JP2000073111A - 低燐溶銑の製造方法 - Google Patents

低燐溶銑の製造方法

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JP2000073111A JP11173244A JP17324499A JP2000073111A JP 2000073111 A JP2000073111 A JP 2000073111A JP 11173244 A JP11173244 A JP 11173244A JP 17324499 A JP17324499 A JP 17324499A JP 2000073111 A JP2000073111 A JP 2000073111A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶銑予備処理として行われる脱燐処理におい
て、CaF等のF源を含まない媒溶剤を用いて効率的
な溶銑予備脱燐を行う。 【解決手段】 CaO源添加前に酸素源を添加してスラ
グ中の酸化鉄濃度を高めておくことにより、F源を添加
しなくても脱燐反応効率が飛躍的に向上することを見い
出しなされたもので、溶銑にCaO源である媒溶剤を添
加する前に酸素源、好ましくは気体酸素を供給すること
でスラグ中の酸化鉄濃度を高めておき、しかる後、Ca
O源である媒溶剤を添加することを特徴とし、好ましく
は、媒溶剤添加前に、0.010≦B/A≦0.50
(但し、A:脱燐処理に要する媒溶剤中の全CaO量
[kg/T]、B:気体酸素換算の酸素供給量[Nm
/T])を満足する量の酸素源を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶銑の予備処理と
して行われる脱燐処理に関するもので、より詳細には、
F源を含まないCaO系媒溶剤を用いた場合でも効率的
な脱燐を行うことができる低燐溶銑の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、溶銑段階で予備脱燐を行い、溶銑
中のPをある程度除去してから転炉脱炭吹錬を行う溶銑
予備処理法が発展してきた。この予備脱燐処理はトーピ
ード、溶銑鍋、転炉などの設備で実施され、CaO系媒
溶剤と気体酸素や固体酸素源などの酸素源を添加して行
われる。この脱燐処理の際に溶銑からスラグ側にPを効
率的に移行させるためには、スラグ組成やスラグ量など
の制御が重要な因子となる。特に、媒溶剤にCaF
添加することにより、1)スラグの融体性が向上する、2)
SiOのネットワークを分断してCaイオンが増加す
る、3)FeOの活量が増加する、などの作用が得られる
ことが従来から指摘されており、実操業でも脱燐の反応
性を高めるためにCaFが広く使用されている。
【0003】例えば、特公平6−17496号公報で
は、添加するCaOと酸素Oの重量比CaO/O以外
に、[CaF+Al]/CaO及びAl
/CaF の各重量比を規定し、CaF添加により脱
燐効率を向上させる技術が開示されている。ところが、
最近では環境保護の観点からスラグ中Fの溶出量の規制
基準が強化される傾向にあり、このため脱燐スラグ中の
F濃度を極限まで低下させる必要が生じている。
【0004】このためCaFなどのF源を使用しない
脱燐処理技術の開発が強く望まれているが、現状ではス
ラグを低塩基度化してスラグ量を極端に多くした操業を
行うとか、多重処理を実施するなどの方法しか有効な対
策がないのが実情である。しかし、前者のように脱燐ス
ラグ量が極端に増大することは、環境保護の面から強く
望まれているスラグ量削減というニーズに逆行するもの
であり、また、後者のように多重処理を実施することは
溶鋼の製造コストの上昇を招く問題があり、したがっ
て、これらは抜本的な対策にはなり得ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、このような従来技術の課題を解決し、CaF
どのF源を含まない媒溶剤を用いた場合でも溶銑脱燐を
効率的に行うことができる低燐溶銑の製造方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、CaF
(蛍石等)などのF源を使用することなく効率的に脱燐
処理を行うことができる溶銑予備処理法を見い出すべ
く、転炉型容器を用いて種々の実験と検討を行った。先
に述べたようにCaFはスラグの溶融性を確保するた
めに重要な働きをしており、本発明者らの実験において
も、CaFを添加しない場合には添加された媒溶剤
(CaO源)は見掛け上滓化したようには見えず、脱燐
反応効率も低下した。しかし、種々の実験の結果、以下
のような事実が判明した。
【0007】(1) CaO源と酸素源の投入条件を種々変
えて行った実験の結果から、初期のスラグを溶融させる
ことができれば脱燐反応効率が飛躍的に増加すること、
また、このような初期のスラグの溶融は、初期CaO源
の添加前に溶銑に酸素源を供給して酸化鉄(FeO)を
積極的に生成させることにより達成できることが判っ
た。すなわち、従来ではCaO源の滓化をなるべく早め
るためには早期にCaO源を添加して送酸を行うことが
必要であると考えられてきたが、このような従来の常識
に反し、初期CaO源を添加するのに先立ち、まず溶銑
に酸素源のみを供給することによりFeOを生成させて
スラグ中の酸化鉄濃度を高めておき、しかる後CaO源
を添加(好ましくは、分割添加)することにより、Ca
などのF源を含まないCaO−FeO系スラグでも
十分に溶融する領域が生じ、脱燐反応効率が飛躍的に向
上することが判った。
【0008】(2) CaO源と酸素源の投入条件を種々変
えて行った実験の結果から、脱燐反応効率の向上にはC
aOの供給速度と酸素の供給速度のバランスが重要であ
り、両者の供給速度の関係を或る適正範囲に制御するこ
とにより、CaFなどのF源を含まないCaOを主体
とした媒溶剤を用いた場合でも脱燐反応効率が飛躍的に
向上することが判った。つまり、スラグ中で必要なFe
O量を生成させる酸素の供給速度に見合う分だけCaO
を供給することが重要であり、酸素の供給速度に対して
CaOを過剰な供給速度で添加すると未滓化CaOが過
剰になり、CaOの滓化も進行しないため脱燐速度も低
下し、逆に酸素の供給速度に対してCaOの供給速度が
小さいと、溶銑の脱炭が進行するか或いは脱燐に必要な
CaOが不足するため脱燐速度が低下することになる。
【0009】(3) 固体酸素源と媒溶剤の投入条件を種々
変えて行った実験の結果から、所定の温度以上に予熱さ
れた固体酸素源や媒溶剤を溶銑に添加することによりC
aOの溶解が効果的に促進され、CaFなどのF源を
含まないCaOを主体とした媒溶剤を用いた場合でも脱
燐反応効率が飛躍的に向上することが判った。また、固
体酸素源は媒溶剤に較べて融点が低いため、CaOの溶
解をより効果的に促進するには固体酸素源を予熱した方
が有利であることも判った。
【0010】(4) 脱燐処理により生じる排ガスが脱燐反
応効率に及ぼす影響を調査するために行った実験の結果
から、脱燐反応効率の向上には脱燐処理により発生した
排ガスを二次燃焼させることが有効であり、排ガスの二
次燃焼率を或る適正範囲に制御することにより、CaF
などのF源を含まないCaOを主体とした媒溶剤を用
いた場合でも脱燐反応効率が飛躍的に向上することが判
った。これは、排ガスが二次燃焼することより発生した
熱がスラグに着熱し、CaOの溶解を効果的に促進する
ことによるものである。
【0011】(5) 気体酸素の供給条件を種々変えて行っ
た実験の結果から、脱燐反応効率の向上には上吹きラン
スからの送酸条件を適正化することが有効であり、上吹
きランスからの送酸により形成される溶銑浴面の凹み深
さと上吹きランスからの送酸速度を或る特定の範囲に制
御し、スラグ中のFeO濃度を適正化することにより、
CaFなどのF源を含まないCaOを主体とした媒溶
剤を用いた場合でも脱燐反応効率が飛躍的に向上するこ
とが判った。
【0012】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴とする構成は以下の通りである。 [1] 溶銑予備処理として行われる脱燐処理において、溶
銑にCaO源である媒溶剤を添加する前に酸素源を供給
することでスラグ中の酸化鉄濃度を高めておき、しかる
後、CaO源である媒溶剤を添加することを特徴とする
低燐溶銑の製造方法。 [2] 上記[1]の製造方法において、酸素源が気体酸素で
あることを特徴とする低燐溶銑の製造方法。
