JP2002309309A - 脱燐スラグの滓化促進剤およびそれを使用した脱燐方法 - Google Patents

脱燐スラグの滓化促進剤およびそれを使用した脱燐方法

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稔 石川
Jun Kikuchi
潤 菊池
Takashi Kimura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脱燐スラグにフッ化物を生成することがなく、
良好な脱燐処理を促す滓化促進剤およびそれを使用した
脱燐方法。 【解決手段】脱燐スラグの滓化促進剤であって、CaO
(純分換算濃度):37〜60質量%、AlO:30〜55質
量%、T.Fe(全鉄分):4.9〜21質量%を含有するこ
と。上記の滓化促進剤は、粒状化した組成物であるのが
望ましい。 上記の滓化促進剤、生石灰および酸化鉄源を溶銑に添
加して脱燐する際に、前記の滓化促進剤の配合量に対す
る生石灰の配合比が0.4〜1.5、前記の滓化促進剤の配合
量に対する酸化鉄源の配合比が2.0〜4.0となるように溶
銑に添加することを特徴とする溶銑の脱燐方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶銑の脱燐時に使
用する滓化促進剤およびそれを使用した脱燐方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、製鋼工程において発生するスラグ
量の低減が重要な課題となっている。この手段として、
製鋼の予備処理段階において効率的な脱燐を行うことに
よって、製鋼工程全体におけるスラグ発生量を低減する
方法が検討、実用化されてきた。溶銑の脱燐は、溶銑に
酸化鉄源として高炉用焼結鉱、鉄鉱石、ミルスケール等
を添加し、またCaO源として生石灰を添加し、下記の式
に示すような化学反応によって進行する。 2P+3CaO+5FeO→(3CaO・PO)+5Fe
【0003】脱燐反応は、低温(1,250〜1,350℃程度)
において効率が高くなることが知られているが、酸化鉄
の融点は、1,500℃程度であり、生石灰の融点は、2,000
℃以上であるため、これらの原料のみを混合して脱燐剤
を作製しても、脱燐時に生成するスラグの滓化性が悪く
効率的な脱燐ができない。従って、従来、上記の脱燐剤
に滓化促進剤として蛍石等を添加し、滓化性を向上させ
て効率的な脱燐処理を行っていた。これは、蛍石が生石
灰の主成分である酸化カルシウムおよび酸化鉄と低融点
の融体を生成するという特徴を有しており、脱燐剤の滓
化性を向上させるからである。
【0004】しかし、蛍石を構成する元素の約半分は、
F(フッ素)であり、フッ化物による環境汚染の観点か
ら、脱燐処理において蛍石が敬遠されるようになり、蛍
石を使用しない脱燐剤が提案されている。
【0005】特開平2−11712号公報では、従来、
脱燐剤として添加されていた程度の酸化鉄源およびCaO
源を混合したものを、溶解または焼結することによっ
て、脱燐剤の融点を下げ、効率的な脱燐を行うとする発
明が開示されている。この発明においては、蛍石を使用
することなく脱燐剤の融点を下げるために、脱燐剤を溶
解または焼結する必要がある。
【0006】しかし、上記の公報に記載されるように、
鉄鉱石や生石灰等の混合物を溶解または焼結してしまう
と、脱燐剤としての利用以外に価値がないものとなって
しまう。通常の脱燐処理において、脱燐剤は、溶銑1to
nに対して30kg程度必要であるため、上記の公報に記載
の脱燐剤を採用して、溶銑の脱燐を行うためには、通常
の原料とは別に、大量にストックしておく必要が生じ
る。また、上記の溶解または焼結した脱燐剤には大量の
酸化カルシウムが含まれる。このような脱燐剤を通常の
焼結機を使用して焼結等する場合には、焼結後に多量の
酸化カルシウムが焼結機に残存することとなり、この焼
結機を使用して高炉用焼結鉱の製造する際に、酸化カル
シウムが混入して悪影響を及ぼすといった操業阻害を招
くこととなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に鑑みなされたものであって、脱燐スラグにフッ化物を
