JP2001131625A - 転炉を用いた溶銑の脱燐方法 - Google Patents

転炉を用いた溶銑の脱燐方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱炭精錬炉により生成した脱炭スラグを溶銑
の脱燐に活用して、脱燐効率を高めて到達燐濃度を低減
することができる転炉を用いた溶銑の脱燐方法を提供す
る。 【解決手段】 脱炭精錬用転炉10aで生成した脱炭ス
ラグ18を溶銑23を装入した脱燐精錬用転炉10に添
加して、上吹きランス13から吹酸しながら底吹きガス
により攪拌して溶銑23中の燐を除去する溶銑の脱燐方
法において、脱燐精錬用転炉10の脱燐精錬処理によっ
て生成するスラグ25の塩基度を1.7以上に保持し、
スラグ25中のT.Feを調整して到達燐濃度を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転炉等の精錬炉の
脱炭精錬を行った際に生成した脱炭スラグを脱燐フラッ
クスとして添加して溶銑を脱燐する転炉を用いた溶銑の
脱燐方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、製鋼の主原料である溶銑は、珪素
や硫黄、燐等の不純物を含んでおり、予めこれ等の不純
物を除去する脱珪、脱硫、脱燐等の予備処理が行われて
いる。特に、脱燐処理では、溶銑に生石灰、ソーダ灰等
の脱燐フラックスと燐を酸化する気体酸素、あるいは固
体酸化剤である酸化鉄や集塵ダスト、スラジ等を添加し
たり、吹き込み(インゼクション)を行うことにより、
溶銑中の燐を酸化物にして生成したスラグ中のCaOに
捕捉させて除去する。しかし、脱燐処理を行うことによ
って、脱燐フラックスと酸化鉄等が反応してスラグが多
量に発生する。このスラグは、膨張性が大きいので埋め
立て等への処置が困難であり、資源としてリサイクルす
る場合に、使用する範囲に制約がある。この対策とし
て、特開昭62−170409号公報に記載されている
ように、容器に入れた溶銑に、強塩基度の脱炭スラグと
酸化鉄やミルスケールを添加して脱燐処理を施す。次い
で、脱珪用フラックスとして酸化鉄やミルスケールに炭
素粉末を混合して吹き込むことにより溶銑の脱燐と脱珪
を行う。そして、脱燐処理した溶銑に炭素を付与して後
工程の転炉の脱炭精錬等の熱保証を図ることが行われて
いる。また、特開昭63−195209号公報には、脱
炭精錬用と脱燐専用の2基の転炉を用い、脱炭精錬用の
転炉で生成した脱炭スラグを細粒にしたものを脱燐専用
転炉の脱燐フラックスとして使用し、底吹きノズルと上
吹きランスから酸素を供給し、溶銑中の燐を酸化してス
ラグ中のCaOに捕捉して除去することにより、脱炭炉
でのMn等の歩留りの向上や低燐鋼を低コストで溶製す
ることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
62−170409号公報では、脱燐に強塩基度の脱炭
スラグを用いるため、滓化不良を生じ易く、スラグの性
状を脱燐に適した条件にコントロールすることが難し
く、脱燐効率が低下する。更に、脱燐した後のスラグを
用いて脱珪処理を行うため、スラグ中のSiO2 が増加
し、スラグの塩基度が低下して復燐を生じ、後工程の脱
炭精錬の際に燐の除去が必要となり精錬の負荷が増加す
る。しかも、溶銑を入れたトピードカーや鍋等の容器内
に、脱燐用フラックスと酸化鉄やミルスケールを添加し
て脱燐処理を行う場合では、溶銑と脱燐用フラックス等
の容器内での混合が弱くなり、脱燐反応が低下して脱燐
処理時間が延長したり、到達燐濃度が高くなる。また、
特開昭63−195209号公報において、脱炭精錬用
で生成した脱炭スラグの細粒を脱燐専用転炉で脱燐フラ
ックスとして使用して行った脱燐は、全製鋼工程で発生
するスラグ量を少なくできる有利性を備えた脱燐処理と
言える。しかし、脱燐効率は、脱燐精錬の際に生成され
るスラグの塩基度とスラグ中の酸化鉄量(T.Fe)に
大きく左右される。特に、底吹きノズルと上吹きランス
から酸素を多量に供給する場合では、スラグの塩基度と
スラグ中のT.Feを同時に脱燐効率の良好な範囲に調
整することが難しく、脱燐効率を高位に維持することが
困難である。例えば、スラグ中のT.Feをある程度高
くしても、脱燐フラックスの滓化不良によって、スラグ
の塩基度が低下する。その結果、高い脱燐効率が得られ
ず、到達燐濃度も高くなると言った問題がある。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、脱炭精錬により生成した脱炭スラグを溶銑の脱燐に
