JP2001107124A - 溶銑の脱燐方法 - Google Patents

溶銑の脱燐方法

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JP2001107124A
JP2001107124A JP28966899A JP28966899A JP2001107124A JP 2001107124 A JP2001107124 A JP 2001107124A JP 28966899 A JP28966899 A JP 28966899A JP 28966899 A JP28966899 A JP 28966899A JP 2001107124 A JP2001107124 A JP 2001107124A
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Naoki Hirashima
直樹 平嶋
Shinji Sasagawa
真司 笹川
Toshiyuki Wada
敏之 和田
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    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱炭スラグを溶銑の脱燐に用いた際に、スラ
グのフォーミングを抑制し、脱燐効率の向上と、安定し
た操業を行うことができる溶銑の脱燐方法を提供する。 【解決手段】 精錬炉30を用いて脱炭精錬した際に生
成した脱炭スラグ12を溶銑23に吹き込んで溶銑23
中に含まれる燐を脱燐する溶銑の脱燐方法において、脱
炭スラグ12から脱燐に必要な総CaOの50重量%以
上を供給し、更に、脱燐処理の前半に供給するCaOに
対する総酸素の重量比を1.1以上にして脱燐処理を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精錬炉の脱炭精錬
により生成した脱炭スラグを用いて、フォーミングを抑
制して安定した脱燐処理を行う溶銑の脱燐方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、製鋼に用いる溶銑は、シリコンや
硫黄、燐〔P〕等の不純物を含んでおり、予めこれ等の
不純物を除去する脱珪、脱硫、脱燐等の予備処理が行わ
れている。脱燐処理では、溶銑に、生石灰、ソーダ灰等
の脱燐フラックスと、燐を酸化する気体酸素、あるいは
固体酸化剤である酸化鉄やスケール、集塵ダスト、スラ
ジ等を添加したり、吹き込む(インゼクション)ことに
より、燐を酸化物(P25)にし、スラグ中のCaO
等に捕捉させて除去する。しかし、脱燐処理を行うこと
によって、反応により生石灰や酸化鉄等からスラグが多
量に発生し、このスラグの処理を行ったり、資源として
リサイクルする際に制約を受ける等の問題がある。この
対策として、特開昭60−194005号公報には、転
炉により脱炭精錬を行った後の溶融状態あるいは高温の
脱炭スラグをそのまま容器に添加して溶銑と接触させ、
脱燐等の処理を行うことが記載されており、脱炭スラグ
中に含まれる酸化鉄、CaO及び脱炭スラグの保有熱等
を脱燐処理に有効利用している。更に、特公平4−37
132号公報には、2基の上底吹き転炉を用い、脱炭専
用の上底吹き転炉の脱炭スラグを他の上底吹き転炉内の
溶銑に添加して、ランスと底吹きノズルから酸素の吹き
込みを行って、溶銑中の燐を酸化して脱燐を行う方法が
記載されている。そして、脱炭スラグ中に含まれる鉄や
マンガン等の還元回収を行うと共に、脱燐コストの低減
を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
60−194005号公報では、溶融状態あるいは高温
の脱炭スラグを用いるため、溶滓鍋による搬送等のハン
ドリングに多大の手間を要し、しかも、溶銑の容器内で
