JP4987412B2 - 深絞り成形用フィルム、深絞り包装体用底材、及び深絞り包装体 - Google Patents
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樹脂組成物A:主成分が直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、及びエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)並びにエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)のアイオノマーからなる群から選ばれる樹脂組成物あるいはそれらの混合体
樹脂組成物B:主成分がポリプロピレン(PP)又はポリブテン−1(PB−1)である樹脂組成物あるいはそれらの混合体
1.外層
本発明のフィルムの外層は少なくとも1層の熱可塑性樹脂からなる。熱可塑性樹脂は、深絞り包装用底材として見栄えがよく、かつ光沢よく仕上がるものであれば特に限定されないが、耐熱性を有し、シール工程におけるパッキントラレを回避できるものであることが好ましい。
<PLA層>
本発明のフィルムの中間層は、少なくとも1層のPLA層を含む。PLAとは、D−乳酸又はL−乳酸の単独重合体又はそれらの共重合体をいい、具体的には、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリ(DL−乳酸)があり、またこれらの混合体も含まれる。
本発明のフィルムの中間層は、耐ピンホール性と深絞り成形性を付与する目的で少なくとも1層のPA層を有する。中間層で用いられるPAは、特に限定されないが、耐ピンホール性の観点からはナイロン系樹脂(Ny)を用いることが好ましい。ナイロン系樹脂としては、例えば、6ナイロン、66ナイロン、69ナイロン、6−66ナイロン、12ナイロン、11ナイロン、610ナイロン、612ナイロン、6I−6Tナイロン、MXD6ナイロン等の縮合単位の重合体又はこれら2種以上との共重合体、さらにはこれらの混合物を挙げることができる。中でも6ナイロンや6−66ナイロンを用いることが好ましい。
中間層としては、酸素バリアー性を付与する目的で、少なくとも1層のEVOH層を設けることができる。EVOH層で用いられるEVOHのエチレン含有率は特に限定されるものではないが、製膜安定性の観点から29モル%以上、好ましくは32モル%以上とし、上限を47モル%以下、好ましくは44モル%以下とすることが望ましい。また、EVOHのケン化度は90%以上、好ましくは95モル%以上のものが望ましい。EVOHのエチレン含有量及びケン化度を上記範囲に保つことにより、本発明のフィルムの共押出性、フィルムの強度を良好なものとすることができる。
中間層としては、柔軟性を付与する目的で少なくとも1層のEVA層又はPE層を設けることもできる。
本発明のフィルムの内層は、ヒートシール性樹脂からなる層である。内層は、上述のとおり深絞り包装体の底材としたときに、蓋材との接合面を構成する層である。このヒートシール性樹脂層によって蓋材と接合された包装体は、ヒートシール性樹脂層において、パック品の種類によって完全シール又はイージーピールにされる。ここで、完全シールとは、手開封が容易にできないシール形式を示し、イージーピールとは、パック品の蓋材・底材の融着していないキッカケ部を手で摘んで容易にパック品の開封が可能である形式を指す。
樹脂組成物A:主成分が直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、及びエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、並びにエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)のアイオノマーからなる群から選ばれる樹脂組成物、あるいはそれらの混合体
樹脂組成物B:ポリプロピレン(PP)又はポリブテン−1(主成分がポリプロピレン(PP)又はポリブテン−1(PB−1)である樹脂組成物、あるいはそれらの混合体
本発明のフィルムは、各層を接着するために少なくとも1層の接着樹脂層を設けることができる。接着樹脂層で使用される接着樹脂は、上述の熱可塑性樹脂層、EVOH層、PA層、PE層、PLA層等を必要な強度に接着することができれば特に限定されないが、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。
