JP6747249B2 - 自動取引装置 - Google Patents
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Description
図23は従来の自動取引装置の構成を示す斜視図である。更に、図24は従来の自動取引装置の内部を上方から見た説明図である。
金庫ユニット5は、保守等の際にスライドレール11によって矢印A方向に引出すことができるようになっている。また、装置底板3には、装置正面側に2個のアンカーボルト孔109a及び109bが配置され、最も奥側の位置に2個のアンカーボルト孔109c及び109dが配置されている。
そして、自動取引装置101を地面に固定して設置する際に、これらのアンカーボルト孔109a、109b、109c及び109dに、あらかじめ地面にコンクリート等で埋設したアンカーボルトを貫通させ、ナット等で固定される。
ところが、コンビニ等に設置されるスリム型の自動取引装置では、奥行の長さLzは1m程度以上あり、金庫扉2を開いたときの装置開口部2bは、幅が約300mm、高さ約500mm程度と狭いものが多い。更に、装置内には、金庫ユニット5並びに制御ボード10a、配線材10b及びコネクタ10c等の装置内部品10がある。そのため最も奥側の位置の2か所のアンカーボルト孔109c、109dには手が届かず、アンカーボルトによる装置固定作業を行うことが困難である。
このように、従来の自動取引装置101においては、設置作業が煩雑で時間が掛かるという問題があり、更に、制御ボード10a、配線材10b及びコネクタ10c等の装置内部品10の再装着における作業不具合によって、初期不良が発生するなどの問題もあった。
以下に本発明を実施するための最良の形態である第1の実施の形態を説明する。各図面に共通な要素には同一の符号を付す。以下、第1の実施の形態に関する自動取引装置の構成を説明する。なお、以下の説明では、装置正面側に金庫扉2を備え、金庫扉2を開いて装置正面側から保守が可能な自動取引装置を例として説明するが、背面側或いは側面側に金庫扉2を備え、背面側或いは側面側から保守を行う自動取引装置であってもよい。
装置筐体1xは鋼板からなり、自動取引装置1の側面、背面及び上面を形成する。底面としての装置底板3については後述する。自動取引装置1の一方の面としての前面には、装置開口部2bを形成する開閉可能な扉としての金庫扉2を有する。金庫扉2は、自動取引装置1の正面側から見て左側に開閉鍵2aを有し、開閉鍵2aを開錠又は施錠することによって、自動取引装置1の正面側から見て右側の扉支点2−1を中心に矢印Bx方向に開閉可能である。この金庫扉2は、自動取引装置1の設置の際又は保守の際に開かれ、装置開口部2bを形成する。金庫扉2を開いたときに形成される装置開口部2bから自動取引装置1の設置作業及び保守作業が行われる。この金庫扉2は、防犯上から強化扉とするのがよい。
第1の実施の形態に関する自動取引装置1は、これらの各部を用いて、顧客の操作により入出金取引及び通帳取引などが行える構成となっている。例えば、入金取引においては、現金入出金口24から入金された現金は後述する金庫ユニット5に収納される。また、出金取引においては、金庫ユニット5から現金が繰り出され、現金入出金口24に出金される。
装置底板3は、自動取引装置1の底部に形成され、自動取引装置1の内部ユニットとしての金庫ユニット5を保持する。装置底板3は厚板鋼板からなり、自動取引装置1の装置筐体1xからなる側面及び背面に溶接等で固定され、内部ユニットとしての金庫ユニット5及び装置内部品10を載置する。また、装置底板3は、複数のアンカーボルト孔9a、9b、9c及び9dを備え、後に図2に示す固定部材としてのアンカーボルト7によって自動取引装置1をグランド6に固定する。
