JP6822447B2 - 多層フィルム及びそれよりなる包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、多層フィルム及びそれよりなる包装体に関する。
食品や医薬品等の包装においては、様々な要求性能を満足するために複合化された多層フィルムが多く用いられている。例えば、多層フィルムを真空成形あるいは圧空成形により内容物に適した形に成形したもの(以下、底材と記載する。)と未成形フィルム(以下、蓋材と記載する。)とからなる包装体の場合、底材側には成形性に優れる未延伸フィルムを多層化したものが使用される。一方、蓋材側には一般に印刷が施されるため、少なくとも1層に印刷適性に優れる延伸フィルムを含む多層フィルムが広く用いられている。これら底材及び蓋材に用いられるフィルムの厚みは、成形加工を行うために底材の方が厚い場合が多く、内容物が重量物等である包装体の中には、JISの分類ではシートの区分に属する厚み範囲のものもある。
これら包装体に用いられるフィルムへの要求性能としては、ガスバリアー性や耐ピンホール性等が挙げられる。前者は、内容物が酸素ガスにより変質することを防ぐために必要であり、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOH樹脂と記載する。)及びジアミン単位の90モル%以上がメタキシリレンジアミン単位であるポリアミド樹脂(ポリメタキシレンアジパミド、MXD−6ナイロン)等が好適に用いられる。一方、後者は、流通過程において振動や落下等で製品に与えられる外部応力によってピンホールが発生することを防ぐために必要であり、各種延伸フィルムやポリアミド樹脂を含む多層フィルムが好適に用いられる。(例えば、特許文献1参照。)
多層フィルムには、これら内容物保護に関する機能以外にも、内容物に対する認識、区別を可能にする透明性、使用時に簡便に開封出来るイージーピール性等、内容物に適した性能が要求される。その要求性能の1つにカール性がある。本明細書において、カール性とは、底材と蓋材をシールして、包装体を形成したときに、包装体のフランジ部において、カールの発生を抑制する性質を表す。
カール性が悪い、すなわち、包装体のフランジ部に発生するカールが大きいと、商品の見栄えが悪くなるだけではなく、ベルトコンベアーで搬送時の包装体に不良が生じたり、包装体に印刷されたラベルを貼り付ける必要がある際に、正常に貼り付けられない等の問題が生じることがあった。
このカールは、底材と蓋材の熱膨張係数や収縮挙動等が異なるために発生する。例えば、各種要求性能を満たすために底材、蓋材には異なる樹脂が使用されたり、あるいは同じ樹脂であっても延伸されたものと未延伸のものが使用されていたり、底材と蓋材のシール時に両者にかかっている張力やフィルム自体の厚みが異なることに起因して、カールが発生する。
製品の見栄えを悪くしないよう包装体には様々な検討が行われてきている。例えば、特許文献2には非晶性ポリアミド樹脂を用いることでカールが改良することが記載されている。しかしながら、特許文献2で規定しているカールとは、ボイル等の加熱処理時に発生するカールであり、本発明で規定しているカールとは発生原因が異なるものである。
特許文献3には、非晶性ポリエステル樹脂からなる外層、接着樹脂層、ポリアミド樹脂層、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層、接着樹脂層、ポリオレフィン樹脂からなる内層からなり、全層の厚みが50〜150μm、外層の厚み比率が全層の厚みの40%を超え60%以下であり、且つ酸素透過度が50cm/m・day・atm以下である深絞り成形用共押出積層フィルムを底材として用いることにより、カール性が改善されることが記載されている。
特公平05−075584号公報 特開2000−62119号公報 特開2005−28863号公報
しかしながら、特許文献3に記載の深絞り成形用共押出積層フィルムは、外層の厚み比率が全層の厚みの40%以下である場合、カール性を改善させることができない。
本発明の目的は、成形加工された多層フィルムに中身を充填し、蓋材によりシールされるノンボイル用途の包装体に使用される多層フィルムにおいて、全層の厚さに対する、外層の厚さの比率を低くした場合でも、カール性に優れた多層フィルムを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]外層、接着樹脂層、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層、非晶性ポリアミド樹脂層、接着樹脂層、ポリオレフィン樹脂からなる内層、及びイージーピール層が、この順に積層された多層フィルム、又は、外層、接着樹脂層、非晶性ポリアミド樹脂層、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層、接着樹脂層、ポリオレフィン樹脂からなる内層、及びイージーピール層が、この順に積層された多層フィルムであって、
全層の厚さが、50μm以上75μm以下であり、
全層の厚さに対する、外層の厚さの比率が、30%以上45%以下であり、
