JP2021183519A - ガゼット袋およびスパウト付ガゼット袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産効率が高く、かつ耐衝撃性に優れ、落下した際や、流通段階にかかる負荷により損傷が生じにくいガゼット袋及びスパウト付ガゼット袋を提供することを目的とする。【解決手段】対向する一対の平面部と内部側に折り込まれた対向する一対の側面部とを備えたガゼット袋において、一対の平面部の少なくとも一方が、ポリエステル層の内側にポリアミド層を有する共押出二軸延伸フィルムと、金属層又は蒸着フィルム層と、シーラント層とが外側からこの順に積層された積層体(A)により形成され、共押出二軸延伸フィルムは、一方の表面がポリエステル層、他方の表面がポリアミド層であり、一対の側面部が、外側フィルム層と、金属層又は蒸着フィルム層と、中間フィルム層と、シーラント層とを有する積層体(B)により形成され、外側フィルム層が二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、中間フィルム層がポリアミドを含むフィルムである。【選択図】図2

Description

本発明は、ガゼット袋およびスパウト付ガゼット袋に関する。
ジュース等の液体飲料やゼリー状食品を充填する包装容器として、対向する一対の平面部と内部側に折り込まれた対向する一対の側面部とを備えるガゼット袋にスパウトが取り付けられたスパウト付ガセット袋が広く用いられている。
ガゼット袋の平面部や側面部を形成する包材としては、例えば、ポリエステルフィルムと、アルミホイルと、延伸ナイロンフィルムと、低密度ポリエチレンフィルムと、これら4層がこの順に積層された積層体が知られている(特許文献1)。ポリエステルフィルムにより、外表面の印刷適性、寸法安定性、耐熱性が付与される。アルミホイルにより、袋外部からの酸素、水蒸気、光が遮断される。延伸ナイロンフィルムにより耐衝撃性が付与される。低密度ポリエチレンフィルムによりヒートシール性が付与される。この積層体は、フィルム等の層間に接着剤を塗布して乾燥させて貼り合わせるドライラミネート法により積層されている。
ドライラミネート機としては、1度に2枚のフィルム等を1層の接着剤層を介して貼り合わせるシングルドライラミネート機と、1度に3枚のフィルム等を2層の接着剤層を介して貼り合わせるタンデムドライラミネート機が知られている。これらのドライラミネート機を用いて特許文献1に記載の積層体を製造する場合、シングルラミネート機を用いると3回、タンデムラミネート機を用いても2回のドライラミネート加工が必要であり、生産効率が悪い。
包材としては、ポリエステル層の内側にポリアミド層を有する共押出二軸延伸フィルムと、ガスバリア層と、シール層とがこの順に積層された積層体も知られている(特許文献2)。この積層体は、共押出二軸延伸フィルムとガスバリア層とシール層をドライラミネート法により2層の接着剤層を介して貼り合わせることで得られる。そのため、特許文献2に記載の積層体は、シングルドライラミネート機を用いる場合は2回、タンデムラミネート機を用いる場合は1回のドライラミネート加工で貼り合わせることができ、ポリエステルフィルムとアルミホイルと延伸ナイロンフィルムと低密度ポリエチレンフィルムとを3層の接着材層を介して貼り合わせる特許文献1に記載の積層体に比べてドライラミネート加工の回数を少なくでき、生産効率が高い。
特開2000−103438号公報 特開2010−42585号公報
しかし、本発明者が検討したところ、特許文献2に記載の積層体により一対の平面部と一対の側面部を形成したガゼット袋では、特許文献1に記載の積層体を用いたガゼット袋に比べて耐衝撃性が劣り、落下した際や、流通段階にかかる負荷により破袋が生じやすいことが分かった。また、特許文献2に記載の積層体のガスバリア層を金属箔とすると、ガゼット袋が落下した際や、流通段階にかかる負荷により金属箔に割れが生じやすいことも分かった。金属箔に割れが生じると、ガゼット袋のガスバリア性が大きく低下してしまい、内容物の保護が不充分となってしまうとの問題があった。またこのことは金属箔に代えて蒸着フィルムを用いた場合も同様の問題があった。
本発明は、生産効率が高く、かつ耐衝撃性に優れ、落下した際や、流通段階にかかる負荷により損傷が生じにくいガゼット袋、スパウト付ガゼット袋、内容物入りガゼット袋及び内容物入りスパウト付ガゼット袋を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]対向する一対の平面部と内部側に折り込まれた対向する一対の側面部とを備えるガゼット袋であって、
前記一対の平面部の少なくとも一方が、ポリエステル層の内側にポリアミド層を有する共押出二軸延伸フィルムと、金属層又は蒸着フィルム層と、シーラント層とが外側からこの順に積層された積層体(A)により形成され、
前記一対の側面部が、外側フィルム層と、金属層又は蒸着フィルム層と、中間フィルム層と、シーラント層とを有する積層体(B)により形成されている、ガゼット袋。
[2]前記一対の平面部の両方が前記積層体(A)により形成されている、[1]に記載のガゼット袋。
[3]前記共押出二軸延伸フィルムの前記ポリエステル層の厚みが、前記共押出二軸延伸フィルムの総厚に対して20〜50%である、[1]又は[2]に記載のガゼット袋。
[4]前記一対の平面部の一方が前記積層体(A)により形成され、前記一対の平面部の他方と前記一対の側面部が1枚の前記積層体(B)で形成されている、[1]又は[3]に記載のガゼット袋。
[5]前記積層体(B)が、外側から順に外側フィルム層、金属層又は蒸着フィルム層、中間フィルム層、及びシーラント層が積層された積層体である、[1]〜[4]のいずれかに記載のガゼット袋。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載のガゼット袋にスパウトが取り付けられたスパウト付ガゼット袋。
