JP5008424B2 - 振動子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は角速度を検出するために用いられる振動ジャイロ及びその製造方法に関するものである。
家庭用ビデオカメラの手ぶれ補正機構やカーナビゲーションシステムの位置検出機構などに、手ぶれの検出および車体の回転角度を検出するための振動ジャイロが用いられている。
物理法則によれば、角速度Ωで回転する座標系から見たとき、運動する物体にはその相対速度Vに比例したコリオリ力Fcが速度と直交する方向に作用し、その大きさと方向は次式で表される。
Fc=2mV×Ω ・・・・(1)
ここで、mはコリオリ力が作用する物体の質量である。
振動ジャイロは、回転を検出する角速度センサであり、振動子等の物体を振動運動させる。この振動運動する振動子に対して回転運動が作用すると、この回転運動によって振動子の振動方向に直交する方向にコリオリ力が作用する。振動ジャイロは、この振動子に作用するコリオリ力を捉えることによって回転を検出し、角速度を測定する。振動ジャイロに用いられる振動子には音片型、音叉型などの様々な形が提案されている。
種々に提案される振動ジャイロの一つとして、図15に示すような、3本の脚5を有する振動子を用いるものが提案されている(特許文献1参照)。この文献1に示される振動ジャイロは、振動子を振動させる駆動振動とコリオリ力によって引き起こされる検出振動の双方の振動が、振動子を支持する支持部から影響を受けることなく振動すること、ドリフトが少ないこと、S/Nが良好であること等の効果を有するとしている。
この振動ジャイロに用いられる振動子の材料は例えば水晶である。水晶は3方晶系に属する異方性の圧電単結晶であり、光軸(Z軸)と電気軸(X軸)および光軸と電気軸に直交する機械軸(Y軸)を結晶軸として持つ。脚の並ぶ方向をX軸とし、X軸を回転軸としてY軸およびZ軸の方向から角度θだけ回転した方向をそれぞれY’軸、Z’軸とすると、振動子の脚の伸びる方向がY’軸、厚み方向がZ’軸である。
この振動子1は支持部7と基部3と3本の脚5を有し、基部3と3本の脚5の厚みがすべて略同一である。3本の脚5は同じ長さで互いに平行に配置されている。両側の2本の脚のうちの一方の脚の幅W1を中央の脚の幅W2と略同一にするとともに、これら2本の脚を駆動脚15とする。両側の2本の脚のうちの他方の脚の幅W3を、前記した2本の脚の幅W1,W2の略3/5とし、この脚を検出脚17とする。
この振動子1は、駆動脚15を脚の並ぶ方向、即ち、2本の駆動脚15が形成する面内で駆動させて振動させる。この面内における振動方向を面内方向Cとする。この駆動によって2本の駆動脚15は屈曲振動し、互いに近づいたり離れたりを繰り返す。この振動は、いわゆる音叉型の振動である。2本の駆動脚15は面内方向Cにおいて、互いに略等しい固有振動周波数を有する。また、2本の駆動脚15は、厚さ、長さ、幅が略同一であるため、振動は互いにバランスし合い、そのため、支持部7への漏れ振動はほとんど生じない。
また、検出脚17はその幅W3が駆動脚15の幅W1、W2の3/5であるので、その固有振動周波数は駆動脚15の固有振動周波数と大きく異なる。このため、2本の駆動脚15の振動と、検出脚17の振動は互いに干渉しない。2本の駆動脚15が固有振動周波数で振動する場合には、駆動脚15同士でバランスをとって振動し、検出脚17はほぼ完全に静止している。
この振動子1に外部から回転が加わると、前述した様に、コリオリ力が駆動脚15の運動方向と垂直な方向に生じる。即ち、2本の駆動脚15が作る平面に対し垂直な方向にコリオリ力が発生する。駆動脚15は、この面内方向Cに対して垂直な方向に振動を開始する。ここで、面内方向Cに対して垂直な方向を面外方向Dという。検出脚17は、回転が加わらない時には静止している。一方、回転が加わると、駆動脚15に発生するコリオリ力とバランスをとる様に、面外方向Dに振動を開始する。この検出脚17の振動を検出振動と呼ぶ。
この検出脚17の振動の大きさはコリオリ力の大きさに比例する。式(1)を見ればわかる様にコリオリ力Fcの大きさは角速度Ωに比例するので、検出脚17の振動を検知すれば、角速度Ωを知ることができる。検出脚17の幅W3を駆動脚15の幅W1,W2の3/5にすることにより、面外方向の振動においても、2本の駆動脚15の振動と検出脚17の振動は互いにバランスする。そのため、支持部7への漏れ振動はほとんど生じなくなる。これについても特許文献1に記載がある。
この振動子を用いた振動ジャイロでは、駆動振動、検出振動の双方の振動は、共に支持部7にほとんど漏れることはないので、駆動振動、検出振動のQは高く、大きな検出信号Sを得ることができる。また、振動ジャイロに回転が加わらない時(静止時)には検出脚17は静止しており、回転が加わった時に始めて面外方向に振動を開始するので、静止時におけるノイズNは小さい。結果として、ノイズNに対する信号Sの大きさの比率であるS/N比を高くすることができ、また、ドリフトを抑制することができる。
しかしながら、上述した振動ジャイロの動作は理想状態でのものである。実際には製造上の誤差や材料の異方性によって形状の対称性がくずれることにより、駆動振動においても面外方向で振動が発生したり、回転が加わらない状態において検出脚が面外方向に振動することがある。これらの振動を検出することで得られる検出出力は、ノイズやドリフトの原因となる。
