JP5549141B2 - 多層フィルム - Google Patents
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Description
例えば、図1に示すように多層フィルム31は少なくとも基材層1とヒートシール層2とが積層されてなる。また、図2および図3に示した多層フィルム32、33のようにフィルムに様々な機能を付与するために、基材層のヒートシール層が設けられた面と反対側にはその他の層が設けられてもよい。
以下、各層について説明する。
本発明に係る多層フィルムの基材層1には、ポリエチレン系樹脂が使用される。ポリエチレン樹脂を使用することで包装体の屈曲によるピンホール発生を抑制することが可能となる。本発明のようにヒートシール層2にポリエチレン系樹脂とエチレン−プロピレン共重合体樹脂を使用する場合、基材層1に用いる樹脂のMFRは、3g/10min以上10g/10min以下であることが好ましい。前記範囲下限値以上とすることにより、ヒートシール層2内の樹脂の分散性低下によるシール強度のばらつき、およびシール強度の低下を抑えることができる。また、前記範囲上限値以下とすることにより、押出製膜性を安定させることができる。なお、本発明において基材層に用いられるポリエチレン系樹脂のMFRはJIS K7210に準拠し、樹脂温度190℃、加重2.16kgにて測定をおこなった。
本発明に係る多層フィルムのヒートシール層2には、 ポリエチレン系樹脂とエチレン−プロピレン共重合体樹脂を併用することが好ましい。このような樹脂混合物を用いることで凝集剥離タイプのイージーピール機能を付与し、さらに狭雑物存在下のシール安定性、ホットタック性に優れたものを得ることができる。なお、イージーピール機能とは、流通時や保管時には内容物の密封性を保持しているが、開封時には手の力で容易に開けられるといった機能である。イージーピール機能としては、ヒートシール層と相手材の界面から剥がれる界面剥離タイプ、ヒートシール層あるいは相手材の最外層の層間で剥がれる層間剥離タイプおよびヒートシール層が凝集破壊することで剥がれる凝集剥離タイプがある。
以下のように、本発明に係る多層フィルムには様々な機能を付与するために、基材層のヒートシール層2が設けられた面と反対側に中間層3を設けることができる。具体的には、以下の理由によりEVOH樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂などから選ばれる少なくとも1種類以上の樹脂を用いることが好ましい。
本発明に係る多層フィルムには、包装体の見栄えや手にしたときの質感を向上させるために、外層4を設けることができる。
また、外層4を設けることで底材と蓋材をシールした際にフランジ部に発生するカールを抑制することができる。外層4として好適に用いられる樹脂はポリエステル系樹脂である。これにより、ポリエステル系樹脂は剛性が高いことに加え、フィルムにした際の透明性や表面光沢度が良いことから、包装体の見栄えや質感を優れたものにすることができる。
図2および図3で例示したような多層フィルム32、33は、基材層1、ヒートシール層2、中間層3および外層4を別々に製造してからラミネーター等により接合して得ても良いが、例えば空冷式または水冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法を用いて、基材層1と、ヒートシール層2と、中間層3と、外層4を製膜する方法で得る方が好ましい。中でも、共押出Tダイ法で製膜する方法が厚さ制御に優れる点で特に好ましい。また、基材層1と、ヒートシール層2と、中間層3と、外層4はそのまま接合しても良いし、接着層を介して接合しても良い。
(実施例1)
1.多層フィルムの作製
図1に示すように、基材層1を構成する樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以下LLDPE樹脂、品番ウルトゼックス1030L、(株)プライムポリマー製、MFR=3.6)と、ヒートシール層2を構成する樹脂としてポリオレフィン系樹脂1〔エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(品番P1205、三井・デュポンポリケミカル(株)製)60重量部に対し、ポリプロピレン樹脂(品番S122、住友化学(株)製)を40重量部含有した樹脂〕を共押出し、多層フィルム31を作製した。得られた多層フィルムの各層の厚さは、基材層1が100μm及びヒートシール層2が10μmであった。得られた多層フィルムを試験用底材フィルムとした。
基材層1を構成するLLDPE樹脂として、下記のものを用いた以外は実施例1と同様にして試験用底材フィルムを作製した。基材層1:LLDPE樹脂(品番ユメリット1540F、宇部丸善ポリエチレン(株)製、MFR=4)を用いた。
