JP5402383B2 - 転炉を用いる製鋼精錬プロセスおよび低燐鋼の製造方法 - Google Patents
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そのため、例えば脱炭吹錬時のスラグ塩基度を3〜4の範囲とし、Al2O3源を添加して最終スラグのAl2O3濃度を3.5以上とする溶鋼の精錬方法が、特許文献2に開示されている。しかし、その方法ではスラグ中のAl2O3濃度が高まることによりスラグのフォーミング(泡立ち)が助長されるため、近年の脱燐処理をも要する高能率脱炭吹錬ではスラグや溶銑の炉外への噴出が発生して操業を継続できなくなるおそれがある。
1)転炉を用いる製鋼精錬プロセスを溶銑予備脱燐処理と脱燐溶銑の脱炭処理の2段階処理プロセスとして捉え、かつ、その両処理を通算して能率および効率が高まるようにする。
2)溶銑予備脱燐の効率的処理方法として特許文献3の方法が公知であるため、その方法をベースとして処理時間の短縮を図る。
3)脱炭処理において脱炭・脱燐の吹錬時間を短縮すると脱燐剤(CaO)の滓化不良を招き、処理後スラグのフリーCaO濃度が高まってしまうことが従来大きな問題であったが、その問題はそのスラグを溶銑脱燐吹錬の脱燐剤として活用することにより解決できる。
その選定に当たり、脱燐溶銑の脱炭吹錬においては脱燐溶銑に含まれるSi濃度がほとんど零であるため、従来は何らかのSiO2源を脱燐剤であるCaO源と共に添加して溶融スラグを生成させていたという事情を考慮した。その吹錬の際に、脱炭処理後の転炉スラグを路盤材に使うことを考えて、フリーCaOを質量濃度で5%以下とすべくスラグの塩基度(CaO質量%/SiO2質量%)を3〜4程度に調整するなどしていたのである。
(a)7質量%以上の高フリーCaO濃度の転炉スラグを急冷却した後、粒径10mm以上100mm以下に粒度調整して、溶銑予備脱燐処理を実施していない溶銑(Si濃度≧0.20質量%)を吹錬して溶銑脱燐処理する際に脱燐剤の一部として用いると、その転炉スラグを使用しない吹錬の場合と比較して、その含有フリーCaOを単なるCaO源の一つとして考える以上に、その吹錬での脱燐能力が向上する。
(1)転炉を用いる製鋼精錬プロセスであって、
溶銑予備脱燐処理されたP質量濃度が0.02%以下の溶銑を上底吹き型転炉で吹錬して低燐溶鋼を製造する際に、
前記吹錬後のスラグを分析して得られる質量濃度をAl2O3:3.5%以下、T.Fe:15%以上とし、
さらにCaOとSiO2との質量濃度比(CaO%/SiO2%)を4.0以上6.0以下とすることによって、
当該吹錬の上吹き酸素供給時間が6〜10分間でC質量濃度が0.08%以下、かつ、P質量濃度が0.010%以下の低燐溶鋼とするとともに、該スラグ中に含有されるフリーCaOの質量濃度を7%以上に調整した転炉スラグを同時に製造し、
かつ、
溶銑予備脱燐処理をされていない溶銑であってSi質量濃度が0.20%以上のものを上底吹き型転炉で吹錬して溶銑予備脱燐処理する際に、
前記のように製造した転炉スラグを脱燐剤の一部として用いて溶銑の予備脱燐処理をCaOとSiO 2 との質量濃度比(CaO%/SiO 2 %)を2.2以上3.0以下で行って、当該予備脱燐処理の後に行われる前記低燐鋼を製造する際のP質量濃度が0.02%以下の溶銑とすることを特徴とする、転炉を用いる製鋼精錬プロセス。
(2)フリーCaOの質量濃度を7%以上に調整して製造した前記転炉スラグを上底吹き型転炉から排出後、
該スラグに散水冷却を30分間以上行うことによって少なくともその一部にCa(OH)2を生成させる処理と
該スラグを破砕して最大粒径を50mm以下に篩分けする処理とを行い、
その後、前記散水冷却および篩分け処理されたスラグを前記溶銑予備脱燐処理する際の脱燐剤の一部として用いるスラグとすることを特徴とする、(1)に記載した転炉を用いる製鋼精錬プロセス。
(3)(1)または(2)に記載した転炉を用いる製鋼精錬プロセスを用いて製造することを特徴とする、低燐鋼の製造方法。
さらに、脱炭吹錬時間も6〜10分間と脱燐吹錬に合わせた短い条件下で低燐溶鋼を製造でき、それと同時に塩基度4.0〜6.0かつフリーCaOの質量濃度が7%以上という転炉スラグを製造して、その転炉スラグを前記溶銑脱燐吹錬の脱燐剤として用いることができる。
1)本発明に係る製鋼精錬プロセスの全体像
本発明では、転炉を用いて溶銑予備脱燐処理を行い、そこで処理された脱燐溶銑を再度転炉を用いて脱炭および脱燐処理する。
その塊状CaO源には、脱燐溶銑の脱炭および脱燐吹錬によって製造した高塩基度かつ高フリーCaO濃度の転炉スラグを用いる。
なお、その脱炭・脱燐処理により製造された転炉スラグは、溶銑予備脱燐を行う転炉へ脱燐剤として投入する前に、適切に散水冷却処理しておくことが好ましい。
本発明では、溶銑脱燐処理に用いる脱燐剤として、脱燐溶銑を脱炭および脱燐処理した際に製造しておいた所定性状の転炉スラグを用いることを基本的な特徴としているので、先ずその脱炭および脱燐処理について説明する。