このような面外方向に振動することで発生する漏れ振動を除去するため、特許文献2では脚の角部を研磨テープによって研磨し、脚の重量を軽減することによって振動状態を調整する方法が提案されている。
また、特許文献3では複数のレーザ光を複数の方向から照射することによって、脚の角部にある突起部分を除去し、調整する方法が提案されている。
さらに、特許文献4においては、砥石を往復運動させることによって、脚の角部の重量を除去し、調整する方法が提案されている。
上述した調整は検出信号をモニタしながら行われ、回転が加わらない際に検出される検出信号が、角速度が0であるときの出力を示すように調整される。
この後、いわゆる離調度と呼ばれる、駆動振動周波数と検出振動周波数との差周波数を調整する。離調度の調整方法としては、振動子を例えばフッ酸とフッ化アンモニウムの混合液からなるエッチング液に浸漬することで行われる。振動子をエッチングすると駆動振動周波数および検出振動周波数はそれぞれ変化する。このエッチングにおいて、水晶は異方性材料であるため、振動子の幅方向と厚み方向とではエッチングレートが異なる。そのため、駆動脚が面内方向で振動する駆動振動周波数と、検出脚が面外方向で振動する検出振動周波数とは異なる割合で変化する。離調度の調整は、この駆動脚の駆動振動周波数と検出脚の検出振動周波数との変化の違いを利用することで行うことができる。
また、離調度調整の工程は、面外方向への振動の漏れを除くために駆動脚を切削した際に、加工面が変質して生じた加工変質層を除去する役割も担っている。
特開2003−156337号公報 (図1) 特開2002−243451号公報 (図10) 特開2004−93158号公報 (図6) 特開2004−294354号公報 (図1)
しかしながら、従来の調整方法である研磨テープを用いた方法では、小型の振動子を加工することが困難であるという課題がある。近年の振動ジャイロでは振動子の小型化が要求されているため、このような小型の振動子に不向きな加工方法は近年の振動ジャイロには適当ではない。
また、複数のレーザ光を用いる方法は、レーザ光を複数の光束に分け、これらの光束を複数方向から照射することによって、単一のレーザ光が加工部位を外れて周囲部分を照射した際に、周囲部分を損傷することを防ぐものである。そのため、振動子の加工面に対するレーザ光の照射角度を一定にすることが困難である。
図16は、従来のレーザ光による加工状態を説明するための振動子の断面図である。なお、図16(a),(b)は振動子の脚の断面を示し、図16(c)は脚の結晶軸を示しており、X軸の周りでθだけ回転させてY’軸およびZ’軸の軸方向を示している。
図16(a)に示す断面形状はレーザ光による加工断面を示している。図16(a)では、脚5の角部分に複数の方向からレーザ光Eを照射した状態を示している。レーザ光Eによって切削された加工部Fの下端部Gは、結晶軸のZ軸に対してほとんど垂直な面を含む形状となる。そのため、離調度調整の際に、レーザ光で加工した脚をエッチング液に浸漬すると、漏れ振動調整によって削られた面はエッチングレートの大きいZ軸方向が選択的に大きくエッチングされる。
図16(b)はエッチング後の状態を示している。加工部Fの下端部Gは、Z軸方向に大きくエッチングされることによって下端面Hとなる。これによって脚の質量バランスがずれ、面内方向の振動が面外方向へ漏れるという漏れ振動が再び生じてしまうという課題があった。
さらに、従来した砥石を用いる方法では、調整に時間がかかるという課題がある。砥石を振動子に接触させた状態では発振が停止する。そのため、砥石で切削しながら検出信号をモニタすることが出来ない。そこで、砥石による加工工程、加工工程の後に砥石を振動子から離して行う検出信号の検出工程、検出信号に基づく加工状態を確認する確認工程、加工状態に基づいて再加工する工程の各工程を繰り返す必要がある。これら複数の工程は、調整を長時間化することになる。
そこで、本発明は、振動ジャイロにおいて、振動子の離調度調整に伴って生じる面外方向への振動漏れを低減することを目的とし、また、漏れ振動調整を簡易な加工によって行うことを目的とする。
本発明は、振動子の振動状態を調整するため、振動子を構成する駆動脚の長尺方向に延びる稜線部分を加工するものである。本出願の発明者は、この加工部分に形成される傾斜面の傾斜角と振動子の漏れ振動との間に関連性があること、および傾斜角を所定角度範囲とすることによって振動子の漏れ振動を所定範囲に抑制することを見出した。
本発明は、この知見に基づいて、振動子の稜線部分を加工して形成される傾斜面の傾斜角を所定角度範囲とすることで、離調度調整に伴って生じる面外方向への振動漏れを低減する。また、稜線部分に対して単一のレーザ光を所定角度範囲内の入射角で照射することで、傾斜面の加工を簡易に行う。
また、この振動子の漏れ振動の程度を、角速度変化の割合であるドリフト量との関係で定めることによって、傾斜面の傾斜角を所定角度範囲とすることで、ドリフト量を抑制する。
本発明の振動ジャイロは、脚の稜線部は振動子の面に対して斜めの角度を持って加工されるため、Z軸方向の面が現れない。これにより、その後の工程で行われる離調度調整の際に加工面が大きくエッチングされることがなく、面外方向への漏れ振動が大きく変化することがないという効果がある。
また、加工にレ−ザ光を用いる場合には、加工を非接触で行うことができるため、加工中でも振動子の発振を停止する必要がなく、検出脚からの検出信号を連続してモニタしながら調整が可能であり、調整を高速に行うことが出来るという効果がある。
