JP4598220B2 - 脱炭滓を用いた溶銑の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱炭精錬の際に発生する脱炭滓を用いて、溶銑中に含まれる燐を除去する脱炭滓を用いた溶銑の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶銑は、高炉や溶融還元炉等で溶製された際に、硫黄(S)、燐(P)、珪素(Si)等の不純物を多量に含むことから、溶銑に生石灰や酸化鉄を添加したり、溶銑中に生石灰や酸化鉄を直接吹き込む(インゼクション)ことにより脱燐、脱珪処理等のいわゆる溶銑予備処理を行い、不純物を予め除去している。
そして、上吹き転炉や上底吹き転炉、電気炉等の精錬炉に、前記溶銑とスクラップ等を装入し、ランスから酸素を吹き付けて溶銑中の炭素を脱炭している。
このように溶銑予備処理によって、精錬炉での不純物除去の負荷を軽減することにより、溶鋼を経済的に、且つ、高い生産性で製造することができる。
溶銑予備処理のうち、特に、脱燐処理では、精錬炉における脱燐の負荷を軽減し、精錬効率を向上できる等の利点があるが、溶銑鍋やトピードカー等の容器内の溶銑に、生石灰や酸化鉄を加えるため、スラグが多量に発成し、スラグの処理費用や溶銑鍋やトピードカー等の耐火物コストが増大すると言う問題がある。
【0003】
従って、特開昭63−195210号公報、特開平1−75628号公報に記載されているように、上吹き転炉や上底吹き転炉等の精錬炉を脱燐処理炉として用い、脱炭スラグを利用して脱燐することにより、製鋼工程で発生するスラグの絶対量を減少させ、しかも、溶銑鍋やトピードカー等の容器の耐火物のコストを低減することが行われている。
脱炭滓は、塩基度が2以上と高くて高融点であり、上吹き転炉や上底吹き転炉等の脱炭精錬温度である1550〜1700℃の高温であれば十分に滓化して不純物の除去作用を発現できる。
しかし、1300〜1450℃で行われる溶銑予備処理に用いた際に、融点が高いために溶解に時間を要し、その結果、脱燐反応が不十分になり、脱燐処理時間の延長、あるいは到達燐濃度が高くなり、場合によっては、後工程で行う脱炭精錬炉の脱燐の負荷が大きくなり、脱燐剤の増加や耐火物の損耗、脱炭精錬時間の延長等を招く等の問題がある。
この対策として、特開平9−59709号公報に記載されているように、転炉滓(脱炭滓)に、生石灰と蛍石を配合することにより、滓化を促進し脱燐反応を高めて低燐鋼を経済的に製造することが行われている。
更に、特公平5−12405号公報に記載されているように、転炉滓(脱炭滓)に、ミルスケールや鉄鉱石粉等の酸化鉄含有物を混合した脱燐フラックスを用い、溶銑中の炭素濃度の低下の抑制を図りながら、溶銑中の燐の脱燐反応を促進して、低燐濃度の溶銑を製造することが行われている
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−59709号公報に記載された方法では、脱炭滓と生石灰及び蛍石を配合した混合フラックスを用いても、脱炭滓そのものが、高塩基度であり、且つ、2CaO・SiO2や3CaO・SiO2を形成しており、融点が2070〜2130℃と極めて高く、高温度でしか溶融しない。
その結果、脱燐処理等を行った際に、添加した混合フラックス中の脱炭滓の溶融が遅くなり、混合フラックス全体による脱燐反応が阻害されて処理時間が延長する。
しかも、滓化不良に伴って到達燐濃度も高くなって、後工程の脱炭精錬炉の脱燐の負荷が大きくなり、精錬炉の耐火物の損耗を招く。また、脱燐用に蛍石を配合するため、脱燐処理の際に生成するスラグ中にフッ素が含まれ、環境上の問題があり、資源として有効活用する際に制約を受ける。
更に、特公平5−12405号公報に記載された方法では、特開平9−59709号公報に記載された方法と同様に、脱炭滓の溶融が遅くなり、混合フラックス全体による脱燐反応が阻害されて処理時間が延長する。しかも、滓化不良に伴って到達燐濃度も高くなって、後工程の脱炭精錬炉の脱燐の負荷が大きくなり、精錬炉の耐火物の損耗を招く等の問題がある
