JP3687433B2 - 溶銑の脱りん方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピッティング量を低減し、かつ蛍石を使用しないで溶銑中の[P]濃度を0.030重量%以下(以下、単に%で重量%を表す)とすることができる溶銑の脱りん方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、鋼材に対する品質要求が高度化し、低りん鋼に対する需要が増大している。これに対応するため、溶銑脱りん法が開発された。
【0003】
CaO含有脱りん剤による脱りん反応は下記式のごとく進行する。
3 (CaO) +5 (FeO) +2[P]=(3CaO・P2 5)+5 [Fe]
なお、( ):スラグ中、[ ]:溶銑中をそれぞれ示す。
【0004】
この溶銑脱りん処理を効果的に行うためには、(CaO)が溶解してスラグ内に十分に存在し、脱りん処理に必要な(FeO)レベルが維持されることが必要となる。
【0005】
しかし、CaOの融点は、2570℃と高く、CaOの滓化促進のために何らかの滓化促進剤の添加を必要とする。
そこで、従来塊状の生石灰(CaO)を用いる場合は、例えば、蛍石等のハロゲン系化合物を滓化促進剤として併用してきた。
【0006】
一方、ハロゲン系化合物を含むスラグは、耐火物溶損量を増加させるという問題がある。また、近年、鉄鋼スラグの有効利用技術が環境問題の視点から望まれているが、蛍石等のハロゲン系化合物の混入は、用途が限定され好ましくない。
【0007】
この問題を解決すべく特開平8−311523号公報には、蛍石等の滓化促進剤を使用しないで、粉状のCaOを上吹き酸素と共に、溶銑に吹き付ける溶銑脱りん方法が開示されている。
【0008】
この方法は、上吹き酸素と底吹きガス攪拌とを制御することにより、スラグ中の(FeO)濃度を適正化でき、しかも、粉状のCaOを使用することにより、反応界面の面積を増加でき、蛍石等の滓化促進剤を使用しなくても、スラグを滓化できるとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特開平8−311523号公報の方法の場合、スピッティング量が増大し、鉄歩留まりの低下、および炉口地金付き(これが増えると、処理容器として例えば転炉を用いる場合、転炉炉口が小さくなり、スクラップシュートが入らない等、操業上問題となる)が増加するという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、スピッティング量を低減して、かつ溶銑中の[P]濃度を0.030%以下とすることができる溶銑の脱りん方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく種々検討を重ね、以下(A)〜()の知見を得た。
【0012】
(A)溶銑表面上に、気体酸素と共に粉状のCaO含有脱りん剤を吹き付けると、極めて多量のスピッティングが生じる。
【0013】
この理由は、溶銑表面に酸素のみを吹き付けるのに比べ、酸素にCaO含有脱りん剤を混合した方が、CaO含有脱りん剤の増分だけ、上吹きジェットが有する運動エネルギーが増加し、上吹きジェットが溶銑表面に衝突した際の運動エネルギーは、酸素のみの運動エネルギーと比較して大きくなり、スピッティング量がより多くなるからである。
【0014】
(B)そこで、CaO含有脱りん剤を溶銑に吹き付ける前に、溶銑表面にスラグを生成しておけば、スピッティング量を低減できるとの着想を得た。
【0015】
この着想は、スピッティングとは、上吹きジェットによって溶銑飛沫が飛散したものなので、溶銑表面をスラグでカバーすれば、溶銑飛沫の多くはスラグ中に捕捉される可能性が高いことに基づく。
以下、上記目的のためのスラグをカバースラグともいう。
【0016】
(C)上記(B)の着想を実証するため、吹錬前に、CaO含有物である生石灰、転炉スラグ、造塊スラグ (連続鋳造スラグも含む) の内の一種以上を溶銑に添加して、上吹きランスより酸素を溶銑に吹き付けてある程度吹錬した後、上吹き酸素と共に粉状のCaO含有脱りん剤を溶銑に吹き付けてみた。
