JP2002275521A - 高炭素溶鋼の脱燐精錬方法 - Google Patents

高炭素溶鋼の脱燐精錬方法

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信也 北村
Yoji Idemoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、蛍石を用いることなく、耐火物や
スロッピングという操業上の問題や、品質上の問題を生
じる有害介在物の生成を抑制した高炭素低燐鋼の精錬を
可能とする方法を提供する。 【解決手段】 脱燐処理により燐の濃度[P]を0.0
50%以下へ低下させた溶銑を用いた上底吹き機能を有
する精錬装置による脱炭精錬に際して、吹き止めスラグ
に含まれるAl2O3濃度((%Al2O3);以下、%は質量パー
セントを示す)とSiO2濃度(%SiO2)で、(%Al2O3)+(%
SiO2)を10〜30%で、かつ、(%Al2O3)>(%SiO2)と
し、スラグ中のフッ素濃度を0.5%以下とすることを
特徴とする高炭素溶鋼の脱燐精錬方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高炭素溶鋼の転炉脱
炭においてスラグ組成を適正にすることで蛍石を用いる
こと無しに低濃度まで脱燐精錬することを可能とする方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】吹き止め溶鋼中炭素濃度[C](以下、
[]は溶鋼又は溶銑中の成分を示し、転炉脱炭後の溶鉄
を溶鋼、転炉脱炭処理前の溶鉄を溶銑と称する。)が
0.4%(質量パーセント)以上で燐[P]が0.025
%以下、特に、[C]が0.5%以上で[P]が0.0
20%以下の高炭素低燐鋼の転炉精錬は、上底吹き転炉
では最も溶製が困難な鋼種であり、通常操業では吹き止
め時点でスラグの(T・Fe)(以下、()はスラグ中
成分を示す。)が低く脱燐能が不十分のため、従来は生
石灰とともに蛍石が多量に用いられていた。しかし、蛍
石は転炉耐火物溶損を引き起こす上に土壌環境基準が設
定されたためスラグの有効利用に対しても大きな問題と
なってきた。スラグ中(T・Fe)を増加させるため底
吹きガス流量を大幅に低下させることは、一般鋼を同一
の転炉で精錬する際に大きなデメリットとなるため現実
的ではない。さらに、炭素を吹き下げて脱燐をした後に
加炭する方法は、吹き下げに伴い鋼中酸素濃度が高くな
るため脱酸生成物が増加し品質上の問題を生じる。さら
に、スラグ塩基度を上げた場合には、硬質介在物の起源
となる高融点スラグ系の介在物が生成するため品質上の
問題を生じる。
【0003】蛍石に替わる造滓剤としては、アルミナが
代表的であるが、溶銑脱燐処理に対するアルミナの適用
は知られているが、高炭素低燐鋼は耐疲労強度を要求さ
れる用途に用いられるため、硬質介在物の起源となるア
ルミナをスラグに添加させることは実施されていない。
【0004】溶銑脱燐処理に対しては以下のような例が
公知であるが、いずれも問題があるため実用化には至っ
ていない。
【0005】特開昭62−207810号公報では、Ca
O−Al2O3−FeXOYを主成分とし、CaO:Al2O3を重量比で
2.5:1〜20:1とし、酸化鉄の含有量を25〜6
5重量%とし、SiO2の含有量を10重量%以下とする溶
銑用脱燐剤が開示されている。しかし、脱燐剤組成を規
定したのみであるため、スラグ組成を定義しない限り、
脱燐剤組成だけでは高い効率を上げることはできない。
【0006】特開平8−157921号公報には、上底
吹き転炉形式の炉において、転炉滓と酸化鉄を主成分と
する脱燐フラックスを用い、酸素を上吹きして溶銑を脱
燐する際、処理中のスラグ条件を重量%で、(%CaO/%Si
O2)=1.2〜2.0、かつ、(Al2O3)=2〜16%、
(T・Fe)=7〜30%に制御して脱燐する方法が開示さ
れている。しかし、この方法では(Al2O3)による融点降
下効果はあるものの、中性酸化物である(Al2O3)により
