JP4356275B2 - 溶銑精錬方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は溶銑精錬方法、より詳細には溶銑の脱燐処理を高効率で行うための精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、転炉製鋼法においては同一の転炉において溶銑の脱燐精錬と脱炭精錬を行ってきた。しかし、近年、鋼材品質に対する要求が高まる一方で、連続鋳造の拡大、真空脱ガスや取鍋精錬等のような溶鋼の二次精錬が普及するに伴い、転炉における出鋼温度が上昇し、転炉での脱燐能力が低下してきた。これは、溶銑温度が高いほど脱燐効率が低下するからである。
【0003】
このような背景の下、溶銑を予め精錬処理し、特に燐成分をある程度除去してから転炉に装入する溶銑予備処理法が発展してきた。この方法では、溶銑鍋や転炉型容器等を用いて溶銑の脱燐精錬を行ない、この脱燐された溶銑を他の転炉に移動して脱炭精錬を行なうのが通常であり、例えば、特公平2−14404号公報や特公平3−77246号公報では、上下両吹き機能を備えた2基の転炉型容器のうちの一方を脱燐炉、他方を脱炭炉として用い、特定の条件で溶銑の精錬を行う方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような溶銑の脱燐精錬では一定のスラグボリュームが必要であり、脱炭吹錬に較べて低温操業であることからも造滓材の滓化効率が悪くなり、結果として本来の脱燐効率が発揮できないという問題があり、このため脱燐処理時間が長くなり、精錬コストも高くならざるを得ない場合があった。また、鉄鉱石等の原料成分によっては高炉出銑中にP等の不純物濃度が高くなることなどもあり、このような製銑側の操業条件の変動にも機動的に対応する必要がある。
【0005】
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、脱炭精錬前に行われる溶銑鍋や転炉型容器等を用いた脱燐精錬を高効率で行うことができる溶銑精錬方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような脱燐精錬において脱燐効率を高めるための条件について、主として溶銑成分、溶銑温度、媒溶材の添加条件等の面から検討を行い、その結果、脱燐処理前の溶銑中のSi量を十分に低減させること、具体的にはSi量を0.07wt%以下のレベルまで低減させ、このような溶銑に対して脱燐処理を実施することにより、脱燐効率を従来に較べて飛躍的に高めることができることを見い出した。また、このような脱燐処理の際に脱燐処理開始時の溶銑温度、脱燐終了時の溶銑温度を適切に制御すること、さらには媒溶材であるCaO源と酸素源を所定の条件で供給すること等により、脱燐効率がさらに向上することが判った。さらに、溶銑の脱珪処理を取鍋を用いて所定の条件で行うことにより、溶銑の低Si化を安定して達成できることも判った。
【0007】
従来、溶銑中のSi量が低い方が脱燐効率を高めるのに有利であることは定性的には知られており、このため溶銑予備処理の一環として脱珪処理が行われている。しかし、従来行われている溶銑の脱珪処理では、脱珪処理後の溶銑中のSiレベルは0.2wt%前後が通常であり、また、このような脱燐処理前の溶銑中のSi量の低減化による効果も、脱燐効率が漸増する程度と考えられきた。これに対して本発明では、脱燐処理前の溶銑中Siの含有レベルを従来技術よりも1桁低いレベル(0.07wt%以下)とすることにより、飛躍的に高い脱燐効率が得られることを見い出したものである。
【0008】
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
[1]転炉型容器において溶銑にCaO源と酸素源を添加して脱燐処理を行うに際し、転炉型容器に装入すべきスクラップの一部または全部として、脱燐処理工程及び/又は脱炭処理工程で生成したスラグの磁選屑を用い、且つSi量が0.07質量%以下の溶銑に対して脱燐処理を行うとともに、CaO源を気体酸素とともに浴面に上吹きすることにより、CaO源と酸素源を脱燐処理容器内の浴面の同一位置に供給することを特徴とする溶銑精錬方法。
[2]上記[1]の溶銑精錬方法において、溶銑を脱珪処理してSi量を0.07質量%以下とし、しかる後、脱燐処理を行うことを特徴とする溶銑精錬方法。
【0009】
[3]上記[1]または[2]の溶銑精錬方法において、脱燐処理開始時の溶銑温度が1280℃以上であることを特徴とする溶銑精錬方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの溶銑精錬方法において、脱燐処理終了時の溶銑温度が1280〜1360℃であることを特徴とする溶銑精錬方法。
[5]上記[2][4]のいずれかの溶銑精錬方法において、溶銑の脱珪処理として、少なくとも取鍋内での脱珪処理を行ない、該取鍋内での脱珪処理では脱珪材として少なくとも気体酸素を供給し、且つ該気体酸素の供給を溶銑への吹き付け及び/又は溶銑内への吹き込みにより行うことを特徴とする溶銑精錬方法。
【0010】
[6]上記[2][4]のいずれかの溶銑精錬方法において、溶銑の脱珪処理として、少なくとも取鍋内での脱珪処理を行ない、該取鍋内での脱珪処理では脱珪材として気体酸素及び/又は固体酸素源を供給し、これら気体酸素及び/又は固体酸素源の供給量の調整により溶銑温度の調整を行うことを特徴とする溶銑精錬方法。
【0011】
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの溶銑精錬方法において、脱燐処理を下記(a)の条件で行い、次いで下記(b)の条件で脱炭処理を行うことを特徴とする溶銑精錬方法。
(a)精錬容器において溶銑を粗鋼で要求されるP含有量(鋼の成分規格値)以下に脱燐精錬する。
(b)前記脱燐精錬された溶銑を他の精錬容器である転炉型容器に装入し、造滓材を装入することなく脱炭精錬する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細をその限定理由とともに説明する。
