JP5024591B2 - コーティング組成物 - Google Patents

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本発明は、塗布性や溶液外観に優れ、且つ得られる塗膜の防汚性が良好な、シリカ微粒子を含有するコーティング組成物に関する。
シリカ微粒子を有機材料中に導入する試みは、様々な分野で行われている。例えば、コーティング組成物中にシリカ微粒子を加えることにより、得られる塗膜の硬度等の力学的特性を向上させたり、シリカ微粒子間の気泡(=空気の屈折率は1)により塗膜の屈折率を低下させたりすることが可能になる。また、シリカ微粒子を有機材料中に分散させることにより、高硬度かつ高耐久性の加工物(硬化物)を得ることが出来る。
しかしながら、シリカ微粒子を有機材料中に分散させる際、特に該シリカ微粒子を多量に配合した組成物をコーティングしようとする場合には、無機材料であるシリカ微粒子と有機材料との均一混合が困難であり、得られる塗膜表面の均質性が失われる場合が少なくない。このような場合、通常界面活性剤を添加することにより、塗布性を向上させることが可能である。特にフッ素系の界面活性剤を用いた場合には、該活性剤中のフッ素化アルキル基の表面自由エネルギーの低さがドライビングフォースとなり、コーティング組成物の表面張力を低下させることにより塗布性を向上させ得る。殊に、有機溶媒系においては、炭化水素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤と比較して、効果的に塗布性を向上させることが可能となる。さらに、フッ素系界面活性剤を用いると、フッ素化アルキル基の特長である撥水・撥油性により、炭化水素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤ではなしえなかった防汚性を塗膜表面に付与することも可能であることが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、組成物において不適当な構造を有する界面活性剤を用いると、相溶性不良を生じ、溶液外観が不良になり、得られる塗膜も透明性が低い等の不良を引き起こす。このような塗膜は、高透過率・高コントラストを要求される用途で支障をきたす。
フッ素系界面活性剤を用いる場合には、フッ素化アルキル基と同一分子中に存在し、適用される系に対する相溶性に寄与する、所謂、親媒基の設計は非常に重要であり、親媒基の種類や導入量によりその効果が激変することは珍しくない。
例えば、前記特許文献1では、シリカとエチレン性不飽和化合物とを含有する硬化性組成物から得られる塗膜に防汚性を付与し、更に該組成物のレベリングを向上させうるフッ素系界面活性剤として、フッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和化合物と、ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和化合物との共重合体である、即ち該親媒基がポリオキシアルキレン鎖であるフッ素系界面活性剤、特には、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体を親媒基として有するフッ素系界面活性剤を用いることが記載されている。しかしながら、該フッ素系界面活性剤を用いた際の塗布性向上効果は満足できるレベルではなく、また該界面活性剤の系に対する相溶性も不良であることから溶液外観も不良であり、更なる改良が求められている。
特開2005−146110号公報(第13、16〜18頁)
上記のような実情に鑑み、本発明の課題は、シリカ微粒子(無機材料)と重合性単量体(有機材料)とが共存する組成物において、該組成物の塗布性を向上させ得るフッ素系界面活性剤を選択し、溶液外観や塗布性に優れ、且つ得られる塗膜の防汚性が良好なコーティング組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、フッ素化アルキル基と、ポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖とを有するフッ素系界面活性剤が、シリカ微粒子と重合性単量体とを含有する組成物の溶液外観を低下させることなく、塗布性を向上させ、防汚性が良好な塗膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、シリカ微粒子(A)、重合性単量体(B)、フッ素化アルキル基(c1)とポリオキシアルキレン鎖(c2)とを有するフッ素系界面活性剤(C)を含有するコーティング組成物であり、フッ素系界面活性剤(C)中のフッ素化アルキル基(c1)が、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基で、ポリオキシアルキレン鎖(c2)が直鎖状又は分岐状でオキシアルキレン鎖の繰返し単位が2以上で、ポリオキシプロピレン鎖単独、ポリオキシブチレン鎖単独、又はポリオキシプロピレン鎖とポリオキシブチレン鎖であることを特徴とするコーティング組成物を提供するものである。
本発明によれば、シリカ微粒子を多量に配合した組成物であっても、溶液外観が良好で塗布性に優れ、塗装面積が広くても均一な塗膜で、防汚性も良好な表面を得ることが出来る。又、一般的に無機材料と有機材料との混合物の場合、無機材料の沈殿等が起こりやすいものであるが、本発明のコーティング組成物では、無機材料であるシリカ微粒子の沈殿・析出等の現象が見られず、工業的有用性が高い。更に、本発明のコーティング組成物は、シリカ微粒子を含有することから、機械的な強度(高耐擦傷性、高耐衝撃性など)、透明性、低屈折率性、絶縁性等の優れた性能を有する塗膜を与えるものであって、有機材料のみでは達成困難である高レベルの各種ハードコート剤や、反射防止膜材、絶縁膜材等の幅広い用途に好適に用いることができる。また、フッ素系界面活性剤を含有することから、フッ素化アルキル基の特性である撥水・撥油性に起因する防汚性も発現する。
本発明で用いるシリカ微粒子(A)は、本発明のコーティング組成物中において、主に得られる塗膜の耐擦傷性や耐衝撃性等のハードコート性に寄与する成分であり、目的とする用途によっては低屈折率性、低反射率性、低誘電率性にも寄与するものである。シリカ微粒子(A)を用いることによって、通常有機材料のみでは達成困難な物性、例えば前述のハードコート性と低屈折率性の両立が可能になる。
本発明においてシリカ微粒子(A)とは、粒子径が1〜500nmであるシリカ粒子およびその各種変性物を云い、該シリカ微粒子の製造方法としては特に限定されるものではない。例えば、一次粒子の平均粒子径(以下、一次粒子径と略記)が1〜200nmの範囲の無水ケイ酸の超微粒子を、各種分散媒中に分散させたコロイダルシリカ微粒子や該コロイダルシリカ微粒子を各種有機シラン化合物の加水分解生成物と縮合反応させて得られる有機変性シリカ微粒子等が挙げられる。前記コロイダルシリカ微粒子の一次粒子径としては、有機シラン化合物の加水分解生成物との反応工程においてゲル化を起こしにくく、且つ得られる塗膜の透明性が損なわれない点から、1〜200nmのものが好ましく、5〜100nmのものが特に好ましい。
通常、このようなコロイダルシリカ微粒子は、各種分散媒中に分散させて用いる事が好ましい。用いることができる分散媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合溶媒が挙げられる。前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコール等の多価アルコール系溶剤;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の多価アルコール誘導体;メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン系溶剤;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリルモノマー等が挙げられる。〔尚、以下、特に断わりのない限り、メタアクリレート、アクリレート、ハロアクリレートおよびシアノアクリレートを総称して(メタ)アクリレートという。〕これらの中でも、有機シラン化合物の加水分解生成物との反応による有機変性を行う場合には、反応性や分散容易性等の観点から、炭素数3以下のアルコール系溶剤を用いることが好ましい。
