JP4210011B2 - 転炉を用いた溶銑の脱燐方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉等の精錬炉の脱炭精錬を行った際に生成した脱炭スラグを脱燐フラックスとして添加して溶銑を脱燐する転炉を用いた溶銑の脱燐方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、製鋼の主原料である溶銑は、珪素や硫黄、燐等の不純物を含んでおり、予めこれ等の不純物を除去する脱珪、脱硫、脱燐等の予備処理が行われている。
特に、脱燐処理では、溶銑に生石灰、ソーダ灰等の脱燐フラックスと燐を酸化する気体酸素、あるいは固体酸化剤である酸化鉄や集塵ダスト、スラジ等を添加したり、吹き込み(インゼクション)を行うことにより、溶銑中の燐を酸化物にして生成したスラグ中のCaOに捕捉させて除去する。
しかし、脱燐処理を行うことによって、脱燐フラックスと酸化鉄等が反応してスラグが多量に発生する。
このスラグは、膨張性が大きいので埋め立て等への処置が困難であり、資源としてリサイクルする場合に、使用する範囲に制約がある。
この対策として、特開昭62−170409号公報に記載されているように、容器に入れた溶銑に、強塩基度の脱炭スラグと酸化鉄やミルスケールを添加して脱燐処理を施す。次いで、脱珪用フラックスとして酸化鉄やミルスケールに炭素粉末を混合して吹き込むことにより溶銑の脱燐と脱珪を行う。そして、脱燐処理した溶銑に炭素を付与して後工程の転炉の脱炭精錬等の熱保証を図ることが行われている。
また、特開昭63−195209号公報には、脱炭精錬用と脱燐専用の2基の転炉を用い、脱炭精錬用の転炉で生成した脱炭スラグを細粒にしたものを脱燐専用転炉の脱燐フラックスとして使用し、底吹きノズルと上吹きランスから酸素を供給し、溶銑中の燐を酸化してスラグ中のCaOに捕捉して除去することにより、脱炭炉でのMn等の歩留りの向上や低燐鋼を低コストで溶製することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭62−170409号公報では、脱燐に強塩基度の脱炭スラグを用いるため、滓化不良を生じ易く、スラグの性状を脱燐に適した条件にコントロールすることが難しく、脱燐効率が低下する。
更に、脱燐した後のスラグを用いて脱珪処理を行うため、スラグ中のSiO2 が増加し、スラグの塩基度が低下して復燐を生じ、後工程の脱炭精錬の際に燐の除去が必要となり精錬の負荷が増加する。
しかも、溶銑を入れたトピードカーや鍋等の容器内に、脱燐用フラックスと酸化鉄やミルスケールを添加して脱燐処理を行う場合では、溶銑と脱燐用フラックス等の容器内での混合が弱くなり、脱燐反応が低下して脱燐処理時間が延長したり、到達燐濃度が高くなる。
また、特開昭63−195209号公報において、脱炭精錬用で生成した脱炭スラグの細粒を脱燐専用転炉で脱燐フラックスとして使用して行った脱燐は、全製鋼工程で発生するスラグ量を少なくできる有利性を備えた脱燐処理と言える。
しかし、脱燐効率は、脱燐精錬の際に生成されるスラグの塩基度とスラグ中の酸化鉄量(T.Fe)に大きく左右される。
特に、底吹きノズルと上吹きランスから酸素を多量に供給する場合では、スラグの塩基度とスラグ中のT.Feを同時に脱燐効率の良好な範囲に調整することが難しく、脱燐効率を高位に維持することが困難である。