スラグの精錬能が低下するため充分な脱燐能が確保でき
ない。さらに、CaO-SiO2系スラグにAl2O3を添加した場
合にはMgO溶解度が増加し耐火物溶損が激しくなるとい
う問題も生じる。
【0007】さらに、アルミナの高炭素溶鋼の脱炭精錬
に対する適用については何ら開示されていないが、一般
に転炉脱炭にアルミナを使用した場合には、スロッピン
グと耐火物溶損が激しいことが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
持つ、蛍石を多量に用いる必要があるという問題や、ア
ルミナを高炭素溶鋼の脱炭精錬に用いた場合に常識的に
知られている、スロッピングと耐火物溶損が激しいとい
う問題や硬質介在物が発生するという問題を解決し、蛍
石を用いることなく、品質上の問題を生じる有害介在物
の生成を抑制した高炭素低燐鋼の精錬を可能とする方法
を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は以下の各
方法にある。 (1)脱燐処理により燐の濃度[P]を0.050%以
下へ低下させた溶銑を用いた上底吹き機能を有する精錬
装置による脱炭精錬に際して、吹き止めスラグに含まれ
るAl2O3濃度((%Al2O3);以下、%は質量パーセントを
示す)とSiO2濃度(%SiO2)で、(%Al2O3)+(%SiO2)を
10〜30%で、かつ、(%Al2O3)>(%SiO 2)とし、ス
ラグ中のフッ素濃度を0.5%以下とすることを特徴と
する高炭素溶鋼の脱燐精錬方法。 (2) 処理後のスラグに含まれるCaO濃度(%CaO)、Si
O2濃度(%SiO2)、Al2O3濃度(%Al2O3)とした場合、(%Ca
O)/((%SiO2)+(%Al2O3))を1.5〜3.0、(%Al2O3)/
((%SiO2)+(%Al2O3))を0.5〜0.8とすること特徴と
する(1)記載の高炭素溶鋼の脱燐精錬方法。 (3) 上吹き酸素ガスとともに石灰粉を吹き込むこと
を特徴とする(1)又は(2)記載の高炭素溶鋼の脱燐
精錬方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、従来のようにスラグに
(Al2O3)を付加、添加するという発想と離れて、スラグ
中の(SiO2)を(Al2O3)に置換するという、全く新しい発
想に基づく。
【0011】本発明が立脚する自然法則は以下のような
ものである。 CaOに対する融点降下効果はSiO2よりもAl2O3の方が
大きい。 酸性酸化物であるSiO2に比べて、中性酸化物である
Al2O3の方が脱燐能が大きい。 CaO-SiO2系スラグにAl2O3を添加した場合にはMgO溶
解度が増加するが、CaO- Al2O3系スラグであればMgO溶
解度は小さい。 CaO-SiO2系スラグにAl2O3を添加した場合にはCaO濃
度が高い高融点のカルシウムアルミネートが析出する
が、CaO- Al2O3系スラグであれば低融点の軟質介在物と
なる。
【0012】請求項1は、上記原理に基づき最適条件を
規定したものであり、脱燐処理により燐濃度[P]を
0.050%以下へ低下させた溶銑を用いた上底吹き機
能を有する精錬装置による脱炭精錬に際して、吹き止め
スラグに含まれるAl2O3濃度(%Al2O3)とSiO2濃度(%SiO
2)で、(%Al2O3)+(%SiO2)を10〜30%で、かつ、
(%Al2O3)>(%SiO2)とし、スラグ中のフッ素濃度を
0.5%以下とすることを特徴とする高炭素溶鋼の脱燐
精錬方法にある。ここで、スラグ組成を規定するのは処
理後としたが、処理中であっても本発明の組成に維持す
ることが望ましい。しかし、処理初期には[Si]の酸化反
応の進行や、添加した生石灰の溶解の進行が終了してい
ないため、スラグ組成は大きく変化するため、実際上、
吹錬中の全期間で本発明の組成を維持させることは難し
い。本発明の効果を発揮させるには、吹錬期間の後半5
0%以上の期間に渡って本発明の組成を維持させること
が、より望ましい。
【0013】高炭素鋼とは吹き止め溶鋼中[C]が0.