【0017】
上記方法で、カバースラグの塩基度(重量比:CaO/SiO2 )は、0.4〜1.5が望ましく、さらに望ましくは0.5〜1.2である。
その理由は、この塩基度の範囲であれば、スラグの融点が低下し、吹錬初期の短時間内でカバースラグを容易に生成できるからである。
【0018】
(D)カバースラグを容易に生成する手段として、ガス攪拌を行うことが有効である。ガス攪拌を行う方法としては、底吹き等でガスを溶銑に吹き込むことが有効である。
【0019】
)また、上記方法で生成したカバースラグは、溶銑脱りん能があり、脱りん反応も進行し、予備的な脱りん処理機能も有する。
【0020】
)溶銑脱りん能を向上するため、上吹き酸素と共に溶銑に吹き付けるCaO含有脱りん剤の組成を変えて試験を行い、下記の知見を得た。
【0021】
(a)CaO分を含有する生石灰(CaO)と石灰石(CaCO3 )とでは脱りん率に大きな差は認められなかった。
(b)生石灰(CaO)に、Al2 3 を混合して溶銑に吹き付けたところ、脱りん率が向上した。この理由は、Al2 3 によりCaOの融点が低下し、滓化が促進されたためと考えられる。
【0022】
(c)生石灰(CaO)にFe2 3 を混合して溶銑に吹き付けたところ、脱りん率が向上した。この理由は、Fe2 3 によりCaOの融点が低下し、滓化が促進したためと考えられる。
また、Fe2 3 の混合により、反応界面における酸素ポテンシャルが増加したことにより脱りん反応が促進したためと考えられる。
【0023】
(d)更に、CaOに、Al2 3 およびFe2 3 を混合して溶銑に吹き付けたところ、脱りん率が飛躍的に向上した。
これは、上記(b)および(c)の相乗効果によると考えられる。
【0024】
本発明は、以上の知見に基づいて成されたもので、その趣旨は、下記の通りである。
(1)CaO含有脱りん剤を酸素ガスをキャリアガスとして吹き付ける溶銑の脱りん方法において、CaO含有カバースラグを生成した後、CaO含有脱りん剤を吹き付けることを特徴とする溶銑の脱りん方法。
(2)前記カバースラグが、CaO含有物が上置き添加された溶銑をガス攪拌し、かつ、酸素含有ガスを上吹きして生成させたものである、請求項1記載の溶銑の脱りん方法。
【0025】
)CaO含有脱りん剤が、CaO分と、Al分、Fe分の少なくとも一種とを含有することを特徴とする上記(1)に記載の溶銑の脱りん方法。
【0026】
)カバースラグの塩基度(重量比:CaO/SiO)が0.4〜1.5であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の溶銑の脱りん方法。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明を実施する脱りん処理用炉は、通常の上底吹き転炉が良いが、脱りん処理は、脱炭より負荷が軽いので、上底吹き転炉と異なる脱りん専用炉を用いてもよい。
【0028】
カバースラグを形成するためには、第一脱りん剤のCaO含有物として生石灰、転炉スラグ、造塊スラグ、ドロマイト等の内の一種以上を上置きすればよい。
【0029】
特に、転炉スラグ、造塊スラグを使用するのが望ましい。
その理由は、これらすべてにCaO分が含まれており、それが脱りんに寄与するからである。その中でも特に転炉スラグ、造塊スラグについては、一旦溶融したスラグであり、スラグ融点も1300〜1400℃と低く、酸素上吹き時の温度1250〜1300℃と大差がないからである。
【0030】
また、本法では酸素上吹きで、溶銑中の[Si]が酸化されて温度が上昇し、生成するSiO2 との反応によりスラグ融点が更に低下するため、蛍石無添加でも早期に滓化させることができる。
【0031】
しかし、前記の通り、吹練初期の短時間に滓化しなければならないので、カバースラグのスラグ塩基度(重量比:CaO/SiO2 )は、0.4〜1.5となることが望ましい。
【0032】
