JPH0437132B2 - - Google Patents

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JPH0437132B2
JPH0437132B2 JP2682487A JP2682487A JPH0437132B2 JP H0437132 B2 JPH0437132 B2 JP H0437132B2 JP 2682487 A JP2682487 A JP 2682487A JP 2682487 A JP2682487 A JP 2682487A JP H0437132 B2 JPH0437132 B2 JP H0437132B2
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JP
Japan
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furnace
dephosphorization
hot metal
amount
slag
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JP2682487A
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Katsuhiko Arai
Nobuhide Aoki
Yoshio Watanabe
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〈産業上の利用分野〉 この発明は、全製鋼工程を通じての生石灰使用
量を極力抑えつつ高能率脱燐を行うと共に、Fe
分ロスやMnロス少なく、かつ良好な作業性の下
で品質の良い低燐低炭素鋼を安定して溶製する方
法に関するものである。 〈従来技術とその問題点〉 近年、各種鋼材に対する品質要求は日増しに高
度化しており、これにともなつて製鋼法にも各種
の工夫が試みられ、様々な新しい手法が導入され
てきた。 このような中にあつて、最近、低燐鋼をより一
層低いコストで安定溶製する手段の開発に大きな
期待が寄せられるようになり、その実現に向けて
多くの研究が積み重ねられている。 ところで、製鋼トータルコストのミニマム化や
低燐鋼の安定溶製に関しては、従来、次のような
溶銑の予備脱燐法が提案され、一部実用化もなさ
れている。即ち、 トーピードカー内の溶銑に生石灰系の脱燐剤
又はソーダ灰をインジエクシヨンすることで予
備脱燐を行う方法、 取鍋内の溶銑に生石灰系のフラツクスをイン
ジエクシヨンしたりブラステイング(吹き付
け)することで予備脱燐を行う方法、 高炉鋳床樋中で溶銑に生石灰系のフラツクス
をブラステインブして予備脱燐を行う方法。 しかしながら、前記)及び)の方法による
と比較的低い到達P含有量レベルを達成すること
はできるが、脱燐を“脱燐剤の浮上過程で進行す
る反応(トランジトリー・リアクター・リアクシ
ヨン)”に頼るため脱燐フラツクスの利用効率が
必ずしも良くなく、また処理時間が長くかかる分
だけ処理時の抜熱が大きくなつて溶銑温度が低下
すると言う問題があり、一方、前記)の方法で
は処理後の溶銑温度を先の2つの方法より高く保
つことができるが、脱燐処理が高炉から出銑され
た直後の溶銑に施される関係上、脱燐処理温度が
高過ぎて到達P含有量レベルそのものが前記)
及び)の方法よりも悪くなるとの不都合があつ
て何れも決して満足できるものではなかつた。 その上、溶銑脱燐フラツクスとして生石灰等を
用いる場合には、その後の転炉吹錬で使用される
生石灰等の量をも合わせて考えると、前記いずれ
の方法によつても“該予備脱燐工程を省いて転炉
のみでの脱燐を行う方法”に比べて必要造滓剤量
(生石灰等の量)はそれほど大きく低減されない
ことも指摘されていたのである。 そこで、“製鋼コストに大きく影響する造滓剤
