JPH04276912A - 厚み辷り圧電振動子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、厚み辷り圧電振動子の
構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の厚み辷り圧電振動子の例として厚
み辷り水晶振動子を例にとり説明を行う事とする。

【０００３】現在、数多くある水晶振動子のうちで、最
も汎用性の高い振動子はＡＴ振動子である。

【０００４】このＡＴ振動子は、比較的良好な周波数−
温度特性（以下温特と略す）を有するために、通信機器
クロック等の民生機器に利用されている。

【０００５】そして、近年電子機器分野の小型軽量高周
波化が進み、水晶振動子にも小型高周波化が要求される
ようになってきた。

【０００６】そこで、Ｘ軸方向に長い矩形状に加工され
たＡＴ振動子が作成されるようになってきた。

【０００７】従来の矩形状厚み辷り水晶振動子の平面断
面図を図３に示す。また、従来の矩形状厚み辷り水晶振
動子の側面断面図を図４に示す。従来の厚み辷り水晶振
動子は、主面上にＣｒ及びＡｇで形成された励振電極８
と接続電極９を有する水晶発振片１３を、ステム１１に
貫通するインナーリード１０の端部と前記接続電極９の
端部とをハンダを用いて接続されており、前記ステム１
１とシリンダー状のケース１２がハンダを用いて真空中
で封着されていることにより前記水晶発振片は真空１４
に保たれていた。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、矩形状ＡＴ振
動子を高周波に於いて発振させる場合、水晶振動子に流
す励振電流が大きくなる傾向があり、図５に示すように
水晶振動子に於いて過大な励振電流が流れ励振電極が例
えば２ｍＷと過大になると非線形現象が発生し、周波数
偏差が＋５ｐｐｍと大きくなると同時に水晶振動子の主
振動の周波数の近傍に厚み辷り系とは別の屈曲及び縦振
動等の輪郭系のスプリアス振動が発生しやすくなり、図
６に示すように通常の励振電流が水晶振動子に流れ励振
電力が例えば１００μＷとなった場合問題の無い温特が
得られたとしても図７に示すように過大な励振電流が水
晶振動子に流れ励振電極が例えば２ｍＷと過大になると
した場合温特に悪影響を及ぼすという課題があった。

【０００９】この現象は、水晶振動子に限るものではな
くその他の厚み辷り圧電振動子に於いても同様の課題と
なる。

【００１０】本発明は、上述の課題を解決することにあ
り、その目的は、厚み辷り圧電振動子に於いて、過大な
励振電流を流しても厚み辷り系とは別の屈曲及び縦振動
等の輪郭系のスプリアス振動による温特への影響を防止
する方法を提供するところにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】（１）　　本発明の厚み
辷り圧電振動子は、金属外環内にガラスを介して２本の
リード線を気密絶縁的に封着した気密端子にシリンダー
状のケースを圧入している厚み辷り水晶振動子で前記ケ
ースと前記気密端子に於いて外界と隔絶されている前記
厚み辷り水晶振動子の内部の雰囲気を窒素とした厚み辷
り水晶振動子であることを特徴とする。

【００１２】（２）　　本発明の厚み辷り圧電振動子は
、厚み辷り圧電振動子に於いて、前記厚み辷り圧電振動
子の内部の雰囲気をアルゴンガスとしたことを特徴とす
る。

【００１３】（３）　　本発明の厚み辷り圧電振動子は
、厚み辷り圧電振動子に於いて、前記厚み辷り圧電振動
子の内部の雰囲気を窒素でかつ外界よりも圧力を高くし
たことを特徴とする。

【００１４】（４）　　本発明の厚み辷り圧電振動子は
、厚み辷り圧電振動子に於いて、前記厚み辷り圧電振動
子の内部の雰囲気をアルゴンガスでかつ外界よりも圧力
を高くしたことを特徴とする。

【００１５】

【作用】本発明の厚み辷り振動子は、以上のような構成
をとっているので過大な励振電流が流れても非線形現象
が発生しにくく厚み辷り振動以外の縦振動及び屈曲振動
等の輪郭振動のスプリアス振動による温特への影響を防
止することができる。

【００１６】以下にその考えられる理由を説明する。

【００１７】以後、従来の厚み辷り圧電振動子の例とし
て厚み辷り水晶振動子を例にとり説明を行う事とする。

【００１８】従来の厚み辷り振動子は、Ｘ軸方向に長く
Ｚ軸方向に短い矩形状水晶振動子であり、厚み辷り振動
を電極により発生させているが水晶片が小さいこともあ
り純粋な厚み辷り振動というよりも特に短いＺ軸方向の
屈曲振動及び縦振動等の輪郭系の振動が混じりあった厚
み辷り振動をしていると考えられる。