本発明は、振動ジャイロの装置の態様、および振動ジャイロを製造する方法の態様とを有する。振動ジャイロの装置態様において、本発明の振動ジャイロは複数の形態とすることができる。
振動ジャイロの第1の装置形態は、駆動脚と検出脚とを備えた振動脚を有する。駆動脚は、矩形状断面を有する柱状体であり、この柱状体の長尺方向に沿って延びる稜線部分の少なくとも一つは傾斜面を有する。傾斜面の傾斜角は、矩形状断面内において、矩形状断面が備える辺のうち駆動脚の振動方向に平行な辺と傾斜面の辺の延長線との間で成す狭角が20°〜40°の範囲である。
振動ジャイロの第2の装置形態は、第1の装置形態と同様に、駆動脚と検出脚とを備えた振動脚を有するとともに、この振動脚は水晶によって形成される。この水晶からなる振動脚は、形状断面を有する柱状体であり、水晶が有する電気軸、機械軸、光軸の互いに直交する軸方向において、電気軸であるX軸を駆動脚の振動方向とし、機械軸であるY軸をX軸の周りに所定の角度θだけ回転させた軸方向を駆動脚の長尺方向とし、光軸であるZ軸をX軸の周りに所定の角度θだけ回転させた軸方向を駆動脚の厚み方向とする。厚み方向は長尺方向および駆動振動方向と直交する。
第1の装置形態および第2の装置形態において、駆動脚の長尺方向に沿って延びる稜線部分の少なくとも一つに傾斜面を形成する。この傾斜面の傾斜角は、駆動脚の矩形状断面において、第1の装置形態では駆動脚の振動方向に平行な辺と角度、第2の装置形態ではX軸と成す角度が、それぞれ20°〜40°の範囲とする。
第1の装置形態では、駆動脚の矩形状断面において、傾斜面は駆動脚の振動方向に平行な辺に対してその両側において2つ採ることができ、第2の装置形態では、駆動脚の矩形状断面において、傾斜面はX軸方向において正方向と負方向とで2つ採ることができる。このとき、X軸と傾斜面との成す角度は、振動方向に平行な辺あるいはX軸方向から見たとき、選択し得る2点において角度の符号が+の角度と−の角度で異なるが、振動方向に平行な辺あるいはX軸と、傾斜面あるいは延長した傾斜面とで挟まれる角度の内で挟角となる角度において、その角度範囲を20°〜40°の範囲とすることで同様に扱うことができる。
また、振動ジャイロの第3の装置形態は、第2の装置形態と同様に、駆動脚と検出脚とを備えた振動脚を有するとともに、この振動脚を水晶によって形成する形態であり、傾斜面の傾斜角度をX軸方向において正方向と負方向とで異なる角度範囲を採り得る形態である。
第3の装置形態は、第2の装置形態と同様の駆動脚を備え、駆動脚の長尺方向に沿って延びる稜線部分の少なくとも一つは傾斜面を有する。この傾斜面は、矩形状断面において、+X軸側の稜線部分における第1の傾斜面と−X軸側の稜線部分における第2の傾斜面の少なくとも何れかを有する。
ここで、+X軸側の稜線部分における第1の傾斜面の傾斜角は、矩形状断面において、X軸と成す角度が25°〜40°、55°〜70°の範囲であり、また、−X軸側の稜線部分における第2の傾斜面の傾斜角は、矩形状断面において、X軸と成す角度が20°〜35°の範囲である。
+X軸側の傾斜面と−X軸側の傾斜面とはZ’軸に対する角度関係は同じとなるが、水晶の結晶異方性によって、加工後のエッチングレートに相違が生じる。
また、振動脚は、2本の駆動脚と1本の検出脚を有する構成とすることができる。2本の駆動脚は各振動が形成する両振動面が同一面となるように配置し、一方、検出脚の振動が形成する振動面は駆動脚の振動面と直交する。
上記した25°〜40°、20°〜35°の角度範囲、ないし55°〜70°の角度範囲は、角速度変化の割合であるドリフト量との関係で定められる振動子の漏れ振動の程度を指標として定めることができる。また、振動子の漏れ振動は、検出脚の振動状態から求めることができる。
次に、振動ジャイロの製造方法の態様において、本発明の振動ジャイロは複数の形態とすることができる。
振動ジャイロの製造方法の第1の方法形態は、駆動脚と検出脚とを備えた振動脚を有し、駆動脚は矩形状断面を有する柱状体である振動ジャイロの構成において、この柱状体の長尺方向に沿って延びる稜線部分の少なくとも一つを加工することで形成する。
ここで、矩形状断面内において、矩形状断面が備える辺のうち駆動脚の振動方向に平行な辺に対して所定角度を有して単一のレーザ光を稜線部分に照射することによって、稜線部分に傾斜面を形成する工程を含む。
また、第1の方法形態において、駆動脚に対してレーザ光を照射する照射角は、柱状体の長尺方向に対して直交し、かつ、矩形状断面内において、矩形状断面が備える辺のうち駆動脚の振動方向に平行な辺からレーザ光の照射源側を望む仰角が20°〜40°の範囲である。
振動ジャイロの製造方法の第2の方法形態は、第1の方法形態の駆動脚を水晶で構成するものであり、第1の方法形態と同様に、矩形状断面内において、矩形状断面が備える辺のうち駆動脚の振動方向に平行な辺に対して所定角度を有して単一のレーザ光を稜線部分に照射することによって稜線部分に傾斜面を形成する。駆動脚に対してレーザ光を照射する照射角は、柱状体の長尺方向に対して直交し、かつ、矩形状断面において、水晶のX軸方向からレーザ光源側を望む仰角が20°〜40°の範囲である。
