JPWO2007055133A1 - 角速度センサおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、振動素子を収納するパッケージ内で酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生したとしても、振動素子の駆動効率の変動が少ない特性の安定した角速度センサを提供するものである。そのために本発明の角速度センサは、パッケージの内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガスを存在させるとともに、パッケージの内部の混合ガスの圧力を大気圧より大きくしたものである。

Description

本発明は、主として自動車等の車両用のナビゲーションシステムや、車両の各種制御用、あるいはカメラ等の手ブレ検知システム等に用いられる、角速度センサおよびその製造方法に関するものである。
従来のこの種の角速度センサ等に用いられる共振子は、図8、図9に示すような構成となっていた。図8は従来の角速度センサ等に用いられる共振子の斜視図、図9は同共振子における振動素子の側断面図である。
図8,図9に示すように、振動素子1は、振動板2と、この振動板2の上面に設けられた酸化亜鉛からなる圧電体層3と、この圧電体層3の上面に設けられたTiおよびNiからなる上部電極層4とにより構成されている。支持部5は振動素子1を支持している。スペーサ6は一対のスペーサで、振動素子1を上下から挟持している。ジュメット線7は一対のジュメット線で、一対のスペーサ6を上下から挟持している。ガラス管8はジュメット線7の周囲を取囲むように溶着するとともに、10KPa〜30KPaの酸素ガスをジュメット線7の内側に封入している。
そして、従来の角速度センサ等に用いられる共振子における振動素子1を製造する工程において、ガラス管8を溶かす際に振動素子1が高温下にさらされると、圧電体層3上に形成した上部電極層4が圧電体層3から酸素を奪うことになる。そうすると、圧電体層3は導電性を示すようになって、圧電体として機能しなくなる。そこで、従来の共振子においては、ジュメット線7の内側に酸素ガスを封入することにより、圧電体層3から酸素ガスが奪われるのを防止するようにしていた。
一方、ジュメット線7内における圧電体層3以外の物質と、酸素ガスとが反応を起こして炭酸ガスが発生する場合を考えると、従来の角速度センサにおいては、分子量の増加により、ジュメット線7の内部の圧力は、例えば、10kPaから20kPa増加して30kPaとなるものである。
ここで、角速度センサの駆動効率は駆動電圧をモニター電圧で除算したものであると定義した場合、その駆動効率は、ジュメット線7の内部の圧力が10kPaのときを1とすると、30kPa時には1.4に変動するものであった。
なお、このような技術に関する先行技術文献としては、例えば、国際公開第03/046479号パンフレット、特開昭64−29706号公報、特開昭62−183147号公報などが知られている。
しかしながら、上記従来の構成においては、ジュメット線7の内側に10kPa〜30kPaの酸素ガスを封入しているので、ジュメット線7の内部の初期の分子量は少ないため、振動素子1の酸素ガスによる駆動抵抗は少ないが、酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生すると、ジュメット線7の内部の分子量が増加するため、振動素子1の駆動抵抗は増大することになり、これにより、振動素子1の駆動効率が大幅に変化してしまうという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、振動素子を収納するパッケージ内で酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生したとしても、振動素子の駆動効率の変動が少ない特性の安定した角速度センサを提供するものである。
そのために本発明は、振動板と、振動板を駆動させるために振動板上に形成された金属酸化物からなる圧電体層を内部に有する駆動膜と、振動板に生じるコリオリの力による変形を検知するために振動板上に形成された金属酸化物からなる圧電体層を内部に有する検出膜とを備えた振動素子と、この振動素子を直接または間接的に支持するとともに内部に収納するパッケージとを備え、パッケージの内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガスを存在させるとともに、パッケージ内部の混合ガスの圧力を大気圧より大きくしたものである。この構成によれば、パッケージの内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガスを存在させてパッケージを封止した構成としているため、高温下で角速度センサを使用した場合においても、感度が変動するのを低減させることができ、これにより、耐久性に優れた角速度センサを提供することができる。また、パッケージ内部の混合ガスの圧力を大気圧よりも大きくしているため、パッケージ内部の初期の分子量は多くなり、これにより、不活性ガスと酸素ガスの混合ガスによる初期の駆動抵抗が多くなっているため、パッケージ内部の酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生し、パッケージ内部の分子量が増加したとしても、振動素子の駆動抵抗の増加量は少なく、これにより、駆動効率の変動を少なくすることができる。そのため、特性の安定した角速度センサを提供することができるものである。
図1は本発明の一実施の形態における角速度センサの分解斜視図である。 図2は本発明の一実施の形態における角速度センサの正面断面図である。 図3は本発明の一実施の形態における角速度センサの振動素子の平面図である。 図4は図3のA−A線断面図である。 図5は本発明の一実施の形態における角速度センサのパッケージ内の酸素濃度と感度変動の関係を示す図である。 図6は本発明の一実施の形態における角速度センサのパッケージ内の気体の成分の経時変化を示す図である。 図7は本発明の一実施の形態における角速度センサのパッケージ内の混合ガスの分子量と駆動効率の関係を示す図である。 図8は従来の角速度センサ等に用いられる共振子の斜視図である。 図9は従来の角速度センサ等に用いられる共振子における振動素子の側断面図である。
符号の説明
13 振動素子
14 蓋
15 パッケージ
16 混合ガス
17 振動板
18,19,20,21 駆動膜
22,23 検出膜
31 Si基板
32 下部電極密着層
33 下部電極層
34 圧電体層
35 上部電極密着層
36 上部電極層
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施の形態における角速度センサの分解斜視図、図2は同角速度センサの正面断面図である。
図1、図2に示すように、本角度センサの実施の形態は、セラミックからなるパッケージ本体11と、IC12と、音叉形状を有する振動素子13と、パッケージ本体11と組み合わせて内部に空間を作り出すための金属で構成された蓋14とからなる、パッケージ15を有している。
このパッケージ15の内部には、IC12と振動素子13が収納されている。パッケージ15の内部の空間には、混合ガス16が封入されており、この混合ガス16は不活性ガスであるヘリウムと、酸素ガスとを混合したものである。またパッケージ15は封止されているもので、混合ガス16がパッケージ15内から外部に漏れるのを防止している。
