JP6642739B2 - 溶銑の脱りん方法 - Google Patents
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Description
CaCO3=CaO+CO2 ・・・(1)
(1)転炉と、前記転炉に酸素ガスを吹き込む上吹きランスと、前記上吹きランスに前記酸素ガスを供給するガスラインと、前記上吹きランスから前記酸素ガスとともに吹き付けるCaO源が保持された第1のディスペンサーと、前記上吹きランスから前記酸素ガスとともに吹き付けるAl2O3源が少なくとも保持された第2のディスペンサーと、を有する脱りん処理装置を用いた溶銑の脱りん方法であって、
前記転炉へ溶銑を装入し、底吹き羽口からN2ガスを前記溶銑へ0.1〜0.6Nm3/min/tの流量で吹き込んで攪拌しつつ、前記上吹きランスから1.0〜2.5Nm 3 /min/tの流量の酸素ガスと共に、吹錬開始から吹錬終了まで間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から50〜80%の量の酸素ガスを吹き付けるまでの間は、前記第1のディスペンサーに保持されたCaO源のみを装入塩基度が0.8〜1.2となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後は前記上吹きランスから前記酸素ガスと共に、前記第2のディスペンサーに保持された、Al2O3源を含む混合粉であって、Al2O3の割合((Al2O3質量)/(CaO質量+CaCO3質量×0.56+Al2O3質量)×100)が5〜20質量%である混合粉のみを吹き付けるか、または、前記第1のディスペンサーに保持されたCaO源と前記第2のディスペンサーに保持されたAl2O3源との混合粉であって、Al2O3の割合が5〜20質量%である混合粉を吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.5以上とし、吹錬時間を6〜10分とすることを特徴とする溶銑の脱りん方法。
(2)吹錬開始前または吹錬開始後30秒以内に、最大粒径10mm以下の細粒CaO源を、装入塩基度0.4未満相当分だけ添加し、吹錬開始から吹錬終了まで間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から50〜80%の量の酸素ガスを吹き付けるまでの間は、前記CaO源のみを前記添加した細粒CaO源と合わせて装入塩基度が0.8〜1.2となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後は前記上吹きランスから前記酸素ガスと共に前記混合粉を吹き付けて、前記添加した細粒CaO源と合わせて処理末期の装入塩基度を1.5以上とすることを特徴とする上記(1)に記載の溶銑の脱りん方法。
本発明では、高炉から出銑された溶銑もしくはさらに脱珪した溶銑([Si]濃度:0.1〜0.7質量%)に対して、上底吹き転炉内において、上吹きランスを通じて気体酸素と共に少なくとも精錬剤の一部を粉体として溶銑へ吹き付けて脱りん処理を行う。本実施形態では、上吹き酸素ラインに繋がっている、「CaO源が保持されたディスペンサー」と「少なくともAl2O3源が保持されたディスペンサー」との少なくとも2基以上の粉体供給用ディスペンサーを有する脱りん処理装置を用いて、溶銑の脱りん処理を行う。
図1に示すように、転炉1内には、前述した溶銑2が保持されており、脱りん処理を行う際には、酸素ガスライン4を経由して上吹きランス3から酸素を吹き付ける。また、脱りん処理を行う際には、CaO源(CaO、、CaCO3、等)の粉体が保持されているディスペンサー5と、それとは別にAl2O3源(主にAl2O3)の粉体が保持されているディスペンサー6とから、処理条件に適したタイミングで、かつ、適切な混合比率で粉体を供給する。但し、各粉体の粒径は運搬効率上、最大粒径が1mm以下とすることが好ましい。また、CaO源の粉体は石灰石(CaCO3)または生石灰(CaO)のどちらかもしくはそれらの混合粉とすることが好ましく、Al2O3源の粉体はバン土頁岩またはボーキサイトが好ましい。なお、以下の説明では、第1のディスペンサー5はCaO源の粉体を保持し、第2のディスペンサー6はAl2O3源の粉体を保持しているものとするが、第2のディスペンサー6は、CaO源の粉体とAl2O3源の粉体とを混合したものを保持していてもよい。このように第2のディスペンサー6は、Al2O3源を少なくとも保持しているものとする。
(1)上吹き酸素流量:0.8〜2.7Nm3/min/溶銑t(以下、ガス供給速度の単位を、Nm3/min/t、またはNm3/min/溶銑tと表す。)
(2)底吹きガス流量:0.08〜0.7Nm3/min/溶銑t
(3)CaO源のみでの装入塩基度(少なくともAl2O3粉が含まれている粉体の使用を開始するまでの装入塩基度):0.7〜1.3
(4)装入塩基度が0.8〜1.2から1.4〜2.7までのCaO+Al2O3混合粉中のAl2O3濃度:3〜25質量%
(5)吹錬前または吹錬開始後30秒以内に転炉内へ装入した、細粒CaO源(粒径≦10mm)による装入塩基度:0〜0.5
(6)脱りん処理での吹錬時間:6〜10分間
(7)処理後の溶銑温度:1300〜1350℃
(8)溶銑の組成:[Si]:0.4質量%、[P]:0.10質量%
(9)溶銑量:2t
