JP2015218338A - 転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法 - Google Patents

転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法 Download PDF

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【課題】溶銑の精錬処理時に生成する精錬スラグを各種用途、例えば、陸域用途に使用するのに適したものにするためにも有効な転炉型容器による溶鉄の精錬方法を提案する。【解決手段】溶鉄の精錬処理を転炉型精錬炉を用いて行なう際に、精錬処理中に該転炉型精錬炉中で発生するCOガスの発生速度を変化させることで、該精錬炉内のスラグの密度を調整し、精錬処理後に該精錬炉外に排出したスラグの密度を所望の値にする転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法。【選択図】図1

Description

本発明は、転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法に関し、特に、生成炉内スラグを精錬に悪影響を与えることなく、陸域用途用としても使うことを考慮して行なう精錬の方法を提案する。
なお、転炉での精錬に当たって、溶銑は脱炭されて溶鋼になるが、精錬の途中で溶銑と溶鋼とを区別することは困難であるだけでなく煩雑にもなるので、以下の説明では溶銑と溶鋼とをまとめて「溶鉄」と言う。ただし、溶銑と溶鋼との区別が明確である場合は、溶銑または溶鋼と表示する。
溶銑は、これを転炉型精錬炉で脱炭精錬するのに先立って、この溶銑中の珪素や燐を予め除去する溶銑予備処理を行なうことが一般的である。その溶銑予備処理は、精錬用フラックス使用量の低減や溶鋼の高純度化、転炉操業時の過酸化防止によるマンガン歩留りの向上あるいはスラグ量の低減などを目的として実施されており、脱炭工程の処理も含めた様々な方法が提案されている。
ところで、前記溶銑予備処理時に当たっては、炉内に精錬スラグが発生するが、この精錬スラグ、例えば、転炉スラグを各種の用途に利用しようとするとき、その用途によっては、スラグ中に含まれるフッ素などが溶出しないようにすることが必要である。そこで、従来の溶銑予備処理では、脱燐反応効率を高める目的で使用されるフッ素源である蛍石(CaF)を使用しないで精錬する方法が検討されてきた。また、近年、製鉄業に対しては、温室効果ガス排出量の削減が求められている。そのため、製鉄業では、酸化鉄を還元するのに大きなエネルギーを必要とする高炉溶銑の使用割合を低減させる一方、鉄スクラップなどの冷鉄源の使用割合を増大させる精錬方法について検討している。このような背景の下で、近年の溶銑予備処理については、精錬方法の改善を図りつつ、冷鉄源の使用比率を増大させる傾向にあることがわかる。
ところで、溶銑の脱珪や脱燐を行なう近年の溶銑予備処理法は、溶銑に対して生石灰などの精錬剤(媒溶材)を添加すると共に気体酸素や酸化鉄等の固体酸素源を加えることにより、溶銑中の珪素や燐をスラグ中に除去する方法である。その溶銑の予備処理をのための精錬炉としては、トーピードカーや高炉鍋などの搬送精錬炉の他、転炉型精錬炉(精錬炉)などが用いられるが、多量のスクラップを使用するためには、炉容積の大きい転炉型精錬炉を用いることが有利である。
特許文献1には、転炉を使用して脱珪処理と脱燐処理とを行なう転炉の精錬方法において、脱珪処理後に中間排滓を行なってから、引き続き同じ転炉を使って脱燐処理を行なう方法が開示されている。この方法では、スラグ組成を制御することで、脱珪後の復燐を抑制すると共にその後の脱燐処理を容易にする方法を提案している。
また、特許文献2は、転炉型精錬炉を用いて脱珪処理を行ない、そして、出湯−排滓後、脱珪した溶銑を再びその反応精錬炉内に戻して脱燐処理を行なう溶銑予備処理方法を開示している。この溶銑予備処理方法は、脱珪処理後の溶銑中の珪素濃度やスラグの塩基度および酸化鉄濃度を適正化することにより、蛍石を使用しない方法で効率よく脱燐すること、及び脱珪処理時および/または脱燐処理時にスクラップを溶解する方法である。
特許文献3には、溶銑の脱珪処理および脱燐処理を転炉型精錬炉を用いて行なう際に、まず、高炉から出銑した溶銑を転炉型精錬炉内に装入して脱珪処理を行ない、次いで、溶銑および脱珪処理後のスラグの一部を該精錬炉内に残留させる中間排滓の処理を行ない、引き続き、該精錬炉内に残留させた脱珪後の溶銑に対して脱燐処理を行い、前記転炉型精錬炉内に脱燐処理後スラグの大半を残留させ、次いで、脱燐処理後スラグを収容したその精錬炉内に少なくとも未処理の溶銑を装入して脱珪処理を行なう方法が開示されている。
特開2001−271113 特開2002−129221 特開2012−8811
これらの特許文献に開示された技術はいずれも、溶銑の脱りん処理に先立って脱珪処理を行い、この処理後の脱珪スラグを先行して排出する方法である。これらの技術において、脱珪処理は多くの石灰を使用することなく、スラグの塩基度(スラグ中のCaO成分とSiO成分の重量比)を約1.5以下に調整するのが普通である。それは、塩基度が1.5以下のスラグは、水和膨張などの問題がなく、また溶出水のpHを低く抑えることができるので、陸域用途での利用に適したスラグとなるからである。
ただし、こうした脱珪スラグは粘性が高いため、脱珪処理中に溶銑と酸素が反応して発生するCOガスによって膨張するスラグフォーミング現象を起こすことが知られている。そのスラグフォーミングが過度に生じると、吹錬中に転炉型精錬炉の炉口からスラグが噴出したり、脱珪スラグを排滓したときにスラグを収容する鍋からスラグが溢れるというトラブルを招くことがある。
