JP4983135B2 - バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物成形体 - Google Patents

バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物成形体 Download PDF

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本発明は、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物および成形体に関するものである。さらに詳しくは、ポリオレフィンのバリア性を向上させ、優れた耐衝撃性を有する、特にアルコール含有燃料用容器やチューブ、部品用材料として優れた熱可塑性樹脂成形体および該成形体を製造することができる熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
近年、燃料保存用容器として、軽量化、防錆処理不要化、形状の自由度向上、加工工数の削減や製造の全自動化などの面から、ブロー成形などにより製造された樹脂製燃料用容器が注目され、金属製燃料用容器からの代替が進んでいる。
しかし、用いられるポリエチレン(高密度ポリエチレン)は、機械的強度、成形加工性、経済性に優れるものの、燃料に対するバリア性能が乏しいため、燃料透過量に対する規制に対応できなくなっている。
そのため、容器の内面をフッ素処理する方法や、ポリエチレンとポリアミド樹脂などをブレンドする方法によって燃料の透過を抑制する試みがなされている(特許文献1〜3参照)。これらのうち、フッ素処理に対しては、有害ガス取り扱い上の安全性確保や、処理後の回収方法などが問題となり現在はほとんど使用されていない。ポリエチレンとブレンドする方法については、バリア性樹脂を層状に分散させることにより燃料の透過量はある程度減らすことができるものの、この場合、バリア性能が不十分であったり、逆にバリア性能が十分であっても衝突時の衝撃吸収が低下したり、成形性が低下するなどの課題があり、今後ますます強化される規制に十分に応えていくことが困難であった。特に、ガソリンにエタノール等のアルコール類を添加することにより、化石燃料の使用量を減らし二酸化炭素の排出量を削減できるため、エタノールの燃料としての利用検討が進められているが、ナイロン6やエチレン−ビニルアルコール共重合などのバリア性樹脂は、アルコール類に対するバリア性が劣るために、よりバリア性能を高めた材料が望まれている。
特開昭55−121017号公報 特開平5−156036号公報 特開平10−279752号公報
本発明は、燃料用容器における以上のような課題を解決し、バリア性、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂成形体および該成形体を製造することができる熱可塑性樹脂組成物を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の溶融粘度比を有するポリオレフィンとバリア性樹脂、ならびに変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体からなる熱可塑性樹脂組成物から形成された層を有する熱可塑性樹脂成形体が、バリア性及び耐衝撃性に優れていることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、ポリオレフィン(A)50〜97重量%、バリア性樹脂(B)2〜45重量%ならびに変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)1〜45重量%からなり、ポリオレフィン(A)とバリア性樹脂(B)の溶融粘度比が下記式:
0.7<MV/MV<2.8
(MVはポリオレフィン(A)の溶融粘度(Pa・s)であり、MVはバリア性樹脂(B)の溶融粘度(Pa・s)であり、それぞれ、剪断速度100sec−1、バリア性樹脂(B)の融点+2〜バリア性樹脂(B)の融点+10℃で測定される)を満たすことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、および、該組成物から得られた層を有するバリア性に優れた成形体に関する。
本発明で得られる熱可塑性樹脂成形体は、バリア性、耐衝撃性に優れており、燃料用容器、チューブ、部品等、種々の成形体に利用できる。
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、ポリオレフィン(A)、バリア性樹脂(B)ならびに変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)からなる熱可塑性樹脂組成物から形成される層を含む。該ポリオレフィン(A)としては、種々のものが挙げられるが、好ましくは低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、1−ポリブテン、1−ポリメチルペンテンなどの炭素数2以上、好ましくは2〜8のエチレン系炭化水素の単独重合体;炭素数3〜20のα−オレフィンの単独重合体;炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体(エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−デセン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、プロピレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・1−デセン共重合体など)、炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィンの共重合体(ノルボルネンとの共重合体など)が挙げられる。これらのポリオレフィンは単独で用いることもできるし、2種類以上の混合物として使用することもできる。これらのポリオレフィンの中で、ポリエチレン、ポリプロピレン、1−ポリブテン等の樹脂、またはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体等のガラス転移点の高い樹脂が好ましい。本発明で用いられるポリオレフィン(A)は、190℃、2.16kgfの荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、0.001〜10g/10分の範囲にあることが望ましい。MFRが0.001g/10分より小さい場合、製造が困難であり、また、成形時に過大な負荷がかかるため好ましくない。またMFRが10g/10分以下であると、中空成形方法などで多層成形体を作製する際のドローダウン、機械的強度の低下などを避けることができる。