【００１９】そこで、通常の低い励振電流が水晶振動子
に流れている場合は、厚み辷り振動が主に励振されてい
るため、特に温特で周波数が変動する等の現象は生じな
い。しかし、過大な励振電流が水晶振動子に流れている
場合は、厚み辷り振動以外の屈曲振動及び縦振動等の輪
郭系の振動へもエネルギーが供給され輪郭系の振動が強
く励振されることにより温特で周波数が変動するという
現象が生じることとなる。

【００２０】本発明の厚み辷り振動子は、水晶発振片が
窒素雰囲気中に保たれるので過大な励振電流を水晶振動
子に流そうとしても厚み辷り系の振動は窒素分子により
振動が若干阻害されるので非線形現象が抑えられまた厚
み辷り振動以外の屈曲振動及び縦振動等の輪郭系の振動
は厚み辷り系の振動とは異なり窒素分子により振動が大
きく阻害されるために厚み辷り系の振動以外に輪郭系の
振動にエネルギーが供給されても輪郭系の振動が強く励
振される事はなく温特で周波数が変動するという現象も
生じない事となる。

【００２１】

【実施例】以下、本発明の厚み辷り圧電振動子について
実施例に基ずいて詳細に説明する。

【００２２】以後、本発明の厚み辷り圧電振動子の例と
して矩形状厚み辷り水晶振動子を例にとり説明を行う事
とする。

【００２３】本発明の実施例とする矩形状厚み辷り水晶
振動子の平面断面図を図１に示す。また、本発明の実施
例とする矩形状厚み辷り水晶振動子の側面断面図を図２
に示す。本例の厚み辷り水晶振動子は、主面上にＣｒ及
びＡｇで形成された励振電極２と接続電極３を有する水
晶発振片１を、ステム５に貫通するインナーリード４の
端部と前記接続電極３の端部とをハンダを用いて接続さ
れており、前記ステム５とケース６がハンダを用いて窒
素雰囲気中で封着されていることにより前記水晶発振片
は窒素雰囲気７中に保たれる。

【００２４】この場合の水晶振動子の励振電力と周波数
偏差との関係を図８に示す。

【００２５】同図を見ればわかるように励振電力を増加
させても周波数の偏差は大きくならず非線形性が大きく
ならないために厚み辷り系とは別の屈曲及び縦振動等の
輪郭系のスプリアスと結合せず、温特も正常となる。

【００２６】また図９に水晶振動子の内部の雰囲気の構
成が真空である場合の励振電極の膜厚と温特のスプリア
スの結合による不良率の関係図を示す。

【００２７】同図を見ればわかるように励振電極の膜厚
が薄くなるほど温特不良率が下がっている事がわかる。

【００２８】また図１０に水晶振動子の内部の雰囲気の
構成が窒素である場合の励振電極の膜厚と温特のスプリ
アスの結合による不良率の関係図を示す。

【００２９】図９と図１０とを比較すればわかるように
水晶振動子の内部の雰囲気を真空から窒素に変更する事
によりさらに温特不良率が下がり特に励振電極の膜厚が
２２００Å以下で水晶振動子の内部の雰囲気を窒素にす
る事により温特のスプリアスの結合による不良率を０％
とする事ができる。

【００３０】また本例に於いて水晶振動子の内部の雰囲
気の構成は、窒素で考えているがその他アルゴンガスの
ように窒素より分子量の大きなガスを使用する事により
さらに矩形状水晶振動子に於いて過大な励振電流が流れ
ても非線形現象が発生しにくく厚み辷り振動以外の縦振
動及び屈曲振動等の輪郭振動のスプリアス振動による温
特への影響を防止する事ができる。

【００３１】またさらに本例に於いて水晶振動子の内部
の雰囲気の構成は、大気圧の窒素で考えているがその他
大気圧より大きな加圧した窒素のように大気圧の窒素よ
り水晶振動子の内部に含まれる窒素分子を多くする事に
よりさらに矩形状水晶振動子に於いて過大な励振電流が
流れても非線形現象が発生しにくく厚み辷り振動以外の
縦振動及び屈曲振動等の輪郭振動のスプリアス振動によ
る温特への影響を防止する事ができる。

【００３２】またさらに本例に於いて水晶振動子の内部
の雰囲気の構成を、大気圧より大きな加圧したアルゴン
ガスのように大気圧のアルゴンガスより水晶振動子の内
部に含まれるアルゴンガス分子を多くする事によりさら
に矩形状水晶振動子に於いて過大な励振電流が流れても
非線形現象が発生しにくく厚み辷り振動以外の縦振動及
び屈曲振動等の輪郭振動のスプリアス振動による温特へ
の影響を防止する事ができる。