上底吹き転炉へ溶銑を装入し、上吹き酸素流量を2.0Nm3/min/t、底吹きN2流量を0.25Nm3/min/tとし、吹錬開始から吹錬終了までの間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から60%の量の酸素ガスを吹き付けるまでは、上吹きランスからCaO源の粉体のみを溶銑へ吹き付け、その後は上吹きランスから、CaO+Al2O3混合粉(混合粉中のAl2O3濃度は10質量%)を吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.8とした。なお、処理前に細粒CaO源は添加しなかった。上記の条件を基本条件として、上吹きしたCaO源の粉体のみによる装入塩基度を、0.7〜1.3と変化させた。
上底吹き転炉へ溶銑を装入し、上吹き酸素供給量を2.0Nm3/min/t、底吹きN2流量を0.25Nm3/min/tとし、吹錬開始から吹錬終了までの間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から60%の量の酸素ガスを吹き付けるまでは、上吹きランスからCaO源の粉体のみを装入塩基度が1.0となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後は上吹きランスからCaO+Al2O3混合粉を吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.8とした。なお、処理前に細粒CaO源は添加しなかった。上記の条件を基本条件として、上吹きしたCaO+Al2O3混合粉中のAl2O3濃度を、3〜25質量%まで変化させた。
上底吹き転炉へ溶銑を装入し、上吹き酸素流量を2.0Nm3/min/t、底吹きN2流量を0.25Nm3/min/tとし、吹錬開始から吹錬終了までの間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から60〜90%の量の酸素ガスを吹き付けるまでは、上吹きランスからCaO源の粉体のみを装入塩基度が1.0となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後は上吹きランスからCaO+Al2O3混合粉(混合粉中のAl2O3濃度は10質量%)を吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.8とした。なお、処理前に細粒CaO源は添加しなかった。
上底吹き転炉へ溶銑を装入し、上吹き酸素流量を2.0Nm3/min/t、底吹きN2流量を0.25Nm3/min/tとし、吹錬開始から吹錬終了までの間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から60%の量の酸素ガスを吹き付けるまでは、上吹きランスからCaO源の粉体のみを装入塩基度が1.0となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後は上吹きランスからCaO+Al2O3混合粉(混合粉中のAl2O3濃度は10質量%)を吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.4〜2.5とした。なお、処理前に細粒CaO源は添加しなかった。
上底吹き転炉へ溶銑を装入し、上吹き酸素流量を0.8〜2.7Nm3/min/tと変化させ、底吹きN2流量を0.25Nm3/min/tとし、吹錬開始から吹錬終了までの間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から60%の量の酸素ガスを吹き付けるまでは、上吹きランスからCaO源の粉体のみを装入塩基度が1.0となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後は上吹きランスからCaO+Al2O3混合粉(混合粉中のAl2O3濃度は10質量%)を吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.8とした。なお、処理前に細粒CaO源は添加しなかった。
上底吹き転炉へ装入した溶銑へ、上吹き酸素流量を2.0Nm3/min/t、底吹きN2流量を0.08〜0.7Nm3/min/tと変化させ、吹錬開始から吹錬終了までの間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から60%の量の酸素ガスを吹き付けるまでは、上吹きランスからCaO源の粉体のみを装入塩基度が1.0となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後は上吹きランスからCaO+Al2O3混合粉(混合粉中のAl2O3濃度は10質量%)を吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.8とした。なお、処理前に細粒CaO源は添加しなかった。
上底吹き転炉へ溶銑を装入し、吹錬前に粒径10mm以下の細粒CaO源をホッパーから装入塩基度0〜0.5相当分添加した。その後、吹錬を開始し、上吹き酸素流量を2.0Nm3/min/t、底吹きN2流量を0.25Nm3/min/tとし、吹錬開始から吹錬終了までの間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から60%の量の酸素ガスを吹き付けるまでは、上吹きランスからCaO源の粉体のみを装入塩基度(この場合、CaO装入量は、細粒CaOと粉体中のCaOとの合計)が1.0となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後は上吹きランスからCaO+Al2O3混合粉(混合粉中のAl2O3濃度は10質量%)を吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.8とした。