【0013】[3] 上記[1]または[2]の製造方法におい
て、媒溶剤を複数回に分けて添加することを特徴とする
低燐溶銑の製造方法。 [4] 上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法において、溶銑
にCaO源である媒溶剤を添加する前に下記(1)式を満
足する量の酸素源を供給することを特徴とする低燐溶銑
の製造方法。 0.010≦B/A≦0.50 … (1) 但し A:脱燐処理に要する媒溶剤中の全CaO量[k
g/T] B:気体換算の酸素供給量[Nm/T]
【0014】[5] 上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法に
おいて、媒溶剤添加前の酸素源の供給時における排ガス
のガス分析値から溶銑の脱炭量を求め、該脱炭量と酸素
源の供給量に基づいてスラグ中の酸化鉄濃度を算出し、
この酸化鉄濃度値に基づいて酸素源の供給条件を制御す
ることを特徴とする低燐溶銑の製造方法。 [6] 溶銑予備処理として行われる脱燐処理において、溶
銑に下記(2)式を満足する条件で酸素源とCaO源であ
る媒溶剤を添加することを特徴とする低燐溶銑の製造方
法。 0.50≦X/Y≦2.0 … (2) 但し X:酸素添加速度[kg/min] Y:CaO換算の媒溶剤添加速度[kg/min]
【0015】[7] 溶銑予備処理として行われる脱燐処理
において、固体酸素源及び/又は媒溶剤を200℃以
上、1000℃未満の温度に予熱した後、溶銑に添加す
ることを特徴とする低燐溶銑の製造方法。 [8] 溶銑予備処理として行われる脱燐処理において、脱
燐処理容器から排出される排ガス中のCOとCOの濃
度が下記(3)式を満足するような操業条件で脱燐処理を
行うことを特徴とする低燐溶銑の製造方法。 0.10≦[CO]/([CO]+[CO])≦0.35 … (3) 但し [CO]:排ガス中のCO濃度[wt%] [CO] :排ガス中のCO濃度[wt%]
【0016】[9] 溶銑予備処理として行われる脱燐処理
において、上吹きランスから溶銑に気体酸素を上吹きす
るとともに、該上吹きされた気体酸素の運動エネルギー
により形成される溶銑浴面の凹み深さL(m)と溶銑の
浴深さLo(m)の比L/Loと上吹きランスからの送
酸速度F(Nm/min/T)が下記(4)式及び(5)式
を満足するような条件で脱燐処理を行うことを特徴とす
る低燐溶銑の製造方法。 0.02≦L/Lo≦0.10 … (4) 0.25≦F≦1.50 … (5)
【0017】[10] 上記[1]〜[9]のいずれかの製造方法
において、Si濃度が0.10重量%以下の溶銑を脱燐
処理することを特徴とする低燐溶銑の製造方法。 [11] 上記[10]の製造方法において、Si濃度が0.1
0重量%を超える溶銑を0.10重量%以下のSi濃度
まで脱珪処理した後、脱燐処理することを特徴とする低
燐溶銑の製造方法。 [12] 上記[1]〜[11]のいずれかの製造方法において、F
源を含まないCaOを主体とした媒溶剤を用いることを
特徴とする低燐溶銑の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】まず、本願の第1の発明について
説明する。この発明の低燐溶銑の製造方法(脱燐方法)
では、溶銑にCaO源である媒溶剤を添加する前に酸素
源を供給することでスラグ中の酸化鉄(FeO)濃度を
高めておき、しかる後CaO源である媒溶剤を添加する
ものであり、これによりCaFなどのF源を添加しな
くても脱燐反応効率を飛躍的に高めることが可能にな
る。これは、媒溶剤添加前の溶銑への酸素源の添加によ
ってFeOを十分に生成させ、酸化鉄濃度が高い初期ス
ラグを溶融させておき、このような高酸化鉄濃度の初期
スラグ中にCaO源を直接投入することにより、高濃度
に生成しているFeO中に高融点のCaOが取り込まれ
る形で滓化が進行するため、CaO+FeOの反応によ
る滓化が飛躍的に促進されるためであると考えられる。
【0019】これに対して、従来技術のように早い時期
にCaO源を投入して酸素源の供給を行った場合には、
上述した本発明の作用とは逆に、酸素源の供給により生
成したFeOが未滓化のCaO中に取り込まれる形で滓
化が進行するため、CaO+FeOの反応による滓化が
迅速に進行しないものと考えられる。
【0020】この発明において媒溶剤の添加前に溶銑に
供給される酸素源としては、FeOを生成させるもので
あれば気体酸素、固体酸素源の何れでもよいが、スラグ
−メタル界面の温度を上昇させることができるという点
で気体酸素の方がより好ましい。また、気体酸素と固体
酸素源を併用してもよい。使用する気体酸素は純酸素ガ
ス、酸素含有ガスのいずれでもよく、また、固体酸素源
としては酸化鉄やミルスケールなどを用いることができ
る。なお、この発明の脱燐処理は、CaO源である媒溶
剤の添加前に溶銑に酸素源の供給を行うことを特徴とす
るものであるが、当然のことながら媒溶剤を添加した以
降も酸素源(気体酸素及び/又は固体酸素源)の供給が
行われる。
【0021】この発明に係る低燐溶銑の製造方法では、
媒溶剤の添加前の酸素源の供給により初期FeOの生成
量を確保しておくことが重要であるが、一方において酸
素源の供給により溶銑の脱炭も進行し、また、過剰な量
の酸素源を供給すると媒溶剤添加後の酸素源の供給にお
いて酸素量が不足する事態を招くため、媒溶剤添加前の
酸素供給量を適正化することが必要である。すなわち、
CaO源である媒溶剤を添加する前に供給する酸素量
は、必要且つ十分なFeO生成量を確保するという観点
から、下記(1)式を満足することが好ましい。 0.010≦B/A≦0.50 … (1) 但し A:脱燐処理に要する媒溶剤中の全CaO量[k
g/T](T:溶銑ton、以下同様) B:気体換算の酸素供給量[Nm/T]
【0022】ここで、B/A<0.010では媒溶剤添
加前のFeO生成量を十分に確保することができず、一
方、B/A>0.50では、媒溶剤添加後の酸素源の供
給における酸素量が不足し、所望の脱燐率が確保できな
くなるおそれがあり、また、溶銑の脱炭量も多くなるた
め好ましくない。また、このような観点から特に好まし
いB/Aの範囲は0.05〜0.20である。上記のよ
うに酸素源を供給して所定の濃度のFeOを生成させた
後、CaO源である媒溶剤を添加するが、媒溶剤添加時
にその滓化に必要な量のFeOを生成させておくため、
媒溶剤の添加は複数回に分けて行うことが好ましい。ま
た、同様の理由から、媒溶剤を少量ずつ連続的又は間欠
的に添加してもよい。
【0023】また、この発明を実施する際に媒溶剤添加
前の酸素源の供給量を適切に制御する方法として、以下
のような方法を採ることができる。すなわち、媒溶剤添
加前の酸素源の供給時に、脱燐容器から排出される排ガ
スのガス分析(排ガス中のC濃度分析)をオンラインで
実施することにより溶銑の脱炭量を求めることができ、
この脱炭量と酸素源の供給量に基づき、さらには溶銑の
脱珪推定量、排ガス分析から求められる二次燃焼量など
を必要に応じて勘案することにより、脱燐容器内に蓄積
された酸素量を求めることができ、さらにこれからスラ
グ中のFeO量が算出できる。したがって、排ガスのガ
ス分析値から溶銑の脱炭量を求め、この脱炭量と酸素源
の供給量に基づいてスラグ中の酸化鉄濃度を算出し、こ
の酸化鉄濃度の算出値に基づいて酸素源の供給条件(例
えば、送酸量、送酸速度など)を制御すれば、媒溶剤添
加前の酸素源供給による酸化鉄濃度の制御を容易に行う
ことができる。
【0024】さらに、この発明の効果は脱燐処理前の溶
銑のSi濃度によって差があり、脱燐処理前のSi濃度
が0.10wt%以下の溶銑に対して本発明法を実施し
た場合に特に顕著な脱燐反応効率が得られることが判っ
た。一般に、脱燐処理前の溶銑のSi濃度が高いと生成
するSiOが多くなり、この結果、スラグ量が増加す
るだけでなく、塩基度調整のためのCaO量も多くな
る。したがって、このような観点からは脱燐処理前の溶
銑のSi濃度は低い方が好ましいが、一方において、脱
燐処理前の溶銑のSi濃度が低いとスラグ中のSiO
濃度が低下するためCaOの溶融性がさらに悪化し、脱
燐反応効率が低下してしまう。
【0025】ところが、本発明者らが種々のSi濃度を
有する溶銑について本発明法を実施したところ、上記の
ような予想に反して、脱燐処理前Si濃度が0.10w
t%以下の溶銑に対して本発明法を実施した場合に、特
に顕著な脱燐反応効率が得られることが判った。この理
由は次のように考えられる。まず、第一の理由として