また、フォーミングしてガスが抜けきらないままの排滓後スラグが固化すると、多孔質で密度の小さいスラグとなる。従って、こうしたスラグは、これを路盤材などの陸域用途に活用するという観点で見ると、スラグの強度が劣るため、用途が制限されることがあった。
そこで、本発明の目的は、溶銑等の精錬処理時に生成する精錬スラグを各種用途、例えば、陸域用途に使用するのに適したものにするためにも有効な転炉型容器による溶鉄の精錬方法を提案することにある。
従来技術が抱えている上述した課題を解決する技術の開発を目指して鋭意研究した結果、発明者らは、転炉型精錬炉を用いて代表的には溶銑の精錬を行なう方法において、炉内で生成するスラグの密度を適切な値以上にすることにより、吹錬後における排出するスラグの密度を高く保つことができるようにし、このことによって該スラグを路盤材などの陸域用途に使用するのに適したものにすることを見いだした。
即ち、上掲の目的を実現するために開発した本発明に係る転炉型容器による溶鉄の精錬方法は、溶鉄の精錬処理を転炉型精錬炉を用いて行なう際に、精錬処理中における該転炉型精錬炉中で発生するCOガスの発生速度を変化させることで該精錬炉内のスラグの密度を調整し、精錬処理後に炉外に排出したスラグの密度が所望の値になるようにすることを特徴とする転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法である。
本発明の前記の構成に係る転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法においては、
(1)前記転炉型精錬炉中で発生するCOガス発生速度は、精錬処理中に炉内のスラグ高さを測定もしくは推定し、得られたスラグ高さに応じて上吹きランスからの気体酸素源の供給量、上吹きランスのランス高さ、底吹き羽口からの攪拌用ガス供給量のうちのいずれか少なくとも1種を変化させること、
(2)前記精錬処理の終了時の転炉型精錬炉内のスラグの密度を0.3g/cm以上に調整すること、
(3)前記溶鉄の精錬処理が脱珪処理工程を含むこと、
(4)前記精錬炉外に排滓する精錬スラグが脱硅処理終了後の中間排滓された脱珪処理後スラグであること、
(5)前記溶鉄の精錬処理が、高炉から出銑した溶銑を転炉型精錬炉内に装入して脱珪処理を行ない、次いで、溶銑および脱珪処理後のスラグの一部をそのまま該精錬炉内に残留させる中間排滓の処理を行ない、引き続き、該精錬炉内に残留させた脱珪処理後の溶銑およびスラグに対して石灰系媒溶材を添加すると共に酸素を吹精することによって溶銑の脱燐処理を行ない、該精錬炉内に脱燐処理後スラグの一部または全量を残留させ、その後、脱燐処理後スラグの一部または全量が収容されたその精錬炉内に少なくとも未処理の溶銑を装入して次チャージの脱珪処理を行なうこと、
より好ましい解決手段となり得るものと考えられる。
上記の構成に係る本発明によれば、転炉等の精錬炉内で生成する精錬スラグを路盤材等の陸域用途用スラグとして好適な密度のスラグを得ることができると共に、これを溶鉄の精錬を阻害することなく確実に製造することができるようになる。特に、本発明では、路盤材などの利材スラグ脱珪処理後の中間排滓する脱珪スラグを用いるときに有効な技術を提供できる。
上底吹き可能な転炉型精錬炉の例を示す断面図である。 転炉型精錬炉の処理工程の説明図である。
本発明は、転炉型精錬炉(以下、主として「転炉」の例で述べる)を用いて溶鉄の精錬を行なう方法である。この方法の実施には、例えば、図1に示すような上・下底吹き可能な転炉1を用いることが好ましい。転炉1の場合、上吹き精錬は、昇降可能な上吹きランス2の先端から炉内の溶銑5に向けて酸素ガス8を吹き付けることによって行なう。ここで、酸素ガス8としては工業用純酸素が用いられる。また、底吹き精錬は、この転炉1の底部に設けられた底吹き羽口3を使って行なう。底吹きガス9としては、酸素ガスを含むガス、あるいはArガスや窒素ガスなどの不活性ガスを用いることが一般的であるが、その他、底吹きガスを溶銑中に吹き込むことにより溶銑5の攪拌を強化して冷鉄源の溶解を促進する機能を有するガス、あるいは搬送用ガスと共に溶銑中に媒溶材を吹き込む機能を有するようなガスであってもよい。なお、図中の符号4は、精錬後の溶銑5を出湯するための出湯口である。
転炉の精錬においては、炉内に収容されている溶銑対しまず酸素源を供給するが、その結果、溶銑中のSiやMn、P、TiなどのC以外の成分は酸化されて酸化物となり、また、副原料として添加された生石灰や焼成ドロマイト、鉄鉱石、ミルスケール、マンガン鉱石、コークス、合金鉄(Fe−Mn、Fe−Siなど)などの反応生成物とともに溶銑浴面上にスラグ層を形成する。
本発明において特徴的なことは、前記転炉内で生成する精錬スラグの密度を調整することにある。その理由は、前述したように、このスラグを路盤材等として利材化するためである。それには、スラグ収容鍋に排出されるスラグを高密度のものにする必要がある。発明者らが行なった予備実験では、吹錬中の転炉内のスラグの密度が大きいほど、スラグ収容鍋に排出されるスラグの密度もまた大きくなることが判明している。なお、スラグの密度はスラグの重量を体積で除して求められる。
吹錬中の転炉内のスラグ密度は、下記のようにして求めることができる。ここで、スラグの重量は、当該吹錬の前および吹錬中に転炉内に装入された副原料と、吹錬中に溶銑中の成分が酸化されて生じた酸化物などとを合計して求めることができる。一方、スラグの体積は、吹錬中のスラグの高さを測定することによって求めることができる。それは、スラグは溶鉄上に存在するので、吹錬の際の溶鉄の高さが分かれば、転炉内の壁面形状を考慮して、スラグの高さから求めることができる。