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、脱炭滓の滓化を良好にして脱燐反応を高めて、処理時間短縮し、到達燐濃度を低くして、処理コストを低減することができる脱炭滓を用いた溶銑の処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る脱炭滓を用いた溶銑の処理方法は、精錬炉で脱炭精錬を行った際に生成され、その60質量%以上が溶融した脱炭滓を鍋に排滓する時に、酸化鉄含有物であるダスト500〜800kg/脱炭滓トンを前記脱炭滓に添加した後(ただし、蛍石を添加する場合を除く)、前記脱炭滓を冷却固化してから上底吹き転炉に添加して、前記上底吹き転炉内の溶銑中に含まれる燐を脱燐する。
この方法により、脱燐処理に必要な酸化鉄含有物を、予め溶融した脱炭滓に添加し、酸化鉄含有物が溶融した脱炭滓を固化しているので、脱燐処理時に添加した脱炭滓の溶解性が高くなり、脱燐反応を促進することができ、脱燐処理時間の短縮や到達燐濃度を低くすることができ、脱燐処理コストを低減できる。
脱炭滓の溶融量が60質量%未満になると、添加した酸化鉄含有物が脱炭滓の顕熱で溶解することができず、脱炭滓と酸化鉄含有物の溶融混合が不十分になり、脱炭滓そのものの融点が高くなる。
【0007】
ここで、前記酸化鉄含有物の添加量を500〜800kg/脱炭滓トンにするので、脱炭滓と酸化鉄含有物溶解して、脱燐処理の際の温度におけるスラグの液相率を安定して向上でき、スラグの滓化を促進することができる。
酸化鉄含有物の量が100kg/脱炭滓トンより少ないと、高融点である脱炭滓中の2CaO・SiO2や3CaO・SiO2の生成を抑制することができず、脱炭滓の滓化性が悪くなり、脱燐反応が低下する。一方、酸化鉄含有物の量が1000kg/脱炭滓トンを超えると、酸化鉄含有物による吸熱が大きくなり、酸化鉄含有物を溶解することができず、脱炭滓の融点が高くなり、脱燐反応も低下する。従って、酸化鉄含有物の量は、500〜800kg/脱炭滓トンにすることにより、より好ましい結果が得られる。
【0008】
更に、前記酸化鉄含有物にダストを用いるので、粒子が小さくなり、脱炭滓の熱で容易に溶解させることができる。
また、脱炭滓の排滓時に酸化鉄含有物の添加を行うので、脱炭滓と酸化鉄含有物の混合を良好に行うことができ、酸化鉄含有物の溶解を促進することができる。
【0009】
更に、前記脱燐処理炉に上底吹き転炉を用いるので、溶銑とスラグの攪拌を強化し、混合を良好にすることができ、脱燐反応を促進して脱燐効率を向上することができる。
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1は本発明の一実施の形態に係る脱炭滓を用いた溶銑の処理方法に適用される第1の上底吹き転炉の全体図、図2は本発明の一実施の形態に係る脱炭滓を用いた溶銑の処理方法の精錬工程の説明図、図3はダストの添加量と1350℃におけるスラグの液相率%を表すグラフである。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る脱炭滓を用いた溶銑の処理方法に用いられる溶銑処理装置Aは、脱燐処理炉の一例である第1の上底吹き転炉10と脱炭精錬専用精錬炉の一例である第2の上底吹き転炉20を有している。
第1、第2の上底吹き転炉10、20は、それぞれ炉体11と、攪拌用気体を炉体11内に吹き込むための底吹きノズル12と、溶製した溶鋼等を炉体11内から排出する出鋼口13を有し、炉体11の上方には、炉口14を通り溶鉄や溶鋼に酸素を吹き付けるランス15を図示しない昇降装置によって設置している。
【0012】
次に、本実施の形態に係る脱炭滓を用いた溶銑の処理方法について説明する。
まず、脱炭精錬専用の第2の上底吹き転炉20に溶銑16を150トン装入し、底吹きノズル12から攪拌用気体の一例である酸素含有気体やプロパンガス、アルゴンガスの単体、あるいはこれ等の混合ガスを1000Nm3/時間供給し、炉体11の上部に設けられた図示しない副材ホッパーより切り出した生石灰や鉄鉱石を炉体11内に添加してから、ランス15を炉体11内の所定位置に下降させて20000〜35000Nm3/時間の酸素の吹き込み(吹酸)を行う。
この吹酸によって、溶銑16中の炭素の脱炭が行われ、同時に生石灰や鉄鉱石が溶解し、これに溶銑16中に含まれるSi、Mn等の酸化物が加わって脱炭滓17が生成される。
