JP2004216631A - 複合フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも最外層にAPET層、中間層に酸素バリアー層、内層にピール材層を有する複合フィルムであって、ピール材層が凝集破壊層と、これに隣接するPE系樹脂からなるシール層とを有し、かつ、該シール層が最内層となるよう構成されており、凝集破壊層の厚さが1〜5μm、PE系樹脂からなるシール層の厚さが1〜5μmであることを特徴とする複合フィルム。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に食品の深絞りガスパック包装において底材として用いた場合においても、イージーピール性を有し、透明性にも優れた複合フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来透明性の良い非晶性ポリエチレンテレフタレート(APETと表すことがある)を最外層に配した共押出複合フィルムが、特に、深絞り成形用複合フィルムとして用いられていた(例えば、特許文献1)。透明性の良いAPETタイプの底材を用いたガスパックでは、底材の透明性の低下を防止するため、通常、蓋材側に層間剥離タイプのイージーピール材が使用されていた。また底材側にイージーピール材を使用した場合には透明性が悪くなるため、白色のAPET等、色を付けたものが使われていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−96582号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来蓋材側に層間剥離タイプのイージーピール材を使用すると、透明性は良好であるがシール条件によりイージーピール強度が影響を受けやすく、シール強度が安定し難いという欠点があった。
また層間剥離タイプのイージーピール材においてはシール層が軟化温度の低い樹脂によって構成されることが多いため、深絞り包装機でシールされた直後に搬送の力がかかると剥離が発生してしまうというトラブルが発生し易かった。
【0005】
一方、凝集破壊タイプのイージーピール材は2種以上の樹脂をブレンドし、海島構造をとることにより凝集力を低くしているため、表面が荒れ透明性が悪くなってしまうという問題があった。
また底材側にイージーピール性を付与する場合、APETの透明性を生かすためにシール層の表面を平滑でかつ透明性を良くすることにより商品価値を高めるが、層間剥離タイプではイージーピール性が安定せず、また最内層に凝集破壊タイプのイージーピール材を配した場合には透明性が悪くなり商品価値が著しく損なわれるという問題が発生した。
【0006】
本発明は、APETタイプのガスパック用底材の特徴である透明性を低下させることなく、底材側に安定したイージーピール性を付与することのできる、深絞りガスパック用底材用途に適した、凝集破壊層および、これに隣接する、PE系樹脂からなるシール層から構成されるピール材層を有する複合フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討を行い本発明を完成するに至った。本発明は、次に記載する事項により特定することができる。
(1) 少なくとも最外層にAPET層、中間層に酸素バリアー層、内層にピール材層を有する複合フィルムであって、ピール材層が凝集破壊層と、これに隣接する、PE系樹脂からなるシール層とを有し、かつ、該シール層が最内層となるよう構成されており、凝集破壊層の厚さが1〜5μm、PE系樹脂からなるシール層の厚さが1〜5μmであることを特徴とする複合フィルム。
(2) 凝集破壊層の厚さが1〜3μmであることを特徴とする(1)記載の複合フィルム。
(3) ヘーズが10%以下であることを特徴とする(1)または(2)記載の複合フィルム。
(4) イージーピール強度が4.9〜11.8(N/15mm)であることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の複合フィルム。
(5) PE系樹脂からなるシール層が、融点100℃以上のLLDPE、LDPEまたはEVAからなることを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載の複合フィルム。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムは、少なくとも最外層にAPET層、中間層に酸素バリアー層、内層にピール材層を有する複合フィルムである。ピール材層は、凝集破壊層と、これに隣接する、ポリエチレン系樹脂(PE系樹脂と表わすことがある)からなるシール層とを有し、かつ、該シール層が本発明の複合フィルムの最内層となるように構成されている。
