JP4983135B2 - バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物成形体 - Google Patents
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しかし、用いられるポリエチレン(高密度ポリエチレン)は、機械的強度、成形加工性、経済性に優れるものの、燃料に対するバリア性能が乏しいため、燃料透過量に対する規制に対応できなくなっている。
そのため、容器の内面をフッ素処理する方法や、ポリエチレンとポリアミド樹脂などをブレンドする方法によって燃料の透過を抑制する試みがなされている(特許文献1〜3参照)。これらのうち、フッ素処理に対しては、有害ガス取り扱い上の安全性確保や、処理後の回収方法などが問題となり現在はほとんど使用されていない。ポリエチレンとブレンドする方法については、バリア性樹脂を層状に分散させることにより燃料の透過量はある程度減らすことができるものの、この場合、バリア性能が不十分であったり、逆にバリア性能が十分であっても衝突時の衝撃吸収が低下したり、成形性が低下するなどの課題があり、今後ますます強化される規制に十分に応えていくことが困難であった。特に、ガソリンにエタノール等のアルコール類を添加することにより、化石燃料の使用量を減らし二酸化炭素の排出量を削減できるため、エタノールの燃料としての利用検討が進められているが、ナイロン6やエチレン−ビニルアルコール共重合などのバリア性樹脂は、アルコール類に対するバリア性が劣るために、よりバリア性能を高めた材料が望まれている。
0.7<MVB/MVA<2.8
(MVAはポリオレフィン(A)の溶融粘度(Pa・s)であり、MVBはバリア性樹脂(B)の溶融粘度(Pa・s)であり、それぞれ、剪断速度100sec−1、バリア性樹脂(B)の融点+2〜バリア性樹脂(B)の融点+10℃で測定される)を満たすことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、および、該組成物から得られた層を有するバリア性に優れた成形体に関する。
本発明において、DSC(示差走査熱量測定、25〜300℃、10℃/分)での測定によるポリアミドの総熱量は、好ましくは−20J/g以下、より好ましくは−60〜−20J/g、さらに好ましくは−50〜−25J/gである。総熱量が上記範囲内であると、押出成形加工時に、ポリアミドが溶融、可塑化により粒化、微粒子化することが避けられ、ポリアミドが熱可塑性樹脂組成物からなる層中に層状に分散し、熱可塑性樹脂成形体のバリア性が良好になる。
ポリカルボジイミド系樹脂は、有機ジイソシアネートなどを用いて公知の方法で合成することができ、末端を封止して重合度を制御してもよい。
ポリオレフィン(A)が50重量%未満の場合、樹脂組成物の衝撃強度や成形性が低下する問題が生じ、また97重量%を超えるとバリア性が低下するので好ましくない。また、バリア性樹脂(B)が2重量%未満では、バリア性が低く、45重量%を越える場合は衝撃強度が低下するので好ましくない。また、変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)が1重量%未満では、ポリオレフィンとバリア性樹脂の親和性が低下し、それに伴い衝撃強度が低下する問題が生じ、また、45重量%を越える場合は、バリア性樹脂(B)が層状の分散状態を構成し難くなるので好ましくない。
0.7<MVB/MVA<2.8
(MVAはポリオレフィン(A)の溶融粘度(Pa・s)であり、MVBはバリア性樹脂(B)の溶融粘度(Pa・s)であり、それぞれ、剪断速度100sec−1、バリア性樹脂(B)の融点+2〜バリア性樹脂(B)の融点+10℃で測定される)
を満たす。なお、MVAおよびMVBは上記測定温度範囲内の同一温度で測定する。該溶融粘度比は好ましくは0.8〜2.5の範囲である。溶融粘度比が0.7以下の場合は、バリア性向上効果が不十分なだけでなく耐衝撃性も低下する問題がある。また、溶融粘度比が2.8以上の場合は、バリア性樹脂が粒状に分散しやすくなるため、十分なバリア性向上効果を得ることができない。
スメクタイト(D)とは、高分子化合物、有機化合物系の有機膨潤化剤を、予め層状珪酸塩に接触させて、層状珪酸塩の層間を拡げたものである。
有機膨潤化剤として、第4級アンモニウム塩が好ましく使用できるが、好ましくは、炭素数12以上のアルキル基を少なくとも一つ以上有する第4級アンモニウム塩、特に好ましくは第4級アンモニウムハライド(クロライド、ブロマイド)が用いられる。
各層の厚さは多層成形体の形状に応じて選択されるが、本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる層は平均で0.005〜5mm、補強層は平均で0.005〜10mm、接着層は平均で0.005〜5mmであるのが好ましい。
(1)融点、結晶化度、熱量
島津製作所(株)製示差走査熱量計DSC−50により、以下の条件にて測定した。
標準物質:α−アルミナ
試料量:10mg
昇温速度:10℃/分
測定温度範囲:25〜300℃
雰囲気:窒素ガス 30ml/分
結晶化度=|Qt|/|Q100|
(Qtは総熱量、Q100はポリアミドが100%結晶化した時の吸熱量を表す。)
(2)溶融粘度
(株)東洋精機製キャピログラフ1D、オリフィス1mmφ×10mmを用いて測定した。
(3)末端アミノ基濃度
ポリアミド0.3〜0.5gを精秤し、フェノール/エタノール=4/1(容量)混合液30ccに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、三菱化学(株)製自動滴定装置を用いて、N/100塩酸水溶液で中和滴定して求めた。
