JP2001098314A - 溶銑の処理方法 - Google Patents

溶銑の処理方法

Info

Publication number
JP2001098314A
JP2001098314A JP27315499A JP27315499A JP2001098314A JP 2001098314 A JP2001098314 A JP 2001098314A JP 27315499 A JP27315499 A JP 27315499A JP 27315499 A JP27315499 A JP 27315499A JP 2001098314 A JP2001098314 A JP 2001098314A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot metal
cao
slag
treatment
dephosphorization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP27315499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3736229B2 (ja
Inventor
Masaki Miyata
政樹 宮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP27315499A priority Critical patent/JP3736229B2/ja
Publication of JP2001098314A publication Critical patent/JP2001098314A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3736229B2 publication Critical patent/JP3736229B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶銑脱燐処理後、脱燐スラグを排出しないで
続けて脱硫処理を行う方法において、従来に比べて脱硫
率を高くすることができる溶銑の処理方法を提供する。 【解決手段】 (1)酸素をキャリアーガスとしてCa
O含有脱燐剤を溶銑に吹き付けて脱燐し、脱燐処理後の
スラグ塩基度(重量比:CaO/SiO2 )を1.7以
上とした脱燐スラグを排出することなく脱硫剤を脱燐処
理後の溶銑中に吹き込んで脱硫する。(2)CaO含有
脱燐剤が、CaO分と、Al2 3 分、Fe2 3 分の
内少なくとも一種とを含有する。(3)脱硫剤が、Ca
O、CaO含有金属Al、Na2 CO3 、CaC2 、金
属Mgの内少なくとも一種を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶銑の脱燐処理後
に脱燐スラグの排出を行わないで、連続して溶銑脱硫を
行う溶銑の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】転炉精錬(主に脱炭精錬)する前に溶銑
中の燐、硫黄濃度を低減しておくことは、転炉操業の精
錬剤添加量を低減できるメリットがある。
【0003】しかし、溶銑の脱燐処理と脱硫処理とを分
離して実施する方法が主流となっている。その理由は、
例えば脱硫処理後に、脱硫スラグを排出しないで続けて
脱燐処理を行うと、残留するスラグ中の硫黄分が溶銑中
に復硫するからである。
【0004】これとは逆に、脱燐スラグを排出しないで
続けて脱硫処理を行うと、残留するスラグ中の燐分が溶
銑中に復燐するからである。また、溶融状態の脱燐スラ
グ存在下で脱硫剤を溶銑中へ吹き込んでも、脱燐スラグ
が脱硫反応を阻害するからである。
【0005】しかしながら、溶銑脱燐処理と脱硫処理と
を分けて行う場合、全処理時間が長くなり溶銑温度が低
下し、装入スクラップ量を低減する必要があり、スクラ
ップ比率が低下するという問題がある。
【0006】そのため、LD−ORP法という高炉溶銑
を転炉方式の溶銑処理専用炉を用いて、酸素上底吹き脱
燐処理と底吹き脱硫とを行う方法が文献(CAMP−I
SIJ、VOL4(1991)P.1153)に開示さ
れている。
【0007】LD−ORPの最大の利点は、転炉での粉
体底吹き機能を活用し、脱燐中はCaCO3 の吹き込み
による攪拌力の確保・脱燐促進を図るとともに、脱硫処
理中は脱硫剤の高速吹き込みによって短時間脱硫が可能
なことである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法は、
溶銑脱燐処理後、脱燐スラグを排出しないで続けて脱硫
処理を行うため、溶銑温度の低下という問題を回避でき
るが、溶融脱燐スラグの影響を受けるため、脱硫率が4
0〜50%と低いという問題がある。
【0009】本発明の目的は、溶銑脱燐処理後、脱燐ス
ラグを排出しないで続けて脱硫処理を行う方法におい