【0009】
ここで最外層をAPET層とするのは、平滑性の良好なAPET層を最外層とすることにより、透明なガスパック用底材の光沢・透明性をより良くするためである。
【0010】
APET層は、通常のポリエチレンテレフタレートを用いて構成することができる。APET層を形成する際の条件を適切に設定することにより、APET層を構成するポリエチレンテレフタレートを非晶状態としたものである。
【0011】
APET層を構成する材料としては、テレフタル酸とエチレングリコールを重合してなる通常のポリエチレンテレフタレートや、さらにイソフタル酸、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等を成分とする共重合ポリエステルも使用できる。特に透明性、加工性に優れた非晶性ポリエステル樹脂、例えば、テレフタル酸と、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールからなるイーストマンケミカル社製の「イースターPETG」が好適に使用できる。
また、本発明の効果を損なわないかぎり、PEN(ポリエチレンナフタレート)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)等の他の重合体を含んでもよい。
【0012】
APET層は、一般的には、150〜500μmの厚さを有し、好ましくは180〜400μm、より好ましくは200〜300μmの厚さを有する。APET層の厚さを、150μm以上とすると、腰があり、ガスパック用底板材として形状を保持しやすくなる。また、500μm以下とすると、深絞り包装機での成形スピードが維持でき、カットも可能でゴミの減容化にもなり好ましい。
【0013】
本発明の複合フィルムは、少なくともAPETと中間層を共押出で製膜する場合、一般的には、APET層と次に説明する中間層との間に接着(ADと表すことがある)層が設けられるが、これらの層間の層間接着力が大きい場合には、接着層を設けなくともかまわない。
【0014】
接着層に使用することのできる樹脂としては、熱成形により、層間がズレず、強固に接着可能なものであれば、特に限定されないが、APETとの接着力の点から、エチレン−α−オレフィン共重合体を酸変性したものを好適に使用することができる。
上記接着層の厚さは、一般的には、3〜30μmであり、好ましくは5〜20μm、より好ましくは7〜15μmの厚さを有する。
【0015】
本発明の複合フィルムの中間層である酸素バリアー層は、本発明の複合フィルムが深絞り底材に使用されるため、熱成形が可能な酸素透過性の小さい重合体によって構成される。酸素バリアー層を構成することのできる重合体としては、熱成形が可能であり酸素透過性の小さい重合体であれば、特に限定されないが、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOHと表わすことがある)やメタキシリレンジアミンとアジピン酸とを重合してなるポリアミドであるナイロンMXD6等を好適に使用することができる。
【0016】
本発明の複合フィルムの中間層は、単一の酸素バリアー層から構成されていてもよいし、2層以上の複数の酸素バリアー層から構成されていてもよい。複数の酸素バリアー層から構成されている場合にあっては、これらの各々の酸素バリアー層を構成する重合体が異なっていてもよいし、同一であってもよい。
【0017】
酸素バリアー層は、一般的には、3〜30μmの厚さであり、好ましくは5〜20μm、より好ましくは7〜15μmの厚さを有する。酸素バリアー層の厚さを、3μm以上とすると、ガスパック用としての酸素バリア性が充分となり、30μm以下とすると、成形性が良く、コストも低減され好ましい。
【0018】
また、本発明の複合フィルムの中間層が、複数の酸素バリアー層から構成されている場合にあっては、隣接する酸素バリアー層の間に接着層を設けることもできる。接着層に使用することのできる樹脂としては、熱成形により層間がズレず、強固に接着可能なものであれば、特に限定されないが、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPEと表すことがある)を酸変性したタイプの樹脂を好適に使用することができる。