4%以上で[P]が0.025%以下、特に、[C]が
0.5%以上で[P]が0.020%以下の鋼を示す。
【0014】処理後のスラグに含まれる(%Al2O3)+(%Si
O2)を10〜30%とした理由は、図1に示すように、
10%よりも少ないとスラグの融点が高くなり脱燐能が
低く、30%よりも多い場合には塩基性酸化物である(C
aO)濃度が低下するため、やはり、スラグの脱燐能が低
下するためである。ここで、図1は試験転炉での溶鋼脱
炭試験結果であるが、実験はCaO-MgO-FeO-SiO2-Al2O3
5成分系スラグを用い、吹き止め炭素濃度が0.5〜0.
7%での脱燐率を見たものである。この場合、(%Al2O3)
/((%SiO2)+(%Al2O3));0.6〜0.7、(FeO)=15
%、(MgO)=5%で、ほぼ一定とした条件で(%CaO)、(%SiO
2)、(%Al2O3)を変化させたものである。
【0015】また、(%Al2O3)>(%SiO2)とした理由は、
(%SiO2)よりも(%Al2O3)を高くすると塩基性酸化物濃
度が低下するため脱燐率が向上することとMgO・Al2O3
が生成されたため耐火物溶損が低下するためである。
【0016】ここで、(Al2O3)源としては、ボーキサイ
ト、Alドロス、造塊滓等が用いられる。
【0017】[P]が0.050%よりも高い場合に
は、吹錬初期に生成する燐酸の量が多くスラグ中の燐酸
濃度が高くなる。燐酸は界面活性のため(FeO)の溶鉄
による還元反応を非常に遅くする作用があるが、吹錬初
期は温度が低いため、この時期に燐酸濃度が過剰に上昇
すると(FeO)の還元反応速度が極めて低下する結果、
スラグ中の(FeO)が増大し、吹錬中盤以降で温度が
上がった時点で急激に還元されるため、激しいスラグフ
ォーミングを引き起こす。[P]の下限は特に規定しな
いが、脱燐処理の効率上0.010%以上であることが
望ましい。
【0018】スラグ中のフッ素が0.5%よりも高い場
合には土壌環境基準を満たすことができず、下限は低い
方が望ましく、分析限界以下であっても問題ない。
【0019】精錬装置としては、上底吹き機能を有する
精錬装置が必要である。上吹き酸素はスラグに(Fe
O)を生成するために必須であり、底吹きは鋼浴を攪拌
してスラグと溶鉄の接触による脱燐速度を大きくするた
めに必要であるが、攪拌が激しすぎる場合にはスラグ中
の(FeO)の還元速度が大きくなりすぎるため、0.
002〜0.015Nm3/min/tの底吹きガス流量である
ことが望ましい。
【0020】請求項2は、最適なスラグ組成を具体的に
規定したものであり、処理後のスラグに含まれるCaO濃
度((%CaO);以下、%は質量パーセントを示す)、SiO
2濃度((%SiO2))、Al2O3濃度((%Al2O3))とした場
合、(%CaO)/((%SiO2)+(%Al2O3))を1.5〜3.0、(%
Al2O3)/((%SiO2)+(%Al2O3))を0.4〜0.8としたも
のである。これは、図2、図3に示すように、脱燐能と
耐火物溶損防止のためである。
【0021】図2、図3は、CaO=53%、FeO=15
%、MgO=5%で、ほぼ一定とした条件で(つまり、(%Ca
O)/((%SiO2)+(%Al2O3))=1.96、((%SiO2)+(%Al
2O3))=27%)、(SiO2)と(Al2O3)の濃度を変化させ
て、吹き止め炭素濃度が0.5〜0.7%での脱燐率を見
たものであるが、(SiO2)よりも(Al2O3)の濃度が大きく
なると脱燐率が向上し、特に、(%Al2O3)/((%SiO2)+(%
Al2O3))を0.5〜0.8の範囲とすると大幅に脱燐が促
進されることがわかる。(%Al2O3)/((%SiO2)+(%Al
2O 3))が0.5よりも低い場合には酸性酸化物である(%S
iO2)が高すぎるためスラグの脱燐能が低下し、逆に、
0.8よりも大きい場合には高融点のMgO・Al2O3が生成さ
れるため液相率が低下し脱燐率が低下することに加えて
鋳片に硬質の介在物が発生する。
【0022】さらに、図3は試験に用いたMgO坩堝か
