JP4999483B2 - ステンレス溶銑の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気炉を利用して原料を溶解しステンレス溶銑を製造する方法に関する。
従来から、ステンレス溶銑を製造する際に電気炉を利用して原料を溶解する方法が知られている。図6は、電気炉を利用してステンレス溶銑を製造する方法の概略を示す。電気炉を利用してステンレス溶銑を製造する場合、後工程の精錬負荷を軽減するために、電気炉内へ石灰や蛍石などの造滓材を投入して脱硫処理を行う(たとえば、特許文献1参照)。なお、ここでは、溶銑に含まれる成分を括弧無しで表し、成分系を示す場合を除いて、スラグおよび脱硫剤に含まれる成分を特許文献1の記載と同様に丸括弧付きで表す。
造滓材からスラグが生成されて脱硫処理した後、ステンレス溶銑とスラグとを、たとえば取鍋などの容器に出銑する。取鍋では除滓を行い、ステンレス溶銑を後工程の脱炭、精錬および鋳造工程へ送る。一方、除滓したスラグは、スラグ処理を行って地金を回収する。回収した地金を電気炉での溶解原料の一部として使用し、処理後のスラグを路盤材や土壌改良材などのリサイクル用途に販売している。
電気炉で脱硫を行う場合、電気炉で生成するスラグの塩基度を高くして還元性の環境にする必要がある。スラグの塩基度を高めるには造滓材として石灰を多く使用するが、石灰で塩基度を高めると、スラグの溶解性および流動性が悪くなり、脱硫反応を円滑に行うことができなくなる。そこで、スラグの流動性を高めて脱硫反応を促進するために多量の蛍石を用いている。このように、電気炉でステンレス溶銑を脱硫処理する場合、石灰および蛍石の両方を多量に使用するので、スラグの発生量が増大する。
電気炉で発生するスラグは、路盤材などにリサイクル利用することができるが、リサイクル用途向けにスラグを販売するためには加工処理を必要とするので、スラグの発生量が多いと加工処理費用が多大になる。また、スラグの流動性を増すために添加する蛍石は化学式CaFで表されその成分としてフッ素を含むので、多量に使用するとスラグ中のフッ素含有量が増加する。スラグを路盤材などに利用する場合、フッ素含有量が多いとその溶出が懸念され用途上好ましくないので、販売することができず廃棄処分せざるを得ない場合も生じる。
また電気炉内で生成するスラグの量が多いと、電気炉の内容積には限りがあるので、溶解することのできるステンレス溶銑の量が減少するという問題がある。さらに、電気炉における生産性を優先する余り、充分に脱硫できないまま溶銑を後工程へ送ると、後工程で追加脱硫を行う必要が生じ、総合的には生産効率がかえって低下するという問題がある。
特開平1−205022号公報
本発明の目的は、電気炉での操業負荷を軽減し、スラグ発生量を低減するとともに、スラグを確実に有効利用できるようにし、また後工程における追加脱硫の負荷をも軽減できる効率的なステンレス溶銑の製造方法を提供することである。
本発明のステンレス溶銑の製造方法は、前記目的を達成するため、電気炉でステンレス原料を溶解して溶湯にし、原料溶解後に溶湯と電気炉で生成するスラグとを容器に出銑し、スラグを除滓し、電気炉外で溶湯を脱硫する炉外脱硫を行う。その際、電気炉で生成するスラグの組成を、塩基度(CaO)/(SiO)=1.0〜1.5、フッ素(F)≦0.40重量%とし、炉外脱硫剤に石灰系脱硫剤を使用して溶湯を炉外脱硫し、Cr=9〜22重量%、S<0.015重量%を含むステンレス溶銑にすることを特徴とする。
また、前記炉外脱硫で生成するスラグを除滓し、除滓したスラグを酸化還元処理して該スラグ組成が、酸化カルシウム(CaO)≧35重量%、フッ素(F)≦15重量%、硫黄(S)<0.10重量%になるようにし、酸化還元処理後のスラグを炉外脱硫剤として再使用してもよい。
また、前記石灰系脱硫剤として、石灰(CaO)または(CaO)≧35重量%、(F)≦1.5重量%を含む脱硫剤を使用することができる。また炉外脱硫した後除滓したスラグを酸化還元処理する場合には、前記石灰系脱硫剤として、(CaO)≧35重量%、(F)≦15重量%を含む脱硫剤を使用することができる。
また、フッ素を含む石灰系脱硫剤としては、CaO−SiO−CaF系、CaO−SiO−MgO−CaF系、CaO−CaCO−Al−CaF系、CaO−CaCO−Al−CaF−Al系、CaO−CaCO−Al−CaF−Al−C系、CaO−Al−CaF系、CaO−Al−CaF−Al系、CaO−Al−CaF−Al−C系脱硫剤のいずれかを使用することが好ましい。