脱炭滓17は、一般的に、溶銑16中の燐や硫黄等の不純物を除去するため、塩基度(CaO/SiO2)を2.5〜5.0にしており、その他の主な組成として、T.Feを10〜20質量%、Al23を0.01〜10質量%、MgOを4〜10質量%、燐濃度を0.08〜1.50質量%等を含んでいる。
この脱炭滓17は、25〜45質量%のCaOを含んでおり、組成的に脱燐剤として有望である。
しかし、脱炭滓17中のCaOは、SiO2と結合し、2CaO・SiO2や3CaO・SiO2を生成し易く、2CaO・SiO2の場合で2130℃、3CaO・SiO2の場合で2070℃の融点になる。
これを脱燐剤として用いても、1300〜1450℃の低温域で行われる脱燐処理では、十分に溶融して滓化させることができず、脱燐反応が不十分になり、脱燐効率が低下する。
従って、脱炭精錬した溶鋼を炉体11の出鋼口13から炉外に出鋼した後、炉体11を出鋼口13と反対方向に傾けて、炉口14から溶融状態の脱炭滓17を排滓鍋18に排滓する。この際、出鋼から排滓を行うまでの時間を極力短くして、排滓時の脱炭滓17の60質量%以上を溶融状態にしておく。
そして、排滓と同時に、貯蔵ホッパ21から酸化鉄含有物の一例である集塵ダストと乾燥スラジを混合したダストをシュート22から排滓鍋18内の脱炭滓17に100〜1000kg/脱炭滓トン添加して、混合しながらダストを溶融させてスラグ19を生成する。
このスラグ19は、ダスト中の酸化鉄(FeO、Fe23)を多量に含有しており、一部をCaO・SiO2・FeO、あるいはCaO・FeO等の低融点の化合物にすることができ、この低融点の化合物の滓化作用により、全体のスラグ19の軟化・溶融が促進され易くなる。
スラグ19は、冷却して固化させてから5〜50mmの大きさに破砕され、脱燐処理専用の第1の上底吹き転炉10の上方に設けられた貯蔵ホッパ23に貯蔵される。
なお、前記酸化鉄含有物としては、前記集塵ダスト、乾燥スラジの他に、鉄鉱石、ミルスケール、焼結鉱等やこれ等を適宜混合した物を用いることもある。
【0013】
第1の上底吹き転炉10による脱燐処理は、高炉から出銑した新しい溶銑16aを図示ないクレーンで搬送して第1の上底吹き転炉10に装入し、その後に、貯蔵ホッパ23に貯蔵したスラグ19をシュート24から溶銑16a上に添加して、ランス15を炉内に下降させて酸素を10000〜15000Nm3/時間で供給して吹酸を行う。
また、溶銑16aの装入と同時に、底吹きノズル12から攪拌用気体の一例である酸素ガス、窒素ガス、プロパンガスの単体、あるいは二種以上を混合したガスを1000Nm3/時間吹き込むことにより、スラグ19と溶銑16aを積極的に攪拌して、(1)式に示す燐の酸化反応を促進し、燐酸化物(P25)を生成する。
2P+5FeO→P25+5Fe・・・・・(1)
生成したP25は、スラグ19中に含まれるCaOによって捕捉されるいわゆる脱燐反応が生じ、安定して燐を除去することができる。脱炭滓は、60質量%以上が溶融状態のものを用いることにより、脱炭滓の顕熱を利用してダストを予め溶融することができ、脱炭滓の組成をCaO・SiO2・FeO、あるいはCaO・FeO等の低融点の溶解性の良い化合物に改善できる。
また、図3に示すように、冷却固化前に脱炭滓17に添加するダストを100〜1000kg/脱炭滓トンにすることにより、1350℃における液相率(〔溶解したスラグ量/全スラグ量〕×100)を80%以上に高めることができるので、脱燐処理用の第1の上底吹き転炉10内でのプロパンガスの吹き込みによる攪拌とランス15からの吹酸による昇熱(通常1300〜1450℃)の相乗作用によって、脱炭滓17を速やかに滓化させることができる。
脱燐処理の温度が1300℃より低くなると、脱燐反応の条件としては有利になるが、スラグの滓化が悪くなり、全体の脱燐効率が低下する。一方、脱燐処理の温度が1450℃を超えると、スラグ中の燐濃度の平衡値が低くなって脱燐効率が低下する。
【0014】
更に、脱燐処理炉に上底吹き転炉10を用いることにより、スラグ19と溶銑16aを強混合することができ、スラグ19と溶銑16a中の燐の直接接触による脱燐反応と、スラグ19と溶銑16aの界面における脱燐反応の相乗作用を発現させて、脱炭滓17に含まれるCaO及び酸化鉄を脱燐に有効に活用でき、極めて短時間に処理を行うことができる。