一般に、前記コロイダルシリカ微粒子そのものは、併用する他の成分、導入量にもよるが、有機材料に対する相溶性は乏しい場合が多い。本発明においても、後述する重合性単量体(B)及びフッ素系界面活性剤(C)との相溶性を向上させる事が可能である点、又はコーティング組成物中においてシリカ微粒子(A)を多量に配合する場合等には、コロイダルシリカ微粒子を有機変性することが好ましい。前記有機変性を行う場合のその方法についても特に制限はないが、例えば、変性すべき有機基を有する有機シラン化合物の加水分解生成物との化学反応が簡便であって好ましい方法である。
前記化学反応を行う場合に用いる有機シラン化合物としては、特に制限はなく、種々のものを使用することが可能である。例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリス(3−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロアルキルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは、1種類だけを単独で用いても、2種類以上を併用しても構わない。
また、それらの化合物のエポキシ基やグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加したシラン化合物、アミノ基に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物をマイケル付加したシラン化合物、アミノ基やメルカプト基に(メタ)アクリロイルオキシ基及びイソシアネート基を有する化合物を付加したシラン化合物、イソシアネート基に(メタ)アクリロイルオキシ基及び水酸基を有する化合物を付加したシラン化合物等も用いることができる。
このような有機シラン化合物は、原料の入手性、目的とするコーティング組成物への相溶性、コロイダルシリカ微粒子との反応性、反応後の保存安定性、後述する重合性単量体(B)との反応性の有無、さらには耐擦傷性、密着性、撥水撥油性、防汚性、滑り性等の目的とするコーティング組成物そのものの物性、機能性等に応じて適宜最適なものを選択することが好ましい。
前記コロイダルシリカ微粒子を有機変性する方法としては、特に制限はないが、変性すべき有機基を有する有機シラン化合物の加水分解生成物との化学反応が簡便であることから、以下、有機シラン化合物の加水分解反応について、例を挙げて説明する。
有機シラン化合物1モルに対して、アルコール溶媒等の有機溶媒の存在下又は非存在下において、0.5〜6モルの水、あるいは0.001〜0.1規定の塩酸又は酢酸水溶液等の加水分解触媒を加え、加熱下で攪拌しつつ、加水分解反応で生じるアルコールを系外に除去することにより、有機シラン化合物の加水分解生成物を得ることができる。得られた有機シラン化合物の加水分解生成物とコロイダルシリカ、トルエン等の非極性溶媒を用い、該非極性溶媒、水、及びコロイダルシリカ微粒子の分散媒を共沸留出させながら60〜150℃、好ましくは80〜130℃の温度で固形分濃度を30〜90重量%、好ましくは50〜80重量%に保持しながら、0.5〜10時間攪拌し縮合反応を行う。これにより、目的とする、有機変性されたシリカ微粒子を得ることができる。この際、反応を促進させる目的で、水、酸、塩基、塩等の触媒を用いてもよい。
本発明で用いるシリカ微粒子(A)としては、市販品を利用してもよい。シリカ微粒子(A)の市販品の具体例としては、例えば、オルガノシリカゾル IPA−ST、オルガノシリカゾル IPA−ST−UP、オルガノシリカゾル IPA−ST−ZL、オルガノシリカゾル EG−ST、オルガノシリカゾル NPC−ST−30、オルガノシリカゾル DMAC−ST、オルガノシリカゾル MEK−ST、オルガノシリカゾル MEK−ST−L、オルガノシカゾルMEK−ST−UP、オルガノシリカゾル MIBK−ST、オルガノシリカゾル XBA−ST、オルガノシリカゾル PMA−ST(以上、日産化学工業株式会社製)、クォートロン PL−1、クォートロン PL−2、クォートロン PL−3、クォートロン PL−5、クォートロン PL−10(以上、扶桑化学工業株式会社製)等が挙げられる。
前述のシリカ微粒子(A)は1種類だけを用いても、2種類以上のものを同時に用いても構わない。
また、シリカ微粒子(A)の物理的形状にも特に制限はなく、例えば、真球状、不定形或いは粒子中に空隙を持っているもの、単分散のもの、2個以上の粒子の如何なる凝集体であっても良く、目的とする塗膜の性能に応じて、適宜選択することが好ましい。
本発明で用いる重合性単量体(B)は主に得られるコーティング組成物の成膜性を付与し、また、得られる塗膜の基材に対する密着性を付与する成分である。このような重合性単量体(B)としては、重合性基を有する単量体であれば特に制限はない。重合性基としては、例えば、イソシアネート基、カルボキシル基、グリシジル基、アルコール性またはフェノール性水酸基、ビニル基、シラノール基等が挙げられる。また、重合性基は重合性単量体(B)中に1個であっても、2個以上を有するものであっても良いが、得られる塗膜の硬度や耐久性を高レベルで発現させるためには、重合性基を2個以上有する多官能単量体を用いることが好ましい。この中でも、原料の入手容易性、及び硬化時に副生物が発生しない付加重合であることから、単量体(B)としては、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物が好ましい。さらに、硬化工程における硬化時間等の生産性、安全性を考慮すると紫外線硬化性多官能単量体を用いることが最も好ましい。具体的には、主にラジカル重合系の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、主にカチオン重合系のグリシジル基、オキセタン化合物、ビニルエーテル基を有する化合物が好ましく、特にモノマー、重合開始剤の選択性が広いこと、それらの入手し易さ、反応時間の短さ等からラジカル重合系が好ましい。
好ましい重合性単量体(B)としては、例えば、
B−1 : エチレングリコールジ(メタ)アクリレート
B−2 : ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
B−3 : トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
B−4 : ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(数平均分子量:150〜1000)
B−5 : プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
B−6 : ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
B−7 : トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
B−8 : ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(数平均分子量:150〜1000)
B−9 : ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート
B−10: 1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート
B−11: 1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート
B−12: 1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート
B−13: 1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート
B−14: ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート
B−15: CH=C(R’)COOCHC(CHCHOCOCHC(CHCHOCOC(R’)=CH (R’は水素原子又はメチル基)
B−16: ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート
B−17: トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
B−18: ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート
B−19: ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート
B−20: ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
B−21: トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート
B−22: ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート
B−23: CH=CHCOO(CH(CF(CHOCOCH=CH
B−24: CH=C(CH)COO(CH(CF(CHOCOC(CH)=CH
B−25: CH=CHCOO(CH(CF(CHOCOCH=CH
B−26: CH=C(CH)COO(CH(CF(CHOCOCH=CH
B−27: CH=CHCOO(CH(CF(CF)CF(CHOCOC(CH)=CH
B−28: CH=CHCOO(CH(CF(CF)CF(CF(CHOCOC(CH)=CH(a、bはそれぞれ独立に1〜6の整数)
等が挙げられる。
また、上記以外の具体例としては、例えば、ネオマー NA−305、ネオマー BA−601、ネオマー TA−505、ネオマー TA−401、ネオマー PHA−405X、ネオマー TA705X、ネオマー EA400X、ネオマー EE401X、ネオマー EP405X、ネオマー HB601X、ネオマー HB605X(以上、三洋化成工業株式会社製)、KAYARAD HY−220、KAYARAD HX−620、KAYARAD D−310、KAYARAD D−320、KAYARAD D−330、KAYARAD DPHA、KAYARAD DPCA−20、KAYARAD DPCA−30、KAYARAD DPCA−60、KAYARAD DPCA−120(以上、日本化薬株式会社製)等も挙げられる。これらの重合性単量体(B)としては1種類だけを用いても、2種類以上のものを同時に用いても良い。
前記重合性単量体(B)としては、得られる塗膜の硬度及び耐久性を向上させる場合には、1分子中に3個以上の紫外線硬化可能な基を有する化合物が好ましく、4個以上有する化合物を用いることが特に好ましい。
また、本発明のコーティング組成物における、他の成分との相溶性の向上、基材との密着性の向上、表面機能性付与等の目的に応じて、重合性単量体(B)として種々の単官能の重合性単量体を単独で用いることや多官能重合性単量体と単官能重合体単量体を併用することも可能である。
本発明のコーティング組成物におけるシリカ微粒子(A)と重合性単量体(B)との導入割合について特に制限はないが、得られる塗膜の成膜性と硬度・低屈折率性及び耐久性のバランスに優れる点から、シリカ微粒子(A)/単量体(B)=25〜400/100(重量比)であることが好ましく、60〜250/100が特に好ましい。
本発明で用いるフッ素系界面活性剤(C)について詳述する。
前記フッ素系界面活性剤(C)は、フッ素化アルキル基(c1)と、ポリオキシアルキレン鎖(c2)とを有し、該ポリオキシアルキレン鎖(c2)がポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖からなるものであることを特徴とする。該フッ素系界面活性剤(C)は本発明のコーティング組成物を塗工する際の塗布性を改善するための必須成分であり、また、該組成物の基材への濡れ性、成膜時のレベリング性を向上させ得るものである。さらに、得られる塗膜表面に防汚性を付与することも出来る。
前記フッ素化アルキル基(c1)は、界面活性剤の分子を効果的に空気界面に移行させ、表面張力を低下させることによる基材への濡れ性の向上或いは成膜時のレベリング性向上に寄与する。さらに、空気界面において撥水・撥油性を発現し、得られる塗膜表面の防汚性向上にも寄与することができる。フッ素化アルキル基(c1)としては、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、または−(CFH等の部分フッ素化アルキル基が挙げられ、直鎖状、分岐状、又は主鎖中に酸素原子が介入したもの、例えば−(OCFCF)(OCF(CF)CF)CFCF、−(OCFCF−等でも良い。フッ素化アルキル基(c1)としては、界面活性能の発現、及び防汚性の発現等の観点からは長鎖であることが好ましいが、一般的に長鎖のフッ素化アルキル基は組成物中の他の成分との相溶性を低下させやすく、又、フッ素系界面活性剤(C)を製造する際の合成方法に制約を与えることも少なくない(長鎖であるほど結晶化しやすく、取り扱いが困難となる場合がある。)これらを考慮すると、フッ素化アルキル基(c1)中の炭素数としては、4〜12であることが好ましく、特に4〜8であることが好ましい。
一方、フッ素系界面活性剤(C)のもう一つの必須構造であるポリオキシアルキレン鎖(c2)は、該界面活性剤中の親媒基と位置付けられ、本発明のコーティング組成物のようなシリカ微粒子(A)を含有する系、特に該シリカ微粒子(A)を多量に含有する系で効果的に塗布性の向上、成膜時のレベリング性、組成物の均一化等の界面活性能を発揮するための必須の構造である。本発明において、ポリオキシアルキレン鎖は、シリカ微粒子(A)および/または重合性単量体(B)に対する相溶性向上ひいては塗膜の透明性向上の観点から、直鎖状又は分岐状でオキシアルキレン鎖の繰返し単位が2以上で、ポリオキシプロピレン鎖単独、ポリオキシブチレン鎖単独、又はポリオキシプロピレン鎖とポリオキシブチレン鎖であることが必要である。
本発明で用いるフッ素系界面活性剤(C)は、前述のフッ素化アルキル基(c1)と、ポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖であるポリオキシアルキレン鎖(c2)とを一分子中に有する化合物であれば良く、その他の構造については特に限定されず、該組成物におけるその他の成分との相溶性、溶媒の有無、塗布方法や硬化条件等のコーティング条件等により、種々選択して用いることができる。
これらの中でも、工業的生産が容易である点、組成物中における他の成分との相溶性に優れる点、分子設計が容易である点等の観点から、
(i)フッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体(x1)と、ポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖を含有するエチレン性不飽和単量体(x2)とを必須成分として共重合して得られる重合型フッ素系界面活性剤、
又は
(ii)フッ素化アルキル基含有化合物(x3)とポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖含有化合物(x4)とのマイケル付加反応により得られるマイケル付加型フッ素系界面活性剤
であることが好ましい。
まず、(i)の重合型フッ素系界面活性剤について記載する。
原料として用いるフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体(x1)としては、原料の入手容易性、及び組成物中の他の成分との相溶性が良好である等の観点から、下記一般式(1)にて表されるフッ素化(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
CH=C(R)COO(X) (1)