自動取引装置1は、グランド6に設置する際に、後述するようにあらかじめグランド6に設けられたアンカーボルト7をアンカーボルト孔9a、9b、9c及び9dに貫通させ、ナット等で固定される。以下、アンカーボルト孔9a、9b、9c及び9dを総称するときは「アンカーボルト孔9」という。
なお、スライドレール11は装置底板3に固定される場合を例示したが、本実施の形態はかかる例に限定されず、例えば、スライドレール11は装置筐体1x内の側面に固定される場合等でもよい。
制御ボード10a及び配線材10bは、金庫ユニット5をスライドレール11によって装置外まで引出すときに、同時に装置外に引き出されるが、コネクタ10cは装置内に固定されたままになっている。
即ち、先ず、自動取引装置1を設置するグランド6に、装置底板3のアンカーボルト孔9a、9b、9c及び9dの位置に合わせて、アンカーボルト7を埋設するための穴を開ける。そして、その開けた穴にアンカーボルト7を挿入してコンクリート等で固定する。
なお、アンカーボルト7の直径D1、D2及びアンカーボルト7の長さLk等は、自動取引装置1の前後左右方向から力を加えられたときに、アンカーボルト7が変形し自動取引装置1の傾きの発生、又はアンカーボルト7の折損が発生しない耐加重となるように設定する。
このように第1の間隙L1とは、内部ユニットとしての金庫ユニット5と装置筐体1xとの間に形成される間隙であって、装置底板3において、固定部材用の孔としてのアンカーボルト孔9が形成される間隙である。
ここで、装置右側のアンカーボルト孔9b及び9dは、アンカーボルト7による装置固定作業を行い易いように、制御ボード10a及び配線材10b等の装置内部品10と干渉しない位置に配置するのがよい。
次に、作業員は図3に示すように、金庫扉2の開閉鍵2aを開錠し、矢印Bx方向に金庫扉2を開く。次に、作業員はアンカーボルト孔9a、9b、9c及び9dに貫通したアンカーボルト7をナット8a及びワッシャー8bによってそれぞれ固定する。この装置固定作業は、左右の第1の間隙L1におけるアンカーボルト孔9が、装置開口部2b近傍に配置されているので容易に行うことができる。作業員はアンカーボルト7による装置固定作業が終了すると、金庫扉2を閉じて開閉鍵2aにより施錠する。以上により自動取引装置1のアンカーボルト7による装置固定作業は完了する。
次に、第2の実施の形態に関する自動取引装置1の構成を説明する。第2の実施の形態に関する自動取引装置1の構成は、図1に示した第1の実施の形態に関する自動取引装置1とは、アンカーボルト孔9の配置構成が異なる。また、金庫ユニット5を装置外に移動させるスライドレール11が設けられ、金庫ユニット5を装置外に引出したときに、装置開口部2bと金庫ユニット後端5b間に作業用の間隙としての第2の間隙Lαが形成される構造となっている。その他の構成は第1の実施の形態に関する自動取引装置1の構成と同様であるので、簡略化のために同様の構成についてはその説明を省略する。
このように第2の間隙Lαとは、装置開口部2bと引出された金庫ユニット5の金庫ユニット後端5bにより形成される間隙であって、アンカーボルト7を装置底板3に固定するための作業用間隙である。特に、後述するように、第2の間隙Lαのうち装置左側の左側間隙51及び装置右側の右側間隙52が装置固定作業に利用される。
そして、まず作業員は、装置左側の左側間隙51から右腕を挿入し、アンカーボルト孔9a及び9cに貫通したそれぞれのアンカーボルト7をナット8a及びワッシャー8bによって固定する。図7は、第2の実施の形態に関する自動取引装置のアンカーボルトによる装置固定作業を示す斜視図である。
次に、作業員は図6に示す装置右側の右側間隙52から左腕を挿入し、アンカーボルト孔9b及び9dに貫通したそれぞれのアンカーボルト7をナット8a及びワッシャー8bによって固定する。図8は、第2の実施の形態に関する自動取引装置のアンカーボルトによる装置固定作業を示す斜視図である。