図3は本発明の一実施の形態における角速度センサを構成する振動素子13の平面図、図4は図3のA−A線断面図である。
図3、図4に示すように、この振動素子13は、Siから構成された音叉形状を有する振動板17、振動板17上に形成されるとともに、振動板17を駆動させるための駆動膜18〜21、振動板17上に形成されるとともに、コリオリの力による振動板17の形状変化を検知する検出膜22、23、振動板17上に形成されるとともに、振動板17の駆動状態をモニターするためのモニター膜24を有している。上記した駆動膜18〜21、検出膜22、23およびモニター膜24の具体的な構成は後述する。さらに振動素子13は、駆動端子25、26、検出端子27、28、モニター端子29を有している。これらは、それぞれ駆動膜18〜21、検出膜22、23、モニター膜24と電気的に接続されている。さらに振動素子13は基準電位端子30を有している。
Si基板31は振動板17に相当するものである。Si基板31上には下部電極密着層32が形成され、この下部電極密着層32はTiで構成されている。下部電極密着層32上にはPtからなる下部電極層33が形成されている。下部電極層33上にはPZTからなる圧電体層34が形成されている。なお、PZTは金属酸化物である。圧電体層34上には上部電極密着層35が形成されている。この上部電極密着層35は下部電極密着層32と同様にTiで構成されている。上部電極密着層35上にはAuからなる上部電極層36が形成されている。なお、下部電極密着層32は、圧電体層34と上部電極層36との密着性を向上させる密着層の役割を有している。また、この上部電極密着層35と下部電極密着層32は、本発明の密着層の一実施の形態である。さらにまた、この上部電極密着層35と下部電極密着層32は、両方存在しても構わないし、どちらか一方だけが存在しても構わない。
上記した駆動膜18〜21、検出膜22、23、モニター膜24は、それぞれ、これらの下部電極密着層32、下部電極層33、圧電体層34、上部電極密着層35および上部電極層36の積層体から構成されるものである。
なお、圧電体層34を所望の結晶構造としつつ、下部電極層33と圧電体層34との間の密着性を向上させるために、両者の間に少なくともPb、Ti、Zrのいずれか1つを含む強誘電体材料からなるバッファ層を形成してもよい。このバッファ層としては、例えばPLZT((Pb,La)(Zr,Ti)O)を用いることができる。
以上のように構成された角速度センサについて、以下にその製造方法を説明する。
まず振動素子13の製造方法について、その方法の概略を説明する。
ウエハ形状のSi基板31上の一面に下部電極密着層32、下部電極層33、圧電体層34、上部電極密着層35、上部電極層36の順に積層する。積層方法としては、蒸着やスパッタリングで行うことができる。
次に、それぞれの層を所定の形状に形成するために、エッチングを行う。エッチングの方法としては、ドライエッチングで行うことができ、このドライエッチングの中では、反応性イオンエッチングが好適である。
次に、Si基板31をドライエッチングや機械加工によって所定の音叉形状にすることにより、個片の振動素子13を得ることができる。このようにして、振動素子13を製造することができる。
次に、パッケージ本体11の所定位置にIC12を接着剤により実装固定し、そしてパッケージ本体11の配線とIC12の配線をワイヤーボンディングにより電気的に接続する。さらに、振動素子13も接着剤により実装固定し、そしてパッケージ本体11の配線と振動素子13の駆動端子25、26、検出端子27、28、モニター端子29、基準電位端子30とをワイヤーボンディングにより電気的に接続する。また、IC12は、振動素子13とともにフェースダウン実装することもできる。
次に、パッケージ本体11に蓋14をセットし、両者を接合して封止する。この封止方法としては抵抗溶接、あるいはシーム溶接を用いることができる。この封止は、不活性ガスであるヘリウムと酸素ガスとの混合ガス雰囲気下で行う。酸素ガスの比率は、1〜20体積%にするのがよい。これによりパッケージ15が形成され、パッケージ15内の混合ガス16がパッケージ15の外部へ漏れるのを防止している。
以上のような製造方法によって、本発明の角速度センサは製造されるものである。
次に本発明の角速度センサの特性について説明する。
図5は、本発明の一実施の形態における角速度センサのパッケージ内の、酸素濃度と感度変動の関係を示す図である。この数値を求めるための実験には、パッケージ15内の酸素濃度を異なる値にした以外は、本発明の一実施の形態における角速度センサと同じ構成のものを用いた。実験は、105℃で5Vの通電試験を行い、通電前後の感度変動を求めたものである。
ここで、感度変動について、角速度センサの検出原理とともに説明する。角速度の検出原理として、まず、駆動膜18〜21に交流信号を与え、その位相を駆動膜18と駆動膜21、駆動膜19と駆動膜20とでそれぞれ逆位相にすると、振動素子13の音叉形状における2本の脚部が開閉するように、それぞれ幅方向に駆動振動する。このとき、振動素子13の中心軸周りに角速度が印加されると、その角速度に応じて発生したコリオリ力により、振動素子13は駆動振動方向に直交する厚み方向に振動する。この振動により検出膜22、23に表面電荷が発生し、電圧値として出力することができる。このとき、角速度の感度は、角速度センサの出力電圧により求められる。例えば、振動素子13の中心軸周りに一方向へ一定の角速度を印加したときの出力電圧と、逆方向に同一の角速度を印加したときの出力電圧の差を、角速度の差で除算することで算出される。
図5の横軸は酸素濃度を示し、単位は体積%である。酸素濃度はパッケージ15の封止時の濃度である。縦軸は感度変動を示し、酸素濃度が0体積%の感度を1とした場合の比率である。
図5から明らかなように、酸素濃度が0体積%のときは感度変動が大きいが、酸素濃度を1体積%以上にすると、感度変動は0体積%のときに比べて約半分に減少する。よって、酸素濃度は1体積%以上であることが好ましい。
但し、酸素は支燃性ガスであるため、取扱いを考えるとあまり濃度を高くするのは好ましくなく、大気中の酸素濃度、すなわち20体積%、もしくはこの近辺の値を上限とすることが好ましい。
次に、パッケージ15内の気体成分の経時変化について説明する。
図6は、本発明の一実施の形態における角速度センサの、パッケージ内の気体の成分の経時変化を示す図である。この数値は、パッケージ15内に酸素の体積濃度を約20%にしたヘリウムとの混合ガスを蓋14で封止した直後のパッケージ15内の気体の成分と、パッケージ15に対してICバーンイン、アニール、温特検査などの組立調整時の熱履歴を加えて完成した角速度センサをリフローした後のパッケージ15内の気体の成分と、リフローしさらに105℃で5Vを印加して1000時間経過させた耐久試験後のパッケージ15内の気体の成分を測定したものである。それぞれの値の測定時点を示すために、図6において、それぞれ「封止後」、「リフロー後」、「耐久試験後」と記載している。
図6より、組立調整時の熱履歴とリフローにより、酸素ガスが減少し、替わりに二酸化炭素が増加していることがわかる。これらは、パッケージ15内にIC12、振動素子13を固定する際に用いたエポキシ系の接着剤の樹脂の分解反応が進み、そして、これと、パッケージ15内の酸素とが一部反応したためであると考えられる。リフロー後、さらに耐久試験を行ったものは、酸素ガスの濃度がさらに減少していることがわかる。
