JP2015006914A - 容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分に効率よく作製することが可能なヒートシールによって製袋される容器を提供する。
【解決手段】胴部2と底部3とを備えるスタンディングパウチ形式の容器であって、胴部2及び底部3は、多層共押出しフィルム10と、遮光バリア層20と、シーラント層30と、を容器外方側から容器内方側に向かってこの順で含む積層体4で構成される。積層体4の多層共押出しフィルム10は、第1ポリエステル系樹脂層11と、第2ポリエステル系樹脂層12と、第1ポリエステル系樹脂層11と第2ポリエステル系樹脂層12との間に配置されたポリアミド系樹脂層13と、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、胴部と底部とを備えるスタンディングパウチ形式の容器またはガゼット部と非ガゼット部とを備えるガセット形式の容器に関する。
例えばレトルト食品や液状物を内容物とした容器として、スタンディングパウチ形式の容器やガセット形式の容器が知られている。これらの容器は、内容物の密閉性に優れ、売り場での陳列も容易に行うことができるため、広く利用に供されている。
例えば、スタンディングパウチ形式の容器は、胴部の下端に底部をヒートシールすることによって製袋される。従来のスタンディングパウチ形式の容器の胴部及び底部は、内容物を密閉して保護するために、基材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)層と、耐屈曲性及び耐衝撃性を付与するナイロン(ON)層と、遮光性及びガスバリア性を付与するアルミニウム層と、シール性を有するシーラント層と、を含む積層体からなる。この積層体は、これらの4層をラミネートして貼り合わせることによって形成される。
昨今では、スタンディングパウチ形式の容器をより効率良く作製するために、耐屈曲性及び耐衝撃性に対する要求の低い胴部をなす層から耐屈曲性及び耐衝撃性を付与するナイロン(ON)層を省いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)層と、アルミニウム層と、シーラント層と、を含む3層にて胴部をなす積層体を形成することも行われている。
また、特許文献1に記載されているように、ポリエチレンテレフタレート(PET)層及びナイロン(ON)層を共押出成形した二層共押出しフィルムと、アルミニウム層と、シーラント層と、を含む3層をラミネートによって貼り合わせることで、胴部及び底部をなす積層体を形成することも知られている。
特開2012−214244号公報
上記胴部をなす積層体をポリエチレンテレフタレート(PET)層と、アルミニウム層と、シーラント層と、を含む3層にて形成する場合、3層をラミネートにて貼り合わせればよく、スタンディングパウチ形式の容器を作製する効率を高めることができる。加えて、ナイロン(ON)層を省いたことによる材料費の削減効果も得られる。しかしながら、胴部をなす積層体と底部をなす積層体とを別途に形成して切断しなければならなく、胴部をなす積層体と底部をなす積層体とが同一の層からなる場合に比べて歩留まりが悪く、より多くの切断工程を必要とする。このため、スタンディングパウチ形式の容器を作製する効率を十分に高めることはできない。
一方、特許文献1に記載の層構成によれば、二層共押出しフィルムとアルミニウム層とシーラント層とからなる3層をラミネートにて貼り合わせるため、スタンディングパウチ形式の容器を作製する効率を高めることができる。しかしながら、ポリエチレンテレフタレート(PET)層及びナイロン(ON)層を含む二層共押出しフィルムと他の層とをラミネートする際に、二層共押出しフィルムのナイロン(ON)層が吸湿してしまい、二層共押出しフィルムにカールが発生してしまう。このため、二層共押出しフィルムを引き延ばした状態で、二層共押出しフィルムと他の層とをラミネートしなければならなく、二層共押出しフィルムと他の層とを容易に貼り合わせることができない。加えて、二層共押出しフィルムのカールによって、二層共押出しフィルムと他の層との貼り合わせ精度にばらつきが生じてしまう。このため、特許文献1に記載の層構成によっても、スタンディングパウチ形式の容器を作製する効率を十分に高めることはできない。
なお、このような課題は、スタンディングパウチ形式の容器に限られず、折り目を形成されたガゼット部と、ガゼット部ほどは耐屈曲性及び耐衝撃性を要求されない非ガゼット部と、を有するガセット形式の容器にも当てはまる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、十分に効率よく作製することが可能なヒートシールによって製袋される容器を提供することを目的とする。
本発明による第1の容器は、胴部と底部とを備えるスタンディングパウチ形式の容器であって、
前記胴部及び前記底部は、多層共押出しフィルムと、遮光バリア層と、シーラント層と、を容器外方側から容器内方側に向かってこの順で含む積層体を含み、
前記積層体の前記多層共押出しフィルムは、第1ポリエステル系樹脂層と、第2ポリエステル系樹脂層と、前記第1ポリエステル系樹脂層と前記第2ポリエステル系樹脂層との間に配置されたポリアミド系樹脂層と、を含む。
本発明による第1の容器において、前記胴部と前記底部とは、同一の積層体によって形成されていてもよい。
本発明による第1の容器において、前記胴部は、互いに対向して配置され且つそれぞれ前記積層体からなる一対の主面シートを含み、前記底部は、前記一対の主面シートの下端間に配置され且つ前記積層体からなる底面シートを含み、前記一対の主面シートをなす積層体及び前記底面シートをなす積層体は、その周縁の少なくとも一部を他の積層体とヒートシールされていてもよい。
本発明による第1の容器において、前記胴部と前記底部とは、単一の積層体を折り曲げることによって形成されていてもよい。
本発明による第2の容器は、折り目を含み折り込まれることを意図されたガセット部と、当該ガセット部に接続された非ガセット部と、を備えるガセット形式の容器であって、
前記ガセット部及び前記非ガセット部は、多層共押出しフィルムと、遮光バリア層と、シーラント層と、を容器外方側から容器内方側に向かってこの順で含む積層体を含み、
前記積層体の前記多層共押出しフィルムは、第1ポリエステル系樹脂層と、第2ポリエステル系樹脂層と、前記第1ポリエステル系樹脂層と前記第2ポリエステル系樹脂層との間に配置されたポリアミド系樹脂層と、を含む。
本発明による第2の容器において、前記ガセット部と前記非ガセット部とは、同一の積層体によって形成されていてもよい。
本発明による第1の容器または第2の容器において、前記多層共押出しフィルムは、二軸延伸処理をされていてもよい。
本発明による第1の容器または第2の容器において、前記遮光バリア層は、アルミニウムからなる層であってもよい。
本発明による第1の容器において、前記遮光バリア層は、アルミニウムからなる層であり、前記胴部の前記多層共押出しフィルムに、当該容器を開封するための切れ目が形成されていてもよい。
本発明による第1の容器において、前記胴部の前記多層共押出しフィルムに形成された切れ目は、レーザ加工によって形成されていてもよい。
本発明による第1の容器において、前記切れ目は、当該容器を開封するために用いられる主切れ目及び補助切れ目を含んでおり、前記主切れ目と前記補助切れ目とは、ずれて配置されていてもよい。
本発明による第1の容器において、前記胴部は、前記積層体からなる複数の主面シートを有し、各主面シートの側縁は、他の前記主面シートの側縁とヒートシールされており、ヒートシールされた前記主面シートの前記側縁に切欠きが形成され、前記主切れ目の端部は、前記切欠きに繋がっていてもよい。
本発明による第1の容器において、前記胴部は、前記積層体からなる複数の主面シートを有し、各主面シートの側縁は、他の前記主面シートの側縁とヒートシールされており、ヒートシールされた前記主面シートの前記側縁に切欠きが形成され、前記主切れ目は、前記切欠きから離間した位置に端部を有する主要素と、前記主要素の端部から、前記切欠きの少なくとも一部を周囲から取り囲むように延び出した一対のガイド要素と、を含んでいてもよい。
本発明による第1の容器において、前記胴部の前記多層共押出しフィルムに形成された主切れ目は、少なくとも当該多層共押出しフィルムの前記ポリアミド系樹脂層を貫通していてもよい。
本発明による第1の容器または第2の容器において、前記胴部に、当該容器を密閉及び開封するためのチャックテープが設けられていてもよい。
本発明によれば、ヒートシールによって製袋される容器を十分に効率よく作製することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態によるスタンディングパウチ形式の容器の一例を示す斜視図である。 図2は、図1に示す容器の胴部及び底部をなす積層体の積層方向(法線方向)に沿った断面であって、積層体の層構成を説明するための図である。 図3は、図2に対応する図であって、切れ目が形成された積層体を示す断面図である。 図4は、ドライラミネート法を用いて、図2に示す積層体を製造する方法を示す概略図である。 図5(a)〜(c)は、図1に示す容器を製造する方法を説明するための図であって、図5(a)は、胴材フィルムと底材フィルムとを並べて給送する工程を示し、図5(b)は、図5(a)の工程の後に実施される工程を示し、図5(c)は、図5(b)の工程の後に実施される工程を示している。 図6は、図1に示すスタンディングパウチ形式の容器の変形例を説明するための斜視図である。 図7は、図1に示す容器の胴部に形成された切れ目の変形例を示す斜視図である。 図8は、本発明の第2の実施の形態によるガゼット形式の容器の一例を示す斜視図である。 図9は、図1に示す容器の胴部に形成された切れ目の他の変形例を示す平面図であり、(a)は、胴部の表主面シートに形成された切れ目を示し、(b)は、胴部の裏主面シートに形成された切れ目を示す。 図10は、図1に示す容器の胴部に形成された切れ目のさらに他の変形例を示す平面図であり、(a)は、胴部の表主面シートに形成された切れ目を示し、(b)は、胴部の裏主面シートに形成された切れ目を示す。 図11は、図1に示す容器の胴部に形成された切れ目のさらに他の変形例を示す平面図であり、(a)は、胴部の表主面シートに形成された切れ目を示し、(b)は、胴部の裏主面シートに形成された切れ目を示す。 図12は、図1に示す容器の胴部に形成された切れ目のさらに他の変形例を示す平面図であり、(a)は、胴部の表主面シートに形成された切れ目を示し、(b)は、胴部の裏主面シートに形成された切れ目を示す。 図13は、図1に示す容器の胴部に形成された切れ目のさらに他の変形例を示す平面図であり、(a)は、胴部の表主面シートに形成された切れ目を示し、(b)は、胴部の裏主面シートに形成された切れ目を示す。
