JP2002275520A - 高炭素溶鋼の精錬方法 - Google Patents
高炭素溶鋼の精錬方法Info
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- JP2002275520A JP2002275520A JP2001073346A JP2001073346A JP2002275520A JP 2002275520 A JP2002275520 A JP 2002275520A JP 2001073346 A JP2001073346 A JP 2001073346A JP 2001073346 A JP2001073346 A JP 2001073346A JP 2002275520 A JP2002275520 A JP 2002275520A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、蛍石を用いることなく、品質上の
問題を生じる有害介在物の生成を抑制した高炭素低燐鋼
の精錬方法を提供するものである。 【解決手段】 脱燐処理により[P]を0.050%以
下へ低下させた溶銑を用いた上底吹き機能を有する精錬
装置による脱炭精錬に際して、上吹き酸素ガスとともに
石灰粉を吹き込み、吹錬時間をt0(分)、吹き付け終
了時間をt(分)とした場合、t/t0を0.7以上と
し、吹き止めスラグ中のフッ素濃度を0.5%以下とす
ることを特徴とする高炭素溶鋼の精錬方法。
問題を生じる有害介在物の生成を抑制した高炭素低燐鋼
の精錬方法を提供するものである。 【解決手段】 脱燐処理により[P]を0.050%以
下へ低下させた溶銑を用いた上底吹き機能を有する精錬
装置による脱炭精錬に際して、上吹き酸素ガスとともに
石灰粉を吹き込み、吹錬時間をt0(分)、吹き付け終
了時間をt(分)とした場合、t/t0を0.7以上と
し、吹き止めスラグ中のフッ素濃度を0.5%以下とす
ることを特徴とする高炭素溶鋼の精錬方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶銑脱燐銑を用いた
高炭素鋼の転炉脱炭精錬において、安定した脱燐能を脱
炭スラグに付与することで高炭素低燐鋼の溶製を可能と
する精錬方法に関する。
高炭素鋼の転炉脱炭精錬において、安定した脱燐能を脱
炭スラグに付与することで高炭素低燐鋼の溶製を可能と
する精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】吹き止め溶鋼炭素濃度[C](以下では
[]は溶鋼又は溶銑中の成分であることを示す。また、
溶鋼とは転炉脱炭精錬後の溶鉄を意味し、溶銑は転炉脱
炭処理前の溶鉄を意味する。)が0.4%(質量パーセ
ント)以上で溶鋼中燐[P]が0.025%以下、特
に、[C]が0.5%以上で[P]が0.020%以下
の高炭素低燐鋼の転炉精錬は、上底吹き転炉では最も溶
製が困難な鋼種であり、通常操業では吹き止め時点でス
ラグの(T・Fe)(以下では()はスラグ中の成分で
あることを示す。)が低く脱燐能が不十分のため、従来
は生石灰とともに蛍石が多量に用いられていた。しか
し、蛍石は転炉耐火物溶損を引き起こす上に土壌環境基
準が設定されてたためスラグの有効利用に対しても大き
な問題となってきた。蛍石に替わる造滓剤としては、ア
ルミナが代表的であるが、高炭素低燐鋼は耐疲労強度を
要求される用途に用いられるため、硬質介在物の起源と
なるアルミナをスラグに添加させることは困難である。
また、スラグ中(T・Fe)を増加させるため底吹きガ
ス流量を大幅に低下させることは、一般鋼を同一の転炉
で精錬する際に大きなデメリットとなるため現実的では
ない。さらに、炭素を吹き下げて脱燐をした後に加炭す
る方法は、吹き下げに伴い鋼中酸素濃度が高くなるため
脱酸生成物が増加し品質上の問題を生じる。さらに、ス
ラグ塩基度を上げた場合には、硬質介在物の起源となる
高融点スラグ系の介在物が生成するため品質上の問題を
生じる。
[]は溶鋼又は溶銑中の成分であることを示す。また、
溶鋼とは転炉脱炭精錬後の溶鉄を意味し、溶銑は転炉脱
炭処理前の溶鉄を意味する。)が0.4%(質量パーセ
ント)以上で溶鋼中燐[P]が0.025%以下、特
に、[C]が0.5%以上で[P]が0.020%以下
の高炭素低燐鋼の転炉精錬は、上底吹き転炉では最も溶
製が困難な鋼種であり、通常操業では吹き止め時点でス
ラグの(T・Fe)(以下では()はスラグ中の成分で
あることを示す。)が低く脱燐能が不十分のため、従来
は生石灰とともに蛍石が多量に用いられていた。しか
し、蛍石は転炉耐火物溶損を引き起こす上に土壌環境基
準が設定されてたためスラグの有効利用に対しても大き
な問題となってきた。蛍石に替わる造滓剤としては、ア
ルミナが代表的であるが、高炭素低燐鋼は耐疲労強度を
要求される用途に用いられるため、硬質介在物の起源と
なるアルミナをスラグに添加させることは困難である。
