JP3896247B2 - 積層シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は食品包装用の深絞り成形材に係り、高温成形性、剛性、ガスバリアー性、低温衝撃性、耐熱性及び光沢に優れた積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来耐熱性が高度に要求され、特に電子レンジにより加熱され食される調理済み食品の包装用成形材としてポリプロピレン樹脂を基材としたシートが使用されている。また、バリアー性を要するものは中間にエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂を配したシートが使用されている。
【0003】
これらは、熱板(熱源)をシート表面に接触させてから加熱成形する方式の深絞りの包装機を使用する場合において、150℃以上の高温で上記シートを加熱するとポリプロピレン樹脂が溶融し熱板表面に付着してしまい剥離できなくなることがあった。
【0004】
また熱板表面の凹凸が転写され光沢が著しく低下する場合もあり、150℃以下で加熱せざるを得なかった。
ところが最近では容器の形状が複雑化し、高温成形しないと良好な成形性が得られない場合が多くなってきている。
【0005】
更に、成形品を電子レンジ用容器として使用する場合も増えてきており、150℃以下で加熱した成形容器では、電子レンジで内容物を熱したときに熱変形を起こすといった問題もでてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術の前記の問題点を解決しようとするものであり、本発明は高温成形性、剛性、ガスバリアー性、低温衝撃性、耐熱性及び光沢に優れた積層シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的は以下の手段によって達成される。
【0008】
すなわち、 本発明は、融点が170℃以上の耐熱性樹脂層、バリアー性樹脂層及びポリプロピレン樹脂層をこの順に積層した総厚0.03〜0.20mmのバリアー性フイルムと、該バリアー性フイルムのポリプロピレン樹脂層に深絞り成形可能な厚さ0.2〜3.0mmのポリプロピレン樹脂フイルムとを熱融着させてなることを特徴とする積層シートを提案するものであり、前記の厚さ0.2〜3.0mmのポリプロピレン樹脂フイルムに無機フイラーを10〜50質量%含有させたこと、前記の厚さ0.20〜3.0mmのポリプロピレン樹脂フイルムにエチレン−プロピレン−ブロック共重合体を使用したこと、前記の耐熱性樹脂層にポリアミド樹脂を使用したこと、前記耐熱性樹脂層にポリブチレンテレフタレート樹脂を使用したこと、前記耐熱性樹脂層にポリカーボネート樹脂を使用したこと、前記耐熱性樹脂層にポリエチレンナフタレート樹脂を使用したこと、前記耐熱性樹脂層に融点が200〜240℃のポリアミド樹脂を使用したこと、前記耐熱性樹脂層に融点が200〜240℃のポリアミド樹脂を使用し、総厚0.04〜0.10mmのバリアー性フイルムにしたこと、前記耐熱性樹脂層に融点が200〜240℃のポリアミド樹脂を使用し、総厚0.04〜0.10mmのバリアー性フイルムに厚さ0.20〜1.0mmのポリプロビレン樹脂フイルムを押出ラミネート法により熱融着させてなることを含む。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0010】
本発明の外面に用いる融点170℃以上の樹脂としてはポリアミド樹脂(以下、Nyという。)が最も好適であり、Nyとしては融点が200〜240℃のものが好ましい。
なかでも耐熱性が高く光沢性の良い6ナイロン(以下、6NYという。)が好適であるが、6ー66ナイロン(以下、6ー66NYという。)、11ナイロン(以下、11NYという。)、12ナイロン(以下、12NYという。)ポリメタキシレンアジパミド(以下、MXD6NYという。)等が良い。
また、上記NYの代わりにポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、PBTという。)、ポリカーボネート樹脂(以下、PCという。)、ポリエチレンナフタレ−ト樹脂(以下、PENという。)を用いることもできる。
【0011】
本発明に用いるバリアー層にはエチレンー酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(以下、EVOHという。)が好適である。EVOHは融点が170℃以上のものであれば外面の耐熱性層と兼ねて用いてもよく、高いバリアー性が要求されない場合は、NYをバリアー層と兼ねて用いても良い。
バリアー性フイルムに用いるポリプロピレン樹脂(以下、PPという。)は成形性が良好なものがよく、薄肉フイルムを製膜する場合はエチレン−プロピレン−ランダム共重合体(以下、ランダムPPという。)が好適である。
バリアー性フイルムの総厚は0.03〜0.2mm更に好ましくは0.04〜0.1mmの範囲が好ましい。
バリアー性フイルムの層厚が0.20mmを越えると成形性が悪くなり、0.03mm未満では製膜が困難なため上記範囲内であることが肝要である。上記バリアー性フイルムの内面側には深絞り成形可能なPPフイルムを熱融着させる必要があり、PPとしては、ランダムPPでも良いが、電子レンジに使用する場合は融点の高いホモまたはエチレン−プロピレン−ブロック共重合体(以下、ブロックPPという。)の方が好適である。このPPの厚みは0.2〜3.0mm更に好ましくは0.20〜1.0mmの範囲内にあることが肝要である。
PPの厚みが0.2mm未満では剛性が充分でなく、厚さが3.0mmを越えると成形性が不充分となるので上記範囲内にあることが肝要である。
また、耐熱性、剛性を考慮して無機のフイラーを10〜50質量%含有した方が好適である。
無機フイラーが10質量%未満では改質効果が少なく、50質量%を越えると物性、成形性が悪くなるので上記範囲が好ましい。
無機フイラーとしては、タルク、シリカ、カオリン、マイカ等が挙げられる。
更に、成形性を考慮してポリエチレンを1〜20質量%配合しても良い。
熱融着の方法は通常の押出ラミネート法によれば良い。
本発明品を深絞り成形機で加熱成形する場合は、特に外面側の耐熱性樹脂層の耐熱性が高いので、外面側の片面加熱が好適であるが、サンドイッチヒート法(シート両面を熱板で挟み込み加熱する方法)を用いる場合は熱板に温度差をつけ外面側の熱板を高温に設定することが望ましい。
【0012】
以下本発明の実施例を示すが本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
【実施例】
(実施例1)
底材フイルムの層構成は、次の通りである。
第1層:6NY、第2層:EVOH 、第3層:カルボン酸変性エチレン−ポリプロピレン共重合体、 第4層:ランダムPP、第5層:ブロックPP(30質量%タルク含有)
但し第1層〜第4層は共押出法により製膜し、第5層は押出しラミネート法により熱融着し、下記の構成とした。
外面側[6NY(厚み10μm)/EVOH(厚み20μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み60μm)]/PP(30質量%タルク含有)(厚み450μm)
(比較例1)
底材フイルムの層構成は、次の通りである。
第1層:ブロックPP、第2層:AD、第3層:EVOH、第4層:AD、第5層:ブロックPP
但し第1層〜第5層は共押出法により製膜し、次の構成とした。
【0014】
外面側 PP(厚み250μm)/AD(厚み10μm)/EVOH(厚み20μm)/AD(厚み10μm)/PP(厚み260μm)
[評価方法]
深絞り包装機(ムルチバック製R530)を用い、サンドイッチヒート法で外面側を180℃、4秒間加熱し成形品を作製した。その結果、成形性、光沢ともに良好であった。一方、外面がブロックPPである比較品は熱板にくっつき、外面が荒れて白化した。そこで成形温度を下げていったところ、140℃、4秒間加熱で白化のない成形品を得ることができた。
次に、これらの成形品に植物性油を深さ10mmのところまで入れ、電子レンジで500W、3分間加熱したところ、発明品は変化がなく良好だったのに対し、比較品は熱変形が見られた。
また、実施例1の6NYを同一厚みのPBT、PC、PENに代えた場合も実施例1と同様な効果が得られた。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば高温で良好な深絞り成形ができ、光沢の良好な成形品が得られる。
また、成形品は食材を入れ電子レンジで加熱しても熱変形することなく容器として好適に使用できる。
Claims (10)
- 融点が170℃以上の耐熱性樹脂層、バリアー性樹脂層及びポリプロピレン樹脂層をこの順に積層した総厚0.03〜0.20mmのバリアー性フイルムと、該バリアー性フイルムのポリプロピレン樹脂層に深絞り成形可能な厚さ0.2〜3.0mmのポリプロピレン樹脂フイルムとを熱融着させてなることを特徴とする積層シート。
- 前記の厚さ0.2〜3.0mmのポリプロピレン樹脂フイルムに無機フイラーを10〜50質量%含有させた請求項1に記載の積層シート。
- 前記の厚さ0.20〜3.0mmのポリプロピレン樹脂フイルムにエチレン−プロピレン−ブロック共重合体を使用した請求項1または2に記載の積層シート。
- 前記の耐熱性樹脂層にポリアミド樹脂を使用した請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。
- 前記耐熱性樹脂層にポリブチレンテレフタレート樹脂を使用した請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。
- 前記耐熱性樹脂層にポリカーボネート樹脂を使用した請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。
- 前記耐熱性樹脂層にポリエチレンナフタレート樹脂を使用した請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。
- 前記耐熱性樹脂層に融点が200〜240℃のポリアミド樹脂を使用した請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。
- 前記耐熱性樹脂層に融点が200〜240℃のポリアミド樹脂を使用し、総厚0.04〜0.10mmのバリアー性フイルムにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。
- 前記耐熱性樹脂層に融点が200〜240℃のポリアミド樹脂を使用し、総厚0.04〜0.10mmのバリアー性フイルムに厚さ0.20〜1.0mmのポリプロビレン樹脂フイルムを押出ラミネート法により熱融着させてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。
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