JP2000328121A - 溶銑の脱燐方法 - Google Patents
溶銑の脱燐方法Info
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Abstract
あっても安定した脱燐効果を発揮し、操業トラブルのな
い脱燐処理を可能とする方法を提供する。 【解決手段】 脱燐剤として転炉滓、連鋳滓および造塊
滓から成る群から選んだ1種または2種以上と酸化鉄と
を使用し、吹錬初期から吹錬時間の30〜50%までの期間
中、送酸速度を1.6 〜1.9Nm3/min・t 、底吹き攪拌ガス
流量を0.15〜0.18 Nm3/min・t に制御して吹錬を行い、
次いで、吹錬時間の30〜50%から吹錬末期までの期間
中、送酸速度を0.9 〜1.2Nm3/min・t 、底吹き攪拌ガス
流量を0.10〜0.13 Nm3/min・t に制御して吹錬を行う。
Description
発生する鋼滓の有効利用可能な溶銑の脱燐方法に関す
る。
グのリサイクル使用もしくは利材化への試みが多くなさ
れるようになってきている。製鋼工程においては、溶銑
予備処理を行った際に発生する脱燐滓や脱硫滓、転炉精
錬において発生する脱炭滓などの転炉滓、さらには連続
鋳造後の取鍋内に残留する連鋳滓や、造塊のための鋳込
み後に取鍋内に残留する造塊滓等、複数のスラグが発生
するが、これらをリサイクルすることにより有効活用し
ようという提案がされてきた。
鋳滓および/または造塊滓を溶銑の脱燐工程にリサイク
ルすることにより優れた脱燐剤としてその機能を発揮す
ることが示されている。
−25527 号公報開示の方法では以下の問題点があった。
連鋳滓や造塊滓は緻密かつ堅固な性状のものが多いた
め、溶銑の脱燐剤として直接転炉に装入した場合、1300
〜1400℃の処理温度では完全に溶解することが困難であ
ることがわかった。このため脱燐剤としての機能を十分
に発揮することができず、脱燐後の[P] が不安定とな
り、さらには転炉より出湯する際に出湯孔に詰まり、操
業トラブルを発生することがわかった。
連鋳滓や造塊滓をリサイクル使用する場合にあっても安
定した脱燐効果を発揮し、操業トラブルのない脱燐処理
を可能とする方法を開発することである。
ける問題点を解決するため、本発明者らは、転炉におけ
る脱燐吹錬方法を模索した結果、吹錬過程における送酸
速度および底吹き攪拌流量を吹錬過程の初期と末期とで
それぞれ異なる所定値に制御し、むしろ前半の攪拌を強
化することにより、最も効率良く連鋳滓や造塊滓を溶解
・滓化させることができることを知り、本発明を完成し
た。
燐剤の溶解限界を見極めることにより、転炉での脱燐吹
錬の時間内に連鋳滓や造塊滓を完全に溶解させるために
は、必要最小限の大きさまで予め破砕しておくことによ
り予想外の脱燐処理の効率化を図ることができることを
見出し、本発明を完成させるに至った。
前半と後半とで処理条件を変えることは、例えば特開平
8−232009号公報および特開平8−41516 号公報等にお
いても開示されているが、いずれにあっても、冷鉄源を
投入するために前半は溶解工程で脱Siを行うにすぎな
い。また、脱燐反応を促進すべき吹錬後半の処理条件に
ついても適切ではなく、溶銑の攪拌という観点から見た
場合、特開平8−232009号公報において規定されている
0.06 Nm3/min・t の低攪拌ガス流量では、スラグ中の
(T.Fe)を高位に保持できスラグの脱燐能を確保すること
は可能であるが、溶銑−スラグ間の反応界面への溶銑中
のPの移動が滞り、吹錬時間短縮による脱燐処理の効率
化を図ることができない。また、スラグの攪拌という観
点から見た場合においても、特開平8−41516 号公報お
よび特開平8−232009号公報に規定されている0.50 Nm3
/min・t の低送酸速度では、スラグ自体の攪拌が効果的
に行われず、反応界面からスラグ内部へのPの移動が滞
り、脱燐能を安定的に確保することは困難である。
に、転炉滓、連鋳滓および造塊滓から成る群から選んだ
1種または2種以上を含む脱燐剤を添加するとともに上
吹きランスからの酸素供給および底吹羽口からの攪拌ガ