[7][1]〜[5]のいずれかに記載のガゼット袋に内容物が収納された内容物入りガゼット袋。
[8][6]に記載のスパウト付ガゼット袋に内容物が収納された内容物入りスパウト付ガゼット袋。
本発明のガゼット袋、スパウト付ガゼット袋、内容物入りガゼット袋及び内容物入りスパウト付ガゼット袋は、生産効率が高く、かつ耐衝撃性に優れ、落下した際や、流通段階にかかる負荷による損傷が生じにくい。
本発明のスパウト付ガゼット袋の一例を示した正面図である。 図1のスパウト付ガゼット袋に内容物を充填した様子を示した斜視図である。 図1のスパウト付ガゼット袋のI−I断面図である。 ガゼット袋の平面部を形成する積層体(A)の一例を示した断面図である。 ガゼット袋の側面部を形成する積層体(B)の一例を示した断面図である。 ガゼット袋の側面部を形成する積層体(B)の他の例を示した断面図である。 本発明のガゼット袋の一例を示した断面図である。
本明細書における以下の用語の意味は、以下の通りである。
樹脂について「結晶性」とは、JIS K 7121に基づく示差走査熱量測定において融解熱量が観察されることを意味する。また「非晶性」とは、JIS K 7121に基づく示差走査熱量測定において融解熱量が観察されないことを意味する。
「ポリエステル層/ポリアミド層」とは、ポリエステル層とポリアミド層とが積層されている積層構成を意味し、他の積層構成についても同様に記す。
本発明のガゼット袋及びスパウト付ガゼット袋は、スパウトの有無以外は、同様の形態のガゼット袋である。また、本発明の内容物入りガゼット袋及び内容物入りスパウト付ガゼット袋は、内容物が収納されている以外は、本発明のガゼット袋及びスパウト付ガゼット袋と同様である。以下、本発明のガゼット袋及びスパウト付ガゼット袋の実施形態として、スパウトを備えるスパウト付ガゼット袋の一例を示して詳細に説明する。
なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本実施形態のスパウト付ガゼット袋1は、図1に示すように、ガゼット袋10と、ガゼット袋10に液密に取り付けられたスパウト12と、スパウト12に装着されるキャップ13とを備えている。
ガゼット袋10は、図1〜3に示すように、対向する一対の平面部14,14と、平面部14,14の側端同士を接続するように設けられ、内部側に折り込まれた対向する一対の側面部16,16とを備えている。
ガゼット袋10における一対の平面部14,14と一対の側面部16,16とは、隣り合う平面部14と側面部16の側端同士がヒートシールされることで高さ方向に延びる4つの側端シール部18が形成されている。また、ガゼット袋10の上端には平面部14と側面部16とがヒートシールされた上端シール部20が形成され、下端には平面部14と側面部16とがヒートシールされた下端シール部22が形成されている。すなわち、4つの側端シール部18によって一対の平面部14,14と一対の側面部16,16とで形成される筒状体の上端開口部と下端開口部がそれぞれ上端シール部20と下端シール部22で閉じられることでガゼット袋10が形成されている。これにより、スパウト付ガゼット袋1は、ガゼット袋10内に内容物を収容できるようになっている。
上端シール部20では、半折された一対の側面部16,16が一対の平面部14,14で狭持され、かつ、スパウト12が一対の平面部14,14で狭持されて液密に固定されている。
下端シール部22では、半折された一対の側面部16,16が一対の平面部14,14で狭持されている。この例では、一対の平面部14,14の下端側が窄んだ形状になっており、下端シール部22の正面視形状は幅方向の中央部が幅方向に沿った直線状で、幅方向の両側が上方に向かうにしたがって広がる傾斜した直線状である屈曲した形状になっている。
ガゼット袋10において、一対の平面部14,14は、スパウト付ガゼット袋1の前面と背面をそれぞれ構成している。
ガゼット袋10は、一対の側面部16,16がそれぞれの幅方向の中央部に高さ方向に延びる折り線16a,16aにてそれぞれガゼット袋10の内部側に向けられて半折されることで形成される横ガゼット部24,24を有している。
一対の平面部14,14の少なくとも一方は、図4に示すように、ポリエステル層30aの内側にポリアミド層30bを有する共押出二軸延伸フィルム(以下、「フィルム(a)」ともいう。)30、ドライラミネート接着剤層(以下、「DL層」ともいう。)36、金属層32、DL層38、及びシーラント層34が外側からこの順に積層された積層体(A)26で形成されている。なお、一対の平面部14,14の少なくとも一方を形成する積層体(A)は、積層体(A)26において金属層32の代わりに蒸着フィルム層を用いた積層体であってもよい。
本発明では、一対の平面部の一方のみが積層体(A)で形成され、他方が積層体(A)以外の包材で形成されていてもよいが、生産効率がより高い点から、一対の平面部の両方が積層体(A)で形成されていることが好ましい。一対の平面部の他方を形成する積層体(A)以外の包材としては、後述する積層体(B)が好ましい。
本発明におけるフィルム(a)30は、積層体(A)26の最外層に位置し、印刷適性、寸法安定性、耐衝撃性を兼ね備えている。フィルム(a)30は、外側からポリエステル層30a/ポリアミド層30bの積層構成の共押出二軸延伸フィルムである。フィルム(a)30は、ポリエステル層とポリアミド層とを有する共押出フィルムを二軸延伸することで得られるフィルムである。ポリエステル層30aにより、寸法安定性、保香性、耐熱性が付与される。ポリアミド層30bにより、耐屈曲性、耐衝撃性が付与される。平面部14を形成する積層体(A)26においては、フィルム(a)30のポリアミド層30bはポリエステル層30aよりも内側に配置されている。
