JPH09235611A - 清浄性の高い極低硫純鉄の製造方法 - Google Patents

清浄性の高い極低硫純鉄の製造方法

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JPH09235611A
JPH09235611A JP8042741A JP4274196A JPH09235611A JP H09235611 A JPH09235611 A JP H09235611A JP 8042741 A JP8042741 A JP 8042741A JP 4274196 A JP4274196 A JP 4274196A JP H09235611 A JPH09235611 A JP H09235611A
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JP
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flux
molten steel
slag
desulfurization
aluminum
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JP8042741A
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Hiroshi Tanaka
宏 田中
Masabumi Ikeda
正文 池田
Tadaaki Hino
忠昭 日野
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫黄濃度が0.0010重量%未満、且つ、
全酸素濃度が0.0030重量%未満である高純度の純
鉄を大量に製造する方法を見出す。 【解決手段】 高炉から出銑され予備処理により脱硫・
脱燐された溶銑を転炉精錬し、転炉出鋼後に未脱酸状態
で除滓して脱酸した後に、脱硫し、その後減圧下で脱炭
し、脱炭後アルミニウムで脱酸する工程からなる純鉄の
製造方法において、脱硫工程後には脱硫時に生成したス
ラグを除滓し、除滓後にはアルミニウムでの脱酸工程終
了時にCaO−Al2 3 −SiO2 の3元系の組成に
換算して、CaOが44〜62重量%、Al2 3 が2
7〜46重量%、SiO2 が2〜20重量%の範囲内と
なる組成のフラックスを溶鋼上に添加し、且つ、脱炭工
程以後にはフラックス中の(T〔Fe〕+MnO)を3
重量%以下に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、転炉精錬した溶
鋼を二次精錬にて脱硫・脱炭して、硫黄濃度が0.00
10重量%未満、且つ、全酸素濃度が0.0030重量
%未満の高純度の純鉄を大量に製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】純鉄は炭素、珪素、マンガン等の不純物
の含有量が少ないため、リレー用鉄心、ヨーク等の電気
・電子部品の素材、又は、真空再溶解炉等での特殊な合
金鋼製造用の鉄源として広く使用されている。そのなか
で、鉄鉱石を原料とした高炉、転炉による銑鋼一貫製鉄
所で製造される純鉄は大量生産が可能で安価なため、鉄
塩水溶液の電解によって得られる電解鉄より不純物が若
干多いにもかかわらず、大量に使用されている。
【0003】高炉、転炉での一貫製鉄法による純鉄の大
量製造方法は、高炉から出銑された溶銑を使用して、溶
銑段階での脱硫・脱燐と、転炉精錬と、転炉出鋼後の溶
鋼段階での脱炭・脱硫とを組み合わせ、不純物を極力低
減させる方法であり、その例が特開平6−145767
号公報(以下、「先行技術」という)に開示されてい
る。
【0004】先行技術による製造方法では、溶銑の脱硫
・脱燐の予備処理を行い、除滓した後、溶銑を転炉に装