【0019】
上記接着層の厚さは、一般的には、3〜30μmであり、好ましくは5〜20μm、より好ましくは7〜15μmの厚さを有する。
【0020】
本発明の複合フィルムの内層のピール材層は、凝集破壊層とPE系樹脂からなるシール層とを有し、凝集破壊層とPE系樹脂からなるシール層とが相互に隣接し、凝集破壊層が中間層側に、PE系樹脂からなるシール層が最内層となるように構成される。
【0021】
本発明の複合フィルムの凝集破壊層を構成する材料としては、問題となるような糸引きを生じず、イージーピール強度が安定するものであれば、特に限定されず、凝集破壊層を構成する材料として用いることができる。
【0022】
凝集破壊層を構成することのできる好ましい材料としては、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVAと表わすことがある)、低密度ポリエチレン(LDPEと表わすことがある)、LLDPEやアイオノマー等のPE系樹脂とポリプロピレン(PPと表わすことがある)またはポリブテン(PBと表わすことがある)との組成物、例えば、ポリエチレン系樹脂/PPまたはPBの質量比が80/20〜40/60である組成物等の樹脂を挙げることができる。
【0023】
凝集破壊層は、一般的には、1〜5μmの厚さであり、好ましくは1〜3μmの厚さを有する。凝集破壊層の厚さを1μm以上とすると、シール時に通常よりも大きなシール圧力が加えられた場合においても凝集破壊層の変形によるピール強度が低下する虞がなくなり、5μm以下とすると、透明性が良好となりヘーズを10%以下とすることが容易になるとともに、開封時糸引き(ケバ立ち)が発生し難くなり好ましい。さらに、凝集破壊層の厚さを3μm以下とすると、凝集破壊層に透明性が低い樹脂を使用した場合においても、凝集破壊層の透明性を良好なものにしておくことが容易となりより好ましい。
【0024】
また、凝集破壊層と中間層との層間剥離強度は、凝集破壊層の凝集破壊強度よりも大きくするのが望ましい。このため、中間層と凝集破壊層との間の層間剥離強度が凝集破壊層の凝集破壊強度よりも小さくなる場合には、これらの層の間に接着層を設け、これらの層間の剥離強度が凝集破壊層の凝集破壊強度より大きくなるようにするのが好ましい。
【0025】
上記接着層に使用することのできる樹脂としては、熱成形により層間がズレず、強固に接着可能なものであれば、特に限定されないが、凝集破壊層との相溶性が良好なポリエチレン系樹脂をベースとした接着性樹脂を好適に使用することができる。
【0026】
上記接着層の厚さは、一般的には、3〜30μmであり、好ましくは5〜20μm、より好ましくは7〜15μmの厚さを有する。
【0027】
本発明の複合フィルムのシール層を構成する材料としては、PE系樹脂が用いられる。
【0028】
本発明の複合フィルムを用いた底材の成形においては、通常、PE系樹脂からなるシール層側から、接触加熱方式で加熱が行われるために、シール層を構成するPE系樹脂が溶融して加熱板に密着し良好な成形ができなくなるといったトラブルを防止するために、シール層を構成するPE系樹脂は、耐熱性が高いものが好ましい。APETタイプの底材の成形温度は、一般には、90℃〜100℃であるところから、加熱板への密着を防止するため、本発明の複合フィルムのシール層を構成するPE系樹脂としては、融点が100℃以上であるものが好ましく、110℃以上のものがより好ましく、120℃以上のものがさらに好ましい。
【0029】
従って、本発明の複合フィルムのPE系樹脂からなるシール層を構成するPE系樹脂としては、例えば、EVA、LDPE、LLDPE等のPE系重合体が考えられるが、深絞り成形時の加熱温度に耐えることのできる、融点の高い、LLDPEやLDPEが好ましい。
【0030】
シール層は、一般的には、1〜5μmの厚さであり、好ましくは1〜4μm、より好ましくは2〜3μmの厚さを有する。
シール層の厚さを1μm以上とすると、シール層に隣接した凝集破壊層を構成する樹脂が海島構造を有しているために凝集破壊層の表面に発生する凹凸を吸収してシール層の表面を平滑にするのが容易となり、目的とした本発明の複合フィルムの透明性を得ることができる。また5μm以下とすると、シール層が、剥離時内容物側のシールのキワで破断し易くなりシール層が膜状となって残る、いわゆる、膜残り現象の発生を防止することができる。
【0031】