本発明で用いられる変性ポリオレフィン(Ca)は、上記ポリオレフィンに不飽和カルボン酸またはその無水物でグラフト変性されたもので、一般に相溶化剤や接着剤として広く用いられているものである。不飽和カルボン酸またはその無水物の具体例として、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、クロロマレイン酸、ブテニルコハク酸など、およびこれらの酸無水物が挙げられる。中でも、マレイン酸および無水マレイン酸が好ましく用いられる。上記不飽和カルボン酸またはその無水物をポリオレフィンにグラフト共重合して変性ポリオレフィンを得る方法としては、従来公知の種々の方法を用いることができる。例えば、ポリオレフィンを押出機等を用いて溶融させ、グラフトモノマーを添加して共重合させる方法、あるいはポリオレフィンを溶媒に溶解させてグラフトモノマーを添加して共重合させる方法、ポリオレフィンを水懸濁液とした後グラフトモノマーを添加して共重合させる方法等を挙げることができる。
本発明で用いられるスチレン系共重合体(Cb)としては、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とからなる共重合体の一部または全部に水素化した水添ブロック共重合体からなるスチレンブロック共重合体が挙げられる。共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレンなどが挙げられるが、1,3−ブタジエンが好ましい。また、本発明で用いられるスチレン系共重合体には、不飽和カルボン酸またはその無水物で変性処理をおこなってもよい。
本発明で用いられる変性ポリオレフィン(Ca)およびスチレン系共重合体(Cb)は、190℃、2.16kgfの荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、3g/10分以下であることが好ましく、0.01〜3g/10分がより好ましく、0.1〜2g/10分がより好ましい。上記範囲内であると、得られる熱可塑性樹脂成形体のバリア性が十分である。
本発明で用いられるバリア性樹脂(B)は、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ビニルアルコール系共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂、などが挙げられるが、中でもポリアミドが好ましく用いられる。ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン666、メタキシリレンジアミンとジカルボン酸からなるポリアミドなどが挙げられるが、メタキシリレンジアミンとジカルボン酸からなるポリアミドが好ましい。メタキシリレンジアミンとジカルボン酸からなるポリアミドとしては、ジアミン構成単位の70モル%以上(100モル%を含む)がメタキシリレンジアミン単位であり、ジカルボン酸構成単位の70モル%以上(100モル%を含む)が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(α,ω−ジカルボン酸)単位とイソフタル酸単位であり、α,ω−ジカルボン酸単位とイソフタル酸単位のモル比率が30:70〜100:0であるポリアミドが好ましい。
本発明において、前記ポリアミドの原料として用いるメタキシリレンジアミン以外のジアミンとして、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、等の脂肪族ジアミン、;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン(構造異性体を含む。)、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン(構造異性体を含む。)等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン(構造異性体を含む。)等の芳香環を有するジアミン類等を例示することができる。前記ポリアミドは、これらのジアミンに由来する単位を全ジアミン単位中に30モル%未満の範囲で含むことができる。
本発明において、α,ω−ジカルボン酸として、例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示できるが、これら中でもアジピン酸が好ましい。
α,ω−ジカルボン酸単位とイソフタル酸単位のモル比は、30:70〜100:0、好ましくは30:70〜95:5、より好ましくは40:60〜95:5、さらに好ましくは60:40〜90:10である。イソフタル酸単位をこの範囲で含むと、バリア性、特にメタノール、エタノールやメチル tert−ブチル エーテル(MTBE)に対するバリア性が向上する。また、ジカルボン酸構成単位がα,ω−ジカルボン酸単位のみの場合に比べ、ポリアミドの融点が低く、より低温で成形でき、製造エネルギーの低減や成形サイクルの短縮化が図られるばかりでなく、溶融粘度が高くなり、該樹脂のドローダウン等に対する成形加工性が向上する。
前記ポリアミドは、テレフタル酸;オルソフタル酸;1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸;安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等のカルボン酸無水物等に由来する単位を全ジカルボン酸構成単位の30モル%以下の範囲で含んでいてもよい。
前記ポリアミドには、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ω−エナントラクタムなどのラクタム類、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、9−アミノノナン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸などを、本発明の効果を損なわない範囲で加えても良い。
前記ポリアミドは、メタキシリレンジアミンを70モル%以上(100モル%を含む)含むジアミン成分と、モル比で30:70〜100:0であるα,ω−ジカルボン酸とイソフタル酸を70モル%以上(100モル%を含む)含むジカルボン酸成分とを溶融重縮合(溶融重合)して製造され、その製造方法は特に限定されるものではなく、常圧溶融重合法、加圧溶融重合法などの従来公知の方法、重合条件により製造される。例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸、あるいは、メタキシリレンジアミン、アジピン酸およびイソフタル酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水および縮合水を取り除きながら溶融状態で重合させる方法により製造される。また、メタキシリレンジアミンを溶融状態のアジピン酸、または、アジピン酸とイソフタル酸混合物に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を固化させる事の無いように、メタキシリレンジアミンを連続的に加えて、その間の反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点以上となるように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
