JP5343506B2 - 溶銑の脱燐方法 - Google Patents
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Description
この発明は、上吹き酸素と底吹きガス攪拌とを制御することによりスラグ中のFeO濃度を適正化でき、しかも、粉状生石灰を使用することにより反応界面の面積を増加できるために、螢石等の滓化促進剤を使用しなくてもスラグを滓化できるとしている。
次に、処理温度1350℃程度で脱燐後[P]≦0.020%を達成するためには、脱燐能の高い塩基度にする必要がある。その際、塩基度が1.5を超えて、例えば塩基度2〜3へと、塩基度を上昇させる場合を考える。塩基度の上昇に伴ってスラグの融点は高くなっていく(つまり滓化し難くなる)ので、そのような高塩基度の領域では粉状生石灰を酸素キャリアーで溶銑面に上吹きするという、粉状生石灰の活用が有用になる。
カバースラグを容易に生成する手段として、Al2O3を吹錬前または吹錬初期に添加することが有効である。Al2O3源には前述の取鍋スラグのほか、Al2O3含有濃度が50%以上である廃耐火物等が好適である。
本発明は、上底吹転炉を用いて、脱燐剤に実質的にフッ素を含まない副原料のみを使用して溶銑を脱燐する方法において、吹錬前または吹錬初期に、装入塩基度=(吹錬前または吹錬初期に装入した副原料中に含有される全CaO質量)/(吹錬前または吹錬初期に装入した副原料中に含有されるSiO2質量+溶銑質量×溶銑中[%Si]×60/2800)として求められる装入塩基度が0.4以上1.5以下の範囲までは、粒径0.5mm以上5mm以下の塊状CaO源を添加し、脱燐吹錬終了時の塩基度={スラグ中のCaOとSiO2とを分析して得られる、質量濃度比(%CaO/%SiO2)}として求められる脱燐吹錬終了時の塩基度が1.8以上2.8以下となるように粒径が60メッシュ以下の粉状CaO源を上吹きランスより溶銑へ吹き付け、スラグ中のT−Feを3%以上15%以下とし、脱燐処理後に転炉から溶銑鍋へ出湯した直後の鍋中の溶銑の温度を1320℃以上1380℃以下に制御するとともに、吹錬終了時のスラグ中(Al203)濃度が3%以上10%以下となるように吹錬前または吹錬初期にAl2O3源を装入する溶銑の脱燐方法であって、前記粒径が60メッシュ以下の粉状CaO源の吹き付けを吹錬初期から開始して、上吹き酸素の供給開始時を起点としてこの上吹き酸素の供給時間全体の80%の時間が経過した時点以前にこの吹き付けを終了し、かつ、前記粉状CaO源を吹き付け続ける期間を前記上吹き酸素の供給時間全体の20%を超える期間とすることを特徴とする溶銑の脱燐方法。
図1は、吹錬前または吹錬初期の装入塩基度と、スピッチング指数又は未反応のCaO(以下、「F.CaO」という)量との関係を示すグラフである。なお、このグラフは、脱燐吹錬終了時の塩基度:1.8以上2.8以下、スラグ中T.Fe:3%以上15%以下、脱燐処理後鍋中溶銑温度:1320℃以上1380℃以下、スラグ中Al2O3:3%以上10%以下という条件で脱燐吹錬した際のデータである。
以上の理由により、本実施の形態では、(吹錬前または吹錬初期に装入した副原料中に含有される全CaO質量)/(吹錬前または吹錬初期に装入した副原料中に含有されるSiO2質量+溶銑質量×溶銑中[%Si]×60/2800)として求められる装入塩基度を、0.4以上1.5以下とする。
以上の理由により、スラグ中のCaOとSiO2とを分析して得られる、質量濃度比(%CaO/%SiO2)として求められる吹錬後のスラグ塩基度を、1.8以上2.8以下とする。
図4にグラフで示すように、吹錬前または吹錬初期に投入する塊状生石灰としては、排風により飛散されない大きさであり、かつ、容易に滓化が可能でF.CaOが3%以下となる、0.5mm以上で30mm以下の粒径とする。初期滓化促進によるスピッチング低減のためには、塊状生石灰の粒径は0.5mm以上5mm以下であることがより好ましい。また、塊状生石灰の粒径が大きくなるとF.CaO量が増加する。塊状生石灰の粒径が30mmより大きくなるとF.CaOは3%より大きくなる。
一方、粉状生石灰の吹付けを上吹き酸素の供給開始と同時に始めたとしても、その粉状生石灰の吹き付けを吹錬開始時点から吹錬時間の20%を越える時点まで継続した場合、塊状CaO源の投入完了後にも粉状生石灰の吹き付けを行うことになるので、粉状生石灰の多くをカバースラグの生成後に吹付けることができる。また、スラグ中のCaO存在量は初期段階から装入塩基度として1.5を越えてしまうことは無いので、スラグ全体の滓化はスムーズに進む。
吹錬初期(すなわち、上吹き酸素の供給を開始した時点から、上吹き酸素の全供給時間の20%が経過するまでの時点)から、粉状生石灰の吹き付けを開始するとした場合には、その吹き付け開始時点からその生石灰の供給を上吹き酸素の供給時間の20%を超える時間継続して行うなら、上記の吹錬開始時点からの吹き付け開始よりも吹き付け終了が遅くなる場合が多いことは明らかである。したがって、スピッティング発生を抑制する効果が高まり、スラグ全体の滓化がスムーズに進むことは言うまでも無い。
本発明のスピッチング抑制効果を確認するため、下記の試験を行い、スピッチングの評価を行った。
(共通する試験条件)
脱燐処理前の溶銑成分が、[C]:4.2〜4.5%、[Si]:0.15〜0.40%、[P]:0.095〜0.120%、[Mn]:0.20〜0.35%であり、脱燐処理前の温度が1300〜1370℃である溶銑約264トンおよびスクラップ約29トンを、上底吹き転炉に注銑し、吹錬した。脱燐炉の溶銑率は89〜91%であった。
副原料には蛍石等のハロゲン化物を一切用いず、取鍋スラグの併用を特記した試験以外は混入成分による外乱を防止するために、CaO源としては生石灰、Al2O3源としては高Al2O3含有率の廃耐火物を専ら用いた。生石灰は、CaO純分が約92%であり、粒径0.5〜30mmの塊状および150μm以下の粉体を使用した。
(試験結果)
表2に試験条件および試験結果をまとめて示す。また、図9には、表2における比較1および本発明1〜5のスピッチング指数をグラフで示す。
試験番号6は、吹錬初期の装入塩基度と脱燐吹錬終了時の塩基度は適切に設定したが、前記した共通撹拌条件の範囲内で終始強撹拌してスラグ中T.Feを低めた結果、溶銑中[P]は0.014%であったもののスラグ中F.CaOが3.9%と高く、かつスピッチング指数も0.28と高かった。
試験番号12は、塊状生石灰として粒径5mm以下(0.5〜5.0mmで篩ったもの)を用いた例であって、試験番号10に比較してスラグ中のF.CaOが一層低下することが確認された。
Claims (1)
- 上底吹転炉を用いて、脱燐剤に実質的にフッ素を含まない副原料のみを使用して溶銑を脱燐する方法において、
吹錬前または吹錬初期に下記(1)式により求められる装入塩基度が0.4以上1.5以下の範囲までは、粒径0.5mm以上5mm以下の塊状CaO源を添加し、
下記(2)式により求められる脱燐吹錬終了時の塩基度が1.8〜2.8となるように粒径が60メッシュ以下の粉状CaO源を上吹きランスより溶銑へ吹き付け、
スラグ中のT−Feを3質量%以上15質量%以下とし、
脱燐処理後に転炉から溶銑鍋へ出湯した直後の鍋中の溶銑の温度を1320℃以上1380℃以下に制御するとともに、
吹錬終了時のスラグ中(Al203)濃度が3〜10質量%となるように吹錬前または吹錬初期にAl2O3源を装入する溶銑の脱燐方法であって、
前記粒径が60メッシュ以下の粉状CaO源の吹き付けを吹錬初期から開始して、
上吹き酸素の供給開始時を起点として該上吹き酸素の供給時間全体の80%の時間が経過した時点以前に該吹き付けを終了し、かつ、
前記粉状CaO源を吹き付け続ける期間を前記上吹き酸素の供給時間全体の20%を超える期間とすることを特徴とする溶銑の脱燐方法。
ただし、
装入塩基度=(吹錬前または吹錬初期に装入した副原料中に含有される全CaO質量)/(吹錬前または吹錬初期に装入した副原料中に含有されるSiO2質量+溶銑質量×溶銑中[%Si]×60/2800) ・・・・(1)
脱燐吹錬終了時の塩基度=スラグ中のCaOとSiO2とを分析して得られる、質量濃度比(%CaO/%SiO2) ・・・・(2)
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