本発明の複合フィルムは、ヘーズが10%以下であるのが好ましいが、より好ましくは5%以下として、イージーピール性を付与されていない通常のポリエチレンをシール層とするAPETタイプのガスパック底材と同等のヘーズとすることが望まれる。実際に凝集破壊層を薄くすることにより透明性は良好となるため、本発明の構成でイージーピール性を付与されていない通常のポリエチレンをシール層とするAPETタイプのガスパック底材と同等のヘーズとすることは可能である。
【0032】
本発明の複合フィルムのヘーズを増加させる要因としては、凝集破壊層の表面の荒れの他に、各層を構成する樹脂の結晶化による内部ヘーズの増加、および外層面の荒れによるところが大きい。特に、各層を構成する樹脂の結晶化による内部ヘーズの増加および外層面の荒れによるヘーズが大きいと、本発明の複合フィルムの凝集破壊層の透明性の向上を図っても複合フィルムのヘーズを小さくする効果が少なくなるため好ましくない。
【0033】
本発明において最外層にAPET樹脂からなる層を配することに限定したのは、ガスパック用透明底材として使用される基材であるAPET、PP、スチレン−ブタジエン共重合体(St/Bd共重合体と表すことがある)等の樹脂の中では、ヘーズが10%以下であり透明性が良好であるのはAPETのみであり、PPやSt/Bd共重合体を用いた原シートの透明性は不十分でありこれらの樹脂から製造されたシートを用いた場合には、所定の透明性を有する複合フィルムを得ることが困難となるためである。
【0034】
本発明の複合フィルムのイージーピール強度は、二軸延伸ナイロンフィルムにLLDPEをドライラミネーションしてドライラミフィルムを作製し、このドライラミフィルムと本発明の複合フィルムとをドライラミフィルムのLLDPE層と本発明の複合フィルムのシール層とが接触するように重ね合わせ、これを適正な温度圧力でヒートシールし、シール部を15mm幅の短冊状に切り出し試験片を作製し、この試験片について、万能引張試験機(インテスコ社製)を用い、引張速度200mm/min、温度23℃で測定した剥離強度をいい、4.9〜11.8(N/15mm)であることが好ましい。
【0035】
これは底材にAPETを基材とするガスパック包装における耐破袋性および開封性が良好であるという点の他に、イージーピール強度を4.9(N/15mm)以上とすると、凝集破壊強度が十分となり、PE系樹脂層からなるシ−ル層が切れずに膜状になって残る、いわゆる、膜残り現象が発生し難くなる。
【0036】
イージーピール性を付与された、本発明の複合フィルムを用いた容器でガスパックされた包装体は、イージーピールのキッカケ部分(包装体の縁部から見てシールされていない部分)から開封する際、まずシールのエッジ部でピール材層表面のPE系樹脂層からなるシール層が破断し次に凝集破壊層の凝集破壊により包装体のシール部が剥離し、最後に内容物側のシール部のエッジ部分で再度ピール材層表面のPE系樹脂からなるシール層が破断する必要がある。
【0037】
つまりピール材層表面のPE系樹脂からなるシール層の破断強度よりも凝集破壊層の凝集破壊強度の方が弱いと、内容物側のシールのエッジ部でピール層表面のPE系樹脂からなるシ−ル層が破断せず、凝集破壊がシールされた部分だけではなく内容物側のシールさせていない部分でも発生しやすくなり膜残り現象を生じやすくなるのであろうと推定される。
【0038】
本発明の複合フィルムのイージーピール強度を11.8(N/15mm)以下とすると、開封時凝集破壊層の糸引き現象(ケバ立ち)が発生しせず、凝集破壊層以外の層間で剥離を発生するいわゆる(デラミ)現象を防止することができる。
本発明の複合フィルムは、ガスパックの底材として用いられるところから、通常、200〜600μmの厚さを有する。
【0039】
本発明の複合フィルムの製造方法は、ドライラミネート、共押出、またはその組み合わせが考えられるが特に限定されない。中間層である酸素バリアー層とピール材層とを共押出で製造する場合は、開封時の中間層とピール材層とのデラミを防止するため特に層間強度を強くすることを目的にナイロン(Nyと表すことがある)層を中間層を構成する層の一つとして中間にサンドすることが有効である。
【0040】
本発明の複合フィルムの代表的な層構成としては以下のものを挙げることができる。
(1)APET層//EVOH/Ny/AD/凝集破壊層/PE系樹脂からなるシール層
(中間層:EVOH/Ny)
(2)APET層//EVOH/AD/Ny/AD/凝集破壊層/PE系樹脂からなるシール層
(中間層:EVOH/AD/Ny)
