応によって、式(iii)の化合物を得ることができる。
(B)成分は本組成物の架橋剤であり、ケイ素原子に結合した水素原子(即ちSiH基)を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上、特には3〜100個、更には3〜20個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物である。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中のSiH基が、上述した(A)成分と後述する白金族金属触媒の存在下に付加反応し、架橋構造を形成できるものであればよい。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、上記性質を有するものであればその分子構造は特に限定されず、直鎖状、分岐鎖状、環状、一部分岐又は環状構造を有する直鎖状等が挙げられる。好ましくは直鎖状、環状である。
該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、25℃の動粘度1.0〜1,000mm2/s、好ましくは10〜100mm2/sを有するのがよい。該動粘度が上記下限値未満では組成物の物理的特性が低下する場合があり、上記上限値超では組成物の伸展性が乏しいものとなる場合がある。本発明において、動粘度は、ウベローデ型オストワルド粘度計により測定した25℃における値である。
該オルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に結合した有機基としては、脂肪族不飽和炭化水素基以外の1価炭化水素基が挙げられる。特には、炭素数1〜20、好ましくは1〜12の、非置換又は置換の1価炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基、これらの水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等、及び、2−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等のエポキシ環含有有機基(グリシジル基又はグリシジルオキシ基置換アルキル基)が挙げられる。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独でも、2種以上を混合して使用してもよい。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、例えば、下記平均組成式(7)で表される。
6 deSiO(4-d-e)/2 (7)
上記式(7)中、R6は、互いに独立に、脂肪族不飽和炭化水素基でない、炭素数1〜20、好ましくは1〜12の、非置換又は置換の1価炭化水素基であり、上述した有機基が挙げられる。dは0.7〜2.1、好ましくは0.8〜2.05の正数であり、eは0.001〜1.0、好ましくは0.005〜1.0の正数であり、かつd+eが0.8〜3.0、好ましくは1.0〜2.5を満たす数である。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの重量平均分子量は好ましくは100〜30,000、更に好ましくは500〜10,000である。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造は特に制限されるものでなく、直鎖状、分岐鎖状、環状、一部分岐又は環状構造を有する直鎖状であってよい。
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物の配合量は、(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(B)成分中のSiH基の個数が1〜5、好ましくは1.2〜3となる量が好ましく、より好ましくは1.3〜2となる量である。(B)成分の量が上記下限値未満では付加反応が十分に進行せず、架橋が不十分となるおそれがある。また、上記上限値超では、架橋構造が不均一となったり、組成物の保存性が著しく悪化するおそれがある。
(C)成分はヒドロシリル化触媒であり、上述した付加反応を促進するために機能する。ヒドロシリル化触媒は、付加反応に用いられる従来公知のものを使用することができる。例えば、白金系、パラジウム系、ロジウム系の触媒が挙げられるが、中でも比較的入手し易い白金又は白金化合物が好ましい。例えば、白金の単体、白金黒、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、白金配位化合物等が挙げられる。ヒドロシリル化触媒は1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい
(C)成分の配合量は触媒としての有効量、即ち、付加反応を促進して本発明の組成物を硬化させるために必要な有効量であればよい。特には、(A)成分に対し、白金族金属原子に換算した質量基準で0.1〜500ppm、より好ましくは1〜200ppmである。触媒の量が上記下限値より小さいと触媒としての効果が得られないおそれがある。また上記上限値を超えても触媒効果が増大することはなく不経済であるため好ましくない。
(D)成分は制御剤であり、室温でのヒドロシリル化反応の進行を抑え、シェルフライフ、ポットライフを延長させるために機能する。該制御剤は、付加硬化型シリコーン組成物に使用される従来公知の制御剤を使用することができる。例えば、アセチレンアルコール類(例えば、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール)等のアセチレン化合物、トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の各種窒素化合物、トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物、オキシム化合物、有機クロロ化合物等が挙げられる。
(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.05〜0.6質量部、好ましくは0.1〜0.5質量部である。制御剤の量が上記下限値未満では、所望とする十分なシェルフライフ、ポットライフが得られないおそれがあり、また、上記上限値超ではシリコーン組成物の硬化性が低下するおそれがある。制御剤は、シリコーン組成物への分散性をよくするために、トルエン等で希釈して使用してもよい。
