JP3462659B2 - ステンレス鋼用電気アーク炉溶銑の脱硫方法 - Google Patents

ステンレス鋼用電気アーク炉溶銑の脱硫方法

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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気アーク炉によるス
テンレス溶銑の精錬技術に関する。
【0002】
【従来の技術】電気アーク炉によるステンレス鋼の製造
においては、原料となる各種の合金鉄やスクラップある
いは添加成分となる酸化物などを溶解し、粗鋼(溶銑)
を製造した後、真空脱ガス炉やAOD炉による仕上げ精
錬工程、鋳造工程を経て中間製品が製造される。電気ア
ーク炉の操業では、チャージ毎に目標となる成分・組成
に応じた配合計画を立て、それに従って、炉内に順次ス
クラップ、合金鉄などの主原料と、場合により製鋼工場
内で発生するダスト、スケール、スラグや造滓剤等の副
原料を装入し、通電して溶解する。その際、主原料とし
て溶融金属をホットチャージしたり、クロム鉱石やNi
鉱石などの酸化物原料をコークスなどの還元剤と共に供
給することも行われている。主原料が溶解し、スラグ層
が形成されると、その組成を調整することがその精錬作
用上ひいては操業上重要な要件となる。脱硫能を適正に
保つ上からはスラグの塩基度等の調整が必要であるが、
通常、必要とするCaOやCaF2の量を経験的に求め
て溶解前や溶解中供給することによって適切な範囲に調
整している。溶解後は、ある程度の精錬期を設けて、成
分チェックの後、ステンレス鋼用の溶銑として電気アー
ク炉から出銑する。このような精錬過程においては、ス
ラグは速やかに溶解して溶鋼と共に攪拌され、その脱硫
能を最大限に発揮することが望まれる。このため、電気
炉に底吹き羽口を設けて窒素などのガスを吹き込み、バ
ブリングによる攪拌を行って、造滓剤などの溶解や精錬
反応を促進させる方法などが取られているが、底吹方式
の攪拌作用には限界があり、電気炉のようなシャローバ
スの炉など構造上制約のある場合や溶落後の精錬期を十
分に取れない場合には有効ではない。また、特開昭64
−25938号公報には、アーク加熱時に中空電極から
造滓剤を吹き込んで溶解、精錬する方法が示されている
が、中空電極方式による設備コストは高く、電極の比例
費を上昇させることとなる。
【0003】また、最近では、原料コストの削減や工場
で発生する廃材などの有効利用のため、ダスト、スケー
ルやスラグなどのほか各種の様々な形態の原料が用いら
れるようになっている。特に酸化物原料を還元してメタ
ル原料として利用できれば原料コストの面で非常に有利
である。このため、これらの多種、多様な原料を加えて
溶解することとなるが、このような電気炉の操業におい
ては、これらの原料の由来に起因する粉化ロス、未滓
化、原料品位のバラツキなどがあり、炉内におけるスラ
グの溶解や調整を一律に行うことが困難である。このよ
うな炉内におけるスラグは、出銑時においても溶解せず
不均一のままで未反応であったり、適切な調整ができな
いため、精錬上の作用を完全には発揮できないこととな
る。このような事情に対処するため、実際の操業におい
ては、安全度を見込んで、過剰な量の造滓剤を装入する
などしているが、その結果、最終的に生成するスラグ量
は増加する傾向にあり、100kg/T−メタル以上に
もなることもある。このことは、本来の金属の溶解以外
のスラグのために消費される電力が大きくなることとな
り、電力コストの上昇が問題となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解消すべく、ステンレス鋼用電気アーク炉溶銑の
出銑後取鍋精錬の脱硫作用を向上して、スラグの脱硫能
などの精錬作用を最大限に発揮させることにより、アー
ク炉操業における造滓剤、消費電力、原料のコストを低
減する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の脱硫方法は、そ
の目的を達成するため、電気アーク炉で溶解・精錬した
ステンレス溶銑を塩基度(CaO/SiO2):1.3〜
2.2のスラグと共に取鍋に出銑し、非酸化性雰囲気中
で不活性ガス吹込みにより溶銑を攪拌しながら取鍋精錬
することを特徴とする。溶銑成分は[Cr]=10〜35
%,[Si]=0.1〜1.2%,[C]=2.0〜5.0%、
取鍋内雰囲気の酸素濃度は10%以下に調整される。
【0006】
【作用】電気アーク炉によりステンレス溶銑を溶解する