非晶性ポリアミド樹脂層の厚さに対する、外層の厚さの比率が、150%以上500%以下であり、
内層の厚さに対する、外層の厚さの比率が、150%以上200%以下である多層フィルム。
[2]前記内層が直鎖状低密度ポリエチレン層である、[1に記載の多層フィルム。
][1]又は[2]に記載の多層フィルムを成形し、蓋材とシールしてなる包装体。
本発明によれば、ノンボイル用途の包装体において、全層の厚さに対する、外層の厚さの比率を低くした場合でも、底材と蓋材をシールした包装体のフランジ部に発生するカールを抑制できる多層フィルムを提供することが可能となる。
本発明の多層フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の多層フィルムの一例を示す断面図である。 本発明と共に用いられる蓋材の一例を示す断面図である。
以下、本発明の多層フィルムについて詳細に説明する。
本発明の多層フィルムは、
外層、接着樹脂層、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層、非晶性ポリアミド樹脂層、接着樹脂層、ポリオレフィン樹脂からなる内層、及びイージーピール層が、この順に積層された多層フィルム、又は、外層、接着樹脂層、非晶性ポリアミド樹脂層、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層、接着樹脂層、ポリオレフィン樹脂からなる内層、及びイージーピール層が、この順に積層された多層フィルムであって、
全層の厚さが、50μm以上75μm以下であり、
全層の厚さに対する、外層の厚さの比率が、30%以上45%以下であり、
非晶性ポリアミド樹脂層の厚さに対する、外層の厚さの比率が、150%以上500%以下である多層フィルムである。
まず、多層フィルムについて好適な実施形態に基づいて説明する。
例えば、多層フィルム90は、図1に示すように、外層1、接着樹脂層21、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23、非晶性ポリアミド樹脂層24、接着樹脂層22、ポリオレフィン樹脂からなる内層25、及びイージーピール層3が、この順に積層されてなる。エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23と、非晶性ポリアミド樹脂層24とは、順序を入れ替えてもよく、図2に示す多層フィルム91のように、外層1、接着樹脂層21、非晶性ポリアミド樹脂層24、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23、接着樹脂層22、ポリオレフィン樹脂からなる内層25、及びイージーピール層3が、この順に積層されていてもよい。
以下、各層について説明する。
(外層)
外層1は、包装体の見栄えや手にしたときの質感が優れるといった機能を有している。また、底材と蓋材をシールした際にフランジ部に発生するカールを抑制させる機能も有している。外層1に好適に用いられる樹脂はポリエステル系樹脂である。これにより、ポリエステル系樹脂は剛性が高いことに加え、フィルムにした際の透明性や表面光沢度が良いことから、包装体の見栄えや質感を優れたものにすることができる。
前記ポリエステル系樹脂は、酸成分としてテレフタル酸等の2価の酸またはエステル形成能を持つそれらの誘導体を用い、グリコール成分として炭素数2〜10のグリコール、その他の2価のアルコールまたはエステル形成能を有するそれらの誘導体等を用いて得られる飽和ポリエステル樹脂をいう。前記ポリエステル系樹脂として、具体的にはポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂等のポリアルキレンテレフタレート樹脂が挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。これにより、特に包装体の見栄えや質感を向上させることができる。
前記ポリエステル系樹脂は、必要に応じて他の成分を共重合したポリエステル系共重合体樹脂でも良い。前記共重合する成分としては、公知の酸と、フェノール及びポリアルキレングリコールのいずれにも該当しないアルコールと、フェノールと、エステル形成能を有する前記酸、アルコール又はフェノールの誘導体と、ポリアルキレングリコールと、環状エステル等が挙げられる。
前記共重合可能な酸としては、例えば2価以上の炭素数8〜22の芳香族カルボン酸、2価以上の炭素数4〜12の鎖状脂肪族カルボン酸、2価以上の炭素数8〜15の脂環式カルボン酸、及びエステル形成能を有するこれらの誘導体が挙げられる。前記共重合可能な酸の具体例としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボジフェニル)メタンアントラセンジカルボン酸、4−4’−ジフェニルカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及びエステル形成能を有するこれらの誘導体が挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。
