JP5018992B1 - 転倒抑制具および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】設置面に沿った振動時に転倒することを抑制すること。
【解決手段】設置面(1)に対して接触する台座部(3)と、台座部(3)と設置具(U)の底部(6)とを接続する軸部(4)と、を有する脚部材(2)を支持し、設置具(U)の転倒を抑制する転倒抑制具(11)であって、設置面(1)に支持された支持部(12)と、台座部(3)の上面の上方に対応して配置された第1の規制部(14)であって、軸部(4)が貫通する第1の軸貫通部(14e)を有する第1の規制部(14)と、軸部(4)の底部(6)側の端部(7)に対応して配置された第2の規制部(16)であって、軸部(4)が貫通し且つ第1の軸貫通部(14e)と軸部(4)との隙間に比べて軸部の端部(7)との隙間が狭く形成された第2の軸貫通部(16e)を有する第2の規制部(16)と、を備えた転倒抑制具(11)。
【選択図】図7

Description

本発明は、転倒抑制具および画像形成装置に関する。
プリンタ等の画像形成装置や家具等の家屋内に設置される設置具に対して、地震等で床面や机の上面等の設置面が振動した場合に設置具が転倒することを防止するための技術に関して、以下の特許文献1記載の技術が従来公知である。
特許文献1としての特開2011−10691号公報には、台座(1)と垂直軸(2)とを有する支持脚(B)に対して、粘着マット(30)を介して床面に支持され且つ台座部(1)を囲むU字形状に形成された底板(10)と、底板(10)の上面に支持され且つ垂直軸(2)が貫通するU溝状の垂直軸挿入部(22)と、を有する固定具(A)が記載されている。
特開2011−10691号公報(「0021」〜「0027」、図1〜図5)
本発明は、設置面に沿った振動時に転倒することを抑制することを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の転倒抑制具は、
設置面に対して接触する台座部と、前記台座部と設置具の底部とを接続し且つ前記台座部よりも小径の軸部と、を有する脚部材を支持して、前記設置面の振動時に前記設置具の転倒を抑制する転倒抑制具であって、
前記設置面に支持された支持部と、
前記支持部に対して支持され且つ前記台座部の上面の上方に対応して配置された第1の規制部であって、前記軸部が貫通する第1の軸貫通部を有する前記第1の規制部と、
前記第1の規制部の上方に配置され且つ前記軸部の前記底部側の端部に対応して配置された第2の規制部であって、前記軸部が貫通し且つ前記第1の軸貫通部と軸部との隙間に比べて当該軸部の端部との隙間が狭く形成された第2の軸貫通部を有する前記第2の規制部と、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の転倒抑制具において、
前記支持部に対して着脱可能に支持された前記第1の規制部および第2の規制部、
を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の転倒抑制具において、
前記支持部の前記設置面側の面に支持され、前記設置面に剥離可能に密着して、前記支持部の前記設置面に対する移動を抑制する抑制部材、
を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の転倒抑制具において、
前記支持部と前記第1の規制部との間に装着可能に支持されて前記第1の規制部の前記設置面からの高さを調整可能な調整具であって、前記第1の規制部と前記第2の規制部との間に装着可能に支持されて前記第2の規制部の前記設置面からの高さを調整可能な前記調整具、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項5に記載の発明の画像形成装置は、
画像形成装置の本体の底部に支持された脚部材であって、設置面に対して接触する台座部と、前記台座部と装置の底部とを接続し且つ前記台座部よりも小径の軸部と、を有する前記脚部材と、
前記設置面に支持された支持部と、前記支持部に対して支持され且つ前記台座部の上面の上方に対応して配置された第1の規制部であって、前記軸部が貫通する第1の軸貫通部を有する前記第1の規制部と、前記第1の規制部の上方に配置され且つ前記軸部の前記底部側の端部に対応して配置された第2の規制部であって、前記軸部が貫通し且つ前記第1の軸貫通部に比べて前記軸部との隙間が狭く形成された第2の軸貫通部を有する前記第2の規制部と、を有し、設置面の振動時に前記画像形成装置の本体の転倒を抑制する転倒抑制具と、