また、スラグ中(T・Fe)を増加させるため底吹きガ
ス流量を大幅に低下させることは、一般鋼を同一の転炉
で精錬する際に大きなデメリットとなるため現実的では
ない。さらに、炭素を吹き下げて脱燐をした後に加炭す
る方法は、吹き下げに伴い鋼中酸素濃度が高くなるため
脱酸生成物が増加し品質上の問題を生じる。さらに、ス
ラグ塩基度を上げた場合には、硬質介在物の起源となる
高融点スラグ系の介在物が生成するため品質上の問題を
生じる。
【0003】一方、上吹き転炉において上吹きラインか
ら酸素ガスとともに粉状生石灰を供給する技術はLDA
C法として広く知られている。これを、上底吹き吹き転
炉へ適用した例は、いくつか公知となっている。
ら酸素ガスとともに粉状生石灰を供給する技術はLDA
C法として広く知られている。これを、上底吹き吹き転
炉へ適用した例は、いくつか公知となっている。
【0004】特開昭56-9311号公報には、上底吹き転炉
において、生石灰、石灰石、蛍石、ドロマイト、鉄鉱石
等の造滓剤の1種又は2種以上を混合した粉体を上吹き
酸素気流に混入し造滓剤の添加を行なう方法が開示され
ている。実施例においては、[P]が0.125%の溶
銑を[C]が0.38%、[P]が0.012%まで脱
炭精錬した例が示されているが、蛍石の使用有無やスラ
グ中のフッ素濃度については開示がなく、生石灰と酸素
ガスの比率や吹き付け期間、脱炭処理後の塩基度につい
ても何ら示されていない。
において、生石灰、石灰石、蛍石、ドロマイト、鉄鉱石
等の造滓剤の1種又は2種以上を混合した粉体を上吹き
酸素気流に混入し造滓剤の添加を行なう方法が開示され
ている。実施例においては、[P]が0.125%の溶
銑を[C]が0.38%、[P]が0.012%まで脱
炭精錬した例が示されているが、蛍石の使用有無やスラ
グ中のフッ素濃度については開示がなく、生石灰と酸素
ガスの比率や吹き付け期間、脱炭処理後の塩基度につい
ても何ら示されていない。
【0005】特開昭58-19423号公報には、上底吹き転炉
において、精錬ガス気流中に粒径0.1mm以下が90%
以上で、0.044mm以下90%以下の造滓用粉体フラ
ックスを帯同随伴させて精錬を行ない、脱珪反応時には
粉状フラックス量を塩基度が1〜8の範囲にする方法が
開示されている。また、造滓用粉状フラックスがCaO
系、CaCO3系、ドロマイト系、鉄鉱石系、CaF
2系、Na2CO3系の1種又は2種以上であるとされて
いる。実施例には、[P]が0.120%の溶銑を
[C]が0.05%、[P]が0.016%まで脱炭精
錬した例と、[P]が0.105%の溶銑を[C]が
0.05%、[P]が0.007%まで脱炭精錬した例
が示されているが、蛍石の使用有無やスラグ中のフッ素
濃度、脱炭処理後の塩基度については何ら示されていな
い。また、高炭素鋼の精錬に対する適用についても開示
されていない。
において、精錬ガス気流中に粒径0.1mm以下が90%
以上で、0.044mm以下90%以下の造滓用粉体フラ
ックスを帯同随伴させて精錬を行ない、脱珪反応時には
粉状フラックス量を塩基度が1〜8の範囲にする方法が
開示されている。また、造滓用粉状フラックスがCaO
系、CaCO3系、ドロマイト系、鉄鉱石系、CaF
2系、Na2CO3系の1種又は2種以上であるとされて
いる。実施例には、[P]が0.120%の溶銑を
[C]が0.05%、[P]が0.016%まで脱炭精
錬した例と、[P]が0.105%の溶銑を[C]が
0.05%、[P]が0.007%まで脱炭精錬した例
が示されているが、蛍石の使用有無やスラグ中のフッ素
濃度、脱炭処理後の塩基度については何ら示されていな
い。また、高炭素鋼の精錬に対する適用についても開示
されていない。
【0006】特開昭58-207314号公報には、上底吹き転
炉において、少なくとも脱珪処理を施した溶銑を装入
し、生石灰、石灰石、蛍石、ドロマイト、鉄鉱石等の造
滓剤の1種又は2種以上を混合した粉体を上吹き酸素気
流に混入し造滓剤の添加を行なう方法が開示されてい
る。しかし、実施例においては、すべて蛍石を用いた例
が示されており、かつ、塩基度も5.5〜28と極めて
高い例となっている。
炉において、少なくとも脱珪処理を施した溶銑を装入
し、生石灰、石灰石、蛍石、ドロマイト、鉄鉱石等の造
滓剤の1種又は2種以上を混合した粉体を上吹き酸素気
流に混入し造滓剤の添加を行なう方法が開示されてい
る。しかし、実施例においては、すべて蛍石を用いた例
が示されており、かつ、塩基度も5.5〜28と極めて
高い例となっている。
【0007】また、鉄と鋼、第68巻、1982年発
行、S202、S203、鉄と鋼、第68巻、1982
年発行、S904、鉄と鋼、第70巻、1984年発
行、S246には上底吹き転炉で上吹き酸素に造滓剤を
混合した精錬技術が開示されているが、いずれの場合で
も、造滓剤組成としては、生石灰と蛍石の混合物を用い
ている。