(3)APET層//Ny/AD/EVOH/Ny/AD/凝集破壊層/PE系樹脂からなるシール層
(中間層:Ny/AD/EVOH/NY)
(4)APET層//Ny/AD/Ny/EVOH/AD/凝集破壊層/PE系樹脂からなるシール層
(中間層:Ny/AD/Ny/EVOH)
(5)APET層/AD/Ny/EVOH/Ny/AD/凝集破壊層/PE系樹脂からなるシール層
(中間層:Ny/EVOH/Ny)
(6)APET層/AD/EVOH/Ny/AD/凝集破壊層/PE系樹脂からなるシール層
(中間層:EVOH/Ny)
(7)APET層/AD/Ny/EVOH/AD/凝集破壊層/PE系樹脂からなるシール層
(中間層:Ny/EVOH)
(8)APET層/AD/EVOH/AD/凝集破壊層/PE系樹脂からなるシール層
(中間層:EVOH)
上記層構成において、ADは接着層を表す。
【0041】
上記構成のAD/凝集破壊層/PE系樹脂からなるシール層のAD/凝集破壊層の間に、ADおよび凝集破壊層との層間強度を向上させるためにPE系樹脂層を接着層を構成する層の一つとして配し、AD/PE系樹脂層/凝集破壊層/PE系樹脂層とした構成も含む。
なお、上記層構成において、「 / 」は共押出を、「 // 」はドライラミネートを表す。
【0042】
また、本発明の複合フィルムはガスパック用底材の製造に用いられるので、シール層表面に防曇性を付与することも商品価値を高める点で有効である。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
【0044】
(実施例2)
【0045】
(実施例3)
【0046】
(比較例1)
【0047】
(比較例2)
【0048】
(比較例3)
【0049】
(比較例4)
【0050】
(評価方法)
(1)透明性
上記複合フィルムの透明性は、JIS K 7361により測定し、次の基準に基づき、評価した。得られた結果を表1に示した。
◎:ヘーズ5%以下
○:ヘーズ5%を越え10%以下
×:ヘーズ10%を越えるもの
【0051】
(2)イージーピール性
イージーピール性は、上記実施例および比較例にて得られら複合フイルムを用いて、深絞り包装機ムルチバックR530で、成形温度:95℃、成形加熱時間1.5秒;シール温度:135℃、シール時間:2秒の条件下で絞り深さが25mmのパック品を作製し、評価を行った。
なお、蓋材としては、次に記載する層構成(( )内の数字は、層の厚さ(μm)を示す)を有するものを用いた。
蓋材:OPP(30)//透明蒸着PET(12)//LLDPE(40)
上記のパック製品について、前記イージーピール強度の測定と同様に引張試験機を用いて蓋材を剥離し、剥離面を目視で観察した。イージーピール性は、次の基準に基づき評価した。得られた結果を表1に示した。
○:ケバ立ちも膜残りも発生しなかった。
×:ケバ立ちまたは膜残りが発生した。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】
本発明により、透明性とイージーピール性に優れ、APETタイプのガスパック用底材の特徴である透明性を低下させることなく、底材側に安定したイージーピール性を付与することのできる、深絞りガスパック用底材用途に適した複合フィルムを提供することができる。
Claims (5)
- 少なくとも最外層にAPET層、中間層に酸素バリアー層、内層にピール材層を有する複合フィルムであって、ピール材層が凝集破壊層と、これに隣接する、PE系樹脂からなるシール層とを有し、かつ、該シール層が最内層となるよう構成されており、凝集破壊層の厚さが1〜5μm、PE系樹脂からなるシール層の厚さが1〜5μmであることを特徴とする複合フィルム。
- 凝集破壊層の厚さが1〜3μmであることを特徴とする請求項1記載の複合フィルム。
- ヘーズが10%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の複合フィルム。
- イージーピール強度が4.9〜11.8(N/15mm)であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の複合フィルム。
- PE系樹脂からなるシール層が、融点100℃以上のLLDPE、LDPEまたはEVAからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の複合フィルム。
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