を備えたことを特徴とする。
請求項1、5に記載の発明によれば、第1の軸貫通部と軸部との隙間に比べて軸部との隙間が狭く形成された第2の軸貫通部を有しない場合に比べて、設置面の振動時に転倒することを抑制できる。
請求項2に記載の発明によれば、第1の規制部および第2の規制部が着脱不能な場合に比べて、設置具の移動を行う際に、第1の規制部および第2の規制部を取り外して、容易に移動を行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、抑制部材を設定面から剥がすことができる。
請求項4に記載の発明によれば、第1の規制部および第2の規制部の高さを任意の高さに調整でき、異なる高さの脚部に対応することができる。
図1は実施例1の画像形成装置の斜視図である。 図2は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。 図3は実施例1の脚部材および転倒抑制具の要部説明図である。 図4は実施例1の転倒抑制具の説明図であり、図4Aは斜視図、図4Bは図4Aの矢印IVB方向から見た図、図4Cは図4Bの矢印IVC方向から見た図である。 図5は図4Aの分解図である。 図6は実施例1の調整具の説明図であり、図6Aは実施例1の転倒抑制具に調整具が装着された状態の一例の説明図、図6Bは調整具の斜視図、図6Cは図6Bに示す調整具の変更例の説明図である。 図7は実施例1の作用説明図であり、図7Aは従来の構成において設置面が縦方向に振動した場合の説明図、図7Bは従来の構成において設置面が横方向に振動した場合の説明図、図7Cは実施例1の構成において設置面が縦方向に振動した場合の説明図、図7Dは実施例1の構成において設置面が横方向に振動した場合の説明図である。 図8は実施例2の脚部材および転倒抑制具の説明図であり、実施例1の図3に対応する図である。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は実施例1の画像形成装置の斜視図である。
図2は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1、図2において、画像形成装置の一例としての大型のプリンタUは、プリンタUを操作するための操作部U1、給紙装置U2、画像記録装置の一例としての画像形成装置本体U3、および後処理装置U4を有している。
前記操作部U1は、情報を表示する表示部U1aや画像形成装置の各種設定を行うための入力釦U1bを有する。
前記給紙装置U2は、媒体の収容部の一例としての給紙トレイTR1,TR2を有する。給紙トレイTR1,TR2には、媒体の一例としてのシートSが収容され、給紙装置U2に対して前後方向に挿入、引出可能に支持されている。前記給紙トレイTR1,TR2に収容されたシートSは、取出部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつに分離される。さばきロールRsで捌かれたシートSは、搬送路の一例としての給紙路SH1上に配置された搬送部材の一例としての搬送ロールRaにより、画像形成装置本体U3に供給される。
給紙装置U2の上端には、手差し給紙部の一例としての手差しトレイTRtが支持されている。手差しトレイTRtに収容されたシートSは、給紙トレイTR1,TR2と同様に、ピックアップロールRp、さばきロールRs、搬送ロールRaにより画像形成装置本体U3に搬送される。
図2において、前記画像形成装置本体U3は、プリンタUの制御を行う制御部Cおよび前記制御部Cにより制御される潜像形成装置の駆動回路の一例としてのレーザ駆動回路D、電源回路E等を有している。制御部Cにより作動を制御されるレーザ駆動回路Dは、図示しない情報端末から送信された画像情報に基づいて、Y:黄色、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の各色の画像情報を作成し、それに応じた駆動信号を所定の時期に各色の可視像形成装置UY,UM,UC,UKの潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。なお、前記各色の可視像形成装置UY,UM,UC,UKは、画像形成装置本体U3の前方に引き出された引出位置と画像形成装置本体U3内部に装着された装着位置との間で移動可能に支持されている。