上底吹き転炉へ、[Si]:0.4質量%、[P]:0.10質量%の組成を有する溶銑を280t装入した。続いて底吹き羽口からN2ガスを溶銑中へ流量0.25Nm3/min/tで吹き込んで溶銑を攪拌しつつ、最大粒径が1mm以下のCaO源の粉が保持されたディスペンサー1基とCaO源の粉にAl2O3源の粉を10質量%混ぜた最大粒径が1mm以下の粉体((Al2O3質量)/(CaO質量+CaCO3質量×0.56+Al2O3質量)×100=10%、以下、(CaO+10%Al2O3)混合粉)が保持されたディスペンサー1基とが上吹き酸素ガスラインに接続されている脱りん処理装置を用いて、上吹きランスから酸素ガス2.0Nm3/min/tと共に吹錬開始から吹錬終了までの間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から75%の量の酸素ガスを吹き付けるまでは、CaO源の粉が保持されたディスペンサーからCaO源の粉のみを装入塩基度が1.0となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後は(CaO+10%Al2O3)混合粉)が保持されたディスペンサーの方から(CaO+10%Al2O3)混合粉のみを吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.8とした。吹錬時間は7分で、吹錬末期の溶銑温度は1342℃、処理後溶銑中[P]は0.012質量%だった。また、吹錬中にスロッピングは生じなかった。
上底吹き転炉へ、[Si]:0.4質量%、[P]:0.10質量%の組成を有する溶銑を280t装入した。その後、吹錬開始前に最大粒径10mm以下の細粒CaO源を装入塩基度0.3相当分添加した。続いて底吹き羽口からN2ガスを溶銑中へ流量0.25Nm3/min/tで吹き込んで溶銑を攪拌しつつ、最大粒径が1mm以下のCaO源の粉が保持されたディスペンサー1基と最大粒径が1mm以下のAl2O3源の粉が保持されたディスペンサー1基とが上吹きランスから吹き付ける酸素ガスの供給ラインとは別のN2ガスラインに接続されている脱りん装置を用いて、上吹きランスから酸素ガス2.0Nm3/min/tと共に吹錬開始から吹錬終了までの間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から75%の量の酸素ガスを吹き付けるまではCaO源の粉が保持されたディスペンサーからCaO源の粉のみを装入塩基度(CaO装入量は、細粒CaO源と粉体CaO源中のCaOとの合計)が1.0となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後はCaO源の粉が保持されたディスペンサーとAl2O3源の粉が保持されたディスペンサーとから、上吹きランスから吹き付けられる粉体が(CaO+10%Al2O3)混合粉になるようにして(ガスライン中でポストミックスして)吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.8とした。吹錬時間は7分で、吹錬末期の溶銑温度は1344℃、処理後溶銑中[P]は0.012質量%だった。また、吹錬中にスロッピングは生じなかった。
上底吹き転炉へ、[Si]:0.4質量%、[P]:0.10質量%の組成を有する溶銑を280t装入した。その後、吹錬開始前に最大粒径10mm以下の細粒CaO源を装入塩基度0.3相当分添加した。続いて底吹き羽口からN2ガスを溶銑中へ流量0.25Nm3/min/tで吹き込んで溶銑を攪拌しつつ、最大粒径が1mm以下のCaO源の粉が保持されたディスペンサー1基と最大粒径が1mm以下のAl2O3源の粉が保持されたディスペンサー1基とが上吹きランスから吹き付ける酸素ガスの供給ラインとは別のN2ガスラインに接続されている脱りん装置を用いて、上吹きランスから酸素ガス2.0Nm3/min/tと共に吹錬開始から吹錬終了までの間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から60%の量の酸素ガスを吹き付けるまではCaO源の粉が保持されたディスペンサーからCaO源の粉のみを装入塩基度(CaO装入量は、細粒CaO源と粉体CaO源中のCaOとの合計)が1.0となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後はCaO源の粉が保持されたディスペンサーとAl2O3源の粉が保持されたディスペンサーとから、上吹きランスから吹き付けられる粉体が(CaO+10%Al2O3)混合粉になるようにして(ガスライン中でポストミックスして)吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.8とした。吹錬時間は7分で、吹錬末期の溶銑温度は1350℃、処理後溶銑中[P]は0.006質量%だった。また、吹錬中にスロッピングは生じなかった。