なお、このスラグの高さは、精錬処理中にスラグ内に流入するガス流量にも依存する。スラグ内に流入するガスとしては、底吹き羽口からの攪拌用ガスと、炉内に供給された気体酸素源および固体酸素源と溶銑中の炭素が反応して発生するCOガスとがあるが、通常の転炉精錬では後者に比べて前者は少量なので、スラグ高さに及ぼす影響はむしろ炉内のCOガス発生速度の方が支配的である。
一般に、炉内のガスがスラグ中に流入することで、スラグの膨張が起るが、これをスラグフォーミング現象と呼んでいる。したがって、COガスの発生速度を変化させることで、スラグフォーミングの度合いも変化させることができ、ひいてはCOガスの発生速度を制御することによってスラグの高さの調整が可能になる。このようにして、炉内スラグの密度調整ができる。
なお、吹錬中の炉内スラグの高さは、サブランスを用いた直接測定や、マイクロ波法などの非接触測定などの既知の方法を利用することができる。
前述したように、炉内で生成する精錬スラグの密度調整は、前述したように、COガス発生速度を制御(変化)することによって可能になるが、そのCOガス発生速度は、上吹きランスからの気体酸素源の供給流量、上吹きランスのランス高さ、底吹き羽口からの攪拌用ガスの供給流量のうちのいずれか1以上を変えることにより調整できるが、このCOガス発生速度の調整を通じてスラグの密度を所望の値となるように調整する。ここで、上吹きランスのランス高さとは、上吹きランスの下端から静止状態の溶銑浴面までの距離である。
発明者らが転炉によって予備実験したところによると、上吹きランスからの送酸速度を高めたり、上吹きランスからのランス高さを高くするとCOガスの発生速度が増大し、一方、底吹き羽口からの攪拌用ガス流量を増加することでCOガスの発生速度は減少することがわかった。いずれの操作も、炉内に供給された酸素源が溶銑中の炭素と反応する割合を変化させることで、COガスの発生速度を変化させる方法である。
炉内のCOガスの発生速度は、例えば、特開2012−8811号に記載されているような、 煙道に発生する排ガスを採取するためのガス採取プローブを設置し、COガス濃度の分析を行って評価することができる。炉内生成スラグの密度を所望の値にするには、スラグの粘性や表面張力などの物性、溶銑の温度、炉内の容積や形状に依存するため一義的には決まらないが、望ましくはこれらの因子をも考慮して、前記COガス発生速度の制御を通じて行なう。
なお、炉内のCOガスの発生速度の制御と、それに伴う炉内のスラグの密度の制御は、脱珪処理時に限ることではなく、脱燐処理時においても同じ考え方に基づいて行なうことができる。
本発明では、前述のような吹錬制御によって、吹錬終了時点のスラグの密度を0.3g/cm以上にする。このような密度であれば、吹錬終了後にスラグ収容鍋に排出したスラグの密度は、路盤材などの陸域用途に供するために必要な0.25g/cm程度以上の密度を維持することができる。そして、より高い密度のスラグを求める場合、排出したスラグに散水して冷却するなどの処理も行なうことも考えられる。
ただし、吹錬終了後にスラグを充分に排滓するためには、炉内である程度のスラグフォーミグを起させる必要がある。そのためには、吹錬終了時点の炉内スラグの密度は1.0g/cm以下にすることが好ましい。炉内スラグの密度がこの値より大きいと、スラグ流動性が低下して排滓が困難となり、スラグが炉内に過剰に残留して次チャージの吹錬に支障を及ぼすようになる。
以下に、転炉1を用いる溶銑予備処理方法の一例を示す。図示のうちの(A)は溶銑装入、(B)は脱珪処理、(C)は中間排滓、(D)は脱燐処理、(E)は出湯の処理である。
(1)まず、溶銑装入工程(A)について説明する。
この工程(A)では、転炉1内に前回の溶銑の予備処理において生成した脱燐処理終了後のスラグ(以下、単に「脱燐処理後スラグ」という)7を残留させたまま、装入鍋より新溶銑(未処理)11を装入するか、または、その新溶銑11装入前に鉄スクラップなどの冷鉄源12を装入した後に該新溶銑11を入れる。予め装入する冷鉄源12としては、日本鉄源協会の「鉄スクラップ検収統一規格」に規定されている鉄スクラップの他、直接還元鉄、冷銑などの鉄を主成分とするものでもよい。
ここで、次回の精錬に備え、精錬炉1内に残留させておく前回の脱燐処理後スラグ7は、上述したようにしてスラグの密度が調整されたものであるが、一方で後に続く脱珪処理時のスラグ塩基度を調節する目的で使用されるものである。この脱燐処理後スラグの塩基度(mass%CaO/mass%SiO)(以下、単に「塩基度」という)は1.2以上、好ましくは1.4以上とする。その理由は、この前回の脱燐処理終了時の脱燐処理後スラグ7の塩基度が1.2未満では、このスラグを残留させても脱珪処理における塩基度調節には不十分であり、多量の石灰系媒溶材を添加することが必要になるからである。なお、前記脱燐処理後スラグの塩基度の上限については特に限定しないが、通常の溶銑脱燐処理でのスラグ塩基度は3.0程度以下であるので、これ以上に塩基度を高める必要はない。
炉内に残留させる脱燐処理後スラグ(前回)7は、塩基度の調節を効果的に行なうためには、前回の溶銑の脱燐処理時に生成したスラグ量の30mass%以上が必要であり、60mass%以上の量とすることがより好ましい。本発明では脱燐処理を経て出湯(出銑)した後、炉内に残留させたスラグの全量を新たな溶銑の脱珪処理に活用すれば脱珪処理での塩基度調節がさらに効果的になる。その上、このような方法を継続的に行えば、排出される溶銑予備処理スラグは脱珪処理後スラグのみで均質なものとなり、塩基度の高い脱燐処理後スラグが混入しないため、水和反応によるスラグの膨張やアルカリの溶出といった問題も生じない。従って、スラグの利材化を図る上でも本発明方法は極めて有効である。