て、従来に比べて脱硫率を高くすることができる溶銑の
処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々検討を重ね、以下(A)〜(I)の知
見を得た。
【0011】(A)CaOによる脱燐反応は下記(1)
式にて進行する。 3(CaO)+5(FeO)+2[P]=3CaO・P2 5+5[Fe](1) ( ):スラグ内、[ ]:溶銑内を示す。上記溶銑脱燐
反応を効率的に進めるには、CaO量を増加させ、しか
も溶融させることが必要である。
【0012】ところが、CaOの融点は約2570℃で
あり、溶銑温度(1300〜1400℃)よりかなり高
く、CaOを溶融させるためCaF2 フラックスを用い
ざるを得なかった。しかし、溶銑中へのCaF2 添加
は、耐火物の溶損を促進するという問題があり、CaF
2 を使用しないでCaOを溶融させる方法が求められて
いた。
【0013】(B)CaOを効率よく溶融する方法を検
討した結果、CaO含有脱燐剤を酸素をキャリアーガス
として溶銑に吹き付けると、CaOが溶融し効率的な脱
燐処理が可能となることを見出した。
【0014】(C)CaO含有脱燐剤を酸素をキャリア
ーガスとして溶銑に吹き付けると、吹き付け部の溶銑温
度が2000℃以上の高温となり、しかも酸素と溶銑と
の反応により(FeO)が多量に生成する。
【0015】この高温で(FeO)が多量に生成してい
る場所(以下、火点ともいう)にCaOを吹き付ける
と、CaOがFeOと反応して融点の低い化合物を生成
する。従って、添加されたCaOは極めて速やかに溶融
化(スラグ化ともいう)し、脱燐反応が効率的に進行す
る。
【0016】(D)低Si溶銑([Si]≦0.1重量
%(以下、単に%で重量%を表す))を脱燐する場合、
SiO2 の生成が少なくなるため、スラグ塩基度(重量
比:CaO/SiO2 )が非常に高くなり生成スラグの
融点が上がるため脱燐終了時にはスラグが固化する。
【0017】しかし、酸素をキャリアーガスとして溶銑
に吹き付けられたCaOは火点付近ではスラグ化するた
め、脱燐に十分寄与し、処理後の溶銑中の[P]濃度を
0.025%以下にすることができる。
【0018】すなわち、酸素をキャリアーガスとして溶
銑に吹き付けられたCaOは火点付近ではスラグ化し、
脱燐に十分寄与する。しかし、吹き付け処理を終了する
と、直ちにスラグが固化する。
【0019】(E)一方、通常溶銑([Si]約0.3
%)を脱燐する場合でも、酸素をキャリアーガスとして
溶銑にCaOを吹き付けて、塩基度(重量比:CaO/
SiO2 )を1.7以上にまで高めると、スラグ融点が
急激に上がり、スラグが固化す る。
【0020】しかし、上記(D)の場合と同様に、酸素
をキャリアーガスとして溶銑に吹き付けられたCaOは
火点付近ではスラグ化するため、脱燐に十分寄与し、処
理後の溶銑中の[P]濃度を0.025%以下にするこ
とができる。
【0021】(F)更に、この様に脱燐スラグが固化す
ると、スラグ中の(P2 5 )が溶銑中の[C]によっ
て還元される速度が低下するため、復燐はほとんど生じ
ない。
【0022】(G)脱燐スラグが固化した後に、脱硫剤
を溶銑に吹き込むと、脱燐スラグが溶融状態である場合
に比べ、非常に効率よく脱硫できる。これは、脱硫剤と
固化した脱燐スラグとの反応速度が極めて遅く、脱燐ス
ラグが脱硫反応をほとんど阻害しないからである。
【0023】(H)また、脱硫剤による脱燐スラグの還
元反応も生じにくいため、脱硫処理時の復燐反応もほと
んど生じない。
【0024】本発明は、以上の知見に基づいて成された
もので、その要旨は、下記の通りである。 (1)酸素をキャリアーガスとしてCaO含有脱燐剤を
溶銑に吹き付けて脱燐し、脱燐処理後のスラグ塩基度
(重量比:CaO/SiO2 )を1.7以上とした脱燐
スラグを排出することなく脱硫剤を脱燐処理後の溶銑中
に吹き込んで脱硫することを特徴とする溶銑の処理方
法。
【0025】(2)CaO含有脱燐剤が、CaO分と、
Al2 3 分、Fe2 3 分の内少なくとも一種とを含
有することを特徴とする上記(1)に記載の溶銑の処理
方法。
【0026】(3)脱硫剤が、CaO、CaO含有金属
Al、Na2 CO3 、CaC2 、金属Mgの内少なくと
も一種を含有することを特徴とする上記(1)または
(2)に記載の溶銑の処理方法。
【0027】
【発明の実施の形態】脱燐に使用する炉としては、上底
吹き転炉が良い。しかしながら、脱燐処理は、脱炭より
負荷が軽いので、脱燐専用炉を用いることもできる。
【0028】酸素をキャリアーガスとしてCaO含有脱
燐剤を溶銑に吹き付けるには、上吹きランスが使用でき
る。キャリアーガスとして使用する酸素は、工業用の純
酸素が使用できる。使用する酸素量は溶銑1トン(以
下、単にtともいう)当たり7〜13kgが望ましい。
【0029】その理由は、7kg/t満では脱燐に必要