例えば、スラグ中のT.Feをある程度高くしても、脱燐フラックスの滓化不良によって、スラグの塩基度が低下する。その結果、高い脱燐効率が得られず、到達燐濃度も高くなると言った問題がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、脱炭精錬により生成した脱炭スラグを溶銑の脱燐に活用して、脱燐効率を高めて到達燐濃度を低減することができる転炉を用いた溶銑の脱燐方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る転炉を用いた溶銑の脱燐方法は、脱炭精錬用転炉で生成した脱炭スラグを、溶銑を装入した脱燐精錬用転炉に添加して、上吹きランスから吹酸しながら底吹きガスにより攪拌して前記溶銑中の燐を除去する転炉を用いた溶銑の脱燐方法において、前記脱燐精錬用転炉の脱燐精錬処理によって生成するスラグの塩基度を1.7以上2.0以下に保持し、前記脱燐精錬処理時に投入する前記脱炭スラグ、生石灰、石灰岩、ドロマイトの総CaO量(kg/溶銑トン)に対する前記上吹きランスによる吹錬時間(min)の比(min/(kg/溶銑トン))を0.8以上1.2以下とし、前記スラグ中のT.Feを10〜25質量%とする。
添加した酸化鉄や溶銑中の鉄等の酸化物を鉄(Fe)に換算したスラグ中に含まれるT.Feによってスラグの塩基度(CaO/SiO2 )が変動(低下)するのを抑制するので、脱燐の促進と脱燐処理後の復燐を防止して、スラグ中のT.Feを脱燐効率の高い範囲に調整することができ、脱燐効率の向上と到達燐濃度を低くすることができる。
スラグの塩基度が1.7より低くなると、スラグ中の(%P)/溶銑中の〔%P〕が小さくなり、脱燐効率の低下や到達燐濃度が高くなる。
【0006】
ここで、前記脱燐精錬処理の吹酸条件を可変とすることにより前記スラグ中のT.Feを調整することが好ましい。
これにより、スラグ中のT.Feを簡単に調整することができ、スラグの塩基度の低下を抑制しながら脱燐効率を高めることができる。
なお、吹酸条件は、上吹きランスから吹き付ける酸素量を増減したり、上吹きランスの酸素吹き出し口の位置(ランス高さ)を高くしてソフトブローを行ったり、底吹きノズルから吹き込む気体の量を増減することにより可変にできる。また、上吹きと底吹きの組み合わせにより行うこともできる。
【0007】
更に、前記スラグの滓化率を求め、該滓化率から溶銑に添加する総CaO量を調整しても良い。
脱燐に必要なCaOの添加量を最小限にして脱燐処理を行うことができ、全製鋼工程で発生するスラグ量を少なくすることができる。
【0008】
また、前記脱炭精錬用転炉及び/又は脱燐精錬用転炉を複数用いることも可能である。
これにより、脱燐精錬用転炉で脱燐処理した溶銑を脱炭精錬用転炉に適正なサイクルで供給することができ、連続した脱燐処理が可能になり、待機や休止等に伴う熱ロスを減少したり、脱燐精錬用転炉の耐火物の損傷を抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1は本発明の一実施の形態に係る転炉を用いた溶銑の脱燐方法に適用される脱燐精錬用転炉の全体図、図2は同脱燐方法による脱燐精錬工程の説明図、図3はスラグの塩基度と燐の分配比の関係を表すグラフ、図4はスラグの塩基度とスラグ中のT.Fe率の関係を表すグラフ、図5は投入のT.CaO量に対する吹錬時間比とスラグの滓化率の関係を表すグラフである。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る転炉を用いた溶銑の脱燐方法に用いられる脱燐精錬転炉10は、上底吹き転炉であって、炉体11の底部に底吹きノズル12を設け、上方から炉体11内に装入される上吹きランス13とを有し、生石灰や鉄鉱石、ドロマイト等の副原料を炉体11内に添加するシュート14と、出鋼口15を備えている。
更に、図2に示すように、本実施の形態で用いる脱炭精錬用転炉10aも同様に上底吹き転炉であって、炉体11aの底部に底吹きノズル12aを設け、上方から炉体11a内に装入される上吹きランス13aとを有し、生石灰や鉄鉱石、ドロマイト等の副原料を炉体11a内に添加するシュート14aと、出鋼口15aを備えている。
【0010】
次に、本発明の一実施の形態に係る転炉を用いた溶銑の脱燐方法について図2に示す脱燐精錬工程に従って説明する。