本発明のフィルムは、外層として少なくとも1層の熱可塑性樹脂層、中間層として少なくとも1層のPLA層及びPA層、内層としてヒートシール性樹脂層を配すれば、層構成の順序に特に制限はないが、熱可塑性樹脂層をA、PLA層をB層、PA層をC層、EVOH層をE層、PE層をF層、ヒートシール性樹脂層をG層、接着樹脂層をH層として表した場合、以下の層構成(1)〜(8)を例示することができる。中でも好ましい層構成は、(1)、(3)、(5)であり、さらに好ましい層構成は(1)又は(3)である。
(1)A/H/B/H/C/E/H/F/G
(2)A/H/B/H/E/C/H/F/G
(3)A/E/H/B/H/E/F/G
(4)A/C/H/B/H/E/F/G
(5)A/H/C/E/H/B/H/F/G
(6)A/H/E/C/H/B/H/F/G
(7)A/B/H/C/E/H/F/G
(8)A/B/H/C/E/H/F
(1)PA/EVOH/AD/PLA/AD/PE/EP
(2)EVOH/PA/AD/PLA/AD/PE/EP
(3)PETG/AD/PLA/AD/PA/EVOH/AD/PE/EP
(4)PE/AD/PLA/AD/PA/EVOH/AD/PE/EP
本発明のフィルムの製造方法には特に制限はなく、最外層、中間層及び最内層を同時に、又は逐次的に積層して作製することができる。具体的には、Tダイ法、チューブラ法など既存の方法を用いて、ダイを備えた押出機を用いて共押出しすることにより、各層を備えたフィルムを一度に作製できる。また、各層を構成する樹脂を別々にシート化した後に、ドライラミネート法やプレス法や押出ラミネート法などを用いて積層して逐次的に作製することもできる。
本発明のフィルムは、深絞り包装機を用いて内容物に対応した大きさ及び形状を有する深絞り包装体に成形することができる。特に本発明のフィルムを包装用の底材として用いると、光沢性に優れた深絞り包装体を得ることができる。また、本発明の深絞り包装体は、この底材と蓋材とをヒートシール等の接着手段により接着させることによって作製することができる。
実施例1〜4及び比較例1として、以下の構成及び厚みを有する深絞り包装用フィルムを共押出法により作製した。なお、実施例及び比較例で各層として使用されている樹脂は、以下のとおりである。
ポリエチレン系樹脂=日本ポリエチレン社製ノバテック(LDPE、LLDPE、HDPE、EVA、EEA)、
ポリプロピレン系樹脂=日本ポリポロピレン社製ノバテックPP、
ポリアミド系樹脂=三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製ノバミッド(6−NY、6−66共重合ナイロン(66ナイロン含有率15%)、
ポリエステル系樹脂=イーストマンケミカル社製 PETG6763
エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物層=クラレ社製 エバール(エチレン含量38モル%タイプ)
ポリ乳酸系樹脂層
「NATURE WORKS(登録商標)」(Nature WorksLLC社製)
接着樹脂層
「アドマー(登録商標)NF500」(三井化学(株)社製)、
ポリアミド樹脂層
「NOVAMID(登録商標)」(6−66共重合ナイロン(66ナイロン含有率15%))(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)
EVOH層
「エバール(登録商標)」(エチレン含量38モル%タイプ)(クラレ(株)社製)
ヒートシール性樹脂層
ヒートシール性樹脂層A:EVA+PB−1ブレンド品 三菱化学社製 ノバテック(登録商標)EVA+サンアロマー社製 バセルポリブテン(PB−1)を60:40でブレンド
ヒートシール性樹脂層B:EVA+PB−1ブレンド品(3μm)/LLDPE(2μm)の2層構成(最内層がLLDPE)
EVA層
「ノバテック(登録商標)EVA」(日本ポリエチレン(株)社製))
ポリエチレン樹脂層
「ノバテック(登録商標)LLDPE」(日本ポリエチレン(株)社製)
PETG層
「PETG6763」(イーストマンケミカル(株)社製)
PETG層(5μm)/接着樹脂層(5μm)/ポリ乳酸系樹脂層(30μm)/接着樹脂層(5μm)/ポリアミド樹脂層(8μm)/EVOH層(8μm)/接着樹脂層(6μm)/EVA層(26μm)/ヒートシール性樹脂層A(7μm)[総厚み100μm]
ポリアミド樹脂層(10μm)/EVOH層(8μm)/接着樹脂層(5μm)/ポリ乳酸系樹脂層(30μm)/接着樹脂層(5μm)/EVA層(35μm)/ヒートシール性樹脂層A(7μm)[総厚み100μm]
EVOH層(8μm)/ポリアミド樹脂層(10μm)/接着樹脂層(5μm)/ポリ乳酸系樹脂層(30μm)/接着樹脂層(5μm)/EVA層(37μm)/ヒートシール性樹脂層B(5μm)[総厚み100μm]