活用して、脱燐効率を高めて到達燐濃度を低減すること
ができる転炉を用いた溶銑の脱燐方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る転炉を用いた溶銑の脱燐方法は、脱炭精錬用転炉で
生成した脱炭スラグを溶銑を装入した脱燐精錬用転炉に
添加して、上吹きランスから吹酸しながら底吹きガスに
より攪拌して前記溶銑中の燐を除去する溶銑の脱燐方法
において、前記脱燐精錬用転炉の脱燐精錬処理によって
生成するスラグの塩基度を1.7以上に保持し、該スラ
グ中のT.Feを調整して到達燐濃度を制御する。添加
した酸化鉄や溶銑中の鉄等の酸化物を鉄(Fe)に換算
したスラグ中に含まれるT.Feによってスラグの塩基
度(CaO/SiO2 )が変動(低下)するのを抑制す
るので、脱燐の促進と脱燐処理後の復燐を防止して、ス
ラグ中のT.Feを脱燐効率の高い範囲に調整すること
ができ、脱燐効率の向上と到達燐濃度を低くすることが
できる。スラグの塩基度が1.7より低くなると、スラ
グ中の(%P)/溶銑中の〔%P〕が小さくなり、脱燐
効率の低下や到達燐濃度が高くなる。
【0006】ここで、前記脱燐精錬処理の吹酸条件を可
変とすることにより前記スラグ中のT.Feを調整する
ことが好ましい。これにより、スラグ中のT.Feを簡
単に調整することができ、スラグの塩基度の低下を抑制
しながら脱燐効率を高めることができる。なお、吹酸条
件は、上吹きランスから吹き付ける酸素量を増減した
り、上吹きランスの酸素吹き出し口の位置(ランス高
さ)を高くしてソフトブローを行ったり、底吹きノズル
から吹き込む気体の量を増減することにより可変にでき
る。また、上吹きと底吹きの組み合わせにより行うこと
もできる。
【0007】更に、前記スラグの滓化率を求め、該滓化
率から溶銑に添加する総CaO量を調整しても良い。脱
燐に必要なCaOの添加量を最小限にして脱燐処理を行
うことができ、全製鋼工程で発生するスラグ量を少なく
することができる。
【0008】また、前記脱炭精錬用転炉及び/又は脱燐
精錬用転炉を複数用いることも可能である。これによ
り、脱燐精錬用転炉で脱燐処理した溶銑を脱炭精錬用転
炉に適正なサイクルで供給することができ、連続した脱
燐処理が可能になり、待機や休止等に伴う熱ロスを減少
したり、脱燐精錬用転炉の耐火物の損傷を抑制すること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係る
転炉を用いた溶銑の脱燐方法に適用される脱燐精錬用転
炉の全体図、図2は同脱燐方法による脱燐精錬工程の説
明図、図3はスラグの塩基度と燐の分配比の関係を表す
グラフ、図4はスラグの塩基度とスラグ中のT.Fe率
の関係を表すグラフ、図5は投入のT.CaO量に対す
る吹錬時間比とスラグの滓化率の関係を表すグラフであ
る。図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に
係る転炉を用いた溶銑の脱燐方法に用いられる脱燐精錬
転炉10は、上底吹き転炉であって、炉体11の底部に
底吹きノズル12を設け、上方から炉体11内に挿入さ
れる上吹きランス13とを有し、生石灰や鉄鉱石、ドロ
マイト等の副原料を炉体11内に添加するシュート14
と、出鋼口15を備えている。更に、図2に示すよう
に、本実施の形態で用いる脱炭精錬用転炉10aも同様
に上底吹き転炉であって、炉体11aの底部に底吹きノ
ズル12aを設け、上方から炉体11a内に挿入される
上吹きランス13aとを有し、生石灰や鉄鉱石、ドロマ
イト等の副原料を炉体11a内に添加するシュート14
aと、出鋼口15aを備えている。
【0010】次に、本発明の一実施の形態に係る転炉を
用いた溶銑の脱燐方法について図2に示す脱燐精錬工程
に従って説明する。まず、脱炭精錬用転炉10aに、脱
燐処理を行った溶銑17を装入し、生石灰や鉄鉱石等の
副原料をシュート14aから炉体11a内に投入して、
底吹きノズル12aから攪拌用のアルゴン、酸素、窒素
等のガスを吹き込み、上吹きランス13aから1〜3万
3 /時間の速度で酸素を吹き付けることにより、炭素
濃度が0.01〜0.80重量%になるまで脱炭を行
う。脱炭された溶鋼を出鋼口15aから図示しない取鍋
に出鋼する。そして、炉体11a内に残留した脱炭スラ
グ18を図示しない排滓鍋に移し、冷却場19に流して
から散水等を行って冷却した後、この脱炭スラグ18を
破砕機20を用いて破砕して篩分け装置21により5〜
60mmに篩分けしたものをホッパー22に貯蔵する。
【0011】脱燐精錬用転炉10では、燐の濃度が0.