≪第1の実施の形態≫
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。図1は、本発明の第1の実施の形態によるスタンディングパウチ形式の容器の一例を示す斜視図である。図2は、図1に示す容器の胴部及び底部をなす積層体の積層方向(法線方向)に沿った断面であって、積層体の層構成を説明するための図である。
図1に示す容器1は、胴部2と底部3とをヒートシールして形成されたスタンディングパウチ形式の容器である。図1に示すスタンディングパウチ形式の容器1において、胴部2は、互いに対向して配置された表主面シート2a1と裏主面シート2a2とからなる一対の主面シート2aを含んでおり、重ね合せられた一対の側縁2a4が互いにヒートシールされている。一対の主面シート2aの下端間に、底部3をなす底面シート3aが配置されている。底面シート3aは、容器1内方側に向かって凸となるように曲げられて、その周縁を、重なり合う主面シート2aの下部にヒートシールされている。底面シート3aが一対の主面シート2aの下端の形状を保持することによって、容器1に自立性を付与している。
また、図1に示すように、容器1では、一対の主面シート2aの上縁2a3間に開口5が形成され、当該開口5から内容物が充填されるようになっている。内容物が充填された後、開口5が設けられた上縁2a3をヒートシールすることにより密閉して、容器1が得られる。
本実施の形態では、胴部2をなす一対の主面シート2a及び底部3をなす底面シート3aは、同一の積層体4からなる。これにより、後述するように、スタンディングパウチ形式の容器1を作製する効率を高めている。
容器1の胴部2及び底部3は、この同一の積層体4をヒートシールすることによって形成されている。このため、積層体4は、容器内方側となる部分にシール性を有するシーラント層30が設けられている。また、スタンディングパウチ形式の容器1は、売り場の商品棚に自立した状態で陳列される。容器1が商品棚から落下した際の衝撃等にも十分に耐え得るよう、容器1を構成する積層体4は、耐屈曲性及び耐衝撃性をもつ多層共押出しフィルム10を備えている。さらに、ここで説明する容器1は、食品を内容物として内包することに適した容器である。この点、容器1を構成する積層体4は、水蒸気の透過を防止する蒸気バリア性及び酸素ガス等のガスの透過を防止するガスバリア性を確保すると共に遮光性及び隠蔽性を確保すべく、遮光バリア層20を備えている。このような層構成を持つ積層体4は、製袋して容器1とするときの容器外方となる側から容器内方となる側に向けて多層共押出しフィルム10と遮光バリア層20とシーラント層30とをこの順で含んでいる。以下、各層について詳述していく。
(多層共押出しフィルム)
上述したように、スタンディングパウチ形式の容器1は、商品棚から落下した際の衝撃や屈曲に対する耐性を必要とされる。このため、本実施の形態の多層共押出しフィルム10は、耐衝撃性及び耐屈曲性に優れたポリアミド系樹脂層13を含んでいる。ポリアミド系樹脂層13が耐衝撃性及び耐屈曲性を発揮することにより、容器1が落下した際の衝撃やこれに伴う屈曲を多層共押出しフィルム10によって吸収することができ、これにより、衝撃や屈曲に起因した容器1へのピンホールの発生を効果的に防止することができる。
一方、ポリアミド系樹脂層13は、吸湿し易くこれによりカールする場合がある。そこで、本実施の形態の多層共押出しフィルム10は、図2に示すように、水蒸気の透過を防止する蒸気バリア性をある程度もつ第1ポリエステル系樹脂層11及び第2ポリエステル系樹脂層12を更に含み、ポリアミド系樹脂層13を、第1ポリエステル系樹脂層11と第2ポリエステル系樹脂層12との間に配置している。このような形態によれば、第1ポリエステル系樹脂層11と第2ポリエステル系樹脂層12との間に、ポリアミド系樹脂層13を配置することにより、ポリアミド系樹脂層13に蒸気が到達することを妨げることができる。加えて、多層共押出しフィルム10がポリアミド系樹脂層13を基準にして概ね対称となる。そして、ポリアミド系樹脂層13が第1ポリエステル系樹脂層11と第2ポリエステル系樹脂層12との間でバランスよく保持されることにより、ポリアミド系樹脂層13のカールを更に効果的に抑制することができる。
好ましくは、多層共押出しフィルム10は、二軸延伸処理される。これにより、多層共押出しフィルム10に含まれるポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂をなす分子が、延伸処理によって延伸方向に並び、多層共押出しフィルム10が優れた寸法安定性を発揮するようになる。多層共押出しフィルム10が優れた寸法安定性を発揮することにより、吸湿による多層共押出しフィルム10の寸法変化が生じ難くなる。また、二軸延伸処理によって、多層共押出しフィルム10に易開封性を付与することができる。
なお、本実施の形態では、多層共押出しフィルム10は、積層体4のうち、製袋して容器1とするときの最も容器外方となる層としても機能する。
以下、多層共押出しフィルム10の各層の構成について詳述する。なお、以下の説明では、第1ポリエステル系樹脂層11及び第2ポリエステル系樹脂層12を単にポリエステル系樹脂層11、12と略記することがある。
(1)ポリエステル系樹脂層
ポリエステル系樹脂層11、12は、多層共押出しフィルム10に寸法安定性、耐熱性等の機能を付与するものである。特に寸法安定性が付与されることで、湿潤時のガスバリア性の低下を抑制することができる。
ポリエステル系樹脂層11、12は、いずれも結晶性ポリエステルを主成分として含有するのが好ましい。結晶性ポリエステルは、多層共押出しフィルム10に寸法安定性、耐熱性等の機能を付与することに大きく寄与する。結晶性ポリエステルとして、例えば、ジカルボン酸とジオールとを重縮合させることにより得られる樹脂等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、o−フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステルや、5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、3−スルホフタル酸、5−スルホイソフタル酸ジアルキル、2−スルホイソフタル酸ジアルキル、4−スルホイソフタル酸ジアルキル、3−スルホイソフタル酸ジアルキル及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩等のスルホン基含有ジカルボン酸等が挙げられる。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2、4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール類;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロへキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロへキシル)プロパン等のアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール類、1,3−ジヒドロキシブタンスルホン酸、1,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸等のスルホン基含有ジオール等が挙げられる。
この中でも特に、ジカルボン酸に由来する成分がテレフタル酸、ジオールに由来する成分がエチレングリコールであるポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸に由来する成分がテレフタル酸(99〜80モル%)及びイソフタル酸(1〜20モル%)、ジオールに由来する成分がエチレングリコールであるイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート;ジカルボン酸に由来する成分がテレフタル酸、ジオールに由来する成分が1,4−ブタンジオールであるポリブチレンテレフタレート(PBT);ジカルボン酸に由来する成分がテレフタル酸(99.5〜90モル%)及び5−ナトリウムスルホイソフタル酸(0.5〜10モル%)、ジオールに由来する成分がエチレングリコールであるスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート等が寸法安定性、耐熱性等の点から好適であり、より好ましくはテレフタル酸とエチレングリコールからなるポリエチレンテレフタレート(PET)である。
このような結晶性ポリエステルは商業的に入手可能であり、例えば、ベルペット−EFG6C、ベルペットPIFG5(いずれも(株)ベルポリエステルプロダクツ製)等をポリエステル系樹脂層11、12を構成する結晶性ポリエステルとして用いることができる。
なお、ポリエステル系樹脂層11、12に用いられる結晶性ポリエステルは1種のみでも良いし、必要に応じ2種以上をブレンドして用いてもよい。
また、ポリエステル系樹脂層11、12は、必要に応じ結晶性ポリエステルと相溶性のある樹脂を含有していても良いが、ポリエステル系樹脂層11、12を構成する成分の総重量に対する結晶性ポリエステルの含有量は、50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。