入して精錬し、出鋼後、出鋼時流出した転炉スラグを除
滓して、上吹き酸素と粉体上吹きの可能なランスを有す
るRH脱ガス装置にて脱硫・脱炭・脱酸して溶製してい
る。そして、実施例によれば純鉄の成分は、炭素濃度:
0.0012重量%(以下、重量%を単に「%」と記
す)、硫黄濃度:0.0010%、全酸素濃度:0.0
080%である。
【0005】さて近年、鋼に対する需要家の要求は一段
と厳しくなり、従って、再溶解用の鉄源として使用する
純鉄でも、更に不純物の少ない、特に硫黄濃度が0.0
010%未満の極低硫化が要求されるようになった。
【0006】又、特殊な溶解装置では再溶解中に純鉄か
ら発生するスラグが、鋳造時に製品に混入して、品質を
劣化させるため、介在物の少ない、即ち全酸素濃度が
0.0030%未満である清浄性の高い純鉄が要求され
るようになった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、先行技
術にそった方法、即ち、溶銑の予備処理と、転炉精錬
と、取鍋精錬炉での脱硫と、その後のRH脱ガス装置で
の脱炭・脱酸とを組合せた工程からなる方法で純鉄を試
験製造した。
【0008】尚、銑鋼一貫製鉄法による鉄中の一般的な
不純物は、炭素、珪素、マンガン、硫黄、及び燐である
が、これら成分の内、硫黄だけが還元反応により除去さ
れ、他の成分は酸化反応で除去される。そのため、酸化
反応である脱炭工程後に還元反応である脱硫工程を施す
と、脱炭時に酸化物となった不純物が還元されて溶鋼に
戻るため、脱硫工程後に脱炭を実施した。
【0009】先行技術に沿って試験製造した結果、図3
の従来例に示すように取鍋精錬炉での脱硫直後では、硫
黄濃度は0.0003%程度まで低下するが、その後の
RH脱ガス装置での脱炭時に0.0012%まで上昇し
てしまい、硫黄濃度を安定して0.0010%未満に確
保することは困難であった。これは脱炭時において、溶
鋼上に存在するスラグから硫黄が溶鋼に戻る反応(以
下、これを「復硫」という)によるものであり、従っ
て、安定して硫黄濃度を0.0010%未満とするに
は、脱硫後の復硫を防止することが重要であることが判
った。
【0010】又、先行技術に沿って製造した鋳片の全酸
素濃度は0.005%程度と高く、0.0030%未満
を確保することは不可能であった。溶鋼は未脱酸の状態
で脱炭されるので、その後、脱酸が必要となり、アルミ
ニウムで脱酸する。全酸素濃度の高い理由は、アルミニ
ウムの脱酸工程で脱酸生成物として生成したAl2 3
が取鍋内のスラグに吸収されず溶鋼中に懸濁したこと
と、スラグ中のFeOやMnOと溶鋼中のアルミニウム
とが反応(以下、この反応を「再酸化」という)し、A
2 3 が継続的に生成されるためであり、従って、全
酸素濃度を低下するには、アルミニウム脱酸後は取鍋内
スラグをAl2 3 の吸収能が高く、且つ、スラグによ
る再酸化のない組成とすることが必要であることが判っ
た。
【0011】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
もので、その目的とするところは極低硫で且つ全酸素濃
度が低く清浄性の高い純鉄を製造する方法を提供するも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による純鉄の製造
方法は、高炉から出銑され予備処理により脱硫・脱燐さ
れた溶銑を転炉精錬し、転炉出鋼後に未脱酸状態で除滓
して脱酸した後に、脱硫し、その後減圧下で脱炭し、脱
炭後アルミニウムで脱酸する工程からなる純鉄の製造方
法において、脱硫工程後には脱硫時に生成したスラグを
除滓し、除滓後にはアルミニウムでの脱酸工程終了時に
CaO−Al2 3 −SiO2 の3元系の組成に換算し
て、CaOが44〜62%、Al2 3 が27〜46
%、SiO 2 が2〜20%の範囲内となる組成のフラッ