図1は、Si量が0.19wt%の溶銑と0.05wt%の溶銑をそれぞれ転炉型容器で脱燐処理した場合(脱燐処理開始時の溶銑温度:1280℃以上、脱燐処理終了時の溶銑温度:1280〜1360℃、生石灰上置き添加)について、溶銑脱燐の進行状況を調べた結果を示しており、Si量:0.05wt%の溶銑の脱燐処理では、Si量:0.19wt%の溶銑を脱燐処理した場合に較べて半分以下の時間で溶銑中P量が最低レベルに達し、しかもそのレベルはSi量:0.19wt%の溶銑を脱燐処理した場合に較べて低いことが判る。
【0013】
このような試験結果が得られたことから、さらに、脱燐処理に供される溶銑中のSi量が脱燐効率に及ぼす影響を調べた。この試験では、脱燐処理前に脱珪処理を行って溶銑中のSi量を調整し、転炉型容器において図1の試験と同様に脱燐処理開始時の溶銑温度:1280℃以上、脱燐処理終了時の溶銑温度:1280〜1360℃、生石灰上置き添加の条件で脱燐処理を行った。
【0014】
図2はその結果をCaO源の添加量とともに示しており、脱燐処理に供される溶銑中のSi量が0.07wt%以下になると、スラグの高塩基度化により脱燐効率の指標となる燐分配Lp(=(wt%P)/[wt%P],(wt%P):スラグ中のP濃度,[wt%P]:溶銑中のP濃度)が急激に上昇し、脱燐効率の顕著な向上が認められる。また、脱燐効率は溶銑中のSi量が低減するにしたがって高くなり、溶銑中Si量が略0.03wt%以下で最も高い脱燐効率が得られている。
【0015】
以上の結果に基づき、本発明法ではSi量が0.07wt%以下の溶銑に対して脱燐処理を行うこととした。また、図2の結果から、脱燐処理前のより好ましいSi量は0.05wt%以下、さらに好ましくは0.03wt%以下である。本発明法を実施するに際し、脱燐処理前の溶銑中のSi量が上記の上限値(0.07wt%、好ましくは0.05wt%、特に好ましくは0.03wt%)を超えている場合には、脱珪処理を行って溶銑中のSi量を上限値以下にした後、脱燐処理を行う。一般に高炉等から出銑される溶銑は0.30〜0.50wt%程度のSiを含有しており、このような通常のSiレベルの溶銑の場合には脱珪処理を行うことが必須となる。
【0016】
脱珪処理は、溶銑脱珪工程(例えば、鋳床脱珪)或いは容器内での脱珪処理のいずれで実施してもよい。容器内での脱珪処理では、容器として溶銑鍋や装入鍋等の取鍋、トーピード等が用いられ、この容器内に脱珪材を添加して撹拌することにより効率的な脱珪処理を行うことができる。脱珪材としては固酸(通常、ミルスケール等の酸化鉄)または気酸(気体酸素または酸素含有ガス)の何れを用いてもよく、また両者を併用してもよい。
【0017】
取鍋内で行う脱珪処理は、その溶銑保持形状のために溶銑を十分に撹拌でき、このため他の溶銑脱珪工程(例えば、鋳床やトーピードによる脱珪工程)よりも脱珪効率が良い。したがって、出銑された溶銑中のSi量が比較的高い場合には取鍋内での脱珪処理を実施し、或いは鋳床脱珪を実施してから取鍋内での脱珪処理を実施することが好ましい。また、従来から行われている鋳床脱珪等は脱珪効率が低いだけでなく、脱珪材として固酸(ミルスケール等)のみを用いるため溶銑温度が低下する問題がある。これに対して、取鍋内で行う脱珪処理では脱珪材として気体酸素を供給することができるため、溶銑温度の維持、安定化が容易であり、且つ固体酸素源の供給も併用できるために溶銑温度の調整も容易である。
【0018】
上記取鍋には、高炉溶銑を高炉鋳床を経て直接受銑する所謂高炉鍋や、転炉等への溶銑装入を行うため高炉鍋から溶銑が移される所謂装入鍋等が含まれる。また、高炉鍋や装入鍋と類似の溶銑保持形状を有する鍋であれば、これも取鍋として使用可能である。取鍋による脱珪処理は、これら高炉鍋、装入鍋等の取鍋の少なくとも何れかで実施されればよい。
【0019】
図3は、取鍋内脱珪と鋳床脱珪を実施した場合について、脱珪処理後の溶銑中Si量と脱珪酸素効率との関係を示している。同図によれば、鋳床脱珪では処理後の溶銑中Si量が低くなるにしたがって脱珪酸素効率が大きく低下している。このため本発明条件であるSi量:0.07wt%以下まで脱珪するには長時間の処理が必要となり、このような脱珪処理は実操業での実用性に欠ける。これに対して、取鍋内脱珪では鋳床脱珪に較べて高い脱珪酸素効率が得られており、本発明条件であるSi量:0.07wt%以下(好ましくは、0.05wt%以下、さらに好ましくは0.03wt%)まで効率的に脱珪するには、取鍋内脱珪を実施するのが好ましいことが判る。
【0020】
また、上述したように取鍋内での脱珪処理は通常気酸を供給して行われるため、溶銑のハンドリングや下工程の精錬に影響するような溶銑温度の低下を生じる恐れは全くなく、溶銑温度の確保及び温度調整が容易であり、また、必要に応じて気酸供給を固酸供給に切り替え、若しくは気酸供給と固酸供給を併用することにより、溶銑温度を調整して所望のレベルに安定化させることも容易である。
【0021】
また、溶銑の脱珪処理では脱珪幅(Δ%Si)が大きくなるとスラグフォーミングが顕著になり、事実上操業ができなくなる場合がある。したがって、全脱珪幅が比較的大きい場合には、鋳床脱珪を実施した後、取鍋内脱珪を実施し、1つの脱珪工程での脱珪幅を小さくすることによりスラグフォーミングを抑制することが好ましい。また、このように脱珪処理を2工程で行い、1つの工程での脱珪幅を小さくすることにより、特に取鍋内脱珪後の除滓時間が短くて済むため有利である。
【0022】
先に述べたように取鍋内での脱珪処理は、脱珪材として気酸を供給することにより脱珪効率が高められ且つ溶銑温度の低下が防止される点に大きな特徴があり、したがって、この脱珪処理では脱珪材の一部または全部として気酸を用いることが好ましい。なお、本発明で使用する気体酸素(気酸)としては、酸素ガス、酸素含有ガスのいずれでもよい。この気酸の取鍋内への供給方法としては、(1)上吹ランスで上方から溶銑に吹き付ける方法、(2) インジェクションランスを通じて溶銑内に吹き込む方法、(3) 取鍋本体に設けられた底吹ノズル等の吹込みノズルを通じて溶銑内に吹き込む方法等が採用でき、これらの何れかまたは2つ以上の方法の組み合わせにより気酸の供給を行うことができる。
【0023】
また、取鍋内での脱珪処理の他の特徴は溶銑の十分な撹拌が得られる点にあり、この溶銑の撹拌は溶銑内に気酸または他の撹拌ガス(例えば、窒素ガス)を吹き込むことにより実現できる。その具体的な方法としては、上述したインジェクションランスを通じてガスを溶銑内に吹き込む方法、吹込みノズルを通じてガスを溶銑内に吹き込む方法等が採用でき、これらの何れかまたは2つ以上の方法の組み合わせにより実施可能である。
