JP3230359B2 - 共振型振動素子 - Google Patents
共振型振動素子Info
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Description
動素子に関するものである。
動素子の斜視図が示されている。この共振型振動素子15
は、シリコンのマイクロマシニング技術等を利用して作
製した微細素子の共振型振動素子である。同図におい
て、Si基板1上には窒化膜(図示せず)とポリシリコ
ン膜5が形成され、この窒化膜およびポリシリコン膜5
を、例えば、シリコンのドライエッチング等により加工
し、その後、ポリシリコン膜下部の犠牲層(PSG膜)
をエッチングすることで、Si基板1から浮いた状態で
4本の梁を介して両端固定の第1の振動体8が形成さ
れ、中央部には上下方向(紙面に対して垂直方向)に振
動する片持梁の第2の振動体10が形成されている。
(梁4の長さ方向に対して直交方向)の外側に向かって
櫛形電極6Bが形成され、この櫛形電極6Bと対向する
位置に、横方向の内側に向かって櫛形電極6Aが櫛形電
極6Bに噛み合う状態で配置されている。これら櫛形電
極6A,6Bには、図示しない駆動用導体層が接続され
ている。この駆動用導体層に交流電圧を印加すると、櫛
形電極6A,6B間に静電力が発生し、この静電力によ
り、第1の振動体8および第2の振動体10は、矢印Fの
横方向(梁4に対して直交方向)に振動するようになっ
ている。
A,6Bを駆動し、第1の振動体8および第2振動体10
を横方向に駆動し、この振動素子15にZ軸を回転軸とす
る角速度が作用すると、図4の紙面に対して垂直方向に
コリオリ力が発生し、このコリオリ力が第2の振動体10
に加えられ、第2の振動体10はコリオリ力の方向に振動
する。このときの第2の振動体10のコリオリ力による振
動の振幅の大きさに対応する信号を、容量変化等の方法
で測定することで、例えば、角速度の大きさを検知する
ものである。
振型振動素子15にするためには、第1の振動体8の4本
の梁4による横方向(梁4に長さ方向に対して直交方
向)の横共振周波数と、第2の振動体10のコリオリ力の
方向(紙面に垂直方向)の垂直共振周波数を一致させ、
共に共振状態で使用する必要がある。そのため、予め設
計段階で、横方向に振動する第1の振動体8の横共振周
波数と、第2の振動体10のコリオリ力の方向の垂直共振
周波数とを合うように、第1の振動体8や第2の振動体
10の形状、寸法、重量等を設計作製するが、第1の振動
体8や第2の振動体10の形状、寸法、重量等は、シリコ
ンのマイクロマシニング技術の加工精度により、設計通
りに作製されない場合が度々あり、横方向、垂直方向の
共振周波数が互いに設計値からずれることが度々発生
し、振動素子15の感度が低下するという問題がある。そ
のため、第1の振動体8や第2の振動体10を、レーザ等
によってトリミングし、第1の振動体8の横共振周波数
と、第2の振動体の垂直共振周波数を一致させる必要が
ある。
シリコンのマイクロマシニング技術を応用して作製した
微細な振動素子15のため、レーザ照射等でトリミング加
工を行うことは極めて困難である。すなわち、微細な振
動素子15のトリミング領域に対してレーザビームのスポ
ット径が大きく、所望の共振周波数を得るために必要な
微小のトリミング調整部分をトリミングしようとして
も、レーザビームのスポット径が、微小のトリミングし
たい部分よりも大き過ぎてトリミングし過ぎてしまい、
所望の共振周波数を得るためのトリミングの調整ができ
ず、振動素子15の第1の振動体8の共振周波数と、第2
の振動体10の共振周波数を一致調整することは極めて困
難であった。
れたものであり、その目的は、検知感度が良好で、か
つ、極めて小型の共振型振動素子を提供することにあ
る。
するために、次のように構成されている。すなわち、本
発明は、共振周波数で振動させる振動体を備えた共振型
振動素子において、前記振動体が、弾性材料基板と圧電
体との積層構造からなる片持梁又は両持梁の弾性材料基
板側表面に形成されており、前記圧電体に印加する直流
電圧を調整することにより振動体の共振周波数を調整す
ることを特徴として構成されている。
持梁又は両持梁の弾性材料の基板側に、共振周波数で振
動させる振動体を形成する。前記圧電体に直流電圧を印
加し、圧電体に圧縮応力を発生させると、弾性材料の基
板には引っ張り応力が加わり、振動体は引っ張られて引
っ張り応力を生ずる。この張力によって振動体の共振周
波数は高まるので、圧電体の印加電圧を調整することに
より、振動体の共振周波数を予め設計段階で設定した共
振周波数に調整することが可能となる。
する。本実施例の説明において、従来例と同一の名称部
分には同一符号を付し、その詳細な重複説明は省略す