なお、前記脱燐処理後スラグ7は、比較的高塩基度で、低温(1350℃程度以下)であることから流動性も小さい。そのため、この脱燐処理後スラグ上に冷鉄源を装入しても、冷鉄源がスラグに捕まって溶解が遅れるようなことはなく、いわゆる脱炭スラグを炉内に残留させておくときのように多量の冷却材を添加して固化させるような、熱収支上および物質収支上、非効率的な操作はなくなる。また、この脱燐処理後スラグ7は、上記の特性から密度が小さく(≦3.0g/cm)固相に富んで流動性が低いことから、組織内に大量の微細な金属鉄を含有しており、このスラグを粉砕後磁選処理した後でも、10mass%程度以上の金属鉄を含んでいる。従来、このスラグを系外に排出していたが、本発明によれば、この脱燐処理後スラグを次チャージに持ち越すことができるので、この脱燐処理後スラグ中の金属鉄の大部分を溶銑中に回収して、鉄ロスを削減する効果もある。
なお、脱珪処理終了時のスラグ10(以下、「脱珪処理後スラグ」という)については、流動性が比較的高いため、該スラグ中の金属鉄分が粗大化しやすい。従って、このようなスラグは、スラグの粉砕および磁選処理後に回収されずにスラグ中に残留するような金属鉄分は少ない。それ故、本発明方法では、溶銑予備処理全体を通じてスラグ中への鉄ロスを削減できる。
(2)次に、図2(B)に示す脱珪処理工程(B)について説明する。
この工程(B)は、転炉1を直立させ、上吹きランス2を介して炉内の溶銑5に酸素ガス8を供給して、脱珪を行なう処理である。この脱珪処理においては、ホッパー13に収容された珪素源15およびホッパー14に収容された石灰系媒溶材16を、シュートを介して転炉1内に装入する他、熱源となる炭材や珪素源あるいは酸素源となる酸化鉄なども同様に装入する。脱珪処理のための酸素源としては、多量の冷鉄源12を溶解する観点からは、吸熱量の大きい酸化鉄を用いずに酸素ガス8のみを用いることが好ましい。
この脱珪処理において、溶銑5中に含まれる珪素あるいは珪素源15および冷鉄源12に含有していて溶解により溶銑中に移行する珪素は、酸素源と反応(Si+O→SiO)して脱珪されるため、その後の脱燐処理における反応効率を高めるのに役立つ。この脱珪処理反応時に酸化熱が発生し、この酸化熱で溶銑温度が上昇して溶銑中の冷鉄源12の溶解が促進される。
この脱珪処理段階でのスラグの組成は、炉内に予め残留させた前回の脱燐処理後スラグ7の量およびその組成の推定値と、上記反応により生成する二酸化珪素の生成量とを考慮して決定される。まず、脱珪処理中のスラグの塩基度は、0.8以上1.5以下に調整する。その理由は、脱珪処理中のスラグ塩基度が0.8よりも小さいと、溶銑Si濃度によっては、脱燐処理後スラグ7の脱燐能の低下によって復燐する現象が見られるからである。一方、このスラグ塩基度が1.5よりも大きいと、未滓化CaOの増大による固相率が上昇するために、脱燐処理後スラグ7の流動性が悪くなり、このスラグを排滓できない場合が生じる。好ましいスラグ塩基度の上限は1.2程度である。
そして、脱珪処理終了時のスラグの塩基度については、0.5以上1.5以下になるように調節する。この段階でのスラグ(脱珪処理後スラグ)の塩基度が0.5未満では、炉内に残留させた前回の脱燐処理後スラグ7から復燐して溶銑中燐濃度の上昇を招き、後工程での脱燐負荷が大きくなって効率的でなくなるからである。従って、脱珪処理終了時の脱珪処理後スラグの塩基度は0.5以上、好ましくは0.8以上とする。また、この段階でのスラグ塩基度が1.5より高くなると、スラグの流動性が低下するため、次の中間排滓時の排滓量が少なくなったり排滓量の制御が難しかったりする問題があり、石灰系媒溶材を削減するうえでも効率的でないため、脱珪処理終了時のスラグ塩基度は1.5以下、好ましくは1.2以下とする。なお、塩基度の調節には、生石灰や石灰石、ドロマイトなどの石灰系媒溶材の他、脱炭スラグや脱燐スラグ、取鍋スラグなどから選ばれる製鋼スラグを媒溶材として用いることができる。
上述したように、この脱珪処理を終了したときの脱珪スラグの密度は、前述したCOガス発生速度を制御することにより、0.3〜1.0g/cm程度に調整されるので、後述する中間排滓の後、その排滓スラグを利材化用スラグとして好ましい材料である。
次に、この脱珪処理終了時の溶銑温度は、1240℃以上1400℃以下、好ましくは1260℃以上1350℃以下に調節する。その理由は1400℃よりも高温になると、炉内に残留させた脱燐スラグから復燐を起こして溶銑中燐濃度の上昇を招き、後工程での脱燐負荷が大きくなって効率的でないだけでなく、内張りのマグネシアカーボンレンガの損耗を防止するためにスラグ中のマグネシア濃度を上昇させることも必要となってコスト高となるからである。一方、この溶銑温度が1240℃未満では、スラグの流動性が低下し、次の中間排滓時の排滓量が少なくなったり、排滓量の制御が困難になったりする問題があることに加え、スクラップの溶解速度が低下するからである。
また、この段階での溶銑温度というのは、次の脱燐工程において、脱燐を効率よく行なうためにも必要である。例えば、脱珪処理終了時の溶銑温度を1350℃以下とすれば、脱燐処理において温度調節のために添加する鉄鉱石などの冷却材を大幅に削減することが期待できる。なお、同一の精錬炉において脱珪処理と脱燐処理を続けて行なう場合、脱燐処理前にもスクラップを装入することは作業時間の点で困難であるという事情もある。また、処理中に炉上から装入できる冷鉄源は、整粒された高価なものであったり、製鉄所内で発生する地金など量的に限られたものであったりするため、定常的に多量に使用することは難しく、また、炉上投入装置を用いる副原料の種類数の制約から、冷鉄源を炉上から装入しないこともある。要するに、従来、脱燐処理工程において利用している冷却材は、鉄鉱石などの酸化鉄に限られていて、スクラップなどの安価な冷鉄源を十分に活用できないのが普通である。