ここで、リフロー後および耐久試験後の酸素は、いずれも封止した直後のパッケージ内の酸素の量の半分以下になっているが、これは気体としてパッケージ15内に存在する酸素が減ったことであり、減った分は圧電体層34へ供給されていると思われる。
以上の結果から、角速度センサを高温下で使用すると、パッケージ15内の酸素ガスが減少し、当初存在していた酸素の一部はパッケージ15内の樹脂等と反応して二酸化炭素に変化し、また、一部は圧電体層34に取り込まれていると考えられる。このことから、パッケージ15内に酸素ガスを封入させておくと、圧電体層34の酸素が上部電極密着層35へ取り込まれるのを大幅に低減させることができるとともに、酸素の離脱を低減することができていると考えられる。
ここで、当初パッケージ15内に存在していた酸素が全て圧電体層34に取り込まれるのではなく、パッケージ15内の樹脂等と反応していることを考えると、パッケージ15内に封止する酸素の濃度を高くし過ぎると、パッケージ15内の圧電体層34以外の物質とより多くの反応を起こす可能性があるので好ましくないと考えられる。また、酸素ガスの濃度を下げるために酸素ガス以外の気体を酸素ガスと混合させる場合には、有機物の樹脂と反応性のある気体ではなく、不活性ガスを封入するのが好ましい。
次に、パッケージ15内に封止する混合ガス16と、駆動効率について説明する。
図7は、本発明の一実施の形態における角速度センサの、パッケージ内の混合ガスの分子量と駆動効率の関係を示す図である。
図7の横軸は、混合ガス16の分子量である。縦軸は駆動効率を示す。駆動効率は駆動電圧をモニター電圧で除算することにより求めることができるため、駆動効率が小さいほど駆動効率は良いことになる。
図7からも明らかなように、分子量が少ない方が駆動効率は良いことがわかる。従って、不活性ガスの中では分子量の小さいヘリウムが最も好ましいことがわかる。また、パッケージ15の内部を酸素ガスだけにしたり、パッケージ15の内部に空気を入れるよりは、ヘリウムと酸素ガスの混合ガス16をパッケージ15の内部に入れた方が、駆動効率が良いこともわかる。
そして、パッケージ15内における圧電体層34以外の物質と、酸素ガスとが反応を起こして、炭酸ガスが発生する場合を考えると、本発明の一実施の形態における角速度センサにおいては、分子量の増加により、パッケージ15内の圧力は、例えば、100kPaから20kPa増加して120kPaとなる。
ここで、角速度センサの駆動効率は駆動電圧をモニター電圧で除算したものであると定義した場合、その駆動効率は、パッケージ15の内部の圧力が100kPaのときを1とすると、120kPa時には、1.2に変動するものである。
すなわち、本発明の一実施の形態における角速度センサにおいては、パッケージ15の内部の混合ガス16の圧力を大気圧より大きくしているため、パッケージ15の内部の初期の分子量は多くなり、これにより、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16による初期の駆動抵抗が多くなっている。そのため、パッケージ15の内部の酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生し、パッケージ15の内部の分子量が増加したとしても、振動素子13の駆動抵抗の増加量は少なく、これにより、駆動効率の変動を少なくすることができる。従って、特性の安定した角速度センサを提供することができるものである。
また、本発明の一実施の形態における角速度センサは、パッケージ15の内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16を存在させて封止しているため、金属酸化物からなる圧電体層34の酸素を上部電極密着層35が奪うのを低減させることができる。これにより、角速度センサを高温環境下で使用した場合においても、感度が変動するのを低減させることができるものである。また、パッケージ15内の気体を酸素ガスだけにするのではなく、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス16にしているため、パッケージ15内の樹脂等との反応を抑えることもできるものである。
そしてまた、圧電体層34の側部をパッケージ15の内部で露出させて、パッケージ15内の酸素と接するようにしているため、圧電体層34の側部において受けたドライエッチング時のプラズマダメージは回復することになり、これにより、圧電体層34の劣化を防止している。
さらに、パッケージ15の内部における酸素ガスの比率は、パッケージ15の内部における全気体に対して1〜20体積%としているため、角速度センサの感度変動を1/2程度、あるいはそれ以下に低減させることができる。また、パッケージ15内の樹脂等と酸素との反応も適度に抑えることができるものである。
さらにまた、不活性ガスはヘリウムにしているが、このヘリウムは平均分子量が小さいため、粘性抵抗が減少し、駆動効率を向上させることができるものである。
なお、上記本発明の一実施の形態においては、下部電極密着層32をTiで構成したが、Crを用いて構成してもよい。
また、Si基板31と下部電極密着層32との間にSiO層を形成すると、より密着性が優れたものとなるため、好ましい。
そしてまた、振動素子13はパッケージ15に直接支持固定しているが、支持固定部材を介して間接的に支持固定してもよい。
さらに、圧電体層と電極層間に形成する密着層は、圧電体層と電極層間の密着性に応じて形成すれば良い。本発明の一実施の形態においては、圧電体層34と上部電極層36との間に上部電極密着層35を形成する構成としていたが、下部電極層33と圧電体層34のみに密着層を形成する場合や、この密着層とともに上部電極密着層35を形成する場合もあり得るものである。
なお以上説明したように、本発明は、振動板17と、振動板17を駆動させるために振動板17上に形成された金属酸化物からなる圧電体層34を内部に有する駆動膜18〜21と、振動板17に生じるコリオリの力による変形を検知するために振動板17上に形成された金属酸化物からなる圧電体層34を内部に有する検出膜22、23とを備えた振動素子13と、振動素子13を直接または間接的に支持するとともに内部に収納するパッケージ15とを備え、パッケージ15の内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16を存在させるとともに、パッケージ15内部の混合ガス16の圧力を大気圧より大きくしたものである。この構成によれば、パッケージ15の内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16を存在させてパッケージ15を封止した構成としているため、高温下で角速度センサを使用した場合においても、感度が変動するのを低減させることができ、これにより、耐久性に優れた角速度センサを提供することができる。また、パッケージ15内部の混合ガス16の圧力を大気圧よりも大きくしているため、パッケージ15内部の初期の分子量は多くなり、これにより、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16による初期の駆動抵抗が大きくなっている。そのため、パッケージ15内部の酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生し、パッケージ15内部の分子量が増加したとしても、振動素子13の駆動抵抗の増加量は少なく、これにより、駆動効率の変動を少なくすることができる。従って、特性の安定した角速度センサを提供することができるものである。