スの供給を行いながら、溶銑を脱燐する方法であって、
吹錬初期から吹錬時間の30〜50%までの期間中、上吹き
ランスからの送酸速度を1.6 〜1.9Nm3/min・t 、底吹羽
口からの攪拌ガス流量を0.15〜0.18 Nm3/min・t に制御
して吹錬を行い、次いで、吹錬時間の30〜50%から吹錬
末期までの期間中、送酸速度を0.9 〜1.2Nm3/min・t 、
攪拌ガス流量を0.10〜0.13 Nm3/min・t に制御して吹錬
を行うことを特徴とする溶銑の脱燐方法である。
は、固体酸素供給材として酸化鉄をさらに添加してもよ
い。本発明のさらに別の好適態様によれば、前記脱燐剤
が、予め粒径50mm以下の大きさに破砕した連鋳滓および
/または造塊滓と、固体酸素供給材として添加された酸
化鉄とから成る。
果とともに以下に詳述する。図1は、本発明による製鋼
工程を示した工程図である。図示のように、予め脱硫さ
れた脱硫溶銑は脱燐炉で脱燐処理が行われ、得られた脱
燐溶銑は次いで脱炭炉に装入され、溶鋼にまで脱炭処理
が行われる。脱炭処理の終了した溶鋼は取鍋に出鋼して
タンディッシュを介して連続鋳造を行う。
が、上吹きランスからの酸素供給および底吹き羽口から
のアルゴンガス等の不活性ガスの攪拌ガスの供給が行わ
れている。
硫、脱燐、脱炭の各処理を得て連続鋳造あるいは造塊さ
れる溶鋼の調製方法であって、脱炭処理の際の低燐転炉
滓、または連鋳滓もしくは造塊滓を、脱硫溶銑を受け入
れた脱燐炉における脱燐処理に際しての脱燐剤としてリ
サイクル使用する方法である。
際に、転炉滓、連鋳滓および造塊滓から成る群から選ん
だ1種または2種以上と、必要によりさらに酸化鉄とを
含む脱燐剤を溶銑に添加する。かかる脱燐剤の添加量
は、特に制限はないが、完全に脱燐するに要する化学量
論的な量の 1.1〜1.4 倍であることが好ましい。上記脱
燐剤に添加される酸化鉄はいわゆるスケール、鉄鉱石な
どであって、固体酸素供給材としての作用を有する。
法や造塊法による鋳込後に取鍋内に残留した連鋳滓や造
塊滓を、冷却後地金分と分離し、好ましくは粒径50mm以
下に破砕して使用してもよい。このときの粉砕後の大き
さは、脱燐処理時間、脱燐処理温度および媒溶剤として
添加する蛍石等の溶解速度に影響を及ぼす因子により決
定され、脱燐処理時間が5〜10分、脱燐処理温度が1300
〜1400℃、蛍石添加量が5kg/t以下の場合においては、
粒径25mm以下に破砕することが望ましい。また、溶解速
度をより向上させるため、10mm以下の細粒に破砕する等
の手段も可能ではあるが、粉率が大きくなり集塵機への
ロスが増加するため、適切ではない。
転炉滓も使用できるが、転炉滓は通常溶融状態で得られ
るために、特に破砕などの処理は必要なく、媒溶剤とと
もにそのまま脱燐炉内に添加すればよい。
滓および/または造塊滓の組成は、CaO-SiO2-Al2O3系ス
ラグであり、十分な溶解速度を確保するためには(CaO)/
(SiO2)=3.0 〜5.0 、(Al2O3) =5〜40%の組成である
ことが望ましい。
/または造塊滓と酸化鉄とを含む脱燐剤を使用するが、
その場合にあっても、脱燐炉に装入する脱燐剤として
は、[Si]、[Ti]等の溶銑成分に応じて、脱炭炉より発生
する低燐転炉滓を0〜30kg/tを配合してもよく、さらに
媒溶剤として、生石灰を0〜20kg/t、蛍石を0〜10kg/t
添加してもよい。特に溶銑中の[Si]濃度が0.50%以上と
高い場合には、スロッピングによる鉄分歩留の低下が懸
念されるため、低燐転炉滓の添加量を少なくすることが
望ましい。
上吹きランスからの酸素供給、つまり送酸速度と底吹羽
口からの攪拌ガス流量、つまり底吹き攪拌ガス流量のパ
ターンを示した。
期までは、送酸速度を上げることにより溶銑温度を急激
に上昇させ、連鋳滓および/または造塊滓を含む脱燐剤
の溶解を促進する。同時にSiの反応界面への移動を速や
かに行うために、底吹き攪拌ガス流量を増加することが
効果的である。
度および底吹き攪拌ガス流量を抑制しソフトブロー化を
図ることにより、形成されたスラグの(FeO) を上昇させ
ることが効果的である。スラグ中の(FeO) を高位に保持
することによって、スラグ低融点化を促進し、最終的に