【0024】
通常、取鍋内の脱珪処理では造滓材と必要に応じて固酸が供給されるが、これらの固体添加材の供給方法としては、(1)上置き添加による方法、(2)上吹きランスを通じて上方から溶銑に吹き付ける方法、(3)インジェクションランスを通じて溶銑内に吹き込む方法等が採用でき、これらの何れかまたは2つ以上の方法の組み合わせにより固体添加材の供給を行うことができる。
但し、固体添加材の供給としては、上記(1)、(2)の方法よりも(3)の方法の方が、固体添加材の運動エネルギーを利用して溶銑の撹拌力を高めることができるため、脱珪効率を高める上で有利である。
通常、造滓材としては石灰粉等のCaO源が、また固酸としてはミルスケールや焼結粉等が供給される。
【0025】
図4は取鍋を用いた脱珪処理状況の一例を示しており、この例では上吹きランスを通じて気酸(酸素ガス)が吹き込まれ、インジェクションランスを通じて石灰粉等の造滓材(気送ガス:N)が吹き込まれ、さらに必要に応じて焼結粉やミルスケール等の固酸が取鍋上方から上置き装入できるようになっている。このような取鍋による脱珪処理の操業条件の一例を挙げると、150ton高炉鍋で気酸供給を主体とした溶銑脱珪処理を行う場合、上吹きランスによる気酸供給量:2500Nm/hr、インジェクションランスによる石灰粉(造滓材)供給量:200kg/分程度の操業条件となる。
【0026】
また、後述する脱燐処理開始時の溶銑温度を確保するために、必要に応じて脱珪処理において溶銑の温度調整を行うことが好ましい。この温度調整は、脱珪剤として固酸及び気酸を適宜選択して添加することにより行うことができるが、上述したように取鍋内脱珪の方が溶銑温度の調整を有利に実施することができる。
【0027】
脱燐処理はSi量が0.07wt%以下の溶銑に対してCaO源と酸素源を添加して行われる。通常、この脱燐処理は溶銑鍋や転炉型容器等を用いて行うが、使用する容器に特別な制約はなく、場合によっては、同一容器内で脱珪処理と脱燐処理を順次実施してもよい。この場合は、脱珪処理後に少なくとも一部除滓し、しかる後脱燐処理を行う。
媒溶材であるCaO源としては、通常は生石灰が用いられるが、これに限定されるものではない。これら媒溶材や固酸は上置き添加やインジェクション等の方法で容器内に添加される。また、気酸については、一般に酸素ガスをランスや底吹きノズル等を用いて溶銑に吹き込み及び/又は吹き付ける等の方法で添加される。
【0028】
脱燐処理の実施方法や処理条件に特別な制約はないが、脱燐処理を特に高効率に行うためには、以下のような条件で脱燐処理を行うことが好ましい。
(1) 脱燐処理開始時の溶銑温度を1280℃以上(より好ましくは、1320℃以上)とする。
(2) 脱燐処理終了時の溶銑温度を1280〜1360℃(より好ましくは、1300〜1340℃)とする。
(3) CaO源と酸素源を脱燐処理容器内の浴面または浴中の同一位置に供給する。
(4) 媒溶材の一部または全部として、FeO−CaO系媒溶材を添加する。
【0029】
ここで、先ず上記(1)の条件について説明すると、本発明法のように低Siの溶銑を脱燐処理する方法ではスラグの塩基度(=CaO/SiO)が上昇するため融点が上がり、媒溶材の初期滓化が不十分になって脱燐効率の低下を招き易い。このような脱燐効率の低下を防止するためには、脱燐処理開始時の溶銑温度を基準値以上に設定することによって初期滓化を促進し、早期に溶融FeOを生成させることが有効である。このため脱燐処理開始時の溶銑温度を1280℃以上、より好ましくは1320℃以上とすることが好ましい。
【0030】
図5は、脱燐処理を転炉型容器で行った場合と溶銑鍋で行った場合について、脱燐処理開始時の溶銑温度と脱燐効率との関係(脱燐処理終了時の溶銑温度:1280〜1360℃、脱燐処理前の溶銑中Si量:0.07wt%以下、転炉型容器:生石灰上置き添加、溶銑鍋:生石灰上置き+一部インジェクション添加)を示したもので、脱燐処理開始時の溶銑温度を1280℃以上、より好ましくは1320℃以上とすることにより、特に優れた脱燐効率(燐分配Lp)が得られることが判る。また、同図によれば、溶銑鍋による脱燐処理に較べて転炉型容器による脱燐処理の方が撹拌効率が高いため、処理時間が限られているという制約の中で、より高い脱燐効率が得られていることが判る。
【0031】
さらに、脱燐処理開始温度を上記のように高目に設定することにより、鉄ロス(スラグ中に懸濁する粒鉄ロス)を低減できるため好ましい。図6は脱燐処理開始時の溶銑温度が脱燐精錬中のスラグへの鉄ロスに及ぼす影響を示したもので、同溶銑温度が1280℃以上、より好ましくは1320℃以上において鉄ロスが顕著に低減していることが判る。したがって、以上の観点からも脱燐処理開始時の溶銑温度は1280℃以上、好ましくは1320℃以上とすることが望ましい。
【0032】
次に、上記(2)の条件について説明すると、溶銑の脱燐効率は溶銑温度が比較的低いほうが平衡論的には良好であるが、溶銑温度が低すぎると媒溶材の滓化が不十分となるために脱燐効率は却って低下し、したがって操業上限られた時間内で脱燐するので脱燐処理温度には脱燐効率の面から適正な範囲が存在する。この適正温度範囲は、脱燐処理終了時の溶銑温度で1280〜1360℃、より好ましくは1300〜1340℃であり、この溶銑温度で脱燐処理を終了することにより良好な脱燐効率を確保することができる。
【0033】
図7は、脱燐処理を転炉型容器で行った場合の脱燐処理終了時の溶銑温度と脱燐効率との関係(脱燐処理開始時の溶銑温度:1280℃以上、脱燐処理前の溶銑中Si量:0.07wt%以下、生石灰上置き添加)を示したもので、脱燐処理終了時の溶銑温度を1280〜1360℃、より好ましくは1300〜1340℃とすることにより、特に優れた脱燐効率(燐分配Lp)が得られることが判る。
【0034】
さらに、上記(3)の条件については、CaO源と酸素源を脱燐処理容器内の浴面または浴中の同一位置に供給すること、つまり供給された酸素源によるFeOの生成ポイントにCaO源を同時供給することにより、CaO+FeOの反応による滓化が促進され、この結果、脱燐効率が高められる。
【0035】