本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、更に(E)成分の金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素の同素体からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機充填剤を含有することができる。
(E)成分の無機充填剤は、本発明の組成物に熱伝導性や耐熱性、補強性や導電性といった種々特性を付与するためのものであり、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素の同素体からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料からなるものが好ましく、例えば、アルミニウム、銀、銅、金属ケイ素、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化セリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、ダイヤモンド、グラファイト、カーボンナノチューブ、グラフェンなどが挙げられ、組成物に熱伝導性を付与するためにはアルミニウム、アルミナ、酸化亜鉛、窒化ホウ素の使用が好ましく、耐熱性を付与するためには酸化セリウム、水酸化セリウム、酸化鉄の使用が好ましく、補強性を付与するためには二酸化ケイ素の使用が好ましく、導電性を付与するためには銀、銅の使用が好ましい。
無機充填剤の平均粒径は、100μmより大きいと得られる組成物が不均一となるおそれがあるため、100μm以下の範囲、好ましくは40μm以下の範囲がよい。なお、平均粒径は、例えば、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値(又はメジアン径)として求めることができる。
また無機充填剤の形状は、球状、不定形状、針状、板状など、特に限定されるものではない。
(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し5,000質量部より多いと高粘度となって取り扱い性に困難が生じることがあり、また均一な組成物とならない場合もあるため、5,000質量部以下の範囲、好ましくは2,000質量部以下の範囲とするのがよい。なお、配合する場合は、0.1質量部以上、特に1.0質量部以上であることが好ましい。
本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、更に下記一般式(2)で示される(F)成分の加水分解性オルガノポリシロキサン化合物及び下記一般式(3)で示される(G)成分の加水分解性オルガノシラン化合物のいずれか又は両方を含むことができる。
Figure 0006264307
〔式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。cは5〜100の整数を示す。〕
Figure 0006264307
〔式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R5は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表す。〕
(F)成分の加水分解性オルガノポリシロキサン化合物及び(G)成分の加水分解性オルガノシラン化合物は、無機充填剤の表面を処理するために用いるものであるが、充填剤の高充填化を補助するばかりでなく、充填剤表面を覆うことにより充填剤同士の凝集を起こりにくくし、高温下でもその効果は持続するため、本発明の付加硬化型シリコーン組成物の耐熱性を向上させる働きがある。
上記式(2)及び(3)中のR1は上述のR1と同様のものを例示することができ、これらの中でも、メチル基、エチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、フェニル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、フェニル基であり、特に好ましくはメチル基である。
上記式(3)中のR5は上述のR1と同様のものを例示することができ、これらの中でも、炭素数4〜20の無置換の直鎖1価飽和脂肪族炭化水素基が好ましく、更に好ましくは炭素数6〜14の無置換の直鎖1価飽和脂肪族炭化水素基であり、特に好ましくは炭素数6〜12の無置換の直鎖1価飽和脂肪族炭化水素基である。
(F)成分の加水分解性オルガノポリシロキサン化合物を配合する場合の添加量は、付加硬化型シリコーン組成物中、多すぎるとオイルブリードし易くなったり、十分に硬化反応が進行しない場合があるので、(A)成分100質量部に対して1〜200質量部であることが好ましく、5〜100質量部であることが特に好ましい。
また(G)成分の加水分解性オルガノシラン化合物を配合する場合の添加量は、付加硬化型シリコーン組成物中、多すぎるとオイルブリードし易くなったり、ボイドの発生を招く場合があるので、(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜8質量部であることが特に好ましい。
本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、組成物の弾性率や粘度を調整するためにメチルポリシロキサン等の反応性を有さないオルガノ(ポリ)シロキサンを含有してもよい。更に、シリコーン組成物の劣化を防ぐために、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の、従来公知の酸化防止剤を必要に応じて含有してもよい。また、接着助剤、染料、顔料、難燃剤、沈降防止剤、又はチクソ性向上剤等を、必要に応じて配合することができる。
次に、本発明における付加硬化型シリコーン組成物の製造方法について説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の付加硬化型シリコーン組成物を製造するには、(A)〜(C)成分、及び必要に応じて(D)、(E)、(F)、(G)成分、その他の成分をあわとり練太郎((株)シンキーの登録商標)、トリミックス、ツウィンミックス、プラネタリーミキサー(いずれも(株)井上製作所製混合機の登録商標)、ウルトラミキサー(みづほ工業(株)製混合機の登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機の登録商標)等の混合機、もしくはヘラ等を用いた手混合にて混合する方法を採用することができる。