結晶性ポリエステルと相溶性のある樹脂としては非晶性ポリエステル等が例示できる。非晶性ポリエステルとはJIS−K7121に基づく示差走査熱量測定において融解熱量が観察されないポリエステルである。このような特性を有するポリエステルであれば特に限定されないが、具体例として、ジカルボン酸に由来する成分がテレフタル酸、ジオールに由来する成分がエチレングリコール(20〜80モル%)及びシクロヘキサンジメタノール(80〜20モル%)であるポリエステル;ジカルボン酸に由来する成分がテレフタル酸(20〜80モル%)及びイソフタル酸(80〜20モル%)、ジオールに由来する成分がエチレングリコールであるポリエステルが好適である。このような非晶性ポリエステルは商業的に入手可能であり、例えば、Eastar Copolyester 6763(イーストマンケミカル製)等を非晶性ポリエステルとして用いることができる。
また、遮光バリア層20の効果を損なわない範囲で必要に応じて、ポリエステル系樹脂層43、45に公知の無機又は有機添加剤等を適宜配合することができる。無機又は有機添加剤としては、アンチブロッキング剤、核剤、撥水剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、染料等を適宜配合することができる。
(2)ポリアミド系樹脂層
ポリアミド系樹脂層13は、多層共押出しフィルム10に耐屈曲性、耐衝撃性等の機能を付与するものである。特に耐屈曲性が付与されることで、屈曲後のガスバリア性の低下を抑制することができる。
ポリアミド系樹脂層13は、脂肪族ポリアミドを70〜99重量%、芳香族ポリアミドを1〜30重量%含有する。
(2−1)脂肪族ポリアミド
脂肪族ポリアミドとしては、脂肪族ナイロン及びその共重合体が挙げられる。具体的には、ポリカプラミド(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン−6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン−10,8)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6,6)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−12/6,6)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−2,6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,10)、エチレンアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,10)等を例示でき、これらのうち、2種以上の脂肪族ポリアミドを混合しても良い。
好ましい脂肪族ポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイロン-6,6、ナイロン−6/6,6(ナイロン6とナイロン6,6との共重合体)が挙げられ、より好ましくはナイロン−6、ナイロン−6/6,6であり、更に好ましくはナイロン−6である。2種以上の脂肪族ポリアミドとしてはナイロン−6とナイロン−6/6,6の組み合わせ(重量比で50:50〜95:5程度)が好ましい。
(2−2)芳香族ポリアミド
芳香族ポリアミドとしては、例えば、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン等の芳香族ジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる結晶性芳香族ポリアミドが挙げられる。好ましくは、ポリメタキシレンアジパミド(MXD−ナイロン)等の結晶性芳香族ポリアミドである。具体例としては、S−6007、S−6011(いずれも三菱ガス化学(株)製)が例示される。
或いは、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンとテレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる非晶性芳香族ポリアミド(アモルファスナイロン)が挙げられる。好ましくはヘキサメチレンジアミン−テレフタル酸−ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸の共重合体等である。具体例としては、シーラーPA(三井・デュポンポリケミカル(株)製)等が例示される。
ポリアミド系樹脂層13として、脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドの好ましい組み合わせは、ナイロン−6とMXD−ナイロンの組み合わせ、ナイロン−6と非晶性芳香族ポリアミド(アモルファスナイロン)の組み合わせが挙げられる。
(2−3)含有量
多層共押出しフィルム10におけるポリアミド系樹脂層13では、脂肪族ポリアミド及び芳香族ポリアミドの含有量は、脂肪族ポリアミドが70〜99重量%、好ましくは85〜97重量%、芳香族ポリアミドが1〜30重量%、好ましくは3〜15重量%の割合で含有されるように調整する。脂肪族ポリアミドが99重量%より多い場合、芳香族ポリアミドが1重量%より少ない場合には、二軸延伸性が低下し、フィルムの成形が困難となる。一方、脂肪族ポリアミドが70重量%より少ない場合、芳香族ポリアミドが30重量%より多い場合には、耐屈曲性が低下する。
ポリアミド系樹脂層13は、上記ポリアミド系樹脂からなるものであってもよいが、遮光バリア層20の効果を損なわない範囲で必要に応じて、公知の耐屈曲性改良剤、無機又は有機添加剤等を配合することができる。耐屈曲性改良剤としては、ポリオレフィン類、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等が挙げられ、0.5〜10重量%程度の範囲で適宜配合することができる。無機又は有機添加剤としては、アンチブロッキング剤、核剤、撥水剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤等が挙げられる。例えば、アンチブロッキング剤であれば、シリカ、タルク、カオリン等を100〜5000ppm程度の範囲で適宜配合することができる。なお、第2ポリエステル系樹脂層12を1層のみではなく、2層以上設けることも可能である。
(3)接着層
上記のポリエステル系樹脂層11、12とポリアミド系樹脂層13との層間強度を向上させる目的で、接着層が形成されていてもよい。接着層を介在させることにより、両者の接着後の層間強度を飛躍的に向上させることができる。接着層としては特に限定されず、例えば不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性された酸変性樹脂を用いることができる。
不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性された酸変性樹脂としては、例えば、変性ポリオレフィン、変性スチレン系エラストマー等が挙げられる。
変性ポリオレフィンは、公知の製法で得られ、例えば、不飽和カルボン酸又はその誘導体とポリオレフィンとをラジカル発生剤の存在下で加熱混合して得られる。
不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸、その酸無水物、そのエステル又はその金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩)等が例示できる。
ポリオレフィンとしては、オレフィン類の単独重合体、相互共重合体、他の共重合可能なモノマー(例えば、他のビニル系モノマー)との共重合体を例示できる。具体的には、例えば、ポリエチレン(例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン)等)、ポリプロピレン、ポリブテン、これらの相互共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を例示できる。
変性ポリオレフィンとして、好ましくは無水マレイン酸変性ポリオレフィンである。具体的には、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(例えば、三井化学(株)製のアドマーSF731、SE800等や、三菱化学(株)製のモディック等)が例示される。
変性スチレン系エラストマーは、公知の製法で得られ、例えば、不飽和カルボン酸又はその誘導体とスチレン系エラストマーとをラジカル重合剤の存在下で加熱混合して得られる。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物やスチレン−イソプレン共重合体の水素添加物等を例示できる。
不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸、その酸無水物、そのエステル又はその金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩)等が例示できる。
変性スチレン系エラストマーとして、好ましくは無水マレイン酸で変性したスチレン−ブタジエン共重合体水素添加物である。具体的には、無水マレイン酸で変性したスチレン−ブタジエン共重合体水素添加物(例えば、クレイトンポリマー製のクレイトンFG1901や旭化成ケミカルズ(株)製のタフテックM1913等)が例示できる。
(5)層構成
本実施の形態による多層共押出しフィルム10は、第1ポリエステル系樹脂層11、ポリアミド系樹脂層13及び第2ポリエステル系樹脂層12の3層をこの順に有する多層積層体を二軸延伸することにより得られる二軸延伸多層フィルムである。ここで、ポリエステル系樹脂層11、12は、2層のみではなく、3層以上設けることも可能である。また、ポリアミド系樹脂層13は、1層のみではなく、2層以上設けることも可能である。なお、複数あるポリエステル系樹脂層11、12は、使用する樹脂や厚みは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、ポリアミド系樹脂層13が複数ある場合も同様に、使用する樹脂や厚みは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、その他にも、接着層やガスバリア層、シール層等を必要に応じて設けることもできる。