な酸素量を付与できないおそれがあり、13kg/tを超え
ると過剰な脱炭反応が生じ、この後の脱炭工程での熱源
不足を生じるおそれがあるからである。
【0030】また、CaO添加量は溶銑中の[Si]濃
度や[P]濃度に依存するが、溶銑中の[P]濃度が約
0.1%の場合、溶銑t当たり5〜20kgが望まし
い。CaO量が5kg未満では、スラグ中CaOの活量
が小さすぎて溶銑中の[P]をスラグ中の(FeO)で
酸化しても、スラグ中に燐酸カルシウム(例えば3Ca
O・P2 5 )の形で安定して固定できない可能性があ
る。その結果、処理後の[P]を目標値:0.025%
以下にできないおそれがある。
【0031】一方、20kgを超えてCaOを溶銑に吹
き付けても、脱燐率は飽和し、ほとんど変わらないおそ
れがある。脱燐剤はCaO分と、Al2 3 分、Fe2
3 分の少なくとも一種とを含有すると脱燐率が向上で
きて好ましい。
【0032】CaO分にAl2 3 を混合した場合、C
aOがAl2 3 と反応して融点が降下し、火点付近に
おけるCaOのスラグ化がさらに促進され脱燐率が向上
できる。CaO量に対するAl2 3 量の重量比(Al
2 3 /CaO)は、1/20〜1/2とするのが望ま
しい。
【0033】その理由は1/20より小さいと、Al2
3 によるCaOの融点降下効果が小さすぎて、脱燐率
向上に寄与できないおそれがあり、1/2より大きい
と、脱燐率向上が飽和し、スラグ量が増加するおそれが
あり好ましくないからである。
【0034】また、CaO分にFe2 3 を混合した場
合、火点付近における(FeO)濃度が増加するため、
火点付近におけるCaOのスラグ化がAl2 3 を混合
した場合と同様に促進され、さらに脱燐反応が進行する
領域の酸素ポテンシャルが増加するため脱燐率が飛躍的
に向上できる。
【0035】CaO分に対するFe2 3 の重量比(F
2 3 /CaO)を1/2以下とするのが望ましい。
【0036】その理由は、Fe2 3 は冷却能が大きい
ので、1/2を超えて添加しても火点における酸素ポテ
ンシャルは増加するものの、火点の温度が低下してCa
Oのスラグ化が困難となるおそれがあるからである。
【0037】CaOにAl2 3 およびFe2 3 を適
当量添加混合すると、相乗効果により脱燐率は飛躍的に
向上するので、さらに好ましい。脱燐処理後のスラグ塩
基度(重量比:CaO/SiO2 )としては1.7以上
とする。
【0038】スラグ塩基度が1.7未満であると、スラ
グが十分に固化しないおそれがあるからである。CaO
添加溶銑脱燐処理後、脱燐スラグを排出することなくC
aO、CaO含有金属Al、Na2 CO3 、CaC2
金属Mgの内少なくとも一種を含有する脱硫剤を添加す
ると、脱硫率60%以上を達成できる。
【0039】脱硫剤を脱燐溶銑中に添加する方法は、底
吹き羽口、浸漬ノズルが使用できる。なお、Na2 CO
3 以外は全て強還元性物質なので、脱燐スラグ中の(P
2 5)を還元して復燐を生じる可能性があるが、脱燐
スラグが脱燐処理終了時には固化しているため復燐は認
められない。
【0040】CaO含有脱燐剤および脱硫剤の粒径は、
10〜1000μmであればよい。10μm未満とする
には、製造コストが非常に高くなるおそれがあり、10
00μmを超えるとキャリアーガスと混合してもスムー
スに流れないため配管内に堆積するおそれがあるからで
ある。
【0041】
【実施例】(比較例)試験転炉に成分が[C]約4.5
%、[Si]約0.25%、[P]約0.10%、
[S]約0.025%、脱燐処理前温度1320℃の溶
銑2tを装入した。
【0042】次に溶銑へ塊状(平均粒径:30mm)の鉄
鉱石24kg、塊状(平均粒径:30mm)の生石灰1
9.3kgを上置き添加し、塩基度(重量比:CaO/
SiO2 )を1.8とした後、上吹きランスから溶銑t
当たり1.3Nm3 /min の酸素を約7分間溶銑に吹き
付けた。
【0043】また、処理中底吹き羽口からはArガスを
溶銑t当たり、0.50Nm3 /min 吹き込んで溶銑お
よびスラグを攪拌した。脱燐吹錬終了時の溶銑温度は1
350℃、スラグ塩基度(重量比:CaO/SiO2
1.5で、処理後の[P]濃度は0.024%、[S]
0.024%、(T.Fe)10%であった。
【0044】そして、リンス(上吹きランスから酸素を
溶銑に吹き付けない状態で、底吹き羽口からArガスを
継続して吹き込んで溶銑およびスラグを攪拌する操作を
いう)を3分行った後、底吹き羽口から溶銑中へ溶銑t
当たり4kgのNa2 CO3を4分間で吹き込んだ。な
お、リンスを3分行ってもスラグフォーミングは鎮静し
きらず、スラグは半溶融状態であった。
【0045】Na2 CO3 吹き込み終了時の溶銑中の
[S]濃度は0.015%であり、脱硫率は40%と低
かった。なお、脱硫処理中に復燐は進行せず、溶銑中の