黒の可視像形成装置UKにおいて、像保持体Pkの周囲には、帯電器CCk、現像器Gk、像保持体清掃器CLk等が配置されている。
そして、他の可視像形成装置UY,UM,UCの前記像保持体Py,Pm,Pcの周囲にもそれぞれ前記像保持体Pkの周囲と同様の帯電器CCy,CCm,CCc、現像器Gy,Gm,Gc、像保持体清掃器CLy,CLm,CLc等が配置されている。
図2において、像保持体Py〜Pkは、それぞれ帯電器CCy〜CCkにより一様に帯電された後、前記潜像形成装置ROSy〜ROSkの出力する潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkによりその表面に静電潜像が形成される。前記像保持体Py〜Pk表面の静電潜像は、現像器Gy〜GkによりY:黄色、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒色の色の可視像、いわゆるトナー像に現像される。なお、現像により現像器Gy〜Gkの現像器が消費されると、画像形成装置本体U3の上部に配置された現像剤補給装置U3aから現像剤が補給される。前記現像剤補給装置U3aには、図示しない現像剤補給容器、いわゆる、トナーカートリッジが着脱、交換可能に支持されている。
像保持体Py〜Pk表面上の可視像は、1次転写器の一例としての1次転写部材T1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写体の一例としての中間転写ベルトB上に順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色画像が形成される。中間転写ベルトB上に形成された多色画像は、2次転写領域Q4に搬送される。
なお、単色画像のみの場合は黒Kの像保持体Pkおよび現像器Gkのみが使用され、黒の可視像のみが形成される。
1次転写後、像保持体Py〜Pk表面の残留物は、像保持体清掃器CLy〜CLkにより除去、清掃される。
前記中間転写ベルトBは、中間転写体駆動部材Rd、張力発生部材Rt、蛇行防止部材Rw、複数の従動部材Rf、2次転写対向部材T2a、1次転写部材T1y〜T1kにより矢印Ya方向に回転可能に支持されている。実施例1では、各部材Rd,Rt,Rw,Rf,T2a,T1y〜T1kは、いわゆるロール状の部材により構成されている。
前記2次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aの下方には2次転写ユニットUtが配置されている。2次転写ユニットUtの2次転写部材T2bは、前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに接触、離隔可能に配置されており、前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと圧接する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、実施例1では、前記バックアップロールT2aには接触導通部材T2cが当接しており、前記接触導通部材T2cには制御部Cにより制御される電源回路Eから所定の時期に現像剤の帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
2次転写対向部材T2a、2次転写部材T2b、接触導通部材T2cにより実施例1の2次転写器T2が構成されており、1次転写部材T1y〜T1k、中間転写ベルトB、2次転写器T2により実施例1の転写装置T1y〜T1k+T2+Bが構成されている。
前記中間転写ベルトBの下方には媒体搬入路の一例としてのシート供給路SH2が配置されている。前記給紙装置U2から給紙されたシートSは、媒体搬送部材の一例としての搬送ロールRaを介して、給紙時期調整部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
レジロールRrに搬送されたシートSは、多色画像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて転写前上流側媒体案内部材SGr、転写前下流側媒体案内部材SG1を通って2次転写領域Q4に搬送される。