090〜0.130重量%の未脱燐の溶銑23を90〜
170トン装入し、ホッパー22に貯蔵された脱炭スラ
グ18及び集塵ダストやスラジ等の含酸化鉄、鉄鉱石等
をシュート14から炉体11内に投入する。そして、底
吹きノズル12から攪拌用のアルゴン、酸素、窒素等の
ガスを吹き込み、上吹きランス13から酸素を0.5〜
1.5万m3 /時間の速度で吹き付けて、燐濃度が0.
010〜0.050重量%になるまで脱燐精錬処理を行
い、脱燐された溶銑を溶銑鍋24に出銑し、溶銑17と
して前記脱炭精錬用転炉10aに供給する。脱燐精錬用
転炉10で溶銑23中の燐は、酸化されてP25 にな
り、スラグ25中のCaOに捕捉され、脱燐精錬用転炉
10内から排滓される。
【0012】この脱燐反応は、図3に示すように、スラ
グの塩基度(CaO/SiO2 )に大きく左右され、ス
ラグの塩基度を1.7以上に保持することにより、燐の
スラグ25中の燐濃度(%P)と溶銑23中の燐濃度
〔%P〕の分配比である(%P)/〔%P〕を大きくす
ることができる。すなわち、溶銑23の脱燐を促進し、
脱燐処理後の復燐を抑制することができ、脱燐効率を向
上し、到達燐濃度を低くすることができる。更に、スラ
グの塩基度と共に重要なのが、スラグ中のT.Feであ
り、下記(1)式の反応により燐を酸化させ、脱燐反応
を促進することができる。 2P+5FeO→P25 +5Fe ・・・・(1) このスラグ中のT.Fe濃度は、図4に示すように、ス
ラグの塩基度が脱燐反応に有利な高塩基度になるにつれ
て低下する傾向を示しているが、スラグの塩基度を1.
7以上に保持しながらT.Feを低下させない範囲に制
御することで、総合的な脱燐効率を高位に維持すること
ができる。スラグ25中のT.Fe濃度は、上吹きラン
ス13から吹き付ける酸素量を減少したり、上吹きラン
ス13の酸素吹き出し口の位置を高くする等によりソフ
トブローを行うか、あるいは底吹きノズル12からの底
吹きのガス量を少なくして溶銑23の攪拌を抑制する等
の方法により高く調整することができる。一方、T.F
e濃度を低くするには、上吹きランス13から吹き付け
る酸素量を増加したり、上吹きランス13を低くしてハ
ードブローしたり、溶銑の攪拌を強化すること等の方法
がある。このスラグ25のT.Feの調整は、5〜30
重量%の範囲で行い、スラグ25の塩基度によってさら
に制御できる。スラグ中のT.Feが5重量%より少な
いと、溶銑中の燐を酸化するための酸素量が不足してP
25 が十分に生成されないので、脱燐効率が低下す
る。スラグ中のT.Feが30重量%より多くなると、
スラグの絶対量が増加し、スラグの塩基度が低下してや
はり脱燐効率が低下し、炉の内張り耐火物の溶損が大き
くなる。この理由からスラグ中のT.Feを10〜25
重量%の範囲で塩基度に伴って適正に調整することによ
り、好ましい結果が得られる。
【0013】また、スラグの塩基度は、シュートから転
炉に投入する脱炭スラグや生石灰、石灰石、ドロマイト
等が溶解(滓化)した程度(スラグの滓化率)によって
影響を受ける。しかも、スラグの滓化率は、図5に示す
ように、投入されたT.CaO(総CaO)量(kg/
溶銑トン)に対する上吹きランスによる吹錬(吹酸)時
間(min)の比に大きく関係する。従って、予め脱燐
に必要な吹錬時間を決めておき、この吹錬時間に対して
シュート14から脱燐精錬転炉10に投入する総CaO
量を目的の滓化率になるよう増減して調整することによ
り、滓化率を決定することができる。滓化率や塩基度
は、過去の操業条件から溶銑中に含有するSi量及び副
原料の総添加量等の条件を基に求めることができ、滓化
率からスラグの塩基度を予測することができる。また、
スラグの滓化率をX、投入する総CaO量をY、溶銑と
脱炭スラグ中の総Si量をZとして、下記(2)式によ
って求めた値をスラグの塩基度として用いることもでき
る。 スラグの塩基度=Y×(X/100)/2.14Z ・・・・(2) また、脱燐に必要な吹錬時間と総CaO量から求まる滓
