JPH08261766A - 振動ジャイロスコープ - Google Patents
振動ジャイロスコープInfo
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- JPH08261766A JPH08261766A JP7087506A JP8750695A JPH08261766A JP H08261766 A JPH08261766 A JP H08261766A JP 7087506 A JP7087506 A JP 7087506A JP 8750695 A JP8750695 A JP 8750695A JP H08261766 A JPH08261766 A JP H08261766A
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- piezoelectric
- vibrator
- electrodes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 振動体の支持体及び圧電体層からの電気信号
取り出し方法の簡素化を実現した安価で高性能な圧電型
振動ジャイロスコープの提供。 【構成】 振動ジャイロスコープは、N+シリコンから
なり両側面及び上面にシリコン酸化膜(SiO2)を施
した、台形の断面を有し長手方向の3方面にそれぞれ酸
化亜鉛(ZnO)キャパシタ11a,11b,11cが
設けられたカンチレバー構造の振動体10を有してい
る。振動体10の一端は固定されているが、台形部分1
5は自由端部である。キャパシタ11aに振動体10の
固有振動数に近い周波数のAC電圧を印加するとY方向
に台形部分15が振動し、キャパシタ11b,11c間
に電圧が発生する。このとき、振動体10全体をZ軸の
周りに回転させるとコリオリ力FがX方向に働きキャパ
シタ11b,11cに発生する電圧は振動体10の無回
転時に比べて変化するのでキャパシタ11b,11cの
電圧変動分を検知すれば振動体10の回転角速度ωを算
出することができる。
取り出し方法の簡素化を実現した安価で高性能な圧電型
振動ジャイロスコープの提供。 【構成】 振動ジャイロスコープは、N+シリコンから
なり両側面及び上面にシリコン酸化膜(SiO2)を施
した、台形の断面を有し長手方向の3方面にそれぞれ酸
化亜鉛(ZnO)キャパシタ11a,11b,11cが
設けられたカンチレバー構造の振動体10を有してい
る。振動体10の一端は固定されているが、台形部分1
5は自由端部である。キャパシタ11aに振動体10の
固有振動数に近い周波数のAC電圧を印加するとY方向
に台形部分15が振動し、キャパシタ11b,11c間
に電圧が発生する。このとき、振動体10全体をZ軸の
周りに回転させるとコリオリ力FがX方向に働きキャパ
シタ11b,11cに発生する電圧は振動体10の無回
転時に比べて変化するのでキャパシタ11b,11cの
電圧変動分を検知すれば振動体10の回転角速度ωを算
出することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振動ジャイロスコープに
関し、特に、角速度センサなどに用いられる圧電型振動
ジャイロスコープに関する。
関し、特に、角速度センサなどに用いられる圧電型振動
ジャイロスコープに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、角速度センサとして圧電型振動ジ
ャイロスコープ(以下、圧電ジャイロと記す)の開発が
行われている。この圧電ジャイロは振動している物体に
回転角速度が与えられるとその振動方向と直角方向にコ
リオリ力が発生することを利用したもので、最近ではナ
ビゲーション・システムやVTRカメラの手振れなど外
的振動を検知して適切な制振を行うヨーレイトセンサな
どに使用されている。これらに利用されている小型圧電
ジャイロの代表例として、両端が自由な横振動細棒・双
共振子(いわゆる、双共振音片)を利用した正三角形片
型ジャイロがある。
ャイロスコープ(以下、圧電ジャイロと記す)の開発が
行われている。この圧電ジャイロは振動している物体に
回転角速度が与えられるとその振動方向と直角方向にコ
リオリ力が発生することを利用したもので、最近ではナ
ビゲーション・システムやVTRカメラの手振れなど外
的振動を検知して適切な制振を行うヨーレイトセンサな