行、S202、S203、鉄と鋼、第68巻、1982
年発行、S904、鉄と鋼、第70巻、1984年発
行、S246には上底吹き転炉で上吹き酸素に造滓剤を
混合した精錬技術が開示されているが、いずれの場合で
も、造滓剤組成としては、生石灰と蛍石の混合物を用い
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特開昭58-2
07314号公報、鉄と鋼、第68巻、1982年発行、S
202、S203、鉄と鋼、第68巻、1982年発
行、S904、鉄と鋼、第70巻、1984年発行、S
246に開示された従来技術が持つ、滓化のため蛍石を
多量に用いる必要があるという問題、特開昭58-19423号
公報や特開昭56-9311号公報におけては、蛍石の使用有
無、スラグ中のフッ素濃度、生石灰と酸素ガスの比率、
吹き付け期間、脱炭処理後の塩基度についても系統的に
示されていないという問題を解決し、蛍石を用いること
なく、品質上の問題を生じる有害介在物の生成を抑制し
た高炭素低燐鋼の精錬を可能とする方法を提供するもの
である。
07314号公報、鉄と鋼、第68巻、1982年発行、S
202、S203、鉄と鋼、第68巻、1982年発
行、S904、鉄と鋼、第70巻、1984年発行、S
246に開示された従来技術が持つ、滓化のため蛍石を
多量に用いる必要があるという問題、特開昭58-19423号
公報や特開昭56-9311号公報におけては、蛍石の使用有
無、スラグ中のフッ素濃度、生石灰と酸素ガスの比率、
吹き付け期間、脱炭処理後の塩基度についても系統的に
示されていないという問題を解決し、蛍石を用いること
なく、品質上の問題を生じる有害介在物の生成を抑制し
た高炭素低燐鋼の精錬を可能とする方法を提供するもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は以下の各
方法にある。 (1) 脱燐処理により燐の濃度[P]を0.050%
以下へ低下させた溶銑を用いた上底吹き機能を有する精
錬装置による脱炭精錬に際して、上吹き酸素ガスととも
に石灰粉を吹き込み、吹錬時間をt0(分)、吹き付け
終了時間をt(分)とした場合、t/t0を0.7以上
とし、吹き止めスラグ中のフッ素濃度を0.5%以下と
することを特徴とする高炭素溶鋼の精錬方法。 (2) 処理後スラグ塩基度を1.5〜4.0とすること
を特徴とする(1)記載の高炭素溶鋼の精錬方法。 (3) 酸素ガス供給速度:F(Nm3/min/t)と石灰粉
供給速度:V(kg/min/t)の比をV/Fで0.3〜1.3
とすることを特徴とする(1)又は(2)記載の高炭素
溶鋼の精錬方法。 (4) スラグ量が20〜60kg/tであることを特徴と
する(1)〜(3)のいずれかに記載の高炭素溶鋼の精
錬方法。
方法にある。 (1) 脱燐処理により燐の濃度[P]を0.050%
以下へ低下させた溶銑を用いた上底吹き機能を有する精
錬装置による脱炭精錬に際して、上吹き酸素ガスととも
に石灰粉を吹き込み、吹錬時間をt0(分)、吹き付け
終了時間をt(分)とした場合、t/t0を0.7以上
とし、吹き止めスラグ中のフッ素濃度を0.5%以下と
することを特徴とする高炭素溶鋼の精錬方法。 (2) 処理後スラグ塩基度を1.5〜4.0とすること
を特徴とする(1)記載の高炭素溶鋼の精錬方法。 (3) 酸素ガス供給速度:F(Nm3/min/t)と石灰粉
供給速度:V(kg/min/t)の比をV/Fで0.3〜1.3
とすることを特徴とする(1)又は(2)記載の高炭素
溶鋼の精錬方法。 (4) スラグ量が20〜60kg/tであることを特徴と
する(1)〜(3)のいずれかに記載の高炭素溶鋼の精
錬方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上底吹き転炉にお
いて高炭素鋼の低燐化を蛍石を用いることなしに進行さ
せるためには、脱燐処理により[P]を0.050%以
下へ低下させた溶銑を用いることと、上吹き酸素ガスと
ともに石灰粉を吹き込み、吹錬時間をt0(分)、吹き
付け終了時間をt(分)とした場合、t/t0を0.7
以上とすることが必要であり、こうすることにより、ス
ラグへ蛍石を添加することなく、スラグ中のフッ素濃度
を0.5%以下であっても効率的な精錬が可能となる知
見を得た。
いて高炭素鋼の低燐化を蛍石を用いることなしに進行さ
せるためには、脱燐処理により[P]を0.050%以
下へ低下させた溶銑を用いることと、上吹き酸素ガスと
ともに石灰粉を吹き込み、吹錬時間をt0(分)、吹き
付け終了時間をt(分)とした場合、t/t0を0.7
以上とすることが必要であり、こうすることにより、ス
ラグへ蛍石を添加することなく、スラグ中のフッ素濃度
を0.5%以下であっても効率的な精錬が可能となる知
見を得た。
【0011】ここで、高炭素鋼とは吹き止め[C]が
0.4%以上で[P]が0.025%以下、特に、[C]
が0.5%以上で[P]が0.020%以下の溶鋼を示
