JPH11131122A - 高炉溶銑とフェロクロム合金を用いたステンレス粗溶鋼の脱炭精錬方法 - Google Patents

高炉溶銑とフェロクロム合金を用いたステンレス粗溶鋼の脱炭精錬方法

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JPH11131122A
JPH11131122A JP31269997A JP31269997A JPH11131122A JP H11131122 A JPH11131122 A JP H11131122A JP 31269997 A JP31269997 A JP 31269997A JP 31269997 A JP31269997 A JP 31269997A JP H11131122 A JPH11131122 A JP H11131122A
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Kenichiro Miyamoto
健一郎 宮本
Katsuhiko Kato
勝彦 加藤
Koji Sugano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱炭末期のフェロクロム合金投入中でのクロ
ム酸化抑制効果が大きい高炉溶銑とフェロクロム合金を
用いたステンレス粗溶鋼の脱炭精錬方法を提供する。 【解決手段】 精錬炉10内に保持された脱燐・脱硫さ
れた高炉溶銑にクロム濃度調整用のフェロクロム合金1
8を添加しながら、上吹き用ランス15及び精錬炉10
の炉底12に設けた底吹き羽口13から酸素ガス及び不
活性ガスを吹き込んで高炉溶銑の吹酸脱炭を行なうステ
ンレス粗溶鋼の脱炭精錬方法であって、フェロクロム合
金18の添加期間中に、高炉溶銑に吹き込まれる不活性
ガスに対する酸素ガスの流量比率Rを0.5〜1.5の
範囲とし、かつ、上吹き用ランス15及び底吹き羽口1
3から吹き込まれる酸素ガスに対する底吹き羽口13か
ら吹き込まれる酸素ガスの底吹き酸素流量比Sを5〜5
0%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉溶銑とフェロ
クロム合金を用いた転炉精錬におけるステンレス粗溶鋼
の脱炭精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶鋼の吹酸脱炭精錬方法として
は、上吹転炉、底吹転炉、上底吹転炉(LD−OB
炉)、AODやVODなどがあり、一般にステンレス溶
鋼の吹酸脱炭精錬は電気炉にてステンレス屑を原料とし
て、これにフェロクロムやフェロニッケル等の合金鉄を
添加してステンレス粗溶鋼を溶製後、あるいは、上底吹
転炉を用いてクロム鉱石を溶融還元した高炭素含クロム
溶銑を溶製後にAODや上底吹転炉にて吹酸脱炭する方
法、あるいは予め脱燐・脱硫した高炉溶銑を上底吹転炉
に装入し、漸次炉上よりフェロクロム等の合金鉄を添加
しつつ吹酸脱炭する方法、さらには、上底吹転炉での吹
酸脱炭を0.25〜0.7%の中炭素域までとし、これ
以下の脱炭はVOD等の減圧下での吹酸脱炭により実施
する方法が行なわれている。いずれの方法においても、
吹酸終了後に酸化物となってスラグへ移行したクロムの
損失分をフェロシリコンやアルミニウムなどの還元材を
添加し、還元回収することが広く行なわれているが、特
に、高炉溶銑を用いて上底吹転炉において、クロム濃度
調整用のフェロクロム合金を漸次炉上より添加しつつ吹
酸脱炭を行なう方法においては、他の電気炉やクロム鉱
石を溶融還元法によって含クロム溶銑を溶製後に吹酸脱
炭を行なう方法に比べ、ベースメタルである脱燐・脱硫
溶銑が低温であり、かつ、冷材であるフェロクロム合金
を多量に使用することに起因して、クロムの酸化損失が
大きく、還元用フェロシリコン原単位の増大やスラグ量
の増加に伴う精錬炉の炉材原単位の悪化を招いている。
【0003】一般に、転炉等の精錬炉において、脱炭酸
素効率を向上させる、即ちクロム酸化を抑制し、低炭素
領域まで効率的に脱炭精錬を行なう方法としては、転炉
に底吹き機能を付加し、鋼浴の攪拌を激しく行なうこと
により最も活性な反応領域である吹酸火点部への溶鋼中
炭素の供給を促進し(特公昭62−14602号公
報)、脱炭酸素効率を高位に維持している酸素供給律速
域から、脱炭酸素効率の低下し始める溶鋼中炭素の移動
律速域へと移行する臨界炭素濃度(〔C〕)を、低位側
へ移行させることや、脱炭末期の溶鋼中炭素の移動律速
域において、吹酸速度を低下させるなどの吹酸速度コン
トロールを行なうことにより、脱炭酸素効率の低下の防
止を図っていた(「鉄と鋼」、第68年(1982)、