また本発明は、特に、駆動膜18〜21および検出膜22、23を、それぞれ下部電極層33と、下部電極層33上に形成された金属酸化物からなる圧電体層34と、圧電体層34上に形成された上部電極層36と、下部電極層33と圧電体層34間および圧電体層34と上部電極層36間のいずれか一方もしくは両方に形成された密着層とにより構成したものである。この構成によれば、下部電極層33と圧電体層34間および圧電体層34と上部電極層36間のいずれか一方もしくは両方に密着層を形成しているため、圧電体層34と上部電極層36または下部電極層33との密着性を向上させることができるものである。
また本発明は、特に、圧電体層34の側部をパッケージ15の内部で露出させたものである。この構成によれば、圧電体層34の側部が露出してパッケージ15内部の酸素ガスと接するため、ドライエッチングによりプラズマダメージを受けた圧電体層34の側部に生じた結晶の乱れによる酸素の離脱を低減させることができる。これにより、圧電体層34の劣化を低減させることができるものである。
また本発明は、特に、パッケージ15の内部における酸素ガスの比率を、パッケージ15の内部における全気体に対して1〜20体積%としたものである。この構成によれば、酸素ガスの濃度が1体積%から大気圧の濃度、すなわち20体積%程度であるため、角速度センサの感度の変動を大幅に低減させることができるとともに、万一パッケージの封止が損なわれた場合でも、周りに悪影響を及ぼすことはない。
また本発明は、特に、不活性ガスをヘリウムで構成したものである。この構成によれば、ヘリウムの分子量が小さいため、角速度センサの駆動効率を向上させることができるものである。
また本発明は、振動板17と、振動板17を駆動させるために振動板17上に形成された金属酸化物からなる圧電体層34を内部に有する駆動膜18〜21と、振動板17に生じるコリオリの力による変形を検知するために振動板17上に形成された金属酸化物からなる圧電体層34を内部に有する検出膜22、23とを備えた振動素子13と、振動素子13を直接または間接的に支持するとともに内部に収納するパッケージ15とを備えた角速度センサの製造方法であって、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16雰囲気中で、振動素子13をパッケージ15内部に収納するステップと、パッケージ15を封止するステップとを備えたものである。この製造方法によれば、パッケージ15内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16を封止しているため、圧電体層34を構成する金属酸化物の酸素が抜け出るのを低減させることができ、これにより、角速度センサを高温下で使用した場合においても感度が変動するのを低減させることができるものである。
また本発明は、特に、駆動膜18〜21および検出膜22、23を、それぞれ振動板17上に下部電極層33を形成するステップと、下部電極層33上に金属酸化物からなる圧電体層34を形成するステップと、圧電体層34上に上部電極層36を形成するステップと、下部電極層33と圧電体層34間および圧電体層34と上部電極層36間のいずれか一方もしくは両方に密着層を形成するステップとにより形成し、その後、ドライエッチングにより所定の形状に形成した。この製造方法によれば、下部電極層33と圧電体層34間および圧電体層34と上部電極層36間のいずれか一方もしくは両方に密着層を形成しているため、圧電体層34と上部電極層36または下部電極層33との密着性を向上させることができるものである。
また本発明は、特に、圧電体層34の側部をパッケージ15の内部で露出させたものである。この製造方法によれば、圧電体層34の側部が露出してパッケージ15内部の酸素ガスと接するため、ドライエッチングによりプラズマダメージを受けた圧電体層34の側部に生じた結晶の乱れによる酸素の離脱を低減させることができ、これにより、圧電体層34の劣化を低減させることができるものである。
また本発明は、特に、振動素子13をパッケージ15内部に収納するステップにおいて、酸素ガスの比率を1〜20体積%とした。この製造方法によれば、酸素ガスの濃度が1体積%から大気圧の濃度、すなわち20体積%程度であるため、角速度センサの感度の変動を大幅に低減させることができるとともに、万一パッケージ15の封止が損なわれた場合でも、周りに悪影響を及ぼすことはない。
また本発明は、特に、不活性ガスをヘリウムで構成したものである。この製造方法によれば、ヘリウムの分子量が小さいため、角速度センサの駆動効率を向上させることができるものである。
以上のように、本発明の角速度センサは、パッケージ15の内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16を存在させてパッケージ15を封止した構成としているため、高温下で角速度センサを使用した場合においても、感度が変動するのを低減させることができ、これにより、耐久性に優れた角速度センサを提供することができる。また、パッケージ15内部の混合ガス16の圧力を大気圧よりも大きくしているため、パッケージ15内部の初期の分子量は多くなり、これにより、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16による初期の駆動抵抗が大きくなっている。そのため、パッケージ内部の酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生し、パッケージ15内部の分子量が増加したとしても、振動素子13の駆動抵抗の増加量は少ない。これにより、駆動効率の変動を少なくすることができるため、特性の安定した角速度センサを提供することができるものである。
本発明に係る角速度センサは、高温下で角速度センサを使用した場合においても、感度が変動するのを低減させることができ、これにより、耐久性に優れた角速度センサを提供することができる。また、パッケージ内部の混合ガスの圧力を大気圧より大きくすることにより、パッケージ内部の酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生し、パッケージ内部の分子量が増加したとしても、駆動効率の変動を少なくすることができ、これにより、特性の安定した角速度センサを提供することができる。従って、車両用等の各種検知センサに適用して有用なものであり、産業上の利用可能性は非常に高いものである。
本発明は、主として自動車等の車両用のナビゲーションシステムや、車両の各種制御用、あるいはカメラ等の手ブレ検知システム等に用いられる、角速度センサおよびその製造方法に関するものである。
従来のこの種の角速度センサ等に用いられる共振子は、図8、図9に示すような構成となっていた。図8は従来の角速度センサ等に用いられる共振子の斜視図、図9は同共振子における振動素子の側断面図である。
図8,図9に示すように、振動素子1は、振動板2と、この振動板2の上面に設けられた酸化亜鉛からなる圧電体層3と、この圧電体層3の上面に設けられたTiおよびNiからなる上部電極層4とにより構成されている。支持部5は振動素子1を支持している。スペーサ6は一対のスペーサで、振動素子1を上下から挟持している。ジュメット線7は一対のジュメット線で、一対のスペーサ6を上下から挟持している。ガラス管8はジュメット線7の周囲を取囲むように溶着するとともに、10KPa〜30KPaの酸素ガスをジュメット線7の内側に封入している。