アンカーボルト7による装置固定作業が終了すると、作業員は金庫ユニット5をスライドレール11によってスライドさせて装置内に押し込んで固定する。そして、金庫扉2を閉じて開閉鍵2aにより施錠する。以上により自動取引装置1のアンカーボルト7による装置固定作業は完了する。
このように、金庫ユニット5を引出す前に、装置開口部2b近傍に配置したアンカーボルト孔9a及び9bのアンカーボルト7を固定しておくことによって、金庫ユニット5を引出すときに自動取引装置1が転倒することを防止することができる。
次に、第3の実施の形態に関する自動取引装置1の構成を説明する。第3の実施の形態に関する自動取引装置1は、図1に示した第1の実施の形態に関する自動取引装置1と、アンカーボルト孔9の配置構成が同じである。また、第2の実施の形態に関する自動取引装置1と同様に、金庫ユニット5を装置外に移動させるスライドレール11が設けられ、金庫ユニット5を装置外に引出したときに、装置開口部2bと金庫ユニット後端5b間にアンカーボルト7を装置底板3に固定する作業用の間隙としての第2の間隙Lαが形成できるまで引出せる構造となっている。その他の構成は第1の実施の形態に関する自動取引装置1の構成と同様であるので、簡略化のために同様の構成についてはその説明を省略する。
第3の実施の形態に関するアンカーボルト孔9a、9b、9c及び9dは、第1の実施の形態と同様に、装置底板3において、装置筐体1xと金庫ユニット5の間の左右に形成された第1の間隙L1の装置開口部2bの近傍に左右それぞれ2個ずつ配置されている。即ち、装置開口部2bから見て装置左側の第1の間隙L1にアンカーボルト孔9a及び9cが配置され、装置右側の第1の間隙L1にアンカーボルト孔9b及び9dが配置されている。そして、アンカーボルト孔9a及び9bは装置開口部2bの直近に配置され、アンカーボルト孔9c及び9dは装置開口部2bからやや離れて配置される。
図9において、アンカーボルト孔9c及び9dの周囲に後述する取付工具20を破線で示す。また、第3の実施の形態に関する自動取引装置1では、装置底板3に固定された装置内部品、即ち固定された装置内部品としてのコネクタ10cが装置奥行略中央に配置された例となっている。
ソケット装着部20aは、ラチェット機構が組み込まれており、設定された方向への所定量の回転により被締付部材となるナット8aを回転させ、逆方向への回転では空転する。このソケット装着部20aには、ナット8aの大きさに応じた任意のソケット20sを装着させることができる。
ハンドル20bは、取付工具20を往復動作させる際に、作業員が把持する部分である。設定レバー20dは、ナット8aを回転させる方向をCW方向(時計回り)又はCCW方向(反時計回り)のいずれかに設定するレバーである。リリースボタン20eは、装着したソケット20sをソケット装着部20aから外すときに押下するボタンである。
即ち、作業員は、設定レバー20dによってナット8aを締付ける方向を設定する。通常、アンカーボルト7として右ねじを使用するので、CW方向(時計回り)にセットする。次に、ナット8aに合った任意のソケット20sをソケット装着部20aに装着する。そして、ナット8aにソケット20sを嵌め込み、ハンドル20bを握って矢印M方向に往復させることによって、ナット8aを締付けることができる。
このときの取付工具20の回転角θtは、装置筐体1x近傍おいてナット8aを締付けるときの作業性、即ち往復動作の回数を考慮すると、略180度とするのが最もよい。
第3の実施の形態に関する自動取引装置1では、装置内部品10が配置された装置右側において、装置開口部2bからやや離れたアンカーボルト孔9dは、この取付工具20の回転によって、取付工具20が装置内部品10のコネクタ10cと干渉しないように配置している。