化率で決定されるスラグの塩基度が1.7より低くなる
場合は、総CaO量を増加することにより塩基度を高く
することができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明に係る転炉を用いた溶銑の脱燐
方法の実施例について説明する。150トンの転炉の一
例である上底吹き転炉(転炉)を3基用い、1基を脱燐
精錬用転炉とし、他の2基を脱炭精錬用転炉にして、2
基の脱炭精錬用転炉で脱炭精錬を行った際に生成した脱
炭スラグを破砕、篩分けしてサイズが5〜60mmのも
のを脱燐精錬用転炉に投入して溶銑の脱燐精錬を行っ
た。この脱燐精錬処理は、スラグの滓化率、総CaOに
対する脱燐精錬の吹錬時間の比、スラグの塩基度、スラ
グのT.Fe重量%を変化させて行った。そして、溶銑
の脱燐率、復燐の有無、脱燐コスト及び耐火物や生産性
等を考慮した総合評価について調査した。その結果を表
1に示す。実施例1は、総CaO量に対する脱燐精錬の
吹錬時間の比を1.0にしてスラグの滓化率を80%に
し、スラグの塩基度を1.9に保持し、上吹きランスを
高くしてソフトブローを行って、脱燐スラグのT.Fe
を20重量%に調整して脱燐精錬を行った場合であり、
溶銑の脱燐率が84%となり、溶銑への復燐が防止さ
れ、総合評価として良い(○)結果が得られた。実施例
2は、総CaO量に対する脱燐精錬の吹錬時間の比を
0.8にしてスラグの滓化率を80%にし、スラグの塩
基度を1.8に保持し、上吹きランスに供給する酸素量
を減少してソフトブローを行って、スラグのT.Feを
15重量%に調整して脱燐精錬を行った場合であり、溶
銑の脱燐率が86%となり、溶銑への復燐が防止され、
総合評価として良い(○)結果が得られた。実施例3
は、総CaO量に対する脱燐精錬の吹錬時間の比を1.
2にしてスラグの滓化率が86%となり、スラグの塩基
度を2.0に保持し、スラグ中のT.Fe濃度が高くな
ることが予想されたので上吹きランスを低くしてハード
ブローを行って、スラグのT.Feを13重量%に調整
して脱燐精錬を行った場合であり、溶銑の脱燐率が80
%となり、溶銑への復燐が防止され、総合評価として良
い(○)結果が得られた。
【0015】
【表1】
【0016】これに対し、比較例1は、スラグの滓化率
を考慮しないでスラグの塩基度を1.5にして、上吹き
ランスからの吹酸を調整しないで脱燐処理を行い、スラ
グのT.Feが25重量%になった場合であり、溶銑の
脱燐率は70%と悪くなり、溶銑への復燐が発生し、総
合評価として悪い(×)結果となった。比較例2は、ス
ラグの滓化率を考慮しないでスラグの塩基度を1.4に
して、上吹きランスからの吹酸を調整しないで脱燐処理
を行い、スラグのT.Feが30重量%になった場合で
あり、溶銑の脱燐率は70%と悪くなり、溶銑への復燐
が発生し、総合評価として悪い(×)結果となった。
【0017】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨
を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲であ
る。例えば、脱炭スラグは、転炉の脱炭精錬で生成した
スラグの他に、電気炉や減圧精錬や取鍋精錬等の二次精
錬によって生成した脱炭スラグを用いることができる。
更に、脱燐精錬用転炉や脱燐精錬用転炉は、上底吹き転
炉の他に、上吹き転炉や底吹き転炉等を用いることがで
き、それぞれ1又は2以上の複数とすることができる。
また、スラグの滓化率は、投入する総CaO量を最初に
決めておき、この総CaO量に応じた吹錬時間から求め
ることもできる。
【0018】
【発明の効果】請求項1〜4記載の転炉を用いた溶銑の
脱燐方法は、脱燐精錬用転炉の脱燐精錬によって生成す
るスラグの塩基度を1.7以上に保持し、スラグ中の
T.Feを調整して到達燐濃度を制御するので、脱燐に
