JP2007136914A - 多層フィルム及びそれよりなる包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の多層フィルムは、外層、中間層及びシール層を含む少なくとも3層からなる多層フィルムにおいて、外層がポリエステル系樹脂からなり、中間層が非晶性ポリアミド樹脂を含有したポリアミド系樹脂からなり、該ポリアミド系樹脂の引張弾性率が450〜1000MPaである多層フィルム及びそれからなる包装体。
【選択図】図1
Description
(1)外層、中間層及びシール層を含む少なくとも3層からなる多層フィルムにおいて、外層がポリエステル系樹脂からなり、中間層が非晶性ポリアミド樹脂を含有したポリアミド系樹脂からなり、該ポリアミド系樹脂の引張弾性率が450〜1000MPaであることを特徴とする多層フィルム、
(2)前記ポリアミド系樹脂からなる中間層以外に、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物またはジアミン成分に芳香環を有するポリアミド樹脂からなる中間層を含む(1)に記載の多層フィルム、
(3)前記ポリアミド系樹脂からなる中間層以外に、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物またはジアミン成分に芳香環を有するポリアミド樹脂からなる中間層を含む(1)又は(2)に記載の多層フィルム、
(4)前記ポリアミド系樹脂からなる中間層以外に、ポリオレフィン系樹脂からなる中間層を含む(1)ないし(3)のいずれかに記載の多層フィルム、
(5)前記シール層がイージーピール機能を有する樹脂である(1)ないし(4)のいずれかに記載の多層フィルム、
(6)(1)ないし(5)のいずれかに記載の多層フィルムを成形し、蓋材とシールしてなる包装体、
である。
本発明の多層フィルムは、外層、中間層及びシール層を含む少なくとも3層からなる多層フィルムにおいて、外層がポリエステル系樹脂からなり、中間層が非晶性ポリアミド樹脂を含有したポリアミド系樹脂からなり、該ポリアミド系樹脂の引張弾性率が450〜1000MPaであることを特徴とする多層フィルムである。
例えば、図1に示すように、多層フィルム70は、少なくとも外層1と、中間層2と、シール層3とがこの順で積層されてなる。
以下、各層について説明する。
外層1は、包装体の見栄えや手にしたときの質感が優れるといった機能を有している。また、底材と蓋材をシールした際にフランジ部に発生するカールを抑制する機能も有している。外層1に好適に用いられる樹脂はポリエステル系樹脂である。これにより、ポリエステル系樹脂は剛性が高いことに加え、フィルムにした際の透明性や表面光沢度が良いことから、包装体の見栄えや質感を優れたものにすることができる。
中間層2は、耐ピンホール性の機能を有している。また、底材と蓋材をシールした際にフランジ部に発生するカールを抑制する機能も有している。該中間層2に用いられる樹脂は非晶性ポリアミド樹脂を含有したポリアミド系樹脂である。該ポリアミド系樹脂の引張弾性率は450〜1000MPaである。ここでいう引張弾性率は、使用環境下でJIS K7127に準じて測定される引張弾性率である。引張弾性率が450MPa未満であると、底材と蓋材をシールした際にフランジ部に発生するカールを抑制する効果が小さい。一方、1000MPaを超えると、輸送時や誤って落下してしまった際にピンホールが発生しやすくなる。
シール層3は、耐内容物性と蓋材とのシール適性の機能を有している。使用される樹脂としては、LDPE樹脂、LLDPE樹脂、MDPE樹脂、HDPE樹脂、PP樹脂、EVA樹脂、EMMA樹脂、EEA樹脂、EMA樹脂、E−EA−MAH樹脂、EAA樹脂、EMAA樹脂、ION樹脂等の樹脂が好適に使用でき、単体あるいは2種類以上を含んでいても良い。なかでも、LLDPE樹脂、EVA樹脂が透明性やシール強度等に優れる点で特に好ましい。
図1で例示したような多層フィルム70では、外層1と、中間層2と、シール層3とを、別々に製造してからラミネーター等により接合して得ても良いが、外層1と、中間層2と、シール層3とを例えば空冷式または水冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法で製膜する方法で得る方法が好ましい。なかでも、共押出Tダイ法で製膜する方法が各層の厚さ制御に優れる点で特に好ましい。また、外層1と、中間層2と、シール層3とをそのまま接合しても良いし、接着層を介して接合しても良い。
(実施例1)
1.多層フィルムの作製