使用量を極力抑えることが可能で、しかも格別に
新規な設備を必要とすることなく品質の良好な鋼
を高能率生産し得る方法を開発すること”の必要
性を強く認識した本出願人は、 「全製鋼工程を通じての造滓剤の必要量はスラ
グとメタルとを向流的に接触させる“スラグ−メ
タル向流精錬”によるときが最も少なくて良い
が、実際上は該向流精錬の完全な実現は殆ど不可
能であり、現状において最も労少なく造滓剤の使
用量を抑え得る可能性を秘めた製鋼手段として挙
げ得るものは、脱燐工程を2段階に分割してその
下工程で発生するスラグを上工程の脱燐剤として
使用する方法(即ち、溶銑脱燐用フラツクスの主
成分として転炉滓を用いる方法であつて、例えば
本出願人が先に特公昭55−30042号として提案し
たところの“転炉滓を炉外精錬での溶銑脱燐フラ
ツクスとして再利用する方法”に代表されるも
の)である」 との基礎的研究結果を踏まえ、しかも 「これまでに提案された転炉滓再利用による製
鋼法は、炉外精錬を併用することもあつて効率の
良い作業条件を安定して確保するのが非常に困難
である上、脱燐効率も期待されるほどには高くな
く、また量産のためには格別の排ガス集塵機や脱
燐スラグの排滓設備を必要とするなど、高品質鋼
の量産手段としては今一歩躊躇されるものでしか
ない」 と言う実作業上の問題点にも着目した上で、次に
示す如き新規な製鋼方法を提案した(特願昭61−
132517号)。 即ち、第3図に示したように、 『上下両吹き機能を有した2基の転炉形式の炉
を使用すると共に、そのうちの一方を脱燐炉1、
他方を脱炭炉2とし、脱燐炉1内へ注入した溶銑
3に脱炭炉2で発生した転炉滓4を主成分とする
精錬剤の添加を行い、攪拌ガス吹き込みノズル5
による底吹きガス攪拌を実施しつつランス6より
酸素ガスを上吹きして脱燐炉1の溶銑3の温度を
1400℃以下に保ちながら溶銑脱燐を行つた後、得
られた脱燐溶銑を脱炭炉2にて脱炭する方法』で
ある。そして、この方法によると、極めて少ない
量の造滓剤でもつて通常燐レベルの鋼或いは低燐
鋼を作業性良く低コストで製造することが可能と
なつた。 なお、上記方法による利点の主なものを具体的
に列挙すると次の通りである。 転炉滓を溶銑脱燐フラツクスとして用いる
“2段向流精錬”であるため、全製鋼工程での
生石灰使用量が従来法に比べて大幅に減少し、
低燐鋼を極めて少ない生石灰量で吹錬すること
を可能とする。 精錬剤に主として熱滓を用いることができる
ため副原料からの水分を除去でき、従つて鋼中
水素を低減できる。 転炉滓中のFeOの有効利用がなされ、粒鉄や
地金の回収率が向上する。 一般に、脱炭炉でマンガン鉱石や鉄マンガン
鉱石を使用した場合にはこれらの約半分はMn
にまで還元されずに酸化物としてスラグ中に残
るが、この発明の方法においては、該スラグを
溶銑脱燐フラツクスとして再使用するので上記
残留鉱石の有効利用がなされ、溶銑における
“[Mn]ロスの軽減”或いは“[Mn]上昇”に
役立つ。 使用する炉が転炉形式の炉であるので、例え
ば脱燐炉の場合でも、出鋼口から脱燐銑のみを
鍋中へ出銑してから炉内のスラグを溶滓鍋に排
出でき、他の脱燐法におけるよりも除滓が簡単
である。 使用する炉が上下両吹き機能を有した転炉形
式の炉であるので溶銑の強攪拌が出来て短時間
処理が可能となり、従つて抜熱量が少なく、他
の脱燐処理法に比して熱経済上極めて有利であ
る。特に溶融転炉滓を用いる場合にはその顕熱
分だけ更に熱経済的に有利となる。 脱燐炉で発生するスラグは、遊離石灰が少な
い(フリーのCaOが1%以下)ので路盤材とし
ての有効利用も可能である。 使用する炉が2つであるので、炉体に付着す
るP2O5に起因した脱燐不良の懸念は全くない。
つまり、脱燐炉では高P2O5のスラグが、そし