る。図1には、第1の実施例の共振型振動素子が示され
ている。本実施例の共振型振動素子15は、従来例と同様
に、シリコンのマイクロマシニング技術等を利用して作
製した微細な素子のジャイロ等の共振型振動素子15であ
る。
振動素子に応力を加えることで変化することが知られて
いる。その周波数の初期周波数f0 と周波数の変化量Δ
fとの割合Δf/f0 は、両持梁の場合、Δf/f0 =
(1+0.295 L2 σ/ET2)1/2 −1で表される。こ
こでLは梁の長さ、Tは梁の厚さ、σは応力を表す。発
明者らは、この応力σと周波数変化に着目し、Si基板
1と圧電体2の積層構造の共振型振動素子を提案するも
のである。
なことは、チタン酸、ジルコン酸鉛等からなる圧電体2
と弾性材料基板としてのSi基板1との積層構造を形成
し、この積層構造の片持梁のSi基板1側に、第1およ
び第2の振動体8,10を設けたことである。
両端固定されており、従来例と同様に、この第1の振動
体8の中央部には、上下方向(紙面に垂直方向)に振動
する片持梁の第2の振動体10が設けられている。前記第
1の振動体8の両側には、従来例と同様に、第1の振動
体8を梁4の長さ方向に対して直交する方向(横方向)
に振動させる櫛形電極(図示せず)が設けられている。
電体2は圧縮応力を発生して、Si基板1の両持梁の第
1の振動体8に引っ張り応力を加える。この引っ張り応
力により第1の振動体8は引っ張られ、この張力により
共振周波数が高まるが、第2の振動体10はフリー状態の
ため、第2の振動体10には引っ張り応力が加わらない。
そこで、第1の振動体8の共振周波数を第2の振動体10
の共振周波数よりもやや低めに設定し、第1の振動体8
の共振周波数を圧電体2の印加電圧を調整することによ
って、第2の振動体10の共振周波数に合わせる構成とし
ている。
し、第1の振動体8の共振周波数と、第2の振動体10の
共振周波数とを一致するように調整することで、共振型
振動素子15の感度が高められる。
極を駆動して、第1の振動体8を横方向(梁4の長さ方
向に直交する方向)に振動し、Z軸を回転軸とする角速
度が作用すると、図1の紙面に垂直方向にコリオリ力が
発生し、このコリオリ力が第2の振動体10に加えられ、
第2の振動体10はコリオリ力の方向に振動する。この振
動の振幅の大きさを測定することで、従来と同様に角速
度を検出するものである。
てのSi基板1と圧電体2との積層構造の片持梁のSi
基板1側に、両持梁の第1の振動体8を設け、片持梁の
Si基板1側の中央部に第2の振動体10を設ける構成と
したので、圧電体2の印加電圧を調整することにより、
第1の振動体8に引っ張り応力を与え、この引っ張り応
力によって第1の振動体8の共振周波数と、第2の振動
体10の共振周波数とを一致するように調整することがで
きるため、シリコンのマイクロマシニング技術で作製し
た微細な共振型振動素子15であっても、この振動素子15
はその製造プロセスにおいて生じた誤差や使用環境の変
化にとらわれることがなく、高感度、高精度で、例え
ば、角速度検出が可能となる。
の斜視図が示されている。この振動素子15は共振子とし
て機能するもので、その振動体は第1の実施例と同様に
片持梁で支持されているが、紙面に対して垂直方向に振
動する振動体は両端固定されている。弾性材料基板とし
てのSi基板1の裏面には、第1の実施例と同様に圧電
体2が形成され、Si基板1と圧電体2の積層構造とな
っている。
印加し、圧電体2に圧縮応力を発生させると、第1の実
施例と同様に、Si基板1には引っ張り応力が加わる。
振動体10はSi基板1に両端固定されているため、振動
体10に引っ張り応力が直接加わって引っ張られ、その張
力によって振動体10は共振周波数が高まる方向となるの
で、圧電体2の印加電圧を調整することで、振動体10の
周波数を設計段階の設定共振周波数に調整することがで
きる。
造プロセスの一例が示されている。まず、図3の(a)
に示すように、弾性材料基板としてのSi基板1の上面
中央部に、振動体の振幅の大きさを容量変化として検出
するための電極として、リンPやボロンBをドープした
導電層11を形成し、Si基板1の表裏両面に窒化膜7を
マスク形成する。図3の(b)では、Si基板1の裏面
の窒化膜7をパターニングし、図3の(c)では、Si
基板1の表面にPSG等の犠牲層9を形成してパターニ
ングする。次いで、犠牲層9および窒化膜7上にリンP
をドープした導電性のポリシリコン膜5を形成し、熱処
理を行ってポリシリコン膜5の残留応力を除去する。図
3の(d)では、ポリシリコン膜5の表面を酸化シリコ
ン(SiO2 )膜13で保護し、裏面よりTMAH(Tetr
a Methyl Ammonium Hydroxide )等のエッチング液でシ
リコンの異方性エッチングを行い、Si基板1の裏側に