溶融重縮合によって得られる比較的低分子量のポリアミド(溶融重合ポリアミドと称する。)の相対粘度(ポリアミド樹脂1gを96%硫酸溶液100mlに溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計などを用いて25℃で測定した値、以下同じ)は、通常、2.28以下である。溶融重縮合後の相対粘度が2.28以下であると、ゲル状物質の生成が少なく、色調が良好な高品質のポリアミドが得られる。しかし、フィルムやシートおよびボトル等の多層容器を作製するには溶融粘度が低過ぎる場合もある。このような場合には固相重合などにより溶融粘度を増大させることが通常行われている。しかし、イソフタル酸単位を上記範囲内で含むポリアミドは、溶融粘度が増大し、融点が低下する。従って、成形温度(融点+10〜融点+30℃、非晶の場合は180+10℃〜180+30℃)を低下させることができ、成形温度において十分な溶融粘度を得ることができる。そのため、固相重合等の増粘工程が不要となり、経済性に優れる。
前記ポリアミドの融点は160℃〜240℃の範囲に制御することが好ましく、より好ましくは170〜235℃、さらに好ましくは180〜230℃である。該ポリアミドの融点をポリオレフィン(A)、変性ポリオレフィン(Ca)およびスチレン系共重合体(Cb)の融点に近づけることにより、多層成形体作製時の樹脂間の成形温度差による厚みムラ等の不良発生や、樹脂劣化による臭気及び着色を抑えることが可能となる。
前記ポリアミドの融点+2〜融点+10℃での剪断速度100sec−1での溶融粘度は800〜8000Pa・sに制御することが好ましく、より好ましくは1000〜6000Pa・sである。該ポリアミドの溶融粘度が上記範囲内であると、中空成形方法などで多層成形体を作製する際にドローダウンが生じたり、機械的強度が低下するなどの問題を防ぐことができる。8000Pa・sを越えるポリアミドは製造が困難である。
前記ポリアミドのガラス転移点は80〜130℃の範囲であることが好ましい。ポリアミドのガラス転移点を80℃以上とすることで高温下でのバリア性に優れたものが得らえる。
本発明において、DSC(示差走査熱量測定、25〜300℃、10℃/分)での測定によるポリアミドの結晶化度は、好ましくは25%以上、より好ましくは25〜40%である。結晶化度が上記範囲内であると、押出成形加工時に、ポリアミドが溶融、可塑化により粒化、微粒子化することが避けられ、ポリアミドが熱可塑性樹脂組成物からなる層中に層状に分散し、熱可塑性樹脂成形体のバリア性が良好になる。
本発明において、DSC(示差走査熱量測定、25〜300℃、10℃/分)での測定によるポリアミドの総熱量は、好ましくは−20J/g以下、より好ましくは−60〜−20J/g、さらに好ましくは−50〜−25J/gである。総熱量が上記範囲内であると、押出成形加工時に、ポリアミドが溶融、可塑化により粒化、微粒子化することが避けられ、ポリアミドが熱可塑性樹脂組成物からなる層中に層状に分散し、熱可塑性樹脂成形体のバリア性が良好になる。
前記ポリアミドの末端アミノ基濃度は、好ましくは40μ当量/g以下、より好ましくは3〜40μ当量/g、さらに好ましくは10〜30μ当量/gであり、カルボキシル基濃度は、好ましくは40〜100μ当量/gである。上記範囲内であると、得られる熱可塑性樹脂成形体のバリア性が良好である。
本発明のポリアミドは、加熱処理したポリアミドが好ましく用いられる。加熱処理する方法として、例えば、回転ドラム等の回分式加熱装置を用いて、不活性ガス雰囲気中もしくは減圧下において、水の存在下で緩やかに加熱し、融着を回避しつつ結晶化させた後、更に加熱処理を行う方法;溝型攪拌加熱装置を用いて、不活性ガス雰囲気中で加熱し、結晶化させた後、ホッパー形状の加熱装置を用いて、不活性ガス雰囲気中で加熱処理する方法;溝型攪拌加熱装置を用いて結晶化させた後、回転ドラム等の回分式加熱装置を用いて加熱処理を行う方法などが挙げられる。中でも、回分式加熱装置を用いて、結晶化ならびに加熱処理を行う方法が好ましい。処理条件としては、溶融重合ポリアミドに対して0.1〜30重量%の水の存在下、かつ、0.5〜4時間かけて70から120℃まで昇温することにより結晶化し、次いで、不活性ガス雰囲気中または減圧下で、溶融重合ポリアミドの融点−50℃〜溶融重合ポリアミドの融点−10℃の温度で1〜12時間加熱処理する条件が好ましい。
本発明で用いられるバリア性樹脂(B)には、ポリカルボジイミド系樹脂を0.1〜10重量%加えることができる。ポリカルボジイミド系樹脂としては、カルボジイミド基を含有していれば特に限定はされず、芳香族系や脂肪族系など分子中に1個以上のカルボジイミド基を有するものが用いられるが、中でも脂肪族系が好ましく用いられる。添加量は、0.1重量%以上であると、増粘効果が発揮され、得られた成形体のバリア性が良好になる。また、添加量が10重量%以下であると、粘度の著しい増加が避けられ、得られた成形体のバリア性が十分となる。
ポリカルボジイミド系樹脂は、有機ジイソシアネートなどを用いて公知の方法で合成することができ、末端を封止して重合度を制御してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリオレフィン(A)を50〜97重量%、バリア性樹脂(B)を2〜45重量%、ならびに変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)を1〜45重量%、好ましくは、ポリオレフィン(A)を55〜95重量%、バリア性樹脂(B)を3〜40重量%、ならびに変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)を2〜40重量%、より好ましくは、ポリオレフィン(A)を60〜92重量%、バリア性樹脂(B)を4〜35重量%、ならびに変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)を4〜35重量%含有する。上記割合はポリオレフィン(A)、バリア性樹脂(B)、および、変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)の総量に基づく。
ポリオレフィン(A)が50重量%未満の場合、樹脂組成物の衝撃強度や成形性が低下する問題が生じ、また97重量%を超えるとバリア性が低下するので好ましくない。また、バリア性樹脂(B)が2重量%未満では、バリア性が低く、45重量%を越える場合は衝撃強度が低下するので好ましくない。また、変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)が1重量%未満では、ポリオレフィンとバリア性樹脂の親和性が低下し、それに伴い衝撃強度が低下する問題が生じ、また、45重量%を越える場合は、バリア性樹脂(B)が層状の分散状態を構成し難くなるので好ましくない。
本発明において、ポリオレフィン(A)とバリア性樹脂(B)の溶融粘度は下式:
0.7<MV/MV<2.8