その結果、製鋼工程で発生するスラグの絶対量を最小にでき、スラグの処理費用の節減を可能にすることができる。
しかも、脱燐反応の向上によって、到達燐濃度を低くすることができ、脱燐フラックスの節減や耐火物コストの低下等から脱燐処理コストを低減することができる。
脱燐処理を行った後の新しい溶銑16aは、図示しない溶銑鍋に移され、クレーン等で搬送されてから前記した脱炭精錬用の第2の上底吹き転炉20に装入され、生石灰や鉄鉱石等の副剤を添加してから吹酸される。この脱炭精錬で生成した脱炭滓は、次の脱燐処理に供給され、図2中矢印で表すように脱炭精錬と脱燐処理が繰り返して行われる。
最終的に、脱燐処理を行った後に生成されたスラグは、炉体11を傾けて炉口14から図示しない別の排滓鍋に排出され、冷却されてから路盤材や土壌材として資源として活用される。
【0015】
また、冷却固化したスラグ19は、図示しない高炉等から出銑された溶銑16aの脱珪処理用の脱珪フラックスとして用いることができる。
この処理は、高炉から脱珪処理炉の一例である図示しないトピードカーや溶銑鍋にスラグ19を10〜30kg/溶銑トン添加し、出銑時の溶銑16aの落下流を利用して、スラグ19と溶銑16aを攪拌することにより、低温度で容易に溶解させ、しかも、多量の酸化鉄を含有しているので、(2)式の反応により珪素(Si)を酸化して除去することができる。
Si+2FeO→SiO2+2Fe・・・・・(2)
この珪素(Si)を酸化して生成したSiO2は、スラグ19中に含まれるCaOと結合してスラグに捕捉されるいわゆる脱珪反応を促進することができる。
そして、生成した脱珪スラグは、排滓により除去される。
【0016】
【実施例】
次に、脱炭滓を用いた溶銑の処理方法の実施例について説明する。
脱炭精錬専用の上底吹き転炉に溶銑を150トン装入し、底吹きノズルから底吹き攪拌ガスを1000Nm3/時間を供給し、炉体の上部に設けられた副材ホッパーから生石灰や鉄鉱石を切り出して炉内に添加してから、ランスを炉内の所定位置に下降させて35000Nm3/時間の酸素の吹き込み(吹酸)を行い、溶銑中の炭素を0.05質量%に脱炭して、脱炭滓を25トン得た。この脱炭滓を排滓鍋に排滓する際に、集塵ダストを200〜800kgを添加してから冷却固化して5〜50mmに破砕したものを脱燐処理専用の上底吹き転炉内に添加し、ランスから酸素を吹き付けて溶銑の脱燐処理を行った。
そして、脱燐率、脱燐フラックスや耐火物等の脱燐処理コスト指数(従来例を指数1とする)、総合評価を調査した。その結果を表1に示す。
実施例1は、塩基度を3.0、脱炭滓の60質量%が溶融したものに集塵ダストを200kgを添加してから固化して破砕したものを全量、脱燐処理専用の上底吹き転炉に添加して脱燐処理を行った場合であり、スラグの滓化が良く、脱燐率を80%にでき、脱燐処理コスト指数を0.9にすることができ、総合評価として良い(○)結果が得られた。
実施例2は、塩基度を3.0、脱炭滓の90質量%が溶融したものに集塵ダストを500kgを添加してから固化して破砕したものを全量、脱燐処理専用の上底吹き転炉に添加して脱燐処理を行った場合であり、スラグの滓化が良く、脱燐率を85%にでき、脱燐処理コスト指数を0.8にすることができ、総合評価として優れた(◎)結果が得られた。
実施例3は、脱炭滓の90質量%が溶融したものに集塵ダストを800kgを添加してから固化して破砕したものを全量、脱燐処理専用の上底吹き転炉に添加して脱燐処理を行った場合であり、スラグの滓化が良く、脱燐率を82%にでき、脱燐処理コスト指数を0.8にすることができ、総合評価として優れた(◎)結果が得られた。
【0017】
【表1】
Figure 0004598220
【0018】
これに対し、従来例1は、脱炭滓を排滓鍋に排滓して何も添加しないで冷却して破砕したものを脱燐処理専用の上底吹き転炉に添加し、ランスから酸素を吹き付けて溶銑の脱燐処理を行った場合であり、スラグの滓化が悪く、脱燐率も65%になり、生石灰等の使用の増加と処理時間の延長等によって脱燐処理コスト指数も高くなり、総合評価として悪い(×)結果になった。