前記共重合可能な環状エステルとしては、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
前記共重合可能な、フェノール及びポリアルキレングリコールのいずれにも該当しないアルコールとしては、例えば2価以上の炭素数2〜15の鎖状脂肪族アルコール、2価以上の炭素数6〜20の脂環式アルコール、炭素数6〜40の2価以上の芳香族アルコール及びエステル形成能を有するこれらの誘導体が挙げられる。前記共重合可能な、フェノール及びポリアルキレングリコールのいずれにも該当しないアルコールの具体例としては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ハイドロキノン、グリセリン、ペンタエリスリトール、及びエステル形成能を有するこれらの誘導体が挙げられる。
前記共重合可能なポリアルキレングリコールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及び、これらのランダムまたはブロック共重合体、ビスフェノール化合物のアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及びこれらのランダムまたはブロック共重合体等)付加物等の変性ポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
このようなポリエステル系共重合体樹脂の中でも、酸成分としてテレフタル酸を用い、グリコール成分としてエチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノールを用いて得られる飽和ポリエステル樹脂が好ましく、より具体的には、ポリエチレンテレフタレートにおけるエチレングリコール成分の20〜35モル%を1,4−シクロへキサンジメタノールで置換したポリエステル樹脂(以下、PETG樹脂と記載する。)が安価で入手しやすく、外観の良いフィルムを作製することができる。
このような外層1の厚さは、全層の厚さの30%以上45%以下であり、好ましくは、30%以上43%以下、より好ましくは、30%以上40%以下である。外層1の厚さが、全層の厚さの30%以上であることにより、カール性が良好となり、外層1の厚さが、全層の厚さの45%以下であることにより、比較的安価で、外観が優れたフィルムを得ることができる。外層1の厚さは、全層の厚さに対する比率が上記の範囲であれば、特に限定されないが、15〜35μmが好ましく、15〜30μmがより好ましい。
(接着樹脂層)
接着樹脂層21及び22は、外層1とエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23との間、非晶性ポリアミド樹脂層24とポリオレフィン樹脂からなる内層25との間、外層1と非晶性ポリアミド樹脂層24との間、又はエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23とポリオレフィン樹脂からなる内層25との間に配置される。接着樹脂層に用いられる樹脂としては、前記各層を必要な強度で接着できれば特に制限はないが、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系共重合体、ポリプロピレン系共重合体、ブテン系共重合体が挙げられ、これらの中でも、ポリエチレン系共重合体が好ましい。また、これら共重合体の形態としては、接着性を向上できる観点から、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が用いられ、特にランダム共重合体が好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂とは、オレフィンの共重合物である。
前記ポリエチレン系共重合体とは、エチレンと、エチレン以外のモノマーと、の共重合物である。
前記ポリプロピレン系共重合体とは、プロピレンと、プロピレン以外のモノマーと、の共重合物である。
前記ブテン系共重合体とは、ブテンと、ブテン以外のモノマーと、の共重合物である。
ポリエチレン系共重合体としては、特に限定されないが、エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。
エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体としては、無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリエチレン(以下、「LLDPE−g−MAH」と記載する。)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA樹脂」と記載する。)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(以下、「EMMA樹脂」と記載する。)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(以下、「EEA樹脂」と記載する。)