また、装置左側は装置右側とで同様の作業とするために、装置左側の装置開口部2bからやや離れたアンカーボルト孔9cはアンカーボルト孔9dと左右対称な位置になるように配置させる。
Mr(cm) ≧ (Ts(N・m)×10.2)/Fp(Kgf) (式1)
自動取引装置1をグランド6に固定のためのアンカーボルト7としてM8ねじを使用したとすると、T系列規格(一般用途)の標準締付けトルクTsは、12.5N・mである。また、実験によれば、成人の腕による押す力又は引く力Fpは、利き腕では平均9kgf程度であり、利き腕でない腕でも平均8kgf以上であった。
即ち、装置開口部2bからやや離れたのアンカーボルト孔9dの位置は、工具回転半径Rtが略20cmの取付工具20を使用しても固定された装置内部品のコネクタ10cと干渉しないようにすればよい。従って、アンカーボルト孔9dの位置は、固定された装置内部品のコネクタ10cから略工具回転半径Rtとなる離間距離Lg=略20cm以上離した位置に配置する。
次に、作業員は金庫ユニット5をスライドレール11によって矢印A方向にスライドさせて装置外に引き出す。スライドレール11によって金庫ユニット5が装置外に引き出されると、装置開口部2bと金庫ユニット後端5b間に、アンカーボルト7を装置底板3に固定する作業用の間隙としての第2の間隙Lα、特に、装置左側に左側間隙51及び装置右側に右側間隙52が形成される。
図11は、第3の実施の形態に関する自動取引装置のアンカーボルトによる装置固定作業を示す一部切欠き斜視図である。なお、図11は、装置開口部2bからやや離れて配置されたアンカーボルト孔9cに貫通したアンカーボルト7を固定する場合を示すが、装置開口部2bの直近に配置されたアンカーボルト孔9aに貫通したアンカーボルト7を固定する場合も同様である。
この締付けは、取付工具20のソケット装着部20aに取付けたソケット20sをナット8aに押し付けて嵌め込み、ハンドル20bで略水平方向に回転させることによって行われる。左側間隙51において、作業員は、取付工具20を装置奥側から矢印Ga方向に装置開口部2b付近まで、略180度回転させてナット8aを締め付け、矢印Gaの逆方向に空転させて戻す往復動作を繰り返して、ナット8aを締め付ける。
図12は、第3の実施の形態に関する自動取引装置のアンカーボルトによる装置固定作業を示す一部切欠き斜視図である。なお、図12は、装置開口部2bからやや離れて配置されたアンカーボルト孔9dに貫通したアンカーボルト7を固定する場合を示すが、装置開口部2bの直近に配置されたアンカーボルト孔9bに貫通したアンカーボルト7を固定する場合も同様である。
図12に示すように、制御ボード10aは、金庫ユニット5の右側面における装置奥行略中央よりやや装置開口部2b寄りに固定して設けられる。従って、金庫ユニット5を第2の間隙Lαが形成されるまでスライドさせると、制御ボード10aは右側間隙52から退避しているので、作業員は装置右側から左腕の挿入が容易になる。作業員は制御ボード10a及び配線材10bを避けながら左腕によって、アンカーボルト孔9b及び9dに貫通したそれぞれのアンカーボルト7を固定することができる。
このとき、アンカーボルト孔9dは、固定された装置内部品としてのコネクタ10cから離間距離Lg離間した位置に配置されているので、作業員が取付工具20を略180度回転させても固定された装置内部品と干渉しない。
アンカーボルト7による装置固定作業が終了すると、作業員は金庫ユニット5をスライドレール11によってスライドさせて装置内に押し込んで固定する。そして、作業員は金庫扉2を閉じて開閉鍵2aにより施錠する。以上により自動取引装置1のアンカーボルト7による装置固定作業は完了する。
また、以上の説明では、取付工具20と干渉する固定装置部品がない装置左側のアンカーボルト孔9cが、アンカーボルト孔9dと左右対称の位置に配置させるように説明したが、取付工具20を略180度回転させることができれば、装置開口部2bからやや離れて配置されたアンカーボルト孔9cは更に装置奥側に配置してもよい。