塩基度が0.4未満では、カバースラグの融点が増加し、脱りん剤の滓化が遅れるおそれがある。
塩基度が1.5を超える場合も、カバースラグの融点が増加し、脱りん剤の滓化が遅れるおそれがある。
【0033】
上記の滓化が遅れると、上吹き酸素と共にCaO含有脱りん剤を溶銑に上吹きすると、多量のスピッティングを発生するおそれがある。
上置き用の脱りん剤の粒径は、滓化促進の観点から、5〜50mmのものが望ましく、粒径5〜10mmの細粒がより望ましい。
ガス攪拌用のガス種は、CO2 、CO、Ar、N2 、O2 、炭化水素の一種ないし二種以上を用いることができる。
【0034】
吹き込みガス量は、目標とする処理時間にもよるが、溶銑ton 当り、0.05〜0.6Nm3 /min ・ton が良い。吹き込みガス量が0.05Nm3 /min ・ton 未満であると、脱りん速度が低下するおそれがある。また、0.6Nm3 /min ・ton を超えると、スラグ中の(T.Fe)が溶銑中の[C]により還元されて低くなり、脱りんが悪化するおそれがある。
【0035】
上吹きに使用する酸素含有ガスは、工業用の純酸素が望ましい。
上吹きする酸素量は、目標とする処理時間、処理前の溶銑中の[Si]濃度、溶銑温度、脱りん剤量にもよるが、溶銑ton 当り、0.5〜2.5Nm3 /min ・ton が好適である。
【0036】
上吹きする酸素量が、0.5Nm3 /min ・ton 未満であると、脱りん処理時間が長くなり、2.5Nm3 /min ・ton を超えると、脱炭反応が過剰に進行するおそれがある。
【0037】
なお、通常の脱りん処理中の脱炭量は、0.5%程度であるが、脱りん処理後の溶銑中の[C]濃度が低く成りすぎると、次工程の脱炭処理での熱源が不足し、通常行われる、マンガン鉱石の溶融還元量が減る等により、コストメリットが低 下するおそれがある。
【0038】
上吹き手段は、ランスを使用するのよい。ランスの種類は、通常のラバールノズルを有する単孔あるいは多孔(3〜8孔)の水冷ランスを使用できるが、本法では粉状の脱りん剤を上吹きするので、ストレートノズルを有するランスが好適である。
【0039】
脱りん処理後に、溶銑中の[P]濃度を目標の0.030%以下とするためには、溶銑中の[Si]濃度によっても異なるが、脱りん剤中のCaO分として溶銑1ton 当たり7〜20kg/ton 程度必要である。
【0040】
ここで、CaO分とは、カバースラグを形成するための上置きする第一脱りん剤中の CaO分と、酸素と共に上吹きする第二脱りん剤であるCaO含有脱りん剤中のCaO分を合計したものである。
【0041】
滓化促進のために添加するAl2 3 量は、特に規定するものではないが、脱りん処理後のスラグ中の(Al2 3 )濃度で18%以下が好適である。
スラグ中の(Al2 3 )濃度が18%を超えると、スラグ中の(CaO)の活量が低下し、脱りん速度が低下するおそれがある。
【0042】
Al2 3 分の含有物としては、造塊スラグ、ボーキサイト、アルミナ系耐火物等を粉砕したものを使用することができる。
また、CaO分に、Fe2 3 分を添加することにより、CaOの融点が低下し、滓化を促進でき、酸素源または冷却材としても使用できる。
【0043】
Fe2 3 分の含有物としては、鉄鉱石等を使用することができる。
Fe2 3 のCaO分への添加割合は、50%以下が好適である。
【0044】
その理由は、CaO原単位を一定にする必要があるので、50%を超えると吹き込み粉量が増加して、吹錬後半の短時間内に脱りん剤粉を必要量上吹きできないためである。
第二脱りん剤であるCaO含有脱りん剤の粒度は、15〜150μmが適当である。
【0045】
【実施例】
表1に、使用した生石灰、転炉スラグ、造塊スラグの成分組成を示す。
【0046】
【表1】
Figure 0003687433
【0047】
なお、目標の溶銑中の[P]濃度は、0.020%以下とした。
【0048】
(実施例1)
比較例:
試験転炉に成分が[C]4.5%、[Si]0.25%、[P]0.10%、脱りん処理前温度1320℃の溶銑2tを装入した。次に溶銑へ鉄鉱石24kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶銑1ton 当たり1.3Nm3 /min ・ton の酸素と共に、粉状の生石灰を1.5kg/min ・ton の速度で7分間溶銑に吹き付けた。処理後の溶銑温度は1350℃であった。
【0049】
なお、処理中炉底羽口からはArガスを溶銑1ton 当たり、0.50Nm3 /min ・ton 吹き込んで溶銑およびスラグをガス攪拌した。
スピッティング量はかなり多かったため、処理後試験転炉内直胴部およびコーン部にスピッティングにより形成された分厚い地金付着層が存在した。
また、処理後の溶銑中の[P]濃度は0.018%と目標をクリアした。
【0050】
本発明例:
試験転炉に成分が[C]4.5%、[Si]0.24%、[P]0.10%、脱りん処理前温度1320℃の溶銑2tを装入した。次に溶銑へ鉄鉱石24kg、生石灰11kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶銑1ton 当たり1.3Nm3 /min ・ton の酸素を3分間溶銑に吹き付けた。3分におけるスラグ塩基度(重量比:CaO/SiO2 )は約1であった。そして3分以降は、同量の酸素ガスと共に、粉状の生石灰を1.4kg/min ・ton の速度で溶銑に4分間吹き付けた。処理後の溶銑温度は1341℃であった。
【0051】
なお、処理中炉底羽口からはArガスを溶銑1ton 当たり、0.50Nm3 /min ・ton 吹き込んで溶銑およびスラグをガス攪拌した。
スピッティング量が比較例に比べかなり減少した。処理後試験転炉内直胴部およびコーン部にスピッティングにより形成された地金付着層を剥離して重量を測定した結果、比較例に比べて半減していた。
また、処理後の溶銑中の[P]濃度は0.019%と目標をクリアしていた。
【0052】
(実施例2)
比較例:
試験転炉に成分が[C]4.5%、[Si]0.25%、[P]0.10%、脱りん処理前温度1320℃の溶銑2tを装入した。次に溶銑へ鉄鉱石24kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶銑1ton 当たり1.3Nm3 /min ・ton の酸素と共に、粉状のCaO含有脱りん剤(CaO:80%、Al2 3 :20%)を1.9kg/min ・ton の速度で7分間溶銑に吹き付けた。処理後の溶銑温度は1345℃であった。
【0053】
なお、処理中炉底羽口からはArガスを溶銑1ton 当たり、0.50Nm3 /min ・ton 吹き込んで溶銑およびスラグをガス攪拌した。
【0054】
スピッティング量もかなり多かったため、処理後試験転炉内直胴部およびコーン部にスピッティングにより形成された分厚い地金付着層が存在した。
また、処理後の溶銑中の[P]濃度は0.015%と目標を十分クリアした。
【0055】
本発明例:
試験転炉に成分が[C]4.5%、[Si]0.22%、[P]0.10%、脱りん処理前温度1315℃の溶銑2tを装入した。次に溶銑へ鉄鉱石24kg、転炉スラグ28kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶銑1ton 当たり1.3Nm3 /min ・ton の酸素を3分間溶銑に吹き付けた。3分におけるスラグ塩基度(重量比:CaO/SiO2 )は約1であった。そして3分以降は、同量の酸素ガスと共に、粉状のCaO含有脱りん剤(CaO:80%、Al2 3 :20%)を1.5kg/min ・ton の速度で溶銑に4分間吹き付けた。処理後の溶銑温度は1338℃であった。
【0056】
なお、処理中炉底羽口からはArガスを溶銑1ton 当たり、0.50Nm3 /min ・ton 吹き込んで溶銑およびスラグをガス攪拌した。
【0057】
スピッティング量が比較例に比べかなり減少した。処理後試験転炉内直胴部およびコーン部にスピッティングにより形成された地金付着層を剥離して重量を測定した結果、比較例に比べて1/3に低減していた。