ポリエステル系樹脂層11、12をA層、ポリアミド系樹脂層13をB層、接着層をD層、と表記すると、具体的な層構成として、(A)層/(B)層/(A)層、(A)層/(A)層/(B)層/(A)層、(A)層/(A)層/(B)層/(A)層/(A)層、(A)層/(B)層/(A)層/(A)層、(A)層/(A)層/(B)層/(B)層/(A)層/(A)層、(A)層/(D)層/(B)層/(D)層/(A)層、(A)層/(B)層/(B)層/(A)層、(A)層/(B)層/(A)層等が挙げられる。
以上のような層構成を有する多層共押出しフィルム10の総膜厚は、用途にあわせて適宜設定することができ、特に限定されないが、通常10〜50μm程度、好ましくは12〜25μm程度である。
また、各層の膜厚は、通常、ポリエステル系樹脂層11、12は1〜20μm程度、好ましくは1〜15μm程度である。ポリエステル系樹脂層11、12の厚みが1μm以上であることによって、寸法安定性、耐熱性等の優れた機能が多層共押出しフィルム10に付与され得る。また、20μm以下であることにより、耐屈曲性の優れたフィルムを得ることができる。なお、ポリエステル系樹脂層11、12が複数の層からなる場合には、ポリエステル系樹脂層11、12の厚みは、複数のポリエステル系樹脂層11、12の総厚みである。
ポリアミド系樹脂層13の厚みは5〜49μm程度、好ましくは8〜23μm程度である。ポリアミド系樹脂層13の厚みが5μm以上であることによって、耐屈曲性、耐衝撃性等の優れた機能が付与され、49μm以下であれば充分な衝撃強度を付与しつつ、製品コストを抑えることができる。なお、ポリアミド系樹脂層13を複数形成する場合には、ポリアミド系樹脂層13の厚みは、複数のポリアミド系樹脂層13の総厚みである。
なお、接着層を設ける場合には、接着層の厚みは0.5〜5μm程度、好ましくは0.5〜2.5μm程度である。接着層の厚みが0.5μm以上であれば膜厚のコントロールがしやすく、5μm以下であれば充分な接着強度を付与しつつ、生産コストを抑えることができる。
このような多層共押出しフィルム10は、第1ポリエステル系樹脂層11をなすようになるポリエステル系樹脂と、ポリアミド系樹脂層13をなすようになるポリアミド系樹脂と、第2ポリエステル系樹脂層12をなすようになるポリエステル系樹脂と、を共押し出し成形することにより成膜することができる。
また、図1に示すように、本実施の形態では、多層共押出しフィルム10の容器内方側となる面に、絵柄を含む絵柄層17が積層されている。ここで、絵柄とは、多層共押出しフィルム10に記録または印刷され得る種々の態様の記録対象のことであり、特に限定されることなく、図、文字、模様、パターン、記号、柄、マーク等を広く含む。とりわけ、食品を内包することが意図された容器1に用いられる積層体4では、絵柄として、内容物の図や、内容物の商品名、賞味期限、製造日、製造番号等の情報を示す文字が用いられる。もっとも、絵柄層17は、商品の仕様に応じて多層共押出しフィルム10に積層されるものであり、多層共押出しフィルム10に絵柄層17が設けられなくてもよい。
本実施の形態では、絵柄層17は、容器外方側となる多層共押出しフィルム10の外面ではなく、多層共押出しフィルム10の内面に施される。この場合、絵柄層17は、耐摩耗性に優れることから擦れ等による消失を効果的に防止することができ、且つ、絵柄の改ざんも効果的に防止することができる。また、製袋して容器1としたときに、多層共押出しフィルム10の内面に積層された絵柄層17を多層共押出しフィルム10を介して視認し得るよう、多層共押出しフィルム10は透明性を有していることが好ましい。
なお、表主面シート2a1に印刷される絵柄層17と、裏主面シート2a2に印刷される絵柄層17とは、その絵柄が異なっている。
(遮光バリア層)
次に、遮光バリア層20について説明する。上述したように、容器1は、食品を内容物として内包することに適した容器である。このため、内容物の酸化等の変質を防止しながら内容物を保存することができるように、遮光バリア層20は、水蒸気の透過を防止する蒸気バリア性及び酸素ガス等のガスの透過を防止するガスバリア性を有している。
加えて、遮光バリア層20は、容器1内の内容物に光が到達することを遮ることによって当該内容物の品質が低下することを抑制するための機能、すなわち遮光性も有している。遮光バリア層20によって遮光すべき光は、主として、通常の使用条件下において積層体4に入射する、例えば300〜800nmの波長域の外光からなる、可視光及び紫外線である。また、可能な限り遮光バリア層20によって、例えば波長800nmを越える、赤外光も遮光されることが好ましい。更に、遮光バリア層20は、消費者の購買意欲を高めるために、容器1の内容物が見えないように隠蔽性を十分に高めるためにも設けられている。
遮光バリア層20は、上記の機能を満たす層であれば特に限定されない。本実施の形態では、遮光バリア層20は、アルミニウムからなる層である。ここでいう「アルミニウムからなる層」とは、アルミニウムを主成分として含む層をいい、アルミニウム合金等であってもアルミニウムを主成分として含む層であればこれに含まれる。遮光バリア層20がアルミニウムを主成分として含む場合、遮光バリア層20は、極めて優れたガスバリア性、遮光性及び隠蔽性を発揮する。典型的には、アルミニウムからなる層として、アルミニウム箔及びアルミニウム合金箔が挙げられる。
ここで、積層体4の光透過性を評価する指標として、全光線透過率を用いることができる。全光線透過率とは、試料となる遮光バリア層20に入射する光の全入射光量に対する遮光バリア層20を通過した全透過光量の割合をいう。ほとんどの試料は光拡散性を有するため、全光線透過率は、平行光線透過率と拡散透過率の和となり、JISで規定される積分球を使用する光学的特性試験方法JIS−K7361−1に準拠して計測される。
一例として、遮光バリア層20の全光線透過率は、20%以下であることが好ましい。全光線透過率が20%以下である場合、通常の使用条件下において積層体4に入射する300〜800nmの波長域の外光からなる可視光と紫外線とを効果的に遮断することができ、容器1に内包される内容物の劣化を効果的に抑制することができる。
(シーラント層)
シーラント層30は、上述したように、2つの積層体4同士を重ね合わせて対向する辺部をヒートシールすることで、当該辺部を貼り合わせて密封するために設けられている。また、本実施の形態では、シーラント層30は、積層体4のうち、製袋して容器1とするときの最も容器内方となる側に配置される。
このようなシーラント層30としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などのポリオレフィン系樹脂からなる耐熱性のあるフィルム及びイージーピールフィルムなどが採用できる。更に、これらの材料からなるフィルムによって単層としてシーラント層30が構成されてもよいし、あるいは、複数の前記材料からなるフィルムによって多層としてシーラント層30が構成されてもよい。
とりわけ、積層体4をボイルやレトルト用の容器など、耐熱性が要求される容器1に形成する場合には、シーラント層30は、主として無延伸ポリプロピレン(CPP)を含む無延伸ポリプロピレン層(CPP層)、または、主として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む直鎖状低密度ポリエチレン層(LLDPE層)を有することが好ましい。
シーラント層30の厚みは、40μm以上200μm以下の範囲にあるのが好ましい。この場合、容器1の流通過程において生じ得る落下に対する耐衝撃強度に優れると共に、内容物の充填し易さ、内容物の詰替え易さといった取扱性にも優れる。
(接合層)
図2に示すように、本実施の形態では、多層共押出しフィルム10と遮光バリア層20との間、及び、遮光バリア層20とシーラント層30との間に接合層40が介在されている。この接合層40としては、例えばそれ自体既知のドライラミネート法にて一般に用いられる接着剤を用いることができ、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤等を用いることができる。
(包装容器)
このような積層体4からなる一対の主面シート2a及び底面シート3aの周縁をヒートシールすることにより、容器1が製袋される。図1に示すように、製袋された容器1の胴部2に、当該容器1を開封するための切れ目50が形成されている。切れ目50に沿って胴部2を切断することにより、密閉された容器1を容易に開封することができる。とりわけ、本実施の形態では、多層共押出しフィルム10が二軸延伸処理をされているため、密閉された容器1を更に容易に開封することができる。
具体的には、切れ目50は、一対の側縁2a4の間を延びるように、胴部2をなす表主面シート2a1に形成された第1表主切れ目51及び第2表主切れ目52と、一対の側縁2a4の間を延びるように、胴部2をなす裏主面シート2a2に形成された裏主切れ目53と、を含んでいる。このうち、表主面シート2a1に形成された第1表主切れ目51及び第2表主切れ目52は、両端部を互いに同一の位置に持つ一方で、異なる経路を延びている。図示する例では、第1表主切れ目51は、上方に凸となるように湾曲しており、第2表主切れ目52は、下方に凸となるように湾曲している。より具体的には、第1表主切れ目51は、両端部を結ぶ仮想直線よりも上方を延びており、第2表主切れ目52は、両端部を結ぶ仮想直線よりも下方を延びている。また、裏主切れ目53の両端部は、第1表主切れ目51及び第2表主切れ目52の対応する側の端部と重なる位置に配置されている。そして、裏主切れ目53は、両端部間を直線状に延びている。したがって、表主面シート2a1と裏主面シート2a2とが重ねられた状態にて、裏主切れ目53は、第1表主切れ目51及び第2表主切れ目52とは異なる経路を延びる。
さて、切れ目50に沿って胴部2を切断する力の方向は、利用者の利き腕や手の大きさ等によってばらつき(個人差)がある。一方の主面シート2aに異なる経路を延びる第1表主切れ目51及び第2表主切れ目52が形成されていることにより、切れ目50に沿って胴部2を切断する力の方向にばらつきがあっても、いずれか一方の表主切れ目51、52に沿って胴部2を容易に切断することができる。