1946ページ)。また、ステンレス粗溶鋼の精錬方法
として、特公平1−54409号公報に記載のように、
溶鋼の浴面下に非酸化性ガスを導入して溶鋼を攪拌する
と同時に、浴面上に酸素と非酸化性ガスの混合ガスを吹
き付け、さらに、浴面上に吹き付ける混合ガス中の酸素
に対する非酸化性ガスの割合を、溶鋼中炭素濃度の低下
に伴い増加させる方法が提案されている。以上に述べた
ように転炉等の精錬炉にて、ステンレス粗溶鋼の吹酸脱
炭精錬を行なう際に脱炭酸素効率を向上させる、即ちク
ロムの酸化損失を抑制する方法としては、前記特公昭6
2−14602号公報、前記「鉄と鋼」、さらに、前記
特公平1−54409号公報に記載された方法等があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のステンレス粗溶鋼の吹酸脱炭精錬方法においては、
脱炭酸素効率の向上、及びクロム酸化の抑制はいずれも
脱炭中期から末期にかけてを対象としており、特に、高
炉溶銑を用いて上底吹転炉において、フェロクロム合金
を炉上より連続的に添加しつつ吹酸脱炭を行なう場合に
は、脱炭末期のクロム酸化は抑制できても、この領域で
のクロム酸化は全体のクロム酸化に対してその割合は非
常に小さく、クロム酸化の大部分が生じているフェロク
ロム合金投入中でのクロム酸化抑制は不十分であった。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、脱炭
末期のフェロクロム合金投入中でのクロム酸化抑制効果
が大きい高炉溶銑とフェロクロム合金を用いたステンレ
ス粗溶鋼の脱炭精錬方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の高炉溶銑とフェロクロム合金を用いたステンレス
粗溶鋼の脱炭精錬方法は、精錬炉内に保持された脱燐・
脱硫された高炉溶銑にクロム濃度調整用のフェロクロム
合金を添加しながら、上吹き用ランス及び前記精錬炉の
炉底に設けた底吹き羽口から酸素ガス及び不活性ガスを
吹き込んで前記高炉溶銑の吹酸脱炭を行なうステンレス
粗溶鋼の脱炭精錬方法であって、前記フェロクロム合金
の添加期間中に、前記高炉溶銑に吹き込まれる不活性ガ
スに対する酸素ガスの流量比率を0.5〜1.5の範囲
とし、かつ、前記上吹き用ランス及び前記底吹き羽口か
ら吹き込まれる酸素ガスに対する前記底吹き羽口から吹
き込まれる酸素ガスの底吹き酸素流量比を5〜50%と
する。請求項2記載の高炉溶銑とフェロクロム合金を用
いたステンレス粗溶鋼の脱炭精錬方法は、請求項1記載
の高炉溶銑とフェロクロム合金を用いたステンレス粗溶
鋼の脱炭精錬方法において、前記フェロクロム合金の添
加後の吹酸条件として、下記(1)式で表される指数F
の値を40以下の範囲に制御しながら、所定の炭素濃度
までの吹酸脱炭を行なう。 F=QO2/(QB ・〔%C〕) ・・・・・・・・・(1) ただし、QO2は全供給酸素ガス流量、QB は全底吹きガ
ス流量、〔%C〕は炭素濃度である。
【0006】本発明者らは、数々の実験を行なうことに
より、フェロクロム合金投入中の溶鋼温度の低下にもか
かわらず、優先脱炭を保ち、過剰なクロム酸化を引き起
こすことなく効率的にステンレス粗溶鋼を溶製可能な方
法を見出すことができた。転炉等の精錬炉におけるステ
ンレス粗溶鋼の吹酸脱炭反応としては、溶鋼中に吹き付
けられた酸素が、一旦、クロム酸化物(Cr2 3 )を
形成し、このCr2 3 がスラグ中へと移行する。その
後、スラグ中のCr2 3 が溶鋼中の炭素分によって還
元されることにより、脱炭反応が進行することになる。
一般に、ステンレス鋼精錬における〔%C〕−〔%C
r〕−温度の平衡関係については、以下の(2)式で示
されるHiltyの平衡式が知られている。
【0007】
【数1】
【0008】ここで、PcoはCO分圧(atm)、Tは
溶鋼温度(K°)である。(2)式により優先脱炭を確
保し、クロム酸化を抑制するためには、溶鋼温度Tを高
く保つことが有効であることが明らかであるが、高炉溶
銑とフェロクロム合金を用いてステンレス粗溶鋼を溶製
するに際しては、例え溶鋼温度Tを高く保ったとして
も、フェロクロム合金が冷材として作用するため、その
溶解過程において炉内に高温部と低温部の温度勾配が形
成されることになり、それ故、均一な高温状態を保つこ
とが困難である。従って、このような場合においても優
先脱炭を進行させるためには、アルゴン(Ar)等の不
活性ガスの希釈によりCO分圧を低下させることが有効
である。
【0009】その具体的な方法としては、フェロクロム
合金の添加期間中における不活性ガスに対する酸素ガス
の流量比率R(酸素ガス流量/不活性ガス流量)を0.