溶銑脱燐処理後の溶銑とスクラップとを上底吹き転炉に装入し、上吹きランスからの酸素供給開始と前後して、かんらん岩等のSiO2源と生石灰等のCaO源とを適切量投入する。
本発明の実施においては、基本的には脱燐処理がされていない溶銑であってSi濃度が0.20質量%以上のものを対象とし、それを転炉を用いて脱燐処理後の溶銑中C濃度が3.6〜4.0質量%、かつ、P濃度が0.02質量%以下の低燐溶銑を、上吹き酸素供給時間6〜10分間という短時間で製造する。
図2には、トーピードカーからの払い出し前の質量濃度で、C:4.4〜4.6%、Si:0.2〜0.4%、Mn:0.2〜0.3%、P:0.10〜0.12%の溶銑に対し、上吹き酸素の供給時間を6〜10分間として溶銑脱燐処理試験を行った際の、脱燐処理後のスラグの塩基度とスラグ/溶銑間のP濃度分配比(スラグ中のP%/溶銑中のP%)との関係を、本発明例と従来の実施例とを比較して
示す。
本発明では、脱燐溶銑を脱炭・脱燐処理し、その際同時に溶銑脱燐処理用の脱燐剤として用いる高塩基度かつ高フリーCaO濃度の転炉スラグを製造する。その転炉スラグは、脱炭・脱燐処理後にその処理をした転炉から排出して、適当な手段により溶銑脱燐用の転炉まで搬送し、転炉内へ投入すれば良い。
但し、この搬送する間に、搬送しやすいように冷却したり破砕したりすることが通常行われている。この冷却や破砕を工夫すれば、本発明の実施効果を一層高めることができる。
高炉から出銑した溶銑であって、その主な成分がトーピードカーからの払い出し前の質量濃度で、C:4.4〜4.6%、Si:0.2〜0.4%、Mn:0.2〜0.3%、P:0.10〜0.12%の溶銑に対し、それをトーピードカーから溶銑鍋に約275t払い出す際に高炉原料である焼結鉱を溶銑トン当たり約3kg添加して軽く脱珪処理し、その後徐滓せずにスクラップ約20tと共に上底吹き転炉へ装入した。
また、脱燐処理後のスラグの主な成分は、質量濃度でCaO:45〜55%、SiO2:15〜22%、MgO:2〜4%、Al2O3:2〜3.5%、P2O5:8〜13%、塩基度:2.2〜3.0であった。
上記の溶銑脱燐処理をされた脱燐溶銑を機械撹拌式の脱硫装置を用いて脱硫処理した後、さらに追加するスクラップと合わせて、約300tを上記の溶銑脱燐処理を行った転炉とは別の上底吹き転炉に装入した。
上記の脱燐・脱炭処理により製造された転炉スラグを、転炉からの溶鋼出鋼後にスラグポットへ排出し、スラグ処理場へと搬送した。
スラグ処理場では、スラグの到着直後に処理場内にスラグを拡げ、そのスラグの内部は部分的に未だ溶融状態にあると推測されるときにスラグの上部から散水を開始して、その散水を30分〜60分間行ってスラグ表面が100℃以下になるまで十分冷却した。
このようにして、脱燐・脱炭処理により製造した転炉スラグを、先述した溶銑脱燐処理時の脱燐剤として使用し、所期の目的である転炉を用いた製鋼精錬プロセスの全体としての高能率・高効率化を達成することができた。
Claims (3)
- 転炉を用いる製鋼精錬プロセスであって、溶銑予備脱燐処理されたP質量濃度が0.02%以下の溶銑を上底吹き型転炉で吹錬して低燐溶鋼を製造する際に、前記吹錬後のスラグを分析して得られる質量濃度をAl2O3:3.5%以下、T.Fe:15%以上とし、さらにCaOとSiO2との質量濃度比(CaO%/SiO2%)を4.0以上6.0以下とすることによって、当該吹錬の上吹き酸素供給時間が6〜10分間でC質量濃度が0.08%以下、かつ、P質量濃度が0.010%以下の低燐溶鋼とするとともに、該スラグ中に含有されるフリーCaOの質量濃度を7%以上に調整した転炉スラグを同時に製造し、
かつ、溶銑予備脱燐処理をされていない溶銑であってSi質量濃度が0.20%以上のものを上底吹き型転炉で吹錬して溶銑予備脱燐処理する際に、前記のように製造した転炉スラグを脱燐剤の一部として用いて溶銑の予備脱燐処理をCaOとSiO 2 との質量濃度比(CaO%/SiO 2 %)を2.2以上3.0以下で行って、当該予備脱燐処理の後に行われる前記低燐鋼を製造する際のP質量濃度が0.02%以下の溶銑とすることを特徴とする、転炉を用いる製鋼精錬プロセス。 - フリーCaOの質量濃度を7%以上に調整して製造した前記転炉スラグを上底吹き型転炉から排出後、該スラグに散水冷却を30分間以上行うことによって少なくともその一部にCa(OH)2を生成させる処理と該スラグを破砕して最大粒径を50mm以下に篩分けする処理とを行い、
その後、前記散水冷却および篩分け処理されたスラグを前記溶銑予備脱燐処理する際の脱燐剤の一部として用いるスラグとすることを特徴とする、請求項1に記載した転炉を用いる製鋼精錬プロセス。 - 請求項1または請求項2に記載した転炉を用いる製鋼精錬プロセスを用いて製造することを特徴とする、低燐鋼の製造方法。
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