〔式(1)中、Rは水素原子、メチル基、塩素原子、フッ素原子又はシアノ基であり、Xはフッ素原子を含まない2価の連結基であり、aは0又は1の整数であり、Rは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、または−(CFH等の部分フッ素化アルキル基であって、直鎖状、分岐状、または主鎖中に酸素原子が介入したものでも良い。〕
前記一般式(1)中の2価の連結基Xとしては、例えば、−(CH−、−CHCH(OH)(CH−、−(CHN(R)SO−、−(CHN(R)CO−(式中、nは1〜10の整数であり、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基である。)、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−等の連結基が挙げられ、前記一般式(1)中のRとしては、例えば、−C、−C13、−C15、−C17、−(CFH、−(CFCF(CF、−(OCFCFOCFCF、−(OCFCF(CF))等のフッ素化アルキル基が挙げられる。
前記フッ素化(メタ)アクリレートの好ましいものとしては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
x1−1 :CH=CHCOOCHCH17
x1−2 :CH=C(CH)COOCHCH17
x1−3 :CH=CHCOOCHCH1225
x1−4 :CH=CHCOOCHCH13
x1−5 :CH=CHCOOCHCH
x1−6 :CH=CHCOOCHCF
x1−7 :CH=C(CH)COOCHCF(CF
x1−8 :CH=C(CH)COOCHCFHCF
x1−9 :CH=CHCOOCH(CF
x1−10:CH=CHCOOCHCH(OH)CH17
x1−11:CH=CHCOOCHCHN(C)SO17
x1−12:CH=CHCOOCHCHN(C)COC15
x1−13:CH=CHCOOC(CF(CF)OCF
x1−14:CH=CHCOOCH(CF(CF)OCF
また、フッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体(x1)としては、1種類であっても良いし、構造が異なる2種類以上の化合物の混合物であっても構わない。
一方、ポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖を含有するエチレン性不飽和単量体(x2)としては、前述のシリカ微粒子(A)及び前述の重合性単量体(B)との相溶性が良好なフッ素系界面活性剤が得られる点、及び原料の入手容易性、前記フッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体(x1)との反応性が良好である等の観点から、ポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖と(メタ)アクリロイル基とを同一分子中に有するマクロモノマーであることが好ましい。
前記マクロモノマーとしては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
x2−1:CH=CHCOO(CO)
x2−2:CH=C(CH)COO(CO)
x2−3:CH=C(CH)COO(CO)
x2−4:CH=C(CH)COO(CO)13
x2−5:CH=C(CH)COO(CO)CH
x2−6:CH=C(CH)COO(CO)(CO)
また、このようなマクロモノマーは市販品を用いても良く、例えば、新中村化学工業株式会社製NKエステルBG、9PG、APG−200、APG−400、APG−700、日本油脂株式会社製ブレンマーPP−1000、PP−500、PP−800、AP−150、AP−400、AP−550、AP−800、30PPT−800、50PPT−800、70PPT−800、10PPB−500B、10APB−500B、PDP−400、ADP−250、ADP−400、PDT−650、ADT−250、30ADPT−4000等が挙げられる。
また、ポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖を含有するエチレン性不飽和単量体(x2)としては、1種類であっても良いし、構造が異なる2種類以上の化合物の混合物であっても構わない。
さらに、重合型フッ素系界面活性剤としては、前記フッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体(x1)と、前記ポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖を含有するエチレン性不飽和単量体(x2)と共に、得られるコーティング組成物中の他の成分との相溶性向上や該組成物の目的とする用途や性能に応じて、その他の単量体を併用して共重合させたものであっても良い。
前記その他の単量体としては、特に限定されるものではなく、例えば、スチレン、ブタジエン、核置換スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸、酢酸ビニル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシルブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、またα,β−エチレン性不飽和カルボン酸、即ちアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の一価ないし二価のカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸誘導体としてアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、即ち(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、ステアリルエステル等、また(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のヒドロキシアルキルエステル、即ち2−ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシプロピルエステル、ヒドロキシブチルエステル等、更にはモノ(アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェ−ト、モノ(メタクリロキシエチル)アシッドホスフェ−ト、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアミノアルキルエステル、即ちジメチルアミノエチルエステル、ジエチルアミノエチルエステル、ジエチルアミノプロピルエステル等、また(メタ)アクリル酸の、炭素数が3〜18のエーテル酸素含有アルキルエステル、例えばメトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、メトキシプロピルエステル、メチルカルビルエステル、エチルカルビルエステル、ブチルカルビルエステル等、更に環状構造含有モノマーとしては、例えばジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等、アルキル炭素数が1〜18のアルキルビニルエーテル、例えばメチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル等、(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル、即ちグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等、さらには、メチルメタクリレートマクロモノマー(例えば、東亜合成株式会社製AA−6)、スチレンマクロモノマー(例えば、東亜合成株式会社製AS−6S)、スチレン−アクリロニトリルマクロモノマー(例えば、東亜合成株式会社製AN−6S)、ラクトン変性(メタ)アクリレート(例えば、ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFA−3、FA−5、FA−10L、FM−3、FM−5)等の各種マクロモノマーが挙げられる。このような単量体のエチレン性不飽和基は、1個だけ有する単官能性であっても、2個以上有する多官能性であっても良く、又、その他の単量体として、1種類だけを用いても、2種類以上を同時に用いても構わない。