急激な反応が生じてフォーミングが発生し、スラグや溶
銑が容器から溢れて重大事故を招いたり、操業が不安定
になり、脱燐効率が低下する。また、脱炭スラグが赤熱
状態で固化している場合は、大きな塊を形成するため、
溶銑との接触表面が小さくなるので、脱燐反応が低下
し、脱燐に時間を要する等の問題がある。更に、特公平
4−37132号公報では、2基の上底吹き転炉を用い
ているため、脱燐処理設備が大型化し、設備保全や脱燐
処理コストが高くなる。しかも、脱燐用の上底吹き転炉
への溶銑の装入や処理後の溶銑の出銑の際の温度降下量
が大きくなり、脱炭用上底吹き転炉の精錬の際に、スク
ラップの配合を制限するか、あるいは炭材等の熱源の消
費が必要になる等の問題がある。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、脱炭スラグを溶銑の脱燐に用いた際に、スラグのフ
ォーミングを抑制し、脱燐効率の向上と安定した操業を
行うことができる溶銑の脱燐方法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明の
溶銑の脱燐方法は、精錬炉を用いて脱炭精錬した際に生
成した脱炭スラグを溶銑に吹き込んで該溶銑中に含まれ
る燐を脱燐する溶銑の脱燐方法において、前記脱炭スラ
グから脱燐に必要な総CaOの50重量%以上を供給
し、更に、脱燐処理の前半に供給するCaOに対する総
酸素の重量比を1.1以上にして該脱燐処理を行ってい
る。この方法により、脱燐処理の前半でのスラグ塩基度
の低下を抑え、脱炭スラグ中に含有する酸化鉄と溶銑中
の炭素が反応して生成するCOを抑制し、スラグのフォ
ーミングを防止して安定した脱燐処理を行うことができ
る。しかも、脱炭スラグを多量に使用でき、高い脱燐効
率を得ることができる。なお、脱燐処理の前半に供給す
るCaO量に対する脱燐に必要な総酸素の重量比を1.
1より低くすると、脱燐処理の前半のスラグ塩基度が低
下して流動性が増加することに加え、酸素の供給量が多
くなるので、COが生成してフォーミングが発生する。
【0006】ここで、前記総酸素量を0.23kg/分
・溶銑トン以下にすることが好ましい。これにより、供
給する酸化鉄中の酸素を溶銑中の燐の酸化に積極的に活
用して溶銑中の炭素と反応して生成するCOを抑制で
き、スラグや溶銑の溢れを無くして安定した操業が可能
になる。脱燐に必要な総酸素量が0.23kg/分・溶
銑トンより多くなると、溶銑中の炭素と酸素の反応が増
加してCOガスが急激に増加してスラグのフォーミング
が発生する。
【0007】更に、前記総CaO(全量)を前記脱炭ス
ラグから供給することもできる。これにより、精錬工程
で発生する脱炭スラグを最大限に使用して脱燐効率を向
上し、製鉄工程で発生するスラグの総量を減少すること
ができる。
【0008】また、前記溶銑の脱燐に必要な酸素を酸化
鉄により供給することができる。これにより、溶銑中に
固体酸化剤として集塵ダストやスラジ等の酸化鉄を吹き
込むことにより、局部的に酸素濃度が高くなるのを抑制
でき、溶銑中の炭素の燃焼を抑え、脱燐を促進しながら
スラグのフォーミングを防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係る
溶銑の脱燐方法に適用される脱燐処理装置の全体図、図
2は同脱燐方法で使用される脱炭スラグが製造される精
錬炉の説明図である。図1に示すように、本発明の一実
施の形態に係る溶銑の脱燐方法に用いられる脱燐処理装
置10は、脱燐処理容器の一例であるトピードカー11
と、下部に切り出し弁16を設け、冷却して破砕を行っ
た粒状の脱炭スラグ12を貯留する貯蔵タンク13と、
下部に切り出し弁17を設け、酸素源として供給される
固体酸化剤の一例である集塵ダストやスラジ等の酸化鉄