どに使用されている。これらに利用されている小型圧電
ジャイロの代表例として、両端が自由な横振動細棒・双
共振子(いわゆる、双共振音片)を利用した正三角形片
型ジャイロがある。
【0003】このジャイロは、振動体として、長さ10
ミリ(mm)、幅が数ミリの恒弾性金属(エリンバ材)を
機械加工により作製した振動体上に検出用・駆動用の圧
電磁器片(数ミリ角)を装着した双共振音片を用いてお
り、この双共振音片(振動体)の支持方法として振動体
の両端を自由にするためにノード点(共通節点)近傍の
2箇所を支持部材で支持している。
ミリ(mm)、幅が数ミリの恒弾性金属(エリンバ材)を
機械加工により作製した振動体上に検出用・駆動用の圧
電磁器片(数ミリ角)を装着した双共振音片を用いてお
り、この双共振音片(振動体)の支持方法として振動体
の両端を自由にするためにノード点(共通節点)近傍の
2箇所を支持部材で支持している。
【0004】このため、製造上で、振動体の固定工程に
おいて精度が要求されるのに加え、振動体の加工寸法精
度や断面形状(この場合、正三角形のため面と面とのな
す角度が60度であることが必要)が振動周波数を決定
するので加工寸法精度の再現性が要請される点に問題点
があった。また、振動体の加工精度の他に検出用・駆動
用の圧電磁器片の接着位置と接着剤の量の変動等、組立
時の変動要因が重なり、検出感度が低く、製造コストが
高いという問題点があった。更に、この圧電ジャイロで
は振動子の製造上の制約から振動子自体、数10ミリの
長さになるため、結果として、センサ部である圧電ジャ
イロ自体の容積が大きくなり、圧電ジャイロの信号処理
部を含めると更に容積が大きくなるという問題点があっ
た。
おいて精度が要求されるのに加え、振動体の加工寸法精
度や断面形状(この場合、正三角形のため面と面とのな
す角度が60度であることが必要)が振動周波数を決定
するので加工寸法精度の再現性が要請される点に問題点
があった。また、振動体の加工精度の他に検出用・駆動
用の圧電磁器片の接着位置と接着剤の量の変動等、組立
時の変動要因が重なり、検出感度が低く、製造コストが
高いという問題点があった。更に、この圧電ジャイロで
は振動子の製造上の制約から振動子自体、数10ミリの
長さになるため、結果として、センサ部である圧電ジャ
イロ自体の容積が大きくなり、圧電ジャイロの信号処理
部を含めると更に容積が大きくなるという問題点があっ
た。
【0005】上記問題点に関し、小型化及び量産化を目
的としたものに図6に示す特開平5−209754号公
報に開示の「振動ジャイロ」及び関連技術として特開平
5−256652号公報に開示の「振動ジャイロ」があ
る。図6で、振動ジャイロ60は薄膜形成法を用いるも
のであり、シリコン基板をエッチングすることによっ
て、略3角柱状の振動体62と、X字状の2つの支持部
材64a及び64bと、矩形枠状の支持台66とを一体
的に形成し、振動体62の3つの側面全面に金属薄膜か
らなる下部電極67を形成する。さらに、振動体62の
1つの側面の中央には圧電体薄膜からなる圧電体層68
a及び金属電極69aを積層的に形成し、同様に、振動
体62の他の2つの側面の中央にも圧電体層及び上部電
極をそれぞれ積層的に形成した構造を有している。な
お、特開平5−256652号公報に開示の「振動ジャ
イロ」は、振動ジャイロの圧電体層に係わる技術であり
説明を省略する。
的としたものに図6に示す特開平5−209754号公
報に開示の「振動ジャイロ」及び関連技術として特開平
5−256652号公報に開示の「振動ジャイロ」があ
る。図6で、振動ジャイロ60は薄膜形成法を用いるも
のであり、シリコン基板をエッチングすることによっ
て、略3角柱状の振動体62と、X字状の2つの支持部
材64a及び64bと、矩形枠状の支持台66とを一体
的に形成し、振動体62の3つの側面全面に金属薄膜か
らなる下部電極67を形成する。さらに、振動体62の
1つの側面の中央には圧電体薄膜からなる圧電体層68
a及び金属電極69aを積層的に形成し、同様に、振動
体62の他の2つの側面の中央にも圧電体層及び上部電
極をそれぞれ積層的に形成した構造を有している。な
お、特開平5−256652号公報に開示の「振動ジャ
イロ」は、振動ジャイロの圧電体層に係わる技術であり
説明を省略する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平5−209