前記中間転写ベルトB上の多色画像は、前記2次転写領域Q4を通過する際に前記2次転写器T2によりシートSに転写される。なお、多色画像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括してシートSに2次転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器CLBにより清掃される。なお、前記2次転写部材T2bおよび中間転写体清掃器CLBは、中間転写ベルトBと接触、離隔自在に配設されており、多色画像が形成される場合には最終色の未定着可視像が中間転写ベルトBに1次転写されるまで、中間転写ベルトBから離隔している。
未定着可視像が2次転写されたシートSは、転写後媒体案内部材SG2、媒体搬送部材BHを通って定着装置Fに搬送される。定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、一対の定着部材Fh,Fpが圧力が作用した状態で接触する定着領域Q5にシートSは搬送される。シートS上の未定着可視像は定着領域Q5を通過する際に定着装置Fにより加熱定着される。前記定着装置Fの下流側には切替部材G1が設けられている。前記切替部材G1はシート供給路SH2を搬送されて定着領域Q5で加熱定着されたシートSを、排出路SH3または反転路SH4側のいずれかに選択的に切り替える。前記排出路SH3に搬送されたシートSは排出部材の一例としての排出ロールRhから後処理装置U4に排出される。
前記反転路SH4は循環路SH5が接続されており、その接続部には搬送方向規制部材G2が設けられている。前記搬送方向規制部材G2は反転路SH4に搬送されてきたシートSをそのまま一旦通過させ、通過したシートSを逆方向に搬送して循環路SH5側に搬送する。前記循環路SH5に搬送されたシートSは前記シート供給路SH2を通って前記転写領域Q4に再送される。
前記符号SH2〜SH5で示された要素により媒体搬送路SHが構成されている。また、前記符号SH,Ra,Rr,Rh,SG1,SG2,SGr,BH、G1,G2で示された要素により媒体搬送装置SUが構成されている。
(実施例1の後処理装置U4の説明)
図2において、後処理装置U4は画像形成装置本体U3と接続する面に、画像形成装置本体U3で画像記録が行われたシートSを搬入する媒体搬入口U4aが設けられている。この媒体搬入口U4aから搬入されたシートSは、第1切替部材U4bの切替えにより、右上に延びる上端排出路SH6または下方に延びる第1後処理搬送路SH7のいずれかに搬送される。また、第1後処理搬送路SH7には第2後処理搬送路SH8が接続されており、その接続部に配置された第2切替部材U4cによりシートSは第1後処理搬送路SH7または第2後処理搬送路SH8のいずれかに搬送される。
前記上端排出路SH6に搬送されたシートSはそのまま、後処理を行われることなく、上端排出部材Rh0により上端排出口P0から排出される。
第1後処理搬送路SH7の下流側には、端綴じ装置HTSが配置されている。前記端綴じ装置HTSは、複数のシートSを積載して揃え、シート束の端部に綴じ孔を形成したり、コの字形の針をシート束に打ち込んで綴じたり、あるいは、綴じずに揃えて排出する端綴じ処理を実行する。
第2後処理搬送路SH8の下流側には、中綴じ装置NTSが配置されている。前記中綴じ装置NTSは、複数のシートSを積載して揃え、シート束の中央部をコの字形の針で綴じた後2つ折りにして排出したり、あるいは綴じずに二つ折りにして排出する中綴じ処理を実行する。
なお、端綴じ装置HTSや中綴じ装置NTSは、従来公知であり、例えば、特開2003−089462号公報、特開2003−089463号公報等に記載されているため、詳細な説明は省略する。
(脚部材および転倒抑制具の説明)
図3は実施例1の脚部材および転倒抑制具の要部説明図である。
図1、図2において、実施例1のプリンタUでは、設置具の一例としての給紙装置U2や画像形成装置本体U3、後処理装置U4の底部には、設置面の一例としての床面1に支持される脚部材の一例としてのフット2が支持されている。
図2、図3において、実施例1のフット2は、床面1に支持される円錐台状の台座部3を有する。台座部3の上面には、連結部材の一例として、内部に図示しないネジ溝が形成された下ナット3aが支持されている。
前記台座部3の上方には、上方に延びる棒状の軸部4が配置されている。実施例1の軸部4の外周面には、調整部の一例としてのネジ山4aが形成されており、軸部4の下端部が下ナット3aのネジ溝にネジ込まれて、軸部4と台座部3とが連結されている。