て脱炭炉では低P2O5スラグしか付着しないの
で脱炭炉での脱燐不良が起こらない。 しかも、溶融転炉滓を使用する場合には、脱
燐炉では溶銑を装入した後に転炉滓が入れられ
るので、急激な爆発的反応が起きる心配がな
い。 底吹きガス攪拌を行いつつ脱燐を行うので、
従来の溶銑脱燐法の場合のように脱燐剤を粉状
近くにまで細かく粉砕しておく必要がなく、そ
の分のコスト低減が可能となる。 遊休転炉がある場合には、これを直ちに脱燐
炉として使うことが出来、格別な設備を準備す
る必要がない。また、例えば転炉1/2基操業を
行つている工場の場合には、一方の炉を脱燐炉
とし、転炉2/2基操業のような形で設備投資な
くこの発明の実施が可能である。そして、レン
ガ寿命のために何れか一方を築炉する必要が生
じた場合にはこの間だけ転炉1基のみで従来の
転炉吹錬を行つて遊休炉を出さない方策も講じ
られ、非常に柔軟性に富んだ精錬が可能であ
る。 このように、本出願人が先に提案した“転炉形
式の2基の炉を使用する製鋼方法”には極めて多
くの利点があり、特に低燐鋼の製造手段として優
れた効果を得られるものであつたが、その後の多
くの実際操業を通じた更なる検討の中から、「該
方法には従来法に比べての利点が十分に確認され
はするものの、数多くの操業実績を仔細に分析す
ると“脱燐精錬終了後の溶銑(脱燐溶銑:脱炭炉
に注銑する溶銑)の温度と炭素含有量の何れかが
目標とする値からばらつく傾向にある”のが目に
付き、従つて次工程の脱炭精錬に好適な溶銑条件
を安定して得ると言う点では今一つ改善の余地が
残されている」との問題が認識されるに至つたの
である。 〈問題点を解決する手段〉 そこで本発明者等は、前記“転炉形式の2基の
炉を使用する製鋼方法”によつてもたらされる利
点をそのままに、これに加えて温度や炭素濃度等
の“脱燐溶銑の最終状態”を更に安定化し、脱炭
炉による一層有利な精錬作業を可能とすべく研究
を行つたところ、 「脱炭炉での精錬の際に鉄鉱石やMn鉱石等を
添加してこれらFe分やMn分の有効利用を図るた
めには、脱燐炉からの脱燐溶銑の温度が1300℃以
上と高く、かつ炭素濃度も4.0%以上と高い方が
極めて有利であるが、脱燐溶銑の温度を高く保つ
には吹き込み酸素ガス(気酸)量を多くすること
が必要であるのに対して、炭素濃度の維持には気
酸量の増強は出来るだけ避ける必要がある。しか
も、単に溶銑の温度を高めることは脱燐率の低下
を招くことにもつながる。しかしながら、脱燐炉
での精錬に要する酸素を“気酸”と“固酸(鉄鉱
石等の如き固体形態の酸素)”とに分けて送給す
ると共に、溶銑温度に応じて両者の配分を適宜に
調節すると、十分な脱燐率が確保されたままで高
温・高炭素濃度の脱燐溶銑が安定して得られるよ
うになる」 との知見が得られたのである。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
であり、 上下両吹き機能を有した2基の転炉形式の炉の
うちの一方を脱燐炉、他方を脱炭炉とし、前記脱
燐炉内へ注入した溶銑に前記脱炭炉で発生した転
炉滓を主成分とする精錬剤を添加して底吹きガス
攪拌を行いつつ酸素ガスを上吹きすることにより
溶銑温度を1400℃以下に保ちながら溶銑脱燐を行
つた後、得られた脱燐溶銑を脱炭炉に注銑して脱
炭精錬する工程にて鋼を製造するに際し、脱燐炉
での精錬に必要な酸素を気酸及び固酸の両状態で
供給すると共に、その配合割合を調節することで
脱燐溶銑の温度並びに成分の調整を行うことによ
り、品質の良好な低燐低炭素鋼を高いFe及びMn
歩留りで、かつ少ない生石灰使用量にて作業性良
く安定して製造し得るようにした点、 に特徴を有するものである。 脱燐炉で使用される精錬剤(脱燐フラツクス)
は脱炭炉で発生した転炉滓を主成分とししたもの
であるが、上記転炉滓以外に蛍石を基本の副成分