基材層1を構成するLLDPE樹脂として、下記のものを用いた以外は実施例1と同様にして試験用底材フィルムを作製した。基材層1:LLDPE樹脂(品番ウルトゼックス4050、(株)プライムポリマー製、MFR=6)を用いた。
基材層1を構成するLLDPE樹脂として、下記のものを用いた以外は実施例1と同様にして試験用底材フィルムを作製した。基材層1:LLDPE樹脂(品番スミカセンL211、住友化学工業(株)製、MFR=2)を用いた。得られた多層フィルムの各層の厚さは、基材層1が80μm及びヒートシール層2が10μmであった。
基材層1を構成するLLDPE樹脂として、下記のものを用いた以外は比較例1と同様にして試験用底材フィルムを作製した。基材層1:LLDPE樹脂(品番ウルトゼックス2022L、(株)プライムポリマー製、MFR=2)を用いた。
測定方法:JIS K7210
測定条件:樹脂温度190℃
荷重 :2.16kg
測定装置:東洋精機製作所製 SEMI AUTO MELT INDEXER 2A
図4に示した多層フィルム41のように、2軸延伸ポリプロピレンフィルム5(OPPフィルム、厚さ30μm)とアルミ蒸着を施した2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム6(VM−PETフィルム、厚さ12μm)及びLLDPE樹脂(品番ウルトゼックス2022L、(株)プライムポリマー製)をTダイ押出法にて製膜したLLDPEフィルム7(30μm)をドライラミネート法により貼り合せた多層のフィルムをシール強度測定試験に用いる試験用蓋材フィルムとした。
ヒートシール強度の測定は、実施例1〜3および比較例1〜2で得られた試験用底材フィルムと前記試験用蓋材フィルムとをオートカップシーラーを用いて、温度140℃、シールゲージ圧2.0MPa、融着時間2秒、シール幅1cmの条件下でヒートシールした後、放冷し、図5に示すような多層フィルム51を作製した。尚、加熱は試験用蓋材フィルム側のみとした。自然冷却した試験片を15mm幅にカットし、テンシロン万能試験機を用いて、MD方向に500mm/分の引張速度で剥離し、シール強度を測定した。各符号は、以下の通りである。なお、評価は試験用底材フィルムの幅方向15cm毎に各n=3で行った。
○:シール強度の最大値と最小値の差が100g/15mm未満であった。
×:シール強度の最大値と最小値の差が100g/15mm以上であった。
実施例1〜3および比較例1〜2で得られた試験用底材フィルムと試験用蓋材フィルムとをオートカップシーラーを用いて、温度140℃、シールゲージ圧2.0MPa、融着時間2秒でヒートシールした後、放冷した。尚、加熱は蓋材側のみとした。作製した試験片を剥離し、剥離面の観察を行った。各符号は、以下の通りである。
○:毛羽、糸引きの発生なし。
×:毛羽、糸引きの発生あり。
ASTM−D1003に準じ、ヒートシール強度が最低値を示した箇所における底材用フィルムの曇度を測定した。各符号は、以下の通りである。なお、評価はn=5で行った。
○:曇度の値が18%以上であった。
△:曇度の値が13%以上、18%未満であった。
×:曇度の値が13%未満であった。
2・・・ヒートシール層
3・・・中間層
4・・・外層
5・・・2軸延伸ポリプロピレンフィルム
6・・・2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
7・・・LLDPEフィルム
31・・・本発明に係る多層フィルムの一例
32・・・本発明に係る多層フィルムの一例
33・・・本発明に係る多層フィルムの一例
41・・・試験用蓋材フィルム
51・・・試験用底材フィルムと試験用蓋材フィルムとを貼りあわせた多層フィルムの一例
Claims (4)
- ポリエチレン系樹脂(但し、高密度ポリエチレン樹脂を除く)を含有する基材層および、ポリエチレン系樹脂(但し、高密度ポリエチレン樹脂を除く)とエチレン−プロピレン共重合体樹脂とを含有するヒートシール層とを含む包装体の底材用多層フィルムであって、
前記基材層に含有されるポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR) [測定方法: JIS K7210、測定温度190℃、荷重2.16kg]が3g/10min以上10g/10min以下であることを特徴とする包装体の底材用多層フィルム。 - 前記ヒートシール層に含有されるポリエチレン系樹脂とエチレン−プロピレン共重合体樹脂の重量比率(ポリエチレン系樹脂/エチレン−プロピレン共重合体樹脂)が20/80〜80/20である請求項1 記載の包装体の底材用多層フィルム。
- 前記基材層と前記ヒートシール層とが隣接するものである請求項1または2記載の包装 体の底材用多層フィルム。
- 蓋材と底材とをヒートシールして得られる包装体であって、前記底材が請求項1乃至3のいずれか1項に記載の包装体の底材用多層フィルムを含むものである包装体。
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