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(以下、「EMA樹脂」と記載する。)、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(以下、「E−EA−MAH樹脂」と記載する。)、エチレン−アクリル酸共重合体(以下、「EAA樹脂」と記載する。)、エチレン−メタクリル酸共重合体(以下、「EMAA樹脂」と記載する。)、アイオノマー(以下、「ION樹脂」と記載する。)、エチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。なお、本明細書において、ION樹脂とは、エチレンと少量のアクリル酸又はメタクリル酸との共重合体を、酸部分と金属イオンとの塩形成によってイオン橋かけ構造にしたものを指す。
EMAA樹脂において、共重合させたモノマーの総質量に対する、共重合させたメタクリル酸の質量の比率は、特に限定されないが、多層フィルムの耐ピンホール性を向上できる観点から、5質量%以上40質量%以下が好ましく、8質量%以上20質量%以下がより好ましい。
これらの中でも、エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体は、LLDPE−g−MAH、EMAA樹脂、ION樹脂、及びエチレン系熱可塑性エラストマーからなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。これにより、柔軟かつ高い伸度を有する接着樹脂層を実現できるため、本発明の多層フィルムの耐衝撃性、及び耐ピンホール性をより向上できるとともに、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くできる。
接着樹脂層の厚さは、特に限定されないが、1〜15μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
(エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層)
本発明の多層フィルムは、内容物の変質を防ぐために、酸素バリアー性を有するエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)層23が配置される。EVOH層に含まれるEVOH樹脂において、共重合させたモノマーの総質量に対する、共重合させたエチレンの質量の比率は、24〜44モル%であることが好ましい。24モル%以上であることにより、多層フィルムは、容器形状への加工性により優れ、また、多層フィルムが加熱水や蒸気の影響を受け難くなり、酸素バリアー性がより向上する。一方、前記比率が44モル%以下であることにより、多層フィルムの乾燥状況下における酸素バリアー性がより良好となり、内容物の変質をより抑制させることができる。
エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層の厚さは、3〜20μmが好ましく、3〜15μmがより好ましい。エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層が3μm以上であることにより、より良好な酸素バリアー性が得られ、20μm以下であることにより、外観がより良好となる。
(非晶性ポリアミド樹脂層)
非晶性ポリアミド樹脂層24は、底材と蓋材をシールした際にフランジ部に発生するカールを抑制させる機能を有する。該非晶性ポリアミド樹脂層は、非晶性ポリアミド樹脂を含有する。
前記非晶性ポリアミド樹脂としては、ポリアミド樹脂をJIS K7121に準じて示差走査熱量計により昇温速度20℃/分で測定した場合に明確な融解ピーク温度を示さないものであれば特に制限はない。前記非晶性ポリアミド樹脂としては、例えばヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸及び/又はイソフタル酸との共重合物を主骨格とするものが挙げられる。このような非晶性ポリアミド樹脂としては、具体的には、ヘキサメチレンジアミン及びイソフタル酸の共重合体、ヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸の共重合体、ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、ヘキサメチレンジアミン及びイソフタル酸の共重合体等が挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。