まず、脱炭精錬用転炉10aに、脱燐処理を行った溶銑17を装入し、生石灰や鉄鉱石等の副原料をシュート14aから炉体11a内に投入して、底吹きノズル12aから攪拌用のアルゴン、酸素、窒素等のガスを吹き込み、上吹きランス13aから1〜3万m3/時間の速度で酸素を吹き付けることにより、炭素濃度が0.01〜0.80質量%になるまで脱炭を行う。脱炭された溶鋼を出鋼口15aから図示しない取鍋に出鋼する。
そして、炉体11a内に残留した脱炭スラグ18を図示しない排滓鍋に移し、冷却場19に流してから散水等を行って冷却した後、この脱炭スラグ18を破砕機20を用いて破砕して篩分け装置21により5〜60mmに篩分けしたものをホッパー22に貯蔵する。
【0011】
脱燐精錬用転炉10では、燐の濃度が0.090〜0.130質量%の未脱燐の溶銑23を90〜170トン装入し、ホッパー22に貯蔵された脱炭スラグ18及び集塵ダストやスラジ等の含酸化鉄、鉄鉱石等をシュート14から炉体11内に投入する。
そして、底吹きノズル12から攪拌用のアルゴン、酸素、窒素等のガスを吹き込み、上吹きランス13から酸素を0.5〜1.5万m3 /時間の速度で吹き付けて、燐濃度が0.010〜0.050質量%になるまで脱燐精錬処理を行い、脱燐された溶銑を溶銑鍋24に出銑し、溶銑17として前記脱炭精錬用転炉10aに供給する。
脱燐精錬用転炉10で溶銑23中の燐は、酸化されてP2 O5 になり、スラグ25中のCaOに捕捉され、脱燐精錬用転炉10内から排滓される。
【0012】
この脱燐反応は、図3に示すように、スラグの塩基度(CaO/SiO2 )に大きく左右され、スラグの塩基度を1.7以上に保持することにより、燐のスラグ25中の燐濃度(%P)と溶銑23中の燐濃度〔%P〕の分配比である(%P)/〔%P〕を大きくすることができる。
すなわち、溶銑23の脱燐を促進し、脱燐処理後の復燐を抑制することができ、脱燐効率を向上し、到達燐濃度を低くすることができる。
更に、スラグの塩基度と共に重要なのが、スラグ中のT.Feであり、下記(1)式の反応により燐を酸化させ、脱燐反応を促進することができる。
2P+5FeO→P2 O5 +5Fe ・・・・(1)
このスラグ中のT.Fe濃度は、図4に示すように、スラグの塩基度が脱燐反応に有利な高塩基度になるにつれて低下する傾向を示しているが、スラグの塩基度を1.7以上に保持しながらT.Feを低下させない範囲に制御することで、総合的な脱燐効率を高位に維持することができる。
スラグ25中のT.Fe濃度は、上吹きランス13から吹き付ける酸素量を減少したり、上吹きランス13の酸素吹き出し口の位置を高くする等によりソフトブローを行うか、あるいは底吹きノズル12からの底吹きのガス量を少なくして溶銑23の攪拌を抑制する等の方法により高く調整することができる。
一方、T.Fe濃度を低くするには、上吹きランス13から吹き付ける酸素量を増加したり、上吹きランス13を低くしてハードブローしたり、溶銑の攪拌を強化すること等の方法がある。
このスラグ25のT.Feの調整は、5〜30質量%の範囲で行い、スラグ25の塩基度によってさらに制御できる。
スラグ中のT.Feが5質量%より少ないと、溶銑中の燐を酸化するための酸素量が不足してP2 O5 が十分に生成されないので、脱燐効率が低下する。
スラグ中のT.Feが30質量%より多くなると、スラグの絶対量が増加し、スラグの塩基度が低下してやはり脱燐効率が低下し、炉の内張り耐火物の溶損が大きくなる。
この理由からスラグ中のT.Feを10〜25質量%の範囲で塩基度に伴って適正に調整することにより、好ましい結果が得られる。
【0013】
また、スラグの塩基度は、シュートから転炉に投入する脱炭スラグや生石灰、石灰石、ドロマイト等が溶解(滓化)した程度(スラグの滓化率)によって影響を受ける。
しかも、スラグの滓化率は、図5に示すように、投入されたT.CaO(総CaO)量(kg/溶銑トン)に対する上吹きランスによる吹錬(吹酸)時間(min)の比に大きく関係する。