は、溶銑中のSi濃度が低いと、媒溶剤添加前に供給さ
れた酸素源のうち、溶銑中のSiと反応してSiO
生成に消費される割合が少ないため、それだけFeOの
生成量が多くなり、このためにCaOの滓化がより効果
的に促進されることが考えられる。
【0026】また、第二のより大きな理由として、以下
の点が挙げられる。すなわち、脱燐反応ではPは3Ca
O・Pまたは4CaO・Pの形でスラグ中
に固定される。したがって、スラグ中のSiOは脱燐
には直接必要がないスラグ成分であり、また、このSi
の一部は滓化したCaOの一部と反応し、このSi
と反応したCaOは脱燐反応には寄与しないことに
なる。したがって、溶銑のSi濃度が低くSiO生成
量が少ないと、SiOと反応して脱燐反応に寄与しな
くなるCaO量が減少し、脱燐反応に寄与できるCaO
量が相対的に増加することになるが、特に本発明法の場
合にはCaOの滓化能が極めて高いため、溶銑の低Si
濃度に起因した上記スラグ組成(脱燐反応に寄与できる
CaO量の増加)の影響が顕著に現われ、この結果、脱
燐反応効率が向上するものと考えられ、また、このよう
な効果が脱燐処理前の溶銑中Si濃度:0.10wt%
以下の低Si濃度領域において顕在化するものと考えら
れる。これに対して従来法では、溶銑のSi濃度が低く
SiO生成量が少ないことにより脱燐反応に寄与でき
るCaO量が相対的に増加しても、元来CaOの滓化能
が低いため、上述したような溶銑の低Si濃度化による
効果が現われないものと考えられる。
【0027】このように本発明の低燐溶銑の製造方法は
Si濃度が0.10wt%以下の溶銑に対して実施した
場合に特に効果が大きく、したがって、出銑された溶銑
のSi濃度が0.10wt%を超える場合には、高炉鋳
床や溶銑鍋などで脱珪処理(通常、固体酸素源や気体酸
素などの酸素を溶銑に添加して行う)を実施し、脱燐処
理前の溶銑のSi濃度を0.10wt%以下とした上で
脱燐処理を行うことが好ましい。
【0028】この発明の脱燐処理が実施される容器とし
ては、フリーボードが十分に確保できるという点から転
炉型容器が最も好ましいが、これ以外にも溶銑鍋、トー
ピードなどの任意の容器を用いることができる。また、
酸素源の供給方法(媒溶剤添加前及び添加後の供給方
法)に特別な制約はなく、気体酸素の場合にはランスに
よる上吹きや溶銑中へのインジェクション、或いは底吹
きなどの任意の方法で送酸を行うことができ、また、固
体酸素源の場合にはインジェクションや上置き装入など
の任意の方法で溶銑中への供給を行うことができる。な
お、気体酸素を供給する場合、脱燐処理を転炉型容器や
溶銑鍋などを用いて実施する場合にはランスによる上吹
きが、また、トーピードを用いて実施する場合にはラン
スによる溶銑中へのインジェクションが一般的である。
【0029】また、脱燐効率をさらに向上させるために
は溶銑をガス撹拌させることが好ましい。このガス撹拌
は、例えばインジェクションランスや底吹きノズルなど
を通じて窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを溶
銑中に吹き込むことにより行われる。このような撹拌ガ
スの供給量としては、十分な浴撹拌性を得るために0.
03Nm/min/T以上とし、また、浴の撹拌が強
すぎると生成したFeOを溶銑中のCが還元する速度が
大きくなり過ぎるためのため0.3Nm/min/T
以下とすることが好ましい。
【0030】この発明の脱燐処理は、CaFなどのF
源を含まないCaOを主体とした媒溶剤を使用するだけ
で高い脱燐反応効率が得られることが最大の特徴である
が、CaFなどのF源の添加を排除するものでなく、
例えば、CaO源の滓化をより促進するために、許容さ
れる限度でCaFなどのF源を添加することを妨げな
い。なお、この発明の脱燐処理においてCaFなどの
F源を含まないCaOを主体とした媒溶剤のみを使用す
る場合、媒溶剤がF源を含まないとはF源を実質的に含
まないことを意味し、したがって、媒溶剤中に例えば不
可避的不純物などとして少量のF源が含まれることは妨
げない。
【0031】次に、本願の第2の発明について説明す
る。この発明の低燐溶銑の製造方法では、溶銑に下記
(2)式を満足する条件で酸素源とCaO源である媒溶剤
を添加するものであり、これによりCaFなどのF源
を含む媒溶剤を添加しなくても脱燐反応効率を飛躍的に
高めることが可能になる。 0.50≦X/Y≦2.0 … (2) 但し X:酸素添加速度[kg/min] Y:CaO換算の媒溶剤添加速度[kg/min] ここで、上記酸素添加速度Xとは、気体酸素及び固体酸
素源として添加される全酸素の添加速度である。
【0032】先に述べたように脱燐反応効率を向上させ
るためには、スラグ中で必要なFeO量を生成させる酸
素の供給速度に見合う分だけCaOを供給することが重
要であり、このバランスが崩れると脱燐速度は低下す
る。すなわち、X/Yが0.50未満では酸素の添加速
度に対するCaOの添加速度が大きすぎるためスラグ中
の未滓化CaOが過剰になり、CaOの滓化が進行しな
いため脱燐速度も低下する。一方、通常の操業ではCa
Oは溶銑中のSi濃度等に基づいて決められる操業基準
で添加されるが、このような操業においてX/Yが2.
0を超えるとCaOの添加速度に対する酸素の添加速度
が大きすぎるため脱炭が進行し、後工程での熱不足など
の問題が生じる。また、CaOの添加速度自体が小さい
ことによりX/Yが2.0を超える場合には、脱燐に必
要なCaOが不足するため脱燐速度が低下する。
【0033】さらに、この発明の効果は脱燐処理前の溶
銑のSi濃度によって差があり、脱燐処理前のSi濃度
が0.10wt%以下の溶銑に対して本発明法を実施し
た場合に特に顕著な脱燐反応効率が得られることが判っ
た。一般に、脱燐処理前の溶銑のSi濃度が高いと生成
するSiOが多くなり、この結果、スラグ量が増加す
るだけでなく、塩基度調整のためのCaO量も多くな
る。したがって、このような観点からは脱燐処理前の溶
銑のSi濃度は低い方が好ましいが、一方において、脱
燐処理前の溶銑のSi濃度が低いとスラグ中のSiO
濃度が低下するためCaOの溶融性がさらに悪化し、脱
燐反応効率が低下してしまう。
【0034】ところが、本発明者らが種々のSi濃度を
有する溶銑について本発明法を実施したところ、上記の
ような予想に反して、脱燐処理前Si濃度が0.10w
t%以下の溶銑に対して本発明法を実施した場合に、特
に顕著な脱燐反応効率が得られることが判った。この理
由としては、以下の点が考えられる。すなわち、脱燐反
応ではPは3CaO・Pまたは4CaO・P
の形でスラグ中に固定される。したがって、スラグ中
のSiOは脱燐には直接必要がないスラグ成分であ
り、また、このSiOの一部は滓化したCaOの一部
と反応し、このSiOと反応したCaOは脱燐反応に
は寄与しないことになる。したがって、溶銑のSi濃度
が低くSiO生成量が少ないと、SiOと反応して
脱燐反応に寄与しなくなるCaO量が減少し、脱燐反応
に寄与できるCaO量が相対的に増加することになる
が、特に本発明法の場合にはCaOと酸素の添加速度の
適正化によりCaOの滓化能が極めて高くなるため、溶
銑の低Si濃度に起因した上記スラグ組成(脱燐反応に
寄与できるCaO量の増加)の影響が顕著に現われ、こ
の結果、脱燐反応効率が向上するものと考えられ、ま
た、このような効果が脱燐処理前の溶銑中Si濃度:
0.10wt%以下の低Si濃度領域において顕在化す
るものと考えられる。これに対して従来法では、溶銑の
Si濃度が低くSiO 生成量が少ないことにより脱燐
反応に寄与できるCaO量が相対的に増加しても、Ca
Oの滓化能自体が低いため、上述したような溶銑の低S
i濃度化による効果が現われないものと考えられる。
【0035】このように本発明の低燐溶銑の製造方法は
Si濃度が0.10wt%以下の溶銑に対して実施した
場合に特に効果が大きく、したがって、出銑された溶銑
のSi濃度が0.10wt%を超える場合には、高炉鋳
床や溶銑鍋などで脱珪処理(通常、固体酸素源や気体酸
素などの酸素を溶銑に添加して行う)を実施し、脱燐処
理前の溶銑のSi濃度を0.10wt%以下とした上で
脱燐処理を行うことが好ましい。
【0036】この発明の脱燐処理において供給される酸
素源は気体酸素、固体酸素源のいずれでもよく、また両
者を併用してもよい。使用する気体酸素は純酸素ガス、
酸素含有ガスのいずれでもよく、また、固体酸素源とし
ては酸化鉄やミルスケールなどを用いることができる。
この発明の脱燐方法が実施される容器としては、フリー