また、処理後の溶銑中の[P]濃度は0.016%と目標をクリアした。
【0058】
(実施例3)
比較例:
試験転炉に成分が[C]4.5%、[Si]0.24%、[P]0.10%、脱りん処理前温度1317℃の溶銑2tを装入した。次に溶銑へ鉄鉱石19kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶銑1ton 当たり1.3Nm3 /min ・ton の酸素と共に、粉状のCaO含有脱りん剤(CaO:80%、Fe2 3 :20%)を1.9kg/min ・ton の速度で7分間溶銑に吹き付けた。処理後の溶銑温度は1340℃であった。
【0059】
なお、処理中炉底羽口からはArガスを溶銑1ton 当たり、0.50Nm3 /min ・ton 吹き込んで溶銑およびスラグをガス攪拌した。
【0060】
スピッティング量もかなり多かったため、処理後試験転炉内直胴部およびコーン部にスピッティングにより形成された分厚い地金付着層が存在した。
また、処理後の溶銑中の[P]濃度は0.012%と目標を大幅にクリアした。
【0061】
本発明例:
試験転炉に成分が[C]4.5%、[Si]0.24%、[P]0.10%、脱りん処理前温度1315℃の溶銑2tを装入した。次に溶銑へ鉄鉱石22kg、造塊スラグ26kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶銑1ton 当たり1.3Nm3 /min ・ton の酸素を3分間溶銑に吹き付けた。3分におけるスラグ塩基度(重量比:CaO/SiO2 )は約1であった。そして3分以降は、同量の酸素ガスと共に、粉状のCaO含有脱りん剤(CaO:80%、Fe2 3 :20%)を1.5kg/min ・ton の速度で溶銑に4分間吹き付けた。処理後の溶銑温度は1334℃であった。
【0062】
なお、処理中炉底羽口からはArガスを溶銑1ton 当たり、0.50Nm3 /min ・ton 吹き込んで溶銑およびスラグをガス攪拌した。
【0063】
スピッティング量が比較例に比べかなり減少した。処理後試験転炉内直胴部およびコーン部にスピッティングにより形成された地金付着層を剥離して重量を測定した結果、比較例に比べて1/3に低減していた。
処理後の溶銑中の[P]濃度は0.011%と目標を大幅にクリアした。
【0064】
(実施例4)
比較例:
試験転炉に成分が[C]4.5%、[Si]0.25%、[P]0.10%、脱りん処理前温度1320℃の溶銑2tを装入した。次に溶銑へ鉄鉱石19kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶銑1ton 当たり1.3Nm3 /min ・ton の酸素と共に、粉状のCaO含有脱りん剤(CaO:60%、Al2 3 :15%、Fe2 3 :25%)を2.6kg/min ・ton の速度で7分間溶銑に吹き付けた。処理後の溶銑温度は1341℃であった。
【0065】
なお、処理中炉底羽口からはArガスを溶銑1ton 当たり、0.50Nm3 /min ・ton 吹き込んで溶銑およびスラグをガス攪拌した。
【0066】
スピッティング量もかなり多かったため、処理後試験転炉内直胴部およびコーン部にスピッティングにより形成された分厚い地金付着層が存在した。
また、処理後の溶銑中の[P]濃度は0.009%と目標を大幅にクリアした。
【0067】
本発明例:
試験転炉に成分が[C]4.5%、[Si]0.24%、[P]0.10%、脱りん処理前温度1315℃の溶銑2tを装入した。次に溶銑へ鉄鉱石22kg、転炉スラグ28kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶銑1ton 当たり1.3Nm3 /min ・ton の酸素を3分間溶銑に吹き付けた。3分におけるスラグ塩基度(重量比:CaO/SiO2 )は約1であった。そして3分以降は、同量の酸素ガスと共に、粉状のCaO含有脱りん剤(CaO:60%、Al2 3 :15%、Fe2 3 :25%)を2.1kg/min ・ton の速度で溶銑に4分間吹き付けた。処理後の溶銑温度は1336℃であった。