クスを溶鋼上に添加し、且つ、脱炭工程以後はフラック
ス中の(T〔Fe〕+MnO)を3%以下に保持したま
ま溶製を完了するものである。
【0013】硫黄濃度を下げるには、脱硫後の復硫を防
止することが重要である。本発明によれば、脱硫工程後
に脱硫時に生成した硫黄濃度の高いスラグを除滓するの
で、復硫の主原因となるスラグが除去され、復硫が大幅
に減少する。
【0014】しかし、除滓したからといっても完全にス
ラグを除去することは不可能であり、脱硫工程以後にお
いて残留したスラグ及び添加するフラックスに含有され
る硫黄分から復硫が起こる。そのため脱硫時に生成した
スラグの除滓後も、脱硫能を有するフラックスを添加し
て、溶鋼表面を覆い、復硫を防止する必要がある。
【0015】脱硫能は添加するフラックスの塩基度を上
げれば高くなるが、このフラックスには、Al2 3
吸収能が高いことが要求される。フラックスの塩基度を
上げれば、フラックスはアルミニウム脱酸工程の溶鋼温
度(1540℃程度)では凝固してしまう。凝固したフ
ラックスのAl2 3 吸収能は極めて低い。従って、ア
ルミニウム脱酸工程においてフラックスは液体状態で溶
鋼表面を覆っていることが要求される。このように、フ
ラックスが凝固しない範囲で塩基度の上限を決めなけれ
ばならない。
【0016】フラックス組成をCaO−Al2 3 −S
iO2 の3元系の組成に換算して、CaOが44〜62
%、Al2 3 が27〜46%、SiO2 が2〜20%
の範囲とすると、フラックスの融点は1500℃程度の
低融点であり、アルミニウム脱酸工程の溶鋼温度で充分
溶融状態である。又、塩基度も比較的高いので脱硫能も
有している。尚、フラックス組成をCaO−Al2 3
−SiO2 の3元系の組成に換算するという意味は、フ
ラックス組成中の他の成分を除き、CaO、Al
2 3 、SiO2 の3成分だけの和を100%として、
3成分の比率を求めたものである。
【0017】脱硫反応は還元反応であるので、フラック
ス中の酸素ポテンシャルを低下する程、同一塩基度のフ
ラックスにおいても脱硫能は高くなる。アルミニウム脱
酸終了時のフラックス組成をCaO−Al2 3 −Si
2 の3元系の組成に換算して、CaOが52%、Al
2 3 が34%、SiO2 が14%の一定組成とした場
合の、硫黄の分配比に及ぼすフラックス中の(T〔F
e〕+MnO)の影響を調査した結果を図4に示す。こ
こで、T〔Fe〕とはフラックス中の鉄酸化物の総量を
表すもので、分配比とはフラックス中の硫黄濃度(S)
を溶鋼中の硫黄濃度〔S〕で除した値である。
【0018】図4より(T〔Fe〕+MnO)が3%以
下ではフラックスは50〜80の分配比を保持するが、
3%を超えると低下することが判る。フラックスには初
期組成として0.05%程度の硫黄が含まれており、フ
ラックスを添加した後の溶鋼中硫濃度を0.0010%
未満に保持するためには、フラックスの分配比を50以
上確保しなければならない。そのためにはフラックス中
の(T〔Fe〕+MnO)を3%以下に保持する必要が
ある。
【0019】又、図5は溶鋼中の全酸素濃度に及ぼすア
ルミニウム脱酸工程後のフラックス中の(T〔Fe〕+
MnO)の影響を調査した結果を示す。図5より(T
〔Fe〕+MnO)が低い程、再酸化が防止されて全酸
素濃度が低くなることが判る。全酸素濃度を0.003
%未満に維持するには、フラックス中の(T〔Fe〕+
MnO)を3%以下に保持する必要がある。
【0020】
【発明の実施の形態】高炉から出銑された溶銑を、一般
的に行われている予備処理にて脱硫・脱燐し、これを転
炉に装入する。転炉精錬はフラックスを添加しないスラ
グレス精錬でも可能であるが、不純物を除去するために
フラックスを添加する方が望ましい。出鋼後、未脱酸の
状態で出鋼時流入した転炉スラグを除滓する。