ボードが十分に確保できるという点から転炉型容器が最
も好ましいが、これ以外にも溶銑鍋、トーピードなどの
任意の容器を用いることができる。
【0037】また、酸素源の供給方法に特別な制約はな
く、気体酸素の場合にはランスによる上吹きや溶銑中へ
のインジェクション、或いは底吹きなどの任意の方法で
送酸を行うことができ、また、固体酸素源の場合にはイ
ンジェクションや上置き装入などの任意の方法で溶銑中
への供給を行うことができる。なお、気体酸素を供給す
る場合、脱燐処理を転炉型容器や溶銑鍋などを用いて実
施する場合にはランスによる上吹きが、また、トーピー
ドを用いて実施する場合にはランスによる溶銑中へのイ
ンジェクションが一般的である。
【0038】また、脱燐反応効率をさらに向上させるた
めには溶銑をガス撹拌することが好ましい。このガス撹
拌は、例えばインジェクションランスや底吹きノズルな
どを通じて窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを
溶銑中に吹き込むことにより行われる。このような撹拌
ガスの供給量としては、十分な浴撹拌性を得るために
0.02Nm/min/T以上とし、また、浴の撹拌
が強すぎると生成したFeOを溶銑中のCが還元する速
度が大きくなり過ぎるためのため0.3Nm/min
/T以下とすることが好ましい。
【0039】この発明の脱燐処理は、CaFなどのF
源を含まないCaOを主体とした媒溶剤を使用するだけ
で高い脱燐反応効率が得られることが最大の特徴である
が、CaFなどのF源の添加を排除するものでなく、
例えば、CaO源の滓化をより促進するために、許容さ
れる限度でCaF等のFなどを添加することを妨げな
い。なお、この発明の脱燐処理においてCaFなどの
F源を含まないCaOを主体とした媒溶剤のみを使用す
る場合、媒溶剤がF源を含まないとはF源を実質的に含
まないことを意味し、したがって、媒溶剤中に例えば不
可避的不純物などとして少量のF源が含まれることは妨
げない。
【0040】次に、本願の第3の発明について説明す
る。この発明に係る低燐溶銑の製造方法では、固体酸素
源及び/又は媒溶剤を200℃以上、1000℃未満の
温度に予熱した後、溶銑に添加するものであり、これに
よりCaFなどのF源を含む媒溶剤を添加しなくても
脱燐反応効率を飛躍的に高めることが可能になる。これ
は適正な温度に予熱された固体酸素源や媒溶剤を溶銑に
添加することにより、CaOの溶解が効果的に促進され
るためである。
【0041】固体酸素源及び/又は媒溶剤の予熱温度が
200℃未満では、CaOの溶解を十分に促進できない
ため脱燐反応効率を効果的に高めることはできない。一
方、固体酸素源及び/又は媒溶剤の予熱温度が1000
℃以上になると固体酸素源や媒溶剤の加熱・保持部の維
持や補修などのためのコストが増大するため好ましくな
い。本発明では溶銑に添加すべき固体酸素源、媒溶剤の
いずれか一方又はその両方を予熱することができるが、
固体酸素源は媒溶剤に較べて融点が低いため予熱による
CaOの溶解がより効果的に促進され、このため少なく
とも固体酸素源を予熱することが好ましい。
【0042】この発明の脱燐処理で使用する固体酸素源
の種類に特別な制限はないが、通常、固体酸素源として
は酸化鉄やミルスケールなどが用いられる。また溶銑に
供給する酸素源として気体酸素(純酸素ガス又は酸素含
有ガス)を併用してもよい。また、媒溶剤としてはCa
O源が添加され、後述するようにCaFなどのF源を
含まないCaOを主体とした媒溶剤を用いることができ
る。
【0043】さらに、この発明の効果は脱燐処理前の溶
銑のSi濃度によって差があり、脱燐処理前のSi濃度
が0.10wt%以下の溶銑に対して本発明法を実施し
た場合に特に顕著な脱燐反応効率が得られることが判っ
た。一般に、脱燐処理前の溶銑のSi濃度が高いと生成
するSiOが多くなり、この結果、スラグ量が増加す
るだけでなく、塩基度調整のためのCaO量も多くな
る。したがって、このような観点からは脱燐処理前の溶
銑のSi濃度は低い方が好ましいが、一方において、脱
燐処理前の溶銑のSi濃度が低いとスラグ中のSiO
濃度が低下するためCaOの溶融性がさらに悪化し、脱
燐反応効率が低下してしまう。
【0044】ところが、本発明者らが種々のSi濃度を
有する溶銑について本発明法を実施したところ、上記の
ような予想に反して、脱燐処理前Si濃度が0.10w
t%以下の溶銑に対して本発明法を実施した場合に、特
に顕著な脱燐反応効率が得られることが判った。この理
由としては、脱燐処理前のSi濃度が0.10wt%以
下の場合には生成するスラグ量が少ないため、予熱され
た固体酸素源及び/又は媒溶剤からスラグへの着熱が単
位スラグ重量当たりで増加するためであると考えられ
る。また、予熱した固体酸素源及び/又は媒溶剤を溶銑
中に添加するとSiOのフォーミングが促進されてス
ロッピングが大きくなり、安定操業性を阻害する要因に
なりやすいが、脱燐処理前のSi濃度が0.10wt%
以下の場合には問題となるようなスロッピングは発生せ
ず、安定操業性が損なわれることはない。
【0045】このように本発明の低燐溶銑の製造方法は
Si濃度が0.10wt%以下の溶銑に対して実施した
場合に特に効果が大きく、したがって、出銑された溶銑
のSi濃度が0.10wt%を超える場合には、高炉鋳
床や溶銑鍋などで脱珪処理(通常、固体酸素源や気体酸
素などの酸素を溶銑に添加して行う)を実施し、脱燐処
理前の溶銑のSi濃度を0.10wt%以下とした上で
脱燐処理を行うことが好ましい。
【0046】この発明の脱燐処理が実施される容器とし
ては、フリーボードが十分に確保できるという点から転
炉型容器が最も好ましいが、これ以外にも溶銑鍋、トー
ピード等の任意の容器を用いることができる。また、酸
素源の供給方法に特別な制約はなく、気体酸素の場合に
はランスによる上吹きや溶銑中へのインジェクション、
或いは底吹きなどの任意の方法で送酸を行うことがで
き、また、固体酸素源の場合にはインジェクションや上
置き装入などの任意の方法で溶銑中への供給を行うこと
ができる。なお、気体酸素を供給する場合、脱燐処理を
転炉型容器や溶銑鍋等を用いて実施する場合にはランス
による上吹きが、また、トーピードを用いて実施する場
合にはランスによる溶銑中へのインジェクションが一般
的である。
【0047】また、脱燐反応効率をさらに向上させるた
めには溶銑をガス撹拌することが好ましい。このガス撹
拌は、例えばインジェクションランスや底吹きノズルな
どを通じて窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを
溶銑中に吹き込むことにより行われる。このような撹拌
ガスの供給量としては、十分な浴撹拌性を得るために
0.02Nm/min/T以上とし、また、浴の撹拌
が強すぎると生成したFeOを溶銑中のCが還元する速
度が大きくなり過ぎるためのため0.3Nm/min
/T以下とすることが好ましい。
【0048】この発明の脱燐処理は、CaFなどのF
源を含まないCaOを主体とした媒溶剤を使用するだけ
で高い脱燐反応効率が得られることが最大の特徴である
が、CaFなどのF源の添加を排除するものでなく、
例えば、CaO源の滓化をより促進するために、許容さ
れる限度でCaFなどのF源を添加することを妨げな
い。なお、この発明の脱燐処理においてCaFなどの
F源を含まないCaOを主体とした媒溶剤のみを使用す
る場合、媒溶剤がF源を含まないとはF源を実質的に含
まないことを意味し、したがって、媒溶剤中に例えば不
可避的不純物などとして少量のF源が含まれることは妨
げない。
【0049】次に、本願の第4の発明について説明す
る。この発明に係る低燐溶銑の製造方法では、脱燐処理
容器から排出される排ガス中のCOとCOの濃度が下
記(3)式を満足するような操業条件で脱燐処理を行うも
のであり、これによりCaFなどのF源を添加しなく
ても脱燐反応効率を飛躍的に高めることが可能になる。 0.10≦[CO]/([CO]+[CO])≦0.35 … (3) 但し [CO]:排ガス中のCO濃度[wt%] [CO] :排ガス中のCO濃度[wt%]
【0050】これは、排ガスが二次燃焼することより発
生した熱がスラグに着熱し、CaOの溶解が効果的に促
進されるためである。脱燐処理容器から排出される排ガ
スの[CO]/([CO]+[CO])が0.10
未満では二次燃焼率が低くすぎ、スラグへの着熱が不十
分であるため、CaOの溶解が十分に促進されない。こ
のため脱燐反応効率はあまり向上しない。一方、[CO