として配合するのが良い。また、この他に生石
灰、ドロマイト或いは石灰石を付加的に配合して
良いことも言うまでもない。 媒溶剤としては蛍石が一般的であるが(蛍石を
投入すると鉄分ロスの低減効果を得ることもでき
るが、そのためには投入量を5〜10Kg/Tに調整
するのが良い)、CaCl2,Na2O・SiO2,Na2CO3
等を投入しても差し支えない。 これら転炉滓以外の脱燐フラツクス原料は、滓
化性の面から小さい粒径程好ましいが、一般に使
われている程度のものであれば何ら差し支えな
い。 そして、脱燐炉で使用される精錬剤(脱燐フラ
ツクス)の量は溶製する鋼の[P]レベルより決
定されるが、通常は50Kg/t程度で良い。 また、脱燐炉で使用される精錬剤の主成分たる
転炉滓としては、脱炭炉で発生した溶融状態のも
のが熱経済的にも脱燐フラツクスの滓化性の面か
らも好ましいが(このように溶融状態のものを用
いる場合には耐火物を内張りした鍋を介して脱燐
炉に注滓される)、取り扱いの容易さ等を考慮し
て脱炭炉で得られたものを一旦冷却凝固させ、粒
状又は塊状に破砕してから用いても良い(なお、
この時も熱的な面からスラグの温度は高い程良
い)。ただ、この場合には脱燐炉での滓化性向上
のため粒径は小さい程良好であるが、転炉滓は本
来滓化性に富んでいることもあつて粒径が100mm
を下回る程度でも格別な不都合を来たすことがな
いし、これより大きくても使用可能である。 なお、使用される転炉滓は、タイミングとして
は前回チヤージのものが良いが、それ以前に脱炭
炉から出たものや他の工場の脱炭炉で発生したも
のでも良いことは言うまでもない。 ここで重要なことは、次の脱炭精錬工程に好適
な溶銑温度や炭素濃度を確保したり、脱燐・脱珪
等のために必要な「総量で7〜13Nm3/min・T
程度の酸素(この値が溶銑中のSi量に影響される
ことは良く知られている)」を気酸及び固酸の両
状態で供給することである。そして、供給する気
酸及び固酸相互の割合は主として溶銑温度により
調整されるが、具体的には適宜割合での酸化物
(鉄鉱石が好適)の分投とそれに見合う吹き込み
気酸量の調節とが実施される。 第1図は、溶銑の脱燐・脱珪に必要で、かつ十
分な炭素量を確保できる気酸(O2)と固酸(鉄
鉱石)との割合を“脱燐精錬前の溶銑温度”と
“溶銑中[Si]量との関係で示したグラフ(後述
の実施例で詳述する)であり、第2図はこの条件
で脱燐精錬を終了した時の溶銑中[C]量を溶銑
温度との関係で示したグラフであるが、上記第2
図からも、脱燐精錬に必要な酸素を適宜比率の気
酸と固酸とで送給すれば、脱炭炉での精錬に極め
て有利な高温・高炭素濃度の脱燐溶銑(大きな割
合でMn鉱石や鉄鉱石を投入した脱炭精錬が可能
となつてMn値とFe歩留りの向上が図れる)を安
定して得られることが分かる。 もつとも、転炉精錬の際の滓化剤や冷材として
20Kg/T程度の多量の鉄鉱石を投入して脱燐精錬
を行うことは従来でも実施されることがあつた
が、この場合にはそれに応じた気酸量の調整がな
される訳ではなく、しかも溶銑の状態に応じて細
かく鉄鉱石の投入量を調節することもなされなか
つたため、十分に満足できる高温・高炭素濃度の
脱燐溶銑を安定して得られなかつたことは言うま
でもない。 上述のように、この発明の方法に従つて脱燐精
錬を実施する場合には、脱炭炉で発生した転炉
滓:25〜35Kg/T及び蛍石:5〜10Kg/Tをベー
スとして、溶銑[Si]量に応じて生石灰を補充
し、かつ溶銑温度に応じて鉄鉱石(固酸)量と気
酸量を第1図の如くに変化させて吹錬するのが良
い。 さて、この発明の方法においては脱燐炉での処
理温度を1400℃以下に限定しているが、このよう
に温度調整する理由は、溶銑処理温度がこれより
高くなると脱炭ばかりが進行してスラグ中の全
Fe量が低くなり、脱燐率が悪化するからである。