場合、生成するスラグは、前記したような副原料中の成
分として加えられるもののほか、Cr、Ni鉱石成分や
ライニングの耐火物が溶損してなるもの等を含んでい
る。電気アーク炉における主なスラグ成分としては、C
aO、SiO2、MgO、Al23等がある。電気アー
ク炉におけるスラグの作用は、精錬上の作用のほか、保
熱やアークからの耐火物の保護などの作用がある。本発
明者等は、電気アーク炉におけるスラグの作用に関して
種々の検討を行ってきた結果、出銑後の取鍋内のスラグ
と溶銑とを、溶銑中の[Si]が酸化クロムの還元反応
に寄与する一定条件下で十分に攪拌することによってス
ラグが本来有する精錬能力を完全に発揮させることがで
きることを見い出し、造滓剤の添加量を最小限に抑え、
過剰の造滓材の添加による造滓剤や消費電力のコストを
低減して、経済的な脱硫処理を可能にし、品質の安定化
を可能としたものである。
【0007】図1に従来の方法において得られる、電気
アーク炉における塩基度と電力原単位(コスト)の関
係、及び塩基度と出銑後の溶銑[S]の関係を示す。こ
の図から、スラグの塩基度が上昇するほど脱硫能も向上
し、溶銑[S]が低下するが、反面、それにつれて電力
原単位が上昇することが解る。しかしながら、本発明者
らは、種々の研究結果及び実際の操業条件下における実
験により、一定の条件下でスラグの脱硫能を最大限に発
揮させ、より低い塩基度で充分な脱硫をすることが可能
であることを明らかにした。すなわち、電気炉内の精錬
後、スラグと共に取鍋内に出銑して取鍋内精錬を行うに
際して、取鍋内雰囲気を非酸化性雰囲気において、浸漬
ランスから不活性ガスを吹き込んで攪拌することによ
り、スラグと溶銑の反応を促進するものであり、その結
果を出銑後の[S]、すなわち攪拌しない従来方法によ
るものと共に図2に示す。図2に見るとおり、従来方法
と比較して、より低いスラグ塩基度によって著しく低い
溶銑[S]を実現しており、脱硫能が向上していること
が解る。従来は電気炉精錬後、出銑時の落下エネルギー
による攪拌力を利用した「出銑脱硫」が行われている。
この攪拌方式の相違による攪拌強度の差もさることなが
ら、本発明との最大の違いは雰囲気にある。従来は出銑
は大気下で行われるため、大気を巻き込んだ酸化性雰囲
気になる。これに対し、本発明では雰囲気の酸素濃度を
10%以下にしており、大気と直接接することを回避し
ている。これにより、酸化クロムの還元がより進行しや
すくなり脱硫に有利となる。
【0008】本発明者らの研究によれば、この場合の出
銑前のスラグ塩基度を1.3〜2.2とすることが最も
経済的にかつ目標とする脱硫反応を達成し得ることを見
い出した。図2に示すように、出銑前のスラグ塩基度を
1.3〜2.2とすることで目標とする溶銑中「S]を
100ppm以下とすることができる。塩基度を1.3
未満とすると、目標とする脱硫反応([S]≦100p
pm)を達成できず、塩基度2.2を越えると、もはや
それ以上の塩基度の増加は脱硫効果の向上をもたらさ
ず、却って、造滓剤費用の上昇と電力原単価の上昇を招
くことになる。
【0009】本発明においては、溶銑とスラグを攪拌す
ることによって、脱硫反応が促進するが、この反応は非
酸化性雰囲気下でスラグ中の酸化クロムを主とする酸性
成分の還元反応と関連して脱硫が進行する。反応系の酸
素ポテンシャルである酸化クロムを還元し、その濃度を
低下させることは脱硫反応上重要である。このように、
非酸化性雰囲気下の酸化クロムの還元反応は、脱硫の面
から必要であると同時に、ステンレス鋼の主成分である
Crのコスト低減においても重要である。この場合、還
元反応の還元剤としては、スラグ及びメタル中の炭素も
寄与するが、主としてメタル中のSiが利用される。し
たがって、効率的な脱硫を行うためにはメタル中のSi
を有効に作用させる必要がある。メタル中のSiを酸化
クロムの還元に効率よく作用させるためには、非酸化性
雰囲気とすることが重要である。これは、大気中ではS
iは酸化消費され、酸化クロムの還元に利用されないこ
とによる。また、脱硫能を上げるための手段として、C
aOを増やして塩基度を上げるという方法があるが、本
発明はむしろ塩基度は下げても、酸化クロム濃度を低下
させる効果を発揮させ、目的の脱硫を達成しようとする
ことが狙いである。
【0010】本発明においては、取鍋内の攪拌中の雰囲
気の酸素濃度を10%以下とすることで、前記の溶銑中
のSiを有効に作用させることができる。酸素濃度が上
昇すると、攪拌中にSiが雰囲気中の酸素によって酸化
消費され、スラグの還元反応に利用される割合が低下す