14を貯留する貯蔵タンク15と、各貯蔵タンク13、
15から圧送管19によって圧送される脱炭スラグ12
及び酸化鉄14を貯留するブロータンク18を有してい
る。更に、ブロータンク18の下部は、切り出し弁21
を介してフレキシブルホース22の一端と連通し、フレ
キシブルホース22の他端には、先端の吐出口24がト
ピードカー11内の溶銑23に浸漬するように取付けら
れた吹き込みランス25が接続されている。更に、溶銑
23の湯面上のスラグ26に上方から酸素を吹き付ける
ための気酸ランス27を備えている。なお、19aは、
ブロータンク18の遮断弁である。また、図2に示すよ
うに、脱炭精錬を行う精錬炉の一例である上底吹き転炉
30は、脱燐処理した後の溶銑23aを装入しており、
吹酸する上吹きランス31と、不活性ガスや酸素を吹き
込む底吹きノズル32と、脱炭精錬の際に、上底吹き転
炉30内に副原料である生石灰や鉄鉱石、ドロマイト等
を添加する副材シュート33を備えている。なお、符号
34は脱炭精錬された溶鋼を取鍋等に出鋼するための出
鋼口である。
【0010】次に、本発明の一実施の形態に係る溶銑の
脱燐方法について説明する。脱珪処理を行った後の燐を
0.120重量%含んだ1300〜1400℃の溶銑2
3をトピードカー11に250トン入れた。ブロータン
ク18には、貯蔵タンク13、15の切り出し弁16、
17をそれぞれ開いて、脱燐に必要な250〜2500
kgの脱炭スラグ12と、酸化鉄14とが圧送管19を
通して圧送され、混合物20として貯留される。そし
て、遮断弁19aを遮断し、ブロータンク18内に4k
g/cm2 の圧力の窒素ガスを供給し、混合物20をフ
レキシブルホース22を介して吹き込みランス25に搬
送して吐出口24から溶銑23中に、150〜500k
g/分の速度で吹き込み(インゼクション)を行う。
【0011】溶銑23中に直接インゼクションした脱炭
スラグ12に含まれる金属酸化物(酸化鉄)と酸化鉄1
4から供給される酸素により、溶銑23に含まれる燐が
酸化され、(1)式の脱燐反応が生じる。 6P+5Fe23 →10Fe+3P25 ・・・・・(1) しかも、脱炭スラグ12を溶銑23中に直接インゼクシ
ョンしているので、脱炭スラグ12の表層が溶銑23の
熱によって溶融し、表層に含まれる金属酸化物による燐
の酸化と、露出したCaOとP25 との結合により脱
燐が促進される。すなわち、浮上した脱炭スラグ12及
び酸化鉄14は、スラグ26を形成し、スラグ26と溶
銑23の界面(スラグ・メタル間)で、反応に必要な酸
素が供給され、生成したP25 を脱炭スラグ12中の
CaOによって、脱炭スラグ12や酸化鉄14、溶銑2
3中の成分であるSi、Mn等が酸化したSiO2 、M
nO等を主成分とするスラグ26に捕捉する。この反応
に不足する酸素は、同時に吹き込む酸化鉄14から供給
される。
【0012】しかし、脱炭スラグを脱燐処理に用いると
以下の問題があることが判った。即ち、脱炭スラグその
ものがプリメルト(溶融)したものを粒状にしており、
滓化性に優れているため、溶銑に吹き込んだ際に急激に
滓化する。一方、溶銑に脱炭スラグや酸化鉄等を吹き込
んで脱燐処理を行う際に、脱燐処理の前半に形成される
スラグの塩基度(CaO/SiO2 )が低くなり、粘性
が高くなって酸化鉄14と反応して生成したCOガスの
スラグ26の通り抜けが悪くなる。その結果、溶銑中の
炭素の燃焼が増加する脱燐処理の前半に、COが多量に
生成し、スラグのフォーミングが発生し易すくなり、ス
ラグや溶銑等の溢れ事故、操業の中断等が発生する。
【0013】従って、脱燐を行う際に、脱燐に必要な総
CaOの50重量%以上を脱炭スラグ12から供給し、
且つ、スラグ26の塩基度(CaO/SiO2 )が低い
脱燐処理の前半(処理の開始から5〜25分間)に供給
するCaO量と総酸素量の重量比を1:1.1以上にな