従って、予め脱燐に必要な吹錬時間を決めておき、この吹錬時間に対してシュート14から脱燐精錬転炉10に投入する総CaO量を目的の滓化率になるよう増減して調整することにより、滓化率を決定することができる。
滓化率や塩基度は、過去の操業条件から溶銑中に含有するSi量及び副原料の総添加量等の条件を基に求めることができ、滓化率からスラグの塩基度を予測することができる。
また、スラグの滓化率をX、投入する総CaO量をY、溶銑と脱炭スラグ中の総Si量をZとして、下記(2)式によって求めた値をスラグの塩基度として用いることもできる。
スラグの塩基度=Y×(X/100)/2.14Z ・・・・(2)
また、脱燐に必要な吹錬時間と総CaO量から求まる滓化率で決定されるスラグの塩基度が1.7より低くなる場合は、総CaO量を増加することにより塩基度を高くすることができる。
【0014】
【実施例】
次に、本発明に係る転炉を用いた溶銑の脱燐方法の実施例について説明する。
150トンの転炉の一例である上底吹き転炉(転炉)を3基用い、1基を脱燐精錬用転炉とし、他の2基を脱炭精錬用転炉にして、2基の脱炭精錬用転炉で脱炭精錬を行った際に生成した脱炭スラグを破砕、篩分けしてサイズが5〜60mmのものを脱燐精錬用転炉に投入して溶銑の脱燐精錬を行った。
この脱燐精錬処理は、スラグの滓化率、総CaOに対する脱燐精錬の吹錬時間の比、スラグの塩基度、スラグのT.Fe質量%を変化させて行った。
そして、溶銑の脱燐率、復燐の有無、脱燐コスト及び耐火物や生産性等を考慮した総合評価について調査した。その結果を表1に示す。
実施例1は、総CaO量に対する脱燐精錬の吹錬時間の比を1.0にしてスラグの滓化率を80%にし、スラグの塩基度を1.9に保持し、上吹きランスを高くしてソフトブローを行って、脱燐スラグのT.Feを20質量%に調整して脱燐精錬を行った場合であり、溶銑の脱燐率が84%となり、溶銑への復燐が防止され、総合評価として良い(○)結果が得られた。
実施例2は、総CaO量に対する脱燐精錬の吹錬時間の比を0.8にしてスラグの滓化率を80%にし、スラグの塩基度を1.8に保持し、上吹きランスに供給する酸素量を減少してソフトブローを行って、スラグのT.Feを15質量%に調整して脱燐精錬を行った場合であり、溶銑の脱燐率が86%となり、溶銑への復燐が防止され、総合評価として良い(○)結果が得られた。
実施例3は、総CaO量に対する脱燐精錬の吹錬時間の比を1.2にしてスラグの滓化率が86%となり、スラグの塩基度を2.0に保持し、スラグ中のT.Fe濃度が高くなることが予想されたので上吹きランスを低くしてハードブローを行って、スラグのT.Feを13質量%に調整して脱燐精錬を行った場合であり、溶銑の脱燐率が80%となり、溶銑への復燐が防止され、総合評価として良い(○)結果が得られた。
【0015】
【表1】
【0016】
これに対し、比較例1は、スラグの滓化率を考慮しないでスラグの塩基度を1.5にして、上吹きランスからの吹酸を調整しないで脱燐処理を行い、スラグのT.Feが25質量%になった場合であり、溶銑の脱燐率は70%と悪くなり、溶銑への復燐が発生し、総合評価として悪い(×)結果となった。
比較例2は、スラグの滓化率を考慮しないでスラグの塩基度を1.4にして、上吹きランスからの吹酸を調整しないで脱燐処理を行い、スラグのT.Feが30質量%になった場合であり、溶銑の脱燐率は70%と悪くなり、溶銑への復燐が発生し、総合評価として悪い(×)結果となった。
【0017】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、脱炭スラグは、転炉の脱炭精錬で生成したスラグの他に、電気炉や減圧精錬や取鍋精錬等の二次精錬によって生成した脱炭スラグを用いることができる。
更に、脱燐精錬用転炉や脱燐精錬用転炉は、上底吹き転炉の他に、上吹き転炉や底吹き転炉等を用いることができ、それぞれ1又は2以上の複数とすることができる。