(MVはポリオレフィン(A)の溶融粘度(Pa・s)であり、MVはバリア性樹脂(B)の溶融粘度(Pa・s)であり、それぞれ、剪断速度100sec−1、バリア性樹脂(B)の融点+2〜バリア性樹脂(B)の融点+10℃で測定される)
を満たす。なお、MVおよびMVは上記測定温度範囲内の同一温度で測定する。該溶融粘度比は好ましくは0.8〜2.5の範囲である。溶融粘度比が0.7以下の場合は、バリア性向上効果が不十分なだけでなく耐衝撃性も低下する問題がある。また、溶融粘度比が2.8以上の場合は、バリア性樹脂が粒状に分散しやすくなるため、十分なバリア性向上効果を得ることができない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記ポリオレフィン(A)、バリア性樹脂(B)ならびに変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)を混合することで得られる。該熱可塑性樹脂組成物は、有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(スメクタイトD)を任意成分として含んでいてもよい。特に、スメクタイト(D)がバリア性樹脂(B)中に均一に分散していることが好ましい。スメクタイトは、0.25〜0.6の電荷密度を有する2−八面体型や3−八面体型の層状珪酸塩であり、2−八面体型としては、モンモリロナイト、バイデライト等、3−八面体型としてはヘクトライト、サボナイト等が挙げられる。これらの中でも、モンモリロナイトが好ましい。
スメクタイト(D)とは、高分子化合物、有機化合物系の有機膨潤化剤を、予め層状珪酸塩に接触させて、層状珪酸塩の層間を拡げたものである。
有機膨潤化剤として、第4級アンモニウム塩が好ましく使用できるが、好ましくは、炭素数12以上のアルキル基を少なくとも一つ以上有する第4級アンモニウム塩、特に好ましくは第4級アンモニウムハライド(クロライド、ブロマイド)が用いられる。
有機膨潤化剤の具体例として、トリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、トリメチルエイコシルアンモニウム塩等のトリメチルアルキルアンモニウム塩;トリメチルオクタデセニルアンモニウム塩、トリメチルオクタデカジエニルアンモニウム塩等のトリメチルアルケニルアンモニウム塩;トリエチルドデシルアンモニウム塩、トリエチルテトラデシルアンモニウム塩、トリエチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリエチルオクタデシルアンモニウム塩等のトリエチルアルキルアンモニウム塩;トリブチルドデシルアンモニウム塩、トリブチルテトラデシルアンモニウム塩、トリブチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリブチルオクタデシルアンモニウム塩等のトリブチルアルキルアンモニウム塩;ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩等のジメチルジアルキルアンモニウム塩;ジメチルジオクタデセニルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウム塩等のジメチルジアルケニルアンモニウム塩;ジエチルジドデジルアンモニウム塩、ジエチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジエチルジオクタデシルアンモニウム塩等のジエチルジアルキルアンモニウム塩;ジブチルジドデシルアンモニウム塩、ジブチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジブチルジオクタデシルアンモニウム塩等のジブチルジアルキルアンモニウム塩;メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のメチルベンジルジアルキルアンモニウム塩;ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のジベンジルジアルキルアンモニウム塩;トリドデシルメチルアンモニウム塩、トリテトラデシルメチルアンモニウム塩、トリオクタデシルメチルアンモニウム塩等のトリアルキルメチルアンモニウム塩;トリドデシルエチルアンモニウム塩等のトリアルキルエチルアンモニウム塩;トリドデシルブチルアンモニウム塩等のトリアルキルブチルアンモニウム塩;4−アミノ−n−酪酸、6−アミノ−n−カプロン酸、8−アミノカプリル酸、10−アミノデカン酸、12−アミノドデカン酸、14−アミノテトラデカン酸、16−アミノヘキサデカン酸、18−アミノオクタデカン酸等のω−アミノ酸などが挙げられる。また、水酸基及び/又はエーテル基含有のアンモニウム塩、中でも、メチルジヒドロキシエチル水素化タロウアンモニウム塩、および、メチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、エチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ブチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ジメチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジエチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジブチルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、エチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、ブチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルトリ(PAG)アンモニウム塩、エチルトリ(PAG)アンモニウム塩、ブチルトリ(PAG)アンモニウム塩、テトラ(PAG)アンモニウム塩(ただし、アルキルはドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルなどの炭素数12以上のアルキル基を表し、PAGはポリアルキレングリコール残基、好ましくは、炭素数20以下のポリエチレングリコール残基またはポリプロピレングリコール残基を表す)などの少なくとも一のアルキレングリコール残基を含有する4級アンモニウム塩も有機膨潤化剤として使用することができる。中でもトリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩、メチルジヒドロキシエチル水素化タロウアンモニウム塩が好ましい。なお、これらの有機膨潤化剤は、単独でも複数種類の混合物としても使用できる。
本発明におけるスメクタイト(D)の配合割合は、前記バリア性樹脂(B)100重量部に対し、0.3〜20重量部となる様に添加するのが好ましく、1〜15重量部がさらに好ましい。スメクタイト(D)の配合割合が上記0.3重量部以上であれば、ガスバリア性をさらに向上させることができる。又上記20重量部を越えると、これ以上増やしても、それに見合ったバリア性効果が期待できない。