るように生石灰や脱炭スラグ量の添加量を増減すること
により調整して脱燐処理を行う。しかも、この調整は、
酸素を変動させないで、脱炭スラグ12から供給される
CaOの量を調整するので、前半にスラグ26の塩基度
が低下するのを抑え、スラグ26の塩基度に見合った適
正な酸素を供給して、溶銑23中の炭素の燃焼を抑制
し、脱燐を促進することができる。なお、前半に供給す
るCaO量と総酸素量の重量比が4.0を超えないよう
にすることにより、スラグの滓化不良を抑制し、脱燐効
率を向上できるので好ましい結果が得られる。ここで、
総酸素量とは、酸化鉄14に含まれる酸素と脱炭スラグ
12中の金属酸化物(FeO、Fe23 等の酸化鉄)
に含まれる酸素量の合計であり、気酸ランス27から酸
素の吹き付けを行った場合は、この酸素量も含めた値に
なる。更に、脱燐に必要な総CaO量は、脱燐処理前の
溶銑23の燐濃度及び処理後の到達燐濃度によって異な
り、一般的に過去の脱燐処理の実績から決定するが、通
常10〜25kg/溶銑トンを使用する。そして、フォ
ーミングが発生し易い前半の脱燐処理を安定させること
ができ、更に総CaOの全量(100重量%)を脱炭ス
ラグ12から供給することもできるので脱炭スラグ12
の多量使用が可能で、脱燐効率の向上及び精錬工程を含
めた総合的なスラグの発生量を低減することができる。
【0014】また、総酸素量が0.23kg/分・溶銑
トン以下となるように、酸化鉄14及び脱炭スラグ12
の供給速度を調整することにより、酸化鉄14中の酸素
を燐の酸化に積極的に働かせることができるので、脱燐
を促進しながら溶銑23中の炭素との反応を抑制するこ
とができる。そして、総CaOの50重量%以上を脱炭
スラグ12から供給して脱炭スラグ12を多量に使用し
た際に、スラグ26のフォーミングを確実に防止するこ
とができ、スラグや溶銑の溢れを無くして安定した操業
を可能にできる。溶銑に供給する総酸素量が0.23k
g/分・溶銑トンより多くなると、酸素濃度の高い状態
が局部的に発生し、溶銑中の炭素と酸素が反応してCO
ガスが急激に増加して、スラグのフォーミングが発生す
る。酸化鉄の供給速度は、50〜250kg/分にする
必要があり、供給速度が50kg/分より少ないと、脱
燐反応が遅くなり、脱燐処理時間が延長したり、到達燐
濃度が高くなる。一方、酸化鉄ダストの供給速度が25
0kg/分より多くなると、スラグのフォーミングが生
じ易くなる。また、脱燐に必要な酸素は、酸化鉄14に
加えて、気酸ランス27からスラグ26に酸素を吹き付
けることにより補充することができる。
【0015】前記脱燐処理に用いる脱炭スラグ12は、
図2に示すように、上底吹き転炉30に入れた脱燐処理
した後の溶銑23aに副材シュート33から生石灰や鉄
鉱石等を添加し、上吹きランス31から酸素を上吹き
し、底吹きノズル32から攪拌用のガスを供給して所定
の炭素値まで脱炭精錬することにより生成される。この
脱炭スラグ12は、脱炭精錬を終了する際に、脱炭スラ
グ12の塩基度(CaO/SiO2 )が2.5〜4.0
であり、FeOとFe23 等の酸化鉄が10〜30重
量%、この他にAl23 、MnO、MgO等の酸化物
を含んでいるものを用いる。この脱炭スラグ12は、溶
融状態で上底吹き転炉30から図示しない排滓鍋に移さ
れ、冷却してから、150μm以下が70重量%以上に
なるように破砕されて、貯蔵タンク13に貯蔵されるの
で、吹き込みランス25から溶銑23中に吹き込まれる
際に、吐出口の詰まりを防止し、溶銑23と接触した際
の反応性を良くしている。溶銑に吹き込まれる脱炭スラ
グの塩基度が4.0を超えると、融点が高くなって溶銑
との反応性が悪くなり、脱燐効果が低下する。更に、脱
炭スラグ中の酸化鉄が10重量%より少ないと、酸素の
含有量が不足して溶銑中の燐を十分に酸化することがで
きず脱燐反応が低下する。しかし、塩基度が低くなる場