本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、従来の一般的なシリコーン組成物と同様に広範な用途に好適に用いることができ、特に優れた速硬化性を要求される用途に対して有効である。本発明の付加硬化型シリコーン組成物を加熱硬化する場合の硬化条件は、特に制限されるものでないが、通常70〜200℃、好ましくは75〜180℃、特に好ましくは80〜170℃で、10分〜24時間、好ましくは30分〜12時間、特に好ましくは1〜6時間である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、本発明に係わる効果に関する試験は次のように行った。また、粘度は回転粘度計による25℃の値を示し、動粘度はウベローデ型オストワルド粘度計による25℃の値を示す。
[硬化性試験(1)]
直径2.5cmの2枚のパラレルプレートの間に、シリコーン組成物を厚み2mmで塗布した。塗布したプレートを25℃から105℃まで8℃/分、105℃から120℃まで1.5℃/分、120℃から125℃まで0.5℃/分で昇温した後、125℃で7,200秒維持するプログラムを作成し、貯蔵弾性率G’が損失弾性率G’’を上回るのに要する時間を読み取った。なお測定には、粘弾性測定装置(タイプRDAIII:レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー(株)製)を用いた。
[硬化性試験(2)]
シリコーン組成物を窒素中、25℃から200℃まで10℃/分の昇温速度で加熱し、付加反応に起因する発熱ピークが現れる温度を読み取った。なお測定には、示差走査熱量測定装置(DSC820:メトラー・トレド製)を用いた。
まず、本発明の付加硬化型シリコーン組成物を調製する以下の各成分を用意した。
(A)成分
(A)成分のα,α−二置換末端ビニル基含有オルガノポリシロキサン化合物の末端原料となる、下記式(8)で表される、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス[1−(トリメチルシリル)エテニル]ジシロキサンを用意した。
Figure 0006264307
攪拌機、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた500mLの四つ口フラスコに、脱水ジクロロメタン240gとペンタメチルシクロペンタジエニルトリス(アセトニトリル)ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスファート0.458gを加え、25℃で攪拌した。次いで、攪拌しながら1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン7.3g(54mmol)及びエチニルトリメチルシラン8.9g(91mmol)を同時滴下していくと、反応温度は30〜32℃まで上昇した。2時間反応系を保持した後に濃縮し、減圧蒸留を行うことで無色透明の留分として目的の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス[1−(トリメチルシリル)エテニル]ジシロキサン10.2g(収率68%)を得た。得られた1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス[1−(トリメチルシリル)エテニル]ジシロキサンの1H−NMRスペクトル及び13C−NMRスペクトルを図1及び図2にそれぞれ示した。
続いて(A)成分を調製した。
A−1:
攪拌機及び温度計を備えた500mLの四つ口フラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン147g(497mmol)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス[1−(トリメチルシリル)エテニル]ジシロキサン3.4g(10.3mmol)、濃硫酸4.5gを入れ、室温で3時間攪拌した。続いて、水1.5gを加えて30分間攪拌し、更にトルエン75mL、水100mLを加えて廃酸分離を行った後、系が中性になるまで水洗洗浄を行った。その後150℃/10mmHgで減圧下ストリップし、加圧ろ過を行うことで、下記式(9)で表される無色透明のポリマーを得た(粘度:679mPa・s)。
Figure 0006264307
A−2:
攪拌機及び温度計を備えた500mLの四つ口フラスコに、オクタエチルシクロテトラシロキサン203g(497mmol)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス[1−(トリメチルシリル)エテニル]ジシロキサン3.4g(10.3mmol)、濃硫酸6.2gを入れ、室温で3時間攪拌した。続いて、水2.1gを加えて30分間攪拌し、更にトルエン100mL、水150mLを加えて廃酸分離を行った後、系が中性になるまで水洗洗浄を行った。その後150℃/10mmHgで減圧下ストリップし、加圧ろ過を行うことで、下記式(10)で表される無色透明のポリマーを得た(粘度:1,770mPa・s)。
Figure 0006264307
A−3:
両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が1,000mm2/sのジメチルポリシロキサン
(B)成分
B−1:
Figure 0006264307
B−2:
Figure 0006264307
(C)成分
C−1:
白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を上記A−3と同じジメチルポリシロキサンに溶解した溶液(白金原子含有量:白金原子として1質量%)
(D)成分
D−1:
Figure 0006264307
(E)成分
E−1:
平均粒径10.0μmのアルミニウム粉末
E−2:
平均粒径1.0μmの酸化亜鉛粉末
E−3:
平均粒径30nmの疎水性ヒュームドシリカ粉末
(F)成分
F−1:
Figure 0006264307
(G)成分