図2に示すように、外層1を構成するポリエステル系樹脂としてPETG樹脂(品番GN071、イーストマンケミカルジャパン(株)製)と、中間層23及び24を構成する樹脂として接着性樹脂(品番SF740、三井化学(株)製)と、中間層22を構成する樹脂としてEVOH樹脂(品番J102B、(株)クラレ製)と、中間層21を構成する樹脂としてポリアミド系樹脂1〔結晶性ポリアミド樹脂(品番1030B、宇部興産(株)製)60重量部に対し、非晶性ポリアミド樹脂(品番シーラPA 3426、三井・デュポンポリケミカル(株)製)を40重量部含有した樹脂、JIS K7127に準じて測定した引張弾性率800MPa〕と、シール層3を構成する樹脂としてLLDPE樹脂(品番ウルトゼックス2022L、(株)プライムポリマー製)とを6層ダイスで共押出し、多層フィルム71を作製した。得られた多層フィルムの各層の厚さは、外層1が30μm、中間層23及び24が10μm、中間層21が15μm、中間層22が10μm及びシール層3が25μmであった。
得られた多層フィルムを底材として、また、2軸延伸ポリプロピレンフィルム4(OPPフィルム、厚さ30μm。)とアルミ蒸着を施した2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム5(VM−PETフィルム、厚さ12μm。)及びLLDPE樹脂(品番ウルトゼックス2022L、(株)プライムポリマー製)をTダイ押出法にて製膜したLLDPEフィルム6(30μm)をドライラミネート法により貼り合せた多層のフィルム80(図3を参照。)を蓋材として使用し、深絞り型全自動真空包装機(型番FV−6300、大森機械工業(株)製)を用いてスライスハム50gをパックして包装体を作製した。ここでの真空成形時の底材の絞り深さは8mmとした。
中間層21を構成するポリアミド樹脂として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
ポリアミド系樹脂2〔結晶性ポリアミド樹脂(品番1030B、宇部興産(株)製)80重量部に対し、非晶性ポリアミド樹脂(品番シーラPA 3426、三井・デュポンポリケミカル(株)製)を20重量部含有した樹脂、JIS K7127に準じて測定した引張弾性率550MPa〕を用いた。
中間層21を構成するポリアミド樹脂として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
ポリアミド系樹脂3〔結晶性ポリアミド樹脂(品番1030B、宇部興産(株)製)90重量部に対し、非晶性ポリアミド樹脂(品番シーラPA 3426、三井・デュポンポリケミカル(株)製)を10重量部含有した樹脂、JIS K7127に準じて測定した引張弾性率500MPa〕を用いた。
多層フィルム71の各層の厚みを以下のものにした以外は実施例1と同様にした。
得られた多層フィルムの各層の厚さは、外層1が10μm、中間層23及び24が10μm、中間層21が15μm、中間層22が10μm及びシール層3が45μmであった。
中間層22を構成する樹脂として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
ポリメタキシレンアジパミド〔品番6007W、三菱ガス化学(株)製〕(MXD−NY樹脂1と記載する場合もある。)を用いた。
多層フィルムの構成を以下のものにした以外は実施例1と同様にした。
図4に示すように、外層1を構成するポリエステル系樹脂としてPETG樹脂(品番GN071、イーストマンケミカルジャパン(株)製)と、中間層23及び24を構成する樹脂として接着性樹脂(品番SF740、三井化学(株)製)と、中間層22を構成する樹脂としてEVOH樹脂〔品番J102B、(株)クラレ製〕と、中間層21を構成する樹脂としてポリアミド系樹脂1と、シール層3を構成する樹脂としてLLDPE樹脂〔品番ウルトゼックス2022L、(株)プライムポリマー製〕とを6層ダイスで共押出し、多層フィルム71を作製した。得られた多層フィルムの各層の厚さは、外層1が30μm、中間層23及び24が10μm、中間層21が15μm、中間層22が10μm及びシール層3が25μmであった。
多層フィルム71の各層の厚みを以下のものにした以外は実施例1と同様にした。
得られた多層フィルムの各層の厚さは、外層1が30μm、中間層23及び24が10μm、中間層21が10μm、中間層22が10μm及びシール層3が30μmであった。
多層フィルム71の各層の厚みを以下のものにした以外は実施例1と同様にした。
得られた多層フィルムの各層の厚さは、外層1が25μm、中間層23及び24が8μm、中間層21が12μm、中間層22が10μm及びシール層3が17μmであった。