スメクタイト(D)は、バリア性樹脂(B)と溶融混練した後、ポリオレフィン(A)、ならびに変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(C)と混合するのが好ましい。バリア性樹脂(B)中に含有されるスメクタイトは局所的に凝集することなく均一に分散している必要がある。ここでいう均一分散とは、バリア性樹脂(B)中において層状珪酸塩が平板状に分離し、それらの50%以上が5nm以上の層間距離を有することをいう。この層間距離とは平板状物の重心間距離をいう。この距離が大きい程分散状態が良好となり、最終的にフィルム、シート、中空容器としたときの透明性等の外観が良好で、かつ酸素、炭酸ガス等のガス状物質に対する遮断性を向上させることができる。
バリア性樹脂(B)とスメクタイト(D)を溶融混練する方法については、単軸もしくは二軸押出機等の通常用いられる種々の押出機を用いて溶融混練する方法等が挙げられるが、これらのなかでも、生産性、汎用性等の点から二軸押出機を用いる方法が好ましい。また、バリア性樹脂(B)がポリアミドである場合には、溶融重合中にスメクタイト(D)を添加し攪拌する方法も好ましい。
その際の溶融混練温度は180〜260℃、滞留時間は5分以下に調整し、スクリューは少なくとも一カ所以上の逆目スクリューエレメント及び/またはニーディングディスクを有し、該部分において一部滞留させながら行うことが好ましい。
溶融混練温度が上記範囲から外れる場合、スメクタイト(D)の分散不良が生じやすくなるため好ましくない。また、スクリューに滞留部を設けることにより、スメクタイト(D)の分散性が向上する。分散性、熱分解とゲル発生の抑制の点から、一般的に溶融混練時間は、1〜5分に調整するのが特に望ましい。
本発明におけるバリア性樹脂(B)またはスメクタイト(D)を含有するバリア性樹脂(B)は、好ましくはペレット状のものが用いられる。更に、ポリオレフィン(A)との相溶性を高め、成形体の強度を向上させるために、例えば外側が変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)、内側が前記バリア性樹脂(B)からなる多層ペレットを用いることができる。多層ペレットの変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)と前記バリア性樹脂(B)の重量比率は、95:5〜5:95が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、前記ポリオレフィン(A)、バリア性樹脂(B)、変性ポリオレフィン(Ca)およびスチレン系共重合体(Cb)から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有する固形物から回収した再使用樹脂を混合してもよい。該樹脂固形物の由来には特に制約はないが、例えば、前記樹脂を成形する工程で発生した不良品を回収して使用できる。該樹脂固形物には、成形時に発生するバリや不良品などを回収したものも含まれ、回収後に粉砕させたもの、あるいは単軸や二軸押出機などでペレット状に再加工されたものも含まれる。サイズは特に限定されないが、押出時にブロッキング等の問題が生じないよう1cm角程度以下のサイズとしたものが好ましい。また、ポリアミドが含有される場合、吸湿による発泡が生じる恐れもあるので、成形直後のものや除湿乾燥などを行って吸水率を0.5%以下にしたものが好ましく用いられる。
再使用樹脂の混合量は前記ポリオレフィン(A)、バリア性樹脂(B)ならびに変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)の合計100重量部に対して、5〜300重量部が好ましい。300重量部を越えるとバリア性能が低下する問題が生じる恐れがあるため、好ましくない。再使用樹脂中の各樹脂の含有量に応じて、熱可塑性樹脂組成物中の各成分の含有量が上記範囲内になるように、ポリオレフィン(A)、バリア性樹脂(B)ならびに変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)の添加量を調整する。
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、従来公知の成形方法により製造することが出来る。成形温度は、バリア性樹脂(B)の融点+2〜バリア性樹脂(B)の融点+10℃であるのが好ましい。例えば、押出機によるダイレクトブロー成形、円筒ダイによる成形やTダイによるシート成形などを挙げることができる。押出機による成形の際には、ブレーカープレート等による混練効果を高める構造とはせず、バリア性樹脂の層状分散性を損なわないように温度やスクリュー回転数を適度に調整することができる。
本発明の熱可塑性樹脂成形体では、バリア性樹脂(B)が前記熱可塑性樹脂組成物層中で層状に分散していることが好ましく、特に該層中でバリア性樹脂(B)と他の樹脂が多層状構造を形成していることが好ましい。バリア性樹脂(B)の層状分散体はMD方向およびTD方向に必ずしも連続している必要はない。図1に示したように、各層状分散体2がTD方向(Transverse Direction)に連続していない場合であっても、熱可塑性樹脂組成物の層1の厚さ方向(Thickness Direction)には必ず少なくとも1つの層状分散体2が存在する。すなわち、本発明によれば、熱可塑性樹脂組成物の層1の任意のTD方向断面において、厚さ方向に延びる任意の直線は少なくとも1つのTD方向に延びる層状分散体と交差する分散状態がえられる。任意のMD方向断面においても同様である。この分散状態により、本発明の熱可塑性樹脂成形体は優れた燃料バリア性を示す。本発明の特徴を満たさない場合、厚さ方向に延びる直線が層状分散体と交差しない分散状態が得られたり、バリア性樹脂が層状に分散せず、粒状に分散し、高い燃料バリア性が達成されない。
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、前記熱可塑性樹脂組成物からなるバリア性に優れた層を有するものであり、特に成形体の強度の観点からは、該熱可塑性樹脂組成物層を少なくとも1層含み、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネートあるいはポリアミド等からなる補強層を少なくとも一層積層した多層成形体であることが好ましい。補強層に使用するポリオレフィンとしては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはエチレン、プロピレン、ブテン等から選ばれる2種類以上のオレフィンの共重合体、およびそれらの混合体が例示できる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、超高分子量高密度ポリエチレンが中空成形時のドローダウン防止、耐衝撃性、耐燃料膨潤性、耐水性に優れるため好ましく用いられる。また、上記補強層において例示したポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリアミドは、互いに混合したり、エラストマー等の他の樹脂との混合や、例えばカーボンブラックや難燃剤等の他の添加剤と混合して使用することも可能である。