754号公報に開示の「振動ジャイロ」では薄膜形成法
を用いることにより小型化及び量産化を実現している
が、前記従来の正三角形片型ジャイロ(振動子を振動体
に接着する方式のもの)と同様に双共振音片は振動体の
長手方向の両端を固定せず自由に振動できるように構成
されており、振動体の支持方法として、振動の節にあた
る部分(すなわち、振動変位が最も小さい部分)2箇所
で固定支持し、それ以外は振動体が宙に浮いている構成
をなしている。このため、振動体の支持体及び圧電体層
からの電気信号取り出し方法が複雑となり、圧電体から
の信号取り出し用配線の設置作業が困難であるという問
題点があった。
754号公報に開示の「振動ジャイロ」では薄膜形成法
を用いることにより小型化及び量産化を実現している
が、前記従来の正三角形片型ジャイロ(振動子を振動体
に接着する方式のもの)と同様に双共振音片は振動体の
長手方向の両端を固定せず自由に振動できるように構成
されており、振動体の支持方法として、振動の節にあた
る部分(すなわち、振動変位が最も小さい部分)2箇所
で固定支持し、それ以外は振動体が宙に浮いている構成
をなしている。このため、振動体の支持体及び圧電体層
からの電気信号取り出し方法が複雑となり、圧電体から
の信号取り出し用配線の設置作業が困難であるという問
題点があった。
【0007】本発明は、超小型化、量産化の実現に加
え、振動体の支持体及び圧電体層からの電気信号取り出
し方法の簡素化を実現した安価で高性能な圧電ジャイロ
の提供を目的とする。
え、振動体の支持体及び圧電体層からの電気信号取り出
し方法の簡素化を実現した安価で高性能な圧電ジャイロ
の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の振動ジャイロスコープは、シリコン基板を
エッチングすることによって一体的に形成される一端が
固定された片持梁構造の振動体を有し、振動体が、台形
状に形成された自由端部と、該自由端部の上面及び両側
面にそれぞれ形成された金属被膜からなる圧電体層と、
それぞれの圧電体層の表面にそれぞれ形成された電極
と、を含むことを特徴とする。
めに本発明の振動ジャイロスコープは、シリコン基板を
エッチングすることによって一体的に形成される一端が
固定された片持梁構造の振動体を有し、振動体が、台形
状に形成された自由端部と、該自由端部の上面及び両側
面にそれぞれ形成された金属被膜からなる圧電体層と、
それぞれの圧電体層の表面にそれぞれ形成された電極
と、を含むことを特徴とする。
【0009】
【作用】上記構成により本発明の振動ジャイロスコープ
は、自由端部の上面に形成された電極に振動体の形状等
で決まる固有振動数に近い周波数のAC電圧を印加する
と圧電体の圧電横効果によりX軸(該電極が設けられた
自由端部の上面と直交する方向)に自由端部が振動す
る。この片持梁構造の振動体10の振動により自由端部
の両側面に形成された電極間に金属被膜の圧電体の圧電
性により電圧が発生する。このように振動した状態で振
動体10全体をZ軸(自由端部の長手方向を軸とする方
向)の周りに回転角速度ωで回転させるとコリオリ力F
がX軸方向に働き、振動体はねじれ振動になる。このた
め、自由端部の両側面に形成された電極間に発生する電
圧は振動他の無回転時に比べて変化する。したがって、
これら自由端部の両側面に形成された電極間の電圧変動
分を検知することで回転角速度ωを算出することができ
る。
は、自由端部の上面に形成された電極に振動体の形状等
で決まる固有振動数に近い周波数のAC電圧を印加する
と圧電体の圧電横効果によりX軸(該電極が設けられた
自由端部の上面と直交する方向)に自由端部が振動す
る。この片持梁構造の振動体10の振動により自由端部
の両側面に形成された電極間に金属被膜の圧電体の圧電
性により電圧が発生する。このように振動した状態で振
動体10全体をZ軸(自由端部の長手方向を軸とする方
向)の周りに回転角速度ωで回転させるとコリオリ力F
がX軸方向に働き、振動体はねじれ振動になる。このた
め、自由端部の両側面に形成された電極間に発生する電
圧は振動他の無回転時に比べて変化する。したがって、
これら自由端部の両側面に形成された電極間の電圧変動
分を検知することで回転角速度ωを算出することができ
る。
【0010】
【実施例】図1は本発明に基づく圧電ジャイロ(圧電型
振動ジャイロスコープ)の主要部である振動体の一実施