次に、第4の実施の形態に関する自動取引装置1の構成を説明する。第4の実施の形態に関する自動取引装置1の構成は、図9に示した第3の実施の形態に関する自動取引装置1とは、アンカーボルト孔9の配置構成が異なる。また、第2の実施の形態に関する自動取引装置1と同様に、金庫ユニット5を装置外に移動させるスライドレール11が設けられ、金庫ユニット5を装置外に引出したときに、装置開口部2bと金庫ユニット後端5b間に作業用の間隙としての第2の間隙Lαが形成できるまで引出せる構造となっている。その他の構成は第1の実施の形態に関する自動取引装置1の構成と同様であるので、簡略化のために同様の構成についてはその説明を省略する。
このことから、第4の実施の形態に関する自動取引装置1における装置奥行略中央のアンカーボルト孔9c、9dは、取付工具20を略90度回転させることができ、かつ装置開口部2bから略成人の腕の長さの範囲内となる装置奥行長さLxに配置する。
また、作業員である成人の肘からこぶし中心までの距離は30cm程度であることから、装置奥行略中央のアンカーボルト孔9c、9dの装置奥行長さLxは、略30cm程度であってもよい。
以上のように、装置奥行略中央にアンカーボルト孔9c、9dを配置することによって、装置前後方向、即ち、矢印C、D方向からの耐加重性を向上させることができる。
次に、作業員は金庫ユニット5をスライドレール11によって矢印A方向にスライドさせて装置外に引き出す。スライドレール11によって金庫ユニット5が装置外に引き出されると、装置開口部2bと金庫ユニット後端5b間に、アンカーボルト7を装置底板3に固定する作業用の間隙としての第2の間隙Lαが形成でき、特に、第2の間隙Lαのうち装置左側には左側間隙51が、装置右側には右側間隙52が形成できる。
図14は、第4の実施の形態に関する自動取引装置のアンカーボルトによる装置固定作業を示す一部切欠き斜視図である。なお、図14は、装置奥行略中央のアンカーボルト孔9cに貫通したアンカーボルト7を固定する場合を示すが、装置開口部2b近傍のアンカーボルト孔9aに貫通したアンカーボルト7を固定する場合も同様である。
このナット8aの締付けは、取付工具20のソケット装着部20aに取付けたソケット20sをナット8aに押し付けて嵌め込み、ハンドル20bを持って略水平方向に回転させることによって行う。即ち、左側間隙51である装置左側においては、作業員は取付工具20を装置奥側から矢印Ga方向に装置開口部2b側まで、略90度回転させてナット8を締め付け、矢印Gaの逆方向に空転させて戻す往復動作を繰り返して、ナット8aを締め付ける。
図15は、第4の実施の形態に関する自動取引装置のアンカーボルトによる装置固定作業を示す一部切欠き斜視図である。なお、図15は、装置奥行略中央のアンカーボルト孔9dに貫通したアンカーボルト7を固定する場合を示すが、装置開口部2b近傍のアンカーボルト孔9bに貫通したアンカーボルト7を固定する場合も同様である。
なお、以上の説明では、装置開口部2b近傍に配置したアンカーボルト孔9a及び9bについて、金庫ユニット5を引出した後に、アンカーボルト7による装置固定作業を行うように説明したが、金庫ユニット5を引出す前にアンカーボルト孔9a及び9bについて装置固定作業を行ってもよい。このようにすれば、金庫ユニット5を引出すときに自動取引装置1が倒れこむことを防止することができる。
第5の実施の形態に関する自動取引装置1の構成は、図1に示した第1の実施の形態に関する自動取引装置1とは、アンカーボルト孔の配置構成が異なる。また、第2の実施の形態に関する自動取引装置1と同様に、装置外に金庫ユニット5を移動させるスライドレール11が設けられ、金庫ユニット5を装置外に引出したときに装置開口部2bと金庫ユニット後端5b間に作業用の間隙としての第2の間隙Lαを形成できる構造となっている。その他の構成は第1及び第2の実施の形態に関する自動取引装置1の構成と同様であるので、簡略化のために同様の構成についてはその説明を省略する。