[P]濃度は0.024%のままだった。
【0046】(本発明例1)試験転炉に成分が[C]約
4.5%、[Si]約0.24%、[P]約0.10
%、[S]約0.024%、脱燐処理前温度1315℃
の溶銑2tを装入した。
【0047】次に溶銑へ塊状(平均粒径:30mm)の鉄
鉱石24kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶
銑t当たり1.3Nm3 /min の酸素と共に粉状(平均
粒径:100μm)のCaO19.6kgを約7分間溶
銑に吹き付けて塩基度(重量比:CaO/SiO2 )を
1.9とした。
【0048】また、処理中底吹き羽口からはArガスを
溶銑t当たり、0.50Nm3 /min 吹き込んで溶銑お
よびスラグを攪拌した。脱燐吹錬終了時の溶銑温度は1
345℃、塩基度(重量比:CaO/SiO2)1.9
で、処理後の[P]濃度は0.018%、[S]0.0
24%、(T.Fe)8%であった。
【0049】そして、リンスを2分行った後、底吹き羽
口から溶銑中へ溶銑t当たり4kgの粉状(平均粒径:
200μm)のNa2 CO3 を4分間で吹き込んだ。な
お、リンスを2分行うと、スラグフォーミングは完全に
鎮静し、スラグはほぼ固化していた。
【0050】Na2 CO3 吹き込み終了時の溶銑中の
[S]濃度は、0.005%であり脱硫率は79%と高
かった。また脱硫処理中に復燐はなく、溶銑中の[P]
濃度は0.018%と低く、目標[P]濃度の0.02
5%以下を達成できた。
【0051】(本発明例2)スクラップ30kgを事前
に装入しておいた試験転炉に、成分が[C]約4.5
%、[Si]約0.10%、[P]約0.10%、
[S]約0.024%、脱燐処理前温度1315℃の溶
銑2tを装入した。
【0052】次に溶銑へ塊状(平均粒径:30mm)の鉄
鉱石24kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶
銑t当たり1.3Nm3 /min の酸素と共に粉状(平均
粒径:100μm)のCaO15kgを約7分間溶銑に
吹き付けて塩基度(重量比:CaO/SiO2 )を3.
5とした。また、処理中底吹き羽口からはArガスを溶
銑t当たり、0.50Nm3 /min 吹き込んで溶銑およ
びスラグを攪拌した。
【0053】脱燐吹錬終了時の溶銑温度は1344℃、
塩基度(重量比:CaO/SiO2)3.4で、処理後
の[P]濃度は0.020%、[S]0.020%、
(T.Fe)8%であった。なお、吹錬終了直後にスラ
グはほぼ固化した。そこで直ちに、底吹き羽口から溶銑
中へ溶銑t当たり4kgの粉状(平均粒径:200μ
m)の90%CaO−10%Alを4分間で吹き込ん
だ。
【0054】90%CaO−10%Al吹き込み終了時
の溶銑中の[S]濃度は0.007%であり、脱硫率は
71%と高かった。また脱硫処理中に復燐はなく、溶銑
中の[P]濃度は0.020%と低く、目標[P]濃度
の0.025%以下を達成できた。
【0055】(本発明例3)試験転炉に成分が[C]約
4.5%、[Si]約0.25%、[P]約0.10
%、[S]約0.025%、脱燐処理前温度1315℃
の溶銑2tを装入した。
【0056】次に溶銑へ塊状の鉄鉱石24kgを上置き
添加した後、上吹きランスから溶銑t当たり1.3Nm
3 /min の酸素と共に粉状(平均粒径:100μm)の
80%CaO−20%Al2 3 混合物24.5kgを
約7分間溶銑に吹き付けて塩基度(重量比:CaO/S
iO2 )を1.8とした。
【0057】また、処理中底吹き羽口からはArガスを
溶銑t当たり、0.50Nm3 /min 吹き込んで溶銑お
よびスラグを攪拌した。脱燐吹錬終了時の溶銑温度は1
340℃、塩基度(重量比:CaO/SiO2)1.8
で、処理後の[P]濃度は0.014%、[S]0.0
24%、(T.Fe)8%、(Al2 3 )12%であ
った。
【0058】そして、リンスを2分行った後、底吹き羽
口から溶銑中へ溶銑t当たり4kgの粉状(平均粒径:
200μm)のCaC2 を4分間で吹き込んだ。なお、
リンスを2分行うと、スラグフォーミングは完全に鎮静
し、スラグはほぼ固化していた。
【0059】CaC2 吹き込み終了時の溶銑中の[S]
濃度は0.002%であり、脱硫率は92%と高かっ
た。また脱硫処理中に復燐はなく、溶銑中の[P]濃度
は0.014%と低く、目標[P]濃度の0.025%
以下を達成できた。
【0060】(本発明例4)試験転炉に成分が[C]約
4.5%、[Si]約0.24%、[P]約0.10
%、[S]約0.023%、脱燐処理前温度1318℃
の溶銑2tを装入した。
【0061】次に溶銑へ塊状(平均粒径:30mm)の鉄
鉱石18kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶
銑t当たり1.3Nm3 /min の酸素と共に粉状(平均