例を示す斜視図であり、圧電ジャイロは、N+シリコン
からなり両側面及び上面にシリコン酸化膜(SiO2)
を施した、台形の断面を有し長手方向の3方面にそれぞ
れ酸化亜鉛(ZnO)キャパシタ(電極)11a,11
b,11cが設けられたカンチレバー(cantilever;片
持梁)構造の振動体10を有している。
振動ジャイロスコープ)の主要部である振動体の一実施
例を示す斜視図であり、圧電ジャイロは、N+シリコン
からなり両側面及び上面にシリコン酸化膜(SiO2)
を施した、台形の断面を有し長手方向の3方面にそれぞ
れ酸化亜鉛(ZnO)キャパシタ(電極)11a,11
b,11cが設けられたカンチレバー(cantilever;片
持梁)構造の振動体10を有している。
【0011】図1に示すように振動体10の一端は固定
されており、固定された端部13には駆動検出用パッド
12が設けられ、その上にキャパシタ11a,11b,
11cが延設されている。また、台形部分15は自由端
部をなしている。なお、後述するように振動体10の自
由端部は双共振音片としての機能(動作)を示す。
されており、固定された端部13には駆動検出用パッド
12が設けられ、その上にキャパシタ11a,11b,
11cが延設されている。また、台形部分15は自由端
部をなしている。なお、後述するように振動体10の自
由端部は双共振音片としての機能(動作)を示す。
【0012】〈カンチレバー構造の振動体の動作例〉図
1のキャパシタ11aにカンチレバーの形状等で決まる
固有振動数に近い周波数のAC(交流)電圧(±5V)
を印加した。その結果、酸化亜鉛膜の圧電横効果により
図1のY方向(キャパシタ11aが設けられた台形部分
15の上面と直交する方向)に台形部分15が振動し、
その先端16が数1000Å(10-8cm;オングスト
ローム)振動することを確認した。このカンチレバー構
造の振動体10の振動によりキャパシタ11b,11c
それぞれの電極間に酸化亜鉛膜の圧電性により電圧が発
生する。
1のキャパシタ11aにカンチレバーの形状等で決まる
固有振動数に近い周波数のAC(交流)電圧(±5V)
を印加した。その結果、酸化亜鉛膜の圧電横効果により
図1のY方向(キャパシタ11aが設けられた台形部分
15の上面と直交する方向)に台形部分15が振動し、
その先端16が数1000Å(10-8cm;オングスト
ローム)振動することを確認した。このカンチレバー構
造の振動体10の振動によりキャパシタ11b,11c
それぞれの電極間に酸化亜鉛膜の圧電性により電圧が発
生する。
【0013】このように振動した状態で振動体10全体
を図1でZ軸の周りに回転角速度ωで回転させると下記
の式で表わされるコリオリ力FがX軸方向に働き、振動
体10はねじれ振動になる。
を図1でZ軸の周りに回転角速度ωで回転させると下記
の式で表わされるコリオリ力FがX軸方向に働き、振動
体10はねじれ振動になる。
【数1】F=2mvω ただし、mは質量、vは振動速度である。このため、キ
ャパシタ11b,11cに発生する電圧は振動体10の
無回転時に比べて変化する。したがって、これらキャパ
シタ11b,11cの電圧変動分を検知することで回転
角速度ωを算出することができる。
ャパシタ11b,11cに発生する電圧は振動体10の
無回転時に比べて変化する。したがって、これらキャパ
シタ11b,11cの電圧変動分を検知することで回転
角速度ωを算出することができる。
【0014】〈カンチレバーの形成〉図2は異方性エッ
チングにより形成された異方エッチング部の例を示す斜
視図であり、図3は薄膜形成法により上部表面に酸化亜
鉛膜23が形成されたシリコンウェハ21の断面図であ
り、図4は裏面からの異方性エッチング過程のシリコン
ウェハ21の断面図であり、図5は最終工程により形成
されたカンチレバー構造の振動体10の断面図である。
チングにより形成された異方エッチング部の例を示す斜
視図であり、図3は薄膜形成法により上部表面に酸化亜
鉛膜23が形成されたシリコンウェハ21の断面図であ
り、図4は裏面からの異方性エッチング過程のシリコン
ウェハ21の断面図であり、図5は最終工程により形成
されたカンチレバー構造の振動体10の断面図である。
【0015】まず、N+シリコンウェハ21の(10
0)面を酸化して(100)面上にシリコン酸化膜22
を形成し、シリコン酸化膜22上にフォトリソグラフィ