一般に、脱珪処理段階の精錬では、スクラップの使用量を増大させることは比較的容易であり、これによって脱珪処理後の溶銑温度を1350℃以下にすることができる。このことにより、脱燐処理段階での酸化鉄の使用量を大幅に削減することができるようになる。その結果、酸化鉄の分解反応による大きな吸熱分を削減でき、その熱量相当分を脱珪処理での冷鉄源溶解に振り分けることができるようになる。なお、脱珪処理後の温度が低下すると、スクラップが溶け残るおそれはあるが、溶け残ったスクラップは溶銑と共に炉内に保持されて、次の脱燐処理段階までに溶解を進行させることが可能である。即ち、冷鉄源については、脱燐処理終了時までに溶解が完了していれば操業上の問題は生じない。
また、上記添加物中には、上記酸化物となる珪素(酸化可能な形態で存在する珪素と酸化物でない珪素がある。この酸化物でない珪素は、珪化鉄や金属珪素、炭化珪素、窒化珪素あるいはその他の珪化物として含有するものを指すが、代表的な添加物としては、フェロシリコンの他、炭化珪素を約60mass%含む粉体をブリケットに成型したもの(以下、炭化珪素ブリケットという)などをあげることができる。
添加物中の酸化物でない珪素の分析方法としては、JIS G 1312に記載されたフェロシリコンの分析方法の他、全珪素分析、酸可溶珪素分析、全炭素分析、全酸素分析、全窒素分析、熱mass分析、温度履歴を調整した燃焼法による炭素分析、その他の含有元素の分析、X線回折法による化合物の分析などを組み合わせて推定することができる。
添加する珪素源としては、フェロシリコンの使用が代表的であるが、安価な炭化珪素を主成分とする炭化珪素ブリケットや炭化珪素を主成分とする廃棄耐火物などを使用することもできる。なお、熱源としてこの珪素源のみを頼る必要はなく、生産性が低下しない範囲で炭材などの他の熱源を併用してもよい。その炭材は、脱珪処理終了時の溶銑中炭素濃度が3.3mass%以上となるように、脱炭量等を予測して添加することが望ましい。それは3.3mass%未満では、その後に続く脱燐および脱炭の工程において熱源が不足すると共に、スクラップ等の冷鉄源表面での浸炭速度が低下し、溶解速度の低下を招くからである。
その他、添加物として炭素源があるが、この炭素源としては、コークスあるいは土状黒鉛などの炭材の他、前述の炭化珪素などが用いられる。また、媒溶材としては、生石灰や軽焼ドロマイト、マグネシアクリンカなどの副原料が用いられる。その他、脱燐スラグ、脱炭スラグ、取鍋スラグなどのスラグも酸化カルシウム源あるいは酸化マグネシウム源として用いられる。されに、安価な副原料の例として、カルシウムあるいはマグネシウムの炭酸化物や水酸化物などを使用できるが、これらは吸熱量が大きいため大量に使用する場合は他の媒溶材と区別することが望ましい。
脱珪処理後スラグ10の排滓性を高めるためには、転炉1内での精錬スラグ6に適度なフォーミングを起こさせることが有効である。従って、次の排滓工程において安定した排滓率を得るためには、溶銑中および添加した珪素源中の珪素を酸化するのに必要な化学量論以上の酸素を供給することが好ましい。脱珪処理中に溶銑に供給する酸素の原単位は、化学量論的に脱珪に必要な量に2Nm/t以上、望ましくは4Nm/t以上を加えた量とすることが好ましい。脱珪処理終了時における溶銑中珪素濃度は0.2mass%以下、好ましくは0.1mass%以下、より好ましくは0.05mass%以下とする。このことによって、脱珪処理後に排滓する際にもフォーミング状態を維持して排滓性を良好に保つことができると共に、スラグから溶銑への復燐を抑制することができるようになる。
発明者らの研究では、脱珪処理のための酸素吹精は、上吹き送酸速度が1〜2Nm/min・t、底吹きガスの吹き込み速度は0.02〜0.2Nm/min・t程度のときに、前記の効果が得られることを確認している。この酸素吹精に当たっては、また、前述したスラグ密度を調整するために、上吹きランス高さの調整や底吹き攪拌用ガス供給量との関係の下で、上記の送酸速度、吹き込み速度の範囲内で調整することが必要である。
珪素濃度の制御は、前述したスラグ塩基度の制御および溶銑温度の制御と組み合わせることによって行なう。このような制御によって、前回の処理における脱燐処理後スラグを全量炉内に残したまま溶銑の脱珪処理を行なっても、復燐を招くことなく脱燐処理後スラグ中の石灰分を有効に活用することができる。本発明では、このような珪素濃度の制御やスラグ塩基度、溶銑温度の制御に併せ、生成するスラグ密度調整を組合わせると共に、前回処理時における脱燐処理後スラグを炉内に残留させることによってスラグ中の燐酸濃度を高め、このことによってスラグのフォーミングを促進させる。特に、このスラグ中の燐酸はスラグの表面張力を低下させる効果があり、溶銑との反応や微細気泡の分散を促進することから、(T.Fe)が10mass%程度といった比較的低い酸化鉄濃度においても、適当なスラグフォーミングを維持して利材化に有効なスラグとの排滓を行なう。
(3)次に、図2(C)に示す中間排滓工程(C)について説明する。