5〜1.5の範囲とし、かつ、上吹き用ランス及び底吹
き羽口から吹き込まれる酸素ガスに対する底吹き羽口か
ら吹き込まれる酸素ガスの底吹き酸素流量比S(全底吹
き酸素ガス流量/全供給酸素ガス流量)を5〜50%の
範囲とすること、さらに、より好ましくは、フェロクロ
ム合金添加後の吹酸条件を、下記(1)式で表される指
数Fの値を40以下の範囲に制御しつつ、所定の炭素濃
度までの吹酸脱炭を行なうことにある。 F=QO2/(QB ・〔%C〕) ・・・・・・・・・(1) ただし、QO2は全供給酸素ガス流量(Nm3 /hr/
t)を表し、上吹き用ランス及び底吹き羽口から吹き込
まれる酸素ガス流量を示す。また、QB は全底吹きガス
流量(Nm3 /hr/t)を表し、底吹き羽口から吹き
込まれる酸素ガス及び不活性ガスの混合ガス流量であ
る。
【0010】流量比率Rを0.5〜1.5の範囲とする
のは、ステンレス粗溶鋼中に投入され、溶解過程でのフ
ェロクロム合金の添加による溶鋼温度の低下が生じて
も、流量比率Rを適正に保つことにより、吹錬中のCO
分圧の低位保持が可能であるためである。ここで、流量
比率Rが1.5を超える場合には、不活性ガス希釈によ
るCO分圧の低下効果が不十分となり、クロム酸化の増
大が認められ、逆に、流量比率Rが0.5未満の場合で
は、それ以上のクロム酸化抑制効果は認められず、やみ
くもに不活性ガスのコストの増大のみを引き起こすため
好ましくない。また、全供給酸素ガス流量に対する底吹
き酸素流量比Sを5〜50%の範囲とすることが望まし
い。これは、底吹き酸素流量比Sが5%未満の場合で
は、例え前記適正希釈比(流量比率R)の範囲内であっ
ても攪拌力不足に起因したフェロクロム合金の溶解遅れ
や浴内混合不良によるクロム酸化の増大を招くからであ
り、逆に、50%を超える場合は、強攪拌条件となるた
め、底吹き羽口の異常損耗による炉寿命低下等が問題と
なるためである。さらに、指数Fの値を40以下の範囲
に制御しているが、指数Fが40を超えると、酸素供給
によるクロム酸化物生成速度と鋼中炭素による還元速度
バランスにおいて、クロム酸化速度が優勢となり、過剰
酸化側へと移行するため結果としてクロム酸化量の増大
を招く。また、上吹きする酸素量が所定の量である場合
には底吹きの酸素量が増加するために、底吹き羽口にか
かる負荷が大きくなる。この理由からも指数Fの値は5
〜40が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係るステンレス粗溶鋼の脱炭精錬方法を適用する精
錬炉の模式図である。本発明の一実施の形態に係るステ
ンレス粗溶鋼の脱炭精錬方法を適用する精錬炉の一例で
ある転炉10は、ステンレス粗溶鋼20を保持する炉本
体11と、炉本体11の炉底12に取付けられた酸素ガ
ス及び不活性ガス用の二重管構造の底吹き羽口13(本
実施の形態では3個)を備え、転炉10の炉開口部14
を介して酸素ガス及び不活性ガス用の上吹き用ランス1
5が昇降可能に構成されている。以下、詳細に説明す
る。
【0012】ステンレス製のパイプからなる底吹き羽口
13は内管16と外管17からなり、内管16内には、
精錬中は酸素ガス又は酸素ガスと不活性ガス(例えばア
ルゴンガス)との混合ガスのみが導入されると共に、精
錬の開始前の高炉溶銑装入時と吹錬終了後には、羽口の
閉塞防止用の中性ガスが導入されるようになっている。
内管16と外管17との間隙には、精錬中にはCmHn
ガス又は灯油等の油あるいは油を中性ガスで霧化したオ
イルミストのうちのいずれかを羽口の溶損防止用の冷却
剤として流すが、溶銑装入時と吹錬終了時には内管16
と同様、中性ガスを流すようになっている。ステンレス