す。また、石灰とは粉体中のCaO成分を意味し、生石
灰、石灰石、CaO分を40%以上含有する粉体混合物
の形態で吹き付けることができる。粉とは1mm以下に粉
砕されたものを示す。
0.4%以上で[P]が0.025%以下、特に、[C]
が0.5%以上で[P]が0.020%以下の溶鋼を示
す。また、石灰とは粉体中のCaO成分を意味し、生石
灰、石灰石、CaO分を40%以上含有する粉体混合物
の形態で吹き付けることができる。粉とは1mm以下に粉
砕されたものを示す。
【0012】このような高炭素鋼を転炉精錬で脱燐する
には、スラグ中の(FeO)の濃度又は活量を上げるこ
とが必須である。しかし、通常の上吹き酸素では酸素ガ
スが溶鉄と接触した界面に生成するものは純粋なFeO
であるため、溶鉄中炭素により直ちに還元されてしまい
スラグの(FeO)の濃度を上げることができない。こ
れに対して、上吹き酸素ガスとともに石灰粉を吹き付け
た場合には、酸素ガスが溶鉄と接触した界面に生成する
FeOがCaOと直ちに混合し低融点のFeO−CaO
融体を生成するため、融体中のFeO活量が低下して溶
鉄中炭素との反応速度が低下するためスラグ中(Fe
O)の濃度が増大しやすくなる。しかし、熱力学的には
高炭素鋼精錬でのCによりスラグ中(FeO)は還元さ
れるため、常に、上吹き酸素ガスとともに石灰粉を吹き
付け続けてスラグ中へFeOを供給しつづけない限り、
スラグ中(FeO)の濃度は急速に低下してしまう。従
って、脱燐を進行させたい時期には、上吹き酸素ガスと
ともに石灰粉を吹き付け続ける必要があり、これを実現
させる具体的な手段が、吹錬時間をt0(分)、吹き付
け終了時間をt(分)とした場合、t/t0を0.7以
上とすることにある。ここで、吹錬時間とは送酸開始か
ら吹き止めまでの時間であり、吹き付け終了時間とは、
送酸開始から石灰の吹き付け終了までの時間であるが、
送酸開始から当該期間全体に渡って吹き付けを実施して
も、吹錬時間の一部の期間でのみ吹き付けを実施しても
良いが、0.4×t0以上の吹き付け時間とすることが
望ましい。t/t0が0.7よりも小さい場合には、温
度が上昇して脱燐が起こりにくくなる吹錬後半に吹き付
けが実施されないため、図1に示すように、その間にス
ラグの(FeO)が低下し低燐化することができなくな
る。t/t0の上限は1.0であり、吹錬吹き止めまで
吹き付けを続けても全く問題はない。
には、スラグ中の(FeO)の濃度又は活量を上げるこ
とが必須である。しかし、通常の上吹き酸素では酸素ガ
スが溶鉄と接触した界面に生成するものは純粋なFeO
であるため、溶鉄中炭素により直ちに還元されてしまい
スラグの(FeO)の濃度を上げることができない。こ
れに対して、上吹き酸素ガスとともに石灰粉を吹き付け
た場合には、酸素ガスが溶鉄と接触した界面に生成する
FeOがCaOと直ちに混合し低融点のFeO−CaO
融体を生成するため、融体中のFeO活量が低下して溶
鉄中炭素との反応速度が低下するためスラグ中(Fe
O)の濃度が増大しやすくなる。しかし、熱力学的には
高炭素鋼精錬でのCによりスラグ中(FeO)は還元さ
れるため、常に、上吹き酸素ガスとともに石灰粉を吹き
付け続けてスラグ中へFeOを供給しつづけない限り、
スラグ中(FeO)の濃度は急速に低下してしまう。従
って、脱燐を進行させたい時期には、上吹き酸素ガスと
ともに石灰粉を吹き付け続ける必要があり、これを実現
させる具体的な手段が、吹錬時間をt0(分)、吹き付
け終了時間をt(分)とした場合、t/t0を0.7以
上とすることにある。ここで、吹錬時間とは送酸開始か
ら吹き止めまでの時間であり、吹き付け終了時間とは、
送酸開始から石灰の吹き付け終了までの時間であるが、
送酸開始から当該期間全体に渡って吹き付けを実施して
も、吹錬時間の一部の期間でのみ吹き付けを実施しても
良いが、0.4×t0以上の吹き付け時間とすることが
望ましい。t/t0が0.7よりも小さい場合には、温
度が上昇して脱燐が起こりにくくなる吹錬後半に吹き付
けが実施されないため、図1に示すように、その間にス
ラグの(FeO)が低下し低燐化することができなくな
る。t/t0の上限は1.0であり、吹錬吹き止めまで
吹き付けを続けても全く問題はない。
【0013】溶銑中[P]が0.050%よりも高い場
合には、吹錬初期に生成する燐酸の量が多くスラグ中の
燐酸濃度が高くなる。燐酸は界面活性のためFeOの溶
鉄による還元反応を非常に遅くする作用があるが、吹錬
初期は温度が低いため、この時期に燐酸濃度が過剰に上
昇するとFeOの還元反応速度が極めて低下する結果、
スラグ中の(FeO)が増大し、吹錬中盤以降で温度が
上がった時点で急激に還元されるため、激しいスラグフ
ォーミングを引き起こす。[P]の下限は特に規定しな
いが、脱燐処理の効率上0.010%以上であることが
望ましい。
合には、吹錬初期に生成する燐酸の量が多くスラグ中の