本発明において、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層と補強層等、多層成形体を構成する各層の間に接着性樹脂層(接着層)を設けることができる。該層を構成する接着性の樹脂としては、例えば、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層とポリオレフィン類からなる補強層と接着する場合であれば、変性ポリエチレンやポリプロピレンあるいはエチレン、プロピレン、ブテン類のオレフィン類の共重合体等が使用可能である。また、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層とポリエステルあるいはポリカーボネートからなる補強層と接着する場合であれば、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−アクリル酸系共重合体のアルカリまたはアルカリ土類金属架橋体およびエチレン−アクリル酸エステル系共重合体等が例示できるが、特に限定されるものではない。
各層の厚さは多層成形体の形状に応じて選択されるが、本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる層は平均で0.005〜5mm、補強層は平均で0.005〜10mm、接着層は平均で0.005〜5mmであるのが好ましい。
本発明における多層成形体は、バリや成形時の不良品を再度溶融し、リサイクル層として導入することも可能である。この場合、強度面から本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる層より外側層に配置することが好適である。
尚、本発明の目的を損なわない限り、前記熱可塑性樹脂組成物には、滑剤、離型剤、酸化防止剤、加工安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、層状珪酸塩、結晶核剤、Co、Mn、Znなどの無機または有機金属塩、錯体等を加える事が出来る。
本発明における多層成形体は、少なくとも一層の前記熱可塑性樹脂組成物からなるバリア層、少なくとも一層の補強層および任意の接着層が積層してなるボトル状、カップ状、トレイ状、タンク状等の多層容器、多層チューブ、多層部品等である。これらの成形方法には特に制限はないが、多層押出成形法、押出成形後さらに熱成形を行う方法、多層ブロー成形等の溶融成形法、サンドイッチ成形および二色成形と呼ばれる共射出成形等により製造される。具体的には、Tダイ押出機を用いて多層シートを製造し、さらに熱成形を行い、接着や溶着によって容器を得る方法、射出成形機あるいは押出機を用いて多層の円筒状パリソンを成形し、該パリソンをブロー成形する方法、金型内に2種以上の溶融樹脂を順次射出する共射出成形等により製造される。
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。尚、実施例等において、ポリアミド及び成形体の評価方法は、下記の方法によった。
(1)融点、結晶化度、熱量
島津製作所(株)製示差走査熱量計DSC−50により、以下の条件にて測定した。
標準物質:α−アルミナ
試料量:10mg
昇温速度:10℃/分
測定温度範囲:25〜300℃
雰囲気:窒素ガス 30ml/分
結晶化度=|Q|/|Q100
(Qは総熱量、Q100はポリアミドが100%結晶化した時の吸熱量を表す。)
(2)溶融粘度
(株)東洋精機製キャピログラフ1D、オリフィス1mmφ×10mmを用いて測定した。
(3)末端アミノ基濃度
ポリアミド0.3〜0.5gを精秤し、フェノール/エタノール=4/1(容量)混合液30ccに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、三菱化学(株)製自動滴定装置を用いて、N/100塩酸水溶液で中和滴定して求めた。
(4)燃料透過量
60mm単軸押出機からなる中空成形機を使用して、表3〜5に記載の各熱可塑性樹脂組成物から、重量約120g、容量400cc、平均厚み約2mmの熱可塑性樹脂成形体(ブロー容器)を作製した。得られた容器に、燃料(イソオクタン/トルエン/エタノール=45/45/10vol%)を300cc充填し、口部を閉じた。該燃料充填容器を、40℃/65%RHに調整した防爆型恒温恒湿槽に30日間放置し、重量変化量から燃料透過量を求めた。
(5)分散状態
ポリオレフィン、ポリアミドならびに変性ポリオレフィンを表2または3に示す割合でドライブレンドした後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を使用し、重量約120g、容量400cc、平均厚み約2mmの熱可塑性樹脂成形体(ブロー容器)を作製した。得られた容器のTD断面に希ヨードチンキ(月島薬品株式会社製)を塗布してバリア性樹脂を染色した後、顕微鏡で分散状態を観察した。
(6)衝撃強度
ポリオレフィン、ポリアミドならびに変性ポリオレフィンを表2または3に示す割合でドライブレンドした後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を使用し、重量約120g、容量400cc、平均厚み約2mmの熱可塑性樹脂成形体(ブロー容器)を作製した。得られた容器に、水を約400cc充填し、口部を閉じた。該充填容器を、2mの高さから落下させ、割れに至るまでの落下回数を測定した。
参考例1
バリア性樹脂B1(“MXナイロンS6007”三菱ガス化学(株)製、|Q100|は151J/g)を97重量部と、モンモリロナイト(白石工業(株)製、商品名「オルベン」)3重量部とをドライブレンドした後、該混合物を秤量フィーダーにて12kg/時間の速度で、シリンダー径37mm、逆目エレメントによる滞留部を有する強練りタイプのスクリューをセットした二軸押出機に供給した。シリンダー温度200℃、スクリュー回転数500rpm、滞留時間75秒の条件で溶融混練を行い、溶融ストランドを冷却エアーにて冷却、固化した後、ペレタイズ化し、バリア性樹脂B4(|Q100|は151J/g)を得た。
参考例2
攪拌機、分縮器、冷却器、滴下槽、および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶にアジピン酸14.2kg(97.1mol)とイソフタル酸1.0kg(6.2mol)秤量して仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下に160℃で溶融アジピン酸とイソフタル酸からなる均一なスラリーにした。これに、メタキシリレンジアミン14.0kg(102.6mol)を撹拌下に1時間を要して滴下した。この間、内温は連続的に247℃まで上昇させた。メタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を260℃まで昇温し、1時間反応を継続した。得られたポリマーは反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、溶融重合ポリアミド1(融点232℃)を得た。