らの溶出MgO量を比較したものであるが、(%Al2O3)/
((%SiO2)+(%Al2O3))が0.5よりも小さい領域では、
(Al2O 3)の濃度を増加させることでMgO溶出量は増加する
が、0.5以上になると逆にMgO溶出量は低下する。こ
れは、(Al2O3)が多量になったことで坩堝耐火物表面に
高融点のMgO・Al2O3層が生成されたためである。
【0023】また、図4に示すように、(%CaO)/((%SiO
2)+(%Al2O3))が1.5よりも小さい場合には、スラグの
塩基度が低下するため脱燐能が確保できず、3.0より
も大きい場合にはスラグの融点が高くなり脱燐能が低下
する。
【0024】請求項3は、さらに脱燐能を向上させる方
法であり、上吹き酸素ガスとともに石灰粉を吹き込むこ
とにある。ここで、石灰とは粉体中のCaO成分を意味
し、生石灰、石灰石、CaO分を40%以上含有する粉
体混合物の形態で吹き付けることができる。粉とは1mm
以下に粉砕されたものを示す。また、石灰粉は、酸素気
流に混合させて吹き込んでも、中心孔のみからAr、N
2、CO2、COガスの1種又は2種以上の混合ガスとと
もに吹き込んでも良い。こうすることにより、CaOの
溶解が促進され、脱炭精錬初期から低融点で脱燐能が高
いスラグを形成するとともに、スラグの(FeO)が増
加して脱燐が促進される。これは、酸素ガスとCaO
が、溶鉄表面で(FeO)活量の低い低融点のFeO−C
aO融体を生成するため溶鉄中炭素と(FeO)との反応
速度が低下し、その結果、スラグ中(FeO)の濃度が
増大するためである。
【0025】
【実施例】実施例は300トン規模の上底吹き転炉を用
いて実施した。[C]:3.9%、[Si]:0.02
%、[Mn]:0.08%、[P]:0.035%、
[S]:0.011%で温度が1315℃の溶銑を装入
して脱炭精錬を実施した。脱炭処理中には上吹きランス
より酸素を50000Nm3/h(2.78Nm3/min/t)の速
度で供給した。この間、底吹き羽口よりCO2ガスを1
20Nm3/h(0.0067Nm3/min/t)で供給し攪拌し
た。上吹きランスは45mm径で7孔とし、ランス先端と
溶鉄面間距離は約2700mmとした。
【0026】送酸時間を12.2分とし、送酸中に、表
1に示す造塊滓を10kg/t、Alドロスを6kg/t、生石
灰を21kg/t、鉄鉱石を20kg/t、珪砂を2kg/t、軽焼
ドロマイトを5kg/t添加した。蛍石は添加しなかった。
その結果、吹き止めスラグ組成は、(CaO);45%,(Si
O2);7%,(Al2O3);13%,(MgO);7%,(T・Fe);1
3%であり、(%SiO2)+(%Al2O3)は20%、(%CaO)/((%S
iO2)+(%Al2O3))は2.23、(%Al2O3)/((%SiO2)+(%Al
2O3))は0.66、フッ素濃度は0.01%であった。吹
き止め溶鋼成分は[C]:0.65%で[P]が0.0
12%まで低下し溶鋼温度は1608℃であった。鋳片
には硬質介在物は見られなかった。また、耐火物溶損は
軽微であり脱炭精錬中のスロッピングもおこらなかっ
た。
【0027】
【表1】
【0028】(比較例)比較例は300トン規模の上底
吹き転炉を用いて実施した。[C]:3.85%、[S
i]:0.02%、[Mn]:0.07%、[P]:
0.042%、[S]:0.010%で温度が1305
℃の溶銑を装入して脱炭精錬を実施した。脱炭処理中に
は上吹きランスより酸素を50000Nm3/h(2.78Nm
3/min/t)の速度で供給した。この間、底吹き羽口より
CO2ガスを120Nm3/h(0.0067Nm3/min/t)で供
給し攪拌した。上吹きランスは45mm径で7孔とし、ラ
ンス先端と溶鉄面間距離は約2700mmとした。
【0029】送酸時間を11.8分とし、送酸中に、表
1に示す造塊滓を10kg/t、Alドロスを0kg/t、生石
灰を21kg/t、鉄鉱石を20kg/t、珪砂を8kg/t、軽焼
ドロマイトを5kg/t添加した。蛍石は添加しなかった。
その結果、吹き止めスラグ組成は、(CaO);46%,(Si