手法により所望のパターンを(100)面上に転写しエ
ッチングによりシリコン酸化膜22に窓開けした後、1
0N(規定)のテトラメチルアンモニウムを80℃に
し、シリコンウェハ21を異方性エッチングして深さ約
50ミクロンの異方性エッチング部23を形成する(図
2)。この異方性エッチングではN+シリコンウェハ2
1の(100)面のエッチングレートは異方性エッチン
グで形成された斜面(100)の数100倍であり、熱
酸化被膜であるシリコン酸化膜22の数1000倍であ
るため、図2に示すような凹凸が得られる。
0)面を酸化して(100)面上にシリコン酸化膜22
を形成し、シリコン酸化膜22上にフォトリソグラフィ
手法により所望のパターンを(100)面上に転写しエ
ッチングによりシリコン酸化膜22に窓開けした後、1
0N(規定)のテトラメチルアンモニウムを80℃に
し、シリコンウェハ21を異方性エッチングして深さ約
50ミクロンの異方性エッチング部23を形成する(図
2)。この異方性エッチングではN+シリコンウェハ2
1の(100)面のエッチングレートは異方性エッチン
グで形成された斜面(100)の数100倍であり、熱
酸化被膜であるシリコン酸化膜22の数1000倍であ
るため、図2に示すような凹凸が得られる。
【0016】次に再び1000Å(オングストローム)
酸化し、1回の酸化亜鉛膜24(厚さ約5μm)を反応
性スパッタリングなどの薄膜形成法により成膜する(図
3)。これにより、シリコンウェハ21の(100)面
と54.7度の角度をなす(110)面上にC軸配向し
た酸化亜鉛膜24が形成される。なお、この酸化亜鉛膜
24の圧電性は実験により確認されている。その後、
(100)面と(110)面の酸化亜鉛膜24を所望パ
ターンに形成して圧電層24a,24b,24cとし、
電極付けしてキャパシタ(電極)11a,11b,11
cを設け、イオンクラスタ法などの薄膜形成法により保
護膜25を形成する。
酸化し、1回の酸化亜鉛膜24(厚さ約5μm)を反応
性スパッタリングなどの薄膜形成法により成膜する(図
3)。これにより、シリコンウェハ21の(100)面
と54.7度の角度をなす(110)面上にC軸配向し
た酸化亜鉛膜24が形成される。なお、この酸化亜鉛膜
24の圧電性は実験により確認されている。その後、
(100)面と(110)面の酸化亜鉛膜24を所望パ
ターンに形成して圧電層24a,24b,24cとし、
電極付けしてキャパシタ(電極)11a,11b,11
cを設け、イオンクラスタ法などの薄膜形成法により保
護膜25を形成する。
【0017】さらに、シリコンウェハ21の裏面のシリ
コン酸化膜上にフォトリソグラフィ手法により所望のパ
ターンを転写しエッチングによりシリコン酸化膜に窓開
けした後、10N(規定)のテトラメチルアンモニウム
を80℃にし、シリコンウェハ21を異方性エッチング
してシリコンウェハ21の裏面側からシリコン異方性エ
ッチングを行う(図4)。最後に残っている酸化膜等を
エッチングして厚さ約50μm、幅約1mm、長さ約5
mmで、長さ方向に直交する平面による一方の端部が固
定され他の部分は自由な、断面が台形状のカンチレバー
構造の振動体10が得られる(図5)。
コン酸化膜上にフォトリソグラフィ手法により所望のパ
ターンを転写しエッチングによりシリコン酸化膜に窓開
けした後、10N(規定)のテトラメチルアンモニウム
を80℃にし、シリコンウェハ21を異方性エッチング
してシリコンウェハ21の裏面側からシリコン異方性エ
ッチングを行う(図4)。最後に残っている酸化膜等を
エッチングして厚さ約50μm、幅約1mm、長さ約5
mmで、長さ方向に直交する平面による一方の端部が固
定され他の部分は自由な、断面が台形状のカンチレバー
構造の振動体10が得られる(図5)。
【0018】なお、実施例では上記工程中で1000Å
(オングストローム)酸化し1回の酸化亜鉛膜24を薄
膜形成法により成膜して、その後、所望パターンに形成
して圧電層24a,24b,24cを得ているが、圧電
層24a,24b,24cを構成する圧電体薄膜の材料
は酸化亜鉛に限られず、チタン酸ジルコン酸鉛などを用
いてもよい。また、圧電体薄膜を形成するための薄膜形
成法としてはスパッタリングの他に化学気相蒸着法やイ
オンクラスタ法、イオンプレーティング法などの物理的
気相蒸着法などがある。
(オングストローム)酸化し1回の酸化亜鉛膜24を薄
膜形成法により成膜して、その後、所望パターンに形成