図8は、転炉型容器を用いた脱燐処理(脱燐処理終了時の溶銑温度:1280〜1360℃、脱燐処理前の溶銑中Si量:0.07wt%以下)において、CaO源と酸素源を容器内の浴面または浴中の別々の位置に供給した場合(生石灰:上置き添加、気体酸素:上吹き)と、CaO源と酸素源を容器内の浴面または浴中の同一位置に供給した場合(生石灰+気体酸素:上吹き)について、脱燐処理開始時の溶銑温度と脱燐効率との関係を示している。同図によれば、CaO源と酸素源を容器内の浴面または浴中の同一位置に供給する方が、CaO源と酸素源を容器内の浴面または浴中の別々の位置に供給するよりも、相対的に優れた脱燐効率(燐分配Lp)が得られることが判る。
【0036】
また、上記(4)の条件については、媒溶材の一部または全部にCaO源と酸素源を含むFeO−CaO系媒溶材を用いることにより、CaO源と酸素源を容器内の浴面または浴中の同一位置に供給する上記(3)の場合と同等の作用効果が得られる。このFeO−CaO系媒溶材としては、カルシウムフェライト、カルシアとフェライトの混合物の焼結物等を用いることができる。
【0037】
図9は、転炉型容器を用いた脱燐処理(脱燐処理終了時の溶銑温度:1280〜1360℃、脱燐処理前の溶銑中Si量:0.07wt%以下)において、CaO源(媒溶材)として生石灰を用い、このCaO源と酸素源を容器内の浴面または浴中の別々の位置に供給した場合(生石灰:上置き添加、気体酸素:上吹き)と、媒溶材としてFeO−CaO系媒溶材(FeO+CaOの混合焼結物)を用いた場合(媒溶材:上置き添加、気体酸素:上吹き)について、脱燐処理開始時の溶銑温度と脱燐効率との関係を示している。同図によれば、媒溶材としてFeO−CaO系媒溶材を使用する方が、CaO源と酸素源を容器内の浴面または浴中の別々の位置に供給するよりも、相対的に優れた脱燐効率(燐分配Lp)が得られることが判る。
【0038】
また、図5にも示されるように、本発明法は脱燐処理を転炉型容器を用いて行う場合に特に大きな効果が得られる。これは、転炉型容器は取鍋やトーピードに較べてフリーボードが大きいために撹拌動力を大きくすることができ、これにより迅速な滓化とPの物質移動が生じるためである。
【0039】
上述したように本発明の溶銑精錬方法では高い脱燐効率が得られるために、P濃度の高い鉄鉱石等の原料を使用することによって高炉溶銑中のP濃度が高くなっても、従来に較べて処理時間や媒溶材の増大などの負荷を軽減することができ、このため、溶銑成分の変動にも柔軟に対応できる。また、上記のように高い脱燐効率が得られるため、従来法に較べ同一脱燐量におけるスラグ生成量を少なくすることができ、このことによっても従来に較べて溶銑成分の変動に柔軟に対応できる。
【0040】
また、脱燐処理を転炉型容器を用いて行う場合、この転炉型容器に溶銑を装入するに先立ち、当該転炉型容器に装入すべきスクラップの全量を装入すると容易にスクラップが溶解し、脱燐精錬された溶銑の生産量を増加させることができる。本発明の上記精錬法における脱燐精錬、特に転炉型容器による脱燐精錬では脱燐精錬時間を従来より短縮できるので、脱燐精錬を行う転炉に溶銑を装入するに先立ち、装入すべきスクラップの全量を装入することが時間的に可能となる。また、脱燐精錬される溶銑は炭素量が高いためにスクラップを容易に溶解するので、比較的大量のスクラップの装入が可能である。
また、従来の溶銑脱燐銑を用いたレススラグ吹錬(脱炭)では、熱容量不足からスクラップ溶解がほとんどできず、生産弾力性に乏しいという問題があったが、本発明法によれば脱燐処理工程において通常レベルのスクラップ使用量を確保することができる。
【0041】
また、上記のように転炉型容器にスクラップを装入する際に、装入すべきスクラップの一部または全部として、脱燐処理工程及び/又は脱炭処理工程で生成したスラグの磁選屑を用いることができ、これにより溶銑温度が比較的低い場合でもスラグ生成が円滑となり、脱燐精錬終点でのP含有量が安定して低くなる。磁選屑とは、脱燐処理工程、脱炭処理工程において発生したスラグを磁選機にかけて選別した粒鉄等を多く含む部分(通常、Fe:約50wt%程度)である。
【0042】
ところで、取鍋や転炉型容器等の精錬容器で溶銑の脱燐精錬を行ない、この脱燐精錬された溶銑を他の転炉型容器に移して脱炭精錬を行なう製鋼法では、発生するスラグ量を従来に較べて減少させることができるが、最近の傾向として製鋼スラグ量のさらなる低減化が望まれている。この点、例えば上述した特公平2−14404号公報では、脱炭精錬で発生するスラグを脱燐精錬で使用することにより、製鋼プロセス全体で発生するスラグ量を減少させる技術を開示しているが、これだけでは最近の製鋼スラグ発生量の低減化の要求に十分応えることはできない。
【0043】
また、脱炭精錬においては、高価なマンガン合金の使用を節約するためにマンガン鉱石を装入し、これを還元して溶鋼中のMn含有量を高めることが一部実施されているが、マンガン鉱石中のMnの溶鋼への還元歩留りは必ずしも十分とは言えない現状にある。例えば、上記特公平2−14404号公報が開示する技術では、脱炭精錬で発生するスラグに含まれているMnOを有効に利用することなく系外に排出している。その結果、脱炭精錬で新たに造滓材を添加することによりスラグ中のMnOを希釈しており、このことが装入したマンガン鉱石中のMnの溶鋼への還元歩留りを低下させる要因の1つとなっている。
【0044】
このような問題に対して、本発明法に従いSi量を十分に低減化した溶銑に対して高効率の脱燐処理を実施することにより、溶銑を通常の粗鋼成分のP含有量(所謂鋼の成分規格値、通常0.02wt%以下)まで脱燐精錬し、続く脱炭処理工程においては実質的に造滓材を装入することなく(したがって、定常的にスラグを排出することなく)、且つ実質的に脱炭精錬のみを行なうことにより、製鋼スラグ発生量のさらなる低減化と精錬効率の向上を図ることができることが判った。
【0045】
以下に、このような製鋼法を適用する場合における本発明法の好ましい実施態様を示す。
[1] 脱燐処理を下記(a)の条件で行い、次いで下記(b)の条件で脱炭処理を行なう精錬方法。
(a)本発明法に従い、第1の精錬容器において溶銑を粗鋼で要求されるP含有量(鋼の成分規格値)以下に脱燐精錬する。
(b)前記脱燐精錬された溶銑を第2の精錬容器である転炉型容器に装入し、実質的に造滓材を装入することなく脱炭精錬する。