]/([CO]+[CO])が0.35を超える
と、二次燃焼により生じる過剰な熱によって脱燐処理容
器の耐火物の溶損を早めてしまうため好ましくない。
【0051】脱燐処理容器から排出される排ガスの[C
]/([CO]+[CO])は、例えば、溶銑に
対する送酸を上吹きランスから行う場合には、送酸速度
とランス高さを制御することで容易に調整することがで
きる。また、この発明の脱燐処理を実施する場合、脱燐
処理容器から排出される排ガスのガス組成分析を行い、
このガス組成分析値に基づき上記の制御を行えば、排ガ
スの[CO]/([CO]+[CO])をオンライ
ンで容易にコントロールすることができる。
【0052】さらに、この発明の効果は脱燐処理前の溶
銑のSi濃度によって差があり、脱燐処理前のSi濃度
が0.10wt%以下の溶銑に対して本発明法を実施し
た場合に特に顕著な脱燐反応効率が得られることが判っ
た。一般に、脱燐処理前の溶銑のSi濃度が高いと生成
するSiOが多くなり、この結果、スラグ量が増加す
るだけでなく、塩基度調整のためのCaO量も多くな
る。したがって、このような観点からは脱燐処理前の溶
銑のSi濃度は低い方が好ましいが、一方において、脱
燐処理前の溶銑のSi濃度が低いとスラグ中のSiO
濃度が低下するためCaOの溶融性がさらに悪化し、脱
燐反応効率が低下してしまう。
【0053】ところが、本発明者らが種々のSi濃度を
有する溶銑について本発明法を実施したところ、上記の
ような予想に反して、脱燐処理前Si濃度が0.10w
t%以下の溶銑に対して本発明法を実施した場合に、特
に顕著な脱燐反応効率が得られることが判った。この理
由としては、脱燐処理前のSi濃度が0.10wt%以
下の場合には生成するスラグ量が少ないため、二次燃焼
によるスラグへの着熱が単位スラグ重量当たりで増加す
るためであると考えられる。
【0054】このように本発明の低燐溶銑の製造方法は
Si濃度が0.10wt%以下の溶銑に対して実施した
場合に特に効果が大きく、したがって、出銑された溶銑
のSi濃度が0.10wt%を超える場合には、高炉鋳
床や溶銑鍋などで脱珪処理(通常、固体酸素源や気体酸
素などの酸素を溶銑に添加して行う)を実施し、脱燐処
理前の溶銑のSi濃度を0.10wt%以下とした上で
脱燐処理を行うことが好ましい。
【0055】この発明の脱燐処理において供給される酸
素源は気体酸素、固体酸素源のいずれでもよく、また両
者を併用してもよい。使用する気体酸素は純酸素ガス、
酸素含有ガスのいずれでもよく、また、固体酸素源とし
ては酸化鉄やミルスケールなどを用いることができる。
この発明の脱燐処理が実施される容器としては、フリー
ボードが十分に確保できるという点から転炉型容器が最
も好ましいが、これ以外にも溶銑鍋、トーピード等の任
意の容器を用いることができる。
【0056】また、酸素源の供給方法に特別な制約はな
く、気体酸素の場合にはランスによる上吹きや溶銑中へ
のインジェクション、或いは底吹きなどの任意の方法で
送酸を行うことができ、また、固体酸素源の場合にはイ
ンジェクションや上置き装入などの任意の方法で溶銑中
への供給を行うことができる。なお、気体酸素を供給す
る場合、脱燐処理を転炉型容器や溶銑鍋等を用いて実施
する場合にはランスによる上吹きが、また、トーピード
を用いて実施する場合にはランスによる溶銑中へのイン
ジェクションが一般的である。
【0057】また、脱燐反応効率をさらに向上させるた
めには溶銑をガス撹拌することが好ましい。このガス撹
拌は、例えばインジェクションランスや底吹きノズルな
どを通じて窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを
溶銑中に吹き込むことにより行われる。このような撹拌
ガスの供給量としては、十分な浴撹拌性を得るために
0.02Nm/min/T以上とし、また、浴の撹拌
が強すぎると生成したFeOを溶銑中のCが還元する速
度が大きくなり過ぎるためのため0.3Nm/min
/T以下とすることが好ましい。
【0058】この発明の脱燐処理は、CaFなどのF
源を含まないCaOを主体とした媒溶剤を使用するだけ
で高い脱燐反応効率が得られることが最大の特徴である
が、CaFなどのF源の添加を排除するものでなく、
例えば、CaO源の滓化をより促進するために、許容さ
れる限度でCaFなどのF源を添加することを妨げな
い。なお、この発明の脱燐処理においてCaFなどの
F源を含まないCaOを主体とした媒溶剤のみを使用す
る場合、媒溶剤がF源を含まないとはF源を実質的に含
まないことを意味し、したがって、媒溶剤中に例えば不
可避的不純物などとして少量のF源が含まれることは妨
げない。
【0059】次に、本願の第5の発明について説明す
る。この発明の低燐溶銑の製造方法では、上吹きランス
から溶銑に気体酸素を上吹きするとともに、該上吹きさ
れた気体酸素の運動エネルギーにより形成される溶銑浴
面の凹み深さL(m)と溶銑の浴深さLo(m)の比L
/Loと上吹きランスからの送酸速度F(Nm/mi
n/T)が下記(4)式及び(5)式を満足するような条件で
脱燐処理を行うものであり、これによりCaFなどの
F源を含む媒溶剤を添加しなくても脱燐反応効率を飛躍
的に高めることが可能になる。 0.02≦L/Lo≦0.10 … (4) 0.25≦F≦1.50 … (5) これは、上吹きランスからの送酸により形成される溶銑
浴面の凹み深さと上吹きランスからの送酸速度を上記の
範囲に制御することにより、スラグ中のFeO濃度を適
正化できるためである。
【0060】溶銑成分がC:4.0〜4.7wt%、S
i:tr〜0.20wt%、S:tr〜0.030wt
%、P:0.10〜0.15wt%、溶銑温度が127
0〜1330℃の溶銑に対して図6に示すような取鍋型
精錬容器、図7に示すような転炉型精錬容器をそれぞれ
用いて脱燐処理を実施した。この脱燐処理では、撹拌ガ
スとして窒素を0.02〜0.3Nm/min/Tの
範囲内で溶銑中に吹き込むとともに、生石灰または生石
灰を主体とする媒溶剤を添加した。図6に示す取鍋によ
る脱燐処理では、インジェクションランスを用いて撹拌
ガスとともに媒溶剤を溶銑中に吹き込み、上吹きランス
から送酸を行った。また、図7に示す転炉型精錬容器に
よる脱燐処理では、撹拌ガスを底吹きするとともに、上
吹きランスから送酸を行い、媒溶剤は炉上ホッパーから
上置き装入した。
【0061】この試験では、上吹きランスから種々の条
件で送酸を行い、溶銑をガス撹拌しながら溶銑中のP濃
度、C濃度の推移と媒溶剤により形成されるスラグの組
成などを調査し、整理を試みた。また、その際に、上吹
ランスから吹付けた酸素ガスが溶銑浴面に衝突する際の
エネルギーを考慮するために、下記(6)式及び(7)式から
求められる溶銑面の凹み深さL(m)と溶銑の浴深さL
o(m)の比L/Loを指標とした。なお、溶銑の浴深
さLoとは精錬容器の底部から溶銑浴面までの距離であ
る。
【数1】
【0062】種々の操業条件におけるL/Loを求め、
上吹きランスからの送酸速度F及びL/Loと操業指標
との関係について整理した。操業指標としては、取鍋型
精錬容器の場合は送酸12分実施後、転炉型精錬容器の
場合は送酸10分実施後の溶銑中P濃度[P]、脱燐処
理によるの脱炭量ΔCを用いた。送酸速度FとL/Lo
との関係において、脱燐処理後の溶銑中P濃度[P]が
0.020wt%以下と0.020wt%超えで整理し
たものを図3に示す。これによれば、L/Lo>0.1
0、L/Lo<0.02及び送酸速度F<0.25の場
合には、溶銑中P濃度[P]が0.020wt%を超え
ており、効率的な脱燐が行われていないことが判る。
【0063】ここで、L/Lo>0.10の場合には浴
面の撹乱が大きく、酸素と浴面で生成されたFeOが火
点近傍に存在する媒溶剤中のCaOと反応溶融しにくい
ため、溶銑中の燐との反応効率が低下し、脱炭反応が優
先的に発生しやすいため、脱燐が進行しにくい。一方、
L/Lo<0.02の場合には、浴面に到達する酸素量
が少ないため十分な量のFeOを生成させることができ
ず、媒溶剤中のCaOとFeOの反応溶融が進行しにく
くなってしまうため、脱燐反応が遅延することになる。
さらに、送酸速度F<0.25の場合は、浴面へ供給さ
れる酸素が少ないためFeOの生成が遅延し、媒溶剤中
のCaOとFeOの反応溶融が進行しにくくなり、脱燐
反応が遅延することになる。
【0064】次に、送酸速度FとL/Loの関係におい
て、脱炭量ΔCが1.2wt%未満と1.2wt%以上
で整理したものを図4に示す。なお、脱炭量ΔCが1.