図3に、切れ目50が形成された胴部2の断面図を示す。図3に示すように、切れ目50は、胴部2の多層共押出しフィルム10内に形成されており、遮光バリア層20には形成されていない。切れ目50が遮光バリア層20まで形成されると、容器1のガスバリア性及び遮光性を低減させてしまうおそれがある。従って、切れ目50は、胴部2の多層共押出しフィルム10内まで形成されているのが好ましい。
また、好ましくは、図3に示すように、胴部2の多層共押出しフィルム10に形成された切れ目50は、少なくとも当該多層共押出しフィルム10のポリアミド系樹脂層13を貫通する。切れ目50が、高強度をもつポリアミド系樹脂層13を貫通することにより、切れ目50に沿って胴部2を容易に切断することができるようになる。
加えて、図1に示すように、胴部2に、容器1を密閉及び開封するためのチャックテープ60が設けられている。チャックテープ60は、一対の側縁2a4の間を直線状に延びるように胴部2の容器内方となる面に取付けられている。また、チャックテープ60は、胴部2の容器内方となる面のうち、切れ目50よりも底部3側の領域に配置されている。切れ目50に沿って胴部2を切断して容器1を開封した後、チャックテープ60を閉じることにより容器1を再び密閉することができる。
また、裏主切れ目53は、第1表主切れ目51及び第2表主切れ目52とは異なる経路を延びている。容器1をいったん開封すると、裏主切れ目53と、第1表主切れ目51及び第2表主切れ目52の一方と、によって容器10の上端が画成される。そして、裏主切れ目53が第1表主切れ目51及び第2表主切れ目52から上下にずれた位置に配置されることから、容器1を開封する際に一対の側部2を互いに離間させることが極めて容易となる。これにより、チャックテープ60によって閉鎖された容器1を容易に再開封することが可能となる。
(製造方法)
次に、上述したスタンディングパウチ形式の容器1を製造する方法の一例について、図4及び図5を参照しながら説明する。このうち、図4は、ドライラミネート法を用いて、図2に示す積層体4を製造する方法を示す概略図である。初めに、積層体4を製造する方法について図4を参照して説明し、その後、積層体4を用いて容器1を製造する方法について図5を参照して説明する。
先ず、ポリエステル系樹脂とポリアミド系樹脂とポリエステル系樹脂とを共押し出し成形することにより、多層共押出しフィルム10をなすようになる基材シート101(図4参照)を成膜する。次に、基材シート101に、絵柄層17を印刷し、印刷された基材シートを熱風によって乾燥する。絵柄層17が印刷された基材シート101は、ロール状に巻取られてロール状の原反105(図4参照)をなすようになる。この印刷方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等を利用することができる。
次に、図4に示すように、ロール状の原反105から、絵柄層17が印刷された基材シート101が繰り出されて、この基材シート101に、例えばグラビアローラ106によってドライラミネート用の接着剤102が塗布される。その後、基材シート101は乾燥炉103に搬送され、当該乾燥炉103にて接着剤102に含まれる溶媒が除去された後、ニップローラ107に案内される。
他方で、別個のロール状の原反109から、遮光バリア層20をなすバリアシート104が繰り出されニップローラ107に案内される。
ニップローラ107において、基材シート101とバリアシート104とが重ね合わされて、当該重ね合わされた基材シート101とバリアシート104とが加熱されながら圧着される。これにより、基材シート101とバリアシート104とからなる中間積層体108が作製される。
続いて、中間積層体108に、例えばグラビアローラ126によってドライラミネート用の接着剤102が塗布される。その後、中間積層体108は乾燥炉123に搬送され、当該乾燥炉123にて接着剤102に含まれる溶媒が除去された後、ニップローラ127に案内される。
他方で、別個のロール状の原反129から、シーラント層30をなすシーラントシート124が繰り出されニップローラ127に案内される。
ニップローラ127において、中間積層体108とシーラントシート124とが重ね合わされて、当該重ね合わされた中間積層体108とシーラントシート124とが加熱されながら圧着される。これにより、中間積層体108とシーラントシート124からなる積層体4が製造される。得られた積層体4は、ロール状に巻き取られる。
このような形態によれば、積層体4は、基材シート101とバリアシート104とシーラントシート124とからなる3層をラミネートにて貼り合わせることで形成されるため、容器1を効率よく作製することができる。
次に、積層体4を用いて容器1を製造する方法について、図5(a)〜(c)を参照して説明する。図5(a)〜(c)は、図1に示す容器を製造する方法を説明するための図である。
先ず、積層体4を切断して、底部3をなすようになる一対の底材シート140と胴部2をなすようになる胴材シート130とに分離する。本実施の形態では、底材シート140及び胴材シート130を単一の積層体4から分離して作製することができるため、歩留まりがよく、過剰な切断工程を必要としない、というメリットを得ることができる。
図5(a)に示すように、底材シート140において、底部3の底面シート3aに対応する各領域141が長手方向に一列に並んでいる。一方、胴材シート130において、長手方向に延びる4つの列が幅方向に並んでいる。4つの列の各々では、胴部2の表主面シート2a1に対応する領域133及び裏主面シート2a2に対応する領域134のいずれか一方が、長手方向に繰返し並んでいる。図示する例では、胴部2の表主面シート2a1に対応する領域133が幅方向に隣接して2つ並び、裏主面シート2a2に対応する領域134が幅方向に隣接して2つ並んでいる。
次に、胴材シート130のうち、表主面シート2a1に対応する領域133に、製袋して容器とするときの容器外方となる側からレーザ光を照射して第1表主切れ目51及び第2表主切れ目52を形成する。また、胴材シート130のうち、裏主面シート2a2に対応する領域に、容器外方となる側からレーザ光を照射して裏主切れ目53を形成する。このとき、レーザ光の照射位置を胴材シート130の表面に沿ってずらすことによって、胴材シート130に切れ目50を所望の形状で高精度に形成することができる。
また、上述したように、積層体4は、容器外方となる側から容器内方となる側に向けて多層共押出しフィルム10とアルミニウムからなる遮光バリア層20とシーラント層30とをこの順で含んでいる。そして、アルミニウムからなる遮光バリア層20は、多層共押出しフィルム10よりも溶融し難い上に、その表面でレーザ光を幾らか散乱させるため、多層共押出しフィルム10よりも溶断され難い。従って、容器外方となる側から胴材シート130にレーザ光を適切に照射することによって、切れ目50を多層共押出しフィルム10内まで形成して、遮光バリア層20には形成しない、ということが可能になる。
なお、照射するレーザの種類としては、YAGレーザやCO2レーザ(炭酸ガスレーザ)が挙げられる。
次に、図5(a)に示すように、一対の底材シート140の間に胴材シート130を配置して、これらのシート130、140を給送する。続いて、図5(b)に示すように、幅方向における中央の位置で胴材シート130を切断して、幅方向に表主面シート2a1に対応する領域133を2つもつ、あるいは、裏主面シート2a2に対応する領域134を2つもつ一対の胴材シート中間部分131に、胴材シート130を分離する。
次に、図5(c)に示すように、一組の胴材シート中間部分131を、シーラント層30同士が対面するように重ねながら、一組の胴材シート中間部分131の間に底材シート140及びチャックテープ60を挿入する。この状態で、胴材シート中間部分131のうち主面シート2aの周縁となるべき領域及び底材シート140のうち底面シート3aの周縁となるべき領域を互いにヒートシールする。その後、各容器1の形状に合わせて、ヒートシールされた部分をトリミングすることによって、各容器1を得ることができる。
なお、辺部をヒートシールする方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の方法で行うことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、胴部2及び底部3が、多層共押出しフィルム10と、遮光バリア層20と、シーラント層30と、を容器外方側から容器内方側に向かってこの順で含む積層体4で構成されている。このような形態によれば、積層体4は、多層共押出しフィルム10と遮光バリア層20とシーラント層30とからなる3層をラミネートにて貼り合わせることで形成されるため、容器1を作製する効率が高い。また、胴部2及び底部3を単一の積層体4から分離して作製することができるため、歩留まりがよく、余分な切断工程を必要としない。これらの結果、容器1を十分に効率良く作製することができる。
また、多層共押出しフィルム10において、第1ポリエステル系樹脂層11と第2ポリエステル系樹脂層12との間にポリアミド系樹脂層13が配置されている。このような配置によれば、水蒸気バリア性をある程度もつ第1ポリエステル系樹脂層11及び第2ポリエステル系樹脂層12によって、ポリアミド系樹脂層13に蒸気が到達することを妨げることができる。加えて、多層共押出しフィルム10がポリアミド系樹脂層13を基準にして概ね対称となる。そして、ポリアミド系樹脂層13が第1ポリエステル系樹脂層11と第2ポリエステル系樹脂層12との間でバランスよく保持されることにより、ポリアミド系樹脂層13のカールを効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、多層共押出しフィルム10は、二軸延伸処理をされている。延伸処理によって分子が延伸方向に並び、多層共押出しフィルム10に優れた寸法安定性を付与することができる。また、二軸延伸処理によって、多層共押出しフィルム10に易開封性を付与することができる。
また、本実施の形態によれば、胴部2の多層共押出しフィルム10に形成された切れ目50は、レーザ加工によって形成されている。レーザ光の照射位置を多層共押出しフィルム10の表面に沿ってずらすことによって、多層共押出しフィルム10に切れ目50を所望の形状で高精度に形成することができる。
≪変形例≫