【0046】
[2] 上記[1]の精錬方法において、脱炭処理工程では、脱炭精錬後の溶鋼を出鋼するとともに、該脱炭精錬中に増加したスラグ量に相当するスラグのみを必要に応じて排出する。
[3] 上記[1]または[2]の精錬方法において、脱炭精錬を行う転炉型容器内にマンガン鉱石を装入し、脱炭精錬終点における溶鋼中のMn含有量を、粗鋼で要求されるMn規格値の上限以内において高める。
[4] 上記[3]の精錬方法において、装入されるマンガン鉱石に含まれるSiO量に応じ、所定の塩基度(CaO/SiO)が確保されるようCaOを含む造滓材を装入する。
【0047】
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかの精錬方法において、脱炭精錬を行う転炉型容器内に脱燐精錬された溶銑を装入するに先立ち、当該転炉型容器内にスラグ固化剤を装入する。
[6] 上記[5]の精錬方法において、スラグ固化剤として軽焼ドロマイト及び/又は生ドロマイトを用いる。
[7] 上記[1]〜[6]のいずれかの精錬方法によるチャージを、一連の精錬操業において80%以上の割合で実施する。
【0048】
また、上記[1]〜[7]の実施態様は、特に脱燐処理を転炉型容器で行なうこと、つまり異なる転炉型容器において脱燐精錬と脱炭精錬を順次行うことが最も効率的であり、この場合の好ましい実施態様は以下の通りである。
[8] 上記[1]〜[7]のいずれかの精錬方法において、脱燐処理を行なう第1の精錬容器として転炉型容器を用いるとともに、該転炉型容器に溶銑を装入するに先立ち、当該転炉型容器内に装入すべきスクラップの全量を装入する。
【0049】
[9] 上記[8]の精錬方法において、装入すべきスクラップの一部または全部として、脱燐処理工程及び/又は脱炭処理工程で生成したスラグの磁選屑を用いる。
[10] 上記[8]または[9]の精錬方法において、脱炭精錬を脱燐精錬時間以内で行う。
以下、上記[1]〜[10]の精錬方法を実施する理由ないし作用効果について説明する。
【0050】
上記[1]の方法: 本発明法に従いSi量を十分に低減化した溶銑に対して高効率の脱燐処理を実施することにより、溶銑は粗鋼のP含有量(鋼の成分規格値)まで容易に脱燐精錬されるので、引き続き行われる脱炭精錬においてはPを精錬するための焼石灰等の造滓材を装入する必要がなく、その分スラグ発生量を低減できるとともに、脱炭精錬を極めて簡素化でき、精錬時間も短縮できる。したがって、全体として製鋼能率を向上させることができる。
【0051】
上記[2]の方法: 脱炭精錬においては実質的に造滓材を装入しないが、溶銑装入に先立ち軽焼ドロマイト等を炉体寿命延長のために装入することがあるので、スラグ量がある程度増加することがある。このような場合には必要に応じて増加した分の炉内スラグを排出する。
【0052】
上記[3]の方法: 高炉溶銑のMn含有量は通常0.2〜0.3wt%であり、脱燐精錬された溶銑のMn含有量は通常0.15〜0.25wt%である。また、脱炭精錬においても同程度である。一方、粗鋼のMn含有量(規格値)は鋼種によって異なるが、低炭素鋼では例えば0.40〜0.60wt%、高マンガン鋼では例えば1.0〜1.2wt%である。従来の精錬法では、脱炭処理工程においても実質的な脱燐精錬が行われるため、スラグ中のFeO濃度を高くする必要がある。また、造滓材も添加するためスラグ中のMnO濃度が稀釈化される。したがって、脱炭処理工程においてマンガン鉱石を装入しても十分なMn歩留まりが得られず、このため脱燐精錬後の出鋼時において高価なマンガン合金を添加して規格値としている。
【0053】
これに対して本発明の上記精錬法では、脱炭処理工程において実質的な脱燐精錬を行う必要がないためにスラグ中のFeO濃度を高くする必要がなく、また、実質的に新たな造滓材を添加しないためスラグ中のMnO濃度を高く維持することができる。このためマンガン鉱石を装入しても効率よく還元されて高いMn歩留まりが得られる。したがって、マンガン鉱石の装入により溶鋼中のMn含有量を粗鋼のMn含有量の上限値(Mn規格値)まで高めておくことができ、より経済的な精錬操業が可能となる。
【0054】
上記[4]の方法: 通常、マンガン鉱石は10wt%以下のシリカ(SiO)を含んでいるので、マンガン鉱石の装入量が多い場合にはスラグの塩基度(CaO/SiO)が低下する。そこで、CaOを含む造滓材を装入することにより溶銑への復燐を防止し、併せて炉体の溶損を抑制する。
上記[5]の方法: 脱炭精錬を行う転炉型容器内に脱燐精錬された溶銑を装入するに先立ち、転炉型容器内にスラグ固化剤を装入しておくと、脱燐溶銑を装入した際の溶銑の突沸現象を抑える作用があり、安全な操業が担保される。
【0055】
上記[6]の方法: スラグ固化剤としては、煉瓦屑、焼石灰、軽焼ドロマイト、生ドロマイト等を用いることができるが、その中でも溶解性、経済性、更には炉体寿命を延長できる点から軽焼ドロマイト及び/又は生ドロマイトが最も望ましい。
【0056】
上記[7]の方法: 溶銑中のMn及びマンガン鉱石中のMnの還元歩留は、1日の全チャージに対する本発明の上記精錬法の実施チャージ数によって大きく変化し、本発明による上記精錬法の実施チャージ数を全チャージ数の80%以上の割合とすれば、Mn歩留まり(転炉に装入した全Mn量(=スラグ中のMn量とマンガン鉱石中のMn量の合計)に対する出鋼された溶鋼中のMn量の比(%))が、約60%以上となるため好ましい。なお、他のチャージ(全チャージ数の20%未満のチャージ)については、通常の精錬法(脱燐精錬と脱炭精錬を同一吹錬において行う精錬操業)で行ってよい。
【0057】
上記[8]の方法: 脱燐精錬を行う転炉型容器に溶銑を装入するに先立ち、その転炉型容器内に装入すべきスクラップの全量を装入すると容易にスクラップが溶解し、脱燐精錬された溶銑の生産量を増加させることができる。本発明の上記精錬法における脱燐精錬、特に転炉型容器による脱燐精錬では脱燐精錬時間を従来より短縮できるので、脱燐精錬を行う転炉に溶銑を装入するに先立ち、装入すべきスクラップの全量を装入することが時間的に可能となる。また、脱燐精錬される溶銑は炭素量が高いためにスクラップを容易に溶解するので、比較的大量のスクラップの装入が可能である。また、従来の溶銑脱燐銑を用いたレススラグ吹錬(脱炭)では、熱容量不足からスクラップ溶解がほとんどできず、生産弾力性に乏しいという問題があったが、本発明法によれば脱燐処理工程において通常レベルのスクラップ使用量を確保することができる。