多層フィルム71の各層の厚みを以下のものにした以外は実施例1と同様にした。
得られた多層フィルムの各層の厚さは、外層1が20μm、中間層23及び24が8μm、中間層21が10μm、中間層22が10μm及びシール層3が14μmであった。
中間層21を構成するポリアミド樹脂として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
ポリアミド系樹脂4〔結晶性ポリアミド樹脂(品番1030B、宇部興産(株)製)、JIS K7127に準じて測定した引張弾性率400MPa〕を用いた。
中間層21を構成するポリアミド樹脂として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
ポリアミド系樹脂5〔結晶性ポリアミド樹脂(品番1030B、宇部興産(株)製)50重量部に対し、非晶性ポリアミド樹脂(品番シーラPA 3426、三井・デュポンポリケミカル(株)製)を50重量部含有した樹脂、JIS K7127に準じて測定した引張弾性率1050MPa〕を用いた。
多層フィルムの構成を以下のものにした以外は実施例1と同様にした。
図5に示すように、外層11を構成する樹脂としてEVOH樹脂(品番JU102、(株)クラレ製)と、中間層21を構成する樹脂としてポリアミド系樹脂1と、中間層24を構成する樹脂として接着性樹脂(品番SF740、三井化学(株)製)と、シール層3を構成する樹脂としてLLDPE樹脂(品番ウルトゼックス2022L、(株)プライムポリマー製)とを4層ダイスで共押出し、多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの各層の厚さは、外層11が10μm、中間層25が15μm、中間層26が10μm、シール層31が65μmであった。
多層フィルム71の各層の厚みを以下のものにした以外は実施例1と同様にした。
得られた多層フィルムの各層の厚さは、外層1が30μm、中間層23及び24が10μm、中間層21が5μm、中間層22が10μm及びシール層3が35μmであった。
・ カール性
スライスハムを包装した直後に、水平に設置された測定台の上で包装体の底材側を上にして置き、包装体の4隅のカール高さを測定した。各符号は、以下の通りである。なお、評価はn=10で行った。
○:4隅のカール高さの平均値が11mm以下であった。
×:4隅のカール高さの平均値が11mmを超えていた。
包装体20個をダンボールに入れ、ダンボールの各面を下にして1mの高さからコンクリート上に各5回、計30回ダンボールを落下させたときに包装体に発生したピンホール数を評価した。各符号は、以下の通りである。
○:全ての包装体にピンホールが発生しなかった。
×:1個以上の包装体にピンホールが発生した。
2 中間層
21 中間層(ポリアミド系樹脂層)
22 中間層(EVOH樹脂層またはMXD−NY樹脂層)
23 中間層(接着性樹脂層)
24 中間層(接着性樹脂層)
3 シール層
4 OPPフィルム
5 VM−PETフィルム
6 LLDPEフィルム
70 多層フィルム
71 多層フィルム
72 多層フィルム
73 多層フィルム
80 蓋材フィルム
Claims (6)
- 外層、中間層及びシール層を含む少なくとも3層からなる多層フィルムにおいて、外層がポリエステル系樹脂からなり、中間層が非晶性ポリアミド樹脂を含有したポリアミド系樹脂からなり、該ポリアミド系樹脂の引張弾性率が450〜1000MPaであることを特徴とする多層フィルム。
- 前記ポリアミド系樹脂が、結晶性ポリアミド樹脂60〜90重量部に非晶性ポリアミド樹脂40〜10重量部を含有したものである請求項1に記載の多層フィルム。
- 前記ポリアミド系樹脂からなる中間層以外に、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物またはジアミン成分に芳香環を有するポリアミド樹脂からなる中間層を含む請求項1又は2に記載の多層フィルム。
- 前記ポリアミド系樹脂からなる中間層以外に、ポリオレフィン系樹脂からなる中間層を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の多層フィルム。
- 前記シール層がイージーピール機能を有する樹脂である請求項1ないし4のいずれかに記載の多層フィルム。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の多層フィルムを成形し、蓋材とシールしてなる包装体。
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