上底吹き転炉へ、[Si]:0.4質量%、[P]:0.10質量%の組成を有する溶銑を280t装入した。続いて底吹き羽口からN2ガスを溶銑中へ流量0.25Nm3/min/tで吹き込んで溶銑を攪拌しつつ、最大粒径が1mm以下のCaO源の粉が保持されたディスペンサー1基と最大粒径が1mm以下のAl2O3源の粉が保持されたディスペンサー1基とが上吹きランスから吹き付ける酸素ガスの供給ラインとは別のN2ガスラインに接続されている脱りん装置を用いて、上吹きランスから酸素ガス2.0Nm3/min/tと共に吹錬開始から吹錬終了までの間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から60%の量の酸素ガスを吹き付けるまではCaO源の粉が保持されたディスペンサーからCaO源の粉のみを装入塩基度が1.3となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後はCaO源の粉が保持されたディスペンサーとAl2O3源の粉が保持されたディスペンサーとから、上吹きランスから吹き付けられる粉体が(CaO+10%Al2O3)混合粉になるようにして(ガスライン中でポストミックスして)吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.8とした。吹錬時間は7分で、吹錬末期の溶銑温度は1345℃、処理後溶銑中[P]は0.016質量%だった。また、吹錬中にスロッピングは生じなかった。
上底吹き転炉へ、[Si]:0.4質量%、[P]:0.10質量%の組成を有する溶銑を280t装入した。続いて底吹き羽口からN2ガスを溶銑中へ流量0.25Nm3/min/tで吹き込んで溶銑を攪拌しつつ、最大粒径が1mm以下のCaO源の粉を装入したディスペンサー1基を酸素ガスラインに接続して、上吹きランスから酸素ガス2.0Nm3/min/tと共に吹錬開始から吹錬末期までCaO源の粉を溶銑へ吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.8とした。吹錬時間は7分で、吹錬末期の溶銑温度は1344℃、処理後溶銑中[P]は0.025質量%だった。また、吹錬中にスロッピングは生じなかった。この例では、ディスペンサーが1基であることからAl2O3源の粉を用いることができなかったため、脱りん利用効率を高くすることができなかった。
上底吹き転炉へ、[Si]:0.4質量%、[P]:0.10質量%の組成を有する溶銑を280t装入した。続いて底吹き羽口からN2ガスを溶銑中へ流量0.25Nm3/min/tで吹き込んで溶銑を攪拌しつつ、最大粒径が1mm以下のCaO源の粉に最大粒径が1mm以下のAl2O3源の粉を10質量%混ぜた混合粉を装入したディスペンサー1基を酸素ガスラインに接続して、上吹きランスから酸素ガス2.0Nm3/min/tと共に吹錬開始から吹錬末期まで混合粉を溶銑へ吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.8とした。吹錬時間は7分で、吹錬末期の溶銑温度は1340℃、処理後溶銑中[P]は0.010質量%だったが、吹錬中にスロッピングが生じた。この例では、処理後溶銑中[P]を低下させるために混合粉を吹錬当初から吹き付けたが、ディスペンサーが1基であることから混合粉を吹錬当初から吹き付けることしかできなかったため、吹錬中にスラグのAl2O3濃度が上昇してスラグがフォーミングし易くなり、スロッピングが発生してしまった。
Claims (2)
- 転炉と、前記転炉に酸素ガスを吹き込む上吹きランスと、前記上吹きランスに前記酸素ガスを供給するガスラインと、前記上吹きランスから前記酸素ガスとともに吹き付けるCaO源が保持された第1のディスペンサーと、前記上吹きランスから前記酸素ガスとともに吹き付けるAl2O3源が少なくとも保持された第2のディスペンサーと、を有する脱りん処理装置を用いた溶銑の脱りん方法であって、
前記転炉へ溶銑を装入し、底吹き羽口からN2ガスを前記溶銑へ0.1〜0.6Nm3/min/tの流量で吹き込んで攪拌しつつ、前記上吹きランスから1.0〜2.5Nm 3 /min/tの流量の酸素ガスと共に、吹錬開始から吹錬終了まで間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から50〜80%の量の酸素ガスを吹き付けるまでの間は、前記第1のディスペンサーに保持されたCaO源のみを装入塩基度が0.8〜1.2となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後は前記上吹きランスから前記酸素ガスと共に、前記第2のディスペンサーに保持された、Al2O3源を含む混合粉であって、Al2O3の割合((Al2O3質量)/(CaO質量+CaCO3質量×0.56+Al2O3質量)×100)が5〜20質量%である混合粉のみを吹き付けるか、または、前記第1のディスペンサーに保持されたCaO源と前記第2のディスペンサーに保持されたAl2O3源との混合粉であって、Al2O3の割合が5〜20質量%である混合粉を吹き付けて、処理末期の装入塩基度を1.5以上とし、吹錬時間を6〜10分とすることを特徴とする溶銑の脱りん方法。 - 吹錬開始前または吹錬開始後30秒以内に、最大粒径10mm以下の細粒CaO源を、装入塩基度0.4未満相当分だけ添加し、吹錬開始から吹錬終了まで間の全酸素ガス供給量を100%とした場合に、吹錬開始から50〜80%の量の酸素ガスを吹き付けるまでの間は、前記CaO源のみを前記添加した細粒CaO源と合わせて装入塩基度が0.8〜1.2となる分だけ溶銑へ吹き付け、その後は前記上吹きランスから前記酸素ガスと共に前記混合粉を吹き付けて、前記添加した細粒CaO源と合わせて処理末期の装入塩基度を1.5以上とすることを特徴とする請求項1に記載の溶銑の脱りん方法。
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