本発明に係る溶銑の予備処理方法では、上述した脱珪処理工程の後に排滓工程を設けることにより、前記脱珪処理時に発生した大量の、利材化用途材として優れた高密度で低塩基度の脱珪処理後スラグを、該転炉1から排出するための中間排滓の処理を行なう。また、この脱珪処理後スラグ10を排滓することは、次工程である脱燐処理において、適切なスラグ塩基度に調節するための石灰系媒溶材の使用量を低減するためにも有効である。また、前回の溶銑予備処理時に生成した脱燐処理後スラグを大量に炉内に残留させたまま新たな溶銑の脱珪処理を行なう本発明に係る溶銑の予備処理方法の場合、スラグから溶銑への復燐を防止するように脱珪処理するため、脱珪スラグ中の燐酸濃度が従来よりも高くなる。従って、脱珪スラグを大量に残留させた場合、次の脱燐処理工程における炉内スラグ中の燐酸量が過大になって脱燐効果が低下することから、これを防止する上でも重要である。
前述の溶銑予備処理方法においては、前記した工程(A)〜(C)の処理を繰返し連続して実施する場合において、脱珪処理後スラグの排出が不十分だと燐酸の炉内への蓄積が進むことから注意を要する。それは、脱燐処理段階において炉内スラグ中の燐酸量が多くなりすぎると、スラグ中の燐酸濃度の上昇により脱燐反応効率が低下して処理後の溶銑中燐濃度が上昇したり、脱燐反応のために必要な石灰系媒溶材の使用量が増大したりするからである。
そこで、本発明では、脱珪処理後スラグの排滓率(%)=(排出スラグmass%)×100/(脱珪処理終了時炉内スラグmass%))は、少なくとも40%以上、望ましくは60%以上とする。その理由は、該排滓率が40%未満では、前記のように次工程の脱燐処理における石灰系媒溶材の使用量が増大するからであり、また、これによってスラグ量が増大するとスラグフォーミングを抑制することができなくなり、脱燐処理時に炉口からのスラグ噴出が発生し、スラグ噴出による操業障害を招くためである。なお、スラグのフォーミングが沈静化してしまった場合、スラグの排滓率の低下を招くため、脱珪処理終了から排滓のための炉体傾動開始までの時間は4分以内で行なうことが好ましい。
この排滓工程の段階において求められる脱珪処理後スラグの塩基度は、0.5未満ではスラグの粘性が高くなり、良好な排滓率を確保することができない。一方、この脱珪処理後スラグの塩基度が1.5を超えると、固相スラグが生じてスラグの流動性が低下し、排滓率が低下する。従って、スラグの排滓性および排滓率を確保するという観点からは、スラグの塩基度を0.5〜1.5程度にすれば十分であるが、脱珪処理工程におけるスラグからの復燐防止や石灰系媒溶材の使用量の削減やスラグ密度制御という観点も考慮した上で、このスラグの塩基度は0.8〜1.2の範囲に調整することが好ましい。
また、前記スラグフォーミングは、上述したスラグの密度制御の上で必要な現象であるが、中間排滓工程おける該スラグ中の(T.Fe)、即ち、酸化鉄と溶銑、もしくはスラグ中に懸濁する炭素を含有する粒鉄などとの反応により生成する微細なCO気泡によっても進行することから、上述した酸素吹精に併せてT・Feの調整もまた影響を与える。こうした反応を導くための適正な(T.Fe)濃度範囲を検証したところ、(T.Fe)<5mass%の場合、必要な密度調整のためのスラグフォーミングが不十分であった。そのため、転炉傾動によりスラグ排出する際の駆動力が小さくなって、排出も不十分であった。一方、(T.Fe)>25mass%の場合、流滓中のCO気泡発生が急激に進行し、突沸現象が確認されたため、スラグ排出作業を中断するなどを余儀なくされた。そこで、脱珪終了時、即ち、中間排滓の工程におけるスラグ中の(T.Fe)の適正範囲は、スラグ密度も考慮した上で、(T.Fe)=5〜25mass%と定めた。
また、この排滓工程の処理においては、脱珪処理後スラグの温度が低い(1260℃未満)と固相スラグの生成に伴うスラグ粘性の上昇、液相スラグの粘性上昇を招き、スラグの流動性が低下して排滓率の低下を招く。従って、使用する溶銑の初期条件によって、冷鉄源原単位を調節すると共に、炭化珪素やフェロシリコンなどの熱源添加量および酸素原単位のうち少なくとも一つを調節して、脱珪処理終了時の溶銑温度を1260℃以上とすることにより、スラグ温度も1260℃以上となるようにする。
ただし、生成した脱珪処理後スラグのほとんどを排滓してしまうと、次工程の脱燐処理において新たに添加する石灰系媒溶材の滓化が遅れ、脱燐反応の阻害要因となる。これに対しは、蛍石を添加して滓化を促進させることができる。しかし、それでは、上述したように、スラグの用途が制約を受け、スラグの利用が阻害されることになる。また、鉄鉱石などの酸化鉄を添加して滓化を促進する方法もあるが、この方法だと酸化鉄の分解吸熱反応による熱ロスが大きく、冷鉄源の溶解に利用できる熱量が減少するので得策ではない。
従って、脱燐処理段階において蛍石や酸化鉄を使用しないで石灰系媒溶材の滓化を促進するには、炉内に適度な量の好ましい組成・温度・密度の前記脱珪処理後スラグを残留させ、そのスラグ中の二酸化珪素や酸化鉄を利用して滓化を促進することも有効である。なお、脱珪処理後スラグを排出する際には、脱珪スラグの好適排滓率40%以上、好ましくは60%以上に維持しつつ炉体の傾転角度を調節することにより4〜20kg/tの該脱珪処理後スラグが炉内に残留するように排出する。このことにより、脱燐処理段階で酸化鉄を使用しなくても脱燐反応を効率よく促進させることができる。従って、酸化鉄の分解吸熱による反応熱相当分を間接的に脱珪処理での冷鉄源溶解のための熱として活用することが可能となる。この点、脱珪処理後スラグの残留量が4kg/t未満では、次の脱燐工程において石灰系媒溶材の滓化促進のために酸化鉄を使用することが必要となる。一方、これが20kg/tを超えると、石灰系媒溶材の使用量が増大したり、脱燐操業が阻害されたりする問題がある。
(4)次に、図2(D)に示す脱燐処理工程(D)について説明する。