【0021】次に、アルミニウム等の脱酸剤を添加して
脱酸し、その後脱硫を実施する。脱硫は脱硫剤であるフ
ラックスと溶鋼とを反応させ行う。脱硫は還元反応であ
るので、脱硫工程までに脱酸を実施する。溶鋼の温度低
下を補償するため、溶鋼加熱を必要により行う。
【0022】脱硫工程後、脱硫時に生成したスラグを除
滓する。除滓後、アルミニウム脱酸工程終了時にCaO
−Al2 3 −SiO2 の3元系の組成に換算して、C
aOが44〜62%、Al2 3 が27〜46%、Si
2 が2〜20%の範囲となる組成のフラックスを溶鋼
上に添加して、次の脱炭工程を開始する。フラックスは
予め所定の組成となるように合成したフラックスでも、
又、石灰、ボーキサイト、珪石等の原材料を所定の組成
となるように溶鋼上に直接添加しても、どちらでも構わ
ない。
【0023】脱炭工程は減圧下で行うので、真空排気装
置を有した精錬設備が必要である。脱炭工程は先ず脱硫
のために添加した鋼中の脱酸剤成分を除去する。脱酸剤
成分を除去しないと脱炭が起こらないからである。脱酸
剤成分の除去は酸素ガス、鉄鉱石、ミルスケール等の酸
素源と溶鋼とを反応させて行う。添加した酸素源が、鉄
及びマンガンを酸化してフラックス中の(T〔Fe〕+
MnO)が3%を超えないようにするためには、酸素源
は溶鋼中のアルミニウム及びシリコンと優先的に反応さ
せることが重要である。アルミニウム及びシリコンとの
優先反応は、酸素ポテンシャルを低く抑え、且つ過剰な
酸素量を添加しなければ達成される。具体的には溶鋼中
の溶解酸素濃度を0.030%以下に制御することで、
フラックス中の(T〔Fe〕+MnO)を3%以下とす
ることができる。
【0024】脱酸剤成分が除去され、溶解酸素濃度が上
昇して所定値となったなら、高真空下とし、溶解酸素と
炭素とのCO生成反応による脱炭を実施する。脱炭終了
後、アルミニウムを添加して溶鋼を脱酸して溶製を完了
し、その後、連続鋳造機等で鋳造して鋳片を得る。
【0025】
【実施例】高炉から出銑された溶銑を脱硫し、更に脱燐
し、炭素濃度が3.8%、硫黄濃度が0.004%、燐
濃度が0.004%の溶銑を得て、これを270トン転
炉に装入した。転炉は炉口から酸素ガスを、炉底から攪
拌用のArを吹き込んだ上下吹き転炉である。
【0026】スクラップからの不純物の持込みを防止す
るためには、溶銑配合率は高い程好ましく、本実施例で
は溶銑配合率を100%とし、又、副原料からの不純物
混入を防止するため、使用する石灰は硫黄分の少ない低
硫石灰として14トン転炉内に添加した。更に、転炉ス
ラグの低塩基度化による脱マンガンの促進のために、珪
石5トンと蛍石1トンを添加した後、転炉精錬した。炭
素濃度を0.02%まで吹き下げ、取鍋内に出鋼した。
出鋼後、未脱酸の状態で出鋼時流入した転炉スラグをス
ラグドラッガーにて除滓した。
【0027】次にアークによる溶鋼の加熱と不活性雰囲
気下での溶鋼とフラックスとの攪拌による精錬が可能な
取鍋精錬炉(以下、この取鍋精錬炉を「AP」とも記
す)にて、脱硫剤である低硫石灰を2.9トンと、脱硫
剤で且つ滓化促進剤でもある蛍石を1トン取鍋内の溶鋼
上に添加し、更にアルミニウム800kgを添加して溶
鋼を脱酸した。そして脱硫剤の溶解及び滓化促進と、脱
硫剤添加による溶鋼温度の低下を保証するため、アーク
加熱を実施した。その後、Arガスを取鍋底に設けたポ
ーラス煉瓦から350Nl/分で吹き込み、脱硫剤が滓
化し生成した脱硫スラグと溶鋼とを攪拌して脱硫した。
脱硫後の硫黄濃度は0.0003%であった。
【0028】脱硫終了後、一旦取鍋を取鍋精錬炉から外
し、スラグドラッガーにて取鍋内の脱硫スラグを除滓し
た。除滓後、取鍋を再度取鍋精錬炉に戻し、CaO−A
23 −SiO2 の3元系の組成に換算して、CaO
が81%、Al2 3 が14%、SiO2 が5%の組成