フィルム(a)30のポリエステル層30aに含有されるポリエステルは、ジカルボン酸とジオールに由来する単位を有し、これらを重縮合させることで得られる。ポリエステル層30aに含有されるポリエステルは、結晶性ポリエステルであってもよく、非晶性ポリエステルであってもよいが、寸法安定性、保香性、耐熱性の点から結晶性ポリエステルが好ましい。ポリエステル層30aに含有されるポリエステルは、1種でもよく、2種以上でもよい。
ジカルボン酸としては、例えば、o−フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、及びこれらの無水物や低級アルキルエステルが挙げられる。
ジカルボン酸としては、スルホン基含有ジカルボン酸を用いてもよい。スルホン基含有ジカルボン酸としては、例えば、5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、3−スルホフタル酸、5−スルホイソフタル酸ジアルキル、2−スルホイソフタル酸ジアルキル、4−スルホイソフタル酸ジアルキル、3−スルホイソフタル酸ジアルキル、及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
ジオールとしては、例えば、脂肪族ジオール類、脂環式ジオール類、スルホン基含有ジオールが挙げられる。
脂肪族ジオール類としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2、4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールが挙げられる。
脂環式ジオール類としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロへキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロへキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。
スルホン基含有ジオールとしては、例えば、1,3−ジヒドロキシブタンスルホン酸、1,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸が挙げられる。
結晶性ポリエステルとしては、寸法安定性、保香性、耐熱性の点から、テレフタル酸とエチレングリコールから得られるポリエステルであるポリエチレンテレフタレート(PET)、テレフタル酸(99〜80モル%)とイソフタル酸(1〜20モル%)の混合物とエチレングリコールから得られるポリエステル、テレフタル酸(99.5〜90モル%)と5−ナトリウムスルホイソフタル酸(0.5〜10モル%)の混合物とエチレングリコールから得られるポリエステルが好ましく、PETが特に好ましい。
ポリエステル層30a中の結晶性ポリエステルの含有量は、ポリエステル層30aの総質量に対して、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましい。
非晶性ポリエステルとしては、テレフタル酸とエチレングリコール(ジオール中に20〜80モル%)とシクロヘキサンジメタノール(ジオール中に80〜20モル%)の混合物から得られるポリエステル、テレフタル酸(ジカルボン酸中に20モル%以上80モル%未満)とイソフタル酸(ジカルボン酸中に20モル%以上80モル%未満)とエチレングリコールの混合物から得られるポリエステルが好ましい。
ポリエステル層30aには、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、アンチブロッキング剤、核剤、撥水剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、染料等の添加剤が含有されていてもよい。
フィルム(a)30のポリアミド層30bに含有されるポリアミドとしては、例えば、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミドが挙げられ、耐屈曲性、耐衝撃性の点から、脂肪族ポリアミドが好ましい。ポリアミド層30bに含有されるポリアミドは、1種でもよく、2種以上でもよい。
脂肪族ポリアミドとしては、脂肪族ナイロン及び共重合体が挙げられる。具体的には、例えば、ポリカプラミド(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン−6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン−10,8)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6,6)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−12/6,6)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−2,6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6,6/6,10)、エチレンアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,10)が挙げられる。
脂肪族ポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン6/6,6が好ましく、ナイロン−6、ナイロン6/6,6がより好ましく、ナイロン−6が特に好ましい。2種以上の脂肪族ポリアミドを組み合わせる場合、ナイロン−6とナイロン6/6,6との組み合わせ(質量比で50:50〜95:5程度)が好ましい。
ポリアミド層30b中の脂肪族ポリアミドの含有量は、ポリアミド層30bの総質量に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。
フィルム(a)30の耐カール性が向上する点では、ポリアミド層30bは、脂肪族ポリアミドに加えて芳香族ポリアミドを含有することが好ましい。芳香族ポリアミドとしては、結晶性芳香族ポリアミドであってもよく、非晶性芳香族ポリアミドであってもよいが、結晶性芳香族ポリアミドが好ましい。結晶性芳香族ポリアミドは、芳香族ジアミンとジカルボン酸とを重縮合することで得られる。
芳香族ポリアミドに用いる芳香族ジアミンとしては、例えば、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミンが挙げられる。芳香族ポリアミドに用いるジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸が挙げられる。
結晶性芳香族ポリアミドとしては、例えば、ポリメタキシレンアジパミド(MXD−ナイロン)が挙げられる。
非晶性芳香族ポリアミドとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンと、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合で得られるアモルファスナイロンが挙げられ、ヘキサメチレンジアミン−テレフタル酸−ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸共重合体が好ましい。
脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドを組み合わせる場合、ナイロン−6とMXD−ナイロンの組み合わせ、ナイロン−6とアモルファスナイロンの組み合わせが好ましい。
ポリアミド層30bに芳香族ポリアミドを含有させる場合のポリアミド層30b中の芳香族ポリアミドの含有量は、適宜設定できる。フィルム(a)30の耐屈曲性、耐衝撃性を損ないにくい点では、ポリアミド層30b中の芳香族ポリアミドの含有量は、ポリアミド層30bの総質量に対して、1質量%以上50質量%未満が好ましい。優れた耐カール性が得られやすい点では、ポリアミド層30b中の芳香族ポリアミドの含有量は、ポリアミド層30bの総質量に対して、50〜90質量%が好ましく、60〜80質量%がより好ましい。
ポリアミド層30bには、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、ポリオレフィン類、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等の耐屈曲性改良剤や、アンチブロッキング剤、核剤、撥水剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤等が含有されていてもよい。
なお、本発明で用いるフィルム(a)は、フィルム(a)30には限定されない。フィルム(a)におけるポリエステル層は、1層であってもよく、2層以上であってもよい。フィルム(a)におけるポリアミド層は、1層であってもよく、2層以上であってもよい。
フィルム(a)30は、ポリエステル層30aとポリアミド層30bの間に接着層を有していてもよい。これにより、ポリエステル層30aとポリアミド層30bの層間強度が向上する。
接着層を形成する材料としては、特に限定されず、例えば、不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性された酸変性樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、変性ポリオレフィン、変性スチレン系エラストマー等が挙げられる。変性ポリオレフィンは、例えば、不飽和カルボン酸又はその誘導体と樹脂とをラジカル発生剤の存在下で加熱混合して得られる。
不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸、その酸無水物、そのエステル又はその金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等)等が挙げられる。変性ポリオレフィンとしては、無水マレイン酸変性ポリオレフィンが好ましい。
ポリオレフィンとしては、例えば、オレフィン類の単独重合体、相互共重合体、他のビニル系単量体等の共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。具体的には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、これらの相互共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
スチレン系エラストマーは、スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物やスチレン−イソプレン共重合体の水素添加物等を例示できる。変性スチレン系エラストマーとして、無水マレイン酸で変性したスチレン−ブタジエン共重合体水素添加物が好ましい。
フィルム(a)の厚みは、6〜55μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
ポリエステル層の厚みは、フィルム(a)の総厚に対して10〜90%が好ましく、20〜50%がより好ましい。ポリエステル層の厚みがフィルム(a)の総厚に対して10%以上であれば、フィルム(a)は、耐熱性、寸法安定性に優れる。積層体(A)を形成したときの耐衝撃性を有し、積層体(A)を平面部に用いてガゼット袋を形成したときに、落下や流通段階での負荷等の衝撃が加わっても、金属層又は蒸着フィルム層の割れや破袋が起こりにくくなる。さらに20%以上であれば、積層体(A)を平面部に用いてガゼット袋を形成したときに、強い衝撃が加わっても金属層又は蒸着フィルム層の割れや破袋を防止することができる優れた耐衝撃性を有している。
ポリアミド層の厚みは、フィルム(a)の総厚に対して10〜90%が好ましく、50〜80%がより好ましい。
フィルム(a)のポリエステル層とポリアミド層の間に接着層を設ける場合、接着層の厚みは、0.5〜5μmが好ましく、0.5〜2.5μmがより好ましい。接着層の厚みが下限値以上であれば、接着層の厚みを制御しやすい。接着層の厚みが上限値以下であれば、充分な接着強度を付与しつつ、生産コストを抑えることができる。
フィルム(a)としては、市販品を用いてもよい。フィルム(a)の市販品としては、例えば、グンゼ社製の商品名「HBN」、「HBF」等が挙げられる。
積層体(A)を形成する金属層32は、外部からの酸素、水蒸気、光を遮断するバリア性を有する層である。金属層32は、金属箔であることが好ましい。金属箔の金属としては、アルミニウム、マグネシウムが好ましく、アルミニウムがより好ましい。
金属層32が金属箔である場合の厚みは、6〜15μmが好ましく、7〜12μmがより好ましい。
金属層32の代わりに蒸着フィルム層を用いる場合、蒸着フィルム層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレンビニルアルコール共重合体等の一軸又は二軸延伸フィルムや無延伸フィルムフィルムを蒸着基材として、それらにアルミニウムやマグネシウム等の金属、又は酸化珪素、酸化アルミニウム等の酸化物の粒子を蒸着させた蒸着フィルムが挙げられる。
金属層32の代わりに蒸着フィルム層を用いる場合、蒸着基材のフィルム(a)側の表面に粒子が蒸着されてもよく、蒸着基材のシーラント層側の表面に粒子が蒸着されてもよい。
積層体(A)を形成するシーラント層34は、積層体(A)26の最内層に位置し、ヒートシール性を有する材質で形成されている。
シーラント層34を形成するヒートシール性を有する材質としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。シーラント層34は、これらの1種以上の樹脂、又は該樹脂を用いたフィルムを用いて形成できる。シーラント層34は、単層であってもよく、多層であってもよい。
シーラント層34の厚みは、30〜150μmが好ましく、50〜80μmがより好ましい。シーラント層34の厚みが下限値以上であれば、充分なヒートシール性が得られやすい。シーラント層34の厚みが上限値以下であれば、積層体(A)26が必要以上に厚くなりにくい。
積層体(A)26は、例えば、フィルム(a)30、金属層32及びシーラント層34を、DL層36,38を介して2回のドライラミネート加工により積層することで得られる。また、積層体(A)26は、タンデムドライラミネート機を用いた場合は、1回の加工で得ることができる。
DL層36,38を形成するドライラミネート接着剤としては、用途に応じて一般的に用いられているものを用いればよい。内容物が液体である場合には、高分子末端に水酸基を有するポリオール成分を主剤とし、高分子末端に水酸基を有するポリイソシアネート成分を硬化剤とする、二液反応型ポリウレタン系接着剤が好ましい。
一対の側面部16,16は、図5に示すように、外側から順に外側フィルム層40/DL層48/金属層42/DL層50/中間フィルム層44/DL層52/シーラント層46の積層構成の積層体(B)28で形成されている。なお、一対の側面部16,16の少なくとも一方を形成する積層体(B)は、積層体(B)28において金属層42の代わりに蒸着フィルム層を用いた積層体であってもよい。
外側フィルム層40は積層体(B)28の最外層に位置している。外側フィルム層40を形成するフィルムとしては、印刷適性に優れ、突き刺し強度、引っ張り強度、耐衝撃性等を備えているフィルムが好ましい。
外側フィルム層40を形成するフィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレンビニルアルコール共重合体等が挙げられる。外側フィルム層40を形成するフィルムは、無延伸フィルムであってもよく、延伸フィルムであってもよいが、一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムが好ましい。
外側フィルム層40には、酸素や水蒸気に対するバリア性を付与するために、前記したフィルムにアルミニウム、マグネシウム等の金属、又は酸化珪素、酸化アルミニウム等の酸化物を蒸着させた蒸着フィルム、前記したフィルムにポリ塩化ビニリデン等のバリア性コート剤等をコートしたコートフィルム等を用いてもよい。
外側フィルム層40は、前記したフィルムの単体であってもよく、積層体であってもよい。
外側フィルム層40としては、印刷適正及びヒートシールに対する耐熱性の点から二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
外側フィルム層40の厚みは、9〜25μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
金属層42としては、積層体(A)26の金属層32で挙げたものと同じものが挙げられ、好ましい態様も同じである。金属層42の代わりに蒸着フィルム層を用いる場合、蒸着フィルム層に用いる蒸着フィルムとしては積層体(A)で挙げた蒸着フィルムと同じものが挙げられる。金属層42の代わりに蒸着フィルム層を用いる場合、蒸着基材の外側フィルム層側の表面に粒子が蒸着されてもよく、蒸着基材のシーラント層側の表面に粒子が蒸着されてもよい。
中間フィルム層44は、耐衝撃性、耐ピンホール性、耐突き刺し性を向上させる役割を果たす層である。
中間フィルム層44を形成するフィルムの材質としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が挙げられる。中間フィルム層44を形成するフィルムは、無延伸フィルムであってもよく、延伸フィルムであってもよいが、一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムが好ましい。