なお、上述した第1の実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
上述した第1の実施の形態では、図1に示すように、胴部2と底部3とは、同一の積層体4を互いにヒートシールすることによって形成されている例を示したが、胴部2と底部3の形成方法は、上述した形成方法に限定されない。図6に、胴部2と底部3の形成方法の他の例を示す。図6に示す例では、胴部2と底部3とは、単一の積層体4を折り曲げることによって形成されている。そして、胴部2及び底部3の周縁をヒートシールすることによって、スタンディングパウチ形式の容器1が製袋される。このような形態であっても、本実施の形態と同様な作用効果を得ることができる。
また、上述した第1の実施の形態では、図1に示すように、切れ目50は、胴部2をなす表主面シート2a1に形成された第1表主切れ目51及び第2表主切れ目52と、胴部2をなす裏主面シート2a2に形成された裏主切れ目53と、を含む例を示したが、切れ目50の形態は、上述した形態に限定されない。図7に、切れ目50の他の例を示す。図7に示す例では、切れ目50は、胴部2をなす表主面シート2a1に形成された主切れ目55と、胴部2をなす裏主面シート2a2に形成された主切れ目55と、を含んでいる。図示する例では、表主面シート2a1に形成された主切れ目50と裏主面シート2a2に形成された主切れ目50とは、表主面シート2a1と裏主面シート2a2とが重ねられた状態にて、ほぼ重なる位置に配置されているが、加工精度に起因して僅かにずれている。したがって、表主面シート2a1と裏主面シート2a2とが重ねられた状態にて、表主面シート2a1に形成された主切れ目50は、裏主面シート2a2に形成された主切れ目50とは異なる経路を延びる。
また、図7に示す例では、胴部2の各側縁2a4に、切欠き58が形成されている。各切欠き58は、胴部2のうちヒートシールされた部分に形成されており、胴部2をなす積層体4を貫通している。胴部2の側縁2a4に切欠き58が形成されていることにより、切欠き58から胴部2を容易に開封し始めることができる。
図7に示すように、各主面シート2aに形成された主切れ目55は、切欠き58から離間した位置に端部55bを有する主要素55aと、当該主要素55aの端部55bから、切欠き58の少なくとも一部を周囲から取り囲むように延び出した一対のガイド要素54と、を含んでいる。このうち、主切れ目55の主要素55aは、一対の切欠き58から離間した位置で、当該一対の切欠き58の間を直線状に延びている。一方、主切れ目55のガイド要素54は、主要素55aの端部55bに接続された第1ガイド要素54a及び第2ガイド要素54bを含んでいる。第1ガイド要素54aは、主要素55aの端部55bから、切欠き58の上方に向かって傾斜して延びている。一方、第2ガイド要素54bは、主要素55aの端部55bから、切欠き58の下方に向かって傾斜して延びている。
このようなガイド要素54によれば、切欠き58から胴部2を切断する経路を、ガイド要素54を介して主要素55に沿って案内することができるため、密閉された容器1を更に容易に開封することができる。
さらに、図9乃至図13に、切れ目50の別の変形例を示す。図9乃至図13に示す例では、切れ目50は、容器1を開封するために用いられる主切れ目510及び補助切れ目520を含んでいる。主切れ目510及び補助切れ目520は、胴部2の一対の側縁2a4の間を延び、互いにずれて配置されている。主切れ目510及び補助切れ目520は、表主面シート2a1と裏主面シート2a2との両方に形成されている。図9乃至図13に示す例では、表主面シート2a1に形成された主切れ目510と裏主面シート2a2に形成された主切れ目510とは、表主面シート2a1と裏主面シート2a2とが重ねられた状態にて、互いに重なる位置に配置されている。もっとも、これらは、互いにずれていてもよい。同様に、表主面シート2a1に形成された補助切れ目520と裏主面シート2a2に形成された補助切れ目520とは、表主面シート2a1と裏主面シート2a2とが重ねられた状態にて、互いに重なる位置に配置されている。もっとも、これらは、互いにずれていてもよい。
図9乃至図13に示す例では、表主面シート2a1上または裏主面シート2a2上において、複数の補助切れ目520の間に主切れ目510が配置されている。このうち、図9乃至図12に示す例では、表主面シート2a1上または裏主面シート2a2上において、1つの主切れ目510に対して両側に、補助切れ目520が2つずつ配置されている。一方、図13に示す例では、2つの主切れ目510に対して両側に、補助切れ目520が2つずつ配置されている。なお、補助切れ目520の数は、設計に応じて適宜設定可能である。
また、胴部2の多層共押出しフィルム10に形成された主切れ目510は、少なくとも当該多層共押出しフィルム10のポリアミド系樹脂層13を貫通するのが好ましい。主切れ目510が、高強度をもつポリアミド系樹脂層13を貫通することにより、主切れ目510に沿って胴部2を容易に切断することができるようになる。
一方、補助切れ目520は、胴部2の多層共押出しフィルム10に、主切れ目510と同程度の深さで形成されてもよいし、主切れ目510よりも浅い深さで形成されてもよい。補助切れ目520が多層共押出しフィルム10のポリアミド系樹脂層13を貫通する場合、補助切れ目520に沿って胴部2を容易に切断することができるようになる。
上述のように、胴部2は、積層体4からなる2つの表主面シート2a1及び裏主面シート2a2を有し、各主面シート2a1、2a2の側縁は、他の主面シート2a1、2a2の側縁とヒートシールされている。そして、ヒートシールされた主面シート2a1、2a2の側縁に切欠き558が形成されている。このうち、図9、図10及び図13に示す例では、主切れ目510の各端部が、対応する切欠き558に繋がっている。一方、図11及び図12に示す例では、主切れ目510は、切欠き558から離間した位置に端部511aを有する主要素511と、当該主要素511の端部511aから、切欠き558の少なくとも一部を周囲から取り囲むように延び出した一対のガイド要素512と、を含んでいる。以下、各変形例について詳述していく。
図9及び図10に示す例では、主切れ目510は、一対の切欠き558の間を直線状に延び、各々の切欠き558に繋がっている。
このうち、図9に示す例では、各補助切れ目520は、主切れ目510に平行に延びている。図示する例では、補助切れ目520の各端部は、対応する側縁2a4の縁端まで延びている。もっとも、補助切れ目520の端部は、側縁2a4の縁端から離間していてもよい。一例として、隣り合う主切れ目510と補助切れ目520との間の間隔、及び、隣り合う2つの補助切れ目520の間の間隔は、0.5mm〜2.0mm程度に設定される。なお、これらの間隔は、設計に応じて適宜設定可能である。
一方、図10に示す例では、各補助切れ目520は、湾曲した経路を延びている。具体的には、主切れ目510に対し上縁2a3側に配置された2つの補助切れ目520は、上方に凸となるように湾曲している。言い換えると、主切れ目510に対し上縁2a3側に配置された2つの補助切れ目520は、両端部を結ぶ仮想直線よりも上方を延びている。一方、主切れ目510に対し上縁2a3とは反対側に配置された2つの補助切れ目520は、下方に凸となるように湾曲している。言い換えると、主切れ目510に対し上縁2a3とは反対側に配置された2つの補助切れ目520は、両端部を結ぶ仮想直線よりも下方を延びている。図示する例では、補助切れ目520の各端部は、対応する側縁2a4の縁端まで延びている。もっとも、補助切れ目520の端部は、側縁2a4の縁端から離間していてもよい。
一例として、隣り合って配置された主切れ目510と補助切れ目520との間の間隔は、0.5mm〜2.0mm程度の間に設定される。なお、図10に示すように、主切れ目510の端部と、当該端部と最も接近した補助切れ目520の部分と、の間の間隔は、主切れ目510の中央付近と、当該中央付近と最も接近した補助切れ目520の部分と、の間の間隔よりも狭い。一方、隣り合って配置された2つの補助切れ目520の間の間隔は、0.5mm〜2.0mm程度に設定される。なお、これらの間隔は、設計に応じて適宜設定可能である。
図11及び図12に示す例では、主切れ目510の主要素511は、一対の切欠き558から離間した位置で、当該一対の切欠き558の間を直線状に延びている。一方、主切れ目510のガイド要素512は、主要素511の端部511aに接続された第1ガイド要素513及び第2ガイド要素514を含んでいる。第1ガイド要素513は、主要素511の端部511aから、切欠き558の上方に向かって傾斜して延びている。一方、第2ガイド要素514は、主要素511の端部511aから、切欠き558の下方に向かって傾斜して延びている。
図11に示す例では、各補助切れ目520は、主要素511に平行に延びている。図示する例では、補助切れ目520の各端部は、ガイド要素512に繋がっている。もっとも、補助切れ目520の端部は、ガイド要素512から離間していてもよい。
図11に示す例において、主切れ目510の主要素511と補助切れ目520との間の間隔、及び、2つの補助切れ目520の間の間隔は、図9に示す変形例と略同様に設定することができる。
一方、図12に示す例では、各補助切れ目520は、湾曲した経路を延びている。具体的には、主切れ目510に対し上縁2a3側に配置された2つの補助切れ目520は、上方に凸となるように湾曲している。言い換えると、主切れ目510に対し上縁2a3側に配置された2つの補助切れ目520は、両端部を結ぶ仮想直線よりも上方を延びている。一方、主切れ目510に対し上縁2a3とは反対側に配置された2つの補助切れ目520は、下方に凸となるように湾曲している。言い換えると、主切れ目510に対し上縁2a3とは反対側に配置された2つの補助切れ目520は、両端部を結ぶ仮想直線よりも下方を延びている。図示する例では、補助切れ目520の各端部は、ガイド要素512に繋がっている。もっとも、補助切れ目520の端部は、ガイド要素512から離間していてもよい。
図12に示す例において、主切れ目510の主要素511と補助切れ目520との間の間隔、及び、2つの補助切れ目520の間の間隔は、図10に示す変形例と略同様に設定することができる。