第5の実施の形態に関する自動取引装置1では、固定部材用の孔としてのアンカーボルト孔9が装置開口部2bから見て最も奥側の位置には配置されない。アンカーボルト孔9は装置奥行略中央より装置開口部2b寄りに配置されている。即ち、装置開口部2b近傍の2個のアンカーボルト孔9a及び9bは、第1の実施の形態に関する自動取引装置1と同様に装置開口部2bの直近の位置に配置されている。本実施の形態に関する自動取引装置1では、他の2個のアンカーボルト孔9c及び9dは、装置筐体1xと金庫ユニット5の左側の第1の間隙L1にのみに、かつ装置奥行略中央より装置開口部2b寄りに等間隔に配置している。具体的には、アンカーボルト9cは第1の間隙L1の装置奥行略中央より装置開口2b寄りに配置され、アンカーボルト9dは、アンカーボルト9a及びアンカーボルト9cの中間の位置に配置されている。
次に、作業員はアンカーボルト7によって自動取引装置1を固定する装置固定作業を行う。このアンカーボルト7による装置固定作業は、先ず、グランド6に固定したアンカーボルト7が、自動取引装置1の装置底板3のアンカーボルト孔9a、9b、9c及び9dをそれぞれ貫通するように自動取引装置1を設置する。そして、作業員は図16に示すように、金庫扉2の開閉鍵2aを開錠し、金庫扉2を矢印Bx方向に開く。
図18に示すように、作業員は右腕が利き腕であった場合に、装置左側の左側間隙51から右腕が挿入し易い。左側間隙51には制御ボード10a及び配線材10bはなく、作業員は矢印J方向に右腕を伸ばせば、アンカーボルト孔9a、9c及び9dを貫通させたそれぞれのアンカーボルト7をナット8a及びワッシャー8bによって容易に固定することができる。
図19に示すように、作業員は装置右側から左腕が挿入し易く、制御ボード10a及び配線材10bを避けながら矢印K方向に左腕を伸ばせば、アンカーボルト孔9bを貫通させたアンカーボルト7をナット8a及びワッシャー8bによって容易に固定することができる。
また、装置右側には、制御ボード10a、配線材10b及びコネクタの装置内部品10があり、これを避けながら作業をする必要がある。第5の実施の形態に関する自動取引装置1では、作業が困難な装置右側のアンカーボルト7による装置固定作業を少なくすることができるので、これによっても作業効率を向上させることができる。
アンカーボルト7による装置固定作業が終了すると、金庫ユニット5をスライドレール11によってスライドさせて装置内に押し込んで固定する。そして、金庫扉2を閉じて開閉鍵2aにより施錠する。以上により自動取引装置1のアンカーボルト7による装置固定作業は完了する。
このように、金庫ユニット5を引出す前に、アンカーボルト孔9a及び9bのアンカーボルト7を固定しておくことによって、金庫ユニット5を引出すときに自動取引装置1が倒れこむことを防止することができる。
また、以上の実施の形態に関する自動取引装置1の説明では、装置正面側に金庫扉2を設け、装置正面側からアンカーボルト7による装置固定作業を行う例として説明したが、装置背面側に金庫扉2が設けられている場合にも適用することができる。
図20は、第1の実施の形態の変形例1に関する自動取引装置を示す斜視図である。第1の実施の形態の変形例1に関する自動取引装置1の金庫扉2は、自動取引装置1の装置背面側から見て左側の扉支点2−2を中心に矢印Bz方向に開閉可能である。金庫扉2は矢印Bz方向に開くことによって、装置開口部2bを形成する。そして、第1の実施の形態に関する自動取引装置1と同様に装置開口部2b近傍の装置底板3にアンカーボルト孔9a、9b、9c及び9dを備える。このようにアンカーボルト孔9a、9b、9c及び9dを配置することによって、矢印Bz方向に金庫扉2を開けるだけで、アンカーボルト孔9a、9b、9c及び9dを使ったアンカーボルト7による装置固定作業を行うことができる。