前記中間排滓工程(C)の後は、同じ転炉1内に残留させた溶銑に石灰系媒溶材16を添加すると共に、酸素源となる酸素吹精を行なって、スラグ密度調整を意識しつつ溶銑の脱燐処理を行なう。この脱燐処理工程において使用する酸素源は、上吹きランス2からの酸素ガス8のみを使用することが熱ロスを低減するうえで好ましい。溶銑中の燐は、供給される酸素源中の酸素により酸化されて燐酸化物(P)となり、この燐酸化物が、石灰系媒溶材16の滓化によって生成するスラグ中に安定的に取り込まれて溶銑の脱燐が進行する。脱燐反応を効率よく進めるには、脱燐処理後のスラグ(今回チャージの脱燐処理後スラグ7)の塩基度は1.2以上3.0以下となるように石灰系媒溶材16を添加し、かつ送酸によって脱燐処理終了後の溶銑温度が1280℃以上1360℃以下となるようにして脱燐処理を行う。
この脱燐処理時に生成した脱燐処理後スラグ7のスラグ塩基度が1.2未満あるいは溶銑温度が1360℃超では、スラグの脱燐能が低下して、処理後の溶銑中燐濃度を十分に低下できない場合がある。一方、そのスラグ塩基度が3.0を超えると石灰系媒溶材の滓化が困難となり、石灰系媒溶材のコストが上昇し、溶銑温度が1280℃未満でも、やはり石灰系媒溶材の滓化が困難となり、後工程の脱炭処理時の熱量が不足する。そして、後工程での脱炭処理段階における熱量を十分に確保するには、脱燐処理終了後の溶銑温度を1280℃以上1360℃以下とすると共に、脱燐処理終了時の溶銑中炭素濃度が2.8mass%以上となるように、脱珪処理および脱燐処理での酸素使用量および/または炭素添加量を調節することが望ましい。このことはスラグ密度調整の上でも有効に作用する。
なお、前述のような精錬を行なうに当たり、溶銑中のSi濃度、P濃度、温度が変化し、脱珪処理後の溶銑温度が低いケース、もしくは溶銑のP濃度が高く脱燐負荷が大きいケースが生じる。この場合は、脱燐工程における石灰の溶解促進を図るため、粉状の石灰もしくは炭酸カルシウム等の石灰源を上吹きランスから酸素ガスもしくは不活性ガスにより浴面に吹付けることが有効である。上吹き酸素が浴面に照射された領域では、直接脱炭反応や鉄の酸化が生じることにより、2000℃程度の高温になっており、その領域に粉状の石灰源が添加されることで、溶融が促進される。
前述の溶銑予備処理方法では、石灰の溶融に寄与するSiO含有スラグを脱珪処理後に排出するため、粉状石灰源の投射による早期溶解が有効となる。また、この方法では、溶銑中のSiの酸化熱を利用し、冷鉄源の溶解が促進される。従って、溶銑中のスクラップの溶解速度については、より高温での操業が好ましい。しかし、脱珪処理中の復燐、脱燐処理については高温はむしろ不利になる。そこで、本発明では上記の上吹き酸素が噴射される領域に粉状の酸化鉄を同時に上吹きすることにより、酸化鉄の分解反応(吸熱反応)によって反応領域のみを局所的に冷却し、マクロ的には高温である条件において、脱燐もしくは復燐の抑制を図ることが可能となる。ここで、石灰や炭酸カルシウムを含む副原料としては、それぞれの単体だけでなく、転炉脱炭吹錬時に発生するスラグなどの再利用物等を使用してもよい。また、酸化鉄についても鉄鉱石等の単体だけでなく、圧延スケール、焼結鉱粉、集塵ダストなどの再利用物を使用してもよい。
(5)次に、図2(E)に示す出銑工程(E)について説明する。
この工程(E)では、前記の脱燐工程を経て溶銑中の燐濃度が所定の値にまで低下したとき、該転炉1を出湯口とが設置された側に傾転させて、転炉内の溶銑を溶銑保持精錬炉(図示せず)に出湯する。なお、前記所定の燐濃度としては、0.030mass%以下とすることが好ましい。
以上説明したように、本発明に係る転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法によって、例えば、転炉による溶銑予備処理の方法においては、溶銑の脱燐処理終了後に出銑した後に、炉内に残留させた脱燐後処理スラグの少なくとも一部を排出しないまま残し、そこに新たな溶銑を装入して脱珪処理を行ない、これを中間排滓工程で排出して利用するという連続的な処理になる。従って、転炉から排出されるスラグ、特に脱珪処理終了後の中間排滓スラグの多くは、COガス発生速度を制御することにより密度が0.3〜1.0g/cmのスラグとなる。なお、塩基度が比較的の高い脱燐処理後スラグの場合、アルカリの溶出や水和反応による膨張のおそれがあって、スラグを陸域用途に使うときに制約されることがある。従って、脱燐処理後スラグを全く排出しない方法、即ち、脱珪処理スラグのみを排出する場合は、このような問題が生じないため、高付加価値のスラグ処理法と言える。
(実施例1)
図1に示すような容量300トンの転炉を用いて、溶銑の予備処理を主とする精錬を行なった。この予備処理では、上吹きランスから酸素ガスを浴面(溶銑)に向けて吹き付けると共に、炉体底部に設けた底吹き羽口からは溶銑中に攪拌用の窒素ガスを吹き込んだ。そして、転炉内にはまず冷鉄源を装入し、次いで、その炉内に溶銑を装入した。その後、酸素を上吹きして脱珪処理を開始した。脱珪処理終了後は速やかに炉体を傾動して脱珪処理後スラグの排滓作業を行なった。吹錬中に投入した副原料と、吹錬中に溶銑中のSiやMnが酸化された酸化物から形成されるスラグの量が6トンになるようにした。
上吹きランスからの気体酸素の供給流量、上吹きランスのランス高さを調整して吹錬を行い、吹錬中のスラグの高さを変化させると共に、スラグの体積ならびにスラグの密度を変化させた。事前に炉内の壁面形状を測定し、スラグ高さから体積を換算できるようにした。スラグの高さはマイクロ波を用いて測定した。