また、図13に示す例では、2つの主切れ目510は、一対の切欠き558の間を湾曲した経路で延び、各々の切欠き558に繋がっている。具体的には、一方の主切れ目510は、上方に凸となるように湾曲しており、他方の主切れ目510は、下方に凸となるように湾曲している。言い換えると、一方の主切れ目510は、両端部を結ぶ仮想直線よりも上方を延びており、他方の主切れ目510は、両端部を結ぶ仮想直線よりも下方を延びている。
各補助切れ目520は、湾曲した経路を延びている。具体的には、2つの主切れ目510に対し上縁2a3側に配置された2つの補助切れ目520は、上方側の主切れ目510と間隔を空けながら、当該主切れ目510に沿って延びている。一方、2つの主切れ目510に対し上縁2a3とは反対側に配置された2つの補助切れ目520は、下方側の主切れ目510と間隔を空けながら、当該主切れ目510に沿って延びている。図示する例では、補助切れ目520の各端部は、対応する側縁2a4の縁端まで延びている。もっとも、補助切れ目520の端部は、側縁2a4の縁端から離間していてもよい。
図13に示す例において、隣り合って配置された主切れ目510と補助切れ目520との間の間隔、及び、隣り合って配置された2つの補助切れ目520との間の間隔は、0.5mm〜2.0mm程度の間に設定される。なお、これらの間隔は、設計に応じて適宜設定可能である。
以上のような変形例によれば、切れ目50は、容器1を開封するために用いられる主切れ目510及び補助切れ目520を含んでおり、主切れ目510と補助切れ目520とは、ずれて配置されている。このような形態によれば、主切れ目510に沿って胴部2を切断する力の方向にばらつきがあり、胴部2を切断する経路が主切れ目510からずれてしまっても、主切れ目510からずれて配置された補助切れ目520に沿って案内することができる。このため、胴部2を容易に切断し、密閉された容器1を容易に開封することができる。
さらに、図9乃至図13に示す変形例によれば、複数の補助切れ目520の間に、主切れ目510が配置されている。言い換えると、主切れ目510に対して両側に、補助切れ目520が配置されている。このような形態によれば、胴部2を切断する経路が主切れ目510に対していずれの側にずれてしまっても、このずれた側に配置された補助切れ目520に沿って案内することができる。このため、胴部2を容易に安定して切断し、密閉された容器1を容易に安定して開封することができる。
また、とりわけ、図11及び図12に示す変形例によれば、ヒートシールされた主面シート2a1、2a2の側縁に切欠き558が形成され、主切れ目510は、切欠き558から離間した位置に端部511aを有する主要素511と、主要素511の端部511aから、切欠き558の少なくとも一部を周囲から取り囲むように延び出した一対のガイド要素512と、を含んでいる。このような形態によれば、切欠き558から胴部2を切断する経路を、ガイド要素512を介して主要素511に沿って案内することができるため、密閉された容器1を更に容易に開封することができる。
また、図9乃至図13に示す変形例によれば、表主面シート2a1に形成された主切れ目510と裏主面シート2a2に形成された主切れ目510とは、表主面シート2a1と裏主面シート2a2とが重ねられた状態にて、互いに重なる位置に配置され、且つ、表主面シート2a1に形成された補助切れ目520と裏主面シート2a2に形成された補助切れ目520とは、表主面シート2a1と裏主面シート2a2とが重ねられた状態にて、互いに重なる位置に配置されている。このような形態によれば、主切れ目510及び補助切れ目520が形成された同一の積層体4から、表主面シート2a1及び裏主面シート2a2を作成することができる。このため、容器1を作製する効率を一層高めることができる。
≪第2の実施の形態≫
次に、図8を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態によるガゼット形式の容器の一例を示す斜視図である。第1の実施の形態の容器1がスタンディングパウチ形式の容器1であるのに対して、図8を参照して説明する第2の実施の形態はガゼット形式の容器である点で異なる。第2の実施の形態に関する以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
図8に示すように、本実施の形態によるガゼット形式の容器201は、折り目203を含み折り込まれることを意図されたガセット部202と、当該ガセット部202に接続された非ガセット部204と、を備えている。このうち、非ガセット部204は、互いに対向して配置された一対の主面シート204aを含み、ガセット部202は、一対の主面シート204aの対応する側の側縁間に配置された一対の折畳シート202aを含んでいる。この折畳シート202aは、主面シート204aの側縁から容器内方に向けて折り込まれて、折り目203が形成されている。
主面シート204aと折畳シート202aとは、その重なり合う周縁を互いにヒートシールされている。具体的には、主面シート204aの各側縁と、当該側縁に重ねられる折畳シート202aの側縁とがヒートシールされることにより、上下方向に延びる4つの側縁シール部201aが形成される。また、一対の主面シート204aの下縁同士がヒートシールされることにより、側縁シール部201aの下端の間を延びる底縁シール部201bが形成される。
また、一対の主面シート204aの上縁及び一対の折畳シート202aの上縁同士を重ね合せてヒートシールすることにより、側縁シール部201aの上端の間を延びる上縁シール部201cが形成される。
この容器1の上縁シール部201cに注出口205が介装されている。注出口205として、それ自体既知の形態を採用することができ、例えばプラスチック製のスパウト等を用いることができる。注出口205の上端には、蓋栓206が螺着されている。
本実施の形態では、ガセット部202をなす一対の折畳シート202a及び主面シート204aをなす一対の主面シート204aは、図2に示す同一の積層体4からなる。これにより、容器1を作製する効率を高めることができる。この積層体4の構成は、第1の実施形態と同様に構成することができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
以上のように、第2の実施の形態によれば、ガセット部202及び非ガセット部204が、多層共押出しフィルム10と、遮光バリア層20と、シーラント層30と、を容器外方側から容器内方側に向かってこの順で含む積層体4で構成されている。このような形態によれば、積層体4は、多層共押出しフィルム10と遮光バリア層20とシーラント層30とからなる3層をラミネートにて貼り合わせることで形成されるため、容器1を作製する効率が高い。また、ガセット部202及び非ガセット部204を単一の積層体4から分離して作製することができるため、歩留まりがよく、余分な切断工程を必要としない。これらの結果、容器1を十分に効率良く作製することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。以下に説明するようにして、実施例及び比較例に係る容器を作製し、各容器を製造する効率を評価した。
〔実施例1〕
実施例1は、図1に示すスタンディングパウチ形式の容器1に対応しており、実施例2は、図8に示すガセット形式の容器1に対応している。
第1ポリエステル系樹脂層、ポリアミド系樹脂層及び第2ポリエステル系樹脂層を共押し出し成形することにより、多層共押出しフィルムを作製した。この第1ポリエステル系樹脂層及び第2ポリエステル系樹脂層として、ポリエチレンテレフタレート層(ベルポリエステルプロダクツ(株)社製、ベルペット−EFG6C)を採用し、ポリアミド系樹脂層として、ナイロン−6(宇部興産(株)社製、UBEナイロン−1022B)90重量%と、アモルファスナイロン(三井・デュポンケミカル(株)社製、シーラーPA)10重量%と、を配合した層を採用した。また、第1ポリエステル系樹脂層の厚みを1.5μm、ポリアミド系樹脂層の厚みを12μm、第2ポリエステル系樹脂層の厚みを1.5μmとした。
次に、この多層共押出しフィルムに絵柄層をグラビア印刷によって印刷し、多層共押出しフィルムに絵柄層をグラビア印刷によって印刷したものと、遮光バリア層と、シーラント層とを、図4を参照しながら説明したドライラミネート法を用いて貼り合わせて、積層体を作製した。この遮光バリア層として、厚み7μmからなるアルミニウムからなる層を用い、シーラント層として、厚み60μmからなる無延伸ポリプロピレン(東レ(株)社製、製品名「トレファンZK207」)を用いた。
次に、積層体を切断して、底部をなすようになる一対の底材シートと胴部をなすようになる胴材シートとに分離した。続いて、一対の底材シート及び胴材シートのうち、製袋される各容器の周縁となるべき領域をヒートシールした。その後、容器の形状に合わせてヒートシールされた部分をトリミングすることによって、図1に示す容器を作製した。
〔実施例2〕
実施例2に係る容器は、実施例1に係る容器に用いた積層体を用いてガセット形式の容器として作製されたものである。つまり、折り込まれることが意図されたガセット部及び当該ガセット部に接続される非ガセット部を、実施例1に係る容器に用いた積層体から作製して、容器を製袋した。
〔比較例1〕
比較例1に係る容器は、実施例1に係る容器をなす積層体の多層共押出しフィルムの代わりに二層共押出しフィルムを用い、その他の点では実施例1に係る容器と同一とした。すなわち、比較例1に係る容器は、二層共押出しフィルムと遮光バリア層とシーラント層とを、図4に示すドライラミネート法を用いて接合した積層体から製袋されたものである。
具体的には、比較例1に係る容器で用いた二層共押出しフィルムは、ポリエステル系樹脂層とポリアミド系樹脂層とを共押し出し成形することにより作製された。このポリエステル系樹脂層としてポリエチレンテレフタレート(PET)層(ベルポリエステルプロダクツ(株)社製、ベルペット−EFG6C)を採用し、ポリアミド系樹脂層として、ナイロン−6(宇部興産(株)社製、UBEナイロン−1022B)90重量%とアモルファスナイロン(三井・デュポンケミカル(株)社製、シーラーPA)10重量%とを配合した層を採用した。この二層共押出しフィルムにおいて、ポリエステル系樹脂層の厚みを3μm、ポリアミド系樹脂層の厚みを12μmとした。