生成することがなく、良好な脱燐処理を促す滓化促進
剤、およびそれを使用した脱燐方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1に、本発明者らは、
蛍石に変わる滓化促進剤であって、脱燐スラグ中にフッ
化物が生成することにない滓化促進剤の検討を行った結
果、基本となる化合物系として、CaO−AlO系の焼結
鉱に着目した。CaO−AlO系の焼結鉱に着目した理由
は、AlOは、脱燐反応に大きな悪影響を及ぼすこと
なく、脱燐スラグの融点を低下させる効果が大きいから
である。
【0009】しかし、例えば、CaO:50質量%およびAl
O:50%質量となる混合物を焼結した滓化促進剤
は、その融点か極小値で1,400℃程度であり、脱燐処理
温度(1,250〜1,350℃程度)では、十分な滓化性が得ら
れない。また、AlOは、本来、脱燐反応に寄与しな
いので、上記の滓化促進剤ではCaOに対するAlOの配
合比が高すぎるため、脱燐スラグの発生量が増加すると
いう問題が発生する。
【0010】そこで、本発明者らは、脱燐に本来必要で
あり、且つ脱燐剤の融点低減効果を有する酸化鉄(Fe
O)をこの滓化促進剤に添加することを検討し、CaO:
50質量%、AlO:43%質量およびFeO:7質量%
となる混合物を焼結した滓化促進剤であれば、その融点
は1,350℃程度となり、且つCaOに対するAlOの配合
比を下げることができるので、脱燐スラグの滓化性を向
上させ、効率よい脱燐を実現できることを確認した。
【0011】本発明者らは、転炉内に保持した溶銑2to
nに生石灰9kgおよび高炉用焼結鉱15kgを添加して脱燐
処理を施す際に、上記のCaO:50質量%、AlO:43%
質量およびFeO:7質量%からなる混合物を焼結し
て作製した滓化促進剤を15kg添加すると、同じ条件で蛍
石を15kg添加した場合と同様の脱燐スラグの滓化性が得
られ、十分な脱燐が行えることを確認し、第1の発明を
完成した。
【0012】第2に、上記の滓化促進剤は、前記の特開
平2−11712号公報に記載の脱燐剤ほども、大量の
混合物を焼結する必要がないが、焼結を行うと、前述し
たような操業阻害の原因となるため、滓化促進剤を焼結
せずに作製することについても検討した結果、混合物を
粒状化した滓化促進剤を作製することを考え、第2の発
明を完成した。
【0013】本発明は、下記のおよびに示す滓化促
進剤、並びに下記のに示すこの滓化促進剤を使用した
脱燐方法を要旨とする。 溶銑の脱燐精錬において使用される脱燐スラグの滓化
促進剤であって、CaO(純分換算濃度):37〜60質量
%、AlO:30〜55質量%、T.Fe(全鉄分):4.9〜21
質量%を含有することを特徴とする脱燐スラグの滓化促
進剤。 溶銑の脱燐精錬において使用される脱燐スラグの滓化
促進剤であって、CaO(純分換算濃度):37〜60質量
%、AlO:30〜55質量%、T.Fe(全鉄分):4.9〜21
質量%を含有する混合物を粒状化した組成物であること
を特徴とする脱燐スラグの滓化促進剤。 上記のまたはに記載の滓化促進剤、生石灰および
酸化鉄源を溶銑に添加して脱燐する際に、前記の滓化促
進剤の配合量に対する生石灰の配合比が0.4〜1.5、前記
の滓化促進剤の配合量に対する酸化鉄源の配合比が2.0
〜4.0となるように溶銑に添加することを特徴とする溶
銑の脱燐方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の滓化促進剤における各化
合物の含有量およびその限定理由について説明する。
【0015】CaO(純分換算濃度):37〜60質量% CaOは、脱燐剤として本来必要なものであり、滓化促進
剤の融点が上昇しない範囲で含有させる必要がある。即
ち、滓化促進剤中の含有量を37質量%以上とする必要が
ある。しかし、その含有量が多いと融点が上昇するの
で、その含有量は60質量%以下でなければならない。従
って、CaOの含有量は、純分換算濃度で37〜60質量%と
した。なお、CaO源は、上記の純換算濃度の範囲内にあ
れば、酸化カルシウム、炭酸カルシウムもしくは水酸化