振動ジャイロの製造方法において、第1の方法形態および第2の方法形態は、駆動脚の長尺方向に沿って延びる稜線部分の少なくとも一つに傾斜面を形成する。この傾斜面の傾斜角は、駆動脚の矩形状断面において、第1の方法形態では駆動脚の振動方向に平行な辺と角度、第2の方法形態ではX軸からレーザ光源側を望む角度が、それぞれ20°〜40°の範囲とする。
第1の方法形態では、駆動脚の矩形状断面において、傾斜面の加工部位は駆動脚の振動方向に平行な辺に対してその両側において2つ採ることができ、第2の方法形態では、駆動脚の矩形状断面において、傾斜面の加工部位はX軸方向において正方向と負方向とで2つ採ることができる。このとき、X軸と傾斜面との成す角度は、振動方向に平行な辺あるいはX軸レーザ光源側を見たとき、選択し得る2点において角度の符号が+の角度と−の角度で異なるが、振動方向に平行な辺あるいはX軸と、傾斜面あるいは延長した傾斜面とで挟まれる角度の内で挟角となる角度において、その角度範囲を20°〜40°の範囲とすることで同様に扱うことができる。
また、本発明の振動ジャイロの製造方法の第3の方法形態は、第2の方法形態と同様に、駆動脚と検出脚とを備えた振動脚を有するとともに、水晶で形成された振動脚を加工する形態であり、傾斜面の傾斜角度をX軸方向において正方向と負方向とで異なる角度範囲で加工する形態である。
第3の方法形態では、振動ジャイロの装置の第3の装置形態で示したと同様に、+X軸側の稜線部分における第1の傾斜面の加工角度は、矩形状断面において、X軸と成す角度が25°〜40°、55°〜70°の範囲であり、また、−X軸側の稜線部分における第2の傾斜面の加工角度は、矩形状断面において、X軸と成す角度が20°〜35°の範囲である。
+X軸側の傾斜面と−X軸側の傾斜面とはZ’軸に対する角度関係は同じとなるが、水晶の結晶異方性によって、加工後のエッチングレートに相違が生じる。
第3の方法態様では、エッチングレートの相違に対応して、第1の傾斜面と第2の傾斜面の各傾斜角の加工角度を定める。
また、レーザ光としてフェムト秒レーザを用いることができる。これによって、加工面のダメージの小さい調整が行えると同時に、加工物以外にダメージを与えずに加工調整が行えるという効果がある。また、フェムト秒レーザは照射時間が極めて短時間であるため、レーザ光の照射量の調整が容易となり、加工精度を高めることが容易となる。
また、本発明の振動ジャイロの製造方法は、レーザ光の照射による切削手段に限らず任意の切削手段に適用することができる。駆動脚と検出脚とを備えた振動脚を有し、この駆動脚は、矩形状断面を有する柱状体であり、この柱状体の長尺方向に沿って延びる稜線部分の少なくとも一つを加工して形成する振動ジャイロの製造方法であり、稜線部分に傾斜面を形成する工程を含む。傾斜面の傾斜角は、矩形状断面内において、矩形状断面が備える辺のうち駆動脚の振動方向に平行な辺から見た傾角が20°〜40°の範囲とする。
また、本発明の振動ジャイロの製造方法を水晶からなる駆動脚に適用した形態では、水晶が有する電気軸、機械軸、光軸の互いに直交する軸方向において、電気軸であるX軸を駆動脚の振動方向とし、機械軸であるY軸をX軸の周りに所定角θ回転させた軸方向を駆動脚の長尺方向とし、光軸であるZ軸をX軸の周りに所定角θ回転させた軸方向を駆動脚の厚み方向とし、厚み方向は前記長尺方向および前記駆動振動方向と直交し、稜線部分に傾斜面を形成する工程を含む。この傾斜面の形成工程において、傾斜面の傾斜角は、柱状体の長尺方向に対して直交し、かつ、矩形状断面において、X軸から見た傾角を20°〜40°の範囲とする。
また、本発明の振動ジャイロの製造方法を水晶からなる駆動脚に適用した別の形態では、稜線部分に傾斜面を形成する工程において、矩形状断面において、+X軸側の稜線部分における第1の傾斜面の傾斜角は、X軸と成す角度が25°〜40°、55°〜70°を範囲とし、−X軸側の稜線部分における第2の傾斜面の傾斜角は、X軸と成す角度が20°〜35°の範囲とする。
本発明の振動ジャイロによれば、離調度調整の際に生じる加工面のエッチング量は小さくなり、面外方向への漏れ振動が大きく変化することがないという効果がある。
本発明によれば、振動ジャイロにおいて、振動子の離調度調整に伴って生じる面外方向への振動漏れを低減することができる。また、漏れ振動調整を簡易な加工によって行うことができる。
また、本発明によれば、加工工程後のエッチング工程において、過剰なエッチングを抑制することで、面外振動の悪化を低減することができ、これによって、ノイズ、ドリフトの小さい振動ジャイロを提供できるという効果がある。
以下に、本発明の実施の形態に係わる振動ジャイロの製造方法につき図面を用いて説明する。本実施の形態に係る振動ジャイロの製造方法によって製造する振動ジャイロに用いる振動子は、例えば図1に示すような3脚音叉である。しかし、面内振動と面外振動を駆動振動および検出振動として利用する振動ジャイロであれば、音片や2脚音叉などどのような振動子であっても適用できるものである。
なお、ここで、前述したように、面内振動とは、振動脚の振動において2本の駆動脚が形成する面内で行う振動であり、面外振動とは、2本の駆動脚が形成する面内と直交する面内で行う振動である。
図1に示す振動子1は水晶からなるものであり、基部3と基部3から伸びる3本の脚5と、基部3から脚5とは反対方向に伸びる支持部7を有している。水晶は三方晶系に属する異方性の圧電単結晶であり、光軸(Z軸)と電気軸(X軸)および光軸と電気軸に直交する機械軸(Y軸)を結晶軸として持つ。