そして、従来の角速度センサ等に用いられる共振子における振動素子1を製造する工程において、ガラス管8を溶かす際に振動素子1が高温下にさらされると、圧電体層3上に形成した上部電極層4が圧電体層3から酸素を奪うことになる。そうすると、圧電体層3は導電性を示すようになって、圧電体として機能しなくなる。そこで、従来の共振子においては、ジュメット線7の内側に酸素ガスを封入することにより、圧電体層3から酸素ガスが奪われるのを防止するようにしていた。
一方、ジュメット線7内における圧電体層3以外の物質と、酸素ガスとが反応を起こして炭酸ガスが発生する場合を考えると、従来の角速度センサにおいては、分子量の増加により、ジュメット線7の内部の圧力は、例えば、10kPaから20kPa増加して30kPaとなるものである。
ここで、角速度センサの駆動効率は駆動電圧をモニター電圧で除算したものであると定義した場合、その駆動効率は、ジュメット線7の内部の圧力が10kPaのときを1とすると、30kPa時には1.4に変動するものであった。
なお、このような技術に関する先行技術文献としては、例えば、国際公開第03/046479号パンフレット、特開昭64−29706号公報、特開昭62−183147号公報などが知られている。
しかしながら、上記従来の構成においては、ジュメット線7の内側に10kPa〜30kPaの酸素ガスを封入しているので、ジュメット線7の内部の初期の分子量は少ないため、振動素子1の酸素ガスによる駆動抵抗は少ないが、酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生すると、ジュメット線7の内部の分子量が増加するため、振動素子1の駆動抵抗は増大することになり、これにより、振動素子1の駆動効率が大幅に変化してしまうという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、振動素子を収納するパッケージ内で酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生したとしても、振動素子の駆動効率の変動が少ない特性の安定した角速度センサを提供するものである。
そのために本発明は、振動板と、振動板を駆動させるために振動板上に形成された金属酸化物からなる圧電体層を内部に有する駆動膜と、振動板に生じるコリオリの力による変形を検知するために振動板上に形成された金属酸化物からなる圧電体層を内部に有する検出膜とを備えた振動素子と、この振動素子を直接または間接的に支持するとともに内部に収納するパッケージとを備え、パッケージの内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガスを存在させるとともに、パッケージ内部の混合ガスの圧力を大気圧より大きくしたものである。この構成によれば、パッケージの内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガスを存在させてパッケージを封止した構成としているため、高温下で角速度センサを使用した場合においても、感度が変動するのを低減させることができ、これにより、耐久性に優れた角速度センサを提供することができる。また、パッケージ内部の混合ガスの圧力を大気圧よりも大きくしているため、パッケージ内部の初期の分子量は多くなり、これにより、不活性ガスと酸素ガスの混合ガスによる初期の駆動抵抗が多くなっているため、パッケージ内部の酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生し、パッケージ内部の分子量が増加したとしても、振動素子の駆動抵抗の増加量は少なく、これにより、駆動効率の変動を少なくすることができる。そのため、特性の安定した角速度センサを提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施の形態における角速度センサの分解斜視図、図2は同角速度センサの正面断面図である。
図1、図2に示すように、本角度センサの実施の形態は、セラミックからなるパッケージ本体11と、IC12と、音叉形状を有する振動素子13と、パッケージ本体11と組み合わせて内部に空間を作り出すための金属で構成された蓋14とからなる、パッケージ15を有している。
このパッケージ15の内部には、IC12と振動素子13が収納されている。パッケージ15の内部の空間には、混合ガス16が封入されており、この混合ガス16は不活性ガスであるヘリウムと、酸素ガスとを混合したものである。またパッケージ15は封止されているもので、混合ガス16がパッケージ15内から外部に漏れるのを防止している。
図3は本発明の一実施の形態における角速度センサを構成する振動素子13の平面図、図4は図3のA−A線断面図である。
図3、図4に示すように、この振動素子13は、Siから構成された音叉形状を有する振動板17、振動板17上に形成されるとともに、振動板17を駆動させるための駆動膜18〜21、振動板17上に形成されるとともに、コリオリの力による振動板17の形状変化を検知する検出膜22、23、振動板17上に形成されるとともに、振動板17の駆動状態をモニターするためのモニター膜24を有している。上記した駆動膜18〜21、検出膜22、23およびモニター膜24の具体的な構成は後述する。さらに振動素子13は、駆動端子25、26、検出端子27、28、モニター端子29を有している。これらは、それぞれ駆動膜18〜21、検出膜22、23、モニター膜24と電気的に接続されている。さらに振動素子13は基準電位端子30を有している。
Si基板31は振動板17に相当するものである。Si基板31上には下部電極密着層32が形成され、この下部電極密着層32はTiで構成されている。下部電極密着層32上にはPtからなる下部電極層33が形成されている。下部電極層33上にはPZTからなる圧電体層34が形成されている。なお、PZTは金属酸化物である。圧電体層34上には上部電極密着層35が形成されている。この上部電極密着層35は下部電極密着層32と同様にTiで構成されている。上部電極密着層35上にはAuからなる上部電極層36が形成されている。なお、下部電極密着層32は、圧電体層34と上部電極層36との密着性を向上させる密着層の役割を有している。また、この上部電極密着層35と下部電極密着層32は、本発明の密着層の一実施の形態である。さらにまた、この上部電極密着層35と下部電極密着層32は、両方存在しても構わないし、どちらか一方だけが存在しても構わない。
上記した駆動膜18〜21、検出膜22、23、モニター膜24は、それぞれ、これらの下部電極密着層32、下部電極層33、圧電体層34、上部電極密着層35および上部電極層36の積層体から構成されるものである。
なお、圧電体層34を所望の結晶構造としつつ、下部電極層33と圧電体層34との間の密着性を向上させるために、両者の間に少なくともPb、Ti、Zrのいずれか1つを含む強誘電体材料からなるバッファ層を形成してもよい。このバッファ層としては、例えばPLZT((Pb,La)(Zr,Ti)O)を用いることができる。
以上のように構成された角速度センサについて、以下にその製造方法を説明する。
まず振動素子13の製造方法について、その方法の概略を説明する。
ウエハ形状のSi基板31上の一面に下部電極密着層32、下部電極層33、圧電体層34、上部電極密着層35、上部電極層36の順に積層する。積層方法としては、蒸着やスパッタリングで行うことができる。