カルシウム、または、これらの混合のいずれであっても
よい。
【0016】AlO:30〜55質量% AlOは、脱燐反応に直接関与しないが、CaOと適正濃
度で混合すると低融点融体を形成するので滓化促進剤と
して必要であり、滓化促進剤中の含有量を30質量%以上
とする必要がある。しかし、その含有量が多いと脱燐反
応に関与しない成分が増加して脱燐スラグ量が増加する
とともに融点も上昇するという問題があるため、その含
有量は55質量%以下でなければならない。従って、Al
Oの含有量は30〜55質量%とした。
【0017】T.Fe(全鉄分):4.9〜21質量% T.Feは、滓化促進剤に含まれる酸化鉄を全鉄分換算で示
したものであるが、滓化促進剤中のT.Feが4.9未満であ
ると滓化促進剤の融点が上昇するという問題がある。一
方、滓化促進剤中のT.Feが多いと脱燐剤全体の量が多く
なって焼結または粒状化のコストが上昇するという問題
があるため、滓化促進在中のT.Feは、21質量%以下でな
ければならない。従って、T.Feの含有量は、4.9〜21質
量%とした。
【0018】なお、本発明の滓化促進剤は、生石灰、鉄
鉱石、高炉用焼結鉱、ミルスケール、脱炭スラグ、取鍋
スラグ、ボーキサイト、バン土貢岩、アルミナ系耐火物
の粉砕物等の原料を使用して、CaO(純分換算濃度):3
7〜60質量%、AlO:30〜55質量%、T.Fe(全鉄
分):4.9〜21質量%となるように原料の配合比を調
整、混合したものであればよい。また、本発明の滓化促
進剤は、上記の組成範囲の化合物を含有する混合物その
もの、または、この混合物を溶解、焼結もしくは焼成し
て製造したものであってもよいが、特に、この混合物を
粒状化したものが好ましい。
【0019】混合物を粒状化する方法としては、一般に
良く知られている、圧縮成型によってブリケット状にす
る方法、または回転ドラム上で加圧成型してペレット状
にする方法のいずれでもよい。いずれの方法において
も、混合物にバインダーおよび水を添加するのが一般的
であるが、水を添加して上記の混合物を粒状化する場合
には、混合物に含まれるCaOが水酸化カルシウムに転換
し、発熱反応を起こすため、粒状化作業が困難となる。
従って、本発明の滓化促進剤は、特に、水を使用するこ
となく混合物を粒状化した組成物であるのがより望まし
い。
【0020】本発明者らは、この点について検討した結
果、CaO源として水酸化カルシウムを使用することに到
達した。これは、水酸化カルシウムには、バインダーと
しての効果があることに着目し、その他のバインダーを
使用しなくても、生石灰や酸化鉄等の混合物を十分な圧
壊強度を確保した状態で粒状化できるからである。一方
で、CaO源として水酸化カルシウムを使用しても、水を
一切使用しなければ、上記のような粒状化作業を阻害す
るという問題は発生しない。
【0021】具体的には、本発明の滓化促進剤に水酸化
カルシウムを3質量%以上含有させればよい。これは、
3質量%未満では、十分なバインダー効果を得ることが
できないためである。なお、CaO源として水酸化カルシ
ウムだけを使用しても良いので、特に上限値を定めな
い。さらに、粒状化物の圧壊強度を高める必要がある場
合には、水酸化カルシウムを3質量%以上含有させると
ともに、バインダーとしてベントナイト(SiO:71質
量%、AlO:15質量%、CaO:2質量%を含む鉱石)
を混合しても良い。この場合、本発明の組成範囲の化合
物を含有する混合物に、ベントナイトをその含有量が外
数で7質量%以下となるように添加すればよい。これ
は、ベントナイトを外数で7質量%を超えて含有させる
と、脱燐剤中のSiOの含有量が多くなって脱燐反応が
悪化するからである。
【0022】なお、本発明の滓化促進剤を溶解、焼結ま
たは焼成によって製造する場合にも、CaO源として水酸
化カルシウムを使用しても問題はないが、そもそもバイ
ンダー効果が必要ではないので、安価な炭酸カルシウム
を主として使用すればよい。
【0023】本発明の滓化促進剤とともに、生石灰およ
び酸化鉄源を溶銑に添加して脱燐する際に、前記の滓化
促進剤の配合量に対する生石灰の配合比が0.4〜1.5、前
記の滓化促進剤の配合量に対する酸化鉄源の配合比が2.