このような重合型フッ素系界面活性剤を用いる場合、構成する単量体の重合割合としては、前記シリカ微粒子(A)及び前記重合性単量体(B)との相溶性、得られる組成物のコーティングおよび硬化・エージング条件等により異なるが、フッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体(x1)/ポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖を含有するエチレン性不飽和単量体(x2)/その他の単量体=15〜70/30〜85/0〜55(重量比)の範囲であることが好ましく、前記比として25〜65/35〜75/0〜40(重量比)の範囲であることが特に好ましい。フッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体量(x1)は、得られる界面活性剤の性能に厳密に影響する。即ち、その導入量が少なすぎると、濡れ性やレベリング性などの界面活性能及び得られる塗膜の防汚性が十分に得られない事があったり、逆に多すぎると、得られる組成物中における他の成分との相溶性が低下し、結果として界面活性能が不足したりすることがある。またポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖を含有するエチレン性不飽和単量体(x2)の使用量としては、得られる組成物中における該フッ素系界面活性剤の他の成分との相溶性に影響する。即ち、該単量体(x2)の導入量が少なすぎると、特にシリカ微粒子(A)の配合量が多い系では相溶性が低下することがある。
重合型フッ素系界面活性剤の製造方法としては特に制限はなく、アニオン重合、カチオン重合、ラジカル重合機構に基づき溶液重合、塊状重合、分散重合、乳化重合より選択されるが、工業的に簡便であり且つ分子量の制御が容易で、界面活性剤として使用する場合の不純物(例えば、重合時に用いる分散剤や乳化剤)の影響が少ないことから、ラジカル溶液重合法が好ましい。また、単量体類の組み合わせにより決定されるブロック、交互、ランダムのシークエンスの他に、重合機構、開始剤、連鎖移動剤等の選択によりこれらのシークエンスを自由に制御することが可能である。
ラジカル溶液重合法を用いて重合型フッ素系界面活性剤を製造する際に、重合開始剤及び溶媒としては種々のものを制限なく用いることが可能である。
重合開始剤としては、例えば、日本油脂株式会社製パーヘキサHC、パーヘキサTMH、パーヘキサC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーヘキサMC等のパーオキシケタール類、パーロイル355、パーロイルO、パーロイルL、パーロイルS、ナイパーBW、ナイパーBMT等のジアシルパーオキサイド、パーロイルTCP等のパーオキシジカーボネート、パーシクロND、パーヘキシルND、パーブチルND、パーヘキシルPV、パーブチルPV、パーヘキサ250、パーオクタO、パーヘキシルO、パーブチルO、パーブチルIB、パーブチルL、パーブチル535、パーヘキシルI、パーブチルI、パーブチルE、パーヘキサ25Z、パーブチルA、パーヘキシルZ、パーブチルZT、パーブチルZ等のパーオキシエステル類、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(例えば、大塚化学株式会社製AIBN)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(例えば、大塚化学株式会社製AMBN)、2,2’−アゾビス−2−ジメチルバレロニトリル(例えば、大塚化学株式会社製ADVN)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(例えば、和光純薬工業株式会社製V−601)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(例えば、和光純薬工業株式会社製V−40)、2,2’−アゾビス−[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド](例えば、和光純薬工業株式会社製VF−096)、1−[(シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド(例えば、和光純薬工業株式会社製V−30)、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)(例えば、和光純薬工業株式会社製VAm−110)、2,2’−アゾビス−(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)(例えば、和光純薬工業株式会社製VAm−111)等の熱重合開始剤、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルー1−フェニル−1−オン、1−(4’−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4’−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等の光重合開始剤を挙げることができる。
溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶剤、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類、更にパーフルオロオクタン、パーフルオロトリ−n−ブチルアミン等のフッ素化イナートリキッド類のいずれも使用でき、単一であっても、2種類以上の混合溶媒であっても良い。
さらに、チオール化合物等の連鎖移動剤を用いることにより、分子量を調整することも可能である。連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、エチルチオグリコール酸、オクチルチオグリコール酸、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の化合物を挙げることができる。
このようにして得られる重合型フッ素系界面活性剤の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記する。)によるポリスチレン換算値として、重量平均分子量で1,000〜500,000の範囲であることが好ましく、1,500〜200,000の範囲であることが特に好ましい。重合型フッ素系界面活性剤を用いる場合、分子量を最適な範囲に設計することにより、得られる組成物中での他の成分との相溶性と成膜過程におけるレベリング性を高いレベルで両立させることが可能となる。
次に、(ii)フッ素化アルキル基含有化合物(x3)とポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖含有化合物(x4)とのマイケル付加反応により得られるマイケル付加型フッ素系界面活性剤について述べる。
一般にマイケル付加反応は、マイケル受容体と称されるα,β−不飽和カルボニル化合物中のカルボニル基へ、カルボアニオンが求核付加する反応を呼称するが、広義では、マイケル受容体として、カルボニル基の代わりにシアノ基、ニトロ基、スルホニル基等の電子求引性置換基を有する化合物と、カルボアニオン以外の求核剤との反応をも含めてマイケル付加と称する。本発明においては、マイケル付加反応は広義の解釈を用いる。以下、このような置換基を有するα,β−不飽和化合物をマイケル受容体と称する。求核剤としては、活性水素含有化合物、活性メチレン含有化合物が挙げられ、より具体的には、アミン化合物、アルコール化合物、チオール化合物等が挙げられる。