また、脱燐溶銑の温度が低温になると、前述した
ように次の脱炭工程で有利な精錬が出来なくなる
上、スラグへの粒鉄ロスが増加するため、該処理
温度は1250〜1400℃(好ましくは1300〜1400℃)
に調整するのが良い。このような処理温度の維持
は、上吹きランスからの酸素ガス吹き込み或いは
炉底羽口からの酸素ガス吹き込みの併用によつて
行われるが、その吹き込み量が多くなり過ぎると
高炭素濃度を確保し難くなることは先に述べた通
りである。つまり、上記脱燐炉での酸素ガス吹き
込みは主として脱燐処理温度を保証するために行
われるのであるため、ここでの上吹き酸素ランス
は通常の転炉ランスでも良いが、脱燐用に新作し
た小流量ランスであつても良い。 前記「上下両吹き機能を有した転炉形式の炉」
としては現在使われている“上下吹き複合吹錬転
炉”が最も好ましいが、特に脱燐炉については、
精錬条件が脱炭炉よりもマイルドであるため炉自
体を更に小さくしても良いので、脱燐専用に新設
してもコスト的にそれほどの影響はない。 炉底から吹き込む攪拌ガスとしてはAr,CO2
CO,N2,O2、空気等の何れであつても良い。そ
して、脱燐炉における炉底ガス量としては0.03〜
0.20Nm3/min・Tが良好である。なぜなら、炉
底ガス量が0.03Nm3/min・T未満であると反応
に長時間を要し、一方、0.20Nm3/min・Tを越
えてもそれ以上の攪拌効果が得られないばかり
か、羽口溶損増大のトラブルを招く傾向が生じる
からである。 以上のような条件で脱燐処理を行うと、通常、
20分以内で所望の脱燐を完了することができる。 脱炭炉での吹錬は、基本的には通常の“炉外で
脱燐された溶銑”を吹錬する場合と同じである
が、注銑される脱燐銑の温度や炭素濃度が高く維
持されることから、生石灰やドロマイトを中心と
する造滓剤の他に、終点での溶鋼のMn含有量向
上やFe歩留りの向上を目的としてマンガン鉱石
や鉄マンガン鉱石を添加することが容易に実施で
き、その作業性も極めて良好となる。 ところで、この発明に係る方法の実施に際して
は、出来れば適用される溶銑の事前脱硫処理を行
うのが良い。その第一の理由として、該方法では
脱硫の進行が極めて鈍いことが挙げられるが、こ
れとは別に、事前脱硫していない溶銑を用いた場
合には転炉スラグ中のS含有量が上昇し、次のチ
ヤージにおける溶鋼S含有量を高めることも懸念
されるからである。なお、前記事前脱硫は、通常
行われている溶銑脱硫方法のいずれによつても良
い。更に、この方法に適用される原料溶銑のSi含
有量も、良好な脱燐率を達成するためには低い程
好ましい。 ところで、工場によつてはクレーン能力から2
杯注銑を行う場合があるが、この場合、処理を簡
単にするために脱燐炉では大半の溶銑を処理し、
追銑は脱炭炉で行うのが得策である。 そして、上述のようなこの発明の製鋼法の実施
により、Mn分の大幅な節減ばかりかFe分ロスの
顕著な改善効果を確保しつつ、コスト安く低燐低
炭素鋼を溶製することが可能となる上、脱炭炉で
の使用フラツクスを減少できることからの溶鋼の
低水素化が、また得られる溶鋼の低酸素化による
脱酸剤使用量の節減がそれぞれ達成でき、更に廃
棄転炉スラグ量が従来の約1/2となるなど顕著な
利益を享受することができる。 次に、この発明を実施例により具体的に説明す
る。 〈実施例〉 まず、トーピード内で脱硫・脱珪処理した第1
表に示される如き温度、[C]量、[Si]量及び
[P]量の各溶銑250トンを、脱燐炉として使用す
る上下両吹き複合吹錬転炉に注銑し、これに、同
様形式の脱炭炉で発生した転炉滓を冷却・凝固し
て10mm以下の粒径に破砕したもの24Kg/T及び蛍
石9Kg/Tと、固酸分として第1表に示す量の鉄
鉱石を混合状態で添加すると共に、同じく第1表
に示した割合で気酸(O2)を吹き込みながら10