次に、このポリアミド1をステンレス製の回転ドラム式の加熱装置に仕込み、さらにポリアミド1に対して水を1wt%仕込み、10rpmで回転させた。十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて反応系内を室温から150℃まで昇温させたが、その際、1時間かけて70〜120℃まで昇温し結晶化させた。反応系内温度が150℃に達した時点で1torr以下まで減圧を行い、更に系内温度を110分間で210℃まで昇温した。系内温度が210℃に達した時点から、同温度にて180分間、反応を継続した。反応終了後、減圧を終了し窒素気流下にて系内温度を下げ、60℃に達した時点でペレットを取り出し、バリア性樹脂B5を得た。
参考例3
攪拌機、分縮器、冷却器、滴下槽、および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶にアジピン酸12kg(82.11mol)とイソフタル酸3.41kg(20.53mol)を秤量して仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下に160℃で溶融した。これに、メタキシリレンジアミン13.75kg(100.95mol)を撹拌下に210分を要して滴下した。この間、内温は連続的に254℃まで上昇させた。メタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を260℃まで昇温し、1時間反応を継続した。得られたポリマーは反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、溶融重合ポリアミド2を得た。
次に、ポリアミド2にポリカルボジイミド系樹脂(カルボジライトLA1(日清紡製))を1wt%混合させドライブレンドした後、該混合物を秤量フィーダーにて12kg/時間の速度で、シリンダー径37mm、逆目エレメントによる滞留部を有する強練りタイプのスクリューをセットした二軸押出機に供給した。シリンダー温度260℃、スクリュー回転数100rpmの条件で溶融混練を行い、溶融ストランドを冷却エアーにて冷却、固化した後、ペレタイズ化し、バリア性樹脂B6を得た。
参考例4
バリア性樹脂B1を、秤量フィーダーにて12kg/時間の速度でシリンダー径37mm、逆エレメントによる滞留部を有する二軸押出機に供給した。シリンダー温度270℃、スクリュー回転数100rpmの条件で溶融し、溶融ストランドを冷却エアーにて冷却、固化した後、ペレタイズ化し、バリア性樹脂B7(|Q100|は151J/g)を得た。
参考例5
攪拌機、分縮器、冷却器、滴下槽、および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶にアジピン酸を10kg秤量して仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下に160℃で均一に溶解した。これに、メタキシリレンジアミン9.38kgを撹拌下に170分を要して連続的に滴下した。この間、内温は連続的に245℃まで上昇させた。メタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を260℃まで昇温し、1時間反応を継続した。得られたポリマーは反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、溶融重合ポリアミド3(融点240℃)を得た。このポリアミド3のペレットを250L固相重合装置に入れ、さらにペレットに対して水を1wt%仕込み、18rpmで回転させた。5Torr以下まで真空引きを行い、純度99容量%以上の窒素で常圧にする操作を3回行った。その後、室温から140℃まで昇温させ、その際、1時間かけて70〜120℃まで昇温し結晶化させた。ペレット温度が140℃に到達してから真空引きを開始し、さらに昇温を続けた。真空引き開始から110分経過したところで、ペレット温度が200℃に到達し、同温度にて60分間、反応を継続後、加熱を中止した。窒素を導入して常圧とし、バリア性樹脂B8(|Q100|は151J/g)を得た。
実施例1
ポリオレフィンA1として高密度ポリエチレン“ノバテックHB−431”(日本ポリエチレン(株)製)、バリア性樹脂B1として“MXナイロンS6007”(三菱ガス化学(株)製、|Q100|は151J/g)、変性ポリオレフィンC1として“アドマーGT6”(三井化学(株)製、190℃、2.16kgfの荷重におけるMFR=0.9g/10分)とを表3に示す割合で混合した後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を用いて、容量400ccの容器を作製した。成形温度は245℃であった。得られた容器の燃料透過量、衝撃強度を測定し、分散性を観察した。結果を表3に示す。ポリオレフィンおよびバリア性樹脂の溶融粘度を表1に示す(以下同様)。バリア性樹脂の総熱量、結晶化度、末端アミノ基濃度を表2に示す(以下同様)。
実施例2
バリア性樹脂B5をバリア性樹脂B1の代わりに用い、成形温度を235℃に変更した以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表3に示す。
実施例3
ポリオレフィンA1の代わりにポリオレフィンA2(“J−REX KBY47C”日本ポリオレフィン(株)製)、及びバリア性樹脂B6をバリア性樹脂B1の代わりに用い、成形温度を210℃に変更した以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表3に示す。
実施例4
変性ポリオレフィンC2(“モディックM505”三菱化学製、190℃、2.16kgfの荷重におけるMFR=5g/10分)を変性ポリオレフィンC1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表3に示す。
実施例5
バリア性樹脂B4をバリア性樹脂B1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表3に示す。
実施例6
バリア性樹脂B8をバリア性樹脂B1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表4に示す
比較例1
バリア性樹脂B2(“MXナイロンS6001”(三菱ガス化学(株)製)、|Q100|は151J/g)をバリア性樹脂B1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表5に示す。
比較例2
バリア性樹脂B3(“MXナイロンS6121”(三菱ガス化学(株)製)、|Q100|は151J/g)をバリア性樹脂B1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表5に示す。