して圧電層24a,24b,24cを得ているが、圧電
層24a,24b,24cを構成する圧電体薄膜の材料
は酸化亜鉛に限られず、チタン酸ジルコン酸鉛などを用
いてもよい。また、圧電体薄膜を形成するための薄膜形
成法としてはスパッタリングの他に化学気相蒸着法やイ
オンクラスタ法、イオンプレーティング法などの物理的
気相蒸着法などがある。
【0019】以上により本発明によれば、振動体の加工
精度、特に単結晶シリコンの異方性エッチングを利用す
るため、振動体の傾斜面(図1のキャパシタ11b,1
1cが形成される斜面とキャパシタ11aの形成される
面のなす角度)は自動的に単結晶シリコンの(100)
面と(110)面のなす角度(54.7度)で決定され
るので再現性良く実現できる。
精度、特に単結晶シリコンの異方性エッチングを利用す
るため、振動体の傾斜面(図1のキャパシタ11b,1
1cが形成される斜面とキャパシタ11aの形成される
面のなす角度)は自動的に単結晶シリコンの(100)
面と(110)面のなす角度(54.7度)で決定され
るので再現性良く実現できる。
【0020】また、検出・駆動用の圧電体をスパッタリ
ング等の薄膜形成法で形成するので前述した正三角形片
型ジャイロのような振動体の間の接着材等による特性劣
化がない。さらに、従来の双共振子構造のように2箇所
のノード点で支持して振動体を浮かしているのではな
く、本発明では振動体は一端が固定された片持梁(カン
チレバー)構造を利用した双共振音片をなしているの
で、従来の双共振子構造とは振動自体が異なる。また、
振動体は前述したように基本的にIC加工技術を用いて
作製できるので、再現性がよく、同一加工精度の製品が
大量生産可能であり、さらに、その振動ジャイロの信号
処理部をIC化することでワンチップ化が可能となり、
一層の小型化が可能となる。
ング等の薄膜形成法で形成するので前述した正三角形片
型ジャイロのような振動体の間の接着材等による特性劣
化がない。さらに、従来の双共振子構造のように2箇所
のノード点で支持して振動体を浮かしているのではな
く、本発明では振動体は一端が固定された片持梁(カン
チレバー)構造を利用した双共振音片をなしているの
で、従来の双共振子構造とは振動自体が異なる。また、
振動体は前述したように基本的にIC加工技術を用いて
作製できるので、再現性がよく、同一加工精度の製品が
大量生産可能であり、さらに、その振動ジャイロの信号
処理部をIC化することでワンチップ化が可能となり、
一層の小型化が可能となる。
【0021】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の変形実施が可能であることはいうまでもない。
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の変形実施が可能であることはいうまでもない。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来の双共振子構造のように2箇所のノード点で支持して
振動体を浮かしているのではなく、振動体は一端が固定
された片持梁(カンチレバー)構造を利用した双共振音
片をなしているので、従来の双共振子構造とは異なり、
圧電体からの信号取り出し用配線の設置作業が簡単にな
り、製造工程が簡略化でき、また容易になる。
来の双共振子構造のように2箇所のノード点で支持して
振動体を浮かしているのではなく、振動体は一端が固定
された片持梁(カンチレバー)構造を利用した双共振音
片をなしているので、従来の双共振子構造とは異なり、
圧電体からの信号取り出し用配線の設置作業が簡単にな
り、製造工程が簡略化でき、また容易になる。
【図1】本発明に基づく圧電型振動ジャイロスコープの
主要部である振動体の一実施例を示す斜視図である。
主要部である振動体の一実施例を示す斜視図である。
【図2】異方性エッチングにより形成された異方エッチ
ング部の例を示す斜視図である。
ング部の例を示す斜視図である。
【図3】薄膜形成法により上部表面に酸化亜鉛膜が形成
されたシリコンウェハの断面図である。
されたシリコンウェハの断面図である。
【図4】裏面からの異方性エッチング過程のシリコンウ
ェハの断面図である。
ェハの断面図である。
【図5】最終工程により形成されたカンチレバー構造の
振動体の断面図である。
振動体の断面図である。
【図6】従来の圧電型振動ジャイロスコープの構成例を