の合成フラックス3000kgを取鍋内溶鋼上に添加
し、取鍋底部のポーラス煉瓦からArガスを350Nl
/分吹き込みつつアーク加熱を実施して、合成フラック
スを滓化した。合成フラックスの滓化後、RH脱ガス装
置にて脱炭工程とアルミニウム脱酸工程を実施した。合
成フラックスの組成を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】RH脱ガス装置は、酸素ガスを真空槽内の
溶鋼面に吹き付けることが可能な上吹きランスを有して
いる。脱炭工程は、上吹きランスから溶鋼面に酸素ガス
を吹き付けて、脱酸剤成分であるアルミニウムを除去
し、溶解酸素濃度を増加させる送酸期と、溶解酸素と溶
鋼中炭素とのCO生成反応を高真空下で行う真空脱炭期
とからなり、その後アルミニウム脱酸工程となる。図1
にRH脱ガス処理中における炭素濃度推移、合成フラッ
クス中の(T〔Fe〕+MnO)濃度の推移、溶鋼中の
溶解酸素濃度の推移、真空槽内圧力の推移、及び上吹き
ランスからの送酸量を示す。
【0031】真空槽内を真空引きし、溶鋼を還流させた
後、送酸期が開始される。鉄及びマンガンが酸化して、
フラックス中の(T〔Fe〕+MnO)が3%を超えな
いようにするために、本実施例では、真空槽内圧力を約
40torrに保ち、酸素分圧を下げると共に、処理開
始5分後から送酸を開始し、送酸量は1500Nm3
Hrで10分間、1000Nm3 /Hrで5分間、50
0Nm3 /Hrで5分間として送酸量を徐々に下げ、総
送酸量を375Nm3 とした。尚、真空槽内の溶鋼面か
らのランスまでの高さは3.5mである。このようにし
て実施した送酸期の合成フラックス中の(T〔Fe〕+
MnO)は、図1に示すように2.81%であった。送
酸期の溶鋼温度は約1590℃で推移した。
【0032】溶解酸素濃度が0.02%を超えた時点
で、酸素ガス吹きを停止し、その後は真空槽内を真空引
きし、溶解酸素と炭素とのCO生成反応による真空脱炭
期を32分間実施して炭素は0.0020%まで低下し
た。
【0033】真空脱炭終了後、アルミニウム123kg
を添加して溶鋼を脱酸し、アルミニウム脱酸工程を開始
した。アルミニウム添加後15分間溶鋼の還流を継続
し、処理を終了した。終了時の溶鋼温度は1542℃で
あった。
【0034】アルミニウム脱酸工程終了後(RH脱ガス
処理後)の合成フラックスの組成は、表1に示すよう
に、CaOが44.7%、Al2 3 が29.2%、S
iO2が12.0%となり、CaO−Al2 3 −Si
2 の3元系に換算すると、CaOが52%、Al2
3 が34%、SiO2 が14%で、目標とする組成範囲
内であった。図2にCaO−Al2 3 −SiO2 3元
系状態図に換算した合成フラックスの取鍋精錬(AP)
からRH脱ガス後までの組成変化を示す。フラックス
は、送酸期、真空脱炭期及びアルミニウム脱酸期により
生成したAl2 3及びSiO2 で希釈され、少なくと
もアルミニウム添加以後は目的とするフラックス組成の
範囲内(図2の斜線部の範囲)にあったことが判る。
【0035】このようにしてフラックスは目標組成範囲
内にあるので、溶鋼表面を液体状態で被覆し、脱酸生成
物であるAl2 3 は合成フラックスに良く吸収され、
且つ、フラックスによる再酸化を防止できる。又、フラ
ックスは脱硫能が高い範囲であるので、復硫が防止でき
る。尚、アルミニウムを添加することで仕上げ期には合
成フラックス中の(T〔Fe〕+MnO)は幾分低下す
る。
【0036】このようにして溶製した純鉄の溶鋼を、断
気してブルーム連続鋳造機で鋳造して鋳片を得た。表2
に以上の工程により製造した成分推移を、図3に硫黄濃
度の推移を示す。
【0037】
【表2】
【0038】硫黄濃度は鋳片でも0.0003%が得ら
れ、復硫は抑えることができた。又、全酸素濃度は0.