前記ポリアミド系樹脂は、非晶性ポリアミド樹脂以外に結晶性ポリアミド樹脂を含有することができる。前記結晶性ポリアミド樹脂としては、ポリアミド樹脂をJISK7121に準じて示差走査熱量計により昇温速度20℃/分で測定した場合に明確な融解ピーク温度を示すものであれば特に制限はない。前記結晶性ポリアミド樹脂としては、例えばポリカプラミド(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン−2、6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン−4、6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6、6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6、10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン−6、12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン−8、6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン−10、8)や、共重合樹脂であるカプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6、6)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−12/6、6)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−2、6/6、6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6、6/6、10)、エチレンアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6、6/6、10)等が挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。
前記ポリアミド系樹脂として好適に用いられる樹脂は、結晶性ポリアミド樹脂60〜90質量部に非晶性ポリアミド樹脂40〜10質量部を含有した樹脂である。非晶性ポリアミド樹脂の含有量が10質量部以上であることにより、多層フィルムの剛性がより高くなり、手で触ったときにフィルムの腰が高く感じられるとともに、底材と蓋材をシールした時に発生するカールを抑制させる効果がより大きくなる。また、非晶性ポリアミド樹脂の含有量が40質量部以下であることにより、輸送時や誤って落下してしまった際にピンホールが発生しにくくなる。
非晶性ポリアミド樹脂層24の厚さに対する、外層の厚さの比率は、150%以上500%以下であり、好ましくは150%以上350%以下、より好ましくは150%以上300%以下、さらに好ましくは150%以上250%以下である。非晶性ポリアミド樹脂層24の厚さに対する、外層1の厚さの比率が、150%以上であることにより、底材と蓋材をシールした時に、外観が優れたフィルムを得ることができる。また、非晶性ポリアミド樹脂層24の厚さに対する、外層1の厚さの比率が、500%以下であることにより、底材と蓋材をシールした時に、カールの発生を抑制させることができる。非晶性ポリアミド樹脂層24の厚さは、外層の厚さに対する比率が上記の範囲内であれば、特に制限はないが、5〜25μmが好ましく、7〜20μmがより好ましく、15〜20μmがさらに好ましい。
(内層)
本発明の多層フィルムは、ポリオレフィン樹脂からなる内層25が配置される。該ポリオレフィン系樹脂からなる内層25を、イージーピール層3に隣接するように設けることにより、ピール強度をより均一にすることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂(以下、LDPE樹脂と記載する。)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以下、LLDPE樹脂と記載する。)、中密度ポリエチレン樹脂(以下、MDPE樹脂と記載する。)、高密度ポリエチレン樹脂(以下、HDPE樹脂と記載する。)、ポリプロピレン樹脂(以下、PP樹脂と記載する。)等のポリオレフィン樹脂、及び、エチレン共重合体であるEVA樹脂、EMMA樹脂、EEA樹脂、EMA樹脂、E−EA−MAH樹脂、EAA樹脂、EMAA樹脂、ION樹脂等のポリオレフィン系樹脂が好適である。内層25は、ポリオレフィン樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上を含んでいても良い。なかでも、LLDPE樹脂、又はION樹脂を用いることで、前記多層フィルム又は包装体の耐ピンホール性をより良好にすることができる。ここで言うLLDPE樹脂は、メタロセン触媒にて製造されたメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(mLLDPE樹脂)も含む。また、ION樹脂の分子鎖間を架橋する金属陽イオンとしてはNa+、Zn2+等があるがいずれのタイプでも良い。
内層25の厚さに対する、外層1の厚さの比率は、好ましくは150%以上200%以下、より好ましくは150%以上190%以下である。内層25の厚さに対する、外層1の厚さの比率が150%以上であることにより、底材と蓋材をシールした時に、カールの発生をより抑制させることができる。また、内層25の厚さに対する、外層1の厚さの比率が200%以下であることにより、前記多層フィルム又は包装体の輸送時や、これらを誤って落下させてしまった際に、これらにおいてピンホールが発生するのをより抑制させることができる。内層25の厚さは、外層1の厚さに対する比率が上記範囲内であれば、特に制限はないが、5〜20μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。