る。本発明者らの調査によれば、雰囲気中の酸素濃度は
酸化クロムの還元速度、ひいては脱硫反応速度にも影響
する。例えば、雰囲気中の酸素濃度の上昇で脱硫反応速
度は著しく低下することが解っているが、これは目標
[S]を得るためには、長時間の攪拌が必要になってく
ることを意味する。長時間の攪拌を行うと、溶銑の大幅
な温度低下を生じ、また、酸化雰囲気での長時間の攪拌
によってスラグ中の酸化物の還元反応以外にSiの消費
が生じ、Siコストの上昇をも意味する。このように、
酸化物の還元による回収メリット、脱硫効果向上による
低塩基度化、造滓材低減、電力原単位の低減のメリット
と、他方、Si消費及び温度低下のデメリットなどを総
合的に見て、許容できる攪拌時間内で目標メタル[S]
を達成するに必要なSi効率(スラグ中酸化物の還元に
消費されたSi量/総Si消費量)が算出されるが、図
3に雰囲気中の酸素濃度とメタル中の[S]及びSi効
率の関係を示す。図3に見るとおり、溶銑中[S]は酸
素濃度10%以下の領域で100ppm以下に低減さ
れ、また、Si効率も酸素濃度10%以下とすることに
より25%以上の効率が達成される。
【0011】不活性ガスとしては、窒素、Ar等が使用
できる。経済性からは窒素が好ましいが、鋼種によって
は窒素ピックアップが有害である場合などにはArが使
用される。また、不活性ガスには必要によりH2、CO
などの還元性ガスを混合してもよい。不活性ガスによる
攪拌は、吹き込むガス流量、深さなどの攪拌条件を自由
に設定できることから、浸漬ランスによることが好まし
い。例えば、溶銑量50〜100T規模の取鍋に対し
て、浸漬ランスから吹込むガス流量200〜1500N
L/分、ランスの浸漬深さ50〜200cmが好適とさ
れるが、スラグ量(厚さ)、溶銑量、目標[S]によっ
て最適な条件を設定する。また、ランス形状、ノズル
径、ノズル数を変更することによって、最適なスラグ/
メタル攪拌状態を調整することができる。
【0012】本発明では、攪拌中の雰囲気酸素濃度を常
に10%以下に維持することが重要である。不活性ガス
の吹き込み開始時には、あらかじめシールガスとして不
活性ガスを取鍋内に供給して、取鍋内雰囲気の酸素濃度
を低下させたうえで浸漬ランスによる吹き込みを開始す
る。吹き込み開始後は、攪拌用ガスとシールガスが供給
されることにより上記雰囲気を維持することができる。
この場合、これらの雰囲気条件を確実に維持するために
は、取鍋を覆う蓋を設けることが有効であって、これに
よって、シールガス供給量も低減することができる。本
発明の溶銑のCr、C等の成分には格別の制限はなく、
通常のステンレス溶銑の組成である[Cr]=10〜3
5%、[C]=2.0〜5.0%の範囲でよい。[S
i]については、0.1%未満では、前記の脱硫作用を
規定する酸化クロムの還元に不十分であり、攪拌後残存
する[Si]はその後の転炉精錬における熱源としても
不足である。また、1.2%を越えると転炉吹錬の際、
熱量過大となって過昇温となる。同時に、塩基度低下と
なり耐火物の溶損を招いたり、原料コストの面からも好
ましくない。
【0013】
【発明の実施の形態】次に実施例に基づき説明する。9
0トン電気アーク炉により、各種スクラップ及び酸化物
原料を溶解して、目標成分がCr:18%、C:3.5
%、Si:0.25%のステンレス鋼用溶銑を3チャー
ジ(チャージNo.1〜3)溶製したが、原料配合変更
による低Si操業のため、溶銑Si消費の効率化が必要
となった。溶解中及び原料溶落後に脱硫剤としてCaO
を炉内に断続供給して塩基度を調整した。メタル成分調
整後、出銑直前にスラグサンプルを採取して分析した結
果、塩基度は1.8前後であった。次に、専用の取鍋に
出銑/出滓し、あらかじめ、専用の取鍋に蓋を設置し、
Arガスによって取鍋内を充満してから浸漬ランスによ
るガス攪拌を開始した。攪拌中の取鍋内雰囲気の酸素濃
度は、固体電池型酸素センサーによって測定しながら、
シールガス(Ar)の供給量によって調整した。攪拌中
の平均濃度は、1.5〜9.8%と10%以下であっ
た。10分間の攪拌後、溶銑サンプルを採取、分析、確
認後、次工程の転炉工場へと取鍋を移送した。表1に示
すように、ガス攪拌後の[S]は、39〜45ppmと
目標値(≦100ppm)を達成できた。また、電力原
単位は460〜465KWH/Tであり、攪拌前後の分
析値[Si]から推定したSi効率(スラグ中酸化物の
還元に消費されたSi/総Si消費量)は30〜62%
であった。
【0014】これに対し、比較例として、90トン電気