比較例3
ポリオレフィンA1の代わりにポリオレフィンA2(“J−REX KBY47C”日本ポリオレフィン(株)製)、及びバリア性樹脂B5をバリア性樹脂B1の代わりに用い、成形温度を235℃に変更した以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表5に示す。
比較例4
ポリオレフィンA1のみを用いて実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表5に示す。
実施例7
バリア性樹脂B7をバリア性樹脂B1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表4に示す
<表1>

融点(℃) 溶融粘度(Pa・s)
245℃ 235℃ 210℃
ポリオレフィン
A1 950 1040 1280
A2 − 2750 3100
バリア性樹脂
B1 240 1060 − −
B2 240 650 − −
B3 240 2640 − −
B4 240 1030 − −
B5 232 − 1530 −
B6 207 − − 5420
B7 240 1060 − −
B8 240 1050 − −
<表2>

結晶化度 総熱量 末端アミノ基濃度
(%) (J/g) (μ当量/g)
バリア性樹脂
B1 31 −47 18
B2 30 −45 43
B3 32 −47 10
B4 15 −23 45
B5 31 −47 17
B6 1 −1 44
B7 9 −14 20
B8 28 −42 77
<表3>

実施例
1 2 3 4 5
組成(wt%)
A1 75 75 − 75 75
A2 − − 75 − −
B1 5 − − 5 −
B4 − − − − 5
B5 − 5 − − −
B6 − − 5 − −
C1 20 20 20 − 20
C2 − − − 20 −
溶融粘度比 1.1 1.5 1.7 1.1 1.1
分散性 層状 層状 層状 層状 層状
燃料透過量(g) 0.9 0.8 0.7 2.4 0.7
衝撃強度(回数) >5 >5 >5 >5 >5
<表4>

実施例
6 7
組成(wt%)
A1 75 75
B7 − 5
B8 5 −
C1 20 20
溶融粘度比 1.1 1.1
分散性 層状 層状
燃料透過量(g) 4 3
衝撃強度(回数) 5 >5
<表5>

比較例
1 2 3 4
組成(wt%)
A1 65 75 − 100
A2 − − 75 −
B2 5 − − −
B3 − 5 − −
B5 − − 5 −
C1 30 20 20 −
溶融粘度比 0.7 2.8 0.6 −
分散性 層状 粒化 粒化 −
燃料透過量(g) 4.7 6 7 19
衝撃強度(回数) 2 >5 >5 >5
図1は、本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる層のTD断面の模式図であり、バリア性樹脂(B)が層状に分散した状態を示す。
符号の説明
1:熱可塑性樹脂組成物の層
2:層状分散体

Claims (13)

  1. ポリオレフィン(A)60〜92重量%、バリア性樹脂(B)4〜35重量%ならびに変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)4〜35重量%からなり、ポリオレフィン(A)とバリア性樹脂(B)の溶融粘度比が下記式を満たし、さらにバリア性樹脂(B)が、ジアミン構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミン単位であり、ジカルボン酸構成単位の70モル%以上が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位とイソフタル酸単位であり、かつα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位とイソフタル酸単位のモル比率が94:6〜100:0であるポリアミドであることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
    0.8≦MV/MV≦2.5
    (MVはポリオレフィン(A)の溶融粘度(Pa・s)であり、MVはバリア性樹脂(B)の溶融粘度(Pa・s)であり、それぞれ、剪断速度100sec−1、バリア性樹脂(B)の融点+2〜バリア性樹脂(B)の融点+10℃で測定される)
  2. 前記ポリアミドのDSC(示差走査熱量測定、測定温度範囲:25〜300℃、昇温速度:10℃/分)により測定した結晶化度が25%以上である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記ポリアミドのDSC(示差走査熱量測定、測定温度範囲:25〜300℃、昇温速度:10℃/分)により測定した総熱量が−20J/g以下である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記ポリアミドの末端アミノ基濃度が40μ当量/g以下である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記ポリアミドが、溶融重合ポリアミドに対して0.1〜30重量%の水の存在下、かつ、0.5〜4時間かけて70から120℃まで昇温することにより結晶化し、次いで、不活性ガス雰囲気中または減圧下で、溶融重合ポリアミドの融点−50℃〜溶融重合ポリアミドの融点−10℃の温度で1〜12時間加熱処理して得られたポリアミドである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記ポリアミドの融点が160〜240℃である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(D)を、前記バリア性樹脂(B)100重量部に対して0.3〜20重量部含む請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 変性ポリオレフィンおよびスチレン系共重合体(C)の、190℃、2.16kgfの荷重におけるメルトフローレート(MFR)が3g/10分以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 前記バリア性樹脂(B)がポリカルボジイミド系樹脂を0.1〜10重量%含む請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる層を含む熱可塑性樹成形体。
  11. 前記熱可塑性樹脂組成物からなる層中に前記バリア性樹脂が層状に分散している請求項10の成形体。
  12. 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる層を少なくとも一層、および、補強層を少なくとも一層含む多層成形体。
  13. 前記熱可塑性樹脂組成物からなる層中に前記バリア性樹脂が層状に分散している請求項12の多層成形体。
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