(4)燃料透過量
60mm単軸押出機からなる中空成形機を使用して、表3〜5に記載の各熱可塑性樹脂組成物から、重量約120g、容量400cc、平均厚み約2mmの熱可塑性樹脂成形体(ブロー容器)を作製した。得られた容器に、燃料(イソオクタン/トルエン/エタノール=45/45/10vol%)を300cc充填し、口部を閉じた。該燃料充填容器を、40℃/65%RHに調整した防爆型恒温恒湿槽に30日間放置し、重量変化量から燃料透過量を求めた。
ポリオレフィン、ポリアミドならびに変性ポリオレフィンを表2または3に示す割合でドライブレンドした後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を使用し、重量約120g、容量400cc、平均厚み約2mmの熱可塑性樹脂成形体(ブロー容器)を作製した。得られた容器のTD断面に希ヨードチンキ(月島薬品株式会社製)を塗布してバリア性樹脂を染色した後、顕微鏡で分散状態を観察した。
(6)衝撃強度
ポリオレフィン、ポリアミドならびに変性ポリオレフィンを表2または3に示す割合でドライブレンドした後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を使用し、重量約120g、容量400cc、平均厚み約2mmの熱可塑性樹脂成形体(ブロー容器)を作製した。得られた容器に、水を約400cc充填し、口部を閉じた。該充填容器を、2mの高さから落下させ、割れに至るまでの落下回数を測定した。
バリア性樹脂B1(“MXナイロンS6007”三菱ガス化学(株)製、|Q100|は151J/g)を97重量部と、モンモリロナイト(白石工業(株)製、商品名「オルベン」)3重量部とをドライブレンドした後、該混合物を秤量フィーダーにて12kg/時間の速度で、シリンダー径37mm、逆目エレメントによる滞留部を有する強練りタイプのスクリューをセットした二軸押出機に供給した。シリンダー温度200℃、スクリュー回転数500rpm、滞留時間75秒の条件で溶融混練を行い、溶融ストランドを冷却エアーにて冷却、固化した後、ペレタイズ化し、バリア性樹脂B4(|Q100|は151J/g)を得た。
攪拌機、分縮器、冷却器、滴下槽、および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶にアジピン酸14.2kg(97.1mol)とイソフタル酸1.0kg(6.2mol)秤量して仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下に160℃で溶融アジピン酸とイソフタル酸からなる均一なスラリーにした。これに、メタキシリレンジアミン14.0kg(102.6mol)を撹拌下に1時間を要して滴下した。この間、内温は連続的に247℃まで上昇させた。メタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を260℃まで昇温し、1時間反応を継続した。得られたポリマーは反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、溶融重合ポリアミド1(融点232℃)を得た。
次に、このポリアミド1をステンレス製の回転ドラム式の加熱装置に仕込み、さらにポリアミド1に対して水を1wt%仕込み、10rpmで回転させた。十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて反応系内を室温から150℃まで昇温させたが、その際、1時間かけて70〜120℃まで昇温し結晶化させた。反応系内温度が150℃に達した時点で1torr以下まで減圧を行い、更に系内温度を110分間で210℃まで昇温した。系内温度が210℃に達した時点から、同温度にて180分間、反応を継続した。反応終了後、減圧を終了し窒素気流下にて系内温度を下げ、60℃に達した時点でペレットを取り出し、バリア性樹脂B5を得た。
攪拌機、分縮器、冷却器、滴下槽、および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶にアジピン酸12kg(82.11mol)とイソフタル酸3.41kg(20.53mol)を秤量して仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下に160℃で溶融した。これに、メタキシリレンジアミン13.75kg(100.95mol)を撹拌下に210分を要して滴下した。この間、内温は連続的に254℃まで上昇させた。メタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を260℃まで昇温し、1時間反応を継続した。得られたポリマーは反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、溶融重合ポリアミド2を得た。
次に、ポリアミド2にポリカルボジイミド系樹脂(カルボジライトLA1(日清紡製))を1wt%混合させドライブレンドした後、該混合物を秤量フィーダーにて12kg/時間の速度で、シリンダー径37mm、逆目エレメントによる滞留部を有する強練りタイプのスクリューをセットした二軸押出機に供給した。シリンダー温度260℃、スクリュー回転数100rpmの条件で溶融混練を行い、溶融ストランドを冷却エアーにて冷却、固化した後、ペレタイズ化し、バリア性樹脂B6を得た。
バリア性樹脂B1を、秤量フィーダーにて12kg/時間の速度でシリンダー径37mm、逆エレメントによる滞留部を有する二軸押出機に供給した。シリンダー温度270℃、スクリュー回転数100rpmの条件で溶融し、溶融ストランドを冷却エアーにて冷却、固化した後、ペレタイズ化し、バリア性樹脂B7(|Q100|は151J/g)を得た。
攪拌機、分縮器、冷却器、滴下槽、および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶にアジピン酸を10kg秤量して仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下に160℃で均一に溶解した。これに、メタキシリレンジアミン9.38kgを撹拌下に170分を要して連続的に滴下した。この間、内温は連続的に245℃まで上昇させた。メタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を260℃まで昇温し、1時間反応を継続した。得られたポリマーは反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、溶融重合ポリアミド3(融点240℃)を得た。このポリアミド3のペレットを250L固相重合装置に入れ、さらにペレットに対して水を1wt%仕込み、18rpmで回転させた。5Torr以下まで真空引きを行い、純度99容量%以上の窒素で常圧にする操作を3回行った。その後、室温から140℃まで昇温させ、その際、1時間かけて70〜120℃まで昇温し結晶化させた。ペレット温度が140℃に到達してから真空引きを開始し、さらに昇温を続けた。真空引き開始から110分経過したところで、ペレット温度が200℃に到達し、同温度にて60分間、反応を継続後、加熱を中止した。窒素を導入して常圧とし、バリア性樹脂B8(|Q100|は151J/g)を得た。
ポリオレフィンA1として高密度ポリエチレン“ノバテックHB−431”(日本ポリエチレン(株)製)、バリア性樹脂B1として“MXナイロンS6007”(三菱ガス化学(株)製、|Q100|は151J/g)、変性ポリオレフィンC1として“アドマーGT6”(三井化学(株)製、190℃、2.16kgfの荷重におけるMFR=0.9g/10分)とを表3に示す割合で混合した後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を用いて、容量400ccの容器を作製した。成形温度は245℃であった。得られた容器の燃料透過量、衝撃強度を測定し、分散性を観察した。結果を表3に示す。ポリオレフィンおよびバリア性樹脂の溶融粘度を表1に示す(以下同様)。バリア性樹脂の総熱量、結晶化度、末端アミノ基濃度を表2に示す(以下同様)。
バリア性樹脂B5をバリア性樹脂B1の代わりに用い、成形温度を235℃に変更した以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表3に示す。
ポリオレフィンA1の代わりにポリオレフィンA2(“J−REX KBY47C”日本ポリオレフィン(株)製)、及びバリア性樹脂B6をバリア性樹脂B1の代わりに用い、成形温度を210℃に変更した以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表3に示す。
変性ポリオレフィンC2(“モディックM505”三菱化学製、190℃、2.16kgfの荷重におけるMFR=5g/10分)を変性ポリオレフィンC1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表3に示す。
バリア性樹脂B4をバリア性樹脂B1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表3に示す。
バリア性樹脂B8をバリア性樹脂B1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表4に示す
バリア性樹脂B2(“MXナイロンS6001”(三菱ガス化学(株)製)、|Q100|は151J/g)をバリア性樹脂B1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表5に示す。
バリア性樹脂B3(“MXナイロンS6121”(三菱ガス化学(株)製)、|Q100|は151J/g)をバリア性樹脂B1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表5に示す。
ポリオレフィンA1の代わりにポリオレフィンA2(“J−REX KBY47C”日本ポリオレフィン(株)製)、及びバリア性樹脂B5をバリア性樹脂B1の代わりに用い、成形温度を235℃に変更した以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表5に示す。
ポリオレフィンA1のみを用いて実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表5に示す。
バリア性樹脂B7をバリア性樹脂B1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散性、衝撃強度を評価した。結果を表4に示す
融点(℃) 溶融粘度(Pa・s)
245℃ 235℃ 210℃
ポリオレフィン
A1 950 1040 1280
A2 − 2750 3100
バリア性樹脂
B1 240 1060 − −
B2 240 650 − −
B3 240 2640 − −
B4 240 1030 − −
B5 232 − 1530 −