フッ素化アルキル基含有化合物(x3)とポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖含有化合物(x4)とのマイケル付加反応を行う場合、何れがマイケル受容体又は求核剤であっても構わない。
フッ素化アルキル基含有化合物(x3)としては、まず該フッ素化アルキル基含有化合物(x3)がマイケル受容体である場合、フッ素化アルキル基を有するα,β−不飽和化合物であればよく、原料の入手容易性、反応性等の点から、前述のフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体(x1)を用いることが好ましく、特に前記フッ素化(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。一方、フッ素化アルキル基含有化合物(x3)がマイケル付加反応時の求核剤である場合には、以下の化合物が例示される。
x3−1:C17CHCHNH
x3−2:CCHCHSH
x3−3:C13CHCHSH
x3−4:C17CHCHSH
x3−5:C1021CHCHSH
x3−6:C1225CHCHSH
x3−7:C17SON(C)CHCHOH
x3−8:CSON(C)CHCHOH
x3−9:C17CHCHOH
また、ポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖含有化合物(x4)としては、α,β−不飽和化合物であれば、原料の入手容易性、反応性等の点から上記したポリオキシプロピレン鎖および/またはポリオキシブチレン鎖と(メタ)アクリロイル基を一分子中に含有するマクロモノマーが好ましく、求核剤としてはポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、片末端がアルキル化されたプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、マロン酸とプロピレングリコールのエステル化により得られるモノエステルまたはジエステル、マロン酸と片末端がメチル化されたプロピレングリコールのエステル化により得られるモノエステルまたはジエステル等が挙げられる。
前記マイケル受容体と前記求核剤との反応は、通常のマイケル付加反応の方法に従えば良く、フッ素原子を有することによる特別の配慮は特に必要ではなく、無溶媒でも溶媒存在下でも製造できる。溶媒を使用する場合には、前記マイケル受容体及び前記求核剤の溶解性、沸点、使用する設備等を考慮し適宜、選択されるものであるが、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素類等が挙げられ、単独でも2種以上の溶媒を混合して使用しても良い。これらの中でもエステル類、芳香族系炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エーテル類、ジメチルホルムアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を用いることが好ましく、エステル類、ケトン類、アルコール類、エーテル類を用いることが特に好ましい。
この反応は、無触媒で行うことも可能であるが、反応効率の面から、適宜、触媒等の反応助剤を選択して使用することも可能である。前記反応助剤として、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコラート類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン等のアミン類、水素化ナトリウム、水素化リチウム等の金属水素化物類、ベンジルトリメチルアンモニウム・ヒドロキシド、テトラアンモニウム・フルオライド等のアンモニウム塩、過酢酸等の過酸化物等が挙げられ、好ましくは金属アルコラート類、アミン類、アンモニウム塩であり、特に好ましくはアミン類である。前記反応助剤の使用量としては、特に制限されるものではないが、原料として用いる前記マイケル受容体1モルに対して0.01〜50モル%、好ましくは0.1〜20モル%である。
さらに、用いるマイケル受容体及び求核剤によっては、熱も反応活性化エネルギー源として単独使用または併用使用することが可能である。反応温度としては通常、0℃〜還流温度であり、好ましくは20〜100℃、特に好ましくは20〜70℃である。反応時、溶媒などを使用した場合、溶質濃度としては通常2〜90重量%であり、好ましくは20〜80重量%である。反応資材の投入順序としては特に制限されない。
マイケル付加型フッ素系界面活性剤は、前述の重合型フッ素系界面活性剤と比較して分子量が小さいために、高フッ素含有量であっても他の組成物との相溶性を良好に保てる点で優れており、高い界面活性能が期待できるが、成膜過程におけるレベリング効果は、重合型フッ素系界面活性剤よりも低い場合がある。また、重合型フッ素系界面活性剤と比較して低分子量であることから、空気界面への移行性が高く、良好な防汚性を発揮し易い傾向にある。従って、目的とする組成物の組成内容、コーティング条件によって、重合型フッ素系界面活性剤単独、マイケル付加型フッ素系界面活性剤単独、及びそれらの混合物から適宜選択して用いることが好ましい。
以上のようにして得られるフッ素系界面活性剤(C)は、製造後そのまま用いても構わないが、組成物の内容、用途、目的に応じて、フッ素樹脂カラム、フィルター等による吸着精製、各種溶剤を用いた再沈殿精製等により精製を行うことも可能である。このような精製処理により、組成物の内容やコーティング条件によっては、微小な欠陥や光学的欠陥の削減、厳密なレベリング性が向上する場合がある。
本発明のコーティング組成物中における、フッ素系界面活性剤(C)の配合割合としては、基材への濡れ性やレベリング性等の界面活性能と、得られる塗膜表面のハードコート性等の目的とする物性とのバランスを良好に保つ観点から、該組成物中に含まれるフッ素系界面活性剤(C)以外の固形分に対して通常0.001〜5重量%であり、0.01〜3重量%が好ましく、0.05〜2重量%が特に好ましい。
また、フッ素系界面活性剤(C)は本来、塗布時における基材への濡れ性向上、成膜過程における塗膜のレベリング性の向上に寄与するが、該組成物の内容、フッ素系界面活性剤(C)の組成や分子量、導入量によっては、これまで述べたように成膜された塗膜表面の機能化に寄与することも可能である。具体的には、成膜後塗膜表面に対する撥水撥油性、防汚性、指紋付着防止性、滑り性、非粘着性等の表面機能性を付与することが可能である。
本発明のコーティング組成物は、シリカ微粒子(A)、重合性単量体(B)、フッ素化アルキル基(c1)と、ポリオキシプロピレン鎖及び/又はポリオキシブチレン鎖からなるポリオキシアルキレン鎖(c2)とを有するフッ素系界面活性剤(C)を用いること以外に何ら制限されるものではなく、目的に応じて各種溶剤、アクリル樹脂、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリエチレン、カーボン、酸化チタン、アルミナ、銅等のシリカ微粒子以外の有機又は無機粒子、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、防錆剤、スリップ剤、ワックス、艶調整剤、離型剤、相溶化剤、導電調整剤、顔料、染料、分散剤、分散安定剤、シリコーン系または炭化水素系界面活性剤等の各種添加剤を併用することが可能である。
本発明のコーティング組成物の調製方法としても、特に限定されるものではなく、例えば、シリカ微粒子(A)を予め溶剤のみに分散したものと重合性単量体(B)、フッ素系界面活性剤(C)と混合する方法、溶剤及び重合性単量体(B)中にシリカ微粒子(A)を分散したものとフッ素系界面活性剤(C)とを混合する方法、溶剤、重合性単量体(B)、フッ素系界面活性剤(C)の混合物中にシリカ微粒子(A)を分散と同時に混合する方法等が挙げられる。この際、シリカ微粒子(A)の分散方法は、ディスパー等の高速攪拌機、ボールミル、ペイントシェーカー等の種々の方法を用いて分散することが可能である。さらに、該シリカ微粒子(A)を分散させる際には、必要に応じて分散剤等の各種添加剤を併用することも可能である。