また、以上の本発明の実施の形態に関する自動取引装置1の説明では、図3、図4又は図16に示すように、アンカーボルト孔9a、9b、9c及び9dをそれぞれ異なる位置に配置する例として説明したが、複数のアンカーボルト孔9をあらかじめ開けておき、状況に合わせてアンカーボルト孔9の位置を選択できるようにしてもよい。
図21は、実施の形態の変形例2に関する自動取引装置のアンカーボルト孔の配置構成を示す説明図である。実施の形態の変形例2に関する自動取引装置1の装置底板3には、装置筐体1xと金庫ユニット5間の第1の間隙L1において、複数のアンカーボルト孔9が、所定の間隔ΔLごとに左右それぞれに配置される構成となっている。即ち、アンカーボルト孔9は、異なる配置構成に合わせてあらかじめ複数のアンカーボルト孔9が配置されている。
また、前述の第2の実施の形態に関する自動取引装置1の説明では、装置奥行略中央のアンカーボルト孔9c及び9dを、腕が届く範囲における装置奥行略中央に配置する例を示したが、より奥側にアンカーボルト孔9c及び9dを配置するようにしてもよい。
図22は、実施の形態の変形例3に関する自動取引装置のアンカーボルト孔による装置固定作業を示す説明図である。図22に示すように、スライドレール11によって金庫ユニット5を装置開口部2bと金庫ユニット後端5b間が、第2の実施の形態で説明した作業用の第2の間隙Lαより広い作業用の間隙Lβ(Lβ>Lα)が形成されるまで引出せるようにする。そして、作業員の肩まで入る間隙a部、間隙b部を形成可能とする。
この長さLxは、作業員がスパナ等を持って腕が届く範囲、即ち、肩を含む腕の長さまで、その範囲を広げることができる。実験によれば、成人、男子でアンカーボルト7による装置固定作業が可能な平均長さLxは約50cmであった。従って、この長さまで、アンカーボルト孔9c及び9dの配置範囲を広げることができる。
例えば、装置左側に3個及び装置右側に2個の計5個、或いは装置左側に2個及び装置右側に3個の計5個、装置左側に3個及び装置右側に3個の計6個などの配置としてもよい。
1x 装置筐体
2 金庫扉
2b 装置開口部
3 装置底板
5 金庫ユニット
6 グランド
7 アンカーボルト
9 アンカーボルト孔
9a、9b アンカーボルト孔
9c、9d アンカーボルト孔
10 装置内部品
11 スライドレール
20 取付工具
Rt 工具回転半径
θt 取付工具の回転角
Claims (15)
- 装置の側面に形成される装置筐体と、
前記装置の前面に装置開口部を形成する開閉可能な扉と、
前記装置の底部に形成される装置底板と、
前記装置底板に載置される前記装置の内部ユニットと、
前記内部ユニットの側面と前記装置筐体との間に前記装置開口部から装置背面側に至る装置奥行に形成される第1の間隙と、
前記装置底板における前記第1の間隙に、前記装置を床に固定するために配置した複数の固定部材用の孔とを有し、
前記固定部材用の孔は、装置奥行略中央位置より前記装置開口部寄りに配置したことを特徴とする自動取引装置。 - 前記固定部材用の孔は、前記装置開口部から見て前記内部ユニットの左右に有する前記第1の間隙における前記装置開口部の近傍に配置したことを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
- 前記内部ユニットを前記装置開口部を介して前記装置の外に移動可能とする移動手段を備え、