【0058】
上記[9]の方法: 脱燐精錬において装入すべきスクラップの一部または全部として、脱燐精錬及び/又は脱炭精錬で生成したスラグを磁選して得られた磁選屑を用いることにより、溶銑温度が比較的低い場合でもスラグ生成が円滑となり、脱燐精錬終点でのP含有量が安定して低くなる。
上記[10]の方法: 脱炭精錬を脱燐精錬時間内において行うことにより、脱燐精錬された溶銑を待ち時間なしに脱炭精錬することができ、製鋼能率を向上させることができる。
【0059】
以下に、上述した[1]〜[10]の精錬法の詳細を、好ましい実施形態に基づいて説明する。
なお、以下は脱燐精錬を転炉型容器を用いて行う場合を例に説明するが、脱燐精錬は取鍋、トピードまたは特別に設計した精錬容器で行ってもよい。
通常、転炉型容器で行われる脱燐精錬では、溶銑装入後、ランス等から酸素を吹錬するとともに、造滓材として所定量の焼石灰等を装入してCaO、SiO、FeO等を主成分とするスラグを生成させ、溶銑からPを除去する。そして、溶銑の脱燐精錬終了後、倒炉して出鋼口を介して取鍋に出湯を行う。
【0060】
従来の溶銑の脱燐精錬の概要(一例)を図10に示す。この例では、転炉型容器内へのスクラップ装入に続いて、例えば溶銑340tonを装入した後、さらに、造滓材としての焼石灰(6ton/ch),ホタル石(0.6ton/ch)、必要に応じて生ドロマイト等を装入しながら、酸素吹錬を約13分間行う。その後、溶銑とスラグの分離を行うためにリンスを3分間程度行う。さらにその後、スラグフォーミングの鎮静化のために約4分間待ち、しかる後出湯する。図に示す例では脱燐精錬時間は約36分である。
【0061】
本発明の上記精錬法により340ton転炉型容器を用いて行われる脱燐精錬の概要(一例)を図11に示す。また、この本発明による精錬と上記従来例について、脱燐精錬前後および脱炭精錬前後での溶銑の成分組成を表1に、精錬時間配分を表2にそれぞれ示す。表1に示すように従来例では脱燐処理前の溶銑のSi含有量は0.3〜0.5wt%程度であるのに対して、本発明による精錬では脱燐処理前の溶銑のSi含有量は0.07wt%以下である。
【0062】
【表1】
Figure 0004356275
【0063】
【表2】
Figure 0004356275
【0064】
本発明による精錬では、Si含有量が0.07wt%以下の溶銑を脱燐精錬するため、表1に示すようにスラグ量は従来例(40〜50kg/ton)よりも少なく、10kg/ton以下である。
また、本発明による精錬では、従来例より塩基度が高く且つより少ないスラグ量で脱燐精錬を行っているにもかかわらず、Pが通常粗鋼で要求されている成分規格値:0.02wt%以下に精錬されている。このため続く脱炭精錬においては実質的な脱燐精錬が行われる必要がない。
【0065】
また、表2に示されるように本発明による精錬では、スラグ量が少ないために脱燐精錬中におけるスラグフォーミングも少なく、このため鎮静時間(従来例では4分)を必要とせず、また、出鋼後の排滓時間を従来の3.1分から1.0分に短縮できた。このため脱燐精錬時間は従来の36分から29分に短縮でき、脱炭精錬時間(29分)と同程度となった。これに対して従来例の脱燐精錬時間は36分であり、仮に脱炭精錬時間が上記と同じ29分であるとすると、脱炭精錬を行う転炉型容器は約7分間の非稼働時間を生じることになる。
【0066】
なお、通常の脱燐精錬においては溶銑中のPがスラグ中のFeOと反応してスラグに吸収され、溶銑中のPが除去される。したがって、このような脱燐反応を促進するためにはスラグ中のFeO濃度を高くする必要があり、このため図11に示すように脱燐吹錬中期に鉄鉱石やミルスケールを装入することが好ましい。また、スラグフォーミングを抑制するために、図11に示すように必要に応じて適量(例えば、0.5ton/ch程度)のコークスが装入される。
また、脱燐処理においては、脱燐精錬を効率化し且つ精錬時間の短縮化を図るため、スラグの塩基度を1.5〜5程度とすることが好ましい。
【0067】
上記脱燐精錬された溶銑は他の転炉型容器に移され、引き続き脱炭精錬される。本発明による精錬法において300ton転炉型容器を用いて行った脱燐精錬の概要(一例)を図12に示す。
本発明の上記精錬法では、脱炭処理工程は基本的に脱炭精錬のみを目的とするため、吹錬する酸素量を多くすることが好ましい。また、溶銑のP含有量は既に規格値(0.02wt%)以下となっているため、従来多く使用している焼石灰等の造滓材は、一連の操業における最初のチャージ以外は原則として装入しない。
【0068】
したがって、上記脱炭精錬においてはスラグの増加は少ない。但し、この脱炭精錬では溶銑装入に先立って軽焼ドロマイト等を炉体寿命延長のために装入することがあるので、スラグ量がある程度増加することがある。このような場合には必要に応じて炉内スラグを排出する。その結果、表1に示すように炉内に生成するスラグ量は10〜30kg/ton程度であり、従来例(25〜35kg/ton)に較べてかなり少ない。しかも、スラグは出鋼後においても原則として炉内に残留させるため、排出するスラグ量は従来例(20〜30kg/ton)と較べて大きく減少する。
【0069】
本発明の上記精錬法における脱炭精錬では、マンガン鉱石を可能な範囲で装入することが好ましい。
先に述べたように従来の精錬法では、脱炭処理工程においても実質的な脱燐精錬が行われるため、スラグ中のFeO濃度を高くする必要がある。また、造滓材も添加するためスラグ中のMnO濃度が稀釈化される。したがって、脱炭処理工程においてマンガン鉱石を装入しても十分なMn歩留まりが得られず、このため脱燐精錬後の出鋼時において高価なマンガン合金を添加して規格値としている。
【0070】
これに対して本発明の上記精錬法では、脱炭処理工程において実質的な脱燐精錬を行う必要がないため、スラグのFeO濃度を高くする必要がなく、加えて、実質的に新たな造滓材を添加しないためスラグ中のMnO濃度を高く維持することができる。このため脱炭処理工程でマンガン鉱石(例えば、Mn:約50wt%、Fe:約10wt%以下、SiO:約10wt%以下)を装入しても効率よく還元されて高いMn歩留まりが得られる。したがって、マンガン鉱石の装入により溶鋼のMn含有量を、粗鋼のMn含有量の上限値(Mn規格値)まで高めておくことができ、より経済的に精錬操業が可能となる。