本発明で得られるコーティング組成物の硬化条件にも制限はなく、熱硬化、紫外線、電子線等のエネルギー線硬化、又はそれらを併用する硬化方法を、目的に応じて選択可能であるが、生産性の点からは紫外線硬化が好ましい。紫外線硬化を行う場合に用いる光開始剤としては、種々のものを使用することができ特に制限はなく、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルー1−フェニル−1−オン、1−(4’−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4’−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等を挙げることができる。また、硬化条件、製造設備によっては種々の増感剤を併用することも可能である。
また、コーティング組成物の組成、基材の種類、用途、目的等に応じて、各種硬化反応の前及び/又は硬化反応の後に、乾燥、エージング操作を行うことも可能である。
本発明のコーティング組成物は、基材の種類や形状、サイズを問わず使用することが可能であり、特に近年大型化する基材への適用も可能である。基材としては、例えば、ガラス、金属、ポリエチレン、ポリプロプレン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、アクリル等の各種プラスチックスやフィルムが例示できる。このような基材は、そのまま用いても良いし、主に接着性や帯電防止性の改良を目的にプラズマ処理やコロナ処理を行ったり、各基材に適したプライマーとなる樹脂で前処理を行ったりしたものであっても構わない。
また、該組成物のコーティング方法や硬化、乾燥、エージング条件にも制限はない。コーターは、用途と目的に応じて選択され、グラビアコーター、ナイフコーター、デイッピング塗布、スプレー塗布、スピンコーター、スリット&スピンコーター、スリットコーター、ロールコーター、カーテンコーター、フローコーター、刷毛塗り等の方法により各種基材上に塗布することができる。
本発明のコーティング組成物の用途にも特に制限はなく、例えば、各種基材向けのハードコーティング剤、低屈折率性を利用した反射防止膜材、低誘電率性を利用した絶縁膜等が挙げられ、建材、自動車、フィルム、OA機器、電気・電子機器、フラットパネルディスプレイ、半導体、通信機器等の分野に応用できる。具体的な用途例としては、自動車窓材、屋根材、高速道路用保護板、カーポート、プロジェクションテレビ、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の前面板、各種タッチパネル、液晶ディスプレイの偏光板、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、眼鏡レンズ、レンズシート、各種光学部品、半導体、液晶基板用層間絶縁膜、電気・電子機器のハウジング等に対するコーティング用途等が挙げられる。
次に本発明をより詳細に説明するために参考例、実施例及び比較例を掲げるが、これらの説明によって本発明が何等限定されるものでないことは勿論である。文中の「部」は、断わりのない限り重量基準である。
合成例1(重合型フッ素系界面活性剤)
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、フッ素化アルキル基含有単量体(x1−1)50重量部、ポリオキシプロピレン鎖含有マクロモノマー(x2−3)50重量部、そしてメチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略す。)233重量部を仕込み、窒素ガス気流中、重合開始剤としてパーブチルO(日本油脂株式会社製)3.0重量部を添加した後、85℃にて8時間反応させ,パーブチルOを0.5重量部加えて105℃まで昇温後さらに6時間ホールドし重合を行った。反応終了後、80℃エバポレーターにて脱溶剤、次いで熱風乾燥機にて乾燥させることにより固形分濃度98%以上の重合体を得た。
この重合体のGPCによるポリスチレン換算分子量Mwは40,000であった。この共重合体をフッ素系界面活性剤(C−1)とした。
合成例2
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、フッ素化アルキル基含有単量体(x1−1)50重量部、ポリオキシプロピレン鎖含有マクロモノマー(x2−5)50重量部、そしてMIBK 233重量部を仕込み、窒素ガス気流中、重合開始剤としてパーブチルO 3.0重量部を添加した後、85℃にて8時間反応させ,パーブチルOを0.5重量部加えて105℃まで昇温後さらに6時間ホールドし重合を行った。反応終了後、80℃エバポレーターにて脱溶剤、次いで熱風乾燥機にて乾燥させることにより固形分濃度98%以上の重合体を得た。
この重合体のGPCによるポリスチレン換算分子量Mwは40,000であった。この共重合体をフッ素系界面活性剤(C−2)とした。
合成例3
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、フッ素化アルキル基含有単量体(x1−1)50重量部、ポリオキシブチレン鎖含有マクロモノマー(x2−6)50重量部、そしてMIBK 233重量部を仕込み、窒素ガス気流中、重合開始剤としてパーブチルO 3.0重量部を添加した後、85℃にて8時間反応させ、パーブチルOを0.5重量部加えて105℃まで昇温後さらに6時間ホールドし重合を行った。反応終了後、80℃エバポレーターにて脱溶剤、次いで熱風乾燥機にて乾燥させることにより固形分濃度98%以上の重合体を得た。
この重合体のGPCによるポリスチレン換算分子量Mwは40,000であった。この共重合体をフッ素系界面活性剤(C−3)とした。
合成例4
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、フッ素化アルキル基含有単量体(x1−4)50重量部、ポリオキシプロピレン鎖含有マクロモノマー(x2−3)50重量部、そしてMIBK 233重量部を仕込み、窒素ガス気流中、重合開始剤としてパーブチルO 3.0重量部を添加した後、85℃にて8時間反応させ、パーブチルOを0.5重量部加えて105℃まで昇温後、さらに6時間ホールドし重合を行った。反応終了後、80℃エバポレーターにて脱溶剤、次いで熱風乾燥機にて乾燥させることにより固形分濃度98%以上の重合体を得た。
この重合体のGPCによるポリスチレン換算分子量Mwは40,000であった。この共重合体をフッ素系界面活性剤(C−4)とした。
合成例5
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、フッ素化アルキル基含有単量体(x1−5)50重量部、ポリオキシプロピレン鎖含有マクロモノマー(x2−4)50重量部、そしてMIBK 233重量部を仕込み、窒素ガス気流中、重合開始剤としてパーブチルO 3.0重量部を添加した後、85℃にて8時間反応させ、パーブチルOを0.5重量部加えて105℃まで昇温後、さらに6時間ホールドし重合を行った。反応終了後、80℃エバポレーターにて脱溶剤、次いで熱風乾燥機にて乾燥させることにより固形分濃度98%以上の重合体を得た。
この重合体のGPCによるポリスチレン換算分子量Mwは40,000であった。この共重合体をフッ素系界面活性剤(C−5)とした。
合成例6
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、フッ素化アルキル基含有単量体(x1−1)33重量部、ポリオキシプロピレン鎖含有マクロモノマー(x2−4)33重量部、ジメチルシロキサンマクロモノマー サイラプレーンFM−0721(チッソ株式会社製)33重量部、そしてMIBK 233重量部を仕込み、窒素ガス気流中、重合開始剤としてパーブチルO 3.0重量部を添加した後、85℃にて8時間反応させ,パーブチルOを0.5重量部加えて105℃まで昇温後、さらに6時間ホールドし重合を行った。反応終了後、80℃エバポレーターにて脱溶剤、次いで熱風乾燥機にて乾燥させることにより固形分濃度98%以上の重合体を得た。
この重合体のGPCによるポリスチレン換算分子量Mwは25,000であった。この共重合体をフッ素系界面活性剤(C−6)とした。