脚の並ぶ方向をX軸とし、X軸を回転軸としてY軸およびZ軸の方向から角度θだけ回転した方向をそれぞれY’軸、Z’軸とすると、振動子1の脚5の伸びる方向がY’軸、厚み方向がZ’軸である。角度θの大きさは0〜10度である。この角度θは、温度特性及び振動の安定性を指標値として最適な値に設定される。図1(b)はX軸、Y軸、Z軸、Y’軸、Z’軸の各軸の方向を示している。
ここでは、説明の便宜上から、3本の脚の内で、X軸方向の最も+側(図1中の左方)にある脚を第1脚9、中央にある脚を第2脚11、X軸方向の最も−側にある脚を第3脚13と呼ぶことにする。また、特に断らない限り、X軸方向の距離を幅、Y’軸方向の距離を長さ、Z’軸方向の距離を厚さと呼ぶことにする。
脚5と基部3および支持部7は一体に形成されており、また、厚さは略同一である。第1脚9の幅W1と第2脚11の幅W2は略同一である。第3脚13の幅W3は第1脚9の幅W1および第2脚11の幅W2の略3/5である。
第1脚9と第2脚11は駆動脚15を構成し、X軸方向とY’軸方向が形成するXY’面内において屈曲振動する。この駆動脚15に対してY’軸の回りに回転が加わるとZ’軸方向にコリオリ力が発生し、脚5は面外方向に振動を開始する。駆動時における第1脚9と第2脚11の振動は、面内方向において互いに向きが逆であり、第1脚9がX軸の−方向に屈曲する際には第2脚11はX軸の+方向に屈曲し、第1脚9がX軸の+方向に屈曲する際には、第2脚11はX軸の−方向に屈曲する。
このためコリオリ力は、第1脚9に対してZ’軸の+方向に働く際には第2脚11にはZ’軸の−方向に働き、第1脚9に対してZ’軸の−方向に働く際には第2脚11にはZ’軸の+方向に働く。これにより、基部3には、駆動脚15を構成する第1脚9と第2脚11との間を中心とした捻れ振動を生じる。一方、第3脚13である検出脚17は、この基部3の捻れ振動に呼応して、バランスを取るように面外方向へ振動を開始する。この動きを検知することによって角速度を検出することができる。
図2は、脚を水晶で構成した際において、電気軸であるX軸、機械軸であるY軸、光軸であるZ軸の水晶軸の各軸、および、X軸の周りでθ回転して形成されるY’軸とZ’軸の関係を示している。ここで、脚はY’軸方向に延び、Z’軸は矩形状断面の厚み方向となる。
図3は振動子1とパッケージ19との接合の様子と、振動子1の電極構造を示す図である。振動子1は支持部7の一部分においてキャビティ21内に設けられたパッケージ19の台座23に接合されている。第1脚9、第2脚11には駆動のための駆動電極25が形成されており、第3脚13には角速度検出のための検出電極27が形成されている。各電極は基部3を介して支持部7に導かれ、支持部7において金線29によってパッケージ19側の端子に電気的に接続されている。
パッケージ19はセラミックスからなり、各端子はパッケージ19の内側および外側を通して底面へと導かれており、底面に設けられた図示しないICやチップ部品と電気的に接続されている。また、キャビティ21は図示しない蓋体で気密に封止され、場合によってその内部は真空にされたり、一定気圧の不活性ガスが入れられている。
図4は振動子の3本の脚の断面図であり、脚部の電極構造を示す図である。また、図4は回路ブロック図、および配線を示す模式図でもある。なお、図4(a)は軸方向を示している。
図4(b)において、第1脚9のX軸に垂直な側面にある電極1L、1Rと第2脚11のX軸に平行な面にある電極2U、2Bは互いに結ばれており、同電位となっている。
これらの電極はアンプ31に接続され、移相回路A33を通って、第1脚9のX軸に平行な面にある電極1U、1Bと第2脚11のX軸に垂直な面にある電極2L、2Rに接続されており、自励発振回路を形成している。
電極1L、1R、2U、2Bの電位が電極1U、1B、2L、2Rの電位よりも高い場合には、第1脚9の左半分にはX軸の−方向の電界が印加され、右半分にはX軸の+方向の電界が印加される。また、第2脚11の左半分にはX軸の+方向の電界が印加され、右半分にはX軸の−方向の電界が印加される。
X軸の+方向の電界が印加された時、水晶に伸びの応力が発生し、X軸の−方向の電界が印加された時、水晶に圧縮の応力が発生すると、第1脚9においては左半分が縮み、右半分が伸びるので第1脚9はX軸の+方向に屈曲し、第2脚11においては左半分が伸び、右半分が縮むので第2脚11はX軸の−方向に屈曲する。
逆に、電極1L、1R、2U、2Bの電位が電極1U、1B、2L、2Rの電位よりも低いと、上記と逆の電界が加わるので、第1脚9はX軸の−方向に屈曲し、第2脚11はX軸の+方向に屈曲する。上記動作が交番的に繰り返されるため、第1脚9と第2脚11はXY’面内において互いに反対方向に屈曲するように振動する。これが駆動振動である。
この際、第1脚9と第2脚11の幅と長さは等しくバランスがとれているため、駆動振動は第1脚9と第2脚11における自己完結的な振動となる。また第3脚13である検出脚は第1脚9、第2脚11とX軸方向の幅が大きく異なるため、その固有振動周波数は駆動振動の周波数とは大きく異なる。そのため、駆動振動に結合せず静止している。
駆動振動が自励発振している状態で、Y’軸の回りに角速度Ωで回転が加わると、駆動脚である第1脚9、第2脚11にはコリオリ力が働き、先に述べたようにXY’面と直交する方向の面外振動を開始する。この面外振動とバランスをとるように、第3脚13も面外振動を開始する。