2wt%未満であれば、前工程又は次工程以降での加炭
を行うことなく安定的に操業できることが、経験的に判
っている。図4によれば、送酸速度F>1.50の場合
にはΔCが1.2wt%以上となり、脱炭量が過大とな
るため操業上望ましくないことが判る。これは、浴面に
供給される酸素が潤沢でFeOの生成も十分であるが、
脱燐の進行とともに脱炭も進行してしまうため、脱炭量
が過大となるからである。
【0065】これら図3及び図4の結果から、上吹ラン
スからの送酸条件を適正化することにより脱炭を抑制し
つつ脱燐を効率的に行うことができ、その適正条件はL
/Lo、Fが上記(4)式及び(5)式で規定する範囲である
ことが判った。この適正範囲を図5に示す。
【0066】さらに、この発明の効果は脱燐処理前の溶
銑のSi濃度によって差があり、脱燐処理前のSi濃度
が0.10wt%以下の溶銑に対して本発明法を実施し
た場合に特に顕著な脱燐反応効率が得られることが判っ
た。一般に、脱燐処理前の溶銑のSi濃度が高いと生成
するSiOが多くなり、この結果、スラグ量が増加す
るだけでなく、塩基度調整のためのCaO量も多くな
る。したがって、このような観点からは脱燐処理前の溶
銑のSi濃度は低い方が好ましいが、一方において、脱
燐処理前の溶銑のSi濃度が低いとスラグ中のSiO
濃度が低下するためCaOの溶融性がさらに悪化し、脱
燐反応効率が低下してしまう。
【0067】ところが、本発明者らが種々のSi濃度を
有する溶銑について本発明法を実施したところ、上記の
ような予想に反して、脱燐処理前Si濃度が0.10w
t%以下の溶銑に対して本発明法を実施した場合に、特
に顕著な脱燐反応効率が得られることが判った。この理
由としては、以下の点が考えられる。すなわち、脱燐反
応ではPは3CaO・Pまたは4CaO・P
の形でスラグ中に固定される。したがって、スラグ中
のSiOは脱燐には直接必要がないスラグ成分であ
り、また、このSiOの一部は滓化したCaOの一部
と反応し、このSiOと反応したCaOは脱燐反応に
は寄与しないことになる。したがって、溶銑のSi濃度
が低くSiO生成量が少ないと、SiOと反応して
脱燐反応に寄与しなくなるCaO量が減少し、脱燐反応
に寄与できるCaO量が相対的に増加することになる
が、特に本発明法の場合にはスラグ中のFeO濃度の適
正化によりCaOの滓化能が極めて高くなるため、溶銑
の低Si濃度に起因した上記スラグ組成(脱燐反応に寄
与できるCaO量の増加)の影響が顕著に現われ、この
結果、脱燐反応効率が向上するものと考えられ、また、
このような効果が脱燐処理前の溶銑中Si濃度:0.1
0wt%以下の低Si濃度領域において顕在化するもの
と考えられる。これに対して従来法では、溶銑のSi濃
度が低くSiO生成量が少ないことにより脱燐反応に
寄与できるCaO量が相対的に増加しても、CaOの滓
化能自体が低いため、上述したような溶銑の低Si濃度
化による効果が現われないものと考えられる。
【0068】このように本発明の低燐溶銑の製造方法は
Si濃度が0.10wt%以下の溶銑に対して実施した
場合に特に効果が大きく、したがって、出銑された溶銑
のSi濃度が0.10wt%を超える場合には、高炉鋳
床や溶銑鍋などで脱珪処理(通常、固体酸素源や気体酸
素などの酸素を溶銑に添加して行う)を実施し、脱燐処
理前の溶銑のSi濃度を0.10wt%以下とした上で
脱燐処理を行うことが好ましい。
【0069】この発明の脱燐処理において使用する気体
酸素は、純酸素ガス、酸素含有ガスのいずれでもよい。
この発明の脱燐処理が実施される容器としては、フリー
ボードが十分に確保できるという点から転炉型容器が最
も好ましいが、これ以外にも溶銑鍋などの取鍋型容器、
トーピードなどの任意の容器を用いることができる。但
し、これらの容器は上吹きランスを装備していることが
必要である。上吹きランスの孔径や孔数などに制約はな
く、この発明の条件範囲内の送酸条件が得られるよう、
孔径や孔数などが選定される。
【0070】この発明の脱燐処理では、溶銑への酸素の
供給は上吹きランスからの送酸が必須となるが、このよ
うな送酸とともに固体酸素源の添加を行ってもよい。通
常、固体酸素源としては酸化鉄やミルスケールが用いら
れる。この固体酸素源の溶銑への供給は、上部ホッパー
などからの上置き装入、インジェクションランスを通じ
た吹き込みなどの任意の方法で行うことができる。ま
た、媒溶剤の溶銑への供給も、上部ホッパーなどからの
上置き装入(一括投入又は分割投入)、インジェクショ
ンランスを通じた吹き込みなどの任意の方法で行うこと
ができる。媒溶剤の供給量は溶銑中のSi、S、P濃度
に応じ決められるが、スラグ発生量の低減化の観点から
20kg/T以下の供給量とすることが望ましい。
【0071】また、脱燐反応効率をさらに向上させるた
めには溶銑をガス撹拌することが好ましい。このガス撹
拌は、例えばインジェクションランスや底吹きノズルな
どを通じて窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを
溶銑中に吹き込むことにより行われる。このような撹拌
ガスの供給量としては、十分な浴撹拌性を得るために
0.02Nm/min/T以上とし、また、浴の撹拌
が強すぎると生成したFeOを溶銑中のCが還元する速
度が大きくなり過ぎるためのため0.3Nm/min
/T以下とすることが好ましい。
【0072】この発明の脱燐処理は、CaFなどのF
源を含まないCaOを主体とした媒溶剤を使用するだけ
で高い脱燐反応効率が得られることが最大の特徴である
が、CaFなどのF源の添加を排除するものでなく、
例えば、CaO源の滓化をより促進するために、許容さ
れる限度でCaFなどのF源を添加することを妨げな
い。なお、この発明の脱燐処理においてCaFなどの
F源を含まないCaOを主体とした媒溶剤のみを使用す
る場合、媒溶剤がF源を含まないとはF源を実質的に含
まないことを意味し、したがって、媒溶剤中に例えば不
可避的不純物などとして少量のF源が含まれることは妨
げない。
【0073】
【実施例】[実施例1-(1)]高炉から出銑された溶銑を
高炉鋳床と溶銑鍋において脱珪処理し、次いで機械撹拌
を用いた溶銑鍋内で脱硫処理した後、300ton転炉
内で脱燐処理を行った。この実施例では、脱燐処理前後
での溶銑温度を1280〜1320℃とし、脱燐用の媒
溶剤としてはCaFを含まないCaO主体の焼石灰の
みを用いた。CaOの原単位は8〜12kg/Tとし
た。
【0074】また、気体酸素の供給は上吹きランスで行
うとともに、鉄鉱石を主体とした固体酸素源の添加も行
い、全酸素原単位を気体O換算で8〜10Nm/T
とした。送酸速度は15000〜25000Nm/h
r、ランス高さは1.5〜2.5mとし、所定の気体酸
素量を供給するため、吹錬時間(全吹錬時間)は9〜1
1分とした。本実施例では、P濃度が0.1wt%でほ
ぼ一定で、Si濃度が種々異なる溶銑について、本発明
例及び比較例の脱燐処理を実施した。
【0075】本発明例では、媒溶剤の添加に先立ち溶銑
に対する気体酸素の供給を行った後、媒溶剤を約30秒
おきに2〜6回に分けで分割添加した。また、媒溶剤添
加前の吹錬時間は15秒〜4分間とし、脱燐処理に要す
る媒溶剤中の全CaO量A[kg/T]と気体換算の酸
素供給量B[Nm/T]の比B/Aが0.010〜
0.50の範囲内になるようにした。一方、比較例で
は、本発明例のような媒溶剤添加前の送酸を行うことな
く、初期媒溶剤の添加と同時に送酸を開始した。
【0076】図1に脱燐処理後の溶銑中のP濃度を脱燐
処理前の溶銑中のSi濃度との関係を示す。これによれ
ば、本発明例では脱燐処理前の溶銑中のSi濃度に拘り
なく、比較例に較べて極めて高い脱燐反応効率が得ら
れ、目標とする0.020wt%以下のP濃度が達成さ
れている。また、脱燐処理前の溶銑中のSi濃度が0.