また、実施例1の各装置U2〜U4には、底面6に、被調整部材の一例としての本体ナット7が支持されている。前記本体ナット7には、軸部4が貫通可能且つネジ山4aと噛み合う図示しないネジ溝が形成されている。実施例1の各装置U2〜U4には、本体ナット7の上方に、底面6から上方、すなわち内側に凹んだ凹部6aが形成されており、本体ナット7を貫通して軸部4の上端部が凹部6aに収容可能に構成されている。
したがって、各装置U2〜U4を床面1に設置する際に、軸部4を中心として、フット2を回転させることで、ネジ山4aが本体ナット7のネジ溝にネジ込まれて、上下方向に移動し、本体ナット7が支持された底面6と、台座部3の底面との距離が調整できる。したがって、フット2を回転させることで、床面1の段差や凹凸等の高さに対応可能に構成されている。
図4は実施例1の転倒抑制具の説明図であり、図4Aは斜視図、図4Bは図4Aの矢印IVB方向から見た図、図4Cは図4Bの矢印IVC方向から見た図である。
図5は図4Aの分解図である。
図3、図4において、前記フット2には、転倒抑制具の一例としての耐震ブラケット11が装着されている。図3〜図5において、実施例1の耐震ブラケット11は、床面1に支持される支持部の一例として、左右一対の底板12を有する。前記底板12には、固定部の一例として、前後一対のネジ孔12aが形成されている。
底板12の底面には、抑制部材の一例としての耐震マット13が支持されており、耐震マット13が床面1に剥離可能に密着して、底板12の床面1に対する面方向の移動が規制される。前記耐震マット13は、従来公知の弾性を有する樹脂材料の一例としてのエラストマー樹脂製の耐震用のゲルマットを採用可能であり、床面1に対して剥がすことが可能且つ面方向には床面1との摩擦および樹脂の弾性で移動を規制することが可能に構成されている。
前記底板12の上面には、第1の規制部の一例として、板状の上下規制板14が支持されている。実施例1の上下規制板14は、左右方向中央部に配置された板状の上下規制の本体部14aを有し、上下規制の本体部14aは、下面が、下ナット3aの上面に近接して配置されている。上下規制の本体部14aの左右両側には、左右方向の外方にいくに連れて下方に傾斜する傾斜部14bと、傾斜部14bの下端から左右方向で外側に延びる板状の下側の被固定部14cと、を有する。
前記下側の被固定部14cには、ネジ孔12aに対応して、上下方向に貫通する下側の貫通口14dが形成されている。
また、上下規制の本体部14aには、第1の軸貫通部の一例として、後端から前方に延びるU字溝状に形成された下側の軸貫通溝14eが形成されている。実施例1の下側の軸貫通溝14eの左右方向の長さは、図4Bに示すように、軸部4の外径より大きく且つ下ナット3aの外径よりも小さい長さに設定されている。
前記下側の被固定部14cの上面には、第2の規制部の一例として、左右規制部材16が支持されている。実施例1の左右規制部材16は、左右方向中央部に配置された板状の左右規制の本体部16aを有し、左右規制の本体部16aは、図3、図4Bに示すように、軸部4の底部6側の端部に対応する本体ナット7の高さに対応する高さに配置されている。前記左右規制の本体部16aの両側には、下方に延びる側壁部16bが形成されており、側壁部16bの下端には、左右方向の外側に延びる上側の被固定部16cが形成されている。
前記上側の被固定部16cには、ネジ孔12aに対応して、上下方向に貫通する上側の貫通口16dが形成されている。
また、左右規制の本体部16aには、第2の軸貫通部の一例として、後端から前方に延びるU字溝状に形成された上側の軸貫通溝16eが形成されている。実施例1の上側の軸貫通溝16eは、軸部4の底面6側の端部に配置された本体ナット7との隙間が、下側の軸貫通溝14eと軸部4との隙間に比べて、隙間が小さく設定されている。特に、実施例1では、上側の軸貫通溝16eは、図4B、図4Cに示すように、本体ナット7の外周面に接触して配置されており、下側の軸貫通溝14eと軸部4との間に隙間が設定されているのに対して、上側の軸貫通溝16eと本体ナット7との隙間はゼロに設定されている。
図4、図5において、前記上下規制板14および左右規制部材16は、締結部材の一例として、貫通口14d,16dを貫通してネジ孔12aにネジ止めされるボルト17により、緩み止め部材の一例としてのワッシャ18を介して着脱可能に支持される。したがって、ボルト17を締めることで上下規制板14および左右規制部材16が底板12に装着されると共に、ボルト17が緩められることで、上下規制板14および左右規制部材16が底板12に対して取り外し可能になっている。