第3脚13が例えばZ’軸の+方向に屈曲した時、図4における第3脚13の上半分は縮み、下半分は伸びる。この第3脚13の動作によって、第3脚13の上半分にはX軸の−方向の電界が発生し、下半分にはX軸の+方向の電界が発生する。また逆に、第3脚13がZ’軸の−方向に屈曲した時には、図4における第3脚13の上半分は伸び、下半分は縮む。この第3脚13の動作によって、第3脚13の上半分にはX軸の+方向の電界が発生し、下半分にはX軸の−方向の電界が発生する。
第3脚13の電極3UL、3BRおよび電極3UR、3BLの間にはこの電界に応じた電圧が発生する。これらの電極の信号は差動バッファ35に入力され、差動バッファ35の出力は乗算回路37に導かれる。一方、先に述べた自励発振回路におけるアンプ31の出力は移相回路B39で約90度移相され、コンパレータ41により2値化された後、参照信号として乗算回路37に導かれ、差動バッファ35の出力と乗算されて検波が行われる。乗算回路37の出力は積分回路43により平滑化されて直流出力となる。
駆動振動による、検出振動への漏れ振動の調整方法について、以下に説明する。
図5は調整工程に使用される調整装置の概略を示す説明図である。パッケージ19に納められた振動子はXYZステージ45上に固定されている。また、検出脚13に設けられた検出電極の信号は差動バッファ35に入力され、差動バッファ35の出力はPC47によってモニタされる。
XYZステージ45はXYZステージ駆動装置49で駆動され、XYZステージ駆動装置49に接続されたPC47によって位置(X、Y)と高さ(Z)が制御される。さらにXYZステージ45は回転ステージ51に乗せられており、XY面内で回転できる様になっている。回転ステージ51は回転ステージ駆動装置53に接続され駆動される。回転ステージ駆動装置53はPC47に接続され、制御される。この他、PC47にはレーザ照射装置55、減光フィルタ57が接続されており、それぞれを制御する。また、PC47にはカメラ59も接続されており、振動子を撮像した画像がPC47に送られている。
レーザ照射装置55から照射されてレーザ光61は、減光フィルタ57を通って強度が調整された後、ミラー63で方向が変えられてレンズ65に導かれる。振動子の主面(XY’面)からレーザ光の照射源側を望む角度φは20°〜40°の範囲に設定されている。レーザ光の照射角度φをこのように選んだ理由については、後で詳しく説明する。レンズ65で集光されたレーザ光61は、駆動脚である第1脚9あるいは第2脚11の稜線の角部で焦点を結ぶように、PC47によって位置決めされ加工が行われる。
調整の手順は次の様である。最初に調整前の差動バッファ35の出力がPC47に記憶される。この出力が所定の値以上の大きさである場合、調整を中止して不良品と判定する。
ここで、差動バッファ35の出力は、検出脚の振動状態を表し、振動子の漏れ振動に相当する。したがって、この差動バッファ35の出力が所定の値以上であることは、振動子の漏れ振動が大きいことを表し、この漏れ振動を抑制するには駆動脚の調整量が大きくなり、調整に長時間を要することを意味している。
差動バッファ35の出力が所定範囲内であった場合は調整が開始される。第1脚9の稜線部分の角部にレーザ光61を照射しながらY’軸方向に走査して加工を行う。このレーザ光の走査に応じて、差動バッファ35の出力が増加する場合は加工の向きが逆であることを意味しているため、回転ステージ51を180°回して第1脚9の反対側の稜線部分の角部を加工するように位置決めし、調整を開始する。一方、このレーザ光の走査に応じて、差動バッファ35の出力が減少して行く時はそのまま加工を続け、記憶された調整前の出力値の約50%になるまで加工を行う。その後、第2脚11を同様に加工して、差動バッファの出力が零付近になるまで加工して、調整を終了する。
第1脚9あるいは第2脚11のみを加工することでも調整は行えるが、このように第1脚9と第2脚11の双方をほぼ同程度に加工するのは、第1脚9と第2脚11のバランスを保ち、CI値(クリスタルインピーダンス)を悪化させないためである。
レーザ光を脚の稜線部分の角部に位置決めするには、カメラ59で捉えた映像を画像処理することによっても良いが、次のような方法で位置を出すと画像処理に関わる時間を短縮でき、また画像処理が不要になるのでより良い。
まず、図6の様に脚の根元付近で脚から僅かに離れた位置に大雑把にレーザ光を位置決めし(位置A)、レーザ光を照射しながら振動子を幅方向(図中の左方あるいは右方向)に送る。レーザ光が脚に当たると脚が加工されて差動バッファ35の出力信号が変化するので、そのときの位置を記憶しておく(位置A’)。次に、脚の長さ方向の位置を少し(例えば、脚幅程度の距離)変え(位置B)、前回と同様に振動子を幅方向に送り、差動バッファ35の出力信号が変化する位置を記憶する(位置B’)。位置A’と位置B’を結んだ線が脚の角部の稜線に相当するので、この位置を基準に加工を行って行く。
水晶はレーザ光の透過性が良いため、どのようなレーザ光を用いても安定した加工が出来るわけではない。例えば、大パワーの炭酸ガスレーザを用いると加工はできるが、加工は主に熱の影響を大きく受けクラックが入ったりする。この点からレーザ光は、パルス幅が100fsec(フェムト秒)程度の、いわゆるフェムト秒レーザを用いると良い。フェムト秒レーザはパルス幅が100fsecという極短時間なので、熱的なダメージを与えることなく加工ができるという特徴がある。このため、熱歪みによるクラックが入ることがない。また、閾値を越えたエネルギーを持ったレーザ光の中心近傍で、さらに焦点の合った付近のみが加工されるため、微細な加工を行うことが可能である。また、焦点の合った付近のみが加工されるので、パッケージなどの他の部分に影響を与えることはない。