示す斜視図である。
示す斜視図である。
10 振動体 11,11b,11c キャパシタ(電極) 13 固定された端部 15 台形部分(自由端部) 21 シリコンウェハ(シリコン基板) 24a,24b,24c 圧電層(圧電体層)
Claims (1)
- 【請求項1】 シリコン基板をエッチングすることによ
って一体的に形成される一端が固定された片持梁構造の
振動体を有し、 上記振動体が、台形状に形成された自由端部と、該自由
端部の上面及び両側面にそれぞれ形成された金属被膜か
らなる圧電体層と、それぞれの圧電体層の表面にそれぞ
れ形成された電極と、を含むことを特徴とする振動ジャ
イロスコープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7087506A JPH08261766A (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 振動ジャイロスコープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7087506A JPH08261766A (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 振動ジャイロスコープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08261766A true JPH08261766A (ja) | 1996-10-11 |
Family
ID=13916874
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7087506A Pending JPH08261766A (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 振動ジャイロスコープ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08261766A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998041818A1 (fr) * | 1997-03-19 | 1998-09-24 | Hitachi, Ltd. | Detecteur avec gyroscope et camera video l'utilisant |
JP2007279022A (ja) * | 2006-03-14 | 2007-10-25 | Citizen Holdings Co Ltd | 振動ジャイロ及びその製造方法 |
US10079590B2 (en) | 2014-10-29 | 2018-09-18 | Seiko Epson Corporation | Vibrator element, electronic device, electronic apparatus, moving object, and method of manufacturing vibrator element |
-
1995
- 1995-03-20 JP JP7087506A patent/JPH08261766A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998041818A1 (fr) * | 1997-03-19 | 1998-09-24 | Hitachi, Ltd. | Detecteur avec gyroscope et camera video l'utilisant |
JP2007279022A (ja) * | 2006-03-14 | 2007-10-25 | Citizen Holdings Co Ltd | 振動ジャイロ及びその製造方法 |
US10079590B2 (en) | 2014-10-29 | 2018-09-18 | Seiko Epson Corporation | Vibrator element, electronic device, electronic apparatus, moving object, and method of manufacturing vibrator element |
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