図6は実施例1の調整具の説明図であり、図6Aは実施例1の転倒抑制具に調整具が装着された状態の一例の説明図、図6Bは調整具の斜視図、図6Cは図6Bに示す調整具の変更例の説明図である。
プリンタUの機種や設置環境等によって、床面に対して下ナット3aや本体ナット7の高さが異なることがあり、これに対応して、図6に示すように実施例1の耐震ブラケット11では、底板12と上下規制板14との間や、上下規制板14と左右規制部材16との間に、調整具の一例として、板状のスペーサ19が装着可能に支持されている。実施例1のスペーサ19は、予め設定された厚さを有する板状のスペーサ19が複数用意されており、下ナット3aや本体ナット7の高さに応じて、装着する枚数を調整することで、上下規制本体14aを下ナット3aの上方に近接して配置したり、左右規制本体16aを本体ナット7に対応する高さに設定することが可能である。
なお、図6Aでは、一例として、底板12と上下規制板14との間に1枚のスペーサ19が装着され、上下規制板14と左右規制部材16との間に2枚のスペーサ19が装着された状態を示している。
図6B、図6Cにおいて、実施例1のスペーサ19は、図6Bに示すように、ネジ孔12aに対応する調整用の貫通口19aを有する構成となっているが、図6Cに示すように、左右方向外方から挿入しやすいように、左右方向の内側からネジ孔12aに対応する位置まで延びるU字溝状の調整用の貫通部19bを有する構成とすることも可能である。
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の耐震ブラケット11は、床面1上に設置されたプリンタUのフット2に対して、前後方向外側から装着されている。すなわち、前側のフット2に対しては、耐震ブラケット11は、前方から軸貫通溝14e、16eが挿入される形で装着され、後側のフット2に対しては、後方から軸貫通溝14e、16eが挿入される形で装着されており、結果として、プリンタUを前後から挟む形で耐震ブラケット11が設置されている。
そして、耐震ブラケット11の上下規制板14は、上下規制の本体部14aがフット2の下ナット3aの上面に近接して配置されると共に、左右規制部材16は、軸部4の底面6側の端部に対応する本体ナット7に対応する高さに配置されている。
図7は実施例1の作用説明図であり、図7Aは従来の構成において設置面が縦方向に振動した場合の説明図、図7Bは従来の構成において設置面が横方向に振動した場合の説明図、図7Cは実施例1の構成において設置面が縦方向に振動した場合の説明図、図7Dは実施例1の構成において設置面が横方向に振動した場合の説明図である。
図7Aにおいて、特許文献1に記載されているような従来の構成では床面01が上下方向、縦方向に振動した場合には、下ナット02の上面が上下規制の本体部03の下面に接触して上下方向の移動が規制され、装置本体04の転倒が抑制される。しかしながら、図7Bに示すように、床面01が水平方向、横方向に振動した場合、上下規制の本体部03とフット06の軸部07との接触部07aが、テコの支点となり、力点としての床面01の振動が、作用点としての装置本体04の底面04aに増幅して伝わり、装置本体04が大きく振動しやすくなる問題がある。したがって、増幅された振動を受けて、装置本体04の底面04aとフットの軸部07との固定が破損したり、軸部07が折れたりする恐れがあり、装置本体04が転倒する等の問題が発生する恐れがある。
水平方向の振動の増幅を低減するために、上下規制の本体部03を上方に移動することも考えられるが、上下規制の本体部03が上方に移動すると、図7Aに示すように上下方向に振動した場合に、下ナット02から上下規制の本体部03までの距離が長くなり、上下方向の振動が抑えられなくなる問題が発生する。上下規制の本体部03の厚みを厚くする場合、重量が重くなりすぎて設置が困難になったり、費用が増大する問題がある。
これらに対して、実施例1の耐震ブラケット11では、床面1が上下方向に振動した場合には、下ナット3aの上面を上下規制の本体部14aの下面が規制して、上下方向の振動が規制される。そして、床面1が左右方向に振動した場合には、下ナット3aと上下規制の本体部14aとが接触するよりも先に、本体ナット7と左右規制の本体部16aとが接触しており、図7Bに示すようなテコの作用が発生せず、床面1の振動が増幅されることが抑制されている。したがって、実施例1の耐震ブラケット11では、図7Bに示す構成に比べて、本体ナット7に作用する負荷が過大になることが低減されており、本体ナット7や軸部4の破損が低減され、プリンタUの転倒が抑制される。