粒径:100μm)の70%CaO−10%Al2 3
−20%Fe2 3 混合物30kgを約7分間溶銑に吹
き付けて塩基度(重量比:CaO/SiO2 )を2.0
とした。
【0062】また、処理中底吹き羽口からはArガスを
溶銑t当たり、0.50Nm3 /min 吹き込んで溶銑お
よびスラグを攪拌した。脱燐吹錬終了時の溶銑温度は1
342℃、塩基度(重量比:CaO/SiO2)2.0
で、処理後の[P]濃度は0.002%、[S]0.0
24%、(T.Fe)8%、(Al2 3 )5%であっ
た。
【0063】そして、リンスを2分行った後、底吹き羽
口から溶銑中へ溶銑t当たり4kgの粒状(平均粒径:
500μm)の金属Mgを4分間で吹き込んだ。なお、
リンスを2分行うと、スラグフォーミングは完全に鎮静
し、スラグはほぼ固化していた。
【0064】金属Mg吹き込み終了時の溶銑中の[S]
濃度は0.003%であり、脱硫率は87%と高かっ
た。また脱硫処理中に復燐はなく、溶銑中の[P]濃度
は0.002%と低く、目標[P]濃度の0.025%
以下を達成できた。
【0065】(本発明例5)スクラップ30kgを事前
に装入しておいた試験転炉に、成分が[C]約4.5
%、[Si]約0.10%、[P]約0.10%、
[S]約0.024%、脱燐処理前温度1315℃の溶
銑2tを装入した。
【0066】次に溶銑へ塊状(平均粒径:30mm)の鉄
鉱石24kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶銑
t当たり1.3Nm3 /min の酸素と共に粉状(平均粒
径:100μm)のCaO15kgを約7分間溶銑に吹
き付けて塩基度(重量比:CaO/SiO2 )を3.5
とした。
【0067】また、処理中底吹き羽口からはArガスを
溶銑t当たり、0.50Nm3 /min吹き込んで溶銑お
よびスラグを攪拌した。脱燐吹錬終了時の溶銑温度は1
342℃、塩基度(重量比:CaO/SiO2)3.4
で、処理後の[P]濃度は0.020%、[S]0.0
20%、(T.Fe)8%であった。
【0068】また、吹錬終了直後にスラグはほぼ固化し
た。そこで直ちに、底吹き羽口から溶銑中へ溶銑t当た
り4kgの粉状(平均粒径:200μm)のCaO単体
を4分間で吹き込んだ。
【0069】CaO吹き込み終了時の溶銑中の[S]濃
度は0.008%であり、脱硫率は67%と高かった。
また脱硫処理中に復燐はなく、溶銑中の[P]濃度は
0.0020%と低く、目標[P]濃度の0.025%
以下を達成できた。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、(1)転炉または転炉
型の溶銑予備処理専用炉を用いて、脱燐処理後、スラグ
を排出することなく続けて脱硫処理を行うことができ
る。(2)脱硫率は従来法の50%を大きく凌駕するを
実現できるのである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素をキャリアーガスとしてCaO含有
    脱燐剤を溶銑に吹き付けて脱燐し、脱燐処理後のスラグ
    塩基度(重量比:CaO/SiO2 )を1.7以上とし
    た脱燐スラグを排出することなく脱硫剤を脱燐処理後の
    溶銑中に吹き込んで脱硫することを特徴とする溶銑の処
    理方法。
  2. 【請求項2】CaO含有脱燐剤が、CaO分と、Al2
    3 分、Fe2 3 分の内少なくとも一種とを含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶銑の処理方法。
  3. 【請求項3】脱硫剤が、CaO、CaO含有金属Al、
    Na2 CO3 、CaC2 、金属Mgの内少なくとも一種
    を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の
    溶銑の処理方法。
JP27315499A 1999-09-27 1999-09-27 溶銑の処理方法 Expired - Fee Related JP3736229B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27315499A JP3736229B2 (ja) 1999-09-27 1999-09-27 溶銑の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27315499A JP3736229B2 (ja) 1999-09-27 1999-09-27 溶銑の処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001098314A true JP2001098314A (ja) 2001-04-10
JP3736229B2 JP3736229B2 (ja) 2006-01-18