O2);16%,(Al2O3);3%,(MgO);7%,(T・Fe);1
3%であり、(%SiO2)+(%Al2O3)は19%、(%CaO)/((%S
iO2)+(%Al2O3))は2.4、(%Al2O3)/((%SiO2)+(%Al2O
3))は0.17、フッ素濃度は0.01%であった。吹き
止め溶鋼成分は[C]:0.65%で溶鋼温度は161
2℃であったが、[P]は0.031%までしか低下し
なかった。また、鋳片には硬質介在物が見られた。さら
に、耐火物溶損が激しく脱炭精錬中にスロッピングで3
度、吹錬を中断した。
【0030】
【発明の効果】本発明により、蛍石を用いることなく、
耐火物やスロッピングという操業上の問題や、品質上の
問題を生じる有害介在物の生成を抑制した高炭素低燐鋼
の精錬が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱炭試験後のスラグ量中の((%SiO2)+(%Al
2O3))と脱燐率との関係を示す実験結果。
【図2】脱炭試験後のスラグ量中の(%Al2O3)/((%SiO2)
+(%Al2O3))と脱燐率との関係を示す実験結果。
【図3】脱炭試験後のスラグ量中の(%Al2O3)/((%SiO2)
+(%Al2O3))とMgO溶出量との関係を示す実験結果。
【図4】脱炭試験後のスラグ量中の(%CaO)/((%SiO2)+
(%Al2O3)) と脱燐率との関係を示す実験結果。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 直人 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 Fターム(参考) 4K070 AA01 AB06 AC03 AC13 AC14 AC16 BA07 BB08 BD09 BD10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱燐処理により燐の濃度[P]を0.0
    50%以下へ低下させた溶銑を用いた上底吹き機能を有
    する精錬装置による脱炭精錬に際して、吹き止めスラグ
    に含まれるAl2O3濃度((%Al2O3);以下、%は質量パー
    セントを示す)とSiO2濃度(%SiO2)で、(%Al2O3)+(%
    SiO2)を10〜30%で、かつ、(%Al 2O3)>(%SiO2)と
    し、スラグ中のフッ素濃度を0.5%以下とすることを
    特徴とする高炭素溶鋼の脱燐精錬方法。
  2. 【請求項2】 処理後のスラグに含まれるCaO濃度(%Ca
    O)、SiO2濃度(%SiO 2)、Al2O3濃度(%Al2O3)とした場
    合、(%CaO)/((%SiO2)+(%Al2O3))を1.5〜3.0、(%
    Al2O3)/((%SiO2)+(%Al2O3))を0.5〜0.8とするこ
    と特徴とする請求項1記載の高炭素溶鋼の脱燐精錬方
    法。
  3. 【請求項3】 上吹き酸素ガスとともに石灰粉を吹き込
    むことを特徴とする請求項1又は2記載の高炭素溶鋼の
    脱燐精錬方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006274349A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Sumitomo Metal Ind Ltd 鋼の精錬方法
KR101344903B1 (ko) 2012-03-30 2013-12-26 현대제철 주식회사 래들 슬래그의 조성 제어방법
CN104561433A (zh) * 2014-12-24 2015-04-29 山东钢铁股份有限公司 一种中高碳超低磷钢水的转炉冶炼方法
CN114480774A (zh) * 2021-12-23 2022-05-13 武钢集团昆明钢铁股份有限公司 一种转炉采用石灰石造渣工艺冶炼高磷铁水的方法

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