本発明によれば、電気炉では、積極的には脱硫処理せずに炉外脱硫することによって、電気炉での操業を原料の溶解のみに限定できるので、電気炉の操業負荷を軽減することができる。また、電気炉での操業を溶解のみに限定することによって、石灰の使用量を少なくしてスラグの塩基度を低く抑えることができるので、スラグには適当な溶解性と流動性が保たれて、蛍石の投入を抑制することができる。その結果、電気炉で生成するスラグの量が減少し、かつフッ素含有量を0.40重量%以下に抑制することができる。したがって、スラグ処理費用を低減できるとともに、フッ素含有量による制約を受けることなくスラグを多方面のリサイクル用途へ確実に有効利用することが可能になる。電気炉で炉外脱硫することによって、電気炉における1チャージ当たりの所要時間を短縮して操業効率も向上する。電気炉での1チャージ当たりに許容される操業時間の制約を受けることなくステンレス溶銑を充分に脱硫することができるので、後工程での追加脱硫処理の発生頻度を低減することが可能になる。
また、炉外脱硫をした後、炉外脱硫で生成するスラグを酸化還元処理して炉外脱硫剤として再使用することによって、スラグの発生量を一層少なくすることができる。
また、石灰系脱硫剤として、石灰(CaO)または(CaO)≧35重量%、(F)≦1.5重量%を含む脱硫剤を使用することによって、炉外脱硫で生成するスラグのフッ素含有量を低く抑えることができるので、フッ素含有量による制約を受けることなく多方面の用途に有効利用することが可能になる。
また、炉外脱硫後に除滓したスラグを酸化還元処理する場合には、(F)≦15重量%の石灰系脱硫剤であっても炉外脱硫剤として使用できるので、脱硫剤選択の自由度を増すことができる。
また、炉外脱硫の石灰系脱硫剤として、CaOおよびCaFを基本成分として含み、その他SiO、MgO、CaCO、Al、Al、Cのいずれかまたは2以上を含んでもよい多種の脱硫剤を使用できるので、ステンレス溶銑の組成に応じた脱硫剤選択の自由度を増すことができる。
図1は、本発明の一つのステンレス溶銑の製造方法を実施するための概略的な製造工程を示す。図2は、図1の製造工程を模式的に示す。以下、図1および図2を参照して本発明のステンレス溶銑の製造方法について説明する。
まず、工程a1では、合金鉄、スクラップ、酸化物含有原料などの溶解原料を電気炉1に装入し、電極2に通電して溶解原料を溶解して溶湯3を生成する。この溶解工程では、溶解原料の溶解のみに限定し、電気炉内では積極的には脱硫処理を行わない。したがって、電気炉1へ投入する石灰などの塩基性造滓材の量を少なくし、電気炉1で生成するスラグ6の塩基度(CaO)/(SiO)を1.0〜1.5の範囲にする。この電気炉1で生成するスラグ6を電気炉生成スラグ6と呼ぶことがある。
塩基度が1.0未満では、還元雰囲気が弱くなり電気炉生成スラグ6中の酸化クロムの濃度が高くなってCrの歩留が低下するので、塩基度を1.0以上にすることが好ましい。一方、塩基度が1.5を超えると、電気炉生成スラグ6の流動性が低下し、溶解原料の溶解効率が低下するので、塩基度を1.5以下にすることが好ましい。
電気炉生成スラグ6の塩基度を1.5以下にすることによって、その流動性を維持することができるので、流動性向上のために蛍石を用いる必要がなくなる。このように、電気炉1で造滓材として蛍石の添加を行わないか、または添加量を少量に抑えることによって、電気炉生成スラグ6に含まれるフッ素(F)を0.40重量%以下に抑えることができる。また、石灰と蛍石との両方の使用量を少なくできるので、電気炉生成スラグ6の発生量を少なくすることができる。
電気炉生成スラグ6の(F)を0.40重量%以下まで低減することによって、電気炉生成スラグ6からフッ素がたとえ溶出するとしても、その量が極微量になるので、フッ素含有による制約を受けることなくリサイクル用途に確実に有効利用できるようになる。電気炉生成スラグ6の(F)は、リサイクル用途での使用を考慮すると含まれないことが好ましい。すなわち、(F)の下限値は0重量%であることが好ましい。しかし、実際の電気炉における溶解では、前チャージの影響などがあり、副原料を調整しても(F)が含まれないようにすることが難しいと考えられるので、上限値として0.40重量%のみを規定する。
工程a2では、溶湯3を電気炉生成スラグ6とともに、たとえば取鍋4などの容器に出銑する。工程a3では、取鍋4中の電気炉生成スラグ6をスラグドラッガーにてスラグ鍋7へ除滓する。
工程a4では、除滓された電気炉生成スラグ6をスラグ処理して地金を回収する。回収した地金は、電気炉1で溶解原料の一部として利用される。地金回収後の電気炉生成スラグ6の処理については後述する。
工程a5では、除滓後、取鍋4に残された溶湯3を電気炉1の外で炉外脱硫する。炉外脱硫の方法は、インジェクション方式の脱硫装置8またはKR等の機械撹拌方式の脱硫装置9のいずれを用いるものであってもよい。使用する炉外脱硫剤の特性に適した方式を採用することができる。いずれの方式であっても、取鍋4内の溶湯3に炉外脱硫剤を作用させて脱硫する。炉外脱硫剤には石灰系脱硫剤を使用する。石灰系脱硫剤としては、石灰(CaO)または(CaO)≧35重量%、(F)≦1.5重量%を含む脱硫剤を使用することが好ましい。
以下、炉外脱硫剤の組成限定理由について説明する。本発明で想定する炉外脱硫処理するべき溶湯3の温度である約1300〜1450℃程度においては、炉外脱硫剤に含まれる(CaO)濃度が35重量%以上であれば、脱硫する機能を発揮することができる。
溶湯3の脱硫反応には石灰が有効に作用するので、炉外脱硫剤は(CaO)濃度が高いほど高い脱硫機能を発揮することができる。したがって、(CaO)濃度の上限値としては、石灰のみからなる炉外脱硫剤を挙げることができる。ここで、石灰のみからなる炉外脱硫剤とは、製造上の不可避的不純物を含む石灰100重量%からなる脱硫剤をいい、その実質的な(CaO)濃度を断定することは困難であるが、98ないし99重量%程度である。
しかしながら、石灰は融点が高いので、脱硫処理時の温度によっては完全溶解せず溶湯3と充分に反応しない可能性もある。そこで、炉外脱硫剤としては、石灰のみに限定することなく、石灰以外にスラグを溶融し脱硫反応を促進する他の成分を含んでもよい。この炉外脱硫によって炉外脱硫剤から生成するスラグ10を、前記電気炉生成スラグ6と区別するために炉外脱硫生成スラグ10と呼ぶことがある。
本発明の炉外脱硫剤には、前記石灰以外の他の成分として、フッ素(F)を1.5重量%以下の範囲で含んでもよい。炉外脱硫生成スラグ10もリサイクル用途に利用することを考慮すれば、炉外脱硫生成スラグ10の素になる炉外脱硫剤中にフッ素を含まない、すなわち(F)=0重量%であることが好ましい。しかし、脱硫反応の観点からは、フッ素源となるCaFを若干含む方が効果的な場合もあるので、炉外脱硫剤中にCaFを含んでもよいこととし、含む場合には(F)に換算して1.5重量%以下の範囲で許容する。
フッ素を含有してもよい石灰系の炉外脱硫剤として、CaO−SiO−CaF系、CaO−SiO−MgO−CaF系、CaO−CaCO−Al−CaF系、CaO−CaCO−Al−CaF−Al系、CaO−CaCO−Al−CaF−Al−C系、CaO−Al−CaF系、CaO−Al−CaF−Al系、CaO−Al−CaF−Al−C系脱硫剤のいずれかを使用することができる。これらのうちから炉外脱硫するべきステンレス溶銑の組成に応じて適当な系の炉外脱硫剤を選択して使用することができるので、選択の自由度が増し、一層効果的に脱硫することができる。
以下、炉外脱硫剤に含まれる(F)を1.5重量%以下に限定する理由について説明する。炉外脱硫処理では、通常60%以上、少なくとも50%以上の脱硫率を得ることができるように、処理温度、撹拌強度および処理時間などの条件を設定する。
脱硫反応については、関与するメタル系、スラグ系によって、反応の機構や雰囲気の影響が種々異なるので、未だ明らかではない点も多いが、本件発明者らは、ステンレス溶銑について種々試験を行い、以下の知見を得るに至った。少なくとも脱硫率50%以上を確保する条件設定のもとで炉外脱硫を行うとき、炉外脱硫剤に含まれる(F)を1.5重量%以下にすれば、炉外脱硫の進行に比例してフッ素化合物の気化反応も進みスラグ中からフッ素が除去されるので、脱硫処理後の炉外脱硫生成スラグ10中の(F)濃度が低下し、0.40重量%以下にすることが可能であった。このことから、炉外脱硫剤に含まれる(F)の許容値を1.5重量%以下とする。
炉外脱硫処理後、工程a6では炉外脱硫生成スラグ10を取鍋4からスラグ鍋7に除滓する。先の地金回収後の電気炉生成スラグ6および工程a6で除滓される炉外脱硫生成スラグ10は、(F)≦0.40重量%に抑えられているので、全く制約を受けることなく種々の用途に向けてリサイクル、すなわち販売することが可能になる。スラグ冷却装置11で冷却された電気炉生成スラグ6および炉外脱硫生成スラグ10は、スラグ処理をして地金が回収された後、加工して出荷、すなわちリサイクル用途向けに販売される。
本発明の製造方法では、炉外脱硫処理された後の溶湯3の組成が、Cr=9〜22重量%、S<0.015重量%を含むステンレス溶銑になるようにする。以下、ステンレス溶銑の成分範囲限定理由について説明する。Crは、ステンレス鋼としての主たる特性である耐食性を確保するために必要な成分であり、少なくとも9重量%以上含有することが好ましい。一方、ステンレス鋼の汎用用途においては、22重量%のCrを含有すれば耐食性を満足すると考えられるので、上限値を22重量%とする。なお、Crの成分限定範囲はあくまでも炉外脱硫後のステンレス溶銑におけるものであり、最終成品としてのステンレス鋼のCr成分範囲はこれと異なるものであってもよい。
Sは、ステンレス鋼の耐食性を悪くする成分であり、できる限り低減することが好ましいが、0.015重量%未満であれば、ステンレス鋼としての一般的水準の耐食性を満たすと考えられるので、これを上限値とする。
なお、Sは、その含有量を低減するほど耐食性が向上するので、溶銑中に含まれないことが好ましい。すなわち、Sの好ましい下限値は0重量%である。しかしながら、Sを分析で検出できなくなるまで低減することは操業上実際的ではないので、特に下限値を限定することなく、ステンレス溶銑の具体的組成に応じて脱硫剤原価および脱硫処理所要時間などの観点から可能な限り低くすればよいことにする。
CrおよびS以外の成分については特に限定しないが、Si=0.1〜0.8重量%、C=2.5〜6.5重量%であることが好ましい。Niについては、含まなくてもよく、また含んでもよい。Niを含む場合にはNi≦40重量%であることが好ましい。すなわち、本発明のステンレス溶銑は、Niを含まないCr系のステンレス溶銑であってもよく、またCrとNiとを含むNi系のステンレス溶銑であってもよい。
Siは、還元剤としてまた酸化発熱源として0.1重量%以上含有することが好ましく、過剰の含有は転炉工程以降でのスラグ生成量を増加させることになるので0.8重量%以下であることが好ましい。
Cは、 溶銑の融点及び粘性に影響するので、2.5重量%以上であることが好ましく、また、転炉工程以降での脱炭負荷を考慮して6.5重量%以下であることが好ましい。
Niは、含有量が増加するのに伴って加工性および耐食性を向上するが、40重量%を超えて含有させても、その効果が飽和しコストを増大させるので、上限を40重量%とする。前述のように、本発明のステンレス溶銑はNiを含まないCr系であってもよいので、Niの下限値は0重量%とする。
炉外脱硫生成スラグ10の除滓後、本発明の方法で製造された上記組成を有するステンレス溶銑は、後工程である脱炭、精錬および鋳造工程に送られる。工程a7に示す各工程は、たとえば図2に示す転炉12、VOD13および連続鋳造14によって実現される。図2におけるVOD13は、真空脱炭法による精錬工程を表す。
上記のように、電気炉では、積極的には脱硫処理せずに炉外脱硫することによって、電気炉の操業を原料の溶解のみに限定することができるので、操業負荷を軽減し1チャージ当たりの操業時間を短縮して操業効率を向上することができる。また、炉外脱硫は、電気炉での1チャージ当たりに許容される操業時間の制約を受けないので、後工程での追加脱硫が不要な程度にまでステンレス溶銑を充分に脱硫することができる。このように、電気炉の操業効率を向上し、後工程での追加脱硫処理の発生頻度を低減することによって、総合的な生産効率の向上を実現することができる。
図3は、本発明の他のステンレス溶銑の製造方法を実施するための概略的な製造工程を示す。図4は、図3の製造工程を模式的に示す。本発明のステンレス溶銑の製造方法は、前述の図1および図2に示すステンレス溶銑の製造方法に類似するので、対応する部分については同一の工程符号および参照符号を付して説明を省略する。
以下、図3および図4を参照して本発明のステンレス溶銑の製造方法について説明する。本発明のステンレス溶銑の製造方法において注目すべきは、除滓した炉外脱硫生成スラグ10を、工程a8で酸化還元処理して該スラグ組成が、(CaO)≧35重量%、(F)≦15重量%、(S)<0.10重量%になるようにし、酸化還元処理後の炉外脱硫生成スラグ10を炉外脱硫剤として再使用することである。
酸化還元処理とは、除滓した炉外脱硫スラグ10に空気または酸素ガスなどの酸化剤を吹込み、また場合によっては還元剤を併用して、下記式(1)および式(2)に示す反応などによって、炉外脱硫スラグ10から(S)および(F)を気体として除去する処理である。この酸化還元処理において、炉外脱硫生成スラグ10が温度低下を生じるような場合、たとえば重油バーナーなどで炉外脱硫生成スラグ10を加熱しながら処理することが好ましい。
CaS+3/2O→CaO+SO(gas)・・・(1)
2CaF+2O+2Si→SCaO+SiO+SiF(gas)・・・(2)
このように、炉外脱硫生成スラグ10を酸化還元雰囲気制御しながら処理することによって、スラグ10に含まれる(S)と(F)とをそれぞれ0.10重量%未満および15重量%以下まで低減することができるので、スラグ10を炉外脱硫剤として再使用することが可能になる。
以下、炉外脱硫生成スラグ10を酸化還元処理後に炉外脱硫剤として再使用する場合の成分限定理由について説明する。
(CaO)は、脱硫のための必須成分であり、前述のように炉外脱硫処理するべき溶湯3の温度が約1300〜1450℃程度であれば、(CaO)濃度を35重量%以上にすることによって、脱硫機能を発揮することができる。上限値も前述と同様に製造上の不可避的不純物を含む石灰100重量%に相当する(CaO)濃度である。
(S)は、多量に含まれると脱硫剤としての機能を発揮することができなくなるので、0.10重量%未満に制限する。脱硫剤としての機能上(S)の好ましい下限値は0重量%である。しかし、実際の操業では、酸化還元処理時間を限定しているので、(S)を0重量%まで減少させることは困難である。したがって、(S)が0.10重量%未満になれば脱硫剤としての機能発揮が可能であると判断し、上限値のみを規定する。
(F)は、炉外脱硫工程および酸化還元処理工程における気化反応で除去されること、また炉外脱硫生成スラグ10を酸化還元処理して炉外脱硫剤として再使用する場合はスラグが系外に出ないことを考慮すれば、特に上限を規定する必要がない。しかし、炉外脱硫剤としての基本成分は(CaO)であり、(F)源となるCaFはスラグの溶融を促進するために添加するものであることから、過剰に含有させる意味がなく、(F)換算で15重量%を上限として含ませれば充分である。一方、CaOが充分に溶融し脱硫剤としての機能を発揮することができる場合、CaFを添加する必要がないので、(F)は含まれなくてもよい。
炉外脱硫生成スラグ10を酸化還元処理して炉外脱硫剤として再使用する場合、(F)が15重量%以下まで許容されるということは、(CaO)≧35重量%、(F)≦15重量%を含む脱硫剤、すなわち(F)の許容限を多い方に拡大した脱硫剤を未使用の初期炉外脱硫剤として使用してもよいことを意味する。再使用ではなく初めて使用する炉外脱硫剤として(F)量が多いものを使用しても、炉外脱硫工程と酸化還元処理工程とにおいて(F)が除去されて減少し、また酸化還元処理後に炉外脱硫生成スラグ10が再使用されて系外に出ないので、(F)濃度の高いことが問題にならないからである。
このように酸化還元処理することによって、炉外脱硫生成スラグ10を炉外脱硫剤として再使用することができるので、系外に出るスラグは電気炉生成スラグ6のみになり、スラグの発生量を一層抑制することが可能になる。
この酸化還元処理は、炉外脱硫生成スラグ10のみでなく、電気炉生成スラグ6に対しても適用することができる。電気炉生成スラグ6が、(F)>0.40重量%になった場合またはなることが予測される場合、スラグ鍋7へ除滓した電気炉生成スラグ6を酸化還元処理することによって、(F)量を減少させて0.40重量%以下にすることができる。電気炉生成スラグ6を酸化還元処理することによって、その(F)量を確実に0.40重量%以下にすることができるので、リサイクル用途に確実に利用することが可能になる。
工程a9では、酸化還元処理時に発生するSOガスを排ガス脱硫処理設備で処理する。排ガス脱硫処理設備としては、たとえばマグネシアスラリー式の脱硫洗浄装置などを用いることができる。
[実施例]
以下本発明の実施例について説明する。本実施例では、公称150トンの電気炉でCr系およびNi系ステンレス溶銑を製造した事例について説明する。
(実施例1)
原料として予熱したステンレススクラップ、研削屑、銑鉄およびコークス等を電気炉に装入し、電極に通電して溶解し、ある程度溶解が進行した時点で、フェロクロム、フェロニッケル等の合金を追加装入して溶湯を生成した。電気炉では、電気炉生成スラグの塩基度が1.5以下になるように、またスラグの(F)濃度が0.40重量%以下になるように原料および副原料を配合した。
溶解したチャージは、13重量%Crを含有するCr系ステンレス溶銑が6チャージ、18重量%Cr−8重量%Niを含有するNi系ステンレス溶銑が13チャージであった。以後、チャージをCHと略記する。
電気炉で溶解して生成した溶湯と電気炉生成スラグとを取鍋に出銑し、取鍋内の電気炉生成スラグをスラグドラッガーでスラグ鍋に除滓した。その後、溶解したCHごとに、予め定める種類の炉外脱硫剤を電気炉で配合する原料から求められる溶銑中のS量に応じて数百kgから1トン強取鍋内へ投入し、機械撹拌方式で15分間炉外脱硫処理した。
各CHに対して使用した炉外脱硫剤は次のようであった。Cr系ステンレス溶銑のNo.60113〜60115の3CHについては、(CaO)純度が98重量%の生石灰のみを使用し、No.60116〜60118の3CHについては、CaO−SiO−CaF系で(F)が1.5重量%のものを使用した。
Ni系ステンレス溶銑のNo.60119〜60122の4CHについては、(CaO)純度が98重量%の生石灰のみを使用し、No.60123〜60125の3CHについては、CaO−SiO−MgO−CaF系で(F)が1.2重量%のものを使用し、No.60126〜60128の3CHについては、CaO−CaCO−Al−CaF−Al系で(F)が1.5重量%のものを使用し、No.60129〜60131の3CHについては、CaO−CaCO−Al−CaF−Al−C系で(F)が1.5重量%のものを使用した。
生石灰を除いて、使用した石灰系炉外脱硫剤に含まれる(CaO)濃度は、38〜65重量%であった。
(実施例2)
実施例1の場合と同様にして、電気炉で原料を溶解し、溶湯と電気炉生成スラグとを取鍋に出銑し、取鍋内の電気炉生成スラグを除滓した後、取鍋内に炉外脱硫剤を投入し、機械撹拌方式で15分間炉外脱硫処理した。
炉外脱硫剤には、(CaO)を35重量%以上含み、(F)を13重量%または15重量%含む石灰系脱硫剤を使用した。すなわち、Cr系ステンレス溶銑のNo.60150〜60152の3CHについては、CaO−SiO−MgO−CaF系で(F)が15重量%のものを使用し、Ni系ステンレス溶銑のNo.60140〜60142の3CHについては、CaO−SiO−CaF系で(F)が13重量%のものを使用し、No.60160〜60162の3CHについては、CaO−CaCO−Al−CaF−Al系で(F)が13重量%のものを使用した。
炉外脱硫処理後、炉外脱硫生成スラグをスラグ鍋に除滓した。スラグ鍋中の炉外脱硫生成スラグに対してバーナー加熱しながら酸素ガスを流量500L/minで15分間吹込むことによって酸化還元処理し、スラグ中の(S)を酸化揮発させ、(F)を気化反応で除去した。なお、バーナー加熱は、炉外脱硫生成スラグの酸化還元処理中にスラグの温度が低下して凝固のおそれがある場合に、重油バーナーで炉外脱硫生成スラグを加熱して溶融状態を維持した。この酸化還元処理した炉外脱硫生成スラグを次のCHの炉外脱硫剤として再使用し、脱硫性能を試験した。
(比較例)
原料および合金の溶解までは実施例1および実施例2と同様にして溶湯を生成した。完全に溶解が完了した時点で、前CHで製造されたステンレス溶銑の成分分析結果から得られた溶銑のS含有量に応じて予め定めた量の生石灰および蛍石を投入し、電気炉の炉底から底吹きガス撹拌して、電気炉内で脱硫処理を10〜12分間行った。電気炉内で脱硫処理を行うので、スラグ塩基度が、1.8〜2.3になるように原料および造滓材を調整した。
電気炉内での脱硫処理後、ステンレス溶銑と電気炉生成スラグとを取鍋に出銑し、取鍋内の電気炉生成スラグをスラグ鍋に除滓し、ステンレス溶銑を後工程に送った。比較例では、Cr系ステンレス溶銑を6CH、Ni系ステンレス溶銑を6CH溶解し、すべてのCHを電気炉で脱硫処理したので、炉外脱硫を行わなかった。
(試験結果)
実施例1、実施例2および比較例について、ステンレス溶銑を溶製した結果を併せて図5に示す。また、電気炉生成スラグおよび炉外脱硫生成スラグの発生量と、スラグのリサイクル状況および精錬効果について、実施例1の結果を表1に示し、比較例の結果を表2に示す。
表1および表2に示すスラグのリサイクルは、発生したスラグを路盤材などのリサイクル用途向けに販売可能であったか否かを意味する。販売可能であった場合を○印で表し、販売できず廃棄処分した場合を×印で表す。また、精錬効果は、炉外脱硫または電気炉内での脱硫が充分でなく、後工程のVODで追加の脱硫処理を要したか否かを意味する。追加脱硫が不要であった場合を○印で表し、追加脱硫を要した場合を×印で表す。なお、試験結果を示す表中においては、電気炉生成スラグを電気炉スラグ、炉外脱硫生成スラグを脱硫スラグと略記する。