分間の脱燐処理を行つた。なお、このときの原料
溶銑中の[Si]量と脱燐精錬終了時の溶銑温度と
の関係を前記第1図中に示すと黒丸の通りであつ
た。 なお、使用した脱燐炉並びに脱炭炉は、上述の
ように何れも炉底よりガス吹き込み攪拌が可能な
250トン上下両吹き複合吹錬転炉であり、第2
【表】
【表】 表に示すような操業条件が採用された。 このようにして得られた脱燐銑の温度及び主要
成分割合は第1表に併せて示した通りであつた
が、この結果を原料溶銑中の[Si]量と脱燐精錬
終了時の溶銑温度との関係で示したのが前記第1
図中の黒丸(黒丸に付した番号は試験番号)であ
り、脱燐精錬終了時の溶銑温度と該溶銑中の
[C]量との関係で示したのが前記第2図中の黒
丸である。 続いて、得られた脱燐銑を一旦鍋中に出銑して
から脱炭炉に注銑し、媒溶剤として生石灰7Kg/
Tと軽焼ドロマイト7Kg/Tを用いると共に、マ
ンガン鉱石15Kg/Tを分投して主吹錬を実施し
た。 そして、このとき発生した転炉滓を鉄鉱石及び
蛍石と共に再び次のチヤージの脱燐剤原料として
脱燐炉に添加して脱燐を行うと言う一連の操作を
繰り返した。 前記脱炭精錬の結果、全製鋼工程での使用生石
灰量及び使用軽焼ドロマイト量の和が14Kg/Tと
言う少ない値で、何れも鋼中のC量が0.07%前
後、Mn量が0.60%程度、P量が0.012%以下の低
P−低C−高Mn溶鋼を安定した作業性の下で得
ることができ、従来の転炉一回吹錬のときに比べ
てフエロマンガンを7Kg/T、脱酸剤としてのア
ルミニウムを0.2Kg/Tも節減して高マンガン鋼
の連続鋳造に供しうることが可能となつた。 〈効果の総括〉 以上に説明した如く、この発明によれば、製鋼
工程の全体を通じて必要な造滓剤量を低く抑えな
がらも、品質の良好な低燐鋼を安定した作業性の
下でかつFeロスやMnロスを極力少なく製造する
ことが可能となり、高品質高マンガン鋼の製造コ
ストを低減してその利用分野を一層拡大する道を
開くなど、産業上極めて有用な効果がもたらされ
るのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、溶銑の脱燐・脱珪に必要で、かつ十
分な炭素量を確保できる気酸(O2)と固酸(鉄
鉱石)との割合を“脱燐精錬前の溶銑温度”と
“溶銑中[Si]量”との関係で示したグラフ、第
2図は、第1図で示した条件で脱燐精錬を終了し
た時の溶銑中[C]量を溶銑温度との関係で示し
たグラフ、第3図は、2基の転炉を用いた製鋼法
の概要を示した概略説明図である。 図において、1……脱燐炉、2……脱炭炉、3
……溶銑、4……転炉滓、4′……転炉滓を主成
分とする脱燐スラグ、5……攪拌ガス吹き込みノ
ズル、6……ランス。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 上下両吹き機能を有した2基の転炉形式の炉
    のうちの一方を脱燐炉、他方を脱炭炉とし、前記
    脱燐炉内へ注入した溶銑に前記脱炭炉で発生した
    転炉滓を主成分とする精錬剤を添加して、底吹き
    ガス攪拌を行いつつ酸素ガスを上吹きすることに
    より溶銑温度を1400℃以下に保ちながら溶銑脱燐
    を行つた後、得られた脱燐溶銑を脱炭炉に注銑し
    て脱炭精錬する工程にて鋼を製造するに際し、脱
    燐炉での精錬に必要な酸素を気酸及び固酸の両状
    態で供給すると共に、その配合割合を調節するこ
    とで脱燐溶銑の温度並びに成分の調整を行うこと
    を特徴とする製鋼方法。
JP2682487A 1987-02-07 1987-02-07 製鋼方法 Granted JPS63195209A (ja)

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