燐酸濃度が高くなる。燐酸は界面活性のためFeOの溶
鉄による還元反応を非常に遅くする作用があるが、吹錬
初期は温度が低いため、この時期に燐酸濃度が過剰に上
昇するとFeOの還元反応速度が極めて低下する結果、
スラグ中の(FeO)が増大し、吹錬中盤以降で温度が
上がった時点で急激に還元されるため、激しいスラグフ
ォーミングを引き起こす。[P]の下限は特に規定しな
いが、脱燐処理の効率上0.010%以上であることが
望ましい。
【0014】スラグ中のフッ素が0.5%よりも高い場
合には土壌環境基準を満たすことができず、下限は低い
方が望ましく、分析限界以下であっても問題ない。
合には土壌環境基準を満たすことができず、下限は低い
方が望ましく、分析限界以下であっても問題ない。
【0015】精錬装置としては、上底吹き機能を有する
精錬装置が必要である。上吹きは酸素と石灰粉を供給す
るために必須であり、底吹きは鋼浴を攪拌してスラグと
溶鉄の接触による脱燐速度を大きくするために必要であ
るが、攪拌が激しすぎる場合にはスラグ中の(FeO)
の還元速度が大きくなりすぎるため、0.002〜0.
015Nm3/min/tの底吹きガス流量であることが望まし
い。
精錬装置が必要である。上吹きは酸素と石灰粉を供給す
るために必須であり、底吹きは鋼浴を攪拌してスラグと
溶鉄の接触による脱燐速度を大きくするために必要であ
るが、攪拌が激しすぎる場合にはスラグ中の(FeO)
の還元速度が大きくなりすぎるため、0.002〜0.
015Nm3/min/tの底吹きガス流量であることが望まし
い。
【0016】また、石灰粉は、酸素気流に混合させて吹
き込んでも、中心孔のみからAr、N2、CO2、COガ
スの1種又は2種以上の混合ガスとともに吹き込んでも
良い。
き込んでも、中心孔のみからAr、N2、CO2、COガ
スの1種又は2種以上の混合ガスとともに吹き込んでも
良い。
【0017】(2)は、より好ましい条件を提示したも
のであり、(1)において処理後塩基度を1.5〜4.0
としたものである。スラグ塩基度とは、スラグ中の(C
aO)と(SiO2)の濃度比(CaO/SiO2)であ
るが、スラグ塩基度が高い場合には(FeO)の還元速
度が大きくなるため、上吹き酸素ガスとともに石灰粉を
吹き付け続けることで供給される(FeO)が急速に還
元され、スラグ中の(FeO)濃度が維持しにくくな
る。従って、図2に示すように塩基度が4.0よりも高
いと低燐化しにくくなる。逆に、1.5よりも低い場合
にはスラグの脱燐能(キャパシティー)自体が低下する
ため、やはり低燐化しにくくなる。脱燐された溶銑中の
珪素濃度は低いため、塩基度は、鉄鉱石中の珪酸や珪砂
を添加して調整する。尚、塩基度を1.5〜4.0とする
のは処理後だけでなく、処理中もこの範囲に維持するこ
とが望ましい。しかし、処理初期には[Si]の酸化反応の
進行や、添加した生石灰の溶解の進行が終了していない
ため、スラグ組成は大きく変化するため、実際上、吹錬
中の全期間で本発明の組成を維持させることは難しい。
のであり、(1)において処理後塩基度を1.5〜4.0
としたものである。スラグ塩基度とは、スラグ中の(C
aO)と(SiO2)の濃度比(CaO/SiO2)であ
るが、スラグ塩基度が高い場合には(FeO)の還元速
度が大きくなるため、上吹き酸素ガスとともに石灰粉を
吹き付け続けることで供給される(FeO)が急速に還
元され、スラグ中の(FeO)濃度が維持しにくくな
る。従って、図2に示すように塩基度が4.0よりも高
いと低燐化しにくくなる。逆に、1.5よりも低い場合
にはスラグの脱燐能(キャパシティー)自体が低下する
ため、やはり低燐化しにくくなる。脱燐された溶銑中の
珪素濃度は低いため、塩基度は、鉄鉱石中の珪酸や珪砂
を添加して調整する。尚、塩基度を1.5〜4.0とする
のは処理後だけでなく、処理中もこの範囲に維持するこ
とが望ましい。しかし、処理初期には[Si]の酸化反応の
進行や、添加した生石灰の溶解の進行が終了していない
ため、スラグ組成は大きく変化するため、実際上、吹錬
中の全期間で本発明の組成を維持させることは難しい。
【0018】(3)は酸素ガス供給速度:F(Nm3/min/
t)と石灰粉供給速度:V(kg/min/t)の比をV/Fで
0.3〜1.3としたものである。V/Fが0.3より
も小さい場合には、酸素ガスが溶鉄と接触した界面に生
成するFeOがCaOと直ちに混合して生成されるFe
O−CaO融体中のFeO活量が充分に低下しないため
スラグ中(FeO)の濃度が増大しにくくなり、逆に、
1.3よりも大きい場合には、粉体により火点が冷却さ
れるため脱炭反応自体が悪化する。
t)と石灰粉供給速度:V(kg/min/t)の比をV/Fで
0.3〜1.3としたものである。V/Fが0.3より
も小さい場合には、酸素ガスが溶鉄と接触した界面に生
成するFeOがCaOと直ちに混合して生成されるFe
O−CaO融体中のFeO活量が充分に低下しないため