B6 207 − − 5420
B7 240 1060 − −
B8 240 1050 − −
結晶化度 総熱量 末端アミノ基濃度
(%) (J/g) (μ当量/g)
バリア性樹脂
B1 31 −47 18
B2 30 −45 43
B3 32 −47 10
B4 15 −23 45
B5 31 −47 17
B6 1 −1 44
B7 9 −14 20
B8 28 −42 77
実施例
1 2 3 4 5
組成(wt%)
A1 75 75 − 75 75
A2 − − 75 − −
B1 5 − − 5 −
B4 − − − − 5
B5 − 5 − − −
B6 − − 5 − −
C1 20 20 20 − 20
C2 − − − 20 −
溶融粘度比 1.1 1.5 1.7 1.1 1.1
分散性 層状 層状 層状 層状 層状
燃料透過量(g) 0.9 0.8 0.7 2.4 0.7
衝撃強度(回数) >5 >5 >5 >5 >5
実施例
6 7
組成(wt%)
A1 75 75
B7 − 5
B8 5 −
C1 20 20
溶融粘度比 1.1 1.1
分散性 層状 層状
燃料透過量(g) 4 3
衝撃強度(回数) 5 >5
比較例
1 2 3 4
組成(wt%)
A1 65 75 − 100
A2 − − 75 −
B2 5 − − −
B3 − 5 − −
B5 − − 5 −
C1 30 20 20 −
溶融粘度比 0.7 2.8 0.6 −
分散性 層状 粒化 粒化 −
燃料透過量(g) 4.7 6 7 19
衝撃強度(回数) 2 >5 >5 >5
2:層状分散体
Claims (13)
- ポリオレフィン(A)60〜92重量%、バリア性樹脂(B)4〜35重量%ならびに変性ポリオレフィン(Ca)および/またはスチレン系共重合体(Cb)4〜35重量%からなり、ポリオレフィン(A)とバリア性樹脂(B)の溶融粘度比が下記式を満たし、さらにバリア性樹脂(B)が、ジアミン構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミン単位であり、ジカルボン酸構成単位の70モル%以上が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位とイソフタル酸単位であり、かつα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位とイソフタル酸単位のモル比率が94:6〜100:0であるポリアミドであることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
0.8≦MVB/MVA≦2.5
(MVAはポリオレフィン(A)の溶融粘度(Pa・s)であり、MVBはバリア性樹脂(B)の溶融粘度(Pa・s)であり、それぞれ、剪断速度100sec−1、バリア性樹脂(B)の融点+2〜バリア性樹脂(B)の融点+10℃で測定される) - 前記ポリアミドのDSC(示差走査熱量測定、測定温度範囲:25〜300℃、昇温速度:10℃/分)により測定した結晶化度が25%以上である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記ポリアミドのDSC(示差走査熱量測定、測定温度範囲:25〜300℃、昇温速度:10℃/分)により測定した総熱量が−20J/g以下である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記ポリアミドの末端アミノ基濃度が40μ当量/g以下である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記ポリアミドが、溶融重合ポリアミドに対して0.1〜30重量%の水の存在下、かつ、0.5〜4時間かけて70から120℃まで昇温することにより結晶化し、次いで、不活性ガス雰囲気中または減圧下で、溶融重合ポリアミドの融点−50℃〜溶融重合ポリアミドの融点−10℃の温度で1〜12時間加熱処理して得られたポリアミドである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記ポリアミドの融点が160〜240℃である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(D)を、前記バリア性樹脂(B)100重量部に対して0.3〜20重量部含む請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 変性ポリオレフィンおよびスチレン系共重合体(C)の、190℃、2.16kgfの荷重におけるメルトフローレート(MFR)が3g/10分以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記バリア性樹脂(B)がポリカルボジイミド系樹脂を0.1〜10重量%含む請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる層を含む熱可塑性樹成形体。
- 前記熱可塑性樹脂組成物からなる層中に前記バリア性樹脂が層状に分散している請求項10の成形体。
- 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる層を少なくとも一層、および、補強層を少なくとも一層含む多層成形体。
- 前記熱可塑性樹脂組成物からなる層中に前記バリア性樹脂が層状に分散している請求項12の多層成形体。
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