G−1:
Figure 0006264307
上記(A)〜(G)成分を以下のように混合して実施例1〜6及び比較例1〜6の組成物を得た。即ち、あわとり練太郎((株)シンキー製)に表1,2に示す配合量で(A)、必要に応じて(E)、(F)、(G)成分を加え、均一になるように混合した。次に(D)、(C)、(B)成分を加え、均一になるよう更に混合した。
得られた組成物の硬化性試験(1)、(2)の結果を表1,2に併記する。
Figure 0006264307
Figure 0006264307
表1,2の結果から、本発明の要件を満たす実施例1〜6では、比較例1〜6に比べ、硬化性試験(1)の結果より貯蔵弾性率G’が損失弾性率G’’を上回るのに要する時間が短く、また硬化性試験(2)の結果より付加反応に起因する発熱ピークが現れる温度が低いことが分かった。従って、本発明の付加硬化型シリコーン組成物が優れた速硬化性を有することが確認できた。
即ち、(A)下記一般式(1)で示されるα,α−二置換末端ビニル基含有オルガノポリシロキサン化合物
Figure 0006264307
〔式中、R1は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R2は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基、又は下記一般式(a)
Figure 0006264307
で示される基を表し、それぞれのR2は同一であっても異なっていてもよい。xは0〜1,998の整数を示す。R3は上記式(a)で示される基を表し、それぞれのR3は同一であっても異なっていてもよい。R4は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR4は同一であっても異なっていてもよい。aは1〜2,000の整数を示し、bは0〜1,999の整数を示し、かつa,b及びxの合計は1〜2,000の整数を示す。〕:100質量部、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子(即ちSiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物:(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(B)成分中のSiH基の個数が1〜5となる量、
(C)ヒドロシリル化触媒:有効量
を必須成分とすることで、速硬化性に優れた付加硬化型シリコーン組成物を得ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (4)

  1. (A)下記一般式(1)で示されるα,α−二置換末端ビニル基含有オルガノポリシロキサン化合物
    Figure 0006264307
    〔式中、R1は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R2は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基、又は下記一般式(a)
    Figure 0006264307
    で示される基を表し、それぞれのR2は同一であっても異なっていてもよい。xは0〜1,998の整数を示す。R3は上記式(a)で示される基を表し、それぞれのR3は同一であっても異なっていてもよい。 4 はメチル基、エチル基、フェニル基のいずれかを表し、それぞれのR 4 は同一であっても異なっていてもよい。aは1〜2,000の整数を示し、bは0〜1,999の整数を示し、かつa,b及びxの合計は1〜2,000の整数を示す。〕:100質量部、
    (B)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子(即ちSiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物:(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(B)成分中のSiH基の個数が1〜5となる量、
    (C)ヒドロシリル化触媒:有効量
    を必須成分とすることを特徴とする付加硬化型シリコーン組成物。
  2. (D)アセチレン化合物、窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物及び有機クロロ化合物からなる群より選択される1種以上の制御剤を有効量含有する請求項1に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
  3. (E)金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素の同素体からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機充填剤:(A)成分100質量部に対して1〜5,000質量部
    を更に含む請求項1又は2に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
  4. (F)下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノポリシロキサン化合物
    Figure 0006264307
    〔式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。cは5〜100の整数を示す。〕:(A)成分100質量部に対して1〜200質量部、
    (G)下記一般式(3)で示される加水分解性オルガノシラン化合物
    Figure 0006264307
    〔式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R5は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表す。〕:(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部
    のいずれか又は両方を更に含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
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