アーク炉において、各種スクラップ及び酸化物原料を溶
解して、目標成分がCr:18%、C:3.5%、S
i:0.25%のステンレス鋼用溶銑を3チャージ(チ
ャージNo.4〜6)を溶製したが、実施例と同様に原
料配合変更による低Si操業のため、溶銑Si消費の効
率化が必要であった。溶解中及び原料溶落後に脱硫剤と
してCaOを炉内に断続供給して塩基度を調整した。メ
タル成分調整後、出銑直前にスラグサンプルを採取して
分析した結果、塩基度は1.8〜1.6であった。次
に、専用の取鍋に出銑/出滓し、あらかじめ、Arガス
によって、取鍋内を充満してから浸漬ランスによるガス
攪拌を開始した。攪拌中の取鍋内へのシールガス(A
r)の供給量は意識的に少なくし、取鍋内雰囲気の酸素
濃度は、固体電池型酸素センサーによって測定しながら
11〜12%に調整した。チャージNo.4、5では、
ガス攪拌後の[S]はそれぞれ62ppm、60ppm
であり、出銑後の[S]と比べてみて、低下幅が小さか
った。また、Si効率は20〜21%と低かった。これ
は、低溶銑Siにより脱硫速度が低下しているために、
10分間の攪拌では脱硫が進行しなかったためと考えら
れる。そこで次に、チャージNo.6では、攪拌時間を
20分間に延長した。出銑前のスラグ塩基度は1.6
0、出銑後のメタル[S]は82ppmであった。しか
しながら、高酸素濃度雰囲気のために、Si効率は、1
9%に低下し、また、攪拌後のメタル[S]は85pp
mと、逆に復硫する結果となった。このように比較例で
はSiの無効消費量が多いため、次の転炉工程以降の温
度補償を考慮すると、溶銑「Si」不足となり、結局、
転炉操業直前にSi合金の追加が必要になってコスト増
を引き起こす結果となった。
【0015】
【0016】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明方法によ
ると、攪拌時の取鍋内雰囲気を調整することにより、溶
銑中のSiの還元反応に対する消費効率を高めることに
よって、スラグ中のCrの回収メリットが得られると同
時に、脱硫反応を促進することができ、短時間での攪拌
処理で目標とする脱硫を達成することが可能となる。出
銑後のこれら非酸化性雰囲気での攪拌によって本来スラ
グが有する精錬能を十分に発揮させることにより、従来
必要とされていたレベルよりも低い塩基度で操業を行っ
ても、目標とする脱硫作用を達成することができる。こ
のため、石灰原単位を低減できると同時に、スラグ量を
低減でき、電力原単位も低減できる。さらには、このた
め長時間の攪拌時間を必要とせず、その間の温度低下も
最小限に抑えることができる。このように、本発明は、
電気炉によるステンレス鋼の製造方法におけるコスト低
減を可能にし、利用価値の高い酸化物原料を有効に使用
して、資源の有効利用、環境保護の立場からも産業発展
に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来法による出銑後の塩基度と[S]及び電
力原単位の関係
【図2】 出銑前塩基度と出銑後[S]及び攪拌後の
[S]関係
【図3】 取鍋内雰囲気の酸素濃度が攪拌後の[S]、
Si効率に及ぼす影響
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−306518(JP,A) 特開 昭57−161016(JP,A) 特開 昭61−15909(JP,A) 特開 昭56−150122(JP,A) 特開 昭53−70020(JP,A) 特開 昭56−150119(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 1/02 101 C21C 5/54 C21C 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気アーク炉で溶解 精錬したステンレ
    ス溶銑を塩基度(CaO/SiO 2 ):1.3〜2.2の
    スラグと共に取鍋に出銑し、非酸化性雰囲気中で不活性
    ガス吹込みにより溶銑を攪拌しながら取鍋精錬すること
    を特徴とするステンレス鋼用アーク炉溶銑の脱硫方法。
  2. 【請求項2】 溶銑成分が[Cr]=10〜35%,[S
    i]=0.1〜1.2%,[C]=2.0〜5.0%、取鍋内
    雰囲気の酸素濃度が10%以下である請求項1記載のス
    テンレス鋼用アーク炉溶銑の脱硫方法。
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