スラグ中(FeO)の濃度が増大しにくくなり、逆に、
1.3よりも大きい場合には、粉体により火点が冷却さ
れるため脱炭反応自体が悪化する。
【0019】(4)はスラグ量を20〜60kg/tとした
ものである。スラグ量が60kg/tよりも多い場合には、
上吹き酸素ガスとともに石灰粉を吹き付け続けることで
供給される(FeO)がスラグ中で希釈されるため、ス
ラグの酸化力が低く脱燐能が低下し、逆に、20kg/tよ
りも少ない場合にはスラグ中の(FeO)が過剰に高く
なるためスラグフォーミングが起こりやすくなる。ここ
で、スラグ量は処理後の値であり、CaOやSiO2のマス
バランスで計算される。
ものである。スラグ量が60kg/tよりも多い場合には、
上吹き酸素ガスとともに石灰粉を吹き付け続けることで
供給される(FeO)がスラグ中で希釈されるため、ス
ラグの酸化力が低く脱燐能が低下し、逆に、20kg/tよ
りも少ない場合にはスラグ中の(FeO)が過剰に高く
なるためスラグフォーミングが起こりやすくなる。ここ
で、スラグ量は処理後の値であり、CaOやSiO2のマス
バランスで計算される。
【0020】
【実施例】(実施例−1)実施例−1は300トン規模
の上底吹き転炉を用いて実施した。[C]:3.9%、
[Si]:0.02%、[Mn]:0.08%、
[P]:0.035%、[S]:0.011%で温度が
1315℃の溶銑を装入して脱炭精錬を実施した。脱炭
処理中には上吹きランスより酸素を50000Nm3/h
(F=2.78Nm3/min/t)の速度で供給した。この間、
底吹き羽口よりCO2ガスを120Nm3/h(0.0067N
m3/min/t)で供給し攪拌した。上吹きランスは45mm径
で7孔とし、ランス先端と溶鉄面間距離は約2700mm
とした。生石灰粉は1mm以下で、150μm以下の割合が7
9%のものを用い、酸素気流に混合させて吹き込んだ。
の上底吹き転炉を用いて実施した。[C]:3.9%、
[Si]:0.02%、[Mn]:0.08%、
[P]:0.035%、[S]:0.011%で温度が
1315℃の溶銑を装入して脱炭精錬を実施した。脱炭
処理中には上吹きランスより酸素を50000Nm3/h
(F=2.78Nm3/min/t)の速度で供給した。この間、
底吹き羽口よりCO2ガスを120Nm3/h(0.0067N
m3/min/t)で供給し攪拌した。上吹きランスは45mm径
で7孔とし、ランス先端と溶鉄面間距離は約2700mm
とした。生石灰粉は1mm以下で、150μm以下の割合が7
9%のものを用い、酸素気流に混合させて吹き込んだ。
【0021】送酸時間を12.2分(t0)とし、送酸
開始から2分経過時点から11分経過時点(t)まで、
生石灰粉を700kg/min(V=2.33kg/min/t)の速
度で吹き込んだ。t/t0は0.9、V/Fは0.84
であった。送酸中に、鉄鉱石を20kg/t、珪砂を7kg/
t、軽焼ドロマイトを5kg/t添加した。塊石灰は添加せ
ず、また、蛍石も添加しなかった。処理後スラグ塩基度
は3.1、フッ素濃度は0.01%、CaOのマスバランス
から計算されるスラグ量は47kg/tであり、吹き止め溶
鋼成分は[C]:0.65%で[P]が0.012%ま
で低下し溶鋼温度は1608℃であった。鋳片には硬質
介在物は見られなかった。
開始から2分経過時点から11分経過時点(t)まで、
生石灰粉を700kg/min(V=2.33kg/min/t)の速
度で吹き込んだ。t/t0は0.9、V/Fは0.84
であった。送酸中に、鉄鉱石を20kg/t、珪砂を7kg/
t、軽焼ドロマイトを5kg/t添加した。塊石灰は添加せ
ず、また、蛍石も添加しなかった。処理後スラグ塩基度
は3.1、フッ素濃度は0.01%、CaOのマスバランス
から計算されるスラグ量は47kg/tであり、吹き止め溶
鋼成分は[C]:0.65%で[P]が0.012%ま
で低下し溶鋼温度は1608℃であった。鋳片には硬質
介在物は見られなかった。
【0022】(実施例−2)実施例−2は300トン規
模の上底吹き転炉を用いて実施した。[C]:3.85
%、[Si]:0.02%、[Mn]:0.07%、
[P]:0.028%、[S]:0.011%で温度が
1305℃の溶銑を装入して脱炭精錬を実施した。脱炭
処理中には上吹きランスより酸素を50000Nm3/h
(F=2.78Nm3/min/t)の速度で供給した。この間、
底吹き羽口よりCO2ガスを120Nm3/h(0.0067N
m3/min/t)で供給し攪拌した。上吹きランスは45mm径
で7孔とし、ランス先端と溶鉄面間距離は約2700mm
とした。生石灰粉は1mm以下で、150μm以下の割合が7
9%のものを用い、酸素気流に混合させて吹き込んだ。
模の上底吹き転炉を用いて実施した。[C]:3.85
%、[Si]:0.02%、[Mn]:0.07%、
[P]:0.028%、[S]:0.011%で温度が
1305℃の溶銑を装入して脱炭精錬を実施した。脱炭