粗溶鋼20のクロム濃度を調整するためのフェロクロム
合金18が、投入シュート19を介して炉本体11内の
ステンレス粗溶鋼20に投入される。なお、図中の符号
21は底吹きガス、符号22は上吹きガス、符号23は
スラグを表す。
【0013】本発明の一実施の形態に係るステンレス粗
溶鋼の脱炭精錬方法について、図1を参照しながら説明
する。先ず、予め脱燐・脱硫したステンレス粗溶鋼20
としての高炉溶銑を上底吹用転炉10内に装入する。こ
の際、炉底12に設けた底吹き羽口13の内管16内及
び内管16と外管17との間隙から羽口の閉塞防止用の
中性ガスを吹き込む。次いで、転炉10上方から投入シ
ュート19を介して、フェロクロム合金18を炉本体1
1内のステンレス粗溶鋼20に連続的に投入しながら、
脱炭精錬を行なう。即ち、上吹き用ランス15からは、
酸素ガス又は酸素ガスとアルゴンガスとの混合した上吹
きガス22をステンレス粗溶鋼20の湯面に吹き付ける
と共に、炉底12の底吹き羽口13からは底吹きガス2
1を、即ち、内管16内から酸素ガス又は酸素ガスとア
ルゴンガスとの混合ガスを、一方、底吹き羽口13の内
管16と外管17との間隙から羽口の閉塞防止用の中性
ガスを吹き込む。
【0014】このフェロクロム合金18の添加期間中に
おける脱炭精錬時において、底吹き羽口13及び上吹き
用ランス15から供給する全アルゴンガス流量(全不活
性ガス流量)に対する全供給酸素ガス流量の流量比率R
を0.5〜1.5の範囲に制御すると共に、全供給酸素
ガス流量に対する底吹き酸素流量比S(底吹き羽口13
から吹き込む全酸素ガス流量/底吹き羽口13及び上吹
き用ランス15から吹き込む全酸素ガス流量)を5〜5
0%の範囲に制御する。この結果、フェロクロム合金の
投入によるステンレス粗溶鋼20の溶鋼温度の低下にも
かかわらず、優先脱炭域を保持でき、過剰なクロム酸化
を引き起こすことなく効率的にステンレス粗溶鋼20を
溶製できる。
【0015】さらに、フェロクロム合金18の添加後の
吹酸条件を、前記(1)式で表される指数Fの値を40
以下の範囲に制御しながら、所定の炭素濃度までの吹酸
脱炭を行なう。この結果、底吹き羽口13から吹き込ま
れる酸素ガス及び不活性ガスの混合ガスによる溶鋼攪拌
により、酸化と還元のバランスにおいて、還元反応の優
勢を確保することができ、クロムの過剰酸化の防止が可
能となる。
【0016】
【実施例】本発明の一実施の形態に係るステンレス粗溶
鋼の脱炭精錬方法について、表1に示す実施例及び比較
例により詳細に説明する。なお、ステンレス粗溶鋼は吹
止時の組成としては、〔%Cr〕=16.0%、〔%
C〕=0.35%とした。
【0017】
【表1】
【0018】表1に示すように、操業条件として実施例
1〜7においては、アルゴンガスに対する酸素ガスの流
量比率Rを0.5〜1.5、底吹き酸素流量比Sを5〜
50%、フェロクロム合金の添加後の吹酸時の指数Fを
40以下に制御した。一方、比較例8、9においては、
アルゴンガスに対する酸素ガスの流量比率Rをそれぞれ
0.43、1.85とし、比較例10、11において
は、底吹き酸素流量比Sをそれぞれ3、65%とし、比
較例12においては、フェロクロム合金の添加後の吹酸
時の指数Fを62と制御範囲外とした。従って、実施例
1〜7においては、吹酸終了時のクロム酸化量は目標値
の20kg/t以下であり、アルゴンガスのランニング
コストも少なく、底吹き羽口の溶損も僅少であった。
【0019】これに対して、比較例8においては、アル
ゴンガスが過剰となって、ランニングコストが高くな
り、比較例9においては、酸素ガスが過剰となって、吹
酸終了時のクロム酸化量が増大し、比較例10において