肉薄部12を形成する。
裏面に下部電極としての電極パターン(図示せず)を形
成し、この電極パターン表面側にチタン酸、ジルコン酸
鉛等のセラミック薄膜の圧電体2を形成する。この圧電
体2をイオンミリング等でパターニングした後、その表
面に上部電極としての電極パターンを形成し、その表面
上を酸化膜等でカバーし、Si基板1の肉薄部12をRI
Eでエッチング加工し、素子下部の片持梁を形成する。
図3の(f)では、ポリシリコン膜5を酸化膜でマスク
し、このポリシリコン膜5をRIEエッチングで目標の
形状に加工した後、酸化膜、犠牲層9を弗酸(HF)溶
液でエッチングして、Si基板1から浮いた状態の振動
体10を得る。
とはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記
実施例では、圧電材料としてチタン酸、ジルコン酸鉛を
用いたが、チタン酸鉛等のセラミック薄膜でもよく、圧
電特性の優れた材料ならば、その材料の種類を限定しな
い。
型振動素子について説明したが、本発明の共振型振動素
子はジャイロ以外の他の分野の共振子にも利用すること
ができる。
材としてSi基板1を用いたが、異方性エッチングが可
能であれば、例えば、水晶等の他の単結晶材料でもよ
い。
で振動する振動素子15を片持梁方式で支持する構成とし
たが、この振動素子15を両端固定の両持梁方式としても
よい。
積層構造の片持梁又は両持梁の弾性材料の基板側に振動
体を設ける構成としたので、圧電体の直流印加電圧を調
整することにより、振動体に引っ張り応力(引っ張り張
力)を加えることによって、振動体の共振周波数を予め
設計段階で設定した共振周波数に調整することができる
ため、シリコンのマイクロマシニング技術で製作した微
細な共振型振動素子であっても、この振動素子はその製
造プロセスにおいて生じた誤差や使用環境の変化にとら
われることがなく、高感度、高精度で、例えば、角速度
検出が可能となる。
る。
る。
を示す説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 共振周波数で振動させる振動体を備えた
共振型振動素子において、前記振動体が、弾性材料基板
と圧電体との積層構造からなる片持梁又は両持梁の弾性
材料基板側表面に形成されており、前記圧電体に印加す
る直流電圧を調整することにより振動体の共振周波数を
調整することを特徴とする共振型振動素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34353793A JP3230359B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 共振型振動素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34353793A JP3230359B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 共振型振動素子 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07174569A JPH07174569A (ja) | 1995-07-14 |
JP3230359B2 true JP3230359B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=18362292
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34353793A Expired - Fee Related JP3230359B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 共振型振動素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
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CN101919159B (zh) * | 2008-01-24 | 2014-01-08 | 村田电子有限公司 | 微机械谐振器 |
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JP5231907B2 (ja) * | 2008-09-08 | 2013-07-10 | セイコーインスツル株式会社 | 静電振動子 |
-
1993
- 1993-12-16 JP JP34353793A patent/JP3230359B2/ja not_active Expired - Fee Related
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