図5の電気炉生成スラグに含まれる(F)量および表1のスラグのリサイクル状況の結果から判るように、本発明の実施例1の場合は、電気炉生成スラグに含まれる(F)がすべてのCHにおいて0.40重量%以下であり、またデータを省略しているが炉外脱硫生成スラグに含まれる(F)もすべてのCHにおいて0.40重量%以下であった。したがって、(F)についての制約を受けることなく電気炉生成スラグおよび炉外脱硫生成スラグをリサイクル用途に販売することが可能であった。
一方、図5および表2に示す比較例では、すべてのCHにおいて電気炉生成スラグに含まれる(F)が0.40重量%を大きく超え、1.9重量%以上含まれていたので、リサイクル用途に販売することができずに廃棄処分した。
次に、精錬効果について説明する。実施例1のCr系ステンレス溶銑では、追加脱硫を必要としたものが皆無であり、炉外で充分に脱硫することが可能であった。実施例1のNi系ステンレス溶銑では、比較例のNi系ステンレス溶銑に比べて溶銑に含まれるSを炉外脱硫で低い水準まで下げることができたので、後工程で若干の復硫があったけれども、13CHの中で追加脱硫を要したものが4CHに止まり、追加脱硫頻度を31%に抑えることができた。ここで、追加脱硫頻度とは、電気炉内での脱硫または炉外脱硫を行ったが後工程のVODでさらに追加脱硫を必要としたCHの数を、同じ溶製グループ内の全CH数で除した値を百分率で表したものである。追加脱硫頻度が低いほど全体として余分の工程が少なく生産効率が良好であることを意味する。
このように、電気炉での操業を溶解のみに限定し、炉外脱硫処理した実施例1では、電気炉における操業効率向上と、後工程での追加脱硫処理の発生頻度低減とによって、総合的な生産効率の向上を実現することができた。
比較例では、Cr系ステンレス溶銑は、追加脱硫を要したCHが無く追加脱硫頻度が0%であったが、Ni系ステンレス溶銑は、VOD処理前の段階で復硫により溶銑に含まれるSが増加したCHが多く、これらのCHについてはVODにおいて再度石灰および蛍石を投入して追加脱硫処理を実施した。その結果、追加脱硫頻度が83%の高率になった。
比較例のように、電気炉で溶解と脱硫とを行った場合、電気炉での1CH当たりに許容される操業時間内で充分に脱硫できないことがあるので、追加脱硫頻度が高くなり生産効率が低下した。また、追加脱硫時にも石灰を投入して塩基度が高いスラグを生成して処理したので、高塩基度のスラグによって発生する非金属介在物に起因する表面欠陥が、最終成品であるステンレス鋼板に発生して品質歩留が悪くなる例も認められた。
Figure 0004999483
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実施例2について、電気炉生成スラグおよび炉外脱硫生成スラグの発生量、スラグのリサイクル状況および精錬効果を表3に示し、未使用の炉外脱硫剤の組成および炉外脱硫生成スラグを酸化還元処理した後の組成ならびに炉外脱硫処理後の溶銑に含まれるS量を表4に示す。実施例2における表3の炉外脱硫生成スラグのリサイクルおよび表4の再使用可否は、前述の実施例1におけるリサイクル用途への販売可否ではなく、炉外脱硫生成スラグを酸化還元処理して炉外脱硫剤として再使用することができたか否かを意味する。次のCHの炉外脱硫剤として再使用できた場合を○印で表し、再使用できなかった場合を×印で表す。
実施例2において、Cr系ステンレス溶銑の炉外脱硫では、未使用の炉外脱硫剤を1CH目の炉外脱硫に使用し、その炉外脱硫生成スラグを酸化還元処理して2CH目の炉外脱硫剤として再使用することができた。2CH目の炉外脱硫剤として再使用した結果得られた炉外脱硫生成スラグを酸化還元処理したところ、該スラグに含まれる(S)を0.09重量%まで低減することができたので、次の3CH目の炉外脱硫剤としてさらに再使用した。その結果、Cr系ステンレス溶銑に含まれるS量を0.006重量%まで低減することができ、後工程での復硫による溶銑中のS増加も認められなかった。このように炉外脱硫生成スラグに合計2回の酸化還元処理をして3CH目の炉外脱硫剤として使用した場合にも、炉外脱硫剤として脱硫機能を充分に発揮することが可能であった。3CH目で炉外脱硫剤として再使用して生成された炉外脱硫生成スラグを酸化還元処理したところ少なくとも次の4CH目まではさらに炉外脱硫剤として再使用が可能であることを確認した。