【0068】
なお、処理中炉底羽口からはArガスを溶銑1ton 当たり、0.50Nm3 /min ・ton 吹き込んで溶銑およびスラグをガス攪拌した。
【0069】
スピッティング量が比較例に比べかなり減少した。処理後試験転炉内直胴部およびコーン部にスピッティングにより形成された地金付着層を剥離して重量を測定した結果、比較例に比べて1/3に低減していた。
また、処理後の溶銑中の[P]濃度は0.009%と目標を大幅にクリアした。
【0070】
(実施例5)
比較例
試験転炉に成分が[C]4.5%、[Si]0.24%、[P]0.10%、脱りん処理前温度1320℃の溶銑2tを装入した。次に溶銑へ鉄鉱石24kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶銑1ton 当たり1.3Nm3 /min ・ton の酸素と共に、粉状のCaO含有脱りん剤(CaO:50%、CaCO3 :50%)を2.1kg/min ・ton の速度で7分間溶銑に吹き付けた。処理後の溶銑温度は1340℃であった。
【0071】
なお、処理中炉底羽口からはArガスを溶銑1ton 当たり、0.50Nm3 /min ・ton 吹き込んで溶銑およびスラグをガス攪拌した。
【0072】
スピッティング量もかなり多かったため、処理後試験転炉内直胴部およびコーン部にスピッティングにより形成された分厚い地金付着層が存在した。
また、処理後の溶銑中の[P]濃度は0.018%とやや高かった。
【0073】
本発明例:
試験転炉に成分が[C]4.5%、[Si]0.24%、[P]0.10%、脱りん処理前温度1320℃の溶銑2tを装入した。次に溶銑へ鉄鉱石24kg、生石灰12kgを上置き添加した後、上吹きランスから溶銑1ton 当たり1.3Nm3 /min ・ton の酸素を3分間溶銑に吹き付けた。3分におけるスラグ塩基度(重量比:CaO/SiO2 )は約1であった。そして3分以降は、同量の酸素ガスと共に、粉状のCaO含有脱りん剤(CaO:50%、CaCO3 :50%)を1.6kg/min ・ton の速度で溶銑に4分間吹き付けた。処理後の溶銑温度は1335℃であった。
【0074】
なお、処理中炉底羽口からはArガスを溶銑1ton 当たり、0.50Nm3 /min ・ton 吹き込んで溶銑およびスラグをガス攪拌した。
【0075】
スピッティング量が比較例に比べかなり減少した。処理後試験転炉内直胴部およびコーン部にスピッティングにより形成された地金付着層を剥離して重量を測定した結果、比較例に比べて半減していた。
また、処理後の溶銑中の[P]濃度は0.019%と目標をクリアした。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、予めカバースラグを形成するという簡単な手法により、少ないスピッティング量で、かつ処理後の溶銑中の[P]濃度を0.030%以下にできるという顕著な効果が得られる。

Claims (4)

  1. CaO含有脱りん剤を酸素ガスをキャリアガスとして吹き付ける溶銑の脱りん方法においてCaO含有カバースラグを生成した後、CaO含有脱りん剤を吹き付けることを特徴とする溶銑の脱りん方法。
  2. CaO含有カバースラグが、CaO含有物が上置き添加された溶銑をガス攪拌し、かつ、酸素含有ガスを上吹きして生成させたものである、請求項1記載の溶銑の脱りん方法。
  3. CaO含有脱りん剤が、CaO分と、A1分、Fe分の少なくとも一種とを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の溶銑の脱りん方法。
  4. カバースラグの塩基度(重量比:CaO/SiO)が0.4〜1.5であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の溶銑の脱りん方法。
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