Family

ID=17523872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27315499A Expired - Fee Related JP3736229B2 (ja) 1999-09-27 1999-09-27 溶銑の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3736229B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100862821B1 (ko) * 2002-06-14 2008-10-13 주식회사 포스코 용강의 질소제거제와 이를 이용한 환류식 진공탈가스정련방법
CN104060049A (zh) * 2013-09-16 2014-09-24 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 一种脱硫脱磷剂和半钢同时脱硫脱磷的方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100862821B1 (ko) * 2002-06-14 2008-10-13 주식회사 포스코 용강의 질소제거제와 이를 이용한 환류식 진공탈가스정련방법
CN104060049A (zh) * 2013-09-16 2014-09-24 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 一种脱硫脱磷剂和半钢同时脱硫脱磷的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3736229B2 (ja) 2006-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6693536B2 (ja) 転炉製鋼方法
JP3557910B2 (ja) 溶銑脱燐方法と低硫・低燐鋼の溶製方法
JP2006274349A (ja) 鋼の精錬方法
JP2001064713A (ja) 溶銑の脱りん方法
JP5904238B2 (ja) 転炉における溶銑の脱燐処理方法
JP2006009146A (ja) 溶銑の精錬方法
JP5182322B2 (ja) 溶銑の脱燐方法
JP3711835B2 (ja) 溶銑脱燐用の焼結剤および溶銑の脱燐方法
JP3440630B2 (ja) 溶銑脱燐方法
JP3525766B2 (ja) 溶銑の脱りん方法
JP2003239009A (ja) 溶銑の脱りん精錬方法
JP3288208B2 (ja) 溶銑の脱りん方法
JP2001098314A (ja) 溶銑の処理方法
JP3297801B2 (ja) 溶銑の脱p方法
JP2001288507A (ja) 低燐溶銑の製造方法
JP5131872B2 (ja) 溶銑の脱燐処理方法
JP5131870B2 (ja) 溶銑の脱燐処理方法
JP2003105423A (ja) 溶銑の脱りんおよび脱硫処理方法
JPS6121285B2 (ja)
JP3832386B2 (ja) 低燐溶銑の製造方法
JP3297997B2 (ja) 溶銑の脱p方法
JP6665654B2 (ja) 脱珪処理方法
JPS636606B2 (ja)
JPH1088216A (ja) 溶銑の脱硫方法
JP2022185789A (ja) 転炉吹錬方法及び転炉設備

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050719

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051017

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091104

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091104

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101104

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111104

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121104

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131104

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131104

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131104

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees