JP7258090B2 - ガゼット袋およびスパウト付ガゼット袋 - Google Patents
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Description
[1]対向する一対の平面部と内部側に折り込まれた対向する一対の側面部とを備えるガゼット袋であって、
前記一対の平面部の少なくとも一方が、ポリエステル層の内側にポリアミド層を有する共押出二軸延伸フィルムと、金属層又は蒸着フィルム層と、シーラント層とが外側からこの順に積層された積層体(A)により形成され、
前記一対の側面部が、外側フィルム層と、金属層又は蒸着フィルム層と、中間フィルム層と、シーラント層とを有する積層体(B)により形成されている、ガゼット袋。
[2]前記一対の平面部の両方が前記積層体(A)により形成されている、[1]に記載のガゼット袋。
[3]前記共押出二軸延伸フィルムの前記ポリエステル層の厚みが、前記共押出二軸延伸フィルムの総厚に対して20~50%である、[1]又は[2]に記載のガゼット袋。
[4]前記一対の平面部の一方が前記積層体(A)により形成され、前記一対の平面部の他方と前記一対の側面部が1枚の前記積層体(B)で形成されている、[1]又は[3]に記載のガゼット袋。
[5]前記積層体(B)が、外側から順に外側フィルム層、金属層又は蒸着フィルム層、中間フィルム層、及びシーラント層が積層された積層体である、[1]~[4]のいずれかに記載のガゼット袋。
[6][1]~[5]のいずれかに記載のガゼット袋にスパウトが取り付けられたスパウト付ガゼット袋。
[7][1]~[5]のいずれかに記載のガゼット袋に内容物が収納された内容物入りガゼット袋。
[8][6]に記載のスパウト付ガゼット袋に内容物が収納された内容物入りスパウト付ガゼット袋。
樹脂について「結晶性」とは、JIS K 7121に基づく示差走査熱量測定において融解熱量が観察されることを意味する。また「非晶性」とは、JIS K 7121に基づく示差走査熱量測定において融解熱量が観察されないことを意味する。
「ポリエステル層/ポリアミド層」とは、ポリエステル層とポリアミド層とが積層されている積層構成を意味し、他の積層構成についても同様に記す。
なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
ガゼット袋10は、図1~3に示すように、対向する一対の平面部14,14と、平面部14,14の側端同士を接続するように設けられ、内部側に折り込まれた対向する一対の側面部16,16とを備えている。
下端シール部22では、半折された一対の側面部16,16が一対の平面部14,14で狭持されている。この例では、一対の平面部14,14の下端側が窄んだ形状になっており、下端シール部22の正面視形状は幅方向の中央部が幅方向に沿った直線状で、幅方向の両側が上方に向かうにしたがって広がる傾斜した直線状である屈曲した形状になっている。
ガゼット袋10は、一対の側面部16,16がそれぞれの幅方向の中央部に高さ方向に延びる折り線16a,16aにてそれぞれガゼット袋10の内部側に向けられて半折されることで形成される横ガゼット部24,24を有している。
ジカルボン酸としては、スルホン基含有ジカルボン酸を用いてもよい。スルホン基含有ジカルボン酸としては、例えば、5-スルホイソフタル酸、2-スルホイソフタル酸、4-スルホイソフタル酸、3-スルホフタル酸、5-スルホイソフタル酸ジアルキル、2-スルホイソフタル酸ジアルキル、4-スルホイソフタル酸ジアルキル、3-スルホイソフタル酸ジアルキル、及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
脂肪族ジオール類としては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール)、1,2-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-2、4-ペンタンジオール、3-メチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールが挙げられる。
脂環式ジオール類としては、例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロへキシル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロへキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。
スルホン基含有ジオールとしては、例えば、1,3-ジヒドロキシブタンスルホン酸、1,4-ジヒドロキシブタンスルホン酸が挙げられる。
ポリエステル層30a中の結晶性ポリエステルの含有量は、ポリエステル層30aの総質量に対して、50~100質量%が好ましく、70~100質量%がより好ましい。
非晶性芳香族ポリアミドとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンと、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合で得られるアモルファスナイロンが挙げられ、ヘキサメチレンジアミン-テレフタル酸-ヘキサメチレンジアミン-イソフタル酸共重合体が好ましい。
脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドを組み合わせる場合、ナイロン-6とMXD-ナイロンの組み合わせ、ナイロン-6とアモルファスナイロンの組み合わせが好ましい。
接着層を形成する材料としては、特に限定されず、例えば、不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性された酸変性樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、変性ポリオレフィン、変性スチレン系エラストマー等が挙げられる。変性ポリオレフィンは、例えば、不飽和カルボン酸又はその誘導体と樹脂とをラジカル発生剤の存在下で加熱混合して得られる。
スチレン系エラストマーは、スチレン-ブタジエン共重合体の水素添加物やスチレン-イソプレン共重合体の水素添加物等を例示できる。変性スチレン系エラストマーとして、無水マレイン酸で変性したスチレン-ブタジエン共重合体水素添加物が好ましい。
ポリエステル層の厚みは、フィルム(a)の総厚に対して10~90%が好ましく、20~50%がより好ましい。ポリエステル層の厚みがフィルム(a)の総厚に対して10%以上であれば、フィルム(a)は、耐熱性、寸法安定性に優れる。積層体(A)を形成したときの耐衝撃性を有し、積層体(A)を平面部に用いてガゼット袋を形成したときに、落下や流通段階での負荷等の衝撃が加わっても、金属層又は蒸着フィルム層の割れや破袋が起こりにくくなる。さらに20%以上であれば、積層体(A)を平面部に用いてガゼット袋を形成したときに、強い衝撃が加わっても金属層又は蒸着フィルム層の割れや破袋を防止することができる優れた耐衝撃性を有している。
ポリアミド層の厚みは、フィルム(a)の総厚に対して10~90%が好ましく、50~80%がより好ましい。
金属層32が金属箔である場合の厚みは、6~15μmが好ましく、7~12μmがより好ましい。
金属層32の代わりに蒸着フィルム層を用いる場合、蒸着基材のフィルム(a)側の表面に粒子が蒸着されてもよく、蒸着基材のシーラント層側の表面に粒子が蒸着されてもよい。
シーラント層34を形成するヒートシール性を有する材質としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等が挙げられる。シーラント層34は、これらの1種以上の樹脂、又は該樹脂を用いたフィルムを用いて形成できる。シーラント層34は、単層であってもよく、多層であってもよい。
DL層36,38を形成するドライラミネート接着剤としては、用途に応じて一般的に用いられているものを用いればよい。内容物が液体である場合には、高分子末端に水酸基を有するポリオール成分を主剤とし、高分子末端に水酸基を有するポリイソシアネート成分を硬化剤とする、二液反応型ポリウレタン系接着剤が好ましい。
外側フィルム層40を形成するフィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレンビニルアルコール共重合体等が挙げられる。外側フィルム層40を形成するフィルムは、無延伸フィルムであってもよく、延伸フィルムであってもよいが、一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムが好ましい。
外側フィルム層40は、前記したフィルムの単体であってもよく、積層体であってもよい。
外側フィルム層40の厚みは、9~25μmが好ましく、10~20μmがより好ましい。
中間フィルム層44を形成するフィルムの材質としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が挙げられる。中間フィルム層44を形成するフィルムは、無延伸フィルムであってもよく、延伸フィルムであってもよいが、一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムが好ましい。
中間フィルム層44としては、前記した材質のフィルム、ポリアミドとエチレン-ビニルアルコール共重合体の共押出フィルム、及びそれらの二軸延伸フィルムなどが好適に使用できる。
DL層48,50,52としては、積層体(A)26のDL層36,38で挙げたものと同じものが挙げられ、好ましい態様も同じである。
積層体(B)28,28Aは、例えば、外側フィルム層40、金属層42、中間フィルム層44及びシーラント層46を3回のドライラミネート加工により積層することで得られる。
このように、ガゼット袋10においては、一対の平面部14,14の一方又は両方を積層体(A)26で形成し、一対の側面部16,16を積層体(B)28や積層体(B)28Aで形成することで、落下や流通段階にかかる負荷に対する優れた耐衝撃性を確保し、バリア性が低下することがなく、内容物を十分に保護することができつつ、高い生産効率が得られる。
合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエーテルサルホン、エチレン-ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。なかでも、加工性に優れ、低コストである点から、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
スパウト12のうち、少なくともガゼット袋10の平面部14とシールされる部分を形成する樹脂は、シール性の点から、平面部14の最内層を形成する樹脂と同種の樹脂で形成されていることが好ましい。
ガゼット袋10Aは、袋の前面となる側の一方の平面部14と一対の側面部16が1枚の積層体(B)28で形成され、袋の背面となる側の他方の平面部14が1枚の積層体(A)26で形成されている。ガゼット袋10Aにおいては、一方の平面部14と一対の側面部16,16を形成する1枚の積層体(B)28の両側の側端と、他方の平面部14を形成する積層体(A)26の両側の側端とがヒートシールされて2つの側端シール部18Aが形成されている。なお、袋の前面となる側の一方の平面部14と一対の側面部16は1枚の積層体(B)28Aで形成されていてもよい。さらに前面と背面とが逆となってもよい。
ガゼット袋10Aとガゼット袋10と比較すると、ガゼット袋10は積層体(A)で形成される面が多いため、より高い生産効率が得られる点で好ましい。一方、ガゼット袋10Aは、側端シール部18Aが、ガゼット袋10の側端シール部18のように外方に飛び出していない部分があるため、側端シール部が手に与える不快感が少ない点で好ましい。
[材料]
本実施例で使用した材料を以下に示す。
フィルム(a-1):共押出二軸延伸フィルム、厚み15μm。
ポリエステル層の厚み:2μm、ポリアミド層の厚み:13μm
フィルム(a-2):共押出二軸延伸フィルム、厚み15μm。
ポリエステル層の厚み:5μm、ポリアミド層の厚み:10μm
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み12μm。
AL:アルミニウム箔、厚み7μm。
ONY:延伸ナイロンフィルム、厚み15μm。
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、厚み60μm。
ドライラミネート接着剤:二液硬化型ポリウレタン系接着剤。
タンデムドライラミネート機を用いた1度のドライラミネート加工によって、フィルム(a)であるフィルム(a-1)と金属層であるALとシーラント層であるLLDPEとを貼り合わせ、フィルム(a-1)/DL層/AL(7μm)/DL層/LLDPE(60μm)の積層構成の積層体(A-1)を得た。
タンデムドライラミネート機を用いて、ドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネートによって、外側フィルム層であるPETと金属層であるALと中間フィルム層であるONYとを貼り合わせ、PET/DL層/AL/DL層/ONYの積層構成の積層体を得た。次いで、シングルドライラミネート機により、前記積層体のONY側にシーラント層であるLLDPEを貼り合わせ、PET(12μm)/DL層/AL(7μm)/DL層/ONY(15μm)/DL層/LLDPE(60μm)の積層構成の積層体(B-1)を得た。
一対の平面部を形成する積層体として積層体(A-1)を用い、一対の側面部を形成する積層体として積層体(B-1)を用いて、図1~3に例示したスパウト付ガゼット袋1と同じ形態のスパウト付ガゼット袋を作製した。
フィルム(a-1)の代わりにフィルム(a-2)を用いた以外は、実施例1と同様にして積層体(A-2)を得た。
一対の平面部を形成する積層体を積層体(A-2)に変更した以外は、実施例1と同様にしてスパウト付ガゼット袋を作製した。
タンデムドライラミネート機を用いて、ドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネートによって、外側フィルム層であるPETと中間フィルム層であるONYと金属層であるALとを貼り合わせ、PET/DL層/ONY/DL層/ALの積層構成の積層体を得た。次いで、シングルドライラミネート機により、前記積層体のAL側にシーラント層であるLLDPEを貼り合わせ、PET(12μm)/DL層/ONY(15μm)/DL層/AL(7μm)/DL層/LLDPE(60μm)の積層構成の積層体(B-2)を得た。
一対の平面部を形成する積層体を積層体(A-2)に変更し、一対の側面部を形成する積層体として積層体(B-2)に変更した以外は、実施例1と同様にしてスパウト付ガゼット袋を作製した。
一対の側面部を形成する積層体を積層体(A-1)に変更した以外は、実施例1と同様にしてスパウト付ガゼット袋を作製した。
一対の平面部を形成する積層体を積層体(B-1)に変更した以外は、実施例1と同様にしてスパウト付ガゼット袋を作製した。
一対の側面部を形成する積層体を積層体(A-1)に変更し、一対の平面部を形成する積層体を積層体(B-1)に変更した以外は、実施例1と同様にしてスパウト付ガゼット袋を作製した。
各例のスパウト付ガゼット袋の内部に水を180g入れ、袋の底部を下にして150cmの高さから落下させた後、アルミニウム箔の割れ、破袋の有無を目視にて確認した。同様の試験を10個のスパウト付ガゼット袋について行い、側面部の折り線と上端シール部、下端シール部とが交わる部分において、アルミニウム箔の割れや破袋が生じた袋の数を計測した。
各例のスパウト付ガゼット袋の内部に水を180g入れ、袋の平面部を下にして置き、上から所定の荷重を1分間加えて、ガゼット袋の強度を示す耐圧縮試験を行い、アルミニウム箔の割れ、破袋の有無を目視にて確認した。同様の試験を10個のスパウト付ガゼット袋について行い、側面部の折り線と上端シール部、下端シール部とが交わる部分において、アルミニウム箔の割れや破袋が生じた袋の数を計測した。ここで、耐圧縮試験とは、保管や輸送などの流通過程において、スパウト付ガゼット袋には様々な負荷がかかるため、その負荷に対して耐性があるかを確認する試験である。すなわち、負荷により想定される圧縮荷重をスパウト付ガゼット袋に加えて、それに対してスパウト付ガゼット袋の、シール部からの漏れなどの破袋やアルミニウム箔の割れの有無を確認する試験である。
結果を表1に示す。表1中のN/10は、10袋中N個にアルミニウム箔の割れや破袋が生じたことを示す。
一対の平面部及び一対の側面部を積層体(B)で形成した比較例2のスパウト付ガゼット袋は、積層体(B)の製造に少なくとも2度のドライラミネートが必要であり、生産効率が低かった。
一対の平面部が積層体(B)で形成され、一対の側面部が積層体(A)で形成されている比較例3のスパウト付ガゼット袋は、落下試験及び耐圧縮試験における、アルミニウム箔の割れや破袋が生じた袋の数が多く、耐衝撃性が劣っていた。
Claims (2)
- 対向する一対の平面部と内部側に折り込まれた対向する一対の側面部とを備えるガゼット袋であって、
前記一対の平面部の少なくとも一方が、ポリエステル層の内側にポリアミド層を有する共押出二軸延伸フィルムと、金属層又は蒸着フィルム層と、シーラント層とが外側からこの順に積層された積層体(A)により形成され、
前記共押出二軸延伸フィルムは、一方の表面が前記ポリエステル層、他方の表面が前記ポリアミド層であり、
前記一対の側面部が、外側フィルム層と、金属層又は蒸着フィルム層と、中間フィルム層と、シーラント層とを有する積層体(B)により形成され、
前記外側フィルム層が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、
前記中間フィルム層が、ポリアミドを含むフィルムであり、
前記積層体(B)が、外側から順に外側フィルム層、中間フィルム層、金属層又は蒸着フィルム層、及びシーラント層が積層された積層体である、ガゼット袋。 - 請求項1に記載のガゼット袋にスパウトが取り付けられたスパウト付ガゼット袋。
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