PE層(5μm)/接着樹脂層(5μm)/ポリ乳酸系樹脂層(30μm)/接着樹脂層(5μm)/ポリアミド樹脂層(8μm)/EVOH層(8μm)/接着樹脂層(6μm)/EVA層(26μm)/ヒートシール性樹脂層A(7μm)[総厚み100μm]
ポリ乳酸系樹脂層(30μm)/接着樹脂層(6μm)/ポリアミド樹脂層(10μm)/EVOH層(10μm)/接着樹脂層(7μm)/EVA層(30μm)/ヒートシール性樹脂層A(7μm)、[総厚み100μm]
上記の実施例及び比較例にて作製した深絞り成形用フィルムを用いて、深絞り包装機(大森機械工業社製FV6300)によって、スライスハム(50g)を真空包装した。なお、使用した蓋材は、下記の構成で各層をドライラミネート法によって積層したものである。
OPP(30μm)//透明蒸着PET(12μm)//LLDPE(40μm)
OPP(二軸延伸ポリプロピレンフィルム):「OP U−1」(東セロ(株)社製)
透明蒸着PET:VM−PET(東洋メタライジング(株)社製)
LLDPE:L−6102(東洋紡績(株)社製)
実施例1〜4及び比較例1の深絞り包装用フィルムを用いて作製したパックサンプルについて、シールトラレ性、成形性(コーナー、カット性)、パックサンプル(カール適性、フランジ部の剛性)について評価した。評価方法は以下のとおりである。結果を表1に示す。
パック品底材のシールパッキントラレを評価した。シールにトラレず光沢が良いものを◎、底材の外層側がパッキン熱でトラレて光沢を落としいるものを×とし、◎>○>△>×の四段階で評価した。
(フランジ部のカール適性)
パック品フランジ部のカールを評価した。カールせずフラットなものを◎、底材側や蓋材側へカールしているものを×とし、◎>○>△>×の四段階で評価した。
(ラベル適性)
粘着ラベルの貼付において、粘着性が良いものを◎、悪いものを×とし、◎>○>△>×の四段階で評価した。
(成形性フランジ部の剛性)
コーナーがつぶれにくくリジット感があるものを◎、コーナーがつぶれやすくリジット感がないものを×とし、◎>○>△>×の四段階で評価した。
Claims (8)
- 外層として少なくとも1層の熱可塑性樹脂層、中間層として少なくとも1層のポリ乳酸(PLA)系樹脂層及びポリアミド樹脂(PA)層、内層としてヒートシール性樹脂層を有するフィルムであり、当該フィルムの厚みが10μm以上100μm以下であることを特徴とする深絞り成形真空包装用フィルム。
- 前記中間層として、さらに少なくとも1層のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)層を有する請求項1に記載の深絞り成形真空包装用フィルム。
- 前記中間層として、さらに少なくとも1層のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)層又はポリエチレン(PE)層を有する請求項1又は2に記載の深絞り成形真空包装用フィルム。
- 前記中間層として、さらに少なくとも1層の接着樹脂層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の深絞り成形真空包装用フィルム。
- 前記ヒートシール性樹脂層が、以下に示される樹脂組成物A、樹脂組成物B、及び樹脂組成物Aと樹脂組成物Bとの混合物のいずれかで構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の深絞り成形真空包装用フィルム。
樹脂組成物A:主成分が直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、及びエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)並びにエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)のアイオノマーからなる群から選ばれる樹脂組成物あるいはそれらの混合体
樹脂組成物B:主成分がポリプロピレン(PP)又はポリブテン−1(PB−1)である樹脂組成物あるいはそれらの混合体 - 前記ヒートシール性樹脂層のシール強度が、25℃で0.8N/15mm幅以上40N/15mm幅以下である請求項1〜5のいずれかに記載の深絞り成形真空包装用フィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の深絞り成形真空包装用フィルムにより形成された深絞り包装体用底材。
- 請求項7に記載の深絞り包装体用底材を使用した深絞り包装体。
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