表1に、本発明を適合する実施例(発明例1〜3)および適合しない例(比較例1、2)の操業条件および操業結果をそれぞれ示す。上吹き送酸速度、ランス高さの変更によってCOガス発生速度を調整することによって、脱珪吹錬終了時の中間排滓するスラグの密度を0.3g/cm以上にした本発明例1〜3においては、炉外に排出した冷却後の脱珪スラグの密度は2.5〜3.3g/cmとなり、路盤材に利用するための目標を達成することができた。
一方、比較例1および2では、COガス発生速度が大きく、脱珪吹錬終了時のスラグ密度が低くなったため、炉外に排出した冷却後の脱珪スラグの密度は2.2〜2.0g/cm以下となり、路盤材としては向かないスラグであることが判った。
Figure 2015218338
(実施例2)
図1に示すような容量300トン規模の転炉を用いて溶銑の予備処理を旨とする精錬を実施した。転炉内に収容された300トンの溶銑に対し、上吹きランスから精錬用の酸素ガスを溶銑に吹き付けるとともに、炉底に設けた底吹き羽口から撹拌用の窒素ガスを溶銑中に吹き込んで予備処理を実施した。CaO系媒溶剤としては、脱珪処理及び脱燐処理ともに生石灰(CaO)を使用した。
この溶銑の予備処理では、図2に示すように、前チャージの脱燐スラグを炉内に残留させて転炉型精錬炉に溶銑を装入し、上吹きランスから酸素ガスを供給して脱珪処理を行い、次いで、脱珪処理後の排滓工程で脱珪スラグの60mass%を排滓し、その後、引き続き上吹きランスから酸素ガスを供給して溶銑の脱燐処理を行った。脱燐処理後、前チャージの脱燐スラグを炉内に全量残留させ、次チャージの脱珪処理工程を行った。
脱珪処理時に、前チャージの残留スラグ(脱燐処理後スラグ)と、吹錬中に投入した副原料と、吹錬中に溶銑中のSiやMnが酸化された酸化物から形成されるスラグの量が12トンとなるようにした。
脱珪処理時、上吹きランスからの気体酸素の供給流量、上吹きランスのランス高さを調整して吹錬を行ない、COガス派生速度制御と同時に吹錬中のスラグの高さを変化させてスラグの体積を調整した。事前に炉内の壁面形状を測定し、スラグ高さから体積を換算できるようにした。スラグの高さはマイクロ波を用いて測定した。
表2に本発明に適合する例(発明例11〜13)および適合しない例(比較例11、12)の操業条件および操業結果をそれぞれ示す。脱珪吹錬終了時の中間排滓するスラグの密度を0.3g/cm以上にした発明例11〜13においては、炉外に排出した冷却後の脱珪スラグの密度が2.5g/cm以上となり、路盤材に利用するための目標を達成することができた。
なお、比較例11および12ではCOガス発生速度が大きく、吹錬終了時のスラグ密度が低くなったため、炉外に排出した冷却後の脱珪スラグの密度は2.5g/cm以下となった。
Figure 2015218338
本発明に係る溶銑予備処理技術は、主に、転炉型精錬容器による精錬後排出スラグを路盤材などとして好適に用いられる技術として頗る有益であるが、他の精錬容器に適用できる本格的な溶銑処理技術としても優れた効果を発揮するので、技術の適用範囲が大きい。
1 転炉
2 上吹きランス
3 底吹きランス
4 出湯口
5 溶銑
6 精錬スラグ
7 脱燐処理後スラグ
8 酸素ガス
9 底吹きガス
10 脱珪処理後スラグ
11 新溶銑
12 冷鉄源
13 ホッパー
14 ホッパー
15 珪素源
16 石灰系媒溶材

Claims (6)

  1. 溶鉄の精錬処理を転炉型精錬炉を用いて行なう際に、精錬処理中における該転炉型精錬炉中で発生するCOガスの発生速度を変化させることで該精錬炉内のスラグの密度を調整し、精錬処理後に炉外に排出したスラグの密度が所望の値になるようにすることを特徴とする転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法。
  2. 前記転炉型精錬炉中で発生するCOガス発生速度は、精錬処理中に炉内のスラグ高さを測定もしくは推定し、得られたスラグ高さに応じて上吹きランスからの気体酸素源の供給量、上吹きランスのランス高さ、底吹き羽口からの攪拌用ガス供給量のうちのいずれか少なくとも1種を変化させることにより調整することを特徴とする請求項1に記載の転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法。
  3. 前記精錬処理の終了時の転炉型精錬炉内のスラグの密度を0.3g/cm以上に調整することを特徴とする請求項1または2に記載の転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法。
  4. 前記溶鉄の精錬処理が脱珪処理工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法。
  5. 前記精錬炉外に排滓する精錬スラグが脱硅処理終了後の中間排滓された脱珪処理後スラグであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法。
  6. 前記溶鉄の精錬処理が、高炉から出銑した溶銑を転炉型精錬炉内に装入して脱珪処理を行ない、次いで、溶銑および脱珪処理後のスラグの一部をそのまま該精錬炉内に残留させる中間排滓の処理を行ない、引き続き、該精錬炉内に残留させた脱珪処理後の溶銑およびスラグに対して石灰系媒溶材を添加すると共に酸素を吹精することによって溶銑の脱燐処理を行ない、該精錬炉内に脱燐処理後スラグの一部または全量を残留させ、その後、脱燐処理後スラグの一部または全量が収容されたその精錬炉内に少なくとも未処理の溶銑を装入して次チャージの脱珪処理を行なうこととを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法。
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