JPS63195211A - Mnロス少なく低燐低炭素鋼を製造する方法 - Google Patents

Mnロス少なく低燐低炭素鋼を製造する方法

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JPS63195211A
JPS63195211A JP2682787A JP2682787A JPS63195211A JP S63195211 A JPS63195211 A JP S63195211A JP 2682787 A JP2682787 A JP 2682787A JP 2682787 A JP2682787 A JP 2682787A JP S63195211 A JPS63195211 A JP S63195211A
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、全製鋼工程を通じての生石灰使用量を極力
抑えつつ高能率脱燐を行うと共に、Mnロス少なく品質
の良好な低燐低炭素鋼をコスト安く溶製する方法に関す
るものである。
〈従来技術とその問題点〉 近年、各種鋼材に対する品質要求は日増しに高度化して
おり、これにともなって製鋼法にも各種の工夫が試みら
れ、様々な新しい手法が導入されてきた。
このような中にあって、最近、低燐鋼をより一層低いコ
ストで安定溶製する手段の開発に大きな期待が寄せられ
るようになり、その実現に向けて多くの研究が積み重ね
られている。
ところで、製鋼トータルコストのミニマム化や低燐鋼の
安定溶製に関しては、従来、次のような溶銑の予備脱燐
法が提案され、一部実用化もなされている。即ち、 1))−ピードカー内の溶銑に生石灰系の脱燐剤又はソ
ーダ灰をインジェクションすることで予備脱燐を行う方
法、 ii )取鍋内の溶銑に生石灰系のフラックスをインジ
ェクションしたリブラスティング(吹き付け)すること
で予備脱燐を行う方法、 iii )高炉鋳床樋中で溶銑に生石灰系のフラックス
をブラスティングして予備脱燐を行う方法。
しかしながら、前記i)及びii)の方法によると比較
的低い到達P含有量レベルを達成することはできるが、
脱燐を“脱燐剤の浮上過程で進行する反応(トランジト
リ−・リアクター・リアクション)”に頼るため脱燐フ
ラックスの利用効率が必ずしも良くなく、また処理時間
が長(かかる分だけ処理時の抜熱が太き(なって溶銑温
度が低下すると言う問題があり、一方、前記1ii)の
方法では処理後の溶銑温度を先の2つの方法より高く保
つことができるが、脱燐処理が高炉から出銑された直後
の溶銑に施される関係上、脱燐処理温度が高過ぎて到達
P含有量レベルそのものが前記i)及びii )の方法
よりも悪くなるとの不都合があって何れも決して満足で
きるものではなかった。
その上、溶銑脱燐フラックスとして生石灰等を用いる場
合には、その後の転炉吹錬で使用される生石灰等の量を
も合わせて考えると、前記いずれの方法によっても“該
予備脱燐工程を省いて転炉のみでの脱燐を行う方法”に
比べて必要造滓剤量(生石灰等の量)はそれほど大きく
低減されないことも指摘されていたのである。
そこで、“製鋼コストに大きく影響する造滓剤使用量を
極力抑えることが可能で、しかも格別に新規な設備を必
要とすることなく品質の良好な鋼を高能率生産し得る方
法を開発すること”の必要性を強く認識した本出願人は
、 「全製鋼工程を通じての造滓剤の必要量はスラグとメタ
ルとを向流的に接触させる “スラグ−メタル向流精錬
”によるときが最も少なくて良いが、実際上は該向流精
錬の完全な実現は殆ど不可能であり、現状において最も
労少なく造滓剤の使用量を抑え得る可能性を秘めた製鋼
手段として挙げ得るものは、脱燐工程を2段階に分割し
てその下工程で発生するスラグを主工程の脱燐剤として
使用する方法(即ち、溶銑脱燐用フラックスの主成分と
して転炉滓を用いる方法であって、例えば本出願人が先
に特公昭55−30042号とし・て提案したところの
1転炉滓を炉外精錬での溶銑脱燐フラックスとして再利
用する方法”に代表されるもの)である」 との基礎的研究結果を踏まえ、しかも 「これまでに提案された転炉滓再利用による製鋼法は、
炉外精錬を併用することもあって効率の良い作業条件を
安定して確保するのが非常に困難である上、脱燐効率も
期待されるほどには高くなく、また量産のためには格別
の排ガス集塵機や脱燐スラグの排滓設備を必要とするな
ど、高品質鋼の量産手段としては今−歩躊躇されるもの
でしかない」 と言う実作業上の問題点にも着目した上で、次に示す如
き新規な製鋼方法を提案したく特願昭61−13251
7号)。
即ち、第4図に示したように、 「上下両吹き機能を有した2基の転炉形式の炉を使用す
ると共に、そのうちの一方を脱燐炉1、他方を脱炭炉2
とし、脱燐炉1内へ注入した溶銑3に脱炭炉2で発生し
た転炉滓4を主成分とする精錬剤の添加を行い、攪拌ガ
ス吹き込みノズル5による底吹きガス攪拌を実施しつつ
ランス6より酸素ガスを上吹きして脱燐炉1の溶銑3の
温度を1400℃以下に保ちながら溶銑脱燐を行った後
、得られた脱燐溶銑を脱炭炉2にて脱炭する方法jであ
る。そして、この方法によると、極めて少ない量の造滓
剤でもって通常燐レベルの鋼或いは低燐鋼を作業性良く
低コストで製造することが可能となった。
なお、上記方法による利点の主なものを具体的に列挙す
ると次の通りである。
■ 転炉滓を溶銑脱燐フラックスとして用いる“2段向
流精錬”であるため、全製鋼工程での生石灰使用量が従
来法に比べて大幅に減少し、低燐鋼を極めて少ない生石
灰量で吹錬することを可能とする。
■ 転炉滓中のPeOの有効利用がなされ、粒鉄や地金
の回収率が向上する。
■ 一般に、脱炭炉でマンガン鉱石や鉄マンガン鉱石を
使用した場合にはこれらの約半分はMnにまで還元され
ずに酸化物としてスラグ中に残るが、この発明の方法に
おいては、該スラグを溶銑脱燐フラフクスとして再使用
するので上記残留鉱石の有効利用がなされ、溶銑におけ
る“[Mn]ロスの軽減”或いは“[Mn]上昇”に役
立つ。
■ 使用する炉が転炉形式の炉であるので、例えば脱燐
炉の場合でも、出鋼口から脱燐銑のみを鍋中へ出銑して
から炉内のスラグを溶滓鍋に排出でき、他の脱燐法にお
けるよりも除滓が簡単である。
■ 使用する炉が上下両吹き機能を有した転炉形式の炉
であるので溶銑の強攪拌が出来て短時間処理が可能とな
り、従って抜熱量が少なく、他の脱燐処理法に比して熱
経済上極めて有利である。
特に溶融転炉滓を用いる場合にはその顕熱分だけ更に熱
経済的に有利となる。
■ 脱燐炉で発生するスラグは、遊離石灰が少ない(フ
リーのCaOが1%以下)ので路盤材としての有効利用
も可能である。
■ 使用する炉が2つであるので、炉体に付着するPz
Osに起因した脱燐不良の懸念は全くない。
つまり、脱燐炉では高PzOsのスラグが、そして脱炭
炉では低P!0.スラグしか付着しないので脱炭炉での
脱燐不良が起こらない。
しかも、溶融転炉滓を使用する場合には、脱燐炉では溶
銑を装入した後に溶融転炉滓が入れられるので、急激な
爆発的反応が起きる心配がない。
■ 底吹きガス攪拌を行いつつ脱燐を行うので、従来の
溶銑脱燐法の場合のように脱燐剤を粉状近くにまで細か
(粉砕してお(必要がなく、その分のコスト低減が可能
となる。
■ 遊休転炉がある場合には、これを直ちに脱燐炉とし
て使うことが出来、格別な設備を準備する必要がない、
また、例えば転炉172基操業を行っている工場の場合
には、一方の炉を脱燐炉とし、転炉2/2基操業のよう
な形で設備投資なくこの発明の実施が可能である。そし
て、レンガ寿命のために何れか一方を築炉する必要が生
じた場合にはこの間だけ転炉1基のみで従来の転炉吹錬
を行って遊体炉を出さない方策も講じられ、非常に柔軟
性に富んだ精錬が可能である。
このように、本出願人が先に提案した“転炉形式の2基
の炉を使用する製鋼方法”には極めて多くの利点があり
、特に低燐鋼の製造手段として優れた効果を得られるも
のであったが、その後の多くの実際操業を通じた更なる
検討の中から、「該方法には従来法に比べての利点が十
分に確認されはするものの、数多くの操業実績を仔細に
分析すると、優れた溶接性を示す等の特性面から最近ラ
インパイプ用鋼として頓に需要が増している“低燐−低
炭一高Mn鋼”を製造することを考えた場合には、精錬
中のMnロスの点で従来の1炉精錬の域を脱したと言え
るものではなく、この点で今一つ改善の余地が残されて
いる」との問題が認識されるに至ったのである。
く問題点を解決する手段〉 そこで本発明者等は、前記“転炉形式の2基の炉を使用
する製鋼方法”に認められる利点をそのままに、これに
加えて更に精錬時のMnロスを極力低減して“低燐−低
炭一高Mn鋼”を有利に製造し得る低燐低炭素溶鋼の安
定した精錬手段を見出すべく研究を行った結果、 (a)  溶鋼中のMnは精錬前の溶銑中に持ち来たさ
れた[Mn]や精錬剤として投入される鉄マンガン鉱石
に由来するものであるが、精錬中のMnロスは、溶鋼中
の酸素含有率が高くなった場合に[Mn]  +  [
0コ → (MnO)なる反応が右へ進んでMnがスラ
グ中に移行するために生じるものであり、Mnロスを低
減するには吹錬末期の[0]量を極力低減する必要があ
る、世) ここで、従来の“1基の転炉で脱燐・脱炭を
行う方法”では[0]量を低くすると脱燐率が悪くなる
と言う問題があるが、前述した′″2基の転炉形式の炉
を使用して脱燐精錬と脱炭精錬を別々に行う方法”では
、吹錬末期での脱燐の程度を気にすることなく [0]
量の低減策を実施できるはずである、 (0)  “転炉形式の2基の炉を使用する製鋼方法”
における吹錬末期とは脱炭炉の吹錬末期と言うことにな
るが、脱炭炉での吹錬末期の[0]量低減には底吹きガ
ス量を増やして溶鋼の攪拌を強化することが有効であり
、これによって溶鋼中炭素のの優先酸化が促進され[M
n]の酸化が抑えられつつ[0]量が減少する、 (di  なお、優先酸化の現象によって[0]量を低
減せしめる[C]が不足するようであれば、脱炭吹錬終
点の直前または直後に炉内へ適量のカーボネット等の炭
材を装入する操作で十分に対処できる、 との知見を得るに至ったのである。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、 上下両吹き機能を有した2基の転炉形式の炉のうちの一
方を脱燐炉、他方を脱炭炉として溶銑の精錬を行う製鋼
方法であって、前記脱燐炉内へ注入した溶銑に前記脱炭
炉で発生した転炉滓を主成分とする精錬剤を添加し、底
吹きガス攪拌を行いつつ酸素ガスを上吹きして溶銑温度
を1400℃以下に保ちながら溶銑脱燐を行った後、得
られた脱燐溶銑を脱炭炉に注銑すると共に、吹錬末期の
底吹きガス量を0.10Nm3/win−T以上とした
脱炭精錬を実施し、精錬終了時の鋼中酸素量を400p
pm以下として出鋼することにより、生石灰の使用量や
Mnロス少なく品質の良好な低燐低炭素鋼を安定製造し
得るようにした点、 に特徴を有するものである。
脱燐炉で使用される精錬剤(脱燐フラフクス)は脱炭炉
で発生した転炉滓を主成分とししたものであるが、上記
転炉滓以外に蛍石及び酸化鉄を基本の副成分として配合
するのが良い。例えば、転炉滓=40〜80重量%、 螢石 : 7〜20重量%、 酸化鉄:20〜60重量% 程度の配合割合としたものが推奨される。もちろんこれ
に限定されるわけではないが、転炉滓を滓化して低融点
の脱燐スラグとしたり脱燐が進行し易いようにスラグの
酸化力を高めるためには、酸化鉄の併用は極めて重要で
ある。なお、前記以外に付加的に生石灰、ドロマイト或
いは石灰石を配合しても良いし、溶銑[Mn]向上のた
めにマンガン鉱石や鉄マンガン鉱石を配合しても良い。
また、媒溶剤としては螢石が一般的であるが(蛍石を投
入すると鉄分ロスの低減効果を得ることもできるが、そ
のためには投入量を5〜10kg/Tに調整するのが良
い)、CaCj? t+ NazOI SiOx+ N
azCOx等を投入しても差し支えない。そして、転炉
滓以外の脱燐フランクス原料は滓化性の面から小さい粒
径程好ましいが、一般に使われでいる程度のものであれ
ば何ら差し支えない。
脱燐炉で使用される精錬剤(脱燐フラフクス)の量は溶
製する鋼の[P] レベルより決定されるが、通常は5
0kg/を程度で良い。
また、脱燐炉で使用される精錬剤の主成分たる転炉滓と
しては、脱炭炉で発生した溶融状態のものが熱経済的に
も脱燐フラックスの滓化性の面からも好ましいが(この
ように溶融状態のものを用いる場合には耐火物を内張す
した鍋を介して脱燐炉に江津される)、取り扱いの容易
さ等を考慮して脱炭炉で得られたものを一旦冷却凝固さ
せ、粒状又は塊状に破砕してから用いても良い(なお、
この時も、熱的な面からスラグの温度は高い程良い)。
ただ、この場合脱燐炉での滓化性向上のために粒径は小
さい程良好であるが、転炉滓は本来滓化性に富んでいる
こともあって粒径が100籠を下回る程度でも格別な不
都合を来たすことがないし、これより大きくても使用可
能である。
なお、使用される転炉滓は、タイミングとしては前回チ
ャージのものが良いが、それ以前に脱炭炉から出たもの
や他の工場の脱炭炉で発生したものでも良いことは言う
までもない。
さて、この発明の方法においては脱燐炉での処理温度を
1400℃以下に限定しているが、このように温度調整
する理由は、溶銑処理温度がこれより高くなると脱炭ば
かりが進行してスラグ中の全Fe量が低(なり、脱燐率
が悪化するからである。
ただ、余りに低温になるとスラグへの粒鉄ロスが増加す
るため、該処理温度は1250〜1400℃に調整する
のが良い。そして、このような処理温度の維持は上吹き
ランスからの酸素ガス吹き込み或いは炉底羽口からの酸
素ガス吹き込みの併用によって行われる。つまり、上記
脱燐炉′での酸素ガス吹き込みは、脱燐処理温度を保証
するために行われるのである。従って、ここでの上吹き
酸素ランスは通常の転炉ランスでも良いが、脱燐用に新
作した小流量ランスであっても良い。使用酸素ガス量は
処理前の溶銑温度や珪素含有量、転炉滓の温度、脱燐炉
の温もり具合、目的とする処理溶銑温度等によって決定
されるが、通常は2.0Nffi3/l1in−T以上
で良く、より好ましくは0.5〜1.ONn+3/ma
in−Tが効果的である。
前記「上下両吹き機能を有した転炉形式の炉」としては
現在使われている“上下吹き複合吹錬転炉”が最も好ま
しいが、特に脱燐炉については、精錬条件が脱炭炉より
もマイルドであるため炉口体を更に小さくしても良いの
で、脱燐専用に新設してもコスト的にそれほどの影響は
ない。
炉底から吹き込む攪拌ガスとしてはAr、  Go□。
Co、 Nz 、O□、空気等の何れであっても良い。
そして、脱燐炉における炉底ガス量としては0.03〜
0.2ONII3/l1in−Tが良好である。なぜな
ら、炉底ガス量が0.03Nn+3/mtn−T未満で
あると反応に長時間を要し、一方、0.2ONa+3/
min・Tをこえてもそれ以上の攪拌効果が得られない
ばかりか、羽口溶損増大のトラブルを招く傾向が生じる
からである。
以上のような条件で脱燐処理を行うと、通常、20分以
内で所望の脱燐を完了することができる。
脱炭炉での吹錬は、基本的には通常の“炉外で脱燐され
た溶銑”を吹錬する場合と同じであるが、吹錬末期([
C]が0.50%以下になったとき)の底吹きガス量を
0.10NII′I/1Iin−T以上として溶鋼攪拌
を強化したり、これに加えて必要により([C]量が0
.08%以下のとき)吹錬終点の直前又は直後に適量の
カーボネート等の炭材を装入して精錬終了時の鋼中酸素
量を400ppm以下とすることが重要である。その理
由は、底吹きガス量が0.10Na+3/1Iin−1
未満であると、[C]が0.05%程度の値であったと
しても精錬終了時の[0]を400ppm以下に抑える
ことができず、また精錬終了時の[0]が400ppo
+を越えていると十分なMnロスの低減効果が安定して
得られないからである。
第1図は、インプラ) [Mnl  (精錬前の溶銑中
[Mnl 十投入鉄マンガン鉱石からの[Mnl )が
1%だった時の「脱炭精錬終点の[0]量と[Mnl量
との関係」を示すグラフであるが、この第1図からも、
精錬終了時の[0]が400 ppmを越えていると所
望される[Mnl量: 0.40%以上を十分に安定し
て達成できないことが分かる:また、第2図は[C]が
0.05%となった脱炭吹錬末期の底吹きガス流量と精
錬終了時の[0]量との関係を示すグラフであるが、こ
の第2図からは、該時点での底吹きガス流量が0.10
N11″/ll1n−Tを下回ると精錬終了時の[0]
量:400ppo+以下を達成できないことが明らかで
ある。
更に、第3図は精錬終了時の[C]量と好ましい装入炭
材量との関係を示したグラフであり、底吹きガス量の増
強と共に、この第3図に従った炭材の装入を実施するの
が一層安定したMnロス低減効果を得るのに推奨される
手段である。
なお、脱炭精錬時には、終点での溶鋼のMn含有量向上
を目的として、生石灰やドロマイトを中心とする造滓剤
の他にマンガン鉱石や鉄マンガン鉱石を添加することは
言うまでもない。
ところで、この発明に係る方法を実施する場合には、出
来れば適用される溶銑の事前脱硫処理を行うのが良い。
その第一の理由として、該方法では脱硫の進行が極めて
鈍いことが挙げられるが、これとは別に、事前脱硫して
いない溶銑を用いた場合には転炉スラグ中のS含有量が
上昇し、次のチャージにおける溶鋼S含有量を高めるこ
とも懸念されるからである。なお、前記事前脱硫は通常
行われている溶銑脱硫方法のいずれによっても良い。更
に、この方法に適用される原料溶銑のSt含有量も低い
程好ましい。なぜなら、溶銑中のSt含有量が多くなる
ほど前記脱燐炉でのスラグ塩基度が低下して脱燐能が落
ち、全体での生石灰等の使用量が増加するためである。
それ故、溶銑のSi含有量は出来れば0.4%以下、好
ましくは0.3%以下に調整しておくのが良策である。
なお、脱炭炉の条件から処理後の溶銑温度を少しでも高
くしたいような場合、溶銑のSi含有量は0.2%程度
の方が有利なこともあり、工場のローカル条件によって
決定すべきである。
ところで、工場によってはクレーン能力から2杯注銑を
行う場合があるが、この場合、処理を簡単にするために
脱燐炉では大半の溶銑を処理し、追銑は脱炭炉で行うの
が得策である。
そして、上述のようなこの発明の製鋼法の実施により、
Mn分の大幅な節減ばかりかFe分ロスの顕著な改善効
果を確保しつつ、コスト安く低燐低炭素鋼を溶製するこ
とが可能となる上、脱炭炉での使用フラックスを減少で
きることからの溶鋼の低水素化が、また得られる溶鋼の
低酸素化による脱酸剤使用量の節減がそれぞれ達成でき
、更に廃棄転炉スラグ量が従来の約%となるなど顕著な
利益を享受することができる。
次に、この発明を実施例により具体的に説明する。
〈実施例〉 まず、KR(溶銑処理炉)で脱硫処理した第1表の上段
に示される如き成分組成の溶銑25.0 )ンを脱燐炉
として使用する上下両吹き複合吹錬転炉に注銑し、これ
に、同様形式の脱炭炉で発生した転炉滓を冷却・凝固し
て100mm以下の粒径に破砕したちの25kg/T、
同様の粒径を持つ鉄鉱石8kg/T、生石灰3 kg/
T、並びに螢石7 kg/Tとを混合状態で添加して1
0分間の脱燐処理を行った。このときの0.原単位は1
0NI13/ll1in−Tであった。
なお、使用した脱燐炉並びに脱炭炉は、上述のように何
れも炉底よりガス吹き込み攪拌が可能な250トン上下
両吹き複合吹錬転炉であり、第2表に示すような操業条
件が採用された。
このようにして得られた脱燐銑(成分組成は第1表の中
段に示す)を一旦渦中に出銑してから脱炭炉に注銑し、
媒溶剤として生石灰7 kg/Tと軽焼ドロマイト7 
kg/Tと珪砂2kg/Tを用いると共に、マンガン鉱
石15kg/Tを公役して主吹錬を実施した。なお、こ
の際に、まず第1段階として底吹きガス量を0.05N
I13/l1in−Tに調整しく15分間)、引き続く
第2段階として0.10Na+’/m1n−Tに調整し
て(3分間)吹錬を終了したが、併せて終点(送酸停止
)の2分前に炉上バンカーより50 kg/ch(0,
2kg/T)のカーボネソトを添加して[C]調整も実
施した。
そして、このとき発生した転炉滓を鉄鉱石及び螢石と共
に再び次のチャージの脱燐剤原料として脱燐炉に添加し
て脱燐を行うと言う一連の操作を繰り返した。
この結果、全製鋼工程での使用生石灰量及び使用軽焼ド
ロマイト量の和が17kg/Tと言う少ない値で、第1
表の下段に示すように、鋼中のC量が0.07%、Mn
量が0.60%、P量が0.012%であって、かつ鋼
中o1が350ppa+と言う低い値の低p−低C−高
Mn溶鋼が得られ、従来の転炉−回吹諌のときに比べて
フェロマンガンを7 kg/T、脱酸剤としてのアルミ
ニウムを0.2kg/Tも節減して高マンガン鋼の連続
鋳造に供することが出来た。
く効果の総括〉 以上に説明した如く、この発明によれば、製鋼工程の全
体を通じて必要な造滓剤量を低く抑えながらも、品質の
良好な低燐鋼を安定した低いMnロスの下で製造するこ
とが可能となり、高品質高マンガン鋼の製造コストを低
減してその利用分野を一層拡大する道を開くなど、産業
上極めて有用な効果がもたらされるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、脱炭精錬終点の[0〕量と[Mn量量との関
係を示すグラフ、 第2図は、脱炭吹錬末期の底吹きガス流量と精錬終了時
の[0]量との関係を示すグラフ、第3図は、精錬終了
時の[C]量と好ましい装入炭材量との関係を示したグ
ラフ、 第4図は、2基の転炉を用いた製鋼法の概要を示した概
略説明図である。 図面において、 ■・・・脱燐炉、   2・・・脱炭炉、3・・・溶銑
、    4・・・転炉滓、4′・・・転炉滓を主成分
とする脱燐スラグ、5・・・攪拌ガス吹き込みノズル、 6・・・ランス。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 上下両吹き機能を有した2基の転炉形式の炉のうちの一
    方を脱燐炉、他方を脱炭炉として溶銑の精錬を行う製鋼
    方法であって、前記脱燐炉内へ注入した溶銑に前記脱炭
    炉で発生した転炉滓を主成分とする精錬剤を添加し、底
    吹きガス攪拌を行いつつ酸素ガスを上吹きして溶銑温度
    を1400℃以下に保ちながら溶銑脱燐を行った後、得
    られた脱燐溶銑を脱炭炉に注銑すると共に、吹錬末期の
    底吹きガス量を0.10Nm^3/min・T以上とし
    た脱炭精錬を実施し、精錬終了時の鋼中酸素量を400
    ppm以下として出鋼することを特徴とする、Mnロス
    少なく低燐低炭素鋼を製造する方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008081796A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Jfe Steel Kk CaO系脱硫スラグからの地金の回収方法
KR100885117B1 (ko) * 2002-11-14 2009-02-20 주식회사 포스코 고청정 저인 저탄소강의 제조방법
RU2493262C2 (ru) * 2008-12-17 2013-09-20 Смс Симаг Акциенгезельшафт Способ выплавки стали в кислородном конвертере
CN108251592A (zh) * 2018-01-19 2018-07-06 山东钢铁集团日照有限公司 一种极低磷钢的转炉冶炼方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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