中間フィルム層44は、前記したフィルムの単体であってもよく、積層体であってもよい。
中間フィルム層44としては、前記した材質のフィルム、ポリアミドとエチレン−ビニルアルコール共重合体の共押出フィルム、及びそれらの二軸延伸フィルムなどが好適に使用できる。
シーラント層46としては、積層体(A)26のシーラント層34で挙げたものと同じものが挙げられ、好ましい態様も同じである。
DL層48,50,52としては、積層体(A)26のDL層36,38で挙げたものと同じものが挙げられ、好ましい態様も同じである。
本発明では、積層体(B)は、外側フィルム層と、金属層又は蒸着フィルム層と、中間フィルム層と、シーラント層とを有していればよく、前記した積層体(B)28には限定されない。例えば、積層体(B)は、外側から順に外側フィルム層、中間フィルム層、金属層又は蒸着フィルム層、及びシーラント層が積層された積層体であってもよい。具体的には、図6に示すように、外側から外側フィルム層40/DL層48/中間フィルム層44/DL層50/金属層42/DL層52/シーラント層46の積層構成の積層体(B)28Aであってもよい。積層体(B)28Aにおいて金属層42の代わりに蒸着フィルム層を用いた積層体(B)であってもよい。
積層体(B)28Aではシーラント層46がDL層52を介して金属層42と貼り合わされているのに対し、積層体(B)28ではシーラント層46がDL層52を介して中間フィルム層44と貼り合わされている。シーラント層46と中間フィルム層44のDL層52を介する接着強度は、シーラント層46と金属層42のDL層52を介する接着強度よりも高い。シーラント層46とその上の層の接着強度が低いと、落下や流通段階の負荷等の衝撃が加わった場合、シーラント層46が剥がれ易い。シーラント層46が剥がれることで、シーラント層46とその上の層との界面に内容物が挿入してしまい、剥がれが促進されてしまい、破袋につながる恐れもある。そのため、シーラント層46とその上の層との接着強度は高い方が好ましく、一対の側面部16,16を形成する積層体(B)としては、積層体(B)28Aに比べて積層体(B)28の方が好ましい。ここで、流通段階の負荷とは、保管や輸送などの流通過程において、スパウト付ガゼット袋が多数収納された箱を段積みした際などに、スパウト付ガゼット袋にかかる負荷のことをいう。
積層体(B)28,28Aは、例えば、外側フィルム層40、金属層42、中間フィルム層44及びシーラント層46を3回のドライラミネート加工により積層することで得られる。
積層体(B)28,28Aは、外側フィルム層40、金属層42、中間フィルム層44及びシーラント層46が3層のDL層48,50,52で貼り合わされているため、タンデムドライラミネート機であっても2度のドライラミネートが必要である。一方、積層体(A)26は、フィルム(a)30、金属層32及びシーラント層34が2層のDL層36,38で貼り合わされているため、タンデムドライラミネート機であれば1度のドライラミネートで製造できる。このように、積層体(A)26は積層体(B)28,28Aに比べてドライラミネート加工の回数が少なく、生産効率が高い。
本発明者は、一対の平面部14,14と一対の側面部16,16を備えるガゼット袋10のような態様のガゼット袋の耐衝撃性について詳細に検討した。その結果、一対の平面部14,14及び一対の側面部16,16を全て積層体(A)26で形成すると、落下時には側面部16の折り線16aと上端シール部20が交わる部分a(図1)や、側面部16の折り線16aと下端シール部22が交わる部分b(図1)において、破れや金属層32の割れが生じやすいことが分かった。金属層32の代わりに蒸着フィルム層を用いる場合も同様に部分aや部分bで割れが生じやすいことが分かった。ここで、蒸着フィルム層の割れとは、蒸着基材上に蒸着された粒子の層にクラックが生じることを意味し、金属層の割れと同様に、割れると、バリア性が低下する。本発明者はさらに検討を進め、一対の側面部16,16を積層体(B)28や積層体(B)28Aで形成すれば、一対の平面部14,14の少なくとも一方を積層体(A)26で形成しても、側面部16の折り線16aと上端シール部20が交わる部分aや、側面部16の折り線16aと下端シール部22が交わる部分bで破れや金属層32又は蒸着フィルム層の割れが生じることが抑制されることを見出した。
このように、ガゼット袋10においては、一対の平面部14,14の一方又は両方を積層体(A)26で形成し、一対の側面部16,16を積層体(B)28や積層体(B)28Aで形成することで、落下や流通段階にかかる負荷に対する優れた耐衝撃性を確保し、バリア性が低下することがなく、内容物を十分に保護することができつつ、高い生産効率が得られる。
スパウト付ガゼット袋1においては、ガゼット袋10の上端シール部20に、ガゼット袋10の内部に収容された内容物を注出するため、又は内容物を飲むためのスパウト12が設けられている。スパウト12の上端部には、スパウト12に螺合せしめてスパウト12の開口を閉鎖するキャップ13が設けられている。
スパウト12のうち、少なくともガゼット袋10の平面部14の内面とシールされる部分は合成樹脂製である。