次に、それぞれの層を所定の形状に形成するために、エッチングを行う。エッチングの方法としては、ドライエッチングで行うことができ、このドライエッチングの中では、反応性イオンエッチングが好適である。
次に、Si基板31をドライエッチングや機械加工によって所定の音叉形状にすることにより、個片の振動素子13を得ることができる。このようにして、振動素子13を製造することができる。
次に、パッケージ本体11の所定位置にIC12を接着剤により実装固定し、そしてパッケージ本体11の配線とIC12の配線をワイヤーボンディングにより電気的に接続する。さらに、振動素子13も接着剤により実装固定し、そしてパッケージ本体11の配線と振動素子13の駆動端子25、26、検出端子27、28、モニター端子29、基準電位端子30とをワイヤーボンディングにより電気的に接続する。また、IC12は、振動素子13とともにフェースダウン実装することもできる。
次に、パッケージ本体11に蓋14をセットし、両者を接合して封止する。この封止方法としては抵抗溶接、あるいはシーム溶接を用いることができる。この封止は、不活性ガスであるヘリウムと酸素ガスとの混合ガス雰囲気下で行う。酸素ガスの比率は、1〜20体積%にするのがよい。これによりパッケージ15が形成され、パッケージ15内の混合ガス16がパッケージ15の外部へ漏れるのを防止している。
以上のような製造方法によって、本発明の角速度センサは製造されるものである。
次に本発明の角速度センサの特性について説明する。
図5は、本発明の一実施の形態における角速度センサのパッケージ内の、酸素濃度と感度変動の関係を示す図である。この数値を求めるための実験には、パッケージ15内の酸素濃度を異なる値にした以外は、本発明の一実施の形態における角速度センサと同じ構成のものを用いた。実験は、105℃で5Vの通電試験を行い、通電前後の感度変動を求めたものである。
ここで、感度変動について、角速度センサの検出原理とともに説明する。角速度の検出原理として、まず、駆動膜18〜21に交流信号を与え、その位相を駆動膜18と駆動膜21、駆動膜19と駆動膜20とでそれぞれ逆位相にすると、振動素子13の音叉形状における2本の脚部が開閉するように、それぞれ幅方向に駆動振動する。このとき、振動素子13の中心軸周りに角速度が印加されると、その角速度に応じて発生したコリオリ力により、振動素子13は駆動振動方向に直交する厚み方向に振動する。この振動により検出膜22、23に表面電荷が発生し、電圧値として出力することができる。このとき、角速度の感度は、角速度センサの出力電圧により求められる。例えば、振動素子13の中心軸周りに一方向へ一定の角速度を印加したときの出力電圧と、逆方向に同一の角速度を印加したときの出力電圧の差を、角速度の差で除算することで算出される。
図5の横軸は酸素濃度を示し、単位は体積%である。酸素濃度はパッケージ15の封止時の濃度である。縦軸は感度変動を示し、酸素濃度が0体積%の感度を1とした場合の比率である。
図5から明らかなように、酸素濃度が0体積%のときは感度変動が大きいが、酸素濃度を1体積%以上にすると、感度変動は0体積%のときに比べて約半分に減少する。よって、酸素濃度は1体積%以上であることが好ましい。
但し、酸素は支燃性ガスであるため、取扱いを考えるとあまり濃度を高くするのは好ましくなく、大気中の酸素濃度、すなわち20体積%、もしくはこの近辺の値を上限とすることが好ましい。
次に、パッケージ15内の気体成分の経時変化について説明する。
図6は、本発明の一実施の形態における角速度センサの、パッケージ内の気体の成分の経時変化を示す図である。この数値は、パッケージ15内に酸素の体積濃度を約20%にしたヘリウムとの混合ガスを蓋14で封止した直後のパッケージ15内の気体の成分と、パッケージ15に対してICバーンイン、アニール、温特検査などの組立調整時の熱履歴を加えて完成した角速度センサをリフローした後のパッケージ15内の気体の成分と、リフローしさらに105℃で5Vを印加して1000時間経過させた耐久試験後のパッケージ15内の気体の成分を測定したものである。それぞれの値の測定時点を示すために、図6において、それぞれ「封止後」、「リフロー後」、「耐久試験後」と記載している。
図6より、組立調整時の熱履歴とリフローにより、酸素ガスが減少し、替わりに二酸化炭素が増加していることがわかる。これらは、パッケージ15内にIC12、振動素子13を固定する際に用いたエポキシ系の接着剤の樹脂の分解反応が進み、そして、これと、パッケージ15内の酸素とが一部反応したためであると考えられる。リフロー後、さらに耐久試験を行ったものは、酸素ガスの濃度がさらに減少していることがわかる。
ここで、リフロー後および耐久試験後の酸素は、いずれも封止した直後のパッケージ内の酸素の量の半分以下になっているが、これは気体としてパッケージ15内に存在する酸素が減ったことであり、減った分は圧電体層34へ供給されていると思われる。
以上の結果から、角速度センサを高温下で使用すると、パッケージ15内の酸素ガスが減少し、当初存在していた酸素の一部はパッケージ15内の樹脂等と反応して二酸化炭素に変化し、また、一部は圧電体層34に取り込まれていると考えられる。このことから、パッケージ15内に酸素ガスを封入させておくと、圧電体層34の酸素が上部電極密着層35へ取り込まれるのを大幅に低減させることができるとともに、酸素の離脱を低減することができていると考えられる。
ここで、当初パッケージ15内に存在していた酸素が全て圧電体層34に取り込まれるのではなく、パッケージ15内の樹脂等と反応していることを考えると、パッケージ15内に封止する酸素の濃度を高くし過ぎると、パッケージ15内の圧電体層34以外の物質とより多くの反応を起こす可能性があるので好ましくないと考えられる。また、酸素ガスの濃度を下げるために酸素ガス以外の気体を酸素ガスと混合させる場合には、有機物の樹脂と反応性のある気体ではなく、不活性ガスを封入するのが好ましい。
次に、パッケージ15内に封止する混合ガス16と、駆動効率について説明する。
図7は、本発明の一実施の形態における角速度センサの、パッケージ内の混合ガスの分子量と駆動効率の関係を示す図である。
図7の横軸は、混合ガス16の分子量である。縦軸は駆動効率を示す。駆動効率は駆動電圧をモニター電圧で除算することにより求めることができるため、駆動効率が小さいほど駆動効率は良いことになる。
図7からも明らかなように、分子量が少ない方が駆動効率は良いことがわかる。従って、不活性ガスの中では分子量の小さいヘリウムが最も好ましいことがわかる。また、パッケージ15の内部を酸素ガスだけにしたり、パッケージ15の内部に空気を入れるよりは、ヘリウムと酸素ガスの混合ガス16をパッケージ15の内部に入れた方が、駆動効率が良いこともわかる。
そして、パッケージ15内における圧電体層34以外の物質と、酸素ガスとが反応を起こして、炭酸ガスが発生する場合を考えると、本発明の一実施の形態における角速度センサにおいては、分子量の増加により、パッケージ15内の圧力は、例えば、100kPaから20kPa増加して120kPaとなる。
ここで、角速度センサの駆動効率は駆動電圧をモニター電圧で除算したものであると定義した場合、その駆動効率は、パッケージ15の内部の圧力が100kPaのときを1とすると、120kPa時には、1.2に変動するものである。