有効なスラグの塩基度の変動を抑制して脱燐を促進し、
復燐を防止することができ、脱燐効率を向上させ、到達
燐濃度を低くすることができる。しかも、全製鋼工程で
発生するスラグ量を少なくし、脱燐精錬コストを低減す
ることができる。
【0019】特に、請求項2記載の転炉を用いた溶銑の
脱燐方法は、脱燐精錬の吹酸条件を可変にしてスラグ中
のT.Fe濃度を調整するので、スラグの塩基度を低下
させることなくスラグ中のT.Feを調整して脱燐効率
を高めることができ、到達燐濃度を安定して低くするこ
とができる。
【0020】請求項3記載の転炉を用いた溶銑の脱燐方
法は、スラグの滓化率を求め、滓化率から添加する総C
aO量を調整するので、脱燐に用いるCaO量を最小限
に抑え、スラグの滓化を高めて脱燐効率を安定して向上
することができる。しかも、後工程である脱炭精錬や二
次精錬等の脱燐に要する負荷を軽減することができる。
【0021】請求項4記載の転炉を用いた溶銑の脱燐方
法は、複数の脱炭精錬用転炉と脱燐精錬用転炉を用いる
ので、脱燐精錬を連続して行うことができ、脱燐精錬用
転炉の待機や休止等に伴う熱ロスを減少し、耐火物の損
傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る転炉を用いた溶銑
の脱燐方法に適用される脱燐精錬用転炉の全体図であ
る。
【図2】同脱燐方法による脱燐精錬工程の説明図であ
る。
【図3】スラグの塩基度と燐の分配比の関係を表すグラ
フである。
【図4】スラグの塩基度とスラグ中のT.Fe濃度の関
係を表すグラフである。
【図5】投入総CaO量に対する吹錬時間の比とスラグ
の滓化率の関係を表すグラフである。
【符号の説明】
10:脱燐精錬用転炉、10a:脱炭精錬用転炉、1
1:炉体、11a:炉体、12:底吹きノズル、12
a:底吹きノズル、13:上吹きランス、13a:上吹
きランス、14:シュート、14a:シュート、15:
出鋼口、15a:出鋼口、17:溶銑、18:脱炭スラ
グ、19:冷却場、20:破砕機、21:篩分け装置、
22:ホッパー、23:溶銑、24:溶銑鍋、25:ス
ラグ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱炭精錬用転炉で生成した脱炭スラグを
    溶銑を装入した脱燐精錬用転炉に添加して、上吹きラン
    スから吹酸しながら底吹きガスにより攪拌して前記溶銑
    中の燐を除去する転炉を用いた溶銑の脱燐方法におい
    て、前記脱燐精錬用転炉の脱燐精錬処理によって生成す
    るスラグの塩基度を1.7以上に保持し、該スラグ中の
    T.Feを調整して到達燐濃度を制御することを特徴と
    する転炉を用いた溶銑の脱燐方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の転炉を用いた溶銑の脱燐
    方法において、前記脱燐精錬処理の吹酸条件を可変とす
    ることにより前記スラグ中のT.Fe濃度を調整するこ
    とを特徴とする転炉を用いた溶銑の脱燐方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の転炉を用いた溶銑
    の脱燐方法において、前記スラグの滓化率を求め、該滓
    化率から前記溶銑に添加する総CaO量を調整すること
    を特徴とする転炉を用いた溶銑の脱燐方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の転
    炉を用いた溶銑の脱燐方法において、前記脱炭精錬用転
    炉及び/又は脱燐精錬用転炉を複数用いることを特徴と
    する転炉を用いた溶銑の脱燐方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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