脱燐剤の溶解を完了させることが可能となり、さらには
スラグの酸化力を上昇し脱燐能を向上させることができ
る。
としては、上記のソフトブロー化を図る以外に、鉄鉱石
もしくはスケール等の酸化鉄源を10〜20kg/t添加しても
よい。但し、これらの酸化鉄源を脱燐吹錬中に一括添加
した場合、急激な温度降下を伴い、脱燐剤の溶解に逆効
果となる危険性があるため、吹錬中に分割添加すること
が望ましい。次に、本発明に基づいて行った実施例につ
いて、従来法と比較して示す。
装入し、図2記載の吹錬パターンに従い脱燐吹錬を行っ
た。なお、連鋳滓および/または造塊滓については、25
mm以下に破砕したものを使用した。
果を図3ないし図5にグラフでまとめて示す。図3に、
脱燐剤の溶解の程度を表す指標として塩基度 [=(%CaO)
/(%SiO2)] をとり、溶銑と副原料より計算される装入塩
基度と脱燐処理後のスラグ分析より得られる実際の塩基
度( 以下、実塩基度という) との関係を示した。
不可能なため、装入塩基度に対し実塩基度は0.1 〜0.2
程度低くなっているが、本発明にかかる方法では、十分
に溶解させることができた結果、装入塩基度と実塩基度
がほぼ等しくなっていることがわかる。
では、連鋳滓・造塊滓の溶解が不安定であることから、
平均脱燐率が82.3%と低く、かつ脱燐率が60%以下と極
端に低い脱燐不良処理がしばしば発生していたが、本発
明にかかる方法により脱燐能が大幅に改善され、安定し
て高い脱燐率を確保することが可能となり、平均脱燐率
91.0%を達成することが可能であった。
度を示した。従来法では、未溶解の連鋳滓・造塊滓によ
り9.1 %の頻度で出湯孔詰まりが発生し、操業上大きな
問題となっていたが、本発明にかかる方法により著しく
軽減され、出湯孔詰まり頻度は1.6 %と低い頻度で操業
が可能となった。
に示す各副原料配合割合で実施例1と同様の脱硫溶銑の
脱燐処理を行い、脱燐率を求めた。結果は同じく表2に
まとめて示す。
来産業廃棄物として廃棄もしくは埋立処分していた連鋳
滓および/または造塊滓を、さらには転炉滓を脱燐剤と
して効果的にリサイクル用することが可能となった。こ
れにより、操業の安定性のみならず埋立地の延命が図ら
れることから、本発明は環境保全の観点も含め、極めて
重要である。
て示すグラフである。
ラフである。
頻度を比較して示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 上底吹き転炉内の溶銑に、転炉滓、連鋳
滓および造塊滓から成る群から選んだ1種または2種以
上を含む脱燐剤を添加するとともに上吹きランスからの
酸素供給および底吹羽口からの攪拌ガスの供給を行いな
がら溶銑を脱燐する方法であって、 吹錬初期から吹錬時間の30〜50%までの期間中、上吹き
ランスからの送酸速度を1.6 〜1.9Nm3/min・t 、底吹羽
口からの攪拌ガス流量を0.15〜0.18 Nm3/min・t に制御
して吹錬を行い、次いで、吹錬時間の30〜50%から吹錬
末期までの期間中、送酸速度を0.9 〜1.2Nm3/min・t 、
攪拌ガス流量を0.10〜0.13 Nm3/min・tに制御して吹錬
を行うことを特徴とする溶銑の脱燐方法。 - 【請求項2】 前記脱燐剤が、酸化鉄をさらに含有す
る、請求項1に記載の溶銑の脱燐方法。 - 【請求項3】 前記脱燐剤が、酸化鉄と、予め粒径50mm
以下の大きさに破砕した連鋳滓および/または造塊滓と
から成ることを特徴とする請求項1に記載の溶銑の脱燐
方法。
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- 1999-05-19 JP JP13890299A patent/JP3644307B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR101597420B1 (ko) | 2014-03-28 | 2016-02-25 | 현대제철 주식회사 | 전로 취련 방법 |
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