なお、実施例1の耐震ブラケット11では、プリンタUを前後方向から挟むように配置されており、前側の耐震ブラケットの左右規制の本体部16aが本体ナット7に接触しており、後側の耐震ブラケットの左右規制の本体部16aが本体ナット7に接触している。したがって、床面1が前後方向に移動した場合でも、前方に移動した場合は前側の耐震ブラケットの左右規制の本体部16aが本体ナット7を規制し、後方に移動した場合は後側の耐震ブラケットの左右規制の本体部16aが本体ナット7を規制する。したがって、床面1が前後方向に振動した場合でも、振動の増幅が低減されている。
また、実施例1の耐震ブラケット11では、スペーサ19が着脱可能に構成されており、既存のプリンタUのフット2を交換したり、既存のプリンタUのフット2に対応する耐震ブラケットを数種類作製する等しなくても、スペーサ19を使用して、上下規制本体14aや左右規制本体16aの高さを、既存のフット2に対応して、調整することが可能である。したがって、無駄な費用の増大を抑制することが可能である。
さらに、保守作業や、プリンタUの下方に文房具や硬貨等が落ちて入り込んだ場合に、一時的にプリンタUを移動させたいことがあるが、耐震ブラケットの底板12と規制部材14,16とが一体構成されている場合、耐震マット13を剥がす等の作業が必要となり、移動が面倒になる問題がある。これに対して、実施例1の耐震ブラケット11では、底板12に対して、上下規制板14および左右規制の部材部16がボルト17を介して着脱可能に支持されている。したがって、例えば、底板12は床面1に残したまま、規制部材14,16を取り外して、プリンタUを移動させることが可能となり、プリンタUの一時的な移動を容易に行うことが可能である。
図8は実施例2の脚部材および転倒抑制具の説明図であり、実施例1の図3に対応する図である。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同様の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図8において、実施例2のプリンタUでは、本体ナット7が省略されており、プリンタUの凹部6aにネジ溝が形成されており、フット2の軸部4のネジ山4aは、凹部6a′のネジ溝にネジ込まれることで、高さの調整が可能になっている。
これに対応して、実施例2の耐震ブラケット11′では、左右規制部材16′の上側の軸貫通溝16eは、本体ナット7ではなく、軸部4の底面6側の端部に対応して、隙間が下側の軸貫通溝14eよりも狭くなるように設定されている。すなわち、上側の軸貫通溝16eの左右方向の幅は、軸部4aの外径以上、下側の軸貫通溝14eの左右方向の幅未満に設定されている。
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の耐震ブラケット11′では、床面1が左右方向に振動した場合には、底面6から下方に離れた位置で軸部4と下側の軸貫通溝16eとが接触する前に、軸部4の底面6側の端部に、上側の軸貫通溝16eが接触する。よって、実施例1の場合と同様に、床面1の振動が増幅されることが抑制され、プリンタUの転倒が抑制される。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてのプリンタを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX等の画像形成装置にも適用可能である。また、設置具の一例としての画像形成装置を例示したが、これに限定されず、フットを有する任意の構成、例えば、キャビネットや机、本棚や収納ラック、家具等にも適用可能である。
(H02)前記実施例において、上下規制の本体部14aは、台座部3に支持された下ナット3aを介して、間接的に台座部3の振動を規制する構成を例示したが、これに限定されず、台座部3の上面に直接接触する構成とすることも可能である。このとき、下ナット3aが設けられていない構成とすることも可能であるし、下側の軸貫通溝14eの幅を広げて、下ナット3aが、下側の軸貫通溝14eに対して隙間をあけて収容された状態とすることも可能である。
(H03)前記実施例において、左右規制の本体部16aは、本体ナット7を介して、間接的に軸部4の左右方向の振動を規制する構成を例示したが、これに限定されず、軸部4に直接接触する構成とすることも可能である。このとき、本体ナット7は、底面6の内部に埋め込まれた構成としたり、設けられていない構成としたりすることも可能である。