すなわち、本発明の一実施の形態における角速度センサにおいては、パッケージ15の内部の混合ガス16の圧力を大気圧より大きくしているため、パッケージ15の内部の初期の分子量は多くなり、これにより、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16による初期の駆動抵抗が多くなっている。そのため、パッケージ15の内部の酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生し、パッケージ15の内部の分子量が増加したとしても、振動素子13の駆動抵抗の増加量は少なく、これにより、駆動効率の変動を少なくすることができる。従って、特性の安定した角速度センサを提供することができるものである。
また、本発明の一実施の形態における角速度センサは、パッケージ15の内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16を存在させて封止しているため、金属酸化物からなる圧電体層34の酸素を上部電極密着層35が奪うのを低減させることができる。これにより、角速度センサを高温環境下で使用した場合においても、感度が変動するのを低減させることができるものである。また、パッケージ15内の気体を酸素ガスだけにするのではなく、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス16にしているため、パッケージ15内の樹脂等との反応を抑えることもできるものである。
そしてまた、圧電体層34の側部をパッケージ15の内部で露出させて、パッケージ15内の酸素と接するようにしているため、圧電体層34の側部において受けたドライエッチング時のプラズマダメージは回復することになり、これにより、圧電体層34の劣化を防止している。
さらに、パッケージ15の内部における酸素ガスの比率は、パッケージ15の内部における全気体に対して1〜20体積%としているため、角速度センサの感度変動を1/2程度、あるいはそれ以下に低減させることができる。また、パッケージ15内の樹脂等と酸素との反応も適度に抑えることができるものである。
さらにまた、不活性ガスはヘリウムにしているが、このヘリウムは平均分子量が小さいため、粘性抵抗が減少し、駆動効率を向上させることができるものである。
なお、上記本発明の一実施の形態においては、下部電極密着層32をTiで構成したが、Crを用いて構成してもよい。
また、Si基板31と下部電極密着層32との間にSiO層を形成すると、より密着性が優れたものとなるため、好ましい。
そしてまた、振動素子13はパッケージ15に直接支持固定しているが、支持固定部材を介して間接的に支持固定してもよい。
さらに、圧電体層と電極層間に形成する密着層は、圧電体層と電極層間の密着性に応じて形成すれば良い。本発明の一実施の形態においては、圧電体層34と上部電極層36との間に上部電極密着層35を形成する構成としていたが、下部電極層33と圧電体層34のみに密着層を形成する場合や、この密着層とともに上部電極密着層35を形成する場合もあり得るものである。
なお以上説明したように、本発明は、振動板17と、振動板17を駆動させるために振動板17上に形成された金属酸化物からなる圧電体層34を内部に有する駆動膜18〜21と、振動板17に生じるコリオリの力による変形を検知するために振動板17上に形成された金属酸化物からなる圧電体層34を内部に有する検出膜22、23とを備えた振動素子13と、振動素子13を直接または間接的に支持するとともに内部に収納するパッケージ15とを備え、パッケージ15の内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16を存在させるとともに、パッケージ15内部の混合ガス16の圧力を大気圧より大きくしたものである。この構成によれば、パッケージ15の内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16を存在させてパッケージ15を封止した構成としているため、高温下で角速度センサを使用した場合においても、感度が変動するのを低減させることができ、これにより、耐久性に優れた角速度センサを提供することができる。また、パッケージ15内部の混合ガス16の圧力を大気圧よりも大きくしているため、パッケージ15内部の初期の分子量は多くなり、これにより、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16による初期の駆動抵抗が大きくなっている。そのため、パッケージ15内部の酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生し、パッケージ15内部の分子量が増加したとしても、振動素子13の駆動抵抗の増加量は少なく、これにより、駆動効率の変動を少なくすることができる。従って、特性の安定した角速度センサを提供することができるものである。
また本発明は、特に、駆動膜18〜21および検出膜22、23を、それぞれ下部電極層33と、下部電極層33上に形成された金属酸化物からなる圧電体層34と、圧電体層34上に形成された上部電極層36と、下部電極層33と圧電体層34間および圧電体層34と上部電極層36間のいずれか一方もしくは両方に形成された密着層とにより構成したものである。この構成によれば、下部電極層33と圧電体層34間および圧電体層34と上部電極層36間のいずれか一方もしくは両方に密着層を形成しているため、圧電体層34と上部電極層36または下部電極層33との密着性を向上させることができるものである。
また本発明は、特に、圧電体層34の側部をパッケージ15の内部で露出させたものである。この構成によれば、圧電体層34の側部が露出してパッケージ15内部の酸素ガスと接するため、ドライエッチングによりプラズマダメージを受けた圧電体層34の側部に生じた結晶の乱れによる酸素の離脱を低減させることができる。これにより、圧電体層34の劣化を低減させることができるものである。
また本発明は、特に、パッケージ15の内部における酸素ガスの比率を、パッケージ15の内部における全気体に対して1〜20体積%としたものである。この構成によれば、酸素ガスの濃度が1体積%から大気圧の濃度、すなわち20体積%程度であるため、角速度センサの感度の変動を大幅に低減させることができるとともに、万一パッケージの封止が損なわれた場合でも、周りに悪影響を及ぼすことはない。
また本発明は、特に、不活性ガスをヘリウムで構成したものである。この構成によれば、ヘリウムの分子量が小さいため、角速度センサの駆動効率を向上させることができるものである。
また本発明は、振動板17と、振動板17を駆動させるために振動板17上に形成された金属酸化物からなる圧電体層34を内部に有する駆動膜18〜21と、振動板17に生じるコリオリの力による変形を検知するために振動板17上に形成された金属酸化物からなる圧電体層34を内部に有する検出膜22、23とを備えた振動素子13と、振動素子13を直接または間接的に支持するとともに内部に収納するパッケージ15とを備えた角速度センサの製造方法であって、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16雰囲気中で、振動素子13をパッケージ15内部に収納するステップと、パッケージ15を封止するステップとを備えたものである。この製造方法によれば、パッケージ15内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16を封止しているため、圧電体層34を構成する金属酸化物の酸素が抜け出るのを低減させることができ、これにより、角速度センサを高温下で使用した場合においても感度が変動するのを低減させることができるものである。