15wt%以下において[P]≦0.015wt%以下
が達成され、とりわけ脱燐処理前の溶銑中のSi濃度が
0.10wt%以下において低P規格の[P]≦0.0
10wt%が安定して達成されている。また、本発明例
のなかでもB/A≦0.20(但し、B/A≧0.0
5)の場合により高い脱燐反応効率が得られている。
【0077】[実施例1−(2)]実施例1と同様に、高
炉から出銑された溶銑を高炉鋳床と溶銑鍋において脱珪
処理し、次いで機械撹拌を用いた溶銑鍋内で脱硫処理し
た後、300ton転炉内で脱燐処理を行った。脱燐処
理前後での溶銑温度を1280〜1320℃とし、脱燐
用の媒溶剤としてはCaFを含まないCaO主体の焼
石灰のみを用いた。
【0078】この実施例では、媒溶剤の添加に先立ち酸
素源として気体酸素、固体酸素源(ミルスケール)の1
種以上を溶銑に対して供給した。このうち気体酸素の供
給は上吹きランスにより行い、吹錬時間は15秒〜4分
間とした。また、固体酸素源であるミルスケールの供給
は連続上置き投入により行った。媒溶剤の添加は、約3
0秒おきに2〜6回に分けて分割添加する方法または媒
溶剤全量を一括添加する方法で行った。媒溶剤添加後
は、上吹きランスにより気体酸素の供給を行うととも
に、鉄鉱石を主体とした固体酸素源の添加も行い、媒溶
剤添加前に供給する酸素源を含めた全酸素原単位を気体
換算で8〜10Nm/Tとした。
【0079】上吹きランスを用いた送酸では、送酸速度
は15000〜25000Nm/hr、ランス高さは
1.5〜2.5mとし、所定の気体酸素量を供給するた
めの吹錬時間(全吹錬時間)は9〜11分とした。本実
施例では、P濃度が0.1wt%でほぼ一定で、Si濃
度が種々異なる溶銑について、脱燐処理に要する媒溶剤
中の全CaO量A[kg/T]と媒溶剤添加前に供給さ
れた酸素源の気体換算の酸素供給量B[Nm/T]と
の比B/Aを種々変えて脱燐処理を実施した。
【0080】本実施例における脱燐処理前後の溶銑成分
と比B/Aを表1及び表2に示す。これによれば比B/
Aを0.010〜0.50の範囲にすることにより高い
脱燐反応効率が得られることが判る。また、比B/A:
0.010〜0.50のなかでもB/Aが0.05〜
0.20の範囲において特に良好な脱燐反応効率が得ら
れている。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】[実施例2]高炉から出銑された溶銑を高
炉鋳床及び溶銑鍋において脱珪処理し、次いで機械撹拌
を用いた溶銑鍋内で脱硫処理した後、溶銑鍋で脱燐処理
を行った。溶銑量は150〜160ton、脱燐処理前
後での溶銑温度は1280〜1320℃とし、脱燐用媒
溶剤としてはCaFを含まないCaO主体の焼石灰の
みを用い、CaOの原単位は6〜10kg/Tとした。
【0084】媒溶剤はインジェクションランスを通じて
窒素をキャリアガスとして溶銑中にインジェクションし
た。また、酸素源としては上吹きランスを通じた気体酸
素の供給と鉄鉱石を主とした固体酸素源の供給を併用
し、全酸素原単位は6〜12Nm/Tとした。また、
固体酸素源の添加量は気体酸素換算で0.5〜6Nm
/Tとした。気体酸素の供給条件としては、送酸速度を
3000〜10000Nm/hr、ランス高さを1.
0〜1.5m、所定の酸素量を供給するための吹錬時間
を9〜15分とした。各実施例とも脱燐処理前の溶銑中
P濃度は0.10wt%前後でほぼ一定とし、脱燐処理
後の目標P濃度は0.015wt%以下とした。また高
炉鋳床及び溶銑鍋の脱珪処理を制御して、脱燐処理前の
溶銑中Si濃度を調整した。
【0085】各実施例の脱燐処理前後の溶銑中P濃度と
Si濃度を、酸素添加速度X、CaO換算の媒溶剤添加
速度Y、X/Y、撹拌ガス量とともに表3に示す。表3
によれば、X/Yが0.50〜2.0の範囲に制御され
た本発明例では、溶銑のSi濃度に拘りなく目標P濃度
である[P]≦0.015wt%が達成されており、特
に溶銑中Si濃度が0.1wt%以下の場合に低P規格
である[P]≦0.01wt%が安定して達成されてい
る。これに対してX/Yが本発明条件を満足していない
比較例では、溶銑中Si濃度が0.1wt%以下であっ
ても目標P濃度である[P]≦0.015wt%は達成
されていない。
【0086】
【表3】
【0087】[実施例3]高炉から出銑された溶銑を高
炉鋳床と溶銑鍋において脱珪処理し、次いで機械撹拌を
用いた溶銑鍋内で脱硫処理した後、300ton転炉内
で脱燐処理を行った。脱燐処理前後での溶銑温度は12
50〜1330℃とし、脱燐用媒溶剤はCaFを含ま
ないCaO主体の焼石灰のみを用い、CaOの原単位は
9〜11kg/Tとした。また、酸素源としては上吹き
ランスを通じた気体酸素の供給と鉄鉱石を主とした固体
酸素源の供給を併用し、全酸素原単位は8〜10Nm
/Tとした。また、固体酸素源の添加量は気体酸素換算
で1〜4Nm/Tとした。気体酸素の供給条件として
は、送酸速度を15000〜25000Nm/hr、
ランス高さを1.5〜2.5m、所定の酸素量を供給す
るための吹錬時間を8〜10分とした。
【0088】固体酸素源を溶銑に供給するに当り、加熱
炉において固体酸素源を種々の温度に予熱し(一部の比
較例では予熱無し)、これを直ちにインジェクションラ
ンスを通じて窒素をキャリアガスとして溶銑中にインジ
ェクションした。各実施例とも脱燐処理前の溶銑中P濃
度は0.10wt%前後でほぼ一定とし、脱燐処理後の
目標P濃度は0.015wt%以下とした。また、高炉
鋳床及び溶銑鍋の脱珪処理を制御して、脱燐処理前の溶
銑中Si濃度を調整した。
【0089】本発明例と比較例の脱燐処理後のP濃度を
図2に示すが、200℃以上の温度に予熱した固体酸素
源を溶銑中に供給した本発明例では、溶銑のSi濃度に
拘りなく目標P濃度である[P]≦0.015wt%が
達成されており、特に溶銑中Si濃度が0.10wt%
以下の場合に低P規格である[P]≦0.010wt%
が安定して達成されている。これに対して予熱していな
か或いは予熱していても予熱温度が200℃未満の固体
酸素源を溶銑中に供給した比較例では、目標P濃度であ
る[P]≦0.015wt%は達成されていない。
【0090】[実施例4]高炉から出銑された溶銑を高
炉鋳床及び溶銑鍋内で脱珪処理し、次いで機械撹拌を用
いて溶銑鍋内で脱硫処理した後、300ton転炉内で
脱燐処理を行った。脱燐処理前後での溶銑温度は128
0〜1320℃とし、脱燐用媒溶剤はCaFを含まな
いCaO主体の焼石灰のみを用い、CaOの原単位は9
〜11kg/Tとした。
【0091】媒溶剤はインジェクションランスを通じて
窒素をキャリアガスとして溶銑中にインジェクションし
た。また、酸素源としては上吹きランスを通じた気体酸
素の供給と鉄鉱石を主とした固体酸素源の供給を併用
し、全酸素原単位は8〜10Nm/Tとした。また、
固体酸素源の添加量は気体酸素換算で1〜4Nm/T
とした。気体酸素の送酸条件としては、送酸速度を15
000〜25000Nm /hr、ランス高さを1.5
〜2.5m、所定の酸素量を供給するための吹錬時間は
9〜11分とした。各実施例とも脱燐処理前の溶銑中P
濃度は0.10wt%前後でほぼ一定とし、脱燐処理後
の目標P濃度は0.015wt%以下とした。また、高
炉鋳床及び溶銑鍋の脱珪処理を制御して、脱燐処理前の
溶銑中Si濃度を調整した。
【0092】脱燐処理容器である転炉から排出される排
ガス中の[CO]/([CO]+[CO])は、送
酸条件とランス高さを調整して排ガスの二次燃焼率を変
えるにことにより制御した。このため転炉から排出され
る排ガスのガス組成分析を随時行い、このガス分析値に
基づき[CO]/([CO]+[CO])の制御を
行った。また、炉体の溶損については、出鋼時に炉内を
目視で観察することにより評価した。
【0093】各実施例の脱燐処理前後の溶銑中P濃度と
Si濃度及び炉体溶損の度合いを、排ガス中の[C
]/([CO]+[CO])とともに表4に示
す。表4によれば、排ガス中の[CO]/([C
]+[CO])が0.10〜0.35に制御された
本発明例では溶銑のSi濃度に拘りなく目標P濃度であ
る[P]≦0.015wt%が達成されており、特に溶
銑中Si濃度が0.1wt%以下の場合に低P規格であ
る[P]≦0.01wt%が安定して達成されている。
【0094】これに対して排ガス中の[CO]/
([CO]+[CO])が0.10未満である比較例
では、溶銑中Si濃度が0.10wt%以下であっても
目標P濃度である[P]≦0.015wt%は達成され
ていない。また、[CO]/[CO]+[CO])
が0.35を超えた比較例では、過剰な二次燃焼によっ
て炉体に溶損を生じている。
【0095】
【表4】
【0096】[実施例5−(1)]図6に示すような取鍋
型精錬容器(150ton)を用いて溶銑の脱燐処理を
行った。媒溶剤としては焼石灰を使用し、これを窒素を
キャリアガスとしてインジェクションランスから溶銑中
に吹き込んだ。溶銑の成分、温度、送酸時間は可能な限
り一定とし、媒溶剤投入量は脱燐処理前の溶銑中Si濃
度に応じて装入基準を設定するように留意した。主要な
脱燐条件を表5に示す。
【0097】各実施例とも脱燐処理後の溶銑の目標P濃
度は0.020wt%以下とし、また、脱炭量ΔCは
1.20wt%未満とした。なお、脱燐処理後の溶銑中
P濃度と脱燐処理による脱炭量ΔCは送酸開始前及び終
了時の溶銑、スラグの成分分析値より求めた。各実施例
における脱燐処理後の溶銑中P濃度(終点[P]濃度)
と脱燐処理による脱炭量ΔCを、溶銑温度、送酸速度
F、L/Loなどとともに表6に示す。
【0098】表6によれば、0.02≦L/Lo≦0.