002%であり硫黄濃度、全酸素濃度とも目標値を達成
した。尚、表2に示すように取鍋精錬中に炭素濃度が上
昇するが、これは溶鋼を脱酸した状態で、石灰等と攪拌
するため、石灰中の炭素で加炭されたためである。
【0039】尚、本発明と対比するため、比較例、及び
従来例も実施した。比較例、従来例の製造方法及び製造
結果は以下の通りである。
【0040】比較例は、取鍋精錬炉の脱硫スラグの除滓
後に添加した合成フラックスの組成が実施例と異なり、
CaO−Al2 3 −SiO2 の3元系の組成に換算し
て、CaOが68%、Al2 3 が27%、SiO2
5%の組成の合成フラックス3000kgを取鍋内溶鋼
上に添加したものである。その他は実施例と全く同一の
製造方法である。
【0041】比較例では、RH脱ガス処理中に生成した
Al2 3 及びSiO2 で合成フラックスが希釈され、
図2に示すようにRH脱ガス処理後の組成が目標範囲か
らAl2 3 が多い範囲に外れた状態となった。この範
囲ではフラックスは脱硫能が低く、図3に示すように、
RH脱ガス処理中に復硫が発生し、最終的に硫黄濃度は
0.0010%となり、目標を達成できなかった。尚、
比較例でもフラックスは液体状態であり、全酸素濃度は
実施例と同等であった。
【0042】従来例は鍋精錬炉の脱硫スラグを除滓せず
に取鍋内にいれたまま、脱ガス処理をしたものである。
即ち、合成フラックスを使用しないものであるが、その
他は実施例と同一の製造方法である。従来例では、脱硫
スラグを除滓しないため、RH脱ガス処理中に脱硫スラ
グからの復硫により、図3に示すように硫黄濃度が0.
0012%となった。又、全酸素濃度は0.005%と
高く、0.0030%未満を確保することは不可能であ
った。
【0043】本実施例での合成フラックスは、初期組成
がCaOを多量に含むものであるが、合成フラックスの
組成は実施例に記載されたものに限られるものではな
い。何故なら、合成フラックスの添加量を多くして、生
成するAl2 3 及びSiO2の希釈があっても、フラ
ックス組成を目標組成範囲内に制御することは可能であ
るからである。従って、合成フラックスの組成は、生成
するAl2 3 及びSiO2 の量と合成フラックスの添
加量とから求めれば良い。
【0044】又、脱硫・脱炭の二次精錬は本実施例の取
鍋精錬炉やRH脱ガス設備に限るものではなく、VA
D、VOD等の精錬設備で行うことは勿論可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、脱硫後の復硫を防止で
きるので硫黄濃度が0.0010%未満で、且つ、酸化
物の吸収能が高く、再酸化の少ないフラックスで溶鋼を
覆うために全酸素濃度が0.0030%未満となり、不
純物の少ない清浄性の高い純鉄を安価で大量に製造する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における、RH脱ガスによる脱
炭工程とアルミニウム脱酸工程での炭素濃度推移、合成
フラックス中の(T〔Fe〕+MnO)濃度の推移、溶
鋼中の溶解酸素濃度の推移、真空槽内圧力の推移、及び
上吹きランスからの送酸量を示す図である。
【図2】合成フラックスのRH処理前後の組成変化を、
本発明による実施例と比較例とで比較して示した図であ
る。
【図3】転炉から連続鋳造までの工程で鋼中硫黄濃度の
推移を、本発明による実施例と、比較例及び従来例とで
比較して示した図である。
【図4】フラックスの硫黄の分配比に及ぼすアルミニウ
ム脱酸終了時のフラックス中の(T〔Fe〕+MnO)
の影響を調査した結果を示した図である。
【図5】溶鋼中の全酸素濃度に及ぼすアルミニウム脱酸
工程後のフラックス中の(T〔Fe〕+MnO)の影響
を調査した結果を示した図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉から出銑され予備処理により脱硫・
    脱燐された溶銑を転炉精錬し、転炉出鋼後に未脱酸状態
    で除滓して脱酸した後に、脱硫し、その後減圧下で脱炭
    し、脱炭後アルミニウムで脱酸する工程からなる純鉄の
    製造方法において、 脱硫工程後には脱硫時に生成したスラグを除滓し、除滓
    後にはアルミニウムでの脱酸工程終了時にCaO−Al
    2 3 −SiO2 の3元系の組成に換算して、CaOが
    44〜62重量%、Al2 3 が27〜46重量%、S
    iO2 が2〜20重量%の範囲内となる組成のフラック
    スを溶鋼上に添加し、且つ、脱炭工程以後はフラックス
    中の(T〔Fe〕+MnO)を3重量%以下に保持する
    ことを特徴とする純鉄の製造方法。
JP8042741A 1996-02-29 1996-02-29 清浄性の高い極低硫純鉄の製造方法 Pending JPH09235611A (ja)

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