また本発明は、特に、駆動膜18〜21および検出膜22、23を、それぞれ振動板17上に下部電極層33を形成するステップと、下部電極層33上に金属酸化物からなる圧電体層34を形成するステップと、圧電体層34上に上部電極層36を形成するステップと、下部電極層33と圧電体層34間および圧電体層34と上部電極層36間のいずれか一方もしくは両方に密着層を形成するステップとにより形成し、その後、ドライエッチングにより所定の形状に形成した。この製造方法によれば、下部電極層33と圧電体層34間および圧電体層34と上部電極層36間のいずれか一方もしくは両方に密着層を形成しているため、圧電体層34と上部電極層36または下部電極層33との密着性を向上させることができるものである。
また本発明は、特に、圧電体層34の側部をパッケージ15の内部で露出させたものである。この製造方法によれば、圧電体層34の側部が露出してパッケージ15内部の酸素ガスと接するため、ドライエッチングによりプラズマダメージを受けた圧電体層34の側部に生じた結晶の乱れによる酸素の離脱を低減させることができ、これにより、圧電体層34の劣化を低減させることができるものである。
また本発明は、特に、振動素子13をパッケージ15内部に収納するステップにおいて、酸素ガスの比率を1〜20体積%とした。この製造方法によれば、酸素ガスの濃度が1体積%から大気圧の濃度、すなわち20体積%程度であるため、角速度センサの感度の変動を大幅に低減させることができるとともに、万一パッケージ15の封止が損なわれた場合でも、周りに悪影響を及ぼすことはない。
また本発明は、特に、不活性ガスをヘリウムで構成したものである。この製造方法によれば、ヘリウムの分子量が小さいため、角速度センサの駆動効率を向上させることができるものである。
以上のように、本発明の角速度センサは、パッケージ15の内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16を存在させてパッケージ15を封止した構成としているため、高温下で角速度センサを使用した場合においても、感度が変動するのを低減させることができ、これにより、耐久性に優れた角速度センサを提供することができる。また、パッケージ15内部の混合ガス16の圧力を大気圧よりも大きくしているため、パッケージ15内部の初期の分子量は多くなり、これにより、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス16による初期の駆動抵抗が大きくなっている。そのため、パッケージ内部の酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生し、パッケージ15内部の分子量が増加したとしても、振動素子13の駆動抵抗の増加量は少ない。これにより、駆動効率の変動を少なくすることができるため、特性の安定した角速度センサを提供することができるものである。
本発明に係る角速度センサは、高温下で角速度センサを使用した場合においても、感度が変動するのを低減させることができ、これにより、耐久性に優れた角速度センサを提供することができる。また、パッケージ内部の混合ガスの圧力を大気圧より大きくすることにより、パッケージ内部の酸素ガスが反応して炭酸ガスが発生し、パッケージ内部の分子量が増加したとしても、駆動効率の変動を少なくすることができ、これにより、特性の安定した角速度センサを提供することができる。従って、車両用等の各種検知センサに適用して有用なものであり、産業上の利用可能性は非常に高いものである。
本発明の一実施の形態における角速度センサの分解斜視図 本発明の一実施の形態における角速度センサの正面断面図 本発明の一実施の形態における角速度センサの振動素子の平面図 図3のA−A線断面図 本発明の一実施の形態における角速度センサのパッケージ内の酸素濃度と感度変動の関係を示す図 本発明の一実施の形態における角速度センサのパッケージ内の気体の成分の経時変化を示す図 本発明の一実施の形態における角速度センサのパッケージ内の混合ガスの分子量と駆動効率の関係を示す図 従来の角速度センサ等に用いられる共振子の斜視図 従来の角速度センサ等に用いられる共振子における振動素子の側断面図
符号の説明
13 振動素子
14 蓋
15 パッケージ
16 混合ガス
17 振動板
18,19,20,21 駆動膜
22,23 検出膜
31 Si基板
32 下部電極密着層
33 下部電極層
34 圧電体層
35 上部電極密着層
36 上部電極層

Claims (10)

  1. 振動板と、前記振動板を駆動させるために前記振動板上に形成された金属酸化物からなる圧電体層を内部に有する駆動膜と、前記振動板に生じるコリオリの力による変形を検知するために前記振動板上に形成された金属酸化物からなる圧電体層を内部に有する検出膜とを備えた振動素子と、前記振動素子を直接または間接的に支持するとともに内部に収納するパッケージとを備え、前記パッケージの内部に不活性ガスと酸素ガスの混合ガスを存在させるとともに、パッケージ内部の混合ガスの圧力を大気圧より大きくした角速度センサ。
  2. 前記駆動膜および前記検出膜を、それぞれ下部電極層と、前記下部電極層上に形成された金属酸化物からなる前記圧電体層と、前記圧電体層上に形成された上部電極層と、前記下部電極層と前記圧電体層間および前記圧電体層と上部電極層間のいずれか一方もしくは両方に形成された密着層とにより構成した、請求項1記載の角速度センサ。
  3. 前記圧電体層の側部を前記パッケージの内部で露出させた、請求項1に記載の角速度センサ。
  4. 前記パッケージの内部における前記酸素ガスの比率を、前記パッケージの内部における全気体に対して1〜20体積%とした、請求項1に記載の角速度センサ。
  5. 前記不活性ガスをヘリウムで構成した、請求項1に記載の角速度センサ。
  6. 振動板と、前記振動板を駆動させるために前記振動板上に形成された金属酸化物からなる圧電体層を内部に有する駆動膜と、前記振動板に生じるコリオリの力による変形を検知するために前記振動板上に形成された金属酸化物からなる圧電体層を内部に有する検出膜とを備えた振動素子と、前記振動素子を直接または間接的に支持するとともに内部に収納するパッケージとを備えた角速度センサの製造方法であって、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気中で、前記振動素子を前記パッケージ内部に収納するステップと、前記パッケージを封止するステップとを備えた、角速度センサの製造方法。
  7. 前記駆動膜および前記検出膜を、それぞれ前記振動板上に下部電極層を形成するステップと、前記下部電極層上に金属酸化物からなる圧電体層を形成するステップと、前記圧電体層上に上部電極層を形成するステップと、前記下部電極層と前記圧電体層間および前記圧電体層と前記上部電極層間のいずれか一方もしくは両方に密着層を形成するステップとにより形成し、その後、ドライエッチングにより所定の形状に形成した、請求項6記載の角速度センサの製造方法。
  8. 前記圧電体層の側部を前記パッケージの内部で露出させた、請求項6に記載の角速度センサの製造方法。
  9. 前記振動素子を前記パッケージ内部に収納するステップにおいて、前記酸素ガスの比率を1〜20体積%とした、請求項6に記載の角速度センサの製造方法。
  10. 前記不活性ガスをヘリウムで構成した、請求項6に記載の角速度センサの製造方法。
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