合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエーテルサルホン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。なかでも、加工性に優れ、低コストである点から、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体等のオレフィン系エラストマー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、α−オレフィン−プロピレンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂や、環状ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、性能向上のためにブレンドされていてもよく、耐熱性向上等を目的として一部架橋されていてもよい。
スパウト12は単一の材料から形成されていてもよく、あるいは種々の樹脂層からなる多層構造が形成されていてもよい。
スパウト12のうち、少なくともガゼット袋10の平面部14とシールされる部分を形成する樹脂は、シール性の点から、平面部14の最内層を形成する樹脂と同種の樹脂で形成されていることが好ましい。
キャップ13の材質としては、特に限定されず、例えば、スパウト12の材質として挙げた合成樹脂が挙げられる。
スパウト付ガゼット袋1の製造方法は、特に限定されず、一対の平面部14,14を形成する積層体として積層体(A)26を使用し、一対の側面部16,16を形成する積層体として積層体(B)28や積層体(B)28Aを用いる以外は、公知の方法を採用できる。
以上説明したように、本発明においては、一対の平面部の少なくとも一方を積層体(A)で形成し、一対の側面部を積層体(B)で形成することで、落下や流通段階にかかる負荷に対する優れた耐衝撃性を確保しつつ、積層体の製造におけるドライラミネートの回数を減らして生産効率を高くできる。
なお、本発明は、一対の平面部の少なくとも一方が積層体(A)で形成され、一対の側面部が積層体(B)で形成されていれば、前記したスパウト付ガゼット袋1には限定されない。
例えば、本発明のガゼット袋及びスパウト付ガゼット袋は、ガゼット袋10の代わりに、図3に相当する断面図を図7に例示したガゼット袋10Aを備えるものであってもよい。図7における図3と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
ガゼット袋10Aは、袋の前面となる側の一方の平面部14と一対の側面部16が1枚の積層体(B)28で形成され、袋の背面となる側の他方の平面部14が1枚の積層体(A)26で形成されている。ガゼット袋10Aにおいては、一方の平面部14と一対の側面部16,16を形成する1枚の積層体(B)28の両側の側端と、他方の平面部14を形成する積層体(A)26の両側の側端とがヒートシールされて2つの側端シール部18Aが形成されている。なお、袋の前面となる側の一方の平面部14と一対の側面部16は1枚の積層体(B)28Aで形成されていてもよい。さらに前面と背面とが逆となってもよい。
ガゼット袋10Aにおいてもガゼット袋10と同様に、一対の側面部16が積層体(B)28又は積層体(B)28Aで形成されているため、落下や流通段階にかかる負荷に対する優れた耐衝撃性を確保しつつ、他方の平面部14が積層体(A)26で形成されているため、高い生産効率が得られる。
ガゼット袋10Aとガゼット袋10と比較すると、ガゼット袋10は積層体(A)で形成される面が多いため、より高い生産効率が得られる点で好ましい。一方、ガゼット袋10Aは、側端シール部18Aが、ガゼット袋10の側端シール部18のように外方に飛び出していない部分があるため、側端シール部が手に与える不快感が少ない点で好ましい。
本発明のガゼット袋及びスパウト付ガゼット袋においては、側端シール部の幅方向の全体又は一部が平面部側又は側面部側に折り返されていてもよく、平面部側又は側面部側に折り返された状態で平面部又は側面部に接着固定されていてもよい。それにより、手で持った際に、側端シール部が手に与える不快感が低減する。接着固定される平面部又は側面部の最外層の表面は、ヒートシール性を有していることが好ましい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[材料]
本実施例で使用した材料を以下に示す。
フィルム(a−1):共押出二軸延伸フィルム、厚み15μm。
ポリエステル層の厚み:2μm、ポリアミド層の厚み:13μm
フィルム(a−2):共押出二軸延伸フィルム、厚み15μm。
ポリエステル層の厚み:5μm、ポリアミド層の厚み:10μm
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み12μm。
AL:アルミニウム箔、厚み7μm。
ONY:延伸ナイロンフィルム、厚み15μm。
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、厚み60μm。
ドライラミネート接着剤:二液硬化型ポリウレタン系接着剤。
[実施例1]
タンデムドライラミネート機を用いた1度のドライラミネート加工によって、フィルム(a)であるフィルム(a−1)と金属層であるALとシーラント層であるLLDPEとを貼り合わせ、フィルム(a−1)/DL層/AL(7μm)/DL層/LLDPE(60μm)の積層構成の積層体(A−1)を得た。
タンデムドライラミネート機を用いて、ドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネートによって、外側フィルム層であるPETと金属層であるALと中間フィルム層であるONYとを貼り合わせ、PET/DL層/AL/DL層/ONYの積層構成の積層体を得た。次いで、シングルドライラミネート機により、前記積層体のONY側にシーラント層であるLLDPEを貼り合わせ、PET(12μm)/DL層/AL(7μm)/DL層/ONY(15μm)/DL層/LLDPE(60μm)の積層構成の積層体(B−1)を得た。
一対の平面部を形成する積層体として積層体(A−1)を用い、一対の側面部を形成する積層体として積層体(B−1)を用いて、図1〜3に例示したスパウト付ガゼット袋1と同じ形態のスパウト付ガゼット袋を作製した。