は、上吹き用ランスからの酸素ガスが多いため、吹酸終
了時のクロム酸化量が増大し、比較例11においては、
底吹き羽口からの酸素ガスが多いため、底吹き羽口の溶
損を生じ、比較例12においては、フェロクロム合金の
添加後の吹酸時、所定の攪拌力を維持することができな
いために、クロム酸化量が増大した。
【0020】
【発明の効果】請求項1及び2記載の高炉溶銑とフェロ
クロム合金を用いたステンレス粗溶鋼の脱炭精錬方法に
おいては、フェロクロム合金の添加期間中に、高炉溶銑
に吹き込まれる不活性ガスに対する酸素ガスの流量比率
を0.5〜1.5の範囲とし、かつ、上吹き用ランス及
び底吹き羽口から吹き込まれる酸素ガスに対する底吹き
羽口から吹き込まれる酸素ガスの底吹き酸素流量比を5
〜50%としているので、クロム酸化抑制効果が大き
く、不活性ガスのランニングコストも低く、底吹き羽口
の溶損も少ない。特に、請求項2記載の高炉溶銑とフェ
ロクロム合金を用いたステンレス粗溶鋼の脱炭精錬方法
においては、フェロクロム合金の添加後の吹酸条件とし
て、指数Fの値を40以下の範囲に制御しながら、所定
の炭素濃度までの吹酸脱炭を行なっているので、底吹き
羽口から吹き込まれる酸素ガス及び不活性ガスの混合ガ
スによる溶鋼攪拌により、酸化と還元のバランスにおい
て、還元反応の優勢を確保することができ、クロムの過
剰酸化の防止が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る高炉溶銑とフェロ
クロム合金を用いたステンレス粗溶鋼の脱炭精錬方法を
適用する精錬炉の模式図である。
【符号の説明】
10 転炉(精錬炉) 11 炉本体 12 炉底 13 底吹き羽口 14 炉開口部 15 上吹き用ラ
ンス 16 内管 17 外管 18 フェロクロム合金 19 投入シュー
ト 20 ステンレス粗溶鋼 21 底吹きガス 22 上吹きガス 23 スラグ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精錬炉内に保持された脱燐・脱硫された
    高炉溶銑にクロム濃度調整用のフェロクロム合金を添加
    しながら、上吹き用ランス及び前記精錬炉の炉底に設け
    た底吹き羽口から酸素ガス及び不活性ガスを吹き込んで
    前記高炉溶銑の吹酸脱炭を行なうステンレス粗溶鋼の脱
    炭精錬方法であって、 前記フェロクロム合金の添加期間中に、前記高炉溶銑に
    吹き込まれる不活性ガスに対する酸素ガスの流量比率を
    0.5〜1.5の範囲とし、かつ、前記上吹き用ランス
    及び前記底吹き羽口から吹き込まれる酸素ガスに対する
    前記底吹き羽口から吹き込まれる酸素ガスの底吹き酸素
    流量比を5〜50%とすることを特徴とする高炉溶銑と
    フェロクロム合金を用いたステンレス粗溶鋼の脱炭精錬
    方法。
  2. 【請求項2】 前記フェロクロム合金の添加後の吹酸条
    件として、下記(1)式で表される指数Fの値を40以
    下の範囲に制御しながら、所定の炭素濃度までの吹酸脱
    炭を行なう請求項1記載の高炉溶銑とフェロクロム合金
    を用いたステンレス粗溶鋼の脱炭精錬方法。 F=QO2/(QB ・〔%C〕) ・・・・・・・・・(1) ただし、QO2は全供給酸素ガス流量、QB は全底吹きガ
    ス流量、〔%C〕は炭素濃度である。
JP31269997A 1997-10-28 1997-10-28 高炉溶銑とフェロクロム合金を用いたステンレス粗溶鋼の脱炭精錬方法 Withdrawn JPH11131122A (ja)

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