また、スラグの滓化率は、投入する総CaO量を最初に決めておき、この総CaO量に応じた吹錬時間から求めることもできる。
【0018】
【発明の効果】
請求項1〜4記載の転炉を用いた溶銑の脱燐方法は、脱燐精錬用転炉の脱燐精錬によって生成するスラグの塩基度を1.7以上に保持し、スラグ中のT.Feを調整して到達燐濃度を制御するので、脱燐に有効なスラグの塩基度の変動を抑制して脱燐を促進し、復燐を防止することができ、脱燐効率を向上させ、到達燐濃度を低くすることができる。
しかも、全製鋼工程で発生するスラグ量を少なくし、脱燐精錬コストを低減することができる。
【0019】
特に、請求項2記載の転炉を用いた溶銑の脱燐方法は、脱燐精錬の吹酸条件を可変にしてスラグ中のT.Fe濃度を調整するので、スラグの塩基度を低下させることなくスラグ中のT.Feを調整して脱燐効率を高めることができ、到達燐濃度を安定して低くすることができる。
【0020】
請求項3記載の転炉を用いた溶銑の脱燐方法は、スラグの滓化率を求め、滓化率から添加する総CaO量を調整するので、脱燐に用いるCaO量を最小限に抑え、スラグの滓化を高めて脱燐効率を安定して向上することができる。
しかも、後工程である脱炭精錬や二次精錬等の脱燐に要する負荷を軽減することができる。
【0021】
請求項4記載の転炉を用いた溶銑の脱燐方法は、複数の脱炭精錬用転炉と脱燐精錬用転炉を用いるので、脱燐精錬を連続して行うことができ、脱燐精錬用転炉の待機や休止等に伴う熱ロスを減少し、耐火物の損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る転炉を用いた溶銑の脱燐方法に適用される脱燐精錬用転炉の全体図である。
【図2】同脱燐方法による脱燐精錬工程の説明図である。
【図3】スラグの塩基度と燐の分配比の関係を表すグラフである。
【図4】スラグの塩基度とスラグ中のT.Fe濃度の関係を表すグラフである。
【図5】投入総CaO量に対する吹錬時間の比とスラグの滓化率の関係を表すグラフである。
【符号の説明】
10:脱燐精錬用転炉、10a:脱炭精錬用転炉、11:炉体、11a:炉体、12:底吹きノズル、12a:底吹きノズル、13:上吹きランス、13a:上吹きランス、14:シュート、14a:シュート、15:出鋼口、15a:出鋼口、17:溶銑、18:脱炭スラグ、19:冷却場、20:破砕機、21:篩分け装置、22:ホッパー、23:溶銑、24:溶銑鍋、25:スラグ
Claims (4)
- 脱炭精錬用転炉で生成した脱炭スラグを、溶銑を装入した脱燐精錬用転炉に添加して、上吹きランスから吹酸しながら底吹きガスにより攪拌して前記溶銑中の燐を除去する転炉を用いた溶銑の脱燐方法において、前記脱燐精錬用転炉の脱燐精錬処理によって生成するスラグの塩基度を1.7以上2.0以下に保持し、前記脱燐精錬処理時に投入する前記脱炭スラグ、生石灰、石灰岩、ドロマイトの総CaO量(kg/溶銑トン)に対する前記上吹きランスによる吹錬時間(min)の比(min/(kg/溶銑トン))を0.8以上1.2以下とし、前記スラグ中のT.Feを10〜25質量%とすることを特徴とする転炉を用いた溶銑の脱燐方法。
- 請求項1記載の転炉を用いた溶銑の脱燐方法において、前記脱燐精錬処理の吹酸条件を可変とすることにより前記スラグ中のT.Fe濃度を調整することを特徴とする転炉を用いた溶銑の脱燐方法。
- 請求項1又は2記載の転炉を用いた溶銑の脱燐方法において、前記スラグの滓化率を求め、該滓化率から前記溶銑に添加する総CaO量を調整することを特徴とする転炉を用いた溶銑の脱燐方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の転炉を用いた溶銑の脱燐方法において、前記脱炭精錬用転炉及び/又は脱燐精錬用転炉を複数用いることを特徴とする転炉を用いた溶銑の脱燐方法。
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