(H04)前記実施例において、左右規制の本体部16aの上側の軸貫通溝16eは、本体ナット7に接触する構成を例示したが、これに限定されず、振動時に、下側の軸貫通溝14eが軸部4に接触するよりも先に、本体ナット7と上側の軸貫通溝16eが接触可能であれば、接触せずに隙間をあけた構成とすることも可能である。
(H05)前記実施例において、底板12に対して、規制部材14,16が着脱可能な構成とすることが望ましいが、溶接等で着脱不能な構成とすることも可能である。
(H06)前記実施例において、耐震マット13を使用して、耐震ブラケット11が床面1に対して剥がすことが可能、すなわち、着脱可能な構成とすることが望ましいが、これに限定されず、例えば、アンカーボルト等を使用して、床面に耐震ブラケット11を固定したり、接着剤等で固定する等、任意の構成を採用可能である。
(H07)前記実施例において、スペーサ19を使用して高さ調節が可能な構成とすることが望ましいが、これに限定されず、例えば、長孔を介して上下方向にスライド可能な構成を採用して、長さを調整可能にしたり、フットの高さに応じて、複数種類の高さの耐震ブラケットを作製する等も可能である。
(H08)前記実施例において、設置面の一例として床面を例示したが、これに限定されず、机の上面等の任意の設置面に適用可能である。
1…設置面、
2…脚部材、
3…台座部、
4…軸部、
6…底部、
11,11′…転倒抑制具、
12…支持部、
13…抑制部材、
14…第1の規制部、
14e…第1の軸貫通部、
16,16′…第2の規制部、
16e…第2の軸貫通部、
19…調整具、
U…設置具、画像形成装置、
U3…画像形成装置の本体。

Claims (5)

  1. 設置面に対して接触する台座部と、前記台座部と設置具の底部とを接続し且つ前記台座部よりも小径の軸部と、を有する脚部材を支持して、前記設置面の振動時に前記設置具の転倒を抑制する転倒抑制具であって、
    前記設置面に支持された支持部と、
    前記支持部に対して支持され且つ前記台座部の上面の上方に対応して配置された第1の規制部であって、前記軸部が貫通する第1の軸貫通部を有する前記第1の規制部と、
    前記第1の規制部の上方に配置され且つ前記軸部の前記底部側の端部に対応して配置された第2の規制部であって、前記軸部が貫通し且つ前記第1の軸貫通部と軸部との隙間に比べて当該軸部の端部との隙間が狭く形成された第2の軸貫通部を有する前記第2の規制部と、
    を備えたことを特徴とする前記転倒抑制具。
  2. 前記支持部に対して着脱可能に支持された前記第1の規制部および第2の規制部、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の転倒抑制具。
  3. 前記支持部の前記設置面側の面に支持され、前記設置面に剥離可能に密着して、前記支持部の前記設置面に対する移動を抑制する抑制部材、
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の転倒抑制具。
  4. 前記支持部と前記第1の規制部との間に装着可能に支持されて前記第1の規制部の前記設置面からの高さを調整可能な調整具であって、前記第1の規制部と前記第2の規制部との間に装着可能に支持されて前記第2の規制部の前記設置面からの高さを調整可能な前記調整具、
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の転倒抑制具。
  5. 画像形成装置の本体の底部に支持された脚部材であって、設置面に対して接触する台座部と、前記台座部と装置の底部とを接続し且つ前記台座部よりも小径の軸部と、を有する前記脚部材と、
    前記設置面に支持された支持部と、前記支持部に対して支持され且つ前記台座部の上面の上方に対応して配置された第1の規制部であって、前記軸部が貫通する第1の軸貫通部を有する前記第1の規制部と、前記第1の規制部の上方に配置され且つ前記軸部の前記底部側の端部に対応して配置された第2の規制部であって、前記軸部が貫通し且つ前記第1の軸貫通部に比べて前記軸部との隙間が狭く形成された第2の軸貫通部を有する前記第2の規制部と、を有し、設置面の振動時に前記画像形成装置の本体の転倒を抑制する転倒抑制具と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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