処理中には上吹きランスより酸素を50000Nm3/h
(F=2.78Nm3/min/t)の速度で供給した。この間、
底吹き羽口よりCO2ガスを120Nm3/h(0.0067N
m3/min/t)で供給し攪拌した。上吹きランスは45mm径
で7孔とし、ランス先端と溶鉄面間距離は約2700mm
とした。生石灰粉は1mm以下で、150μm以下の割合が7
9%のものを用い、酸素気流に混合させて吹き込んだ。
【0023】送酸時間を11.8分(t0)とし、送酸
開始から5分経過時点から11分経過時点(t)まで、
生石灰粉を700kg/min(V=2.33kg/min/t)の速
度で吹き込んだ。t/t0は0.9、V/Fは0.84
であった。送酸中に、鉄鉱石を20kg/t、珪砂を8kg/
t、軽焼ドロマイトを5kg/t添加した。塊石灰は添加せ
ず、また、蛍石も添加しなかった。処理後スラグ塩基度
は1.95、フッ素濃度は0.01%、CaOのマスバラン
スから計算されるスラグ量は38kg/tであり、吹き止め
溶鋼成分は[C]:0.72%で[P]が0.013%
まで低下し溶鋼温度は1602℃であった。鋳片には硬
質介在物は見られなかった。
開始から5分経過時点から11分経過時点(t)まで、
生石灰粉を700kg/min(V=2.33kg/min/t)の速
度で吹き込んだ。t/t0は0.9、V/Fは0.84
であった。送酸中に、鉄鉱石を20kg/t、珪砂を8kg/
t、軽焼ドロマイトを5kg/t添加した。塊石灰は添加せ
ず、また、蛍石も添加しなかった。処理後スラグ塩基度
は1.95、フッ素濃度は0.01%、CaOのマスバラン
スから計算されるスラグ量は38kg/tであり、吹き止め
溶鋼成分は[C]:0.72%で[P]が0.013%
まで低下し溶鋼温度は1602℃であった。鋳片には硬
質介在物は見られなかった。
【0024】(比較例)比較例は300トン規模の上底
吹き転炉を用いて実施した。[C]:4.02%、[S
i]:0.02%、[Mn]:0.07%、[P]:
0.042%、[S]:0.011%で温度が1325
℃の溶銑を装入して脱炭精錬を実施した。脱炭処理中に
は上吹きランスより酸素を50000Nm3/h(F=2.7
8Nm3/min/t)の速度で供給した。この間、底吹き羽口
よりCO2ガスを120Nm3/h(0.0067Nm3/min/t)
で供給し攪拌した。上吹きランスは45mm径で7孔と
し、ランス先端と溶鉄面間距離は約2700mmとした。
生石灰粉は1mm以下で、150μm以下の割合が79%のも
のを用い、酸素気流に混合させて吹き込んだ。
吹き転炉を用いて実施した。[C]:4.02%、[S
i]:0.02%、[Mn]:0.07%、[P]:
0.042%、[S]:0.011%で温度が1325
℃の溶銑を装入して脱炭精錬を実施した。脱炭処理中に
は上吹きランスより酸素を50000Nm3/h(F=2.7
8Nm3/min/t)の速度で供給した。この間、底吹き羽口
よりCO2ガスを120Nm3/h(0.0067Nm3/min/t)
で供給し攪拌した。上吹きランスは45mm径で7孔と
し、ランス先端と溶鉄面間距離は約2700mmとした。
生石灰粉は1mm以下で、150μm以下の割合が79%のも
のを用い、酸素気流に混合させて吹き込んだ。
【0025】送酸時間を12.2分(t0)とし、送酸
開始から1.5分経過時点から7分経過時点(t)ま
で、生石灰粉を700kg/min(V=2.33kg/min/t)
の速度で吹き込んだ。t/t0は0.56、V/Fは
0.84であった。送酸中に、鉄鉱石を20kg/t、珪砂
を2kg/t、軽焼ドロマイトを5kg/t添加した。塊石灰は
添加せず、また、蛍石も添加しなかった。処理後スラグ
塩基度は5.1、フッ素濃度は0.01%、CaOのマスバ
ランスから計算されるスラグ量は28kg/tであり、吹き
止め溶鋼成分は[C]:0.58%で[P]が0.03
4%までしか低下せず、溶鋼温度は1613℃であっ
た。さらに、鋳片にはCaO濃度が高い硬質介在物が見ら
れた。
開始から1.5分経過時点から7分経過時点(t)ま
で、生石灰粉を700kg/min(V=2.33kg/min/t)
の速度で吹き込んだ。t/t0は0.56、V/Fは
0.84であった。送酸中に、鉄鉱石を20kg/t、珪砂
を2kg/t、軽焼ドロマイトを5kg/t添加した。塊石灰は
添加せず、また、蛍石も添加しなかった。処理後スラグ
塩基度は5.1、フッ素濃度は0.01%、CaOのマスバ
ランスから計算されるスラグ量は28kg/tであり、吹き
止め溶鋼成分は[C]:0.58%で[P]が0.03
4%までしか低下せず、溶鋼温度は1613℃であっ
た。さらに、鋳片にはCaO濃度が高い硬質介在物が見ら
れた。
【0026】
【発明の効果】本発明により蛍石を用いることなく、品
質上の問題を生じる有害介在物の生成を抑制した高炭素
低燐鋼の精錬が可能となった。
質上の問題を生じる有害介在物の生成を抑制した高炭素