従来例2は、脱炭滓を排滓鍋に排滓して何も添加しないで冷却して破砕したものに酸化鉄を混合して脱燐処理専用の上底吹き転炉に添加し、ランスから酸素を吹き付けて溶銑の脱燐処理を行った場合であり、スラグの滓化が悪く、脱燐率も65%になり、生石灰等の使用の増加と処理時間の延長等によって脱燐処理コスト指数も高くなり、総合評価として悪い(×)結果になった。
【0019】
また、本発明に係る実施例として、脱炭精錬で生成した脱炭滓25トンを排滓鍋に排滓する際に、同時に、集塵ダストを200〜800kgを添加し、冷却してから5mm以下に破砕したものを高炉の出銑時にトピードカー内に添加して脱珪処理を行い、滓化率、脱珪率を調査したが、滓化率を100%することができ、脱珪率も40%と良好であった。
【0020】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、本実施の形態では、脱炭滓を排滓する際に、排滓鍋に酸化鉄含有物を添加したが、脱炭精錬を終了して出鋼した後の炉内の脱炭滓に酸化鉄含有物を添加してから、排滓鍋に排滓することもできる。
更に、脱炭滓と酸化鉄含有物質を混合して溶融して固化したスラグに、造塊滓や二次精錬のスラグを添加して使用することもできる。
また、精錬炉、脱燐処理炉、脱珪処理炉として、上底吹き転炉の他に、溶銑鍋やトピードカー等を用い、これ等を溶銑の脱燐や脱珪処理に用いることもできる。
【0021】
【発明の効果】
請求項1記載の脱炭滓を用いた溶銑の処理方法は、精錬炉を用いて脱炭精錬を行った際に生成し、その60質量%以上を溶融させた脱炭滓に、酸化鉄含有物を添加した後、脱炭滓を冷却固化してから溶銑の脱燐処理炉に添加して、溶銑中の燐を脱燐するので、脱燐処理時に、脱炭滓の溶解性を良くして脱燐反応を促進し、脱燐処理時間の短縮や到達燐濃度を低くすることができ、耐火物や脱燐フラックスの節減等による脱燐処理コストを低減することができる。
【0022】
また、請求項記載の脱炭滓を用いた溶銑の処理方法は、酸化鉄含有物の添加量を500〜800kg/脱炭滓トンにするので、脱炭滓と酸化鉄含有物が溶解してスラグの液相率を高めることができ、脱燐反応をより促進し、脱燐処理の低温化による脱燐率の向上を図ることができる。
【0023】
更に、請求項記載の脱炭滓を用いた溶銑の処理方法は、酸化鉄含有物に含鉄スラジ、集塵ダスト等のダストを用いるので、脱炭滓の熱で容易に溶解させることができ、脱炭滓の溶解性を向上でき、より安定して脱燐反応を促進することができる。
【0024】
更にまた、請求項記載の脱炭滓を用いた溶銑の処理方法は、脱炭滓の排滓時に酸化鉄含有物の添加を行うので、脱炭滓と酸化鉄含有物の混合を良好に行うことができ、酸化鉄含有物の溶解を促進することができる。
【0025】
加えて、請求項記載の脱炭滓を用いた溶銑の処理方法は、脱燐処理炉に上底吹き転炉を用いるので、溶銑とスラグの攪拌を良好にし、脱燐反応を促進して脱燐効率を高めることができる。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る脱炭滓を用いた溶銑の処理方法に適用される上底吹き転炉の全体図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る脱炭滓を用いた溶銑の処理方法の精錬工程の説明図である。
【図3】ダストの添加量と1350℃におけるスラグの液相率を表すグラフである。
【符号の説明】
A:溶銑処理装置、10:第1の上底吹き転炉、11:炉体、12:底吹きノズル、13:出鋼口、14:炉口、15:ランス、16:溶銑、16a:溶銑、17:脱炭滓、18:排滓鍋、19:スラグ、20:第2の上底吹き転炉、21:貯蔵ホッパ、22:シュート、23:貯蔵ホッパ、24:シュート

Claims (1)

  1. 精錬炉で脱炭精錬を行った際に生成され、その60質量%以上が溶融した脱炭滓を鍋に排滓する時に、酸化鉄含有物であるダスト500〜800kg/脱炭滓トンを前記脱炭滓に添加した後(ただし、蛍石を添加する場合を除く)、前記脱炭滓を冷却固化してから上底吹き転炉に添加して、前記上底吹き転炉内の溶銑中に含まれる燐を脱燐することを特徴とする脱炭滓を用いた溶銑の処理方法。
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