【0071】
マンガン鉱石は高価なマンガン合金の添加量を最小限にするために、必要な限度でなるべく多量に装入することが好ましい。上述したように本発明の精錬法では、脱炭精錬におけるスラグのFeO濃度が低く、且つスラグのMnO濃度は吹錬前から高く維持されているので、装入したマンガン鉱石の大部分が還元され、高いMn歩留まりが得られる。
【0072】
しかし、通常マンガン鉱石は10wt%以下のシリカ(SiO)を含んでいるため、マンガン鉱石の装入量が多いとスラグの塩基度(CaO/SiO)が低下するおそれがあり、この場合には焼石灰等のようなCaOを含む造滓材を装入し、溶鋼への復燐を防止するとともに、炉体の溶損を抑制することが好ましい。
【0073】
さらに、本発明の上記精錬法における脱炭精錬では、脱炭精錬を行う転炉型容器内に脱燐精錬された溶銑を装入するに先立ち、当該転炉型容器内にスラグ固化剤を装入することが好ましい。スラグ固化剤は脱燐溶銑を装入した際に溶銑の突沸現象を抑える作用があり、これにより操業の安全性が確保される。スラグ固化剤としては、煉瓦屑、焼石灰、軽焼ドロマイト、生ドロマイト等の1種または2種以上を用いることができる。
【0074】
また、上記のスラグ固化剤の中でも、溶解性、経済性、さらには炉体寿命を延長できるという点から、軽焼ドロマイトと生ドロマイトが特に好ましい。すなわち、スラグ固化剤として軽焼ドロマイト及び/又は生ドロマイトを添加すると、これらが脱炭精錬中において十分にスラグに溶解し、MgO濃度を高める作用がある。また、このようなスラグはスラグ自体がMgOを溶解度限まで含有しているため、マグネシヤ(MgO)煉瓦からなる炉体煉瓦の損耗を抑制し、炉体寿命を延長させる効果がある。
【0075】
さらに、脱炭精錬においては、溶鋼の出鋼後において炉体を傾動し、炉内に残留させたスラグを炉体内張り煉瓦に付着させる、所謂スラグコーティングを行うことが好ましい。このスラグコーティングは炉体寿命の延長に大きく貢献し、この結果、脱炭精錬用の転炉型容器は脱燐精錬用の転炉型容器と同等の炉体寿命を維持できる。
【0076】
また、このスラグコーティングにより脱炭精錬用の転炉型容器から排出されるスラグは最大でも約10kg/tonであり、少ない場合には全く排出しない。既に述べた通り、脱燐精錬で発生するスラグ量も10kg/ton以下であり、その一部はリサイクルできるので、粗鋼1ton当たり外部に排出するスラグ量は約20kg/ton以下にできる。
なお、先に述べたように脱燐精錬を行うため精錬容器としては、取鍋やトピード、或いは特別に設計した精錬容器であってもよいが、反応速度が最も速く、高効率の脱燐精錬を行うことができるという点で転炉型容器が最も好ましい。
【0077】
また、本発明の精錬法によるチャージを、一連の精錬操業において80%以上の割合で実施することにより、Mn歩留まりが約60%以上となるので特に望ましい。すなわち、マンガン鉱石中のMnの還元歩留は、1日の全チャージに対する本発明の精錬法の実施チャージ数によって大きく変化し、本発明の上記精錬法の実施チャージ数が全チャージ数の80%以上の割合になると、約60%以上のMn歩留まりを得ることができるので好ましい。
【0078】
図13は、最終の鋼成分がC:0.03〜0.06wt%、Mn:0.30〜0.50wt%の低炭素鋼を溶製するに際して、C:約4wt%、Mn:0.15〜0.25wt%の脱燐溶銑を使用して脱炭精錬を実施した一連の操業において、全チャージ数(1日の全チャージ数:約40チャージ)に対する本発明の精錬法の実施チャージ数の割合とMn歩留まりとの関係を示している。なお、この脱炭精錬においてはマンガン鉱石を2.6〜4.9kg/ton(溶銑)装入した。
図13によれば、1日の全チャージ数に対する本発明の精錬法の実施チャージ数の割合が増加するにしたがってMn歩留まりが向上し、特にその割合が80%以上となるとMn歩留まりが最大(約60〜80%)となることが判る。
【0079】
本発明の精錬法の実施チャージは、全チャージ数に対してどうのような態様で実施してもよい。例えば、本発明による精錬を5チャージ連続して実施し、次に通常の精錬操業(脱燐精錬と脱炭精錬を同一転炉型容器で行う精錬操業であって、マンガン鉱石を装入しないチャージ)を5チャージ連続実施する操業を1日4回繰り返す等の態様を採り得る。
【0080】
本発明の上記精錬法では、転炉型容器による脱燐精錬での精錬時間を従来より短縮できるので、脱燐精錬を行う転炉型容器に溶銑を装入するに先立ち、装入すべきスクラップの全量を装入することが時間的に可能となる。また、脱燐精錬される溶銑は炭素量が高いためにスクラップを容易に溶解するので、比較的大量のスクラップの装入が可能である。但し、スクラップの装入量は熱バランスの点から溶銑量の約10wt%以内とすることが好ましい。スクラップの装入は脱燐精錬溶銑の生産量を増加させる。
【0081】
また、上記スクラップの一部または全部として、脱燐処理工程及び/または脱炭処理工程において発生したスラグの磁選屑を用いることができる。磁選屑とは、脱燐処理工程、脱炭処理工程において発生したスラグを磁選機にかけて選別した粒鉄等を多く含む部分(通常、Fe:約50wt%程度)である。この磁選屑は溶解したスラグを約50wt%程度含むので、溶銑温度が低い場合でもスラグ生成が円滑となり、脱燐精錬終点のP含有量を安定的に低減させることができる。
【0082】
また、本発明の精錬法においては、脱炭精錬は脱燐精錬時間以内において行うことができるので、脱炭精錬溶銑は待ち時間なしに脱炭精錬を行うことができ、製鋼能率を向上させることができる。
なお、以上述べた本発明法において用いられる転炉型容器(脱燐処理用の転炉型容器、脱炭処理用の転炉型容器)とは、上吹き型転炉、底吹き型転炉、上底吹き型転炉等が含まれ、また、これ以外に横吹き型転炉も使用可能である。
【0083】
【実施例】
[実施例1]
300t転炉を用いて高炉溶銑の脱燐処理を実施した。この脱燐処理では転炉への溶銑装入後、所定量の造滓材を添加し、上吹きランスから酸素吹錬を行った。なお、脱燐処理は本発明例、比較例とも同一処理時間で実施した。