合成例7(マイケル付加型フッ素系界面活性剤)
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、ポリオキシプロピレンン鎖含有α,β−不飽和化合物(x2−5)33重量部、フッ素化アルキル基含有化合物(x3−1)66重量部、そしてトルエン100重量部を仕込み、触媒としてトリエチルアミン6.6重量部を添加した後、50℃にて4時間反応させた。反応後、50℃エバポレーターにて脱溶剤し、有効成分98%以上の生成物を得た。この生成物をフッ素系界面活性剤(C−7)とした。
合成例8
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、ポリオキシプロピレン鎖含有アルコールとしてメチルプロピレントリグリコール(日本乳化剤株式会社製)33重量部、フッ素化アルキル基含有α,β−不飽和化合物(x1−1)66重量部、そしてトルエン100重量部を仕込み、触媒としてトリエチルアミン6.6重量部を添加した後、50℃にて4時間反応させた。反応後、50℃エバポレーターにて脱溶剤し、有効成分98%以上の生成物を得た。この生成物をフッ素系界面活性剤(C−8)とした。
実施例1
シリカ微粒子(A)として、オロガノシリカゾルMEK−ST−L(一次粒子径50−60nm、固形分30重量%メチルエチルケトン分散液)を13.3重量部(固形分として4重量部)、重合性単量体(B)として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−18)を6重量部、フッ素系界面活性剤(C−1)を0.05重量部、光重合開始剤としてイルガキュアI−184(チバスペシャリティズ)を0.5重量部、溶剤としてメチルイソブチルケトン(MIBK)を200.6重量部加え混合攪拌し、固形分濃度5重量%の溶液を得た。
得られた組成物の外観を目視によって評価した。次に、得られた組成物(溶液)をNo.3バーコーターにてPETフィルム上(サイズ、100mm×150mm)に塗布し、60℃で5分間乾燥後、120W高圧水銀灯を用いて照射エネルギー量500mJ/cmにて窒素雰囲気下にて硬化させた。硬化物外観の表面平滑性を蛍光灯下、目視にて評価した。また防汚性は、マジックインキを用いて硬化物を汚染した場合のマジックインキのハジキ方で評価した。結果を表1にまとめて記載する。
評価基準
組成物(溶液)外観
2:僅かに白濁している。
1:構成成分が分離している。
硬化物外観
4:蛍光灯下で筋状の塗布ムラが認められない。
3:蛍光灯下で筋状の塗布ムラが僅かに認められる。
2:蛍光灯下で筋状の塗布ムラが認められる。
1:蛍光灯下で筋状の塗布ムラが多量に認められる。
防汚性
4:マジックインキをよくはじき、細かな点状の跡が連続的に認められる。
3:マジックインキをはじき、大きな点状の跡が連続的に認められる。
2:マジックインキをはじくものの、線状の跡が認められる。
1:マジックインキを全くはじかない。
実施例2〜8
フッ素系界面活性剤としてそれぞれフッ素系界面活性剤(C−2)〜(C−8)を用いた他は実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例9〜16
それぞれフッ素系界面活性剤(C−1)〜(C−8)を0.2重量部用いた他は、実施例1〜8と同様にして硬化物を得た。
比較例1
フッ素系界面活性剤を用いなかった他は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例2(重合型フッ素系界面活性剤)
以下に示す方法にて得た重合型フッ素系界面活性剤(C’−1)を用いた他は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、フッ素化アルキル基含有単量体(x1−1)50重量部、ポリオキシエチレン鎖含有単量体ブレンマーPE−350(日本油脂株式会社製)50重量部、そしてMIBK 233重量部を仕込み、窒素ガス気流中、重合開始剤としてパーブチルO 3.0重量部を添加した後、85℃にて8時間反応させ,パーブチルOを0.5重量部加えて105℃まで昇温後さらに6時間ホールドし重合を行った。反応終了後、80℃エバポレーターにて脱溶剤、次いで熱風乾燥機にて乾燥させることにより固形分濃度98%以上の重合体を得た。
この重合体のGPCによるポリスチレン換算分子量Mwは40,000であった。この共重合体をフッ素系界面活性剤(C’−1)とした。
比較例3(マイケル付加型フッ素系界面活性剤)
以下に示す方法にて得たマイケル付加型フッ素系界面活性剤(C’−2)を用いた他は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、α,β−不飽和化合物としてブレンマーPE−350(日本油脂株式会社製)49重量部、フッ素化アルキル基含有化合物(x3−1)51重量部、そしてトルエン100重量部を仕込み、触媒としてトリエチルアミン5.1重量部を添加した後、50℃にて4時間反応させた。反応後、50℃エバポレーターにて脱溶剤し、有効成分98%以上の生成物を得た。この生成物をフッ素系界面活性剤(C’−2)とした。
比較例4
以下に示す方法にて得た重合型フッ素系界面活性剤(C’−3)を用いる以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート20重量部、2−エチルヘキシルアクリレート30重量部、分子量約400のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体の片側末端がメタクリレートである化合物、ブレンマー70PEP−350B(日本油脂株式会社製、CH=C(CH)−COO−(EO)−(PO)−H)40重量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート4重量部、メチルメタクリレート6重量部、イソプロピルアルコール350重量部を仕込み、窒素ガス気流中、85℃で還流させながら、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2重量部およびラウリルメルカプタン12重量部を添加し、7時間還流し重合させた。反応終了後、イソプロピルアルコールを留去し、無溶剤タイプのフッ素系界面活性剤(C’−3)を得た。
この重合体のGPC、ポリスチレン換算による重量平均分子量Mwは3,000であった。
比較例5
フッ素系界面活性剤(C’−1)を0.2重量部用いた他は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例6
フッ素系界面活性剤(C’−2)を0.2重量部用いた他は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例7
フッ素系界面活性剤(C’−3)を0.2重量部用いた他は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
Figure 0005024591

Claims (3)

  1. シリカ微粒子(A)、重合性単量体(B)、フッ素化アルキル基(c1)とポリオキシアルキレン鎖(c2)とを有するフッ素系界面活性剤(C)を含有するコーティング組成物であり、フッ素系界面活性剤(C)中のフッ素化アルキル基(c1)が、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基で、ポリオキシアルキレン鎖(c2)が直鎖状又は分岐状でオキシアルキレン鎖の繰返し単位が2以上で、ポリオキシプロピレン鎖単独、ポリオキシブチレン鎖単独、又はポリオキシプロピレン鎖とポリオキシブチレン鎖であることを特徴とするコーティング組成物。
  2. 重合性単量体(B)が紫外線硬化性多官能単量体である請求項1記載のコーティング組成物。
  3. シリカ微粒子(A)と重合性単量体(B)の重量割合が、(A)/(B)=25〜400/100である請求項2記載のコーティング組成物。
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