一方、Ni系ステンレス溶銑の場合、2回目の酸化還元処理をした後の炉外脱硫生成スラグに含まれる(S)が0.10重量%であったが、これを3CH目の炉外脱硫剤としてさらに再使用をしたところ、炉外脱硫後におけるNi系ステンレス溶銑に含まれるS量をCr系ステンレス溶銑の場合とほぼ同等の水準まで低減することができた。しかしながら、3CH目のNi系ステンレス溶銑は、後工程のVOD前に復硫が生じて溶銑中のS量が増加したので追加脱硫処理が必要となった。したがって、仮に3CH目の炉外脱硫生成スラグに酸化還元処理をして次の4CH目の炉外脱硫剤として使用したとしても、溶銑に含まれるSを充分に低減することができず、また復硫が発生する可能性も高いと考えられたので、追加脱硫処理が必要になるであろうと判断し、再使用不可として廃棄処分した。
このことから、Cr系およびNi系ステンレス溶銑について総合的に判断すると、酸化還元処理後における炉外脱硫生成スラグに含まれる(S)量を0.10重量%未満にすれば、次CHの炉外脱硫剤として再使用可能であることが判る。
実施例1、実施例2および比較例のCr系ステンレス溶銑およびNi系ステンレス溶銑について、溶銑量、電気炉生成スラグ発生量および総スラグ発生量を、一群の溶製グループごとに平均値で求めた結果を表5に示す。ここで、総スラグ発生量は、電気炉生成スラグと炉外脱硫生成スラグとの和である。
実施例と比較例との特にNi系ステンレス溶銑同士を比較すると判るように、比較例に比べて実施例では、電気炉生成スラグの発生量が減少し、逆に溶銑量が増加している。電気炉の内容積が一定であることから、電気炉内に収容できる電気炉生成スラグの量と溶銑の量との和がほぼ一定になるので、電気炉生成スラグの量が減少すると溶銑の量が増加する。したがって、1CHあたりの溶解に投入した電力量がほぼ同じであっても、溶解した溶銑量の多い実施例の方が比較例よりも、溶銑1トンを生成するための所要溶解電力である電力原単位を少なくすることができ、電力コストを改善することができた。
Figure 0004999483
Figure 0004999483
Figure 0004999483
本発明の一つのステンレス溶銑の製造方法を実施するための概略的な製造工程を示す。 図1の製造工程を模式的に示す。 本発明の他のステンレス溶銑の製造方法を実施するための概略的な製造工程を示す。 図3の製造工程を模式的に示す。 ステンレス溶銑の溶製試験結果を示す。 電気炉を利用してステンレス溶銑を製造する方法の概略を示す。
符号の説明
1 電気炉
2 電極
3 溶湯
4 取鍋
6 電気炉生成スラグ
7 取鍋
8 インジェクション方式の脱硫装置
9 機械撹拌方式の脱硫装置
10 炉外脱硫生成スラグ

Claims (6)

  1. 電気炉でステンレス原料を溶解して溶湯にし、原料溶解後に溶湯と電気炉で生成するスラグとを容器に出銑し、スラグを除滓し、電気炉外で溶湯を脱硫する炉外脱硫を行ってステンレス溶銑を製造する方法であって、
    電気炉で生成するスラグの組成を、塩基度(CaO)/(SiO)=1.0〜1.5、フッ素(F)≦0.40重量%とし、
    炉外脱硫剤に石灰系脱硫剤を使用して溶湯を炉外脱硫し、Cr=9〜22重量%、S<0.015重量%を含むステンレス溶銑にすることを特徴とするステンレス溶銑の製造方法。
  2. 前記炉外脱硫で生成するスラグを除滓し、
    除滓したスラグを酸化還元処理して該スラグ組成が、酸化カルシウム(CaO)≧35重量%、フッ素(F)≦15重量%、硫黄(S)<0.10重量%になるようにし、
    酸化還元処理後のスラグを炉外脱硫剤として再使用することを特徴とする請求項1記載のステンレス溶銑の製造方法。
  3. 前記石灰系脱硫剤として石灰(CaO)を使用することを特徴とする請求項1または2記載のステンレス溶銑の製造方法。
  4. 前記石灰系脱硫剤として、酸化カルシウム(CaO)≧35重量%、フッ素(F)≦1.5重量%を含む脱硫剤を使用することを特徴とする請求項1または2記載のステンレス溶銑の製造方法。
  5. 前記石灰系脱硫剤として、酸化カルシウム(CaO)≧35重量%、フッ素(F)≦15重量%を含む脱硫剤を使用することを特徴とする請求項2記載のステンレス溶銑の製造方法。
  6. 前記石灰系脱硫剤として、CaO−SiO−CaF系、CaO−SiO−MgO−CaF系、CaO−CaCO−Al−CaF系、CaO−CaCO−Al−CaF−Al系、CaO−CaCO−Al−CaF−Al−C系、CaO−Al−CaF系、CaO−Al−CaF−Al系、CaO−Al−CaF−Al−C系脱硫剤のいずれかを使用することを特徴とする請求項4または5記載のステンレス溶銑の製造方法。
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