さらに微細な調整を行うためには、次のようにすると良い。
レーザ光は図7に示す様に、光の中心ほど強度が大きく、端に行くほど強度が小さい。フェムト秒レーザの加工には強度の閾値があり、閾値を超えた領域でのみ加工が行われる。従って、加工できる範囲はレーザ光の中心から一定の半径を持つ円の内側の範囲となる。高速に加工する際はこの円の全てを加工物に当てて加工すれば良いが、微細な加工を行うには円と加工物の重なり量を調節すれば良い。差動バッファ35(図5)の出力信号を監視しながらレーザ光を脚の稜線に徐々に接近させて行けば、所望の微細な加工が可能となる。
また、レーザ光61は、図8に示すように、レンズ65によって加工面67上に集光される。レーザ光61の光束の径69はレンズ65によって絞られる。光束の強度は絞られることによって閾値を超え、微細部分の加工が可能となる。一方、加工面67を通過した後のレーザ光は光束の径が広がって強度が下がる。そのため、レーザ光が加工面67以外の部分に照射した場合であっても、その照射部分を損傷することはなく、加工面以外にレーザ光による損傷を避けることができる。
また、微細な調整を行うには、光路上に減光量が可変の減光フィルタ57を入れることによっても良い。減光フィルタ57によって、レーザ光の平均的な強度が弱まると、加工できる閾値以上の強度を持つ範囲も小さくなるので、微細な加工が可能となる。
実際には、上述した加工範囲を制御する手段を組み合わせることによって、微小な調整を行い、差動バッファ35の出力信号を基準値以下に収めるように調整を行う。
検出振動への漏れ振動の調整を終えた脚の断面形状は、稜線部の角部が斜めに切除されたものとなる。図9の脚部の断面図、および図10の脚部の斜視図は、脚部の稜線部に形成された傾斜面を示している。
図9(a)、(b)および図10において、脚部は矩形状断面を有し、X軸に平行な上面aおよび下面bと、X軸に垂直な第1の側面cおよび第2の側面dを有し、上面aの両端部分の稜線に傾斜面e,fを形成する例を示している。なお、傾斜面は、下面bの両端部分の稜線に傾斜面を形成してもよい。
図9(a)は、上面aの一方の稜線部に傾斜面eを形成する例であり、レーザ光をこの稜線に向けて照射することで加工し傾斜面eを形成する。このときの、レーザ光の照射角は、上面aからレーザ光の光源を望む角度Φで定めることができる。
また、図9(b)は、上面aの他方の稜線部に傾斜面fを形成する例であり、レーザ光をこの稜線に向けて照射することで加工し傾斜面fを形成する。なお、図5の構成では、振動子を載置するXYZステージ45を回転ステージ51で180度回転させることで、図9の左右の関係を反転させることで、レーザ光の照射方向を反転させている。図9(b)では、レーザ光の照射角は、上面aからレーザ光の光源を望む角度−Φで定めることができる。
この傾斜面e,fの傾角が上面aに対して同角であるとき、Z’軸に対する角度関係は同じとなるが、水晶の結晶異方性によって、+方向のX軸(+X軸)の傾斜面eと−方向のX軸(−X軸)の傾斜面fとのエッチングレートは異なることになる。
この後、離調度調整と加工面の加工変質層除去のため、振動子をフッ酸とフッ化アンモニウムの混合液によってエッチングする。検出振動への漏れ振動の調整を終えた加工面は、エッチングレートが早いZ方向とは異なる角度を持っているので、離調度調整による漏れ振動の変化は小さく、したがって差動バッファ出力の変化も小さい。
図11は、X軸と成すレーザ光の照射角度Φと、離調度調整における差動バッファ出力の変化との関係を示している。ここで、レーザ光の照射角度Φは傾斜面の傾角に相当する。なお、ここで、エッチング時間は一定としている。図11において、縦軸は差動バッファ出力の変化であって、角速度が1(deg/sec)印加されたときの出力値に対する割合で示している。
また、図12は、角速度が印加されていないときに差動バッファ出力と全温度範囲におけるドリフト量との関係を示している。なお、図12の横軸は、差動バッファ出力であって、角速度が1(deg/sec)印加されたときの出力値に対する割合で示している。
一般的に要求される温度変化によるドリフト量は全温度範囲において1(deg/sec)以下である。このドリフト量は、図12では破線で示している。図12に示す関係から、ドリフト量を1(deg/sec)以下とするには、差動バッファ出力が図中の15で示す値以下であることが必要である。
したがって、離調度調整では、離調度の値自体を所定値(例えば300Hz)に設定する他に、この差動バッファ出力の変化が所定値(図12では15で示す値)以下であることが必要である。
実際の調整では、調整上にマージン分(例えば±5)を設定して差動バッファ出力の変化を定める必要がある。図12では、離調度調整におけるエッチングにより差動バッファの出力変化が10以下の値である必要がある。
図11に示すレーザ光の照射角度Φと差動バッファの出力変化との関係において、差動バッファの出力変化が10以下の値であるという条件を満たす角度Φは、X軸の+側では25°〜40°、55°〜70°の範囲であり、X軸の−側では−20°〜−35°の範囲である。