低燐鋼の精錬が可能となった。
【図1】t/t0と脱炭吹き止め時点の溶鋼中[P]濃
度との関係を示した実験結果。
度との関係を示した実験結果。
【図2】スラグ塩基度と脱炭吹き止め時点の溶鋼中
[P]濃度との関係を示した実験結果。
[P]濃度との関係を示した実験結果。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 直人 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 Fターム(参考) 4K070 AA01 AB06 AC03 AC13 AC14 AC16 BA07 BA11 BB08 BC02 BD09 BD10 BD18 EA03 EA09 EA19
Claims (4)
- 【請求項1】 脱燐処理により燐の濃度[P]を0.0
50%以下へ低下させた溶銑を用いた上底吹き機能を有
する精錬装置による脱炭精錬に際して、上吹き酸素ガス
とともに石灰粉を吹き込み、吹錬時間をt0(分)、吹
き付け終了時間をt(分)とした場合、t/t0を0.
7以上とし、吹き止めスラグ中のフッ素濃度を0.5%
以下とすることを特徴とする高炭素溶鋼の精錬方法。 - 【請求項2】 処理後スラグ塩基度を1.5〜4.0とす
ることを特徴とする請求項1記載の高炭素溶鋼の精錬方
法。 - 【請求項3】 酸素ガス供給速度:F(Nm3/min/t)と
石灰粉供給速度:V(kg/min/t)の比をV/Fで0.3〜
1.3とすることを特徴とする請求項1又は2記載の高
炭素溶鋼の精錬方法。 - 【請求項4】 スラグ量が20〜60kg/tであることを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高炭素溶鋼
の精錬方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001073346A JP2002275520A (ja) | 2001-03-15 | 2001-03-15 | 高炭素溶鋼の精錬方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001073346A JP2002275520A (ja) | 2001-03-15 | 2001-03-15 | 高炭素溶鋼の精錬方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002275520A true JP2002275520A (ja) | 2002-09-25 |
Family
ID=18930787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001073346A Withdrawn JP2002275520A (ja) | 2001-03-15 | 2001-03-15 | 高炭素溶鋼の精錬方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002275520A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103740889A (zh) * | 2013-12-28 | 2014-04-23 | 首钢总公司 | 一种解决高碳钢心部马氏体的生产方法 |
KR20180017200A (ko) | 2016-01-15 | 2018-02-20 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 전로 취련 방법 |
JP7451341B2 (ja) | 2020-07-31 | 2024-03-18 | 株式会社神戸製鋼所 | 転炉吹錬方法 |
-
2001
- 2001-03-15 JP JP2001073346A patent/JP2002275520A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103740889A (zh) * | 2013-12-28 | 2014-04-23 | 首钢总公司 | 一种解决高碳钢心部马氏体的生产方法 |
KR20180017200A (ko) | 2016-01-15 | 2018-02-20 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 전로 취련 방법 |
KR102112530B1 (ko) | 2016-01-15 | 2020-05-20 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 전로 취련 방법 |
JP7451341B2 (ja) | 2020-07-31 | 2024-03-18 | 株式会社神戸製鋼所 | 転炉吹錬方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080603 |