合は、脱燐反応によって生成したP25 を捕捉して安
定させるCaOが不足して復燐等を生じるので2.5以
上にすると良い結果が得られる。そして、前半(5〜2
5分間)の脱燐処理を行った後、到達燐濃度に到達する
ために必要な残りのCaOを供給するための脱炭スラグ
12、又は生石灰等を添加しながら、酸化鉄14の吹き
込み速度を50〜250kg/分の範囲にして引き続き
後半の脱燐処理を行う。
【0016】
【実施例】次に、脱炭スラグを用いた溶銑の脱燐方法の
実施例について説明する。脱珪処理を行った後の珪素を
0.11重量%、燐を0.120重量%含む1350℃
の溶銑をトピードカーに250トン入れ、脱炭スラグと
集塵ダスト(酸化鉄)を溶銑中に吹き込み、総CaO量
に対する脱炭スラグ中のCaO置換率を変化させ、脱燐
処理の前半に供給するCaO量に対する総酸素量の比を
1.1以上にして脱燐処理を行い、スラグのフォーミン
グ状況、脱燐効率の良否を調査した。その結果を表1に
示す。実施例1は、脱燐に必要な総CaO量に対する脱
炭スラグ中のCaOの置換率を70重量%、脱燐処理の
前半の処理時間を18分、脱燐処理の前半に供給するC
aOに対する総酸素量の比を1.1にした場合であり、
スラグのフォーミングが無く(○)、処理後の燐濃度が
低くなり脱燐効率も良好(○)にでき、生産性等を含め
た総合評価は良い(○)結果が得られた。実施例2は、
脱燐に必要な総CaO量に対する脱炭スラグ中のCaO
の置換率を100重量%、脱燐処理の前半の処理時間を
20分、脱燐処理の前半に供給するCaOに対する総酸
素量の比を1.2にした場合であり、スラグのフォーミ
ングが無く(○)、処理後の燐濃度が低くなり脱燐効率
も良好(○)にでき、生産性等を含めた総合評価は良い
(○)結果が得られた。実施例3は、脱燐に必要な総C
aO量に対する脱炭スラグ中のCaOの置換率を100
重量%、脱燐処理の前半の処理時間を15分、脱燐処理
の前半に供給するCaOに対する総酸素量の比を1.1
にした場合であり、スラグのフォーミングが無く
(○)、処理後の燐濃度が低くなり脱燐効率も良好
(○)にでき、生産性等を含めた総合評価は良い(○)
結果が得られた。
【0017】
【表1】
【0018】これに対し、比較例1は、脱燐に必要な総
CaO量に対する脱炭スラグ中のCaOの置換率を70
重量%、脱燐処理の前半の処理時間を18分、脱燐処理
の前半に供給するCaOに対する総酸素量の比を0.9
にした場合であり、スラグのフォーミングが発生し
(×)、処理後の燐濃度が高くなり脱燐効率が悪く
(×)、処理の中断等により生産性等を含めた総合評価
は悪い(×)結果となった。比較例2は、脱燐に必要な
総CaO量に対する脱炭スラグ中のCaOの置換率を1
00重量%、脱燐処理の前半の処理時間を20分、脱燐
処理の前半に供給するCaOに対する総酸素量の比を
1.0にした場合であり、スラグのフォーミングが発生
し(×)、処理後の燐濃度が高くなり脱燐効率が悪く
(×)、処理の中断等により生産性等を含めた総合評価
は悪い(×)結果となった。
【0019】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨
を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲であ
る。例えば、供給する酸素として、製鉄工程で発生する
スラジ、集塵ダスト等で酸化鉄を含有したダストの他に
鉄鉱石粉を用いることができ、酸化鉄を含有したダスト
に鉄鉱石粉を混合しても良い。更に、固体酸化剤と脱炭
スラグ、生石灰を別々に吹き込むこともできる。
【0020】
【発明の効果】請求項1〜4記載の溶銑の脱燐方法は、
精錬炉を用いて脱炭精錬した際に生成した脱炭スラグを
溶銑に吹き込んで溶銑中に含まれる燐を脱燐する溶銑の