[実施例2]
フィルム(a−1)の代わりにフィルム(a−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして積層体(A−2)を得た。
一対の平面部を形成する積層体を積層体(A−2)に変更した以外は、実施例1と同様にしてスパウト付ガゼット袋を作製した。
[実施例3]
タンデムドライラミネート機を用いて、ドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネートによって、外側フィルム層であるPETと中間フィルム層であるONYと金属層であるALとを貼り合わせ、PET/DL層/ONY/DL層/ALの積層構成の積層体を得た。次いで、シングルドライラミネート機により、前記積層体のAL側にシーラント層であるLLDPEを貼り合わせ、PET(12μm)/DL層/ONY(15μm)/DL層/AL(7μm)/DL層/LLDPE(60μm)の積層構成の積層体(B−2)を得た。
一対の平面部を形成する積層体を積層体(A−2)に変更し、一対の側面部を形成する積層体として積層体(B−2)に変更した以外は、実施例1と同様にしてスパウト付ガゼット袋を作製した。
[比較例1]
一対の側面部を形成する積層体を積層体(A−1)に変更した以外は、実施例1と同様にしてスパウト付ガゼット袋を作製した。
[比較例2]
一対の平面部を形成する積層体を積層体(B−1)に変更した以外は、実施例1と同様にしてスパウト付ガゼット袋を作製した。
[比較例3]
一対の側面部を形成する積層体を積層体(A−1)に変更し、一対の平面部を形成する積層体を積層体(B−1)に変更した以外は、実施例1と同様にしてスパウト付ガゼット袋を作製した。
[落下試験]
各例のスパウト付ガゼット袋の内部に水を180g入れ、袋の底部を下にして150cmの高さから落下させた後、アルミニウム箔の割れ、破袋の有無を目視にて確認した。同様の試験を10個のスパウト付ガゼット袋について行い、側面部の折り線と上端シール部、下端シール部とが交わる部分において、アルミニウム箔の割れや破袋が生じた袋の数を計測した。
[耐圧縮試験]
各例のスパウト付ガゼット袋の内部に水を180g入れ、袋の平面部を下にして置き、上から所定の荷重を1分間加えて、ガゼット袋の強度を示す耐圧縮試験を行い、アルミニウム箔の割れ、破袋の有無を目視にて確認した。同様の試験を10個のスパウト付ガゼット袋について行い、側面部の折り線と上端シール部、下端シール部とが交わる部分において、アルミニウム箔の割れや破袋が生じた袋の数を計測した。ここで、耐圧縮試験とは、保管や輸送などの流通過程において、スパウト付ガゼット袋には様々な負荷がかかるため、その負荷に対して耐性があるかを確認する試験である。すなわち、負荷により想定される圧縮荷重をスパウト付ガゼット袋に加えて、それに対してスパウト付ガゼット袋の、シール部からの漏れなどの破袋やアルミニウム箔の割れの有無を確認する試験である。
結果を表1に示す。表1中のN/10は、10袋中N個にアルミニウム箔の割れや破袋が生じたことを示す。
Figure 2021183519
表1に示すように、一対の平面部が積層体(A)で形成され、一対の側面部が積層体(B)で形成されている実施例1〜3のスパウト付ガゼット袋は、1度のドライラミネート加工で積層体(A)が得られるため生産効率が高く、落下試験及び耐圧縮試験における、アルミニウム箔の割れや破袋が生じた袋の数が少なく、耐衝撃性に優れていた。
一方、一対の平面部及び一対の側面部を積層体(A)で形成した比較例1のスパウト付ガゼット袋は、生産効率は高いが、落下試験及び耐圧縮試験における、アルミニウム箔の割れや破袋が生じた袋の数が多く、耐衝撃性が劣っていた。
一対の平面部及び一対の側面部を積層体(B)で形成した比較例2のスパウト付ガゼット袋は、積層体(B)の製造に少なくとも2度のドライラミネートが必要であり、生産効率が低かった。
一対の平面部が積層体(B)で形成され、一対の側面部が積層体(A)で形成されている比較例3のスパウト付ガゼット袋は、落下試験及び耐圧縮試験における、アルミニウム箔の割れや破袋が生じた袋の数が多く、耐衝撃性が劣っていた。
1…スパウト付ガゼット袋、10…ガゼット袋、12…スパウト、14…平面部、16…側面部、18,18A…側端シール部、20…上端シール部、22…下端シール部、24…横ガゼット部、26…積層体(A)、28,28A…積層体(B)、30…フィルム(a)、30a…ポリエステル層、30b…ポリアミド層、32,42…金属層、34…シーラント層、36,38,48,50,52…ドライラミネート接着剤層、40…外側フィルム層、44…中間フィルム層。

Claims (2)

  1. 対向する一対の平面部と内部側に折り込まれた対向する一対の側面部とを備えるガゼット袋であって、
    前記一対の平面部の少なくとも一方が、ポリエステル層の内側にポリアミド層を有する共押出二軸延伸フィルムと、金属層又は蒸着フィルム層と、シーラント層とが外側からこの順に積層された積層体(A)により形成され、
    前記共押出二軸延伸フィルムは、一方の表面が前記ポリエステル層、他方の表面が前記ポリアミド層であり、
    前記一対の側面部が、外側フィルム層と、金属層又は蒸着フィルム層と、中間フィルム層と、シーラント層とを有する積層体(B)により形成され、
    前記外側フィルム層が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、
    前記中間フィルム層が、ポリアミドを含むフィルムである、ガゼット袋。
  2. 請求項1に記載のガゼット袋にスパウトが取り付けられたスパウト付ガゼット袋。
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