前記移動手段は、前記内部ユニットを前記装置の外に移動した後に、前記装置開口部と前記内部ユニットの後端の間により固定部材を前記装置底板に固定する作業用の第2の間隙が形成されることを特徴とする請求項2記載の自動取引装置。 - 前記固定部材用の孔は、更に、前記第1の間隙に設置された装置内部品から取付作業用の取付工具の回転半径以上の前記装置開口部側に離間をさせて配置したことを特徴とする請求項3記載の自動取引装置。
- 前記固定部材用の孔は、更にまた、前記取付工具の所定の角度の回転によって、前記取付工具が装置内部品と干渉しないように配置したことを特徴とする請求項4記載の自動取引装置。
- 前記内部ユニットを前記装置開口部を介して前記装置の外に移動可能とする移動手段を備え、
前記固定部材用の孔は、前記装置開口部から見て前記内部ユニットの左右に有する前記第1の間隙における前記装置開口部の近傍及び装置奥行略中央に配置したことを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。 - 前記移動手段は、前記内部ユニットを前記装置の外に移動した後に、前記装置開口部と前記内部ユニットの後端の間により固定部材を前記装置底板に固定する作業用の第2の間隙が形成されることを特徴とする請求項6記載の自動取引装置。
- 前記装置奥行略中央に配置する前記固定部材用の孔は、取付作業用の取付工具の所定の角度の回転によって、前記取付工具が装置内部品と干渉しないように配置したことを特徴とする請求項7記載の自動取引装置。
- 前記装置奥行略中央に配置する前記固定部材用の孔は、前記装置開口部からの長さを通常の成人の腕の長さの範囲内に配置したことを特徴とする請求項7記載の自動取引装置。
- 前記第2の間隙を介して、前記固定部材用の孔に対して前記固定部材を前記装置底板に固定することにより、前記装置を前記床に固定可能とすることを特徴とする請求項3又は7記載の自動取引装置。
- 前記内部ユニットを前記装置開口部を介して前記装置の外に移動可能とする移動手段と、
前記装置開口部から見て前記内部ユニットの左右に有する前記第1の間隙のうち、一方の側に前記内部ユニットに付属する装置内部品を備え、
前記固定部材用の孔は、前記装置開口部から見て前記内部ユニットの左右に有する前記第1の間隙における前記装置開口部の近傍に配置し、かつ前記内部ユニットの左右に有する前記第1の間隙のうち他方の側には、装置奥行略中央に配置したことを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。 - 前記移動手段は、前記内部ユニットを前記装置の外に移動した後に、前記装置開口部と前記内部ユニットの後端の間により固定部材を前記装置底板に固定する作業用の第2の間隙が形成されることを特徴とする請求項11記載の自動取引装置。
- 前記内部ユニットを前記装置の外に移動した後に形成される前記第2の間隙を介して、前記装置奥行略中央に配置された前記固定部材用の孔を利用し、前記固定部材を前記装置底板に固定することにより、前記装置を前記床に固定可能とすることを特徴とする請求項12記載の自動取引装置。
- 前記固定部材用の孔は、異なる配置構成に合わせてあらかじめ複数の孔が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13いずれか一記載の自動取引装置。
- 装置の側面に形成される装置筐体と、
前記装置の背面に装置開口部を形成する開閉可能な扉と、
前記装置の底部に形成される装置底板と、
前記装置底板に載置される前記装置の内部ユニットと、
前記内部ユニットの側面と前記装置筐体との間に前記装置開口部から装置前面側に至る装置奥行に形成される第1の間隙と、
前記装置底板における前記第1の間隙に、前記装置を床に固定するために配置した複数の固定部材用の孔とを有し、
前記固定部材用の孔は、装置奥行略中央位置より前記装置開口部寄りに配置したことを特徴とする自動取引装置。
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