脱燐方法において、脱炭スラグから脱燐に必要な総Ca
Oの50重量%以上を供給し、更に、脱燐処理の前半に
供給するCaOに対する総酸素の重量比を1.1以上に
して脱燐処理を行っているので、脱炭スラグを多量に使
用でき、しかも、スラグのフォーミングを抑制して安定
した脱燐処理が可能になり、脱燐効率を向上することが
できる。
【0021】特に、請求項2記載の溶銑の脱燐方法は、
脱燐に必要な総酸素量を0.23kg/分・溶銑トン以
下にするので、酸化鉄中の酸素を燐の酸化に有効に活用
してフォーミングを安定して防止することができる。
【0022】請求項3記載の溶銑の脱燐方法は、総Ca
Oを前記脱炭スラグから供給するので、精錬工程で発生
する脱炭スラグを再利用して脱燐効率を向上でき、脱燐
処理コストの低減と製鉄工程で発生するスラグの総量を
減少することができる。
【0023】請求項4記載の溶銑の脱燐方法は、溶銑の
脱燐に必要な酸素を酸化鉄により供給することができる
ので、溶銑内に局部的な酸素濃度の高い部分が形成され
るのを抑制でき、溶銑中の炭素の燃焼が抑えられ、スラ
グのフォーミングを確実に防止しすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る溶銑の脱燐方法に
適用される脱燐処理装置の全体図である。
【図2】同脱燐方法に使用する脱炭スラグが製造される
精錬炉の説明図である。
【符号の説明】
10:脱燐装置、11:トピードカー、12:脱炭スラ
グ、13:貯蔵タンク、14:酸化鉄、15:貯蔵タン
ク、16:切り出し弁、17:切り出し弁、18:ブロ
ータンク、19:圧送管、19a:遮断弁、20:混合
物、21:切り出し弁、22:フレキシブルホース、2
3:溶銑、23a:溶銑、24:吐出口、25:吹き込
みランス、26:スラグ、27:気酸ランス、30:上
底吹き転炉、31:上吹きランス、32:底吹きノズ
ル、33:副材シュート、34:出鋼口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 敏之 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 Fターム(参考) 4K002 AA01 AE05 4K014 AA03 AC16 AD01 AE01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精錬炉を用いて脱炭精錬した際に生成し
    た脱炭スラグを溶銑に吹き込んで該溶銑中に含まれる燐
    を脱燐する溶銑の脱燐方法において、前記脱炭スラグか
    ら脱燐に必要な総CaOの50重量%以上を供給し、更
    に、脱燐処理の前半に供給するCaOに対する総酸素の
    重量比を1.1以上にして該脱燐処理を行うことを特徴
    とする溶銑の脱燐方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の溶銑の脱燐方法におい
    て、前記総酸素量を0.23kg/分・溶銑トン以下に
    することを特徴とする溶銑の脱燐方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の溶銑の脱燐方法に
    おいて、前記総CaOを前記脱炭スラグから供給するこ
    とを特徴とする溶銑の脱燐方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶
    銑の脱燐方法において、前記溶銑の脱燐に必要な酸素を
    酸化鉄により供給することを特徴とする溶銑の脱燐方
    法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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