また、比較例1に係る容器で用いた積層体の遮光バリア層及びシーラント層は、材料や厚み等において、実施例1に係る包装材料の遮光バリア層及びシーラント層と同様にした。
〔比較例2〕
比較例2に係る容器は、実施例1に係る容器をなす積層体と異なる積層体を用い、その他の点では実施例1に係る容器と同一とした。比較例2に係る容器で用いた積層体は、ポリエステル系樹脂層と、遮光バリア層と、ポリアミド系樹脂層と、シーラント層とを、ドライラミネート法を用いて、順に貼り合わせて積層体を作製した。
比較例2に係る容器で用いた積層体のポリエステル系樹脂層及びポリアミド系樹脂層は、材料において、それぞれ、実施例1に係る容器の第1または第2ポリエステル系樹脂層及びポリアミド系樹脂層と同様にした。一方、比較例1に係る容器で用いた積層体のポリエステル系樹脂層の厚みは12μm、ポリアミド系樹脂層の厚みは15μmとした。
また、比較例2に係る容器で用いた積層体の遮光バリア層及びシーラント層は、材料や厚み等において、実施例1に係る包装材料の遮光バリア層及びシーラント層と同様にした。
〔比較例3〕
比較例3に係る容器は、比較例2に係る容器の胴部をなす積層体からポリアミド系樹脂層を省いた形態に対応している。すなわち、比較例3に係る容器の胴部で用いた積層体は、ポリエステル系樹脂層と、遮光バリア層と、シーラント層とを、ドライラミネート法を用いて貼り合わせたものであり、底部で用いた積層体と異なる構成とした。
(効率の評価結果)
材料コスト、加工性、ラミネート工数、歩留まり及び切断工数に基づいて、上記で得られた実施例1、2及び比較例1〜3に係る容器を製造する効率を評価した評価結果を表1に示す。このうち、材料コストとは、実施例1、2及び比較例1〜3に係る容器をなす積層体の材料費を指す。加工性とは、実施例1、2及び比較例1〜3に係る容器をなす積層体をラミネート法にて作製する際の加工の容易性を指す。ラミネート工数とは、ラミネートにて貼り合わせる層の数を指す。歩留まりとは、実施例1、2及び比較例1〜3に係る容器をなす積層体から容器を作製する際の、積層体の歩留まりを指す。そして、切断工数とは、実施例1、2及び比較例1〜3に係る容器をなす積層体から容器を作製する際に必要とされる切断工数を指す。表1では、各評価項目において、実施例1に係る容器に対して比較例1〜3に係る容器の方が優れている場合に○を付し、同等程度の場合に−を付し、劣っている場合に×を付している。
Figure 2015006914
表1から理解されるように、実施例1及び2に係る容器は、十分に効率よく作製されることが可能であった。
一方、比較例1に係る容器は、二層共押出しフィルムと遮光バリア層とシーラント層とをラミネートする際に、二層共押出しフィルムのポリアミド系樹脂層が吸湿してしまい、二層共押出しフィルムにカールが発生してしまった。このため、二層共押出しフィルムを引き延ばした状態で、二層共押出しフィルムと遮光バリア層とシーラント層とをラミネートしなければならなく、実施例1に係る容器と比べて加工性が著しく劣っていた。このため、比較例1に係る容器は、実施例1に係る容器よりも効率よく作製することができなかったため、総合評価としては「×」となった。
比較例2に係る容器は、ポリエステル系樹脂層と遮光バリア層とポリアミド系樹脂層とシーラント層とからなる4層をラミネートによって貼り合わせる必要があるため、ラミネート工数が多い。このため、実施例1に係る容器と比べて、容器を作製する効率への影響が大きいラミネート工数の点で劣っていた。結果として、比較例2に係る容器は、実施例1に係る容器よりも効率よく作製することができなかったため、総合評価としては「×」となった。
比較例3に係る容器は、比較例2に係る容器の胴部をなす積層体からポリアミド系樹脂層を省いているため、材料コストの点で優れている。一方、比較例3に係る容器の胴部をなす積層体は、実施例1に係る容器をなす積層体と同等のラミネート工数であるが、比較例3に係る容器の底部をなす積層体は、比較例2に係る容器をなす積層体と同様なため、ラミネート工数が多い。このため、比較例3に係る容器のラミネート工数は依然として十分ではない。加えて、胴部をなす積層体と底部をなす積層体とを別途に形成して切断しなければならないため、実施例1に係る容器に比べて歩留まりが悪く、より多くの切断工程を必要とした。このため、比較例3に係る容器は、実施例1に係る容器よりも効率よく作製することができなかったため、総合評価としては「×」となった。
〔実施例4〕
さらに、実施例1に係る容器を製袋する工程において、容器を開封するための切れ目を形成し、実施例4に係る容器を作製した。つまり、実施例4に係る容器は、実施例1に係る容器に、容器を開封するための切れ目を形成した形態に対応している。具体的には、容器の胴部をなすようになる胴材シートと、容器の底部をなすようになる底材シートと、から容器を製袋する工程において、胴材シートのうち、胴部の表主面シートに対応する領域に、容器外方となる側からレーザ光を照射して第1表主切れ目及び第2表主切れ目を形成した。また、胴材シートのうち、胴部の裏主面シートに対応する領域に、容器外方となる側からレーザ光を照射して裏主切れ目を形成した。
実施例4に係る容器は、実施例1に係る容器及び実施例2に係る容器と同様に、十分に効率よく作製されることが可能であった。また、実施例4に係る容器の胴部を切れ目50に沿って切断することにより、密閉された容器を容易に開封することができた。
1 容器
2 胴部
2a 主面シート
3 底部
3a 底面シート
4 積層体
10 多層共押出しフィルム
11 第1ポリエステル系樹脂層
12 第2ポリエステル系樹脂層
13 ポリアミド系樹脂層
17 絵柄層
20 遮光バリア層
30 シーラント層
40 接合層
50 切れ目
60 チャックテープ
201 容器
202 ガセット部
203 折り目
204 非ガセット部

Claims (15)

  1. 胴部と底部とを備えるスタンディングパウチ形式の容器であって、
    前記胴部及び前記底部は、多層共押出しフィルムと、遮光バリア層と、シーラント層と、を容器外方側から容器内方側に向かってこの順で含む積層体を含み、
    前記積層体の前記多層共押出しフィルムは、第1ポリエステル系樹脂層と、第2ポリエステル系樹脂層と、前記第1ポリエステル系樹脂層と前記第2ポリエステル系樹脂層との間に配置されたポリアミド系樹脂層と、を含む、容器。
  2. 前記胴部と前記底部とは、同一の積層体によって形成されている、請求項1に記載の容器。
  3. 前記胴部は、互いに対向して配置され且つそれぞれ前記積層体からなる一対の主面シートを含み、
    前記底部は、前記一対の主面シートの下端間に配置され且つ前記積層体からなる底面シートを含み、
    前記一対の主面シートをなす積層体及び前記底面シートをなす積層体は、その周縁の少なくとも一部を他の積層体とヒートシールされている、請求項1または2に記載の容器。
  4. 前記胴部と前記底部とは、単一の積層体を折り曲げることによって形成されている、請求項1に記載の容器。
  5. 折り目を含み折り込まれることを意図されたガセット部と、当該ガセット部に接続された非ガセット部と、を備えるガセット形式の容器であって、
    前記ガセット部及び前記非ガセット部は、多層共押出しフィルムと、遮光バリア層と、シーラント層と、を容器外方側から容器内方側に向かってこの順で含む積層体を含み、
    前記積層体の前記多層共押出しフィルムは、第1ポリエステル系樹脂層と、第2ポリエステル系樹脂層と、前記第1ポリエステル系樹脂層と前記第2ポリエステル系樹脂層との間に配置されたポリアミド系樹脂層と、を含む、容器。
  6. 前記ガセット部と前記非ガセット部とは、同一の積層体によって形成されている、請求項5に記載の容器。
  7. 前記多層共押出しフィルムは、二軸延伸処理をされている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の容器。
  8. 前記遮光バリア層は、アルミニウムからなる層である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の容器。
  9. 前記遮光バリア層は、アルミニウムからなる層であり、
    前記胴部の前記多層共押出しフィルムに、当該容器を開封するための切れ目が形成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の容器。
  10. 前記胴部の前記多層共押出しフィルムに形成された切れ目は、レーザ加工によって形成される、請求項9に記載の容器。
  11. 前記切れ目は、当該容器を開封するために用いられる主切れ目及び補助切れ目を含んでおり、
    前記主切れ目と前記補助切れ目とは、ずれて配置されている、請求項9または10に記載の容器。
  12. 前記胴部は、前記積層体からなる複数の主面シートを有し、
    各主面シートの側縁は、他の前記主面シートの側縁とヒートシールされており、
    ヒートシールされた前記主面シートの前記側縁に切欠きが形成され、
    前記主切れ目の端部は、前記切欠きに繋がっている、請求項11に記載の容器。
  13. 前記胴部は、前記積層体からなる複数の主面シートを有し、
    各主面シートの側縁は、他の前記主面シートの側縁とヒートシールされており、
    ヒートシールされた前記主面シートの前記側縁に切欠きが形成され、
    前記主切れ目は、前記切欠きから離間した位置に端部を有する主要素と、前記主要素の端部から、前記切欠きの少なくとも一部を周囲から取り囲むように延び出した一対のガイド要素と、を含んでいる、請求項11に記載の容器。
  14. 前記胴部の前記多層共押出しフィルムに形成された主切れ目は、少なくとも当該多層共押出しフィルムの前記ポリアミド系樹脂層を貫通している、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の容器。
  15. 前記胴部に、当該容器を密閉及び開封するためのチャックテープが設けられている、請求項9乃至14のいずれか一項に記載の容器。
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