0〜4.0となるように溶銑に添加すればよい。
【0024】ここで、本発明の滓化促進剤を使用して溶
銑の脱燐を行う際に、滓化促進剤の配合量に対する生石
灰の配合比が0.4未満であると、溶銑の脱燐をするため
に必要なCaO量を確保することができず、この配合量が
1.5を超えると、脱燐剤全体の融点が上昇して、脱燐時
の滓化が不十分となる。従って、滓化促進剤の配合量に
対する生石灰の配合比を0.4〜1.5とした。
【0025】本発明の滓化促進剤を使用して溶銑の脱燐
を行う際に、滓化促進剤の配合量に対する酸化鉄源の配
合比が2.0未満であると、溶銑の脱燐をするために必要
な酸化鉄量を確保することができない。また、この配合
量が4.0を超えると、酸化鉄の冷却効果によって、脱燐
容器として比較的酸素供給量が少ないトーピードカー等
を使用する場合には、溶銑温度が低下して脱燐が十分に
行えないばかりか、後の脱炭工程での熱源が不足するお
それがあり、脱燐容器として転炉等を使用する場合に
は、溶銑温度の低下を防止するため大量の酸素を吹き込
む必要があるため、過剰な脱炭が進行してしまうおそれ
がある。従って、滓化促進剤の配合量に対する酸化鉄源
の配合比を2.0〜4.0とした。
【0026】なお、上記の酸化鉄源は、鉄鉱石、高炉用
焼結鉱またはミルスケール等の通常溶銑の脱燐剤として
添加される原料であればよい。
【0027】本発明の滓化促進剤を使用して溶銑の脱燐
を行う場合、脱燐容器として、転炉、トーピードカーや
溶銑鍋のような溶銑搬送容器、または保持容器を使用す
ることができるが、撹拌能力および酸素供給量の調整が
容易である点から、上下吹き転炉が望ましい。いずれの
容器を使用する場合でも、脱燐時に0.3〜2.5Nm/min・
tの酸素を通常のランスから吹き込めばよい。これより
少ないと脱燐時間が長期化し、これより多いと過剰に脱
炭が進行するからである。
【0028】脱燐容器として上下吹き転炉を使用する場
合には、CO、CO、Ar、N、O、炭化水素の一種以上
を用いて、これらのガスを底吹き羽口、浸漬ランス、ポ
ーラスプラグ等から0.05〜0.8Nm/min・t程度のガス量
で吹き込むことによって撹拌すればよい。また、上記の
ガスを使用せず、回転翼を用いたKR撹拌装置を使用し
ても良い。
【0029】
【実施例】表1に示す化学組成および温度条件の溶銑を
脱燐容器へ注銑した後、生石灰、高炉用焼結鉱および種
々の滓化促進剤を使用して予備脱燐処理を行い、本発明
の効果を確認した。ここで、滓化促進剤に含まれる化合
物の含有量および滓化促進剤の形状を表2に示し、脱燐
剤中に含まれる滓化促進剤に対する生石灰または高炉用
焼結鉱の配合比を表3に示し、脱燐終了後における溶銑
の化学組成およびスラグの塩基度を表4に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】なお、表2において、No.1およびNo.4は、
生石灰、石灰石およびボーキサイトを焼結した滓化促進
剤であり、No.2は、石灰石、ボーキサイトおよび取鍋ス
ラグを焼結した滓化促進剤であり、No.3は、生石灰、消
石灰、鉄鉱石、およびバン土頁岩を混合した混合物に、
外数でベントナイト:5.9質量%を添加してブリケット
状にした滓化促進剤であり、No.5は、生石灰、石灰石、
鉄鉱石およびボーキサイトを焼結した滓化促進剤であ
る。
【0035】表2の滓化促進剤を作製するのに使用した
各原料の配合比を表5に示す。
【0036】
【表5】
【0037】実施例1は、表1のNo.1の溶銑2tonを上
下吹き転炉へ注銑した後に、表3のNo.1の脱燐剤64kgを
炉内に添加し、次に、上吹きランスから1.0Nm/minの
酸素を吹錬初期から15分間溶銑に吹きつけたものであ
る。なお、処理中、炉底羽口から0.35Nm/minのArガス
を吹き込んで溶銑およびスラグを撹拌した。
【0038】実施例2は、表1のNo.2の溶銑2tonを上
下吹き転炉へ注銑した後に、表3のNo.2の脱燐剤62kgを
炉内に添加し、次に、上吹きランスから0.9Nm/minの
酸素を吹錬初期から15分間溶銑に吹きつけたものであ
る。なお、処理中、炉底羽口から0.4Nm/minのArガス
を吹き込んで溶銑およびスラグを撹拌した。
【0039】実施例3は、表1のNo.3の溶銑2tonを上
下吹き転炉へ注銑した後に、表3のNo.3の脱燐剤64kgを
炉内に添加し、次に、上吹きランスから0.9Nm/minの