【００３３】また本例に於いて厚み辷り圧電振動子とし
て矩形状厚み辷り水晶振動子を例にとり説明を行ったが
その他例えば円盤状厚み辷り振動子・セラミック振動子
・リチウム振動子など他の形状他の圧電振動子でも同様
の効果を有する。

【００３４】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、ステ
ムとシリンダー状のケースがハンダを用いて窒素雰囲気
中で封着されるので水晶発振片が窒素雰囲気中に保たれ
ていることにより矩形状水晶振動子において過大な励振
電流が流れても非線形現象が発生しにくく厚み辷り系と
は別の屈曲及び縦振動等の輪郭系のスプリアス振動によ
る温特への影響を防止することができるという効果を有
する。

【００３５】また特に励振電極の膜厚が２２００Å以下
で水晶振動子の内部の雰囲気を窒素にする事により温特
のスプリアスの結合による不良率を０％とする事ができ
るという効果を有する。

【００３６】また圧電振動子の内部の雰囲気の構成を、
その他アルゴンガスのように窒素より分子量の大きなガ
スを使用する事によりさらに厚み辷り圧電振動子に於い
て過大な励振電流が流れても非線形現象が発生しにくく
厚み辷り振動以外の縦振動及び屈曲振動等の輪郭振動の
スプリアス振動による温特への影響を防止する事ができ
るという効果を有する。

【００３７】またさらに圧電振動子の内部の雰囲気の構
成を、その他大気圧より大きな加圧した窒素のように大
気圧の窒素より圧電振動子の内部に含まれる窒素分子を
多くする事によりさらに厚み辷り圧電振動子に於いて過
大な励振電流が流れても非線形現象が発生しにくく厚み
辷り振動以外の縦振動及び屈曲振動等の輪郭振動のスプ
リアス振動による温特への影響を防止する事ができると
いう効果を有する。

【００３８】またさらに圧電振動子の内部の雰囲気の構
成を、大気圧より大きな加圧したアルゴンガスのように
大気圧のアルゴンガスより圧電振動子の内部に含まれる
アルゴンガス分子を多くする事によりさらに厚み辷り圧
電振動子に於いて過大な励振電流が流れても非線形現象
が発生しにくく厚み辷り振動以外の縦振動及び屈曲振動
等の輪郭振動のスプリアス振動による温特への影響を防
止する事ができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例とする矩形状厚み辷り水晶振動
子の平面断面図。

【図２】本発明の実施例とする矩形状厚み辷り水晶振動
子の側面断面図。

【図３】従来の矩形状厚み辷り水晶振動子の平面断面図
。

【図４】従来の矩形状厚み辷り水晶振動子の側面断面図
。

【図５】励振電流と周波数偏差の関係図。

【図６】通常の励振電流が水晶振動子に流れた場合の温
度特性図。

【図７】過大な励振電流が水晶振動子に流れた場合の温
度特性図。

【図８】過大な励振電流を矩形状水晶振動子に流した場
合で水晶発振片が窒素雰囲気中に保たれている場合の水
晶振動子の励振電流と周波数偏差との関係図。

【図９】水晶振動子の内部の雰囲気の構成が真空である
場合の励振電極の膜厚と温特のスプリアスの結合による
不良率の関係図。

【図１０】水晶振動子の内部の雰囲気の構成が窒素であ
る場合の励振電極の膜厚と温特のスプリアスの結合によ
る不良率の関係図。

【符号の説明】

１…水晶発振片 ２…励振電極 ３…接続電極 ４…インナーリード ５…ステム ６…ケース ７…窒素雰囲気 ８…励振電極 ９…接続電極 １０…インナーリード １１…ステム １２…ケース １３…水晶発振片 １４…真空

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　金属外環内にガラスを介して２本のリ
   ード線を気密絶縁的に封着した気密端子にシリンダー状
   のケースを圧入している厚み辷り水晶振動子で前記ケー
   スと前記気密端子に於いて外界と隔絶されている前記厚
   み辷り水晶振動子の内部の雰囲気を窒素とした厚み辷り
   水晶振動子であることを特徴とする厚み辷り圧電振動子
   。
2. 【請求項２】　　厚み辷り圧電振動子に於いて、前記厚
   み辷り圧電振動子の内部の雰囲気をアルゴンガスとした
   ことを特徴とする厚み辷り圧電振動子。
3. 【請求項３】　　厚み辷り圧電振動子に於いて、前記厚
   み辷り圧電振動子の内部の雰囲気を窒素でかつ外界より
   も圧力を高くしたことを特徴とする厚み辷り圧電振動子
   。
4. 【請求項４】　　厚み辷り圧電振動子に於いて、前記厚
   み辷り圧電振動子の内部の雰囲気をアルゴンガスでかつ
   外界よりも圧力を高くしたことを特徴とする厚み辷り圧
   電振動子。