10で且つ0.25≦F≦1.50を満足する本発明例
では、目標P濃度である[P]≦0.020wt%及び
ΔC<1.20wt%が達成されている。これに対して
L/Lo、Fが上記の本発明条件を満足していない比較
例では、少なくとも[P]≦0.020wt%、ΔC<
1.20wt%のいずれかが達成されていない。
【0099】
【表5】
【0100】
【表6】
【0101】[実施例5−(2)]図7に示すような転炉
型精錬容器(350ton)を用いて溶銑の脱燐処理を
行った。媒溶剤としては焼石灰を使用し、これを上部ホ
ッパーからの一括投入又は分割投入で溶銑に供給した。
溶銑の成分、温度、送酸時間は可能な限り一定とし、媒
溶剤投入量は脱燐処理前の溶銑中Si濃度に応じて装入
基準を設定するように留意した。主要な脱燐条件を表7
に示す。
【0102】各実施例とも脱燐処理後の溶銑の目標P濃
度は0.020wt%以下とし、また、脱炭量ΔCは
1.20wt%未満とした。なお、脱燐処理後の溶銑中
P濃度と脱燐処理による脱炭量ΔCは送酸開始前及び終
了時の溶銑、スラグの成分分析値より求めた。各実施例
における脱燐処理後の溶銑中P濃度(終点[P]濃度)
と脱燐処理による脱炭量ΔCを、溶銑温度、送酸速度
F、L/Loなどとともに表8及び表9に示す。
【0103】表8及び表9によれば、0.02≦L/L
o≦0.10で且つ0.25≦F≦1.50を満足する
本発明例では、目標P濃度である[P]≦0.020w
t%及びΔC<1.2wt%が達成されている。これに
対してL/Lo、Fが上記の本発明条件を満足していな
い比較例では、少なくとも[P]≦0.020wt%、
ΔC<1.20wt%のいずれかが達成されていない。
【0104】
【表7】
【0105】
【表8】
【0106】
【表9】
【0107】
【発明の効果】以上述べたように本発明法によれば、C
aFなどのF源を含む媒溶剤を用いることなく極めて
優れた脱燐効率で溶銑の脱燐処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1−(1)において、脱燐処理後の溶銑中
P濃度を脱燐処理前の溶銑中のSi濃度との関係で示す
グラフ
【図2】実施例3において、脱燐処理で使用した固体酸
素源の予熱温度と脱燐処理後の溶銑中P濃度との関係を
示すグラフ
【図3】取鍋型精錬容器と転炉型精錬容器をそれぞれ用
いて行った脱燐処理において、L/Loと送酸速度Fと
の関係を脱燐処理後の溶銑中P濃度で整理して示したグ
ラフ
【図4】取鍋型精錬容器と転炉型精錬容器をそれぞれ用
いて行った脱燐処理において、L/Loと送酸速度Fと
の関係を脱燐処理による脱炭量ΔCで整理して示したグ
ラフ
【図5】L/Loと送酸速度Fの適正範囲を示すグラフ
【図6】取鍋型精錬容器を用いた本発明の実施状況の一
例を示す説明図
【図7】転炉型精錬容器を用いた本発明の実施状況の一
例を示す説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 宏 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 敦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 田中 秀栄 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 赤井 真一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 菊地 良輝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 田畑 芳明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 小平 悟史 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶銑予備処理として行われる脱燐処理に
    おいて、溶銑にCaO源である媒溶剤を添加する前に酸
    素源を供給することでスラグ中の酸化鉄濃度を高めてお
    き、しかる後、CaO源である媒溶剤を添加することを
    特徴とする低燐溶銑の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸素源が気体酸素であることを特徴とす
    る請求項1に記載の低燐溶銑の製造方法。
  3. 【請求項3】 媒溶剤を複数回に分けて添加することを
    特徴とする請求項1または2に記載の低燐溶銑の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 溶銑にCaO源である媒溶剤を添加する
    前に下記(1)式を満足する量の酸素源を供給することを
    特徴とする請求項1、2または3に記載の低燐溶銑の製
    造方法。 0.010≦B/A≦0.50 … (1) 但し A:脱燐処理に要する媒溶剤中の全CaO量[k
    g/T] B:気体換算の酸素供給量[Nm/T]
  5. 【請求項5】 媒溶剤添加前の酸素源の供給時における
    排ガスのガス分析値から溶銑の脱炭量を求め、該脱炭量
    と酸素源の供給量に基づいてスラグ中の酸化鉄濃度を算
    出し、この酸化鉄濃度値に基づいて酸素源の供給条件を
    制御することを特徴とする請求項1、2、3または4に
    記載の低燐溶銑の製造方法。
  6. 【請求項6】 溶銑予備処理として行われる脱燐処理に
    おいて、溶銑に下記(2)式を満足する条件で酸素源とC
    aO源である媒溶剤を添加することを特徴とする低燐溶
    銑の製造方法。 0.50≦X/Y≦2.0 … (2) 但し X:酸素添加速度[kg/min] Y:CaO換算の媒溶剤添加速度[kg/min]
  7. 【請求項7】 溶銑予備処理として行われる脱燐処理に
    おいて、固体酸素源及び/又は媒溶剤を200℃以上、
    1000℃未満の温度に予熱した後、溶銑に添加するこ
    とを特徴とする低燐溶銑の製造方法。
  8. 【請求項8】 溶銑予備処理として行われる脱燐処理に
    おいて、脱燐処理容器から排出される排ガス中のCOと
    COの濃度が下記(3)式を満足するような操業条件で
    脱燐処理を行うことを特徴とする低燐溶銑の製造方法。 0.10≦[CO]/([CO]+[CO])≦0.35 … (3) 但し [CO]:排ガス中のCO濃度[wt%] [CO] :排ガス中のCO濃度[wt%]
  9. 【請求項9】 溶銑予備処理として行われる脱燐処理に
    おいて、上吹きランスから溶銑に気体酸素を上吹きする
    とともに、該上吹きされた気体酸素の運動エネルギーに
    より形成される溶銑浴面の凹み深さL(m)と溶銑の浴
    深さLo(m)の比L/Loと上吹きランスからの送酸
    速度F(Nm/min/T)が下記(4)式及び(5)式を
    満足するような条件で脱燐処理を行うことを特徴とする
    低燐溶銑の製造方法。 0.02≦L/Lo≦0.10 … (4) 0.25≦F≦1.50 … (5)
  10. 【請求項10】 Si濃度が0.10wt%以下の溶銑
    を脱燐処理することを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8または9に記載の低燐溶銑の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 Si濃度が0.10wt%を超える溶
    銑を0.10wt%以下のSi濃度まで脱珪処理した
    後、脱燐処理することを特徴とする請求項10に記載の
    低燐溶銑の製造方法。
  12. 【請求項12】 F源を含まないCaOを主体とした媒
    溶剤を用いることを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、6、7、8、9、10または11に記載の低燐溶銑
    の製造方法。
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