(イージーピール層)
イージーピール層3は、ポリオレフィン樹脂からなる内層25に隣接して配置される。イージーピール層3を構成する樹脂は、イージーピール機能を有する樹脂であれば特に限定はなく、非相溶性の2種のポリオレフィン樹脂の混合物を用いることができる。
非相溶性の2種のポリオレフィン樹脂の混合物としては、例えば、EVA樹脂、EMMA樹脂、EEA樹脂、EMA樹脂、E−EA−MAH樹脂、EAA樹脂、EMAA樹脂、ION樹脂等のエチレン共重合体と、PP樹脂と、の混合物等が挙げられる。イージーピール性は、例えば、EMAA樹脂あるいはEMMA樹脂等のエチレン共重合体10〜90質量部に、PP樹脂90〜10質量部を含有させることで付与することができる。エチレン共重合体が10質量部以上であることにより、イージーピール性が良好となり、90質量部以下であることにより、ピール強度のばらつきが小さくなる。
イージーピール層3の厚さは、2μm以上15μm以下であることが好ましく、2μm以上10μm以下であることがより好ましく、3μm以上8μm以下であることがさらに好ましい。イージーピール層を2μm以上とすることで、安定した製膜性が得られ、15μm以下とすることにより、剥離時に毛羽立ちや膜残りの発生を抑制させることができる。
本発明の多層フィルムにおける各層については、酸化防止剤;スリップ剤;アンチブロッキング剤;帯電防止剤;紫外線吸収剤;樹脂改質剤;染料及び顔料等の着色剤;安定剤等の添加剤;フッ素樹脂、シリコンゴム等の耐衝撃性付与剤;酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤を含有しても良い。
(多層フィルム)
本発明の多層フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、数台の押出機により、原料となる樹脂等を溶融押出するフィードブロック法やマルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法等が挙げられる。これらのなかでも、層の厚さ精度の点から、共押出Tダイ法が好ましい。
本発明の多層フィルムの全層(外層、接着樹脂層、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層、非晶性ポリアミド樹脂層、接着樹脂層、ポリオレフィン樹脂からなる内層、及びシール層を合わせた全層)の厚さは、50μm以上75μm以下であり、50μm以上70μm以下であることが好ましい。全層の厚さが、50μm以上であることにより、多層フィルム自体の強度が高くなり、耐ピンホール性に優れるとともに、底材と蓋材をシールした時に発生するカールを抑制させることができる。また、全層の厚さが75μm以下であることにより、比較的安価で、外観が優れた多層フィルムを得ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
1.多層フィルムの作製
図1に示すように、外層1を構成する樹脂としてPETG樹脂(品番GN071、イーストマンケミカルジャパン(株)製)と、接着樹脂層21及び22を構成する樹脂として、接着性樹脂(品番アドマーQF551、三井化学(株)製)と、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23を構成する樹脂としてEVOH樹脂(品番J102B、(株)クラレ製)と、非晶性ポリアミド樹脂層24を構成する樹脂として、ポリアミド系樹脂〔結晶性ポリアミド樹脂(品番1030B、宇部興産(株)製)60質量部に対し、非晶性ポリアミド樹脂(品番シーラPA 3426、三井・デュポンポリケミカル(株)製)を40質量部含有した樹脂、JIS K7127に準じて測定した引張弾性率800MPa〕と、ポリオレフィン樹脂からなる内層25を構成する樹脂としてLLLDPE樹脂(品番ELITE 5220G、ダウ・ケミカル(株)製)と、イージーピール層3を構成する樹脂として、ホモポリプロピレン樹脂(品番ノーブレンFS2111DG3、住友化学(株)製)と、を用いて、共押出Tダイ法で共押出し、外層、接着樹脂層、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層、非晶性ポリアミド樹脂層、接着樹脂層、ポリオレフィン樹脂からなる内層、及びシール層が、この順に積層された多層フィルム90を作製した。
得られた多層フィルム90の各層の厚さは、外層1が19.2μm、接着樹脂層21が5.1μm、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23が5.7μm、非晶性ポリアミド樹脂層24が9.9μm、接着樹脂層22が3.6μm、ポリオレフィンからなる内層25が10.2μm、イージーピール層3が6.3μmであった。多層フィルム90の全層の厚さは60μmであり、全層の厚さに対する、外層1の厚さの比率は32.0%であり、非晶性ポリアミド層24の厚さに対する、外層1の厚さの比率は193.9%であり、内層25の厚さに対する、外層1の厚さの比率は188.2%であった。