酸素を吹錬初期から15分間溶銑に吹きつけたものであ
る。なお、処理中、炉底羽口から0.4Nm/minのArガス
を吹き込んで溶銑およびスラグを撹拌した。
【0040】実施例4は、表1のNo.4の溶銑80tonを溶
銑鍋に保持し、外径480mm、軸径200mmの回転翼を毎分11
0回転させて撹拌しながら、表3のNo.4の脱燐剤2,560kg
を炉内に添加した。上記の撹拌を実施しながら、上吹き
ランスから40Nm/minの酸素を吹錬初期から15分間溶
銑に吹きつけたものである。
【0041】比較例1は、表1のNo.5の溶銑2tonを上
下吹き転炉へ注銑した後に、表3のNo.5の脱燐剤67kgを
炉内に添加し、次に、上吹きランスから1.2Nm/minの
酸素を吹錬初期から15分間溶銑に吹きつけたものであ
る。なお、処理中、炉底羽口から0.4Nm/minのArガス
を吹き込んで溶銑およびスラグを撹拌した。
【0042】滓化促進剤のCaOの純分換算濃度が本発明
で規定する範囲を下回る比較例1では、処理後の溶銑中
のPが0.038質量%と高く、十分な脱燐が行えなかっ
た。これは、滓化促進剤中のCaO源が少ないため、剤の
融点が上昇したためである。また、処理後の溶銑温度が
低く、後の脱炭工程での熱源が確保できない。一方、実
施例1〜4では、十分な脱燐が行われ、処理後の溶銑温
度も良好である。
【0043】特に、実施例4では、滓化促進剤中に含ま
れるCaOの純分換算濃度が47質量%で、別途添加される
生石灰の滓化促進剤に対する配合量は、60質量%であ
る。一方、比較例1では、滓化促進剤中に含まれるCaO
の純分換算濃度が35%と低いが、逆に別途添加される生
石灰の滓化促進剤に対する配合量は、69%質量と実施例
4と比較して高くなっている。即ち、実施例4と比較例
1とは、脱燐剤全体としては、CaO源の量がほぼ等しい
ものである。しかしながら、比較例1では、上述したと
おり、十分な脱燐が行えなかった。
【0044】これは、脱燐剤全体としてCaO源の量が同
じでも、実施例4のように、融点の低い滓化促進剤を起
点として滓化(スラグの溶融)が進行するため、脱燐効
果が高くなる。即ち、脱燐剤全体の平均的な組成が同じ
であっても、局部的に低融点の部分を形成することが滓
化反応の促進に有利となるからである。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、脱燐スラグにフッ化物
を生成することがなく、良好な脱燐処理することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 貴司 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 Fターム(参考) 4K014 AA03 AB02 AB03 AB04 AC01 AD21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶銑の脱燐精錬において使用される脱燐ス
    ラグの滓化促進剤であって、CaO(純分換算濃度):37
    〜60質量%、AlO:30〜55質量%、T.Fe(全鉄
    分):4.9〜21質量%を含有することを特徴とする脱燐
    スラグの滓化促進剤。
  2. 【請求項2】溶銑の脱燐精錬において使用される脱燐ス
    ラグの滓化促進剤であって、CaO(純分換算濃度):37
    〜60質量%、AlO:30〜55質量%、T.Fe(全鉄
    分):4.9〜21質量%を含有する混合物を粒状化した組
    成物であることを特徴とする脱燐スラグの滓化促進剤。
  3. 【請求項3】上記の請求項1または2に記載の滓化促進
    剤、生石灰および酸化鉄源を溶銑に添加して脱燐する際
    に、前記の滓化促進剤の配合量に対する生石灰の配合比
    が0.4〜1.5、前記の滓化促進剤の配合量に対する酸化鉄
    源の配合比が2.0〜4.0となるように溶銑に添加すること
    を特徴とする溶銑の脱燐方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001064713A (ja) * 1999-08-26 2001-03-13 Sumitomo Metal Ind Ltd 溶銑の脱りん方法

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