先に述べたように、加工によって差動バッファ出力が大きくなる場合は、回転ステージ51を回して反対側の角部を加工するが、これは最初に加工した角度の符号を変えることに相当する。即ち、最初に30°の角度で加工したとすると、回転ステージ51を回転させた後は−30°で加工することになる。従って、絶対値の等しい正負の角度で、離調度調整の際に生じる差動バッファ出力の変化が同様に小さいことが望ましい。
したがって、回転ステージ51を回して反対側の角部を加工する場合には、角度の対称性から、角度φは25°〜40°および−20°〜−35°とすることが適当である。特に25°〜35°または−25°〜−35°とすると、差動バッファ出力の変化がさらに小さくなり、より良い。
角度φと差動バッファ出力の変化との関係が図11のようになるのは、次の理由による。
水晶は異方性を有する単結晶なので、そのエッチングレートは結晶方位によって異なる。図13にX軸との角度φとエッチングレートの関係を示す。図13から分かる様に、30°または−30°付近の範囲ではエッチングレートが小さい。従って、角度φを30°付近または−30°付近にすると、エッチングレートが小さく、調整による加工部はあまりエッチングされないので、離調度調整を行っても差動バッファ出力の変化は小さい。
また、θ=90°あるいは−90°付近もエッチングレートは小さいが、角度が深すぎるため、加工後の断面形状は一定の角度を持つものとはならず、図14の左肩凹部の下端Iに見る様に、Z軸にほとんど垂直な面を含むものとなる。このため、この部分のエッチング量が増えて、差動バッファ出力の変化が大きい。
よって、角度φによる差動バッファ出力の変化は図11のように、−30°付近と30°付近および60°付近に極小値を持つグラフとなる。
本発明の実施の形態における振動ジャイロの振動子を示す図である。 本発明の振動ジャイロの脚を水晶で構成した場合の水晶軸の各軸、およびY’軸、Z’軸の関係を示す図である。 本発明の実施の形態における振動ジャイロの振動子とパッケージとの接合の様子および該振動子の電極構造を示す図である。 本発明の実施の形態における振動ジャイロの振動子の脚断面の電極構造、および回路ブロック図を示す図である。 本発明による漏れ振動調整装置の概略を示す説明図である。 レーザ光と振動子の脚部との位置決め方法を示す説明図である。 フェムト秒レーザ光の強度分布を示す図である。 レンズで集光したレーザ光の強度分布を示す図である。 本発明による振動ジャイロの製造方法を用いて調整を行った振動子の脚部の断面図である。 本発明による振動ジャイロの製造方法を用いて調整を行った振動子の脚部の斜視図である。 レーザ光の照射角度φと差動バッファ出力の変化の関係を示す図である。 差動バッファ出力とドリフト量の関係を示す図である。 角度φとエッチングレートの関係を示す図である。 角度φ=90°で調整した振動子の脚部の断面を示す図である。 従来の振動ジャイロの振動子を示す図である。 従来の振動ジャイロの製造方法により調整を行った振動子の脚部の断面図である。
符号の説明
1 振動子
3 基部
5 脚
7 支持部
9 第1脚
11 第2脚
13 第3脚
15 駆動脚
17 検出脚
19 パッケージ
21 キャビティ
23 台座
25 駆動電極
27 検出電極
29 金線
31 アンプ
33 移相回路A
35 差動バッファ
37 乗算回路
39 移相回路B
41 コンパレータ
43 積分回路
45 XYZステージ
47 PC
49 XYZステージ駆動装置
51 回転ステージ
53 回転ステージ駆動装置
55 レーザ照射装置
57 減光フィルタ
59 カメラ
61 レーザ光
63 ミラー
65 レンズ
67 加工面
69 光束径

Claims (4)

  1. 水晶からなり、前記水晶の電気軸であるX軸方向に振動する駆動脚と、検出脚と、を備える振動子の製造方法において、
    前記駆動脚の稜線部分に、前記駆動脚の長手方向に直交する断面において前記X軸と成す角度が25°〜35°となる傾斜面を形成して前記振動子の漏れ振動を調整する第1の工程と、
    前記傾斜面が形成された前記振動子をエッチングして前記振動子の離調度を調整する第2の工程と、を有することを特徴とする、振動子の製造方法。
  2. 水晶からなり、前記水晶の電気軸であるX軸方向に振動する駆動脚と、検出脚と、を備える振動子の製造方法において、
    前記駆動脚の+X軸側の稜線部分および−X軸側の稜線部分の少なくとも一方に傾斜面を形成して前記振動子の漏れ振動を調整する第1の工程と、
    前記傾斜面が形成された前記振動子をエッチングして前記振動子の離調度を調整する第2の工程と、を有し、
    前記第1の工程において前記駆動脚の+X軸側の稜線部分に形成される前記傾斜面は、前記駆動脚の長手方向に直交する断面において前記X軸と成す角度が25°〜40°または55°〜70°であり、前記駆動脚の−X軸側の稜線部分に形成される前記傾斜面は、前記駆動脚の長手方向に直交する断面において前記X軸と成す角度が20°〜35°であることを特徴とする、振動子の製造方法。
  3. 前記第1の工程において、レーザ光を前記稜線部分に照射することによって前記稜線部分に前記傾斜面を形成することを特徴とする、請求項1又は2に記載の振動子の製造方法。
  4. 前記レーザ光としてフェムト秒レーザを用いることを特徴とする、請求項3に記載の振動子の製造方法。
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