2.スライスハム包装体の作製
2軸延伸ポリプロピレンフィルム4(OPPフィルム、厚さ30μm)と、アルミ蒸着を施した2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム5(VM−PETフィルム、厚さ12μm)と、LLDPE樹脂(品番ウルトゼックス2022L、(株)プライムポリマー製)をTダイ押出法にて製膜したLLDPEフィルム6(30μm)と、をドライラミネート法により貼り合せた多層のフィルム100(図3を参照)を蓋材とした。また、上記で得られた多層フィルム90を底材とした。そして、深絞り型全自動真空包装機(型番FV−6300、大森機械工業(株)製)を用いて、これら蓋材及び底材から、スライスハム50gをパックして包装体を作製した。ここでの真空成形時の底材の絞り深さは8mmとした。
(実施例2)
各層の厚さを変えた以外は実施例1と同様にして、外層1が18.5μm、接着樹脂層21が5.1μm、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23が5.7μm、非晶性ポリアミド樹脂層24が9.9μm、接着樹脂層22が3.6μm、ポリオレフィンからなる内層25が12.0μm、イージーピール層3が5.2μmである多層フィルム90を得た。多層フィルム90の全層の厚さは60μmであり、全層の厚さに対する、外層1の厚さの比率は30.8%であり、非晶性ポリアミド層24の厚さに対する、外層1の厚さの比率は186.9%であり、内層25の厚さに対する、外層1の厚さの比率は154.2%であった。
(実施例3)
各層の厚さを変えた以外は実施例1と同様にして、外層1が19.0μm、接着樹脂層21が5.1μm、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23が5.7μm、非晶性ポリアミド樹脂層24が10.3μm、接着樹脂層22が3.6μm、ポリオレフィンからなる内層25が10.0μm、イージーピール層3が6.3μmである多層フィルム90を得た。多層フィルム90の全層の厚さは60μmであり、全層の厚さに対する、外層1の厚さの比率は31.7%であり、非晶性ポリアミド層24の厚さに対する、外層1の厚さの比率は184.5%であり、内層25の厚さに対する、外層1の厚さの比率は190.0%であった。
(実施例4)
各層の厚さを変えた以外は実施例1と同様にして、外層1が18.0μm、接着樹脂層21が5.1μm、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23が5.7μm、非晶性ポリアミド樹脂層24が9.9μm、接着樹脂層22が3.6μm、ポリオレフィンからなる内層25が10.2μm、イージーピール層3が7.5μmである多層フィルム90を得た。多層フィルム90の全層の厚さは60μmであり、全層の厚さに対する、外層1の厚さの比率は30.0%であり、非晶性ポリアミド層24の厚さに対する、外層1の厚さの比率は181.8%であり、内層25の厚さに対する、外層1の厚さの比率は176.5%であった。
(実施例5)
各層の厚さを変えた以外は実施例1と同様にして、外層1が22.5μm、接着樹脂層21が4.1μm、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23が5.7μm、非晶性ポリアミド樹脂層24が6.6μm、接着樹脂層22が3.6μm、ポリオレフィンからなる内層25が11.8μm、イージーピール層3が5.7μmである多層フィルム90を得た。多層フィルム90の全層の厚さは60μmであり、全層の厚さに対する、外層1の厚さの比率は37.5%であり、非晶性ポリアミド層24の厚さに対する、外層1の厚さの比率は340.9%であり、内層25の厚さに対する、外層1の厚さの比率は190.7%であった。
(比較例1)
各層の厚さを変えた以外は実施例1と同様にして、外層1が16.0μm、接着樹脂層21が5.1μm、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23が5.7μm、非晶性ポリアミド樹脂層24が8.9μm、接着樹脂層22が3.6μm、ポリオレフィンからなる内層25が10.2μm、イージーピール層3が10.5μmである多層フィルムを得た。多層フィルムの全層の厚さは60μmであり、全層の厚さに対する、外層1の厚さの比率は26.7%であり、非晶性ポリアミド層24の厚さに対する、外層1の厚さの比率は179.8%であり、内層25の厚さに対する、外層1の厚さの比率は156.9%であった。
(比較例2)