比較例では出銑された溶銑(Si量:0.19wt%)を脱珪処理することなく脱燐処理を実施し、一方、本発明例では出銑された溶銑を脱珪処理してSi量を0.07wt%以下とした後、脱燐処理を実施した。本発明例で行った脱珪処理では、鋳床脱珪の場合は脱珪材として酸化鉄(ミルスケール)を添加し、また、鍋脱珪(溶銑鍋)の場合は、処理前後の温度調整を考慮し、脱珪材として気体酸素と固体酸素(酸化鉄)を併用した。
【0084】
表3はその結果を示しており、溶銑中のSi量を0.07wt%以下に低減させた上で脱燐処理を行った本発明例は、比較例に較べて脱燐効率が飛躍的に改善されていることが判る。
また、鋳床脱珪と鍋脱珪を行うことで脱燐処理前の溶銑中Si量が十分に低減させた本発明例2では、特に優れた脱燐効率が得られている。
【0085】
【表3】
Figure 0004356275
【0086】
[実施例2]
低炭素鋼(C:0.1wt%未満)、中炭素鋼(C:0.1〜0.2wt%)、高炭素鋼(C:0.2wt%超)をそれぞれ50チャージ製造した。溶銑は脱燐処理前に取鍋脱珪または鋳床脱珪−取鍋脱珪によりSi:0.07wt%以下に脱珪処理した。製造過程における溶銑の成分組成を表4および表5に示す。
表4及び表5によれば、脱燐処理前の溶銑のSi含有量を0.07wt%以下とすることにより、粗鋼のP含有量は脱燐処理終了時でいずれも0.02wt%以下に精錬されている。また、粗鋼のMn含有量はマンガン鉱石の装入量に応じて高めることができた。
【0087】
【表4】
Figure 0004356275
【0088】
【表5】
Figure 0004356275
【0089】
【発明の効果】
以上述べたように本発明法によれば、脱炭精錬前に行われる脱燐精錬の効率を従来に較べて飛躍的に高めることができ、このため脱燐精錬の処理時間の短縮化と精錬コストの低減化を図ることができる。
また、請求項8に記載の本発明法によれば、従来法に較べ製鋼スラグ発生量のさらなる低減化が可能であり、しかも精錬処理をより高効率に行うことができる。また、精錬工程においてマンガン源としてマンガン鉱石を使用できるため、極めて経済的な製鋼が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Si量が0.19wt%と0.05wt%の溶銑をそれぞれ脱燐処理した場合の脱燐の推移を示すグラフ
【図2】脱燐処理前の溶銑中のSi量が脱燐効率に及ぼす影響を示すグラフ
【図3】取鍋内脱珪と鋳床脱珪において、脱珪処理後の溶銑中のSi量と脱珪酸素効率との関係を示すグラフ
【図4】取鍋内脱珪の実施状況の一例を示す説明図
【図5】本発明法における脱燐処理開始時の溶銑温度と脱燐効率との関係を示すグラフ
【図6】本発明法における脱燐処理開始時の溶銑温度と脱燐精錬スラグ中への鉄ロスとの関係を示すグラフ
【図7】本発明法における脱燐処理終了時の溶銑温度と脱燐効率との関係を示すグラフ
【図8】本発明法において、CaO源と酸素源を容器内の浴面または浴中の別々の位置に供給した場合と同一位置に供給した場合について、脱燐処理開始時の溶銑温度と脱燐効率との関係を示すグラフ
【図9】本発明法において、媒溶材として生石灰を用い、且つこのCaO源と酸素源を容器内の浴面または浴中の別々の位置に供給した場合と、CaO源+酸素源としてFeO−CaO系媒溶材を用いた場合について、脱燐処理開始時の溶銑温度と脱燐効率との関係を示すグラフ
【図10】従来の精錬法における脱燐精錬工程の一例を示す説明図
【図11】本発明の精錬法における脱燐精錬工程の一例を示す説明図
【図12】本発明の精錬法における脱炭精錬工程の一例を示す説明図
【図13】一連の操業の全チャージ数に対する本発明の精錬法による実施チャージ数の割合とMn歩留まりとの関係を示すグラフ

Claims (7)

  1. 転炉型容器において溶銑にCaO源と酸素源を添加して脱燐処理を行うに際し、転炉型容器に装入すべきスクラップの一部または全部として、脱燐処理工程及び/又は脱炭処理工程で生成したスラグの磁選屑を用い、且つSi量が0.07質量%以下の溶銑に対して脱燐処理を行うとともに、CaO源を気体酸素とともに浴面に上吹きすることにより、CaO源と酸素源を脱燐処理容器内の浴面の同一位置に供給することを特徴とする溶銑精錬方法。
  2. 溶銑を脱珪処理してSi量を0.07質量%以下とし、しかる後、脱燐処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の溶銑精錬方法。
  3. 脱燐処理開始時の溶銑温度が1280℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶銑精錬方法。
  4. 脱燐処理終了時の溶銑温度が1280〜1360℃であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の溶銑精錬方法。
  5. 溶銑の脱珪処理として、少なくとも取鍋内での脱珪処理を行ない、該取鍋内での脱珪処理では脱珪材として少なくとも気体酸素を供給し、且つ該気体酸素の供給を溶銑への吹き付け及び/又は溶銑内への吹き込みにより行うことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の溶銑精錬方法。
  6. 溶銑の脱珪処理として、少なくとも取鍋内での脱珪処理を行ない、該取鍋内での脱珪処理では脱珪材として気体酸素及び/又は固体酸素源を供給し、これら気体酸素及び/又は固体酸素源の供給量の調整により溶銑温度の調整を行うことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の溶銑精錬方法。
  7. 脱燐処理を下記(a)の条件で行い、次いで下記(b)の条件で脱炭処理を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の溶銑精錬方法。
    (a)精錬容器において溶銑を粗鋼で要求されるP含有量(鋼の成分規格値)以下に脱燐精錬する。
    (b)前記脱燐精錬された溶銑を他の精錬容器である転炉型容器に装入し、造滓材を装入することなく脱炭精錬する。
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