各層の厚さを変えた以外は実施例1と同様にして、外層1が26.8μm、接着樹脂層21が5.0μm、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23が2.4μm、非晶性ポリアミド樹脂層24が4.6μm、接着樹脂層22が3.0μm、ポリオレフィンからなる内層25が12.4μm、イージーピール層3が5.8μmである多層フィルムを得た。多層フィルムの全層の厚さは60μmであり、全層の厚さに対する、外層1の厚さの比率は26.8%であり、非晶性ポリアミド層24の厚さに対する、外層1の厚さの比率は582.6%であり、内層25の厚さに対する、外層1の厚さの比率は216.1%であった。
(比較例3)
各層の厚さを変えた以外は実施例1と同様にして、外層1が19.5μm、接着樹脂層21が5.1μm、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層23が5.7μm、非晶性ポリアミド樹脂層24が10.3μm、接着樹脂層22が3.6μm、ポリオレフィンからなる内層25が9.5μm、イージーピール層3が6.3μmである多層フィルムを得た。多層フィルムの全層の厚さは60μmであり、全層の厚さに対する、外層1の厚さの比率は32.5%であり、非晶性ポリアミド層24の厚さに対する、外層1の厚さの比率は189.3%であり、内層25の厚さに対する、外層1の厚さの比率は205.3%であった。
各実施例及び各比較例で得られた多層フィルムを用いた包装体について、以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表1に示す。
(カール性)
スライスハムを包装した直後に、水平に設置された測定台の上で包装体の底材側を上にして置き、包装体の4隅のカール高さを測定した。各符号は、以下の通りである。なお、評価はn=10で行った。
○:4隅のカール高さの平均値が11mm未満であった。
△:4隅のカール高さの平均値が11mm以上、15mm以下であった。
×:4隅のカール高さの平均値が15mmを超えていた。
(耐ピンホール性)
包装体20個をダンボールに入れ、ダンボールの各面を下にして1mの高さからコンクリート上に各5回、計30回ダンボールを落下させたときに包装体に発生したピンホール数を評価した。各符号は、以下の通りである。
○:全ての包装体にピンホールが発生しなかった。
×:1個以上の包装体にピンホールが発生した。
Figure 0006822447
表1に示したように全層の厚さに対する、外層の厚さの比率が、30%以上45%以下であり、非晶性ポリアミド樹脂層の厚さに対する、外層の厚さの比率が、150%以上500%以下である実施例1〜5の多層フィルムを用いることにより、カール性及び耐ピンホール性の良好な包装体を得ることができた。また、実施例1〜5の多層フィルムは、透明性、腰も十分であり、深絞り型全自動真空包装機での成形性にも優れていた。それに対し、全層の厚さに対する、外層の厚さの比率が、30%未満である比較例1の多層フィルム、及び非晶性ポリアミド樹脂層の厚さに対する、外層の厚さの比率が、500%以上である比較例2の多層フィルムを用いた包装体は、実施例1〜5の多層フィルムを用いた包装体と比較して、カール性において劣っていた。また、内層の厚さに対する、外層の厚さの比率が、200%を超える比較例2及び3の多層フィルムを用いた包装体は、実施例1〜5の多層フィルムを用いた包装体と比較して、耐ピンホール性において劣っていた。
本発明の多層フィルムは、その多層フィルムを成形した後、中身を充填し、蓋材によりシールされる包装体に使用することで、カール性、耐ピンホール性に優れた包装体を得ることができる。
1…外層
21…接着剤層
22…接着剤層
23…エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層
24…非晶性ポリアミド樹脂層
25…内層
3…イージーピール層
4…OPPフィルム
5…VM−PETフィルム
6…LLDPEフィルム
90…多層フィルム
91…多層フィルム
100…蓋材フィルム

Claims (3)

  1. 外層、接着樹脂層、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層、非晶性ポリアミド樹脂層、接着樹脂層、ポリオレフィン樹脂からなる内層、及びイージーピール層が、この順に積層された多層フィルム、又は、外層、接着樹脂層、非晶性ポリアミド樹脂層、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層、接着樹脂層、ポリオレフィン樹脂からなる内層、及びイージーピール層が、この順に積層された多層フィルムであって、
    全層の厚さが、50μm以上75μm以下であり、
    全層の厚さに対する、外層の厚さの比率が、30%以上45%以下であり、
    非晶性ポリアミド樹脂層の厚さに対する、外層の厚さの比率が、150%以上500%以下であり、
    内層の厚さに対する、外層の厚さの比率が、150%以上200%以下である多層フィルム。
  2. 前記内層が直鎖状低密度ポリエチレン層である、請